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JP4230773B2 - 符号分割多元接続通信用システム - Google Patents

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、表題“拡散スペクトル通信用システム”(ドケットNo.CM03351J)、“論理的スパニングツリーバックボーンを用いた自己組織型ネットワーク用プロトコル”(ドケットNo.CM03403J)、及び“非同期ネットワークにおける通信装置用多元接続プロトコル及び構造”(ドケットNo.CM03333J)の出願に関連するものである。
本発明は、直接拡散符号分割多元接続(DS−CDMA)技術に関する。特に、本発明は、DS−CDMA受信機、DS−CDMA送信機、DS−CDMA通信システム、及びDS−CDMA信号を用いた信号送信の方法に関する。
直接拡散符号分割多元接続(DS−CDMA)は、複数の通信チャンネル、例えば、無線ネットワークセルを用いた複数の無線装置間において、スペクトルを分配するための優れた方法として登場した。DS−CDMAは、所定の帯域幅を割り当てる場合、競合システム、例えば、時分割多元接続(TDMA)又は周波数ホッピング拡散スペクトルよりも大きいデータ転送速度を提供することが実証されている。
また、DS−CDMAは、一種の拡散スペクトル信号送信方法でもある。周波数ホッピング拡散スペクトル技術に対して、DS−CDMA信号は、所定のどの瞬間においても割り当てられた全帯域幅を用いる。
DS−CDMA信号送信方法において、2進数データ系列は、2つの信号状態が等しい符号と反対の符号の信号レベルに対応するようにバイアスされ、同じようにバイアスされるDS−CDMA符号で乗算されるが、周波数が更に高いことを特徴とする。例えば、2進数データ系列の各ビット周期は、通常、DS−CDMA符号の7乃至127の信号周期に対応する。DS−CDMA符号の各2進数値に対応する信号周期は、チップ周期と称される。DS−CDMA符号は、各チップ周期に対応する1つの数字又は要素を有するベクトルとして表すことができる。擬似雑音数列(PN)は、各要素が、1又は−1の何れかであり、DS−CDMA符号として用い得る。DS−CDMA符号は、2進数データ系列の連続したビットで繰り返し乗算される。各通信チャンネルは、差別化を目的とした固有のDS−CDMAを有し得る。RF伝送の場合、利用帯域幅を制限するために、各チップ周期に対して、そのチップ周期に対するDS−CDMA符号値と、そのチップ周期に対する2進数データ系列値の積によって決定される極性を有するチップパルス関数が生成される。このチップパルス関数系列を用いて、2進位相偏移(BPSK)変調器における搬送周波数を変調して、送信用のRF信号を生成し得る。他の変調方法や実際には他の媒体が、DS−CDMA信号の送信に用い得る。
受信機において、RF−ベースバンド復調器が、受信RF信号を復調するために用いられる。通常、復調器には、同相(I)チャンネルと、直交位相(Q)チャンネルと、が含まれる。RF復調器のI及びQ出力は、低域フィルタによってフィルタ処理され、フィルタ処理済みI及びQ信号が生成される。フィルタ処理済信号は、搬送波の修正に用いるチップパルス系列のフィルタ処理されたバージョンから構成される。フィルタ処理済み信号は、I及びQチャンネルアナログ−デジタル変換器によってサンプリングされ、複素チップ値系列が得られる。次に、逆拡散器が、複素チップ値系列のビット長下位系列と、ローカルに記憶されたDS−CDMA符号の複製との間において、ベクトル・ドット積演算を
実行する。乗算実行中に、ローカルに記憶されたDS−CDMA符号が、複素チップ値系列に対して、時間的に適切に合致した場合(例えば、正確なビット開始点で合致した場合)、DS−CDMA符号の2つのインスタンス(送信機においてデータ系列に乗算されるインスタンス及び受信機において複素チップ値系列に乗算されるインスタンス)は、乗算により1となり、元の2進数データ系列が残る。逆拡散演算は、多数のチップ周期に渡って振幅を累積し、これによって、送信機−受信機システムのノイズフロアに近い信号を検出し得る。
DS−CDMA通信において得られる信号対雑音比に影響を及ぼす1つの問題は、周波数ドリフトである。受信信号の搬送周波数と、受信信号復調用受信機が用いる局部発振器周波数との間の不一致により、ビット周期内において、複素チップ値の回転が遅くなる。この回転は、逆拡散器によって出力される信号の振幅を小さくし、これによって、信号対雑音比(SNR)が小さくなる。周波数不一致は、送信機若しくは受信機の発振器に用いる構成要素の製造公差、又は、温度依存性の発振器構成要素の特性等、多数の要因によって生じ得る。
周波数不一致を低減するために、高価な水晶ベースの発振器を用いて、送信機や受信機用の正確で且つ安定した周波数信号が生成されてきた。
高いSNRを達成しつつ、出力周波数の変動がより大きい発振器を用い得るDS−CDMAシステムが必要とされている。
新規であると考えられる本発明の特徴は、請求項に述べる。しかしながら、本発明自体は、添付図面と共に選択した本発明の幾つかの実施形態例に関する以下の詳細説明を参照することによって最も良く理解し得る。
本発明は、数多くの異なる形態での実施形態も可能であるが、特定の詳細な実施形態で添付の図面に示し、また、本明細書において説明する。この際、本開示は、本発明の原理の一例とみなし、図示し説明する特定の実施形態に本発明を限定するものではないことを理解されたい。更に、本明細書に用いた用語及び言葉は、限定的ではなく、むしろ単に記述的であると見なすものとする。以下の説明において、図面の幾つかの図において、同一の、類似した、又は対応する構成要素を記述するために、同様な参照番号を用いる。
本発明の好適な実施形態によれば、信号送信方法、装置、及びソフトウェアが、送信機においてDS−CDMA符号の搬送信号を変調することによる通信、受信機においてその信号を復調して複素チップ値系列を得ることによる通信、各複素チップ値に対して、その系列中において、固定の桁数だけ置き換えられた他の複素チップ値を乗算して、差動復号値系列を得ることによる通信、また、その系列から得られる連続した下位系列と基準ベクトルとの間において、ベクトル・ドット積演算を実行することによる通信、に対して提供される。本発明によって、搬送周波数ドリフトに対する処理を改善できるシステムが提供され、又、低コストの受信機発振器を用いることが可能になる。
図1は、本発明の好適な実施形態に基づき用いられる典型的な通信システム100の概略図である。
第1通信装置102は、例えば、セルラー式電話の形態を取ることが可能であり、第1送信機104と、第1受信機106が含まれる。
セルラーシステム基地局等の第2通信装置108には、第2送信機104と、第2受信機106と、が含まれる。
伝送媒体112は、第1通信装置と第2通信装置を接続する。伝送媒体は、自由空間を
含み得る。
図2は、図1に示した通信システムにおいて用いられる送信機104のブロック図である。送信機104には、送信される2進数データが受信される2進数データ入力部202が含まれる。2進数データ入力部202は、例えば、ボコーダや電荷結合素子(CCD)カメラ等、データ供給源の出力部に通信接続し得る。ソフトウェア実装の場合、データ供給源2進数データ入力部は、単に、他のプログラム(例えば、ボコーダ)から送信される2進数データを受信するサブルーチンであってよい。2進数データは、直列又は並列形態で(例えば、バイトとして)受信し得る。
2進数データ入力部は、そこから2進数データを受信するためのビットパターン復号器204に通信接続される。ビットパターン復号器は、2進数データにおいて検出されたビットパターンに基づきDS−CDMA符号を選択する機能を実行する。ビットパターンは、あるビット系列、例えば、01であってよい。又は、ビットが1度に1つ処理される場合、ビットパターンは、単に1つのビット値、即ち、1又は0である。ビットパターンは、情報記号である。DS−CDMA符号は、1と−1の混在した系列によって表し得る。DS−CDMA符号として用い得るものは、直交系列の集合である。DS−CDMA符号としては、任意の相対的な周期的偏移の集合における異なる要素が相関関係を持たない擬似雑音数字の集合も用い得る。ビットパターン復号器204は、2進数データ入力部202から受信される2進数データに現れる各情報記号用の復号器出力部204AにおいてDS−CDMA符号を出力したりしなかったりする。
パルス整形器206は、そこからDS−CDMA符号を受信するためのビットパターン復号器204に通信接続される。パルス整形器206は、パルス系列を生成する。パルスの形状は、調整の必要条件を考慮して設計され、搬送波がパルス整形器の出力で変調される時に生成される或る帯域幅の信号となる。本発明の実施形態例によれば、パルスの形状は、正弦波である。パルス整形器206は、各DS−CDMA符号系列の各要素における各要素に対するパルスを出力する。DS−CDMA符号の要素の系列に対応する一組のパルスが、各情報記号に対して出力される。パルスの極性(正又は負)は、DS−CDMA符号系列要素の値によって決定される(例えば、要素が−1の場合、パルスの極性は、負になり、又、要素が+1の場合、パルスの極性は、正になる)。パルス整形器は、デジタル−アナログ変換器が適切に極性が与えられ又整形されたパルスを出力するように、デジタル−アナログ変換器の入力に2進数値系列を書き込むデジタル−アナログ変換器を備えるプロセッサとして実装し得る。
