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JP4224940B2 - 積層冷却器 - Google Patents

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JP4224940B2
JP4224940B2 JP2000357724A JP2000357724A JP4224940B2 JP 4224940 B2 JP4224940 B2 JP 4224940B2 JP 2000357724 A JP2000357724 A JP 2000357724A JP 2000357724 A JP2000357724 A JP 2000357724A JP 4224940 B2 JP4224940 B2 JP 4224940B2
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Denso Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のプレートを積層して内部に冷却水路を形成し、この冷却水路に冷却水を流通させて発熱素子を冷却する積層冷却器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両用等の大電流を必要とするインバータ装置は、発熱素子の発熱量が大きいため、冷却水などを用いた強制的な冷却が必要である。そこで、本発明者は、2種類の中間プレートを交互に積層し、その両外層に2枚の外側プレートを重ね合わせて内部に冷却水路を形成する積層冷却器を考案した。
中間プレートは、図9(a)、(b)に示す様に、両側にヘッダ開口部110を有し、その両ヘッダ開口部110の間に複数のスリット120が略一定のピッチで斜め方向に形成されている。この2種類の中間プレート100を交互に積層すると、互いのスリット120同士が連通して網目状の冷却水路が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の中間プレート100は、通常プレス加工によって製造される。ところが、スリットパターンが異なる2種類のプレートを使用すると、必然的に別々のプレス型を用いて加工する必要が生じるため、加工コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、複数枚のプレートを積層して構成される積層冷却器において、中間プレートに要する加工コストの低減を図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明の積層冷却器に使用される複数枚の中間プレートは、同一の切り抜きパターンを有する1種類のプレートから成り、その1種類のプレートを1枚毎または数枚毎に180度回転させて重ね合わせることにより、スリット同士が連通して網目状の冷却流路を形成している
これにより、複数枚の中間プレートを1種類のプレートで構成できるので、従来の様に2種類のプレートを使用する場合と比較して、中間プレートの加工コストを低く抑えることができる。
【0005】
(請求項2の手段)
請求項1に記載した積層冷却器において、
中間プレートは、一組のヘッダ開口部の大きさが異なり、
2枚の中間プレートのうち1枚の中間プレートを180度回転してもう1枚の中間プレートと重ね合わせ、その一方の中間プレートをプレートA、他方の中間プレートをプレートBと呼ぶ時に、プレートAに設けられているスリットの一端部がプレートBに設けられている一方のヘッダ開口部と連通し、且つプレートBに設けられているスリットの他端部がプレートAに設けられている他方のヘッダ開口部と連通し、更にプレートAのスリットとプレートBのスリットとが連通する。
【0006】
(請求項3の手段)
請求項1に記載した積層冷却器において、
中間プレートは、複数のスリットの少なくとも一部が一組のヘッダ開口部のうち何方か一方と連通して設けられており、
2枚の中間プレートのうち1枚の中間プレートを180度回転してもう1枚の中間プレートと重ね合わせ、その一方の中間プレートをプレートA、他方の中間プレートをプレートBと呼ぶ時に、プレートAのヘッダ開口部と連通しているスリットと、プレートBのヘッダ開口部と連通しているスリットとが連通する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は中間プレートの平面図、図4は積層冷却器を使用したインバータ装置の断面図である。
