JP4232215B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線構造を有する半導体装置の製造方法に係り、特に、ダマシン法を用いて多層配線構造が形成される半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、トランジスタ等の半導体装置の高性能化および高集積化の要求に伴い、その配線部においても多層化および微細化が要求されている。このため多層化プロセスも様々な技術革新がなされている。その一例として、例えば、配線として従来のアルミニウム(Al)よりも低抵抗で、EM(エレクトロマイグレーション)耐性に優れた銅(Cu)の採用がある。この銅はアルミニウムに比べてRIE(Reactive Ion Etching :反応性イオンエッチング) による加工が困難である等の理由によって、シリコンプロセスへの導入が阻まれていた。しかし、銅のエッチングプロセスを必要としないダマシン技術、特にデュアルダマシン法が登場し、この方法による配線技術への導入が注目されている(「ULSI Technology 」,C.Y.CHANG and S.M.SZE , McGRAW-HILL , p.444-p.447 )。
【0003】
このデュアルダマシン法は、平坦化された下部配線層上に、上部配線層およびこれら配線層間を電気的に接続するための接続部(ビアコンタクト)を同時に形成した後、上部配線層を平坦化する技術である。
【0004】
以下、図5および図6を参照してこのデュアルダマシン法による多層配線構造の形成方法について具体的に説明する。まず、図5(A)は、表面に不純物拡散領域101aが形成されたシリコン基板101上に層間絶縁膜102,層間絶縁膜103および層間絶縁膜104を順次積層した後、層間絶縁膜102に接続孔102aを、層間絶縁膜103および層間絶縁膜104に接続孔102aと連通する配線溝104aをそれぞれ形成し、これら接続孔102aおよび配線溝104aに銅(Cu)を連続的に埋め込むことにより接続部(コンタクトプラグ)105および下部配線層106を一体的に形成し、CMP(Chemical and Mechanical Polishing : 化学的機械研磨)法により、層間絶縁膜104の表面と下部配線層106の表面とを平坦化し、更に、層間絶縁膜104および下部配線層106上に接続孔形成用エッチングストッパ層107,層間絶縁膜108,配線溝形成用エッチングストッパ層109,層間絶縁膜110およびフォトレジスト膜111をこの順に積層した後、このレジスト膜111に接続孔のパターンを形成した状態を示している。
【0005】
次に、フォトレジスト膜111をマスクとして、層間絶縁膜110,配線溝形成用エッチングストッパ層109および層間絶縁膜108のエッチングを行い、図5(B)に示したように接続孔112および配線溝の一部113aを形成する。次いで、フォトレジスト膜111を除去した後、層間絶縁膜110上に配線溝形成用のフォトレジスト膜114を形成する。
【0006】
続いて、フォトレジスト膜114をマスクとし、配線溝形成用エッチングストッパ層109を終点としたエッチングを行い、図6(A)に示したように層間絶縁膜110に接続孔112と連通した配線溝113を形成する。次いで、同じくフォトレジスト膜114をマスクとして、接続孔112の底部の接続孔形成用エッチングストッパ層107のエッチングを行う。次いで、シリコン基板101の全面に窒化チタン(TiN)よりなる拡散防止層(バリアメタル層)115を形成する。
【0007】
更に、図6(B)に示したように、拡散防止層115により周面が覆われた接続孔112および配線溝113に銅(Cu)を連続的に充填した後、CMP法により層間絶縁膜110の表面が検出されるまで上部配線層117,層間絶縁膜110および拡散防止層115を研磨する。これにより、接続孔112の内部には接続部(ビアプラグ)116が形成されると共に、配線溝113の内部には接続部116を介して下部配線層106と電気的に接続された上部配線層117が形成される。
【0008】
このようなデュアルダマシン法により配線部(接続部および配線層)を形成すると、平坦化された下地(基板)の上に接続部および配線層を形成するために、配線層形成後の複雑な平坦化工程を必要としないという利点を有する。よって、銅などのエッチング加工性の低い導電性材料についても容易に加工することができる。また、接続孔および配線溝を容易に形成することができると共に、接続孔および配線溝に連続的に導電性材料を埋め込むため、接続部と配線層とを同一の材料で形成することができるという利点を有している。
【0009】