ビットパターン復号器204及びパルス整形器206は、コンピュータ読み取り可能媒体、例えば、フラッシュメモリチップに記憶され、又、プロセッサによって実行される1つ以上のプログラムとして実装し得る。ソフトウェアベースのビットパターン復号器の動作は、図示したフローチャートにおいて後述する。他の選択肢として、ビットパターン復号器204及び/又はパルス整形器206は、特定用途向け集積回路(ASIC)の一部として実装し得る。
変調器208には、信号入力部208Aが含まれ、信号入力部208Aを介して、変調器208は、そこからパルス系列を受信するためのパルス整形器206に通信接続される。変調器208には、搬送周波数入力部208Bが含まれ、搬送周波数入力部208Bを介して、変調器208は、搬送波信号を受信するための発振器210に電気的に接続される。変調器208は、パルス系列を搬送波信号と混合し、RF出力208Cで出力される変調信号を生成する。本発明の好適な実施形態によれば、変調器208は、2進位相偏移(BPSK)変調器である。
増幅器212には、信号入力部212Aが含まれ、信号入力部212Aを介して、変調信号を受信するための変調器RF出力部208Cに通信接続される。増幅器212には、増幅信号を出力するための増幅信号出力部212Bが含まれる。媒体インターフェイス214は、増幅信号を受信し、その増幅信号を伝送媒体112に接続するための増幅器の増幅信号出力部212Bに通信接続される。本発明の好適な実施形態によれば、媒体インターフェイス214には、増幅信号を自由空間に接続するためのアンテナが含まれる。
送信機104は、或るビットパターンに応じてDS−CDMA符号を、送信するのではなく送信しないことによって、オン/オフの信号送信を行なうことが可能である。他の選択肢として、送信機104は、2つのDS−CDMA符号(一方はビット0を表し、他方はビット1を表す)を用いて信号を送ることが可能である。更に他の選択肢によれば、送信機104は、M−ary信号送信を実行するが、ここで、次の表に示すように、2個のDS−CDMA符号の1つを用いて、各々N個のビットを含む2個の別個のビットパターンを表す。
Figure 0004230773
明らかなように、2ビットの系列に対する可能な各ビットパターンは、固有のDS−CDMA符号に対応する。DS−CDMA符号は、2進数系列である。パルス整形器206によって出力されるパルスの極性を決定するための実際の用途において、各DS−CDMAにおける0は、−1と解釈され、負極性のパルスが与えられ、又、1は、正極性のパルスが与えられる。
図3は、本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の通信システムに用いる送信機104Bのブロック図である。同様の参照数字で示した特定のブロックは、図2及び図3と共通である。これらについては、図2を参照して上述した。
ビットパターン復号器304には、パルス整形器にDS−CDMA符号を出力するための第1出力部304Aと、増幅器312の制御入力部312Aに接続される第2出力部304Bと、が含まれる。ビットパターン復号器は、第1の値、例えば、1を有する第1組のビットに応じてDS−CDMA符号を出力する機能を果たし、又、増幅器312に制御信号を出力して、第2の値、例えば、0を有する第2組のビットに応じて増幅器312に出力を中断させる役割を果たす。従って、送信機104Bは、増幅器312の出力を中断することによってDS−CDMAオン/オフ信号の送信が可能である。
図4は、本発明の好適な実施形態に基づく図1の通信システムに用いる受信機106のブロック図である。
図4において、受信機媒体インターフェイス404は、好適にはアンテナの形態を取るが、増幅された信号を受信するための媒体112に通信接続される。受信機で受信された増幅信号は、ある地点、例えば、中継器でブーストしない場合、多少減衰する。
受信機増幅器406は、信号を受信するために受信機媒体インターフェイス404に接続される。受信機増幅器は、信号を再度増幅して、受信機側増幅信号を生成する。同相および直交位相(I/Q)復調器408は、受信機側増幅信号を受信するために受信機増幅器に通信接続される。また局部発振器が、I/Q復調器にも接続される。I/Q復調器は、受信機側増幅信号を局部発振器からの局部発振器信号と混合し、又、同相復調器信号及び直交位相復調器信号を出力する(それぞれ、実信号及び虚信号としても知られている)。図4において、実信号用の信号経路は、文字Rで示され、又、虚信号用の信号経路は、文字Iで示されていることに留意されたい。
低域フィルタ412は、実信号及び虚信号を受信するためにI/Q復調器408に接続する。低域フィルタは、これらの信号をフィルタ処理し、又、フィルタ処理済み実信号及びフィルタ処理済みの虚信号を出力する。低域フィルタは、好適には、チップパルス整合フィルタを含むが、このフィルタは、時間領域表示がパルス整形器206(図2)によって出力されるパルスの形状を近似するフィルタである。
信号サンプラ414が、低域フィルタ412に接続される。信号サンプラは、好適には、アナログ−デジタル変換器を含む。信号サンプラは、好適には、少なくとも受信増幅信号を特徴付けるチップ速度で実信号及び虚信号をサンプリングする。チップ速度は、パルスがパルス整形器206(図2)によって出力される速度である。サンプリング速度がチップ速度に等しい場合、1つのサンプルが、DS−CDMA符号の各要素に対して得られる。信号サンプラは、受信増幅信号に同期化される。この同期化は、トレーニング系列を用いて実現し得る。信号サンプラは、実信号値系列、及び虚信号値系列を出力する。2つの系列は、複素チップ値の1つの系列と見なし得る。複素チップ値系列の典型的なDS−CDMA符号長部分は、以下の式で近似し得る。
Figure 0004230773
ここで、iは−1の平方根であり、3は、約3.14159であり、
Figure 0004230773
は、(発振器210に基づく)受信信号の搬送周波数と局部発振器410の周波数との差であり、
Tcは、DS−CDMA符号の各要素に対して生成されるパルス形状の継続時間であり(チップ周期とも呼ぶ)、
は、任意の位相であり、各要素の主係数(1又は−1)は、DS−CDMA符号の要素である。
この典型的な系列が示すことは、搬送周波数と局部発振器周波数(以下ドリフト周波数
と呼ぶ)の差に等しい周波数で複素チップ振幅値の変調が行なわれるということである。この変調は、望ましくない。従来技術の方法によれば、チップ値系列が、それと基準ベクトル(DS−CDMA符号)とのドット積を実行することによって逆拡散される場合、この変調により、信号強度(ドット積の結果の大きさ)が減少し、又、SNRが減少する。
チップ毎複素数乗算器416は、複素チップ値系列を受信するために信号サンプラ414に接続される。チップ毎複素数乗算器は、複素チップ値系列における各N番目の複素チップ値に、その系列において固定桁数だけN番目から置き換えられた他の複素チップ値の複素共役を乗算することによって、その系列の複素チップ値に演算を行なう。好適には、桁数を1として、各複素チップ値に、隣接した複素チップ値の複素共役を乗算する。チップ毎複素数乗算器416は、乗算された値の系列を出力する。1つの選択可能な実施形態によれば、複素チップ値系列は、1つの長い系列として扱われ、信号サンプラによって出力されるが、この場合、乗算は、前述したように実行される。他の選択可能な実施形態によれば、(送信されたDS−CDMA符号の要素数に数が等しい)情報記号に対応する複素チップ値の各系列は、別個に取り扱われる。後者の場合で、複素チップ値が、或る記号に対するDS−CDMA符号の末尾に近い場合、固定桁数だけ末尾に近い記号から置換される同じ記号中に他の複素チップ値が存在しないことがある(記号の境界を飛び越してしまう)。この場合、各記号用のDS−CDMA符号は、円形配列として処理することが可能であり、又、末尾のDS−CDMA符号長配列近くの(固定数の値に応じて)1つ以上の複素チップ値には、先頭に近い複素チップ値が乗算される。この選択肢において、固定桁数が1である場合、記号用のDS−CDMA符号系列における最後の複素チップ値は、最後の複素チップ値に位置が対応した乗算値を得るために、最初の値に乗算される。例えば、固定桁数が1であり、ビット系列が円形配列として処理される場合、前述の系列に適用されたチップ毎複素数乗算の結果は、次の式で近似し得る。
Figure 0004230773
一方、信号サンプラの出力が1つの長い系列として処理され、又、固定の桁数が1である場合、前述の系列に適用されたチップ毎複素数乗算の結果は、次の式で近似し得る。
Figure 0004230773