図4に示すインバータ装置1は、電気自動車の走行用モータを制御するもので、積層冷却器2(以下冷却器2と略す)にインバータモジュールやコンバータ等の発熱部品3を取り付けてアッセンブリとし、このアッセンブリをケース4、5に組付けて構成されている。
【0008】
冷却器2は、複数枚の中間プレート6と2枚の外側プレート7(7A、7B)とを積層し、一組のパイプ8(8A、8B)を組付けた後、一体ろう付けにより製造される。
a)中間プレート6は、一定の厚みを有する金属板(例えばアルミニウム板)の表面(片面)にろう材層を具備したブレージングシートを使用する。
この中間プレート6は、プレス加工によって製造され、図1に示す様に、一組のヘッダ開口部9(9a、9b)、複数個のボルト孔10、及び複数のスリット11が設けられている。
【0009】
ヘッダ開口部9は、中間プレート6の長手方向(図1の上下方向)の両側に設けられ、幅方向(図1の左右方向)に大きく矩形状に開口している。但し、一方のヘッダ開口部9aの方が他方のヘッダ開口部9bより長手方向の幅(図1の上下幅)が広く形成されている。
ボルト孔10は、冷却器2に発熱部品3を固定するためのボルト(図示しない)を通す丸孔で、両ヘッダ開口部9a、9bの間に6箇所開けられている。
【0010】
スリット11(11a、11b)は、図1に示す様に、両ヘッダ開口部9a、9bの間で中間プレート6の左側と右側とに分かれて設けられ、それぞれ中間プレート6に対し斜め方向に略一定のピッチ及び略同一のスリット幅で形成されている。但し、中間プレート6の左側と右側とでスリット11aとスリット11bの傾きが逆方向となり、左右対称に形成されている。
複数枚の中間プレート6は、同一の切り抜きパターンを有する1種類のプレートから成り、その1種類のプレートを表裏が反転しない様に、1枚毎あるいは数枚毎に180度回転させて積層される。
【0011】
ここで、180度回転して重ね合わせた2枚の中間プレート6のうち一方の中間プレート6をプレートA、他方の中間プレート6をプレートBと呼ぶ時に、両プレートA、Bは、図2に示す様に積層される。即ち、プレートAの左側スリット11aとプレートBの右側スリット11b、及びプレートAの右側スリット11bとプレートBの左側スリット11aが連通して、それぞれ網目状に冷却流路が形成され、且つ両プレートA、Bのヘッダ開口部9a、9b同士が重なって入口ヘッダ12と出口ヘッダ13が形成される。また、プレートAに設けられているスリット11の一端部がプレートBに設けられている一方のヘッダ開口部9aと連通し、且つプレートBに設けられているスリット11の他端部がプレートAに設けられている他方のヘッダ開口部9bと連通する。
【0012】
b)外側プレート7は、上側プレート7Aと下側プレート7Bから成り、複数枚の中間プレート6を積層して、その両外層に重ね合わされることにより、冷却器2の上下両面を閉じている。この外側プレート7には、図3に示す様に、6個のボルト孔10が開けられ、それぞれのプレート表面に発熱部品3が取り付けられて、ボルトにより固定される。
【0013】
また、下側プレート7Bには、図3(b)に示す様に、パイプ8を取り付けるための取付け孔7a、7bが開けられている。一方の取付け孔7aは、入口ヘッダ12に連通する位置に設けられ、他方の取付け孔7bは、出口ヘッダ13に連通する位置に設けられている。
c)パイプ8は、外部の冷却水回路(図示しない)と冷却器2とを接続するもので、下側プレート7Bに設けられた一方の取付け孔7aに取り付けられる入口パイプ8Aと、他方の取付け孔7bに取り付けられる出口パイプ8Bとから成る(図4参照)。
【0014】
次に、冷却器2の作用及び効果を説明する。
外部の冷却水回路から入口パイプ8Aに供給された冷却水は、入口パイプ8Aから入口ヘッダ12に流入し、入口ヘッダ12からスリット11によって形成される冷却流路を流れた後、出口ヘッダ13を経て出口パイプ8Bから再び外部の冷却水回路へ還流する。これにより、発熱部品3に内蔵されている発熱素子が冷却水によって冷却される。
【0015】