ところで、従来、このような多層配線を形成する際には、フォトリソグラフィによる合わせずれが生じた場合においても、下部配線層と接続部(ビアプラグ)との接触面積を確保できるように、下部配線層のコンタクト領域付近の線幅を広くする構造(ボーダー構造)が採用され、プロセス余裕度の向上が図られていた。しかしながら、半導体装置の微細化が進み、配線密度が高くなるに従って、下部配線層の幅広のコンタクト領域(ボーダー部)は隣接する下部配線層のボーダー部との距離が狭くなったり、隣接する下部配線層のボーダー部と重なり合ってしまうため、良好なコンタクトが得られなくなり、更なる配線間隔の縮小を妨げていた。そこで、現在、下部配線層にボーダー部の存在しない構造(ボーダーレス構造)が採用され、配線密度の向上が図られている。このボーダーレス構造を有する多層配線の形成方法としては、接続部と上部配線層とを同時に形成することができる等の理由から上述のデュアルダマシン法が好適である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リソグラフィの位置合わせ精度の向上の度合は、半導体装置の寸法の縮小に比べて遅い傾向にあり、ボーダーレス構造の配線を形成する場合においては、接続孔に埋め込まれる接続部と下部配線層との間に合わせずれが生じると相互の接触面積が減少するという問題があった。
【0011】
図7は、上述のデュアルダマシン法を用いて多層配線を形成した際に接続部(ビアプラグ)116と下部配線層106との間に合わせずれが生じた(すなわち、図5(A)に示したフォトレジスト膜111のパターン形成時に合わせずれが生じた)場合の配線構造を示したものである。接続部116の底面は一部のみがバリアメタル層115を介して下部配線層106の表面と接触しており、接続部116と下部配線層106との間の接触幅wは減少する。すなわち、下部配線層106と上部配線層117との間の接触面積が減少し、接触不良等により電気的接続の信頼性が損なわれる虞れがある。このように多層配線構造を有する半導体装置では、下層の配線層と上層の配線層との電気的接続の信頼性が、その性能を大きく左右する。なお、上層側の配線層の接続部に対する形成位置がずれた場合の、電気的接続の信頼性を確保する技術は提案されている(特開平9−232430号公報)ものの、下層側の配線層と接続部との電気的接続を確保する技術は提案されていない。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、多層配線構造の作製プロセスにおいて、リソグラフィの合わせずれが生じた場合においても、下層側の配線層と接続部との接触面積を確保でき、上下の配線層間での高いコンタクト信頼性を得ることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体装置の製造方法は、2以上の配線層を互いに層間絶縁膜を介して上下に積層した多層配線構造を作製する過程において、層間絶縁膜に埋め込まれた第1の配線層を形成する工程と、第1の配線層の上面および側壁面との電気的な接触面を有する接続部を形成する工程と、層間絶縁膜中に、接続部を介して第1の配線層と電気的に接続された第2の配線層を形成する工程とを含むものであり、より具体的には、第1の配線溝を有する第1の層間絶縁膜を形成した後、第1の配線溝に導電性材料を埋め込むことにより第1の配線層を形成する工程と、第1の層間絶縁膜および第1の配線層上に第1のエッチングストッパ層,第2の層間絶縁膜,第2のエッチングストッパ層および第3の層間絶縁膜を順次積層させる工程と、第1のエッチングストッパ層を終点としてエッチングを行い、第3の層間絶縁膜,第2のエッチングストッパ層および第2の層間絶縁膜を順次選択的に除去することにより、底部の一部が第1の配線層の上面に対向した接続孔用開口を形成する工程と、第3の層間絶縁膜を選択的に除去して接続孔用開口の上部を広げることにより第3の層間絶縁膜に第2の配線溝を形成する工程と、接続孔用開口の底部の第1のエッチングストッパ層を選択的に除去した後、第1の配線層の側壁面の少なくとも一部が露出するように第1の層間絶縁膜を選択的に除去することにより第2の配線溝と連通した接続孔を形成する工程と、接続孔および第2の配線溝に導電性材料を連続的に埋め込むことにより接続部および第2の配線層を一体的に形成する工程とを含むものである。
【0016】
