JP4224649B2 - 三相交流モータ用絶縁ハウジング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は三相交流モータ用絶縁ハウジングに関するものであり、より詳しくは、導電ターミナルの絶縁距離が一定で、絶縁抵抗のバラツキが極めて少ない三相交流モータ用絶縁ハウジングに関するものである
【0002】
【従来の技術】
従来のかかるターミナル金具を有する三相交流モータ用絶縁ハウジンモータ用ハウジングとしては、ターミナル金具の一部を金型のキャビティ内で位置決めし、型締めにより固定した後、キャビティに熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂を注入し、その部分を当該合成樹脂で鋳ぐるんで成形する方法にて作製されていた。
【0003】
【発明の解決すべき課題】
しかしながら、上述した従来の方法で作製した三相交流モータ用絶縁ハウジングは、3枚のターミナル金具をその都度成形金型内にセットして成形する必要があり、成形サイクルに長時間を要するためにその作業性が極めて悪かった。また、ターミナル金具の絶縁距離が成形する毎に変化したり、互いに平行に配置できないため、その品質、特には絶縁抵抗にバラツキを生じる原因となっていた。
【0004】
一方、このような不具合を解消するため、金型内に保持ピン等を立て、これにより、ターミナル金具間の離間距離を一定にしようとする試みがあるが、この方法によると、ターミナル金具のセットが誠に面倒であり、その効果も確実性に乏しいという問題があった。
【0005】
また、ASSYタイプのものも公知であるが、これらのものはいずれも、ターミナル金具を単に組み合わせたにすぎないので、ターミナル金具を安定に保持することができず、ターミナル金具にガタツキが生じ,後工程のAssyにバラツキも多く、故障することが多いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑み鋭意創案されたものであって、その目的とするところは、簡単に製造でき、ターミナル金具間の離間距離を一定に保持できて絶縁抵抗にバラツキを生じ難い高品質の三相交流モータ絶縁ハウジングを提供して、叙上の諸問題を解消せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明が採用した手段は、
「1個の電源部、及びリード線コネクターとハウジングかしめ部を設けた3個のリード線コネクター端子とを有し、前記電源部が上下で重なるように配置すると前記リード線コネクター端子が相互に位相を異にして配置できるように構成された3種類のターミナルと、該ターミナル間にそれぞれ配置される2枚の絶縁板と、前記ターミナルと前記絶縁板とを互い違いに収容するリング状の収納溝を有し、且つ前記ハウジングかしめ部をかしめて前記ターミナルを固定するための受け台を有するハウジングとからなり、
前記収容溝に前記ターミナルを前記電源部が上下で重なるように前記絶縁版を介在して収容したことを特徴とする三相交流モータ用絶縁ハウジング」を、その要旨とするものであり、このような構成を採用することで上述した本発明の目的を達成したものである。
【0008】
すなわち、本発明にあっては、ハウジングの上面に形成されたリング状の収納溝に、ターミナルと絶縁板が交互に収容されており且つターミナルはハウジングに設けられた受け台にかしめ固定されるように構成されているため、ターミナル金具のガタツキ及び脱落が防止できる。
【0009】
また、ターミナル金具は、絶縁板の厚み相当離間しておりしかも互いに平行に配置されるため、従来のように絶縁距離が成形する毎に変化することがない。すなわち、最終製品の品質のうち特には絶縁抵抗のバラツキが生じ難い。
【0010】
また、従来のように、ターミナル金具をその都度成形金型内にセットするという作業が不要となるから、成形サイクルを短時間で行える。そして、各構成部材のそれぞれを自動成形にて製造できるから、これらが相まって、コストパフォーマンスを向上させることができる。
【0011】
すなわち、本発明の三相交流モータ用絶縁ハウジングは、ハウジングに設けた受け台にターミナル金具をかしめ固定するとともに、各ターミナル金具間に絶縁板を介在することで、最終製品たる三相交流モータ絶縁ハウジングを簡単に製造でき、ターミナル金具間の離間距離を一定に保持できて絶縁抵抗にバラツキを生じ難くい高品質のものとして安価に提供できるようになったものである。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、図面でより具体的に示した各実施例に基いて本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、これらはその代表的なものを示したにすぎず、その要旨を越えない限りにおいて様々な設計変更が可能である。
【0013】
図1は本発明の実施例となる三相交流モータ絶縁ハウジング100を概略的に示す分解斜視図であり、図2は組み付け後の状態を模式的に示す斜視図である。図3は、受け台32にハウジングかしめ部13をかしめた状態を模式的に示す部分斜視図、図4はさらにコイル線41をかしめた状態を模式的に示す部分斜視図、図5は、図4の全体の様子を模式的に示す斜視図である。
【0014】
図において、この三相交流モータ絶縁ハウジング100は、1個の電源部11、及びリード線コネクター12とハウジングかしめ部13を設けた3個のリード線コネクター端子14、14、14とを有し、前記電源部が11上下で重なるように配置すると前記リード線コネクター端子14が相互に位相を異にして配置できるように構成された3種類のターミナル10a,10b,10cと、これらターミナル10a,10b,10c間のそれぞれに配置されて互いに隣接するターミナル10a,10b,10cを所望する所定間隔離間するとともに両者を絶縁する2枚の絶縁板20a,20bと、ターミナル10a,10b,10cと前記絶縁板20a,20bとを互い違いに配してこれを収容するためのリング状の収納溝31が形成されており且つ前記ハウジングかしめ部13をかしめてターミナル10a,10b,10cが脱落しないように固定するための受け台32を有するハウジング30と、から構成されている。
【0015】