ここで、NCは、上記系列1に示した系列後における次の記号の第1複素チップ振幅である。系列2及び系列3の双方において、最初の6個の複素チップ値において、ドリフト周波数での変調が、省かれており、又、DS−CDMA符号列要素は、単に
Figure 0004230773
の固定係数を乗算されることが分かる。あいにく、チップ毎複素数乗算器の演算は、受信DS−CDMA符号から正負符号情報を大幅に省く役割も果たす。例えば、系列1におけるDS−CDMA符号は、〔−1,−1,1,−1,1,1,1〕であり、要点を簡潔に提示するために、指数因子の位相が0であると仮定すると、系列2は、〔1,−1,−1,−1,1,1,−1〕となる。一方、系列1のDS−CDMA符号が現状の負、即ち〔1,1,−1,1,−1,−1,−1〕である場合、系列2は、位相に対して同じ仮定の下では、〔1,−1,−1,−1,1,1,−1〕にもなる。こうして、乗算演算は、正負符号の痕跡を取り除き、DS−CDMA符号の負のバージョンに基づく出力が、同じDS−CDMA符号の正のバージョンに基づく出力とは区別できなくなる。1つのDS−CDMA符号の正及び負バージョンを用いて、情報を伝達する従来技術による信号送信方法の場合、チップ毎差動復号化によって、その情報が判読不能になる。しかしながら、上述したように、本発明によれば、情報を伝達するために、異なる符号を用いて異なるビットパターン(例えば、ビット値)を表す信号送信方式、又は、伝送を中断して或るビット値を伝達する信号送信方式が用いられる。これらの信号送信方法は、障害を受けず、情報は、チップ毎複素数乗算器によって信号から取り除かれる。従って、チップ毎複素数乗算演算を用いて、周波数ドリフトによって生じる信号強度に対する有害な影響を低減し得る。
ドリフト周波数が、主に記号境界(例えば、系列2の最後の要素)における又はそれらの近くに在るチップへのその影響を通してSNRに及ぼす影響を最小限に抑えるために、好適には、DS−CDMA符号には少なくとも7つの要素があり、更に好適には、少なくとも15個の要素が存在する。
逆拡散器418は、チップ毎複素数乗算器416及び基準ベクトルメモリ420に接続されている。逆拡散器418は、基準ベクトルメモリから1つ以上の基準ベクトルを受信し、又、チップ毎複素数乗算器416から乗算値の系列を受信し、乗算値系列の連続的なDS−CDMA符号長の記号境界整合下位系列と、1つ以上の基準ベクトルとの間のドット積演算を実行する。異なる他の選択可能な基準ベクトルについては、後述する。逆拡散器418は、ドット積値系列を出力する。各DS−CDMA長の下位系列に対しては、1つ以上のドット積値が存在する。
ビット値識別器422は、逆拡散器418に接続される。ビット値識別器は、ドット積値系列を受信し、情報搬送記号系列を識別する。情報搬送記号は、ある値(例えば、0又は1)の単一ビットであり、ビットパターン、例えば、表1の左欄における4つの2ビットパターンの1つに対応し得る。情報搬送記号は、データ出力部を介して出力され、例えば、音声復号器や画像表示装置等の外部システム(図示せず)によって用いられる。
図5は、本発明の好適な実施形態に基づく図2の送信機によって実行される信号送信方法のフローチャートである。図5の処理500において、単一DS−CDMA符号が、2進数データの送信に用いられる。この符号は、各ビットの値に依存して、送信されたり、あるいは、送信されなかったりする。
図5において、第1処理ブロック502において、2進数データが読み取られる。この2進数データは、例えば、データビット系列を含み得る。処理ブロック504は、処理ブロック502において読み取られたビットを順次処理するプログラムループの始まりである。開始すると直に、ループ処理ブロック506に至る。処理ブロック506は、判定ブ
ロックであり、この判定ブロックの結果は、ループの現在の繰り返しにおいて検討されているビットの値に依存する。判定ブロック506は、ビット値が1であるか否か判断するが、これは、任意の選択である。他の選択肢として、判定ブロック506は、ビット値が0であるか否か判断し得る。判定ブロック506の結果が、肯定である場合、処理500は、処理ブロック508に進み、ここで、DS−CDMA符号が送信される。判定ブロック506の結果が、否定である場合、処理500は、処理ブロック510に進み、DS−CDMA符号は、送信されない。処理ブロック510は、例えば、送信機104(図1)を用いて、パルス整形器206(図2)を介して変調器208(図2)にゼロ信号を印加することによって実行し得る。
処理ブロック512は、処理ブロック508及び510に続く。処理ブロック512は、判定ブロックであり、その結果は、送信される2進数データの末尾に達したか否かに依存する。更にデータが無い場合、処理500は終了する。データ末尾に達していない場合、処理は、処理ブロック514に進み、ここで、処理500が、2進数データの次のビットにインクリメントされた後、処理500は、処理ブロック504に折り返す。
図6−8は、単一DS−CDMA符号を用いてオン/オフ信号送信を行なう方法を示す信号シーケンスのグラフである。図6は、4ビット周期を含む2進数データ信号600である。図6のビット系列は、〔1,0,1,0〕である。
図7は、図6に最初に示した4ビット信号をDS−CDMA符号で変調した後の4ビット信号700を示す。DS−CDMA符号は、〔1,−1,1,1,1,−1,−1〕である。2進数データにおける2つの1ビット周期の間、DS−CDMA符号は、ビットパターン復号器204(図2)によって出力される。2進数データにおける2つの0ビット周期の間、DS−CDMA符号は、ビットパターン復号器によって出力されない。図8は、図7の信号の受信に応じたパルス整形器206(図2)の出力を示す。図8の信号において、ビット値が1である各ビット周期の間、DS−CDMA符号の各要素に対して、パルス整形器によってパルスが出力される。図8に示したように、ビット周期毎に7個のチップ周期がある。パルスの形状は、1つの実施形態例によれば、半正弦波パルスである。パルスの極性は、DS−CDMA符号の対応する要素の正負符号によって決定される。受信機は、中間信号700を形成する必要はなく、図8のベースバンド信号は、直接形成し得る。
図9は、図2の送信機104によって実行し得る信号送信方法900のフローチャートである。信号送信方法900は、2つのDS−CDMA符号を用いる。一方の符号は、ビット1を送るために送信され、また、他方は、ビット0を送るために送信される。図5の参照数字によって識別される図9のこれらの処理ブロックは、図5の処理ブロックに対応し、又、図9に関しては、これ以上説明しない。
図9において、処理ブロック506の結果が、肯定である場合(即ち、ループの現在の繰り返しによって処理されるビットが、ビット1である場合)、処理ブロック902において、第1DS−CDMA符号が送信される。ビットが、ビット0である場合、第1DS−CDMA符号の代わりに、第2DS−CDMA符号が送信される。
図10−12は、図9の信号送信方法に関係する信号を示す。図10は、信号形態の4ビット系列のグラフである。系列は、〔1,0,0,1〕である。図11は、図10に示す4ビット系列に応じて(例えば、ビットパターン復号器204(図2)によって)出力されたDS−CDMA符号の列を示す。(それぞれ0から1及び3から4の時間間隔を網羅する)1番目及び4番目のビット周期の間、ビット値は、1であり、又、〔−1、−1、−1、−1、−1,1,1,1、−1、−1,1、−1、−1、−1,1,−1,1,
−1,1,1,1,1,−1,1,1,−1,1,−1,−1,1,1〕の第1DS−CDMA符号が送信される。(それぞれ1から2及び2から3の時間間隔を網羅する)2番目及び3番目のビット周期の間、ビット値は、0であり、又、〔−1、−1、−1、−1、−1,1,−1,−1、−1、1,1、1、−1、1,−1,1,−1,−1,1,−1,1,1,1,1,−1,−1,1,1,−1,1,1,〕の第2DS−CDMA符号が送信される。図12は、図11の信号に関連するベースバンド信号を示す。ベースバンド信号の各ビット周期には、複数のパルス(その周期に用いられるDS−CDMA符号の各要素に対するもの)が含まれる。各パルスは、対応するDS−CDMA符号の要素の正負符号に基づき極性が与えられる。本発明の一実施形態によれば、図10の信号を受信すると、ビットパターン復号器204(図2)は、図11の信号を出力する。パルス整形器206(図2)は、ビットパターン復号器204の出力を受信し、又、それに応じて図12の信号を出力する。ソフトウェア実装において、パルス整形器206(図2)及びビットパターン復号器204(図2)の前述の機能は、処理ブロック902及び904(図9)に包含される。