本発明による半導体装置の製造方法では、第3の層間絶縁膜,第2のエッチングストッパ層および第2の層間絶縁膜が順次選択的に除去され、底部の一部が第1の配線層の上面に対向した接続孔用開口が形成される。次いで、第3の層間絶縁膜が選択的に除去され第3の層間絶縁膜に第2の配線溝が形成される。その後、第1のエッチングストッパ層の接続孔用開口の底部部分が選択的に除去された後、第1の配線層の側壁面の少なくとも一部が露出するように第1の層間絶縁膜が選択的に除去されることにより、第2の配線溝と連通した接続孔が形成される。その後、この接続孔に導電性材料が埋め込まれ、第1の配線層の上面だけでなくその側壁面とも接触した接続部を備えた多層配線が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態に係る半導体装置のうち多層配線部の構成を表すものである。この多層配線部では、表面に不純物領域11aが形成されたシリコン基板11上に例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜(SiO2 )により形成された層間絶縁膜12が形成されている。なお、不純物領域11aは例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのソースまたはドレイン領域となる。層間絶縁膜12上には例えば膜厚100nmのシリコン窒化膜よりなる層間絶縁膜13および例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜14が形成されている。層間絶縁膜12には導電性材料、例えば銅(Cu)により形成された接続部(コンタクトプラグ)15が埋め込まれている。層間絶縁膜13および層間絶縁膜14には導電性材料、例えば銅により形成された下部配線層16が埋め込まれており、この下部配線層16の表面は層間絶縁膜14の表面と同一面を構成するように平坦化されている。下部配線層16は接続部(コンタクトプラグ)15を介して不純物領域11aと電気的に接続されている。なお、層間絶縁膜14は本発明の第1の層間絶縁膜、下部配線層16は本発明の第1の配線層にそれぞれ対応している。
【0019】
下部配線層16および層間絶縁膜14上には、接続孔形成用エッチングストッパ層17および層間絶縁膜18がこの順に積層されている。接続孔形成用エッチングストッパ層17は例えば膜厚100nmのシリコン窒化膜(Si3 N4 )、層間絶縁膜18は例えば膜厚500nmシリコン酸化膜(SiO2 )によりそれぞれ形成されている。層間絶縁膜18の上には、例えば厚さ200nmの配線溝形成用エッチングストッパ層19が形成されている。この配線溝形成用エッチングストッパ層19は、例えば接続孔形成用エッチングストッパ層17と同一の絶縁材料(本実施の形態においてはSi3 N4 )により構成されている。配線溝形成用エッチングストッパ層19の厚さは、後述のエッチングによる接続孔31の形成時において層間絶縁膜18が削られることを防止するために接続孔形成用エッチングストッパ層17より厚いことが望ましく、より望ましくは2倍以上である。配線溝形成用エッチングストッパ層19上には、更に例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜20が形成されている。
【0020】
なお、接続孔形成用エッチングストッパ層17は本発明の第1のエッチングストッパ層に対応している。また、層間絶縁膜18は本発明の第2の層間絶縁膜,配線溝形成用エッチングストッパ層19は本発明の第2のエッチングストッパ層,層間絶縁膜20は本発明の第3の層間絶縁膜にそれぞれ対応している。
【0021】
下部配線層16上には接続部(ビアプラグ)21が埋め込まれており、接続部21上を含む層間絶縁膜20および配線溝形成用エッチングストッパ層19中には上部配線層22が接続部21と一体化されて埋め込まれている。上部配線層22の表面は層間絶縁膜20の表面と同一面を構成するように平坦化されている。接続部21と上部配線層22とは同一の導電性材料、例えば銅により形成されている。なお、上部配線層22は本発明の第2の配線層に対応している。
【0022】
接続部21は層間絶縁膜14,接続孔形成用エッチングストッパ層17,層間絶縁膜18および配線溝形成用エッチングストッパ層19を連通するように設けられた接続孔31に例えば銅を埋め込むことにより形成されたものである。本実施の形態では、この接続部21は接続孔形成用エッチングストッパ層17より下層の層間絶縁膜14の中間深さの位置まで達している。
【0023】
