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JP4222141B2 - スーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法及び製造装置 - Google Patents

スーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法及び製造装置 Download PDF

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JP4222141B2 JP2003279518A JP2003279518A JP4222141B2 JP 4222141 B2 JP4222141 B2 JP 4222141B2 JP 2003279518 A JP2003279518 A JP 2003279518A JP 2003279518 A JP2003279518 A JP 2003279518A JP 4222141 B2 JP4222141 B2 JP 4222141B2
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Description

本発明は、ファイバブラッググレーティング(FBG)の製造方法及び製造装置に関し、特に、位相シフト部又は屈折率変調振幅の変化(例えば、アポダイゼーション)を有するFBGを製造する方法及び装置にするものである。
光ファイバコアにブラッグ回折格子を形成することによってFBGを製造する方法として、位相マスク法が知られている。位相マスク法は、紫外レーザ光の干渉光を光ファイバコアに照射して光ファイバコアに光ファイバの長手方向に周期的な屈折率変調を形成する方法である(例えば、非特許文献1参照)。
また、位相シフト部を備えたFBGが光符号分割多重(OCDM:Optical Code Division Multiplexing)方式の符号器や復号器に応用されている。OCDM方式の符号器や復号器に使用されるSS−FBG(Super Structure FBG)には、複数の位相シフト部が符号の種類に応じた位置に形成されている。位相マスク法により光ファイバコアに位相シフト部を形成するためには、位相マスクの回折格子に位相シフト形成用の部分を設けておく方法がある(例えば、非特許文献2参照)。この方法は、少品種大量生産に適しているが、符号の種類ごとに高価な位相マスクを用意する必要があるので、多品種小量生産に適していない。
多品種小量生産に適した方法として、位相マスク法において、ピエゾ素子(PZT)を用いたPZTステージにより光ファイバをその長手方向に微動又は振動させることによって、FBGに位相シフト部やアポダイゼーションを持たせる方法が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。
しかし、図12(a)に示されるように、位相マスク116を動かさずに光ファイバ110をその長手方向(X軸方向)に微動又は振動させたときには、図12(b)に示されるように、X軸方向に移動させる機構のヨーイング等によりX軸方向に直交するY軸方向(光ファイバの幅方向)に光ファイバ110のずれが生じる。特に、複数の位相シフト部を持つSS−FBGでは、光ファイバ110を複数回シフト(微動)させる必要があるため、光ファイバ110のY軸方向のずれは大きくなる。また、図12(b)に示されるように、例えば、シングルモード光ファイバは、屈折率変調が形成される光ファイバコア110aの直径は約8μmと小さく、紫外レーザ光120の強度分布は急な立ち上がりと立ち下がりを持つガウス分布である。したがって、光ファイバ110のY軸方向のずれにより、光ファイバコア110aへの紫外レーザ光120の照射量は大きく変化し、光ファイバコア110aに形成される屈折率変調の振幅が大きくばらつくという問題がある。
また、非特許文献3においては、PZTに方形波のような電圧の線形変動(linear variation)を入力しているので、ヒステリシス現象やクリーピング現象によってPZTの入力電圧と移動量との間の線形性が保てず、光ファイバコア110aに所望の屈折率変調を形成するためのプロセス設計が困難である。
水波徹著、「光ファイバ回折格子」、応用物理、第67巻第9号(1998)、pp.1029−1034 西木玲彦他著、「SSFBGを用いたOCDM用位相符号器の開発−データレート拡張方式の検証」、信学技法、電子情報通信学会テクニカルレポート(TECHNICAL REPORT OF IEICE.) OFT2002−66(2002−11)、PP.13−18 ダブリュ・エイチ・ロー他著「コンプレックス グレーティング ストラクチャー ウィズ ユニフォーム フェーズ マスクス ベイスド オン ザ ムービング ファイバースキャニング ビーム テクニック」、オプティクス レター、Vol.20、No.20、1995年10月15日(W.H.Loh et al.,"Complex grating structures with uniform phase masks based on the moving fiber−scanning beam technique",Optics Letters,Vol.20,No.20,October 15, 1995)