図13において、本発明の実施形態に基づく受信機106(図1)を動作するための方法のフローチャート1300を示す。処理ブロック1300において、ベースバンド信号の同相及び直交位相バージョンをサンプリングして、複素チップ値の系列を得る。サンプルは、メモリに記憶して、順次読み出して更に処理し得る。処理ブロック1304において、系列の各N番目の複素チップ値に、固定の桁数だけN番目から置換される系列における他の複素チップ値の複素共役を乗算して、チップ毎差動復号(CBCDD)値系列を得る。言い換えると、各N番目の複素チップ値に、(N+K)番目の複素チップ値の複素共役を乗算するが、ここで、Kは、正又は負の整数である。好適には、固定の桁数Kは1であり、各複素チップ値に、系列中において隣接した複素チップ値の複素共役が乗算される。固定の桁数によって第1チップから置換される第2チップの識別において、複素チップ値系列は、1つの長い系列として、あるいは他の選択肢として、連続したDS−CDMA符号長として処理可能であり、記号境界整合下位系列は、円形配列として処理可能であり、この場合、DS−CDMA符号長の末尾にある2つの複素チップ値と記号境界整合下位系列とは、それらの内の1つの複素共役を取った後、共に乗算される。
処理ブロック1306は、CBCDD系列から連続した記号長、記号整合下位系列を検討するループの先頭である。処理ブロック1308において、ドット積演算が、基準ベクトルとCBCDD系列からの記号長下位系列との間で実行されて、ドット積値を得る。処理ブロック1310において、ドット積値は、1つ以上のスカラと比較され、情報記号を識別する。
処理ブロック1312は、判定ブロックであり、この結果は、更に処理すべきデータがあるかどうかに依存する。データがある場合、処理1300ループは、処理ブロック1306に折り返す。他方、更に処理すべきデータが無い場合、処理1300は停止する。
図5のフローチャート500に基づき動作する送信機を有する通信システムにおいて動作する受信機の場合、基準ベクトルは、好適には、処理ブロック508において送信されるDS−CDMA符号を取ることによって、又、固定の桁数だけ第1番目から置換される他の要素を各要素に乗算することによって得られるベクトルに等しいベクトルであり、ここで、固定の桁数は、処理ブロック1304において用いられるものと同じである。DS−CDMA符号の末尾付近の要素から、固定の桁数だけ置換された要素を識別するために、円形配列として処理し得る。ドット積演算が、上述した基準ベクトルを用いて処理ブロック1308において実行される場合、その結果生じるドット積値は、ビット1を伝達するために送信された受信DS−CDMA符号に演算を行なう際、有意な出力を生じ、又、ビット0を表す信号0に演算を行なう際、有意でない出力を生じる。図9のフローチャー
ト900に基づき動作する送信機を有する通信システムにおいて動作する受信機の場合、好適には、基準ベクトルは、第1成分ベクトルと第2成分ベクトルのベクトル和であるベクトルであり、ここで、第1成分ベクトルは、N番目の要素から固定桁数だけ置換される第1DS−CDMA符号の他の要素を、(処理ブロック902において送信される)第1DS−CDMA符号の各N番目の要素を乗算することによって、又、結果として生じるベクトルに第1係数を乗算することによって得られ、また、第2成分は、固定の桁数だけN番目から置換される第2DS−CDMA符号の他の要素を、(処理ブロック904において送信される)第2DS−CDMA符号の各N番目の要素を乗算することによって、又、結果として生じるベクトルに第2係数を乗算することによって得られる。この場合、固定の桁数は、処理ブロック1304において用いられる固定桁数にも等しく、好適には1に等しい。ドット積演算が、処理ブロック1308において受信データに対して実行される場合、ドット積値は、処理される記号長下位系列が第1DS−CDMA符号を含む場合、第1係数に比例し、又、処理される記号長下位系列が第2DS−CDMA符号を含む場合、第2係数に比例する。第1係数は、好適には、第2係数の負数である。後者の場合、処理ブロック1310において、処理ブロック1308によって出力されるドット積値は、ビット1とビット0を区別するために、ゼロ(言い換えると、決定されたその正負符号)と比較し得る。例えば、図9の2DS−CDMA符号信号送信方法で搬送する送信機を有する通信システムにおいて用いられる受信機104(図1、図4)の場合、基準ベクトルは、次のように導くことができる。図11及び12に示すように、2進数値1を有するデータビットを送信するために用いられる第1DS−CDMA符号は、〔−1,−1,−1,−1,−1,1,1,1,−1,−1,1,−1,−1,−1,1,−1,1,−1,1,1,1,1,−1,1,1,−1,1,−1,−1,1,1〕である。差動復号ベクトルのj番目の要素を得るために、この系列における各j番目の要素に(j−1)番目の要素を乗算すると(又、第1要素の場合、最後の要素を乗算すると)、第1差動復号ベクトルとして〔−1,1,1,1,1,−1,1,1,−1,1,−1,−1,1,1,−1,−1,−1,−1,−1,1,1,1,−1,−1,1,−1,−1,−1,1,−1,1〕を得る。第2DS−CDMA符号が〔−1,−1,−1,−1,−1,1,−1,−1,−1,1,1,1,−1,1,−1,1,−1,−1,1,−1,1,1,1,1,−1,−1,1,1,−1,1,1〕の場合、データビット0を送るために送信される符号が、同じように処理され、第2差動復号ベクトル〔−1,1,1,1,1、−1、−1,1,1、−1,1,1、−1、−1、−1、−1,−1,1,−1,−1,−1,1,1,1,−1,1,−1,1,−1,−1,1〕を得る。第1差動復号ベクトルに第1係数1を乗算しても、影響は全く無い。第2差動復号ベクトルに−1を乗算すると、〔1、−1、−1、−1,−1,1,1,−1,−1,1,−1、−1,1,1,1,1,1,−1,1,1,1,−1、−1,−1,1,−1,1,−1,1,1,−1〕を生じる。後者を第1差動復号ベクトルにベクトル加算すると、〔0,0,0,0,0,0,2,0、−2,2、−2、−2,2,2,0,0,0,−2,0,2,2,2,0,−2,−2,2,−2,0,−2,2,0,0〕の基準ベクトルを生じる。基準ベクトルが、第2DS−CDMA符号を含む受信信号から第1DS−CDMA符号が含まれる受信信号を区別するのに用い得ることを実証するために、簡単に理解できるように、(上記系列2の指数因子の場合と同様に)位相が0であると仮定する。後者の仮定の下、チップ毎複素数乗算器416(図4)の出力は、ビット1が送信された場合、第1差動復号ベクトルとなり、又、ビット0が送信された場合、第2差動復号ベクトルとなる。基準ベクトルと第1差動復号ベクトルのドット積は、32であり、基準ベクトルと第2差動復号ベクトルのドット積は、−32である。従って、上述したように導き出された基準ベクトルを用いて1回のドット積を実行することによって、2つの異なるDS−CDMA符号を区別し得る。後述するように、更に一般的に、基準ベクトルは、3つ以上のDS−CDMA符号に基づき導出され、構成される場合があり、又、受信信号に含まれる3つ以上のDS−CDMA符号を区別し得る。
図14は、DS−CDMA信号の逆拡散に用いられる(例えば、処理ブロック1308(図13)において用いられる)基準ベクトルを生成するための処理1400のフローチャートである。処理ブロック1402は、複数のDS−CDMA符号を順次処理するループの開始である。処理された各DS−CDMA符号は、基準ベクトルが逆拡散に用いられる信号に存在する符号である。
処理ブロック1404において、各DS−CDMA符号の場合、各N番目の要素には、チップ毎差動復号(CBCDD)DS−CDMA符号を得るために、固定の桁数だけN番目から置換される第2要素を乗算する。共に乗算される要素を対にするために、DS−CDMA符号は、円形配列、すなわち、最後の要素に続く要素は、第1要素であると見なされる。処理ブロック1406において、各CBCDDDS−CDMA符号には、別個の定数を乗算して、成分ベクトルを得る。処理ブロック1408は、処理ブロック1402で開始されたループを終了する。処理ブロック1410において、処理ブロック1406で取得された成分ベクトルは、全てベクトル加算され、基準ベクトルを形成する。処理ブロック1412において、基準ベクトルは、メモリに記憶される。基準ベクトルは、受信機106の不揮発性のメモリに永久に記憶するか、又は、受信機106の揮発性メモリに一時的に記憶できることに留意されたい。
図15は、本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の受信機によって実行される受信信号を処理する方法のフローチャートである。図15において、CBCDD列の各記号長下位系列は、複数の基準ベクトルとのドット積を取ることによって分析される。好適には、各基準ベクトルは、記号長下位系列において識別される単一の情報記号に対応する。例えば、2つの基準ベクトルが存在できるが、一方は、2進数値1に対応し、他方は、2進数値0に対応する。他の選択肢として、2個の基準ベクトルが存在できるが、可能なNビットパターンに対して1つ対応する。