本実施例の冷却器2に使用される複数枚の中間プレート6は、同一の切り抜きパターンを有する1種類のプレートを使用し、その1種類のプレートを1枚毎または数枚毎に180度回転させて積層している。この場合、複数枚の中間プレート6を1つのプレス型で加工できるので、スリットパターンが異なる2種類のプレートを使用する場合と比較して、中間プレート6に要する加工コストを低く抑えることができる。
【0016】
(第2実施例)
図5は中間プレート6の平面図である。
本実施例の中間プレート6は、図1に示した中間プレート6とスリットパターンが異なるもので、図5に示す様に、中間プレート6の中央部にもスリット11が形成されている。この中間プレート6を1枚毎あるいは数枚毎に180度回転させて積層することにより、図6に示す様に、各中間プレート6のスリット11同士が連通して網目状に冷却流路が形成され、ヘッダ開口部9a、9b同士が連通して入口ヘッダ12と出口ヘッダ13が形成される。
この実施例では、各中間プレート6の中央部でもスリット11同士が重なって流路が確保されるので、より高い冷却効果を得ることが可能である。
【0017】
(第3実施例)
図7は中間プレート6の平面図である。
本実施例の中間プレート6は、図7に示す様に、スリット11が一方のヘッダ開口部9a(または他方のヘッダ開口部9b)に繋がって形成されている。
この場合、最初からスリット11と一方のヘッダ開口部9aとが連通しているので、一組のヘッダ開口部9a、9bを同じ大きさに設けることができる。この中間プレート6を180度回転して重ね合わせると、図8に示す様に、スリット11同士が連通して形成される冷却流路を介して入口ヘッダ12と出口ヘッダ13とが連通する。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間プレートの平面図である(第1実施例)。
【図2】中間プレートを重ね合わせた状態を示す平面図である(第1実施例)。
【図3】外側プレートの平面図である。
【図4】インバータ装置の断面図である。
【図5】中間プレートの平面図である(第2実施例)。
【図6】中間プレートを重ね合わせた状態を示す平面図である(第2実施例)。
【図7】中間プレートの平面図である(第3実施例)。
【図8】中間プレートを重ね合わせた状態を示す平面図である(第3実施例)。
【図9】中間プレートの平面図である(従来技術)。
【符号の説明】
2 積層冷却器
3 発熱部品
6 中間プレート
7 外側プレート
9 ヘッダ開口部
11 スリット

Claims (3)

  1. 一組のヘッダ開口部と複数のスリットを有する中間プレートを複数枚積層し、その両外層に外側プレートを重ね合わせて構成され、前記スリットに冷却媒体を流通させて前記外側プレートの表面に取り付けられる発熱部品を冷却する積層冷却器であって、
    前記複数枚の中間プレートは、同一の切り抜きパターンを有する1種類のプレートから成り、その1種類のプレートを1枚毎または数枚毎に180度回転させて重ね合わせることにより、前記スリット同士が連通して網目状の冷却流路を形成していることを特徴とする積層冷却器。
  2. 請求項1に記載した積層冷却器において、
    前記中間プレートは、前記一組のヘッダ開口部の大きさが異なり、
    2枚の前記中間プレートのうち1枚の中間プレートを180度回転してもう1枚の中間プレートと重ね合わせ、その一方の中間プレートをプレートA、他方の中間プレートをプレートBと呼ぶ時に、
    前記プレートAに設けられているスリットの一端部が前記プレートBに設けられている一方のヘッダ開口部と連通し、且つ前記プレートBに設けられているスリットの他端部が前記プレートAに設けられている他方のヘッダ開口部と連通し、更に前記プレートAのスリットと前記プレートBのスリットとが連通することを特徴とする積層冷却器。
  3. 請求項1に記載した積層冷却器において、
    前記中間プレートは、前記複数のスリットの少なくとも一部が前記一組のヘッダ開口部のうち何方か一方と連通して設けられており、
    2枚の前記中間プレートのうち1枚の中間プレートを180度回転してもう1枚の中間プレートと重ね合わせ、その一方の中間プレートをプレートA、他方の中間プレートをプレートBと呼ぶ時に、
    前記プレートAの前記ヘッダ開口部と連通しているスリットと、前記プレートBの前記ヘッダ開口部と連通しているスリットとが連通することを特徴とする積層冷却器。
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