本発明が解決しようとする課題は、光ファイバの幅方向のずれに起因する屈折率変調振幅のばらつきを小さくし、かつ、光ファイバコアの所望の位置に位相シフト部を備えた又は屈折率変調振幅に所望の変化を持たせたブラッグ回折格子を形成することができるファイバブラッググレーティングの製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明に係る製造方法は、OCDM方式の光符号化又は光復号化を行うスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングであって、符号の種類に応じた位置に形成される複数の位相シフト部を有するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法であり、位相マスク法により紫外レーザ光を感光性光ファイバの長手方向に走査して光ファイバコアに前記光ファイバの長手方向に周期的な屈折率変調を形成する工程と、前記紫外レーザ光の走査工程と並行して、前記紫外レーザ光の照射位置が前記符号の種類に応じた位置に到達する毎に、前記位相マスク法で使用する位相マスクを前記長手方向に所定距離だけ瞬時に移動させることによって、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調に前記複数の位相シフト部を形成する工程とを有し、前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させるときの前記所定距離が、前記位相マスクの回折格子の周期の1/2よりも小さい値である
本発明に係る製造装置は、OCDM方式の光符号化又は光復号化を行うスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングであって、符号の種類に応じた位置に形成される複数の位相シフト部を有するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置であって、感光性光ファイバを直線状にして保持する保持手段と、位相マスクと、前記位相マスクを通して、前記保持手段に保持された前記光ファイバの光ファイバコアに紫外レーザ光を照射する紫外レーザ光照射手段と、前記紫外レーザ光の照射位置を前記光ファイバの長手方向に移動させる走査手段とを有し、前記光ファイバコアに前記長手方向に周期的な屈折率変調を形成するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置であり、前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させる微動手段と、前記走査手段により前記紫外レーザ光の照射位置を移動させながら、前記紫外レーザ光の照射位置が前記符号の種類に応じた位置に到達する毎に、前記位相マスクを前記光ファイバの長手方向に所定距離だけ瞬時に移動させることによって、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調に前記複数の位相シフト部を形成させる制御手段とを有し、前記微動手段により前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させるときの前記所定距離が、前記位相マスクの回折格子の周期の1/2よりも小さい値である
本発明に係るスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法又は製造装置を用いれば、位相マスクを交換することなく、光ファイバコアの所望の位置に所望の位相シフト量の位相シフト部を備えた又は屈折率変調振幅に所望の変化を持たせたブラッグ回折格子を形成することができるという効果が得られる。
また、本発明に係るスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法又は製造装置において、位相シフト部を形成するため又は屈折率変調振幅を変化させるために、位相マスクをその長手方向に微動又は振動させた場合には、光ファイバを微動又は振動させる従来技術のように、紫外レーザ光に対する光ファイバコアの位置が光ファイバ幅方向にずれることはない。よって、本発明に係るスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法又は製造装置を用いて、光ファイバコアにブラッグ回折格子を形成すれば、屈折率変調振幅のばらつきを小さくすることができるという効果が得られる。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1乃至第3の実施形態に係るファイバブラッググレーティング(FBG)製造装置の構成を概略的に示す図であり、同図(a)は光ファイバの長手方向であるX軸方向を横方向とした図であり、同図(b)はX軸方向に直交するY軸方向を横方向とした図である。図1(a)及び(b)に示されるように、第1乃至第3の実施形態に係るFBG製造装置は、ベース板11と、このベース板11を移動又は回転させるステージ系12と、ベース板11上に備えられたファイバホルダ13と、ベース板11上に固定された微動ステージ14と、この微動ステージ14上に固定された位相マスクホルダ15と、この位相マスクホルダ15に固定された位相マスク16とを有する。また、このFBG製造装置は、ファイバホルダ13により直線状に張られた光ファイバ10に紫外レーザ光20を照射する光学系21を有する。なお、光ファイバ10としては、その光ファイバコアの屈折率が紫外線の照射によって変化する感光性光ファイバを用いる。