図13の記述内容を参照して、処理ブロック1302−1306について説明する。処理ブロック1508は、複数の基準ベクトルを順次用いるループの開始である。処理ブロック1510において、k番目の基準ベクトルとCBCDD系列からのj番目の記号長下位系列との間で、ドット積を実行して、ドット積値を得る。処理ブロック1512において、ドット積値を閾値と比較する。この閾値は、ループを通過する各々に対して、即ち、各基準ベクトルに対して、選択し得る。ドット積値が閾値を越えない場合、処理ブロック1514において、次の基準ベクトルを選択して、処理は、処理ブロック1508に折り返す。ドット積値が閾値を越える場合、処理ブロック1516において、ループの現在の繰り返しで調べられる基準ベクトルに対応する情報記号(例えば、ビット値又はビットパターン)の識別情報が出力される。処理ブロック1518において、更に処理するデータがあるか否か判断する。更に処理するデータがある場合、処理ブロック1520において、外側のループが、CBCDD系列の次の記号長下位系列を検討するためにインクリメントされ、処理は、外側ループ1306の始めに折り返す。
図20は、本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の受信機によって実行される受信信号を処理する方法2000のフローチャートである。処理1500の場合と同様に、CBCDD系列の連続した記号長下位系列間において、ドット積を実行する。図20の方法において、ドット積値を閾値と比較するより、ドット積値は、むしろ各基準ベクトルを用いて算出され、最大ドット積値を生じた基準ベクトルに関連する情報記号の識別情報が出力される。
図13の記述内容を参照して、処理ブロック1302−1306について説明し、図15の記述内容を参照して、処理ブロック1518,1520について説明する。処理ブロック2002において、ドット積演算が、CBCDDからのj番目の連続したビット(又
は記号)長下位系列と一組の各基準ベクトルとの間で実行され、一組のドット積値を得る。処理ブロック2004において、最大ドット積値を求める。処理ブロック2006において、最大ドット積値を与えた基準ベクトルに対応する情報記号(例えば、ビット値)の識別情報が出力される。
図16は、本発明の他の選択可能な実施形態に基づく、M−ary信号送信方式を実行するために送信機を動作する方法1600のフローチャートである。処理ブロック1602において、2進数データを読み取る。処理ブロック1604は、2進数データのビット群を順次処理するためのループの開始である。処理ブロック1606において、N個の(整数個の)ビットを読み取る。処理ブロック1608において、このNビットのビットパターンを表で検索して、対応するDS−CDMA符号を見つける。上記表1は、このような表の一例である。処理ブロック1610において、対応するDS−CDMAが送信される。処理ブロック1612において、データの末尾に達したか否か判断する。達した場合、処理は終了する。データの末尾に達していない場合、処理ブロック1614において、ループをインクリメントして、次のNビットを検討し、処理ループは、処理ブロック1604に折り返す。
図16の処理に基づき送信される信号は、図15の方法を用いて受信機で処理し得る。他の選択肢として、図13の方法は、図14の方法に基づき生成される基準ベクトルと共に用い得る。後者の場合、処理ブロック1310(図13)は、図17に詳述するように実行し得る。
図17は、基準ベクトルとCBCDD系列における同長下位系列とのドット積の値に基づき情報記号を区別するための方法1700のフローチャートである。処理ブロック1702において、ドット積値(DP)が、例えば、処理ブロック1308(図13)で算出された後、読み取られる。処理ブロック1704において、閾値の配列を読み取る。この配列は、受信機メモリに記憶し得る。処理ブロック1706は、ドット積値を閾値と順次比較するループの開始である。これらの閾値は、降順に読み取るように配置される。処理ブロック1708において、ドット積値は、ループの現在の繰り返しにおいて検討される閾値と比較される。ドット積値が、閾値を越える場合、調査対象の閾値に対応するビットパターンの識別が出力される。超えない場合、処理ブロック1712において、ループカウンタをインクリメントして、配列の次の閾値を指し示し、処理ループは、処理ブロック1704に折り返す。図17の方法によって、特定のビットパターンに対応する複数のDS−CDMA符号の中から特定のDS−CDMA符号を識別し得る。
図18において、送信機104の典型的なハードウェアブロック図を示す。
送信機104は、アナログ信号入力部1802を含み、アナログ信号入力部1802は、例えば、マイクロホン又はCCDカメラから信号を受信できる。
アナログ入力部1802は、アナログ−デジタル変換器1804に接続され、アナログ−デジタル変換器1804は、アナログ入力部から受信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
送信機のアナログ−デジタル変換器1804は、デジタル信号プロセッサ1806に接続される。
プログラムメモリ1820、DS−CDMA符号メモリ1810、及びチップパルス波形メモリ1808は、信号バス1822を介して、DSPプロセッサ1806に接続される。前述の3つのメモリ1808,1810,1820は、例えば、フラッシュメモリ等の単一実メモリとして実装し得る。
プログラムメモリ1820は、ソフトウェアを記憶するコンピュータ読み取り可能媒体であり、その機能は、図2、5、9及び16を参照して上述している。DS−CDMA符号メモリ1810は、DS−CDMA符号を記憶する。チップパルスメモリは、デジタル表現形式のパルス波形を記憶する。このパルス波形は、調整帯域幅用途制限を考慮して設計されており、周波数帯域幅が制限されている。チップパルス波形情報は、パルスを生成するためにパルス整形器206(図2)によって用いられる。
デジタル信号プロセッサ1806の出力部は、デジタル−アナログ変換器1812の入力部に接続される。デジタル信号プロセッサ1806は、送信機のアナログ−デジタル変換器1804から読み取られたチップパルス波形、DS−CDMA符号、及び2進数データ系列の表現形式を組み合わせて、ベースバンド信号のデジタル表現形式にする。誤り訂正符号化は、送信に先立って、2進数データに適用し得る。デジタル表現形式によって、デジタル−アナログ変換器1812が駆動され、図8及び図12のベースバンド信号のアナログバージョンを出力する。
変調器208は、デジタル−アナログ変換器1812の出力部に接続された第1入力部を有し、そこからアナログバージョンのベースバンド信号を受信する。変調器208は、発振器210の出力部に接続された第2入力部を備え、そこから搬送周波数信号を受信する。変調器208は、アナログバージョンのベースバンド信号で搬送周波数信号を変調し、結果として生じる無線周波数(RF)を出力する役割を果たす。好適には、2進位相偏移変調方法が用いられる。限定はしないが、直交位相偏移変調(QPSK)及びオフセット直交位相偏移変調(OQPSK)を含む他の種類の変調方法も用いることができる。
増幅器212には、RF信号を受信するための変調器208の出力部に接続される入力部が含まれる。
アンテナ1818には、RF信号を受信するための増幅器212の出力部に接続された入力部が含まれる。アンテナ1818は、RF信号を自由空間中に接続する役割を果たす。
送信機104が無線ネットワークノードの一部である場合、アナログデータ入力部1802は、他の受信機(図示せず)から2進数データ系列を受信するための入力部によって置換えられる。
図19は、本発明の好適な実施形態に基づく受信機106(図1、4)のハードウェアブロック図である。
アンテナ1902は、送信機104(図1,2,18)からRF信号を受信する。アンテナ1902は、受信機増幅器406に接続される。受信機増幅器406は、RF信号を大きくし、第1出力部において、増幅されたRF信号を出力する。接続された第1出力部は、RF−ベースバンド変換器1906の第1入力部に接続される。局部発振器410には、RF−ベースバンド変換器1906の第2入力部に接続された出力部が設けられている。RF−ベースバンド変換器1906は、局部発振器410から受信された局部発振器信号とRF信号とを混合し、出力部においてアナログバージョンのDS−CDMAベースバンド信号800(図8)、1200(図12)を出力する。また、RF−ベースバンド変換器1906は、雑音、受信機106を対象としない他の送信から生じる干渉、及び高周波成分も出力する。
低域フィルタ412の入力部は、RF−ベースバンド変換器1906の出力部に接続され、雑音や干渉と共にDS−CDMA信号を受信する。
フィルタ412の出力部は、受信機のアナログ−デジタル変換器1912の入力部に接続される。
デジタル信号プロセッサ1914は、受信機信号バス1920を介して、受信機のアナログ−デジタル変換器1912の出力部に接続される。
プログラムを実行するための作業空間として用いられるランダム・アクセス・メモリ1918及びコンピュータ読み取り可能媒体を構成するフラッシュメモリは、バス1920にも接続される。フラッシュメモリ1916は、本発明に基づき受信信号を処理するための受信機によって用いられる図13、15、及び17のフローチャートにおいて上述されたものを含み、プログラムを記憶するために用いられる。ラッシュメモリ1916に記憶されたプログラムは、デジタル信号プロセッサ1914によって実行される。またフラッシュメモリ1916を用いて、基準ベクトルも記憶し得る。他の選択肢として、基準ベクトルは、搬送周波数を用いて(例えば、ネットワークノードから)受信機106に送信され、又、RAM1918に記憶し得る。