一体化された接続部21および上部配線層22と、層間絶縁膜14,接続孔形成用エッチングストッパ層17,層間絶縁膜18,配線溝形成用エッチングストッパ層19および層間絶縁膜20との間、並びに下部配線層16と接続部21との間には、例えば膜厚50nmの窒化チタン(TiN)により形成された拡散防止層(バリアメタル層)23が設けられている。この拡散防止層23は、接続部21および上部配線層22を構成する導電性材料(本実施の形態では銅(Cu))が層間絶縁膜14,18,20、接続孔形成用エッチングストッパ層17および配線溝形成用エッチングストッパ層19中に拡散してこれら絶縁膜の誘電率を増大させたり配線間リークを招くことを防止する機能を主として有するものであるが、その他、密着性の向上、銅の酸化防止等の機能を有することが望ましい。従って、拡散防止層23としては、チタン(Ti),タンタル(Ta)等の単体金属を用いてもよいが、よりバリヤ性の高く、銅との反応性のない上述の窒化チタンや、窒化タンタル(TaN)または窒化タングステン(WN)などの金属窒化物により形成することが望ましい。
【0024】
この半導体装置では、上部配線層22と下部配線層16とを電気的に接続するための接続部21が下部配線層16の中間深さの位置まで達しており、接続部21は下部配線層16の上面16aだけでなく、その側壁面16bとも接触しており、その分接触面積が大きくなっている。よって、先の図7に示したようなリソグラフィにおける合わせずれが生じた場合であっても、上部配線層22と下部配線層16との良好な電気的接続に必要な下部配線層16と接続部21との接触面積が確保され、下層配線層16と上層配線層22との間の電気的接続について高い信頼性を得ることができる。
【0025】
次に図2(A),(B)ないし図4および先の図1を参照してこの半導体装置の製造方法について説明する。
【0026】
まず、図2(A)に示したように、シリコン基板11の表面に適宜の不純物を導入して不純物領域11aを形成する。次いで、不純物領域11aを含むシリコン基板11上に例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長 )法により例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜12,例えばプラズマCVD法により例えば膜厚100nmのシリコン窒化膜よりなる層間絶縁膜13および例えばプラズマCVD法により例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜14を順次形成する。
【0027】
次に、層間絶縁膜14上にフォトレジスト(図示せず)を塗布し、所定のパターン形成を行った後、層間絶縁膜14,層間絶縁膜13および層間絶縁膜12のエッチングを行い、層間絶縁膜12中の不純物領域11a上に接続孔15aを形成する。続いて、層間絶縁膜14上に再度フォトレジスト(図示せず)を塗布し、所定のパターン形成を行った後、層間絶縁膜14および層間絶縁膜13のエッチングを行い、層間絶縁膜13および層間絶縁膜14中に接続孔15aと連通した配線溝14aを形成する。続いて、配線溝14aおよび接続孔15aに例えばリフロー・スパッタ法により銅を連続的に埋め込んで接続孔15aには接続部(コンタクトプラグ)15を、配線溝14aには下部配線層16をそれぞれ形成する。その後、例えばCMP法により層間絶縁膜14の表面と下部配線層16の表面とが同一面を形成するように平坦化を行い、その後それらの表面を洗浄する。
【0028】
次に、図2(B)に示したように、例えばプラズマCVD法により膜厚100nmシリコン窒化膜よりなる接続孔形成用エッチングストッパ層17を形成し、この接続孔形成用エッチングストッパ層17上に例えばプラズマCVD法により膜厚500nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜18を形成する。
【0029】
続いて、層間絶縁膜18上に例えばプラズマCVD法によりシリコン窒化膜よりなる配線溝形成用エッチングストッパ層19を形成する。この配線溝形成用エッチングストッパ層19は、接続孔形成用エッチングストッパ層17の厚さよりも厚く、例えば200nmの膜厚に形成する。次いで、配線溝形成用エッチングストッパ層19上に例えばプラズマCVD法により膜厚600nmのシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜20を形成する。更に、層間絶縁膜20上にフォトレジスト膜30を形成した後、リソグラフィ技術によってフォトレジスト膜30に接続孔形成のためのパターニングを施す。
【0030】
次に、このフォトレジスト膜30をマスクとして例えばRIE(Reactive Ion Etching)法により層間絶縁膜20,配線溝形成用エッチングストッパ層19および層間絶縁膜18の異方性エッチングを行う。これにより、図3(A)に示したように接続孔の一部31aおよび配線溝の一部32aが穿設される。次いで、フォトレジスト膜30を除去した後、層間絶縁膜20上にフォトレジスト膜33を塗布形成し、配線溝形成用のパターニングを行う。