図1(a)及び(b)に示されるように、ステージ系12は、θ軸回転ステージ12aと、Y軸移動ステージ12bと、X軸移動ステージ12cとを有する。θ軸回転ステージ12aは、パルスモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力によってベース板11をベース板11の表面に直交する軸線(図1(a)及び(b)における縦方向に延びる軸線(図示せず))を中心にして回転させる。θ軸回転ステージ12aは、ファイバホルダ13によって保持された光ファイバ10の長手方向をX軸方向(X軸移動ステージ12cの移動方向である。)と平行な方向にするために使用される。Y軸移動ステージ12bは、パルスモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力によってθ軸回転ステージ12a及びベース板11をX軸方向に直交するY軸方向(Y軸移動ステージ12bの移動方向であって、図1(b)における横方向である。)に移動させる。Y軸移動ステージ12bは、ファイバホルダ13によって保持された光ファイバ10の光ファイバコアの位置が紫外レーザ光20の照射位置に一致するように、θ軸回転ステージ12a及びベース板11をY軸方向に移動させる。θ軸回転ステージ12aによる光ファイバ10の方向の調整手順及びY軸移動ステージ12bによる光ファイバ10のY軸方向の位置の調整手順は特に限定されないが、例えば、特開平11−142659号公報に開示された方法を採用してもよい。
X軸移動ステージ12cは、パルスモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力によって、Y軸移動ステージ12b、θ軸回転ステージ12a、及びベース板11をX軸方向(図1(a)における横方向)に移動させる。X軸移動ステージ12cの最大移動距離は、例えば、150mmであり、位置移動分解能は、例えば、1μmである。X軸移動ステージ12cは、ベース板11上のファイバホルダ13に保持された光ファイバ10をその長手方向(θ軸回転ステージ12a及びY軸移動ステージ12bによりX軸方向に一致している。)に移動させることによって、紫外レーザ光20による光ファイバ10上の照射位置をX軸方向に移動させる(すなわち、紫外レーザ光20により光ファイバ10の光ファイバコアを走査する)。
ベース板11上の微動ステージ14は、ピエゾ素子(PZT)を駆動源としており、位相マスクホルダ15及び位相マスク16をX軸方向に微動又は振動させる。微動ステージ14の最大移動距離は、例えば、35μmであり、位置移動分解能は、例えば、1nmである。位置移動分解能が1nmであるピエゾ素子を用いた微動ステージ14は、後述する第1乃至第3の実施形態において説明するように、光ファイバコア10aのブラッグ回折格子に位相シフト部や屈折率変調振幅の変化を持たせる用途に適している。また、ピエゾ素子の移動量はピエゾ素子の入力電圧を制御することによって調整することができる。
θ軸回転ステージ12a、Y軸移動ステージ12b、X軸移動ステージ12c、及び微動ステージ14の動作は、パーソナルコンピュータ(PC)のような制御装置(図示せず)からの制御信号に基づいて、それぞれの駆動回路(図1(a)及び(b)に示さず)によって制御される。
図1(b)に示されるように、紫外レーザ光20を照射する光学系21は、レーザ光源21aと、レンズ21bと、ミラー21cとを有する。レーザ光源21aは、例えば、244nmの波長光を発生するAr−CWレーザ(例えば、Coherent社製INNOVA300Fred(商品名))である。レーザ光源21aからの紫外レーザ光は、レンズ21bによって収束され、ミラー21cで反射され、位相マスク16を通して、光ファイバ10の光ファイバコアに照射される。図1(a)及び(b)において、紫外レーザ光の照射位置は固定されており、紫外レーザ光20の走査はX軸移動ステージ12cによるベース板11の移動によって行われる。ただし、X軸移動ステージ12cによりベース板11をX軸方向に移動させずに、ベース板11を固定して、光学系21をX軸方向に移動させてもよい。
第1の実施形態
図2は、本発明の第1の実施形態に係るFBG製造装置の微動ステージ14の動作を示す説明図である。微動ステージ14の動作は、パーソナルコンピュータのような制御装置(図示せず)からの制御信号に基づいて、駆動回路(図2における直流電圧発生器17)が微動ステージ14のピエゾ素子の印加電圧を調整することによって制御される。ステージ系12の制御装置と微動ステージ14の制御回路は、通常は同じパーソナルコンピュータである。