受信機出力アナログ−デジタル変換器1922は、デジタル信号プロセッサ1914と一体化が可能であり、それに接続される。出力デジタル−アナログ変換器1922を用いて、DS−CDMAベースバンド信号に符号化される情報に基づき出力部1924を駆動するが、DS−CDMAベースバンド信号は、音声、映像、又は他の適切な信号であってよい。
受信機106が無線ネットワークノードの一部である場合、デジタル−アナログ変換器1922は、省略でき、又、出力部1924が、2進数データ系列を出力するために用いられる。
送信機104及び受信機106は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)として全体的に又は部分的に実装し得る。
プログラムを記憶するためのメモリとして本発明と関連して用いられるコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM等の揮発性メモリ、又は、通信チャンネル、ネットワーク網、若しくは無線通信リンク等、過渡状態でデータを含む媒体から構成するか、又は、好適には、限定はしないが、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、ディスクドライブ等の不揮発性メモリから構成できる。信号処理演算用の作業空間として用いられるコンピュータ読み取り可能媒体は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含み得る。
本発明は、当業者には既知のように、ハードウェア若しくはソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで提示し得る。好適な実施形態と共に開示したように、本発明による原理に基づくシステム又は方法は、説明若しくは請求項において主張される個々の機能やステップを実行するための別個の要素又は手段を有する単一コンピュータシステム、あるいは、開示若しくは請求項において主張される機能やステップの何れかの成果を組み合わせる1つ以上の要素又は手段を有する単一コンピュータシステムにおいて提示される。
本発明は、いずれか特定のコンピュータプログラム若しくは論理若しくは言語、又は命令にも限定されないが、当業者には既に知られた任意のこのような適切なプログラム、論理、若しくは言語、又は命令で実行し得る。
本発明の好適な及び他の実施形態について、例示説明したが、本発明がそれに限定されないことは明らかである。様々な変形、変更、修正、置換、及び等価物が、上述の請求項によって規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者に生じ得る。
本発明の好適な実施形態に基づく通信システムを示す概略図。 本発明の好適な実施形態に基づく図1の通信システムに用いる送信機を示すブロック図。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の通信システムに用いる送信機を示すブロック図。 本発明の好適な実施形態に基づく図1の通信システムに用いる受信機を示すブロック図。 本発明の好適な実施形態に基づく図1の送信機によって実行される信号送信方法を示すフローチャート。 信号形態の4ビット系列を示すグラフ。 DS−CDMA符号を乗算した後の図6における信号形態の4ビット系列を示すグラフ。 パルス波形処理後の図7の信号を示すグラフ。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の送信機によって実行される信号送信方法を示すフローチャート。 信号形態の4ビット系列を示す第2のグラフ。 DS−CDMA符号を乗算した後の図10に示した信号形態の4ビット系列を示すグラフ。 パルス波形処理後の図11の信号を示すグラフ。 本発明の好適な実施形態に基づく図1の受信機によって実行される受信信号を処理する方法を示すフローチャート。 図13の処理に用いる基準ベクトルを生成する処理を示すフローチャート。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の受信機によって実行される受信信号を処理する方法を示すフローチャート。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく、送信機を動作させてM−ary信号送信方式を実行する処理を示すフローチャート。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく情報記号を区別する方法を示すフローチャート。 本発明の好適な実施形態に基づく図1の送信機のハードウェアブロック図。 本発明の好適な実施形態に基づく図1及び図4の受信機106のハードウェアブロック図。 本発明の他の選択可能な実施形態に基づく図1の受信機によって実行される受信信号を処理する方法を示すフローチャート。

Claims (42)

  1. 直接拡散符号分割多元接続送受信機を用いて情報を送受信する方法であって、
    第1の値を有する第1複数ビットと、第2の値を有する第2複数ビットとを有するビット系列を読み取る段階と、
    各第1ビットに応じて第1直接拡散符号を選択的に送信する段階と、
    前記第1直接拡散符号を含む第1信号を受信する段階と、
    前記第1信号をサンプリングして複素チップ値系列を得る段階と、
    差動復号系列を得るために、系列の各N番目の複素チップ値に、所定の桁数だけN番目の複素チップ値から離れた系列における他の複素チップ値の複素共役を乗算する段階と、
    ドット積値系列を得るために、差動復号系列から選択された複数のビット長下位系列と基準ベクトルとの間において、ベクトル・ドット積を実行する段階と、
    ドット積値の各系列を1つ以上の所定の定数と比較する段階と、
    が含まれる方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、更に、
    各第2ビットに応じて無線周波数送信を選択的に中断する段階が含まれる方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、第1直接拡散を選択的に送信する段階には、
    第1直接拡散符号で搬送周波数を変調する下位段階が含まれる方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、搬送周波数を第1直接拡散符号で変調する下位段階には、
    搬送波を第1直接拡散符号で2進位相偏移変調する下位段階が含まれる方法。
  5. 請求項3に記載の方法であって、更に、
    各第2ビットに応じて搬送周波数の変調を選択的に停止する段階が含まれる方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、更に、
    各第2ビットに応じて第2直接拡散符号を選択的に送信する段階が含まれる方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、直接拡散を選択的に送信する段階には、
    搬送周波数を第2直接拡散符号で変調する下位段階が含まれる方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、搬送周波数を第2直接拡散符号で変調する下位段階には、
    搬送波を第2直接拡散符号で2進位相偏移変調する下位段階が含まれる方法。
  9. 直接拡散符号分割多元接続受信機を用いて情報を受信する方法であって、
    1つ以上の直接拡散符号を含む第1信号を受信する段階と、
    前記第1信号をサンプリングして複素チップ値系列を得る段階と、
    差動復号系列を得るために、系列の各N番目の複素チップ値に、所定の桁数だけN番目の複素チップ値から離れた系列における他の複素チップ値の複素共役を乗算する段階と、
    ドット積値系列を得るために、差動復号系列から選択された複数のビット長下位系列と基準ベクトルとの間において、ベクトル・ドット積を実行する段階と、
    ドット積値の各系列を1つ以上の所定の定数と比較する段階と、が含まれる方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、乗算する段階には、
    差動復号系列を得るために、系列の各N番目の複素チップ値に、N番目の複素チップ値に隣接する系列における他の複素チップ値の複素共役を乗算する下位段階が含まれる方法。
  11. 請求項9に記載の方法であって、第1信号を受信する段階には、
    ゼロ周期で挿入された単一直接拡散符号の多数の複製を備える信号を受信する下位段階が含まれる方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、ドット積を実行する段階には、