【0031】
続いて、フォトレジスト膜33をマスクとして例えばRIE法により層間絶縁膜20に異方性エッチングを施し、図3(B)に示したように、接続孔の一部31aと連通した配線溝32を形成する。その後、例えばRIE法により接続孔形成用エッチングストッパ層17のうちの接続孔の一部31aの下部領域に異方性エッチングを施す。これにより下部配線層16の表面16aの一部が露出される。このとき、配線溝形成用エッチングストッパ層19の一部(配線溝32の下部領域)も同時にエッチング除去されるが、既に述べたように配線溝形成用エッチングストッパ層19は接続孔形成用エッチングストッパ層17の厚さよりも厚く形成されているので、表面の一部が除去されるのみであり、層間絶縁膜18が露出することはない。
【0032】
更に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成した後、層間絶縁膜14の下部配線層16の側壁面16bと接する部分が除去されるように、例えばRIE法により層間絶縁膜14の異方性エッチングを行う。このRIEは、例えば、反応ガスとしてC4 F8 /CO/Ar/O2 =10/200/200/3sccm,高周波電力(RF)=1500W,圧力=6Paの条件で行う。これにより、下部配線層16の側壁面16bの一部も露出され、接続孔形成用エッチングストッパ層17より下層の層間絶縁膜14の中間深さの位置まで達する接続孔31が形成される。
【0033】
次に、図4に示したように、例えばスパッタ圧力が0.5Pa、直流電源の出力が2kWのスパッタ条件のもとで基板温度を200℃にして純チタン(Ti)をターゲットとし、反応性ガスとして流量100sccmの窒素ガス(N2 )を用いてリアクティブ・スパッタを行うことによりシリコン基板11の全面に例えば膜厚50nmの窒化チタンよりなる拡散防止層(バリアメタル層)23を形成する。次いで、基板温度を例えば650℃にして30秒間加熱することによりRTP(Rapid Thermal Process )を行う。
【0034】
続いて、接続孔31および配線溝32中に例えばリフロー・スパッタ法により同一の導電性材料を連続的に埋め込むことにより、接続孔31の内部には接続部(ビアプラグ)21を、配線溝32の内部には上部配線層22をそれぞれ形成する。具体的には、例えば、反応性ガスとして流量20sccmのアルゴンガス(Ar)および流量70sccmの窒素ガス(N2 )を用い、直流電源の出力が12kWの条件のもとで基板温度を200℃にして純チタン(Ti)をターゲットとしたスパッタを行うことにより窒化チタン(TiN)膜を形成し、その後、反応性ガスとして流量100sccmのアルゴンガス(Ar)を用い、直流電源の出力が12kWの条件のもとで基板温度を200℃にして銅(Cu)のスパッタを行った後、更に真空中で30分間,400°Cのリフローを行うことにより、接続部21および上部配線層22を形成することができる。その後、例えばCMP法により層間絶縁膜20の表面と拡散防止層23の上端面と上部配線層22の表面とが同一面を構成するように平坦化を行う。最後に、平坦化された層間絶縁膜20および上部配線層22の表面並びに拡散防止層23の上端面に付着した金属イオンやパーティクルを除去するために洗浄液として例えば希フッ酸を用いて洗浄を行う。これにより、図1に示した多層配線構造の半導体装置が得られる。
【0035】
このように本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、複数回エッチングを行うことにより、深さが接続孔形成用エッチングストッパ層17より下層の層間絶縁膜14の中間深さの位置まで達すると共に、下部配線層16の上面16aおよび側壁面16bに対向した接続孔31を形成するようにしたので、この接続孔31の内部に下部配線層16の上面16aだけでなく、その側壁面16bとも接触している接続部21を形成することができる。従って、下部配線層16と接続部21との接触面積は増大し、フォトリソグラフィにおいて合わせずれが生じた場合においても上層配線層22と下層配線層16との電気的接続に影響を及ぼすことはない。その結果、電気的接続の信頼性に優れた多層配線が形成されると共に、ボーダーレス構造の多層配線形成時のプロセス余裕の拡大化を図ることができる。
【0036】