図3(a)及び(b)は、第1の実施形態に係るFBGの製造方法(第1の実施形態に係るFBG製造装置の動作)を示す説明図であり、同図(a)は位相マスク16のシフト前の屈折率変調の形成工程を示し、同図(b)は位相マスク16のシフト後の屈折率変調の形成工程を示す。図3(a)及び(b)に示されるように、紫外レーザ光20が位相マスク16を通過すると、位相マスク16の回折格子の周期の1/2周期の干渉縞(干渉光20a)が生じる。この干渉縞が光ファイバコア10aに照射されると、照射光量に応じて光ファイバコア10aの屈折率を増加させ、光ファイバコア10aに周期的な屈折率変調によるブラッグ回折格子が形成される。
図1並びに図3(a)及び(b)に示されるように、X軸移動ステージ12cによるベース板11のX軸方向の移動、具体的には、図3(a)及び(b)に示される矢印A方向への移動により、紫外レーザ光20の照射位置は位置Pから位置Pを通して位置Pに移動する。紫外レーザ光20の照射位置が位置Pになったときに、微動ステージ14により位相マスク16を光ファイバ10の長手方向であるX軸方向に(本例では、矢印A方向とは逆の方向に)所定距離だけ移動(微動)させる。このときの位相マスク16の移動距離は、位相マスク16の回折格子の周期の1/4(すなわち、光ファイバコア10aに形成されるブラッグ回折格子の周期の1/2)としている。
図3(a)及び(b)に示されるように、紫外レーザ光20の位置Pから位置Pまでの走査により、光ファイバコア10aにはブラッグ回折格子31が形成される。このときの紫外レーザ光20の走査速度は、例えば、10μm/s〜100μm/sの範囲内で設定された一定値である。この走査の間、位相マスク16と光ファイバ10の相対位置は変わらない。
図1及び図3(b)に示されるように、紫外レーザ光20の照射位置が位置Pに達したときの微動ステージ14による微動により、光ファイバコア10aに位相シフト部33が形成される。このときの微動量(シフト量)は、光ファイバコア10aのブラッグ回折格子の周期の1/2(位相マスク16の回折格子の周期の1/4)であり、このシフト量が位相シフト部の長さになる。シフト量は、例えば、0.268μmである。このとき、ピエゾ素子を用いた微動ステージ14のピエゾ素子への入力電圧は約180mVである。入力電圧は、図4に示されるような、微動ステージのピエゾ素子の入力電圧とシフト量の関係から求められる。ただし、図4の関係は一例に過ぎず、ピエゾ素子の入力電圧とシフト量の関係は、ピエゾ素子の種類によって変わる。
図3(b)に示されるように、紫外レーザ光20の位置Pから位置Pまでの走査により、光ファイバコア10aにはブラッグ回折格子32が形成される。このときの紫外レーザ光20の走査速度は、例えば、10μm/s〜100μm/sの範囲内で設定された一定値である。この走査の間、位相マスク16と光ファイバ10の相対位置は変わらない。なお、この実施例においては、紫外レーザ光20の照射位置は固定され、光ファイバ10をX軸移動ステージ12cにより矢印A方向に移動させ、位相マスク16を微動ステージ14によりX軸方向に微動させるが、図3(a)及び(b)においては、位相マスク16と光ファイバコア10aのX軸方向の位置関係を理解し易くするために、紫外レーザ光20の位置を移動させて描いている。
以上のプロセスによって、光ファイバコア10aに位置Pを境に、位置Pから位置Pまでのブラッグ回折格子31と、位置Pから位置Pまでのブラッグ回折格子32とが、ブラッグ回折格子の周期の1/2だけ位相シフトしているFBGが形成された。
上記説明においては、一つの位相シフト部33を持つFBGの製造方法を示したが、微動ステージ14による位相マスク16の微動を繰り返すことによって、複数の位相シフト部を持つFBGを製造することができる。また、X軸移動ステージ12cと微動ステージ14の動作を同じパーソナルコンピュータで制御し、X軸移動ステージ12cの動作中に、所望の複数の座標で微動ステージ14を動作させれば、複数の位相シフト部33も所望の位置に形成できる。さらに、SS−FBGを用いたOCDM用の符号器と復号器は、任意の符号のコード長とパターンにより、ブラッグ回折格子に複数の位相シフト部33を持つが、第1の実施形態のFBGの製造方法は、このようなFBGの製造に適している。
なお、微動ステージ14の入力電圧を調整することにより、位相シフト量が制御でき、光ファイバコアに形成されるブラッグ回折格子の1/4周期や3/4周期などのような任意のシフト量の位相シフト部を持つFBGを製造することができる。一般的には、位相シフト量は、位相マスク16の回折格子の周期の1/2よりも小さい値(すなわち、光ファイバコア10aに形成されるブラッグ回折格子の周期よりも小さい値)である。なお、必要に応じて、位相シフト量は、位相マスク回折格子の周期の1/2よりも大きい値(すなわち、光ファイバコア10aに形成されるブラッグ回折格子の周期よりも大きい値)であってもよい。