ハウジング30は、上面にはリング状の収納溝31が形成されており、この収納溝31に連続して径外方向に開口する開口部A33、及び9個の開口部B34が形成されている。開口部A33は前記電源部11を嵌合するために、そして、開口部B34は、前記リード線コネクター端子14、14。14を取り付けするために形成されたものであり、隣接する開口部B34は約40°位相がずれており、ハウジング30の外周端部にほぼ等間隔に形成されている。また、開口部B34下端には、前記ハウジングかしめ部13をかしめてターミナル10a,10b,10c全体をそれぞれ固定するための受け台32が形成されている。
【0016】
ハウジング30は合成樹脂にて一体に成形されたものであり、ポリアミド系、ポリアセタール系、ポリカーボネート系、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系、ポリフェニレンスルファイド(PDS)系等の可塑性樹脂製であっても、例えばフェノール樹脂のごとき熱硬化性樹脂製であっても構わない。
【0017】
ターミナル10a,10b,10cは導電性鋼材製であり、1個の電源部11及び3個のハウジングかしめ部13,13,13が径外方向に突出するように設けられており、ハウジング30に形成された収納溝31に嵌合させることができるにようになっている。なお、このターミナルは、図1に示すように、各電源部11を上下で重なるように配置すると、前記リード線コネクター端子14、14。14が相互に位相を異にして配置できるように構成された3種類のもの10a,10b,10cがある。
【0018】
絶縁板20a,20bは、所定の厚みを有し前記収納溝31に嵌合できる形状に一体成形された合成樹脂製であり、絶縁特性を有するものであれば、例えばポリアミド系、ポリアセタール系、ポリカーボネート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリフェニレン去るファイド系等の可塑性樹脂製であっても、例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂製であっても構わない。
【0019】
このような部材からなる本実施例の三相交流モータ絶縁ハウジング100の組み付け方法を説明する。
【0020】
まず、開口部A33に電源部11を、そして、開口部B34にリード線コネクター端子14をそれぞれはめ込みながら第1番目のターミナル10aの全体をハウジング30にセットし、ついで、開口部B34,34,34下端に設けてある受け台32にハウジングかしめ部13をかしめて第1番目のターミナル10aを取着する。
【0021】
ついで、収納溝31に絶縁板20aをはめ込んで第1番目のターミナル10aの上面に備えた後、開口部A33に電源部11をそして前記開口部B34と隣り合う開口部B34にリード線コネクター端子14をそれぞれはめ込み第2番目のターミナル10bの全体をハウジング30にセットして第2番目のターミナル10bを取着する。さらに、第2番目のターミナル10bの上面に絶縁板20bを備えたのち、同様にして、第3番目のターミナル10cを備えると本実施例となる三相交流モータ用絶縁ハウジング100となる。
【0022】
各リード線コネクター端子14のリード線コネクター14aに、コイル40から延びるコイル線41の端部をそれぞれかしめて接続すると、図5に示す三相交流モータが得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べた本発明の三相交流モータ用絶縁ハウジングによると、
ハウジングの上面に形成されたリング状の収納溝に、ターミナルと絶縁板が交互に収容されており且つターミナルはハウジングに設けられた受け台にかしめ固定されているから、ターミナル金具が脱落することがない。
【0024】
また、ターミナル金具は、絶縁板の厚み相当離間しておりしかも互いに平行に配置されるため、従来のように絶縁距離が成形する毎に変化することがなく、最終製品の品質特には絶縁抵抗のバラツキが生じ難い。
【0025】
また、ターミナル金具をその都度成形金型内にセットするという作業が不要となるから、成形サイクルを短時間で行える。また、各構成部材のそれぞれを自動成形にて製造できるから、これらが相まって、コストパフォーマンスを向上させることができる。
【0026】
すなわち、ハウジングに設けた受け台にターミナル金具をかしめ固定するとともに、各ターミナル金具間に絶縁板を介在することで、ターミナル金具間の離間距離を一定に保持できて絶縁抵抗にバラツキを生じ難くい、しかも高品質の三相交流モータ用絶縁ハウジングを簡単に製造できてこれを安価に提供できるという、極めて実効性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例となる三相交流モータ絶縁ハウジングを概略的に示す分解斜視図である。
【図2】 図2は、組み付け後の状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】 図3は、受け台にハウジングかしめ部をかしめた状態を模式的に示す部分斜視図である。
【図4】 図4は、さらにコイル線をかしめた状態を模式的に示す部分斜視図である。
【図5】図5は、図4の全体の様子を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c … ターミナル
11 … 電源部
12 … リード線コネクター
13 … ハウジングかしめ部
14 … リード線コネクター端子
20a,20b … 絶縁板
30 … ハウジング
31 … 収納溝
32 … 受け台
33 … 開口部A
34 … 開口部B
40 … コイル
41 … コイル線
Claims (1)
- 1個の電源部、及びリード線コネクターとハウジングかしめ部を設けた3個のリード線コネクター端子とを有し、前記電源部が上下で重なるように配置すると前記リード線コネクター端子が相互に位相を異にして配置できるように構成された3種類のターミナルと、該ターミナル間にそれぞれ配置される2枚の絶縁板と、前記ターミナルと前記絶縁板とを互い違いに収容するリング状の収納溝を有し、且つ前記ハウジングかしめ部をかしめて前記ターミナルを固定するための受け台を有するハウジングとからなり、
前記収容溝に前記ターミナルを前記電源部が上下で重なるように前記絶縁板を介在して収容したことを特徴とする三相交流モータ用絶縁ハウジング。
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