更に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、接続孔31および配線溝32中に同一の導電性材料を連続的に埋め込むことにより、接続部21および上部配線層22を一体的に形成するようにしたので、多層配線形成時の製造工程数が少なくなる。また、層間絶縁膜14の表面と下部配線層16の表面とが同一面を形成するように平坦化を行った後、接続孔形成用エッチングストッパ層17,層間絶縁膜18,配線溝形成用エッチングストッパ層19および層間絶縁膜20を積層し、次いで接続部21および上部配線層22を埋め込み形成するようにしたので、層間絶縁膜20の表面と上部配線層22の表面との平坦化を容易に行うことができる。その結果、膜厚の均一な上部配線層22が形成される。
【0037】
更に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線溝形成用エッチングストッパ層19と接続孔形成用エッチングストッパ層17とを同一の絶縁性材料で構成すると共に、配線溝形成用エッチングストッパ層19の厚さを接続孔形成用エッチングストッパ層17の厚さよりも厚くなるように形成したので、接続孔形成用エッチングストッパ層17をエッチング除去した際に配線溝形成用エッチングストッパ層19はその上部のみがエッチング除去される。
【0038】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態においては、下部配線層16、接続部(ビアプラグ)21および上部配線層22を銅により形成する場合について説明したが、その他、アルミニウム(Al),タングステン(W),不純物ドープトシリコン(Si)、または銅,アルミニウム,タングステンおよび不純物ドープトシリコンのうちの少なくとも2種が複合された材料により形成する場合にも本発明は適用可能である。
【0039】
更に、上記実施の形態においては、エッチングのストッパ層をシリコン窒化膜、各層間絶縁膜をシリコン酸化膜により形成する例について説明したが、ストッパ層としてプラズマSiO2 などのシリコン酸化膜を用いるようにしても良く、この場合には層間絶縁膜を、シリコン酸化膜に対して選択比のとれる材料、例えばシリコン酸化膜よりも誘電率(ε)の低い、FSG(Flurinated Silicate Glass )(ε=3.3〜3.5)またはHSQ(Hydrogen Silises Quioxane )(ε=3.0〜3.1)を用いた無機SOG(Spin On Glass )膜、あるいは有機SOG膜等により形成すればよい。
【0040】
更に、上記実施の形態においては、リフロースパッタ法により導電性材料を埋め込む場合について説明したが、その他CVD法、電解めっき法または無電解めっき法などの他の方法により埋め込むことも可能である。
【0041】
また、上記実施の形態では、シリコン基板11上に2層構造の配線を形成する例について説明したが、本発明は3層以上の多層配線構造にも同様に適用できることはいうまでもない。この場合、直接上下に対応する配線層の一組に本発明を適用しても良く、あるいは全ての組に適用するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法によれば、第1の配線層と第2配線層とを電気的に接続するための接続部が第1の配線層の表面および側壁面と接触するように構成したので、リソグラフィにおける合わせずれが生じた場合において、従来の半導体装置と比べて第1の配線層と接続部との接触面積が第1の配線層の側壁面との接触面積分だけ増大する。よって、ボーダーレスの多層配線構造とした場合においても、高い電気的接続の信頼性を維持することができ、更に配線密度を高めることもできるという効果を奏する。
【0043】
また、第1の配線層と第2の配線層とを電気的に接続するための接続部を、第1の配線層の表面および側壁の中間深さの位置まで達する接続孔に導電性材料を埋め込むことにより形成するようにしたので、第1の配線層の上面だけではなく、その側壁面とも接触した接続部を備えた多層配線を形成することができ、電気的接続の信頼性の高い半導体装置を容易に実現できる。また、接続孔および配線溝に連続的に導電性材料を埋め込むことにより接続部および第2の配線層を一体的に形成するため、製造工程数を少なくすることができるという効果もある。
【0044】