    ドット積値系列を得るために、差動復号系列から選択された複数のビット長下位系列と、単一直接拡散符号の各N番目の要素に所定の桁数だけN番目の要素から離れた単一直接拡散符号の他の要素を乗算することによって得られるベクトルに等しい基準ベクトルと、の間においてベクトル・ドット積を実行する下位段階が含まれる方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、各ドット積値系列を1つ以上の所定の定数と比較する段階には、
    各ドット積値系列を第1定数と比較する下位段階が含まれる方法。
  14. 請求項9に記載の方法であって、1つ以上の直接拡散符号を含む第1信号を受信する段階には、
    第1直接拡散符号と第2直接拡散符号とを含む信号を受信する下位段階が含まれる方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、ドット積を実行する段階には、
    ドット積値系列を得るために、差動復号系列から選択される複数のビット長下位系列と、第2直接拡散符号の各N番目の要素に所定数だけ第2直接拡散符号のN番目の要素から離れた第2直接拡散符号の他の要素を乗算して得られる第2成分ベクトルから第1直接拡散符号の各N番目の要素に第1直接拡散符号のN番目の要素から所定数だけ離れた第1直接拡散符号の他の要素を乗算して得られる第1成分ベクトルを減算することにより得られるベクトルと実質的に等しい基準ベクトルと、の間においてベクトル・ドット積を実行する下位段階が含まれる方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、ドット積値の各系列を1つ以上の所定の定数と比較する段階には、
    ドット積値の各系列をほぼ0である定数と比較する下位段階が含まれる方法。
  17. 請求項9に記載の方法であって、1つ以上の直接拡散符号を含む第1信号を受信する段階には、
    Nが整数である場合、2・m個の別個の直接拡散符号を含む信号を受信する下位段階が含まれる方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、更に、
    基準ベクトルを得る段階であって、
    2・m個の別個の差動復号ベクトルを得るために、所定数だけN番目の要素から離れた別個の直接拡散符号における他の要素を、別個の直接拡散符号における各N番目の要素に乗算することにより各別個の直接拡散符号を処理するステップと、
    複数の成分ベクトルを得るために、別個の定数を各別個の差動復号ベクトルに乗算するステップと、
    成分ベクトルを合計するステップと、によって得られるベクトルに等しい前記基準ベクトルを得る前記段階が含まれる方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、ドット積値の各系列を1つ以上の所定の定数と比較する段階には、
    ドット積値の各系列を複数の別個の定数と比較する下位段階が含まれる方法。
  20. 請求項9に記載の方法であって、1つ以上の直接拡散符号を含む第1信号を受信する段階には、
    複素復調器出力信号を得るために、受信RF信号を同相及び直交位相復調する下位段階と、
    第1信号を得るために、複素復調器出力信号の低域フィルタ処理を行なう下位段階と、
    が含まれる方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、低域フィルタ処理を行なう段階には、
    チップパルス整合フィルタによって復調器出力のフィルタ処理を行なう下位段階が含まれる方法。
  22. 請求項9に記載の方法であって、第1信号を受信する段階には、
    少なくとも約7個の要素を有する直接拡散符号を含む信号を受信する下位段階が含まれる方法。
  23. 請求項9に記載の方法であって、第1信号を受信する段階には、
    少なくとも約15個の要素を有する直接拡散符号を含む信号を受信する下位段階が含まれる方法。
  24. 直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、
    直接拡散符号分割多元接続送信機及び直接拡散符号分割多元接続受信機を備え、
    前記直接拡散符号分割多元接続送信機は、
    復号器入力部において、第1の値を有する第1複数ビットと、第2の値を有する第2複数ビットとを含む2進数データを受信するためのビット値復号器であって、第1復号器出力部において、各第1ビットに応じて第1直接拡散符号を選択的に出力するための前記ビット値復号器と、
    第1直接拡散符号を受信するために、また、パルス整形器出力部において第1直接拡散符号を含むベースバンド信号を出力するために、ビット値復号器に接続されたパルス整形器と、
    変調器であって、
    ベースバンド信号を受信するためにパルス整形器出力部に接続された信号入力部と、
    搬送周波数入力部と、
    RF出力部と、を含む前記変調器と、
    変調器の搬送周波数入力部に接続された供給源出力部を含む搬送周波数供給源と、
    変調器のRF出力部に接続されたアンテナと、
    を含み、
    前記直接拡散符号分割多元接続受信機は、
    複素チップ値系列を含む信号を受信するためのチャンネルインターフェイスと、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列を得るために、所定の桁数だけN番目から離れたチップ値系列における他のチップ値の複素共役を、チップ値系列の各N番目のチップ値に乗算するための乗算器と、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列と1つ以上の基準ベクトルとの間においてドット積を実行するためのドット積実行器であって、1つ以上のドット積値を出力するための前記ドット積実行器と、
    1つ以上のドット積値に基づき、1つ以上の情報伝達記号を識別するための識別器と、
    を含む、直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  25. 請求項24に記載の直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、前記直接拡散符号分割多元接続送信機には更に、
    増幅器であって、
    変調器に接続された信号入力部と、
    アンテナに接続された増幅信号出力部と、
    制御入力部と、を含む前記増幅器と、が含まれ、
    前記ビット値復号器には、更に、第2複数ビットに応じて増幅器を選択的にオフ状態にするために、制御入力部に接続するための第2復号器出力部が含まれる、直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  26. 請求項24に記載の直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、前記ビット値復号器には、
    プロセッサであって、
    2進数データを読み取り、
    第1の値を有するビットの読み取り時にのみ、第1直接拡散符号を選択的に出力する、
    ようにプログラムされた前記プロセッサが含まれる、直接拡散符号分割多元接続システム。
  27. 請求項24に記載の直接拡散符号分割多元接続システムであって、前記ビット値復号器は更に、各第2ビットに応じて第2直接拡散符号を選択的に出力する、直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  28. 請求項27に記載の直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、前記ビット値復号器には、
    プロセッサであって、
    2進数データを読み取り、
    各第1ビットの読み取り時、第1直接拡散符号を選択的に出力し、また、各第2ビットの読み取り時、第2直接拡散符号を選択的に出力する、
    ようにプログラムされた前記プロセッサが含まれる、直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  29. 直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、
    複素チップ値系列を含む信号を受信するためのチャンネルインターフェイスと、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列を得るために、所定の桁数だけN番目から離れたチップ値系列における他のチップ値の複素共役を、チップ値系列の各N番目のチップ値に乗算するための乗算器と、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列と1つ以上の基準ベクトルとの間においてドット積を実行するためのドット積実行器であって、1つ以上のドット積値を出力するための前記ドット積実行器と、
    1つ以上のドット積値に基づき、1つ以上の情報伝達記号を識別するための識別器と、