特に、請求項4に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1の配線層が第1の層間絶縁膜と同一面を構成するように平坦化処理を行った後、接続部および第2の配線層を形成するようにしたので、第2の配線層の表面と第3の層間絶縁膜の表面との平坦化処理を容易に行うことができ、第2の配線層の膜厚を均一にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る半導体装置の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置の各製造工程を表す断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を表す断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を表す断面図である。
【図5】従来の半導体装置の製造工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く製造工程を表す断面図である。
【図7】従来の半導体装置の問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
11…シリコン基板、12,13,14,18,20…層間絶縁膜、15…接続部(コンタクトプラグ)、16…下部配線層(第1の配線層)、17…接続孔形成用エッチングストッパ層、19…配線溝形成用エッチングストッパ層、21…接続部(ビアプラグ)、22…上部配線層(第2の配線層)、23…拡散防止層(バリアメタル層)、31…接続孔、32…配線溝
Claims (8)
- 2以上の配線層を互いに層間絶縁膜を介して上下に積層した多層配線構造を有する半導体装置の製造方法において、
第1の配線溝を有する第1の層間絶縁膜を形成した後、前記第1の配線溝に導電性材料を埋め込むことにより第1の配線層を形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜および第1の配線層上に第1のエッチングストッパ層,第2の層間絶縁膜,第2のエッチングストッパ層および第3の層間絶縁膜を順次積層させる工程と、
前記第1のエッチングストッパ層を終点としてエッチングを行い、第3の層間絶縁膜,第2のエッチングストッパ層および第2の層間絶縁膜を順次選択的に除去することにより、底部の一部が第1の配線層の上面に対向した接続孔用開口を形成する工程と、
前記第3の層間絶縁膜を選択的に除去して前記接続孔用開口の上部を広げることにより第3の層間絶縁膜に第2の配線溝を形成する工程と、
前記接続孔用開口の底部の第1のエッチングストッパ層を選択的に除去した後、前記第1の配線層の側壁面の少なくとも一部が露出するように前記第1の層間絶縁膜を選択的に除去することにより第2の配線溝と連通した接続孔を形成する工程と、
前記接続孔および第2の配線溝に導電性材料を連続的に埋め込むことにより接続部および第2の配線層を一体的に形成する工程と
を含む半導体装置の製造方法。 - 更に、前記接続孔および第2の配線溝に導電性材料を埋め込む前に、接続孔および第2の配線溝の内壁面に拡散防止層を形成する工程を含む請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記拡散防止層を、窒化チタン(TiN),窒化タンタル(TaN)または窒化タングステン(WN)のいずれかにより形成する請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 更に、前記第1の層間絶縁膜の第1の配線溝に導電性材料を埋め込んだ後、および前記第3の層間絶縁膜の第2の配線溝に導電性材料を埋め込んだ後において、それぞれ各配線層が層間絶縁膜と同一面を構成するように平坦化処理を施す工程を含む請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- 前記平坦化処理を化学的機械研磨法により行う請求項4記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1のエッチングストッパ層と第2のエッチングストッパ層とを同一の絶縁性材料により形成すると共に、第2のエッチングストッパ層の厚さを第1のエッチングストッパ層の厚さよりも厚く形成する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2のエッチングストッパ層の厚さを第1のエッチングストッパ層の2倍以上とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の配線層、第2の配線層および接続部をそれぞれ銅(Cu),アルミニウム(Al),タングステン(W),不純物ドープトシリコン(Si)若しくはこれらの複合材料により形成する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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