    が含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  30. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、チャンネルインターフェイスには、
    RF信号を受信するためのアンテナと、
    RF信号を受信し複素復調信号を出力するためにアンテナに接続されたI/Q復調器と、
    複素復調信号を受信し複素ベースバンド信号を出力するために復調器に接続された低域フィルタと、
    複素ベースバンド信号をサンプリングして複素チップ値系列を得るために低域フィルタに接続されたアナログ−デジタル変換器と、
    が含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  31. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、乗算器には、
    所定の桁数だけN番目から離れたチップ値系列における他の複素チップ値の複素共役を複素チップ値系列における各N番目の複素チップ値に乗算するようにプログラムされたプロセッサが含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  32. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、ドット積実行器には、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列と1つ以上の基準ベクトルとの間において1つ以上のドット積を算出し、1つ以上のドット積値を出力するようにプログラムされたプロセッサが含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  33. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、識別器には、
    1つ以上のドット積値を、1つ以上の情報搬送記号と関連付けされた1つ以上の定数と比較するためのコンパレータが含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  34. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、ドット積実行器には、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列と、第2情報記号に関連付けされた第2擬似雑音系列にベクトル的に加算される第1情報記号に関連付けされた第1擬似雑音系列を含む基準ベクトルと、の間においてドット積を実行し、また、1つ以上のドット積値を出力するためのドット積実行器が含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  35. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、
    ドット積実行器には、1つ以上のチップ毎差動復号系列と単一基準ベクトルとの間においてドット積を実行し、また、1つ以上のドット積値を出力するためのドット積実行器が含まれ、
    識別器には、1つ以上の各ドット積値を閾値と比較して、ドット積値が閾値を越える場合、第1ビット値を出力するためのコンパレータが含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  36. 請求項29に記載の直接拡散符号分割多元接続情報受信機であって、乗算器には、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列を得るために、チップ値系列において隣接するチップ値の複素共役をチップ値系列の各チップ値に乗算するための乗算器が含まれる直接拡散符号分割多元接続情報受信機。
  37. 直接拡散符号分割多元接続通信システムにおいて、
    送信機であって、
    復号器入力部において、第1の値を有する第1複数ビットと、第2の値を有する第2複数ビットと、を含む2進数データを受信するための、また、復号器の出力部において、第1ビットパターンに応じて複数の要素を含む第1直接拡散符号を選択的に出力するための復号器と、
    第1直接拡散符号を含む信号を送信するための第1チャンネルインターフェイスと、
    を含む通信装置を備えた前記送信機と、
    受信機であって、
    第1直接拡散符号を含む信号を受信するための第2チャンネルインターフェイスと、
    複素チップ値の第1系列を得るために信号をサンプリングするためのサンプラと、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列を得るために、所定桁数だけN番目から離れた第1チップ値系列における第2チップ値の複素共役を第1チップ値系列における各N番目のチップ値に乗算するための乗算器と、
    1つ以上のチップ毎差動復号系列と1つ以上の基準ベクトルとの間においてドット積を実行し、また、1つ以上のドット積値を出力するためのドット積実行器と、
    1つ以上のドット積値に基づき1つ以上の情報伝達記号を識別するための識別器と、
    を含む通信装置を備えた前記受信機と、
    が含まれる直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  38. 請求項37に記載の直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、
    第1チャンネルインターフェイスには、
    第1入力部において第1直接拡散符号を受信し、第1直接拡散符号を含むベースバンド信号を出力するためのパルス整形器と、
    変調器であって、
    ベースバンド信号を受信するために、パルス整形器に接続された信号入力部と、
    搬送周波数入力部と、
    RF出力部と、
    を含む前記変調器と、
    変調器の搬送周波数入力部に接続された搬送周波数供給源と、
    変調器のRF出力部及び増幅器出力部に接続された入力部を備えた増幅器と、
    増幅器出力部に接続されたアンテナと、
    が含まれる直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  39. 請求項37に記載の直接拡散符号分割多元接続通信システムであって、
    復号器は、復号器入力部において、第1の値を有する第1複数ビットと、第2の値を有する第2複数ビットと、を含む2進数データを受信し、第1ビットパターンに応じて第1直接拡散符号を選択的に出力し、又、第2ビットパターンに応じて第2直接拡散符号を選択的に出力するように構成されている直接拡散符号分割多元接続通信システム。
  40. 直接拡散符号分割多元接続送受信機を動作させるためのプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能記録媒体であって、
    第1の値を有する第1複数ビットと、第2の値を有する第2複数ビットと、を含むビット系列を読み取るためのプログラム命令と、
    各第1ビットに応じて第1直接拡散符号を選択的に送信するためのプログラム命令と、
    複素チップ値系列を読み取るためのプログラム命令と、
    差動復号系列を得るために、所定の桁数だけN番目の複素チップ値から離れた系列における他の複素チップ値の複素共役を、系列における各N番目の複素チップ値に乗算するためのプログラム命令と、
    ドット積値を得るために、差動復号系列から選択された複数のビット長下位系列と、基準ベクトルとの間においてドット積を実行するためのプログラム命令と、
    各ドット積値系列を、1つ以上の所定の定数と比較するためのプログラム命令と、
    が含まれるコンピュータ読み取り可能記録媒体。
  41. 請求項40に記載のコンピュータ読み取り可能記録媒体であって、更に、
    各第2ビットに応じて無線周波数送信を選択的に中断するためのプログラム命令が含まれるコンピュータ読み取り可能記録媒体。
  42. 直接拡散符号分割多元接続受信機を動作させるためのプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能記録媒体であって、
    複素チップ値系列を読み取るためのプログラム命令と、
    差動復号系列を得るために、所定の桁数だけN番目の複素チップ値から離れた系列における他の複素チップ値の複素共役を、系列における各N番目の複素チップ値に乗算するためのプログラム命令と、
    ドット積値を得るために、差動復号系列から選択された複数のビット長下位系列と、基準ベクトルとの間においてドット積を実行するためのプログラム命令と、
    各ドット積値系列を、1つ以上の所定の定数と比較するためのプログラム命令と、
    が含まれるコンピュータ読み取り可能記録媒体。
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