図5は、位相シフト部を持つFBGの反射スペクトル(第1の実施形態)と位相シフト部を持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図である。図5に太線(With phase shift)で示されるように、FBG長の中央にブラッグ回折格子の1/2周期の位相シフト部33を持つFBGの反射スペクトルは、反射帯域中央にディップを持つ。この場合のFBG長は2.4mmであり、その中央(端部から1.2mmの位置)に位相シフト部が設けられている。また、図5に細線(W/O phase shift)で示されるように、位相シフト部を持たないFBGの反射スペクトルには、反射帯域中央にディップが現れていない。このような反射スペクトルの実測値から、第1の実施形態の例の場合には、FBGにブラッグ回折格子の1/2周期の長さの位相シフト部が良好に形成されていることを確認することができる。
以上のように、第1の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置を用いれば、位相マスク16を交換することなく、光ファイバコア10aの所望の位置に所望の位相シフト量の位相シフト部33を備えたブラッグ回折格子を形成することができる。
また、第1の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置においては、位相シフト部33を形成するために、位相マスク16をその長手方向に微動させているので、光ファイバ10を微動させる従来技術のように、紫外レーザ光20と光ファイバコア10aとのY軸方向の位置関係がずれることはない。また、位相マスク16のY軸方向の幅は5mm〜10mm程度と光ファイバコアの径よりも大きいので、位相マスク16のY軸方向のずれによる光ファイバコア10aへの紫外レーザ光の照射量の変化はない。よって、第1の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置を用いて、光ファイバコア10aにブラッグ回折格子を形成すれば、光ファイバの幅方向のずれに起因する屈折率変調振幅のばらつきを小さくすることができる。
第2の実施形態
第2の実施形態においては、第1の実施形態における微動ステージ駆動用の直流電圧発生器(図2の符号17)に代えて、関数電圧信号発生器を用い、微動ステージのピエゾ素子に所望の関数波形の電圧振幅を印加して、位相マスクを振動させている。第2の実施形態においては、微動ステージによる位相マスクの振動により光ファイバコアの屈折率変調の振幅を変動させて、例えば、アポダイゼーションを持たせている。
図1に示されるように、第2の実施形態に係るFBGの製造方法(第2の実施形態に係る製造装置の動作)は、位相マスク法により紫外レーザ光20を光ファイバ10の長手方向(X軸方向)に走査して光ファイバコア10aに光ファイバ10の長手方向に周期的な屈折率変調を形成する工程を有する。また、第2の実施形態に係るFBGの製造方法は、前記した紫外レーザ光20の走査工程と並行して、位相マスク法で使用する位相マスク16を光ファイバ10の長手方向に振動させ、この振動の振幅を紫外レーザ光10の照射位置に応じて連続的に増加又は減少させることによって、光ファイバコア10aに形成される屈折率変調の振幅を変化させる工程を有する。
図6(a)乃至(c)は、本発明の第2の実施形態に係るFBGの製造方法を示す説明図であり、同図(a)は位相マスクの振動を示す図であり、同図(b)は位相マスクの振動の振幅が小さい場合に光ファイバコアの屈折率変調の振幅が大きくなることを示す説明図であり、同図(c)は位相マスクの振動の振幅が大きい場合に光ファイバコアの屈折率変調の振幅が小さくなることを示す説明図である。図6(a)に示されるように、位相マスク16を実線位置と破線位置の間で繰り返し移動(すなわち、振動)させると、光ファイバコア10aに対する干渉光41の照射位置も変化する。光ファイバコア10aのレーザビーム照射量が一定のとき、図6(b)に示されるように、位相マスク16の振動の振幅が小さいときは、光ファイバコア10aに対する干渉光41の照射範囲が狭いため、光ファイバコア10aのブラッグ回折格子の屈折率変調振幅は大きくなる。なお、位相マスク16の振動の振幅は、図6(b)の干渉光の照射強度を示す3本の曲線(実線、細い破線、太い破線)のうちの実線と太い破線の位相差に対応する。また、図6(c)に示されるように、位相マスク16の振動の振幅が大きいときは、光ファイバコア10aに対する干渉光41の照射範囲が広いため、光ファイバコア10aのブラッグ回折格子の屈折率変調振幅は小さくなる。なお、位相マスク16の振動の振幅は、図6(c)の干渉光の照射強度を示す3本の曲線(実線、細い破線、太い破線)のうちの実線と太い破線の位相差に対応する。ただし、図6(b)の場合の平均屈折率変化量Nbと図6(c)の場合の平均屈折率変化量Ncとは等しくなる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るFBG製造装置の微動ステージのピエゾ素子の振動がSIN関数である場合の規格化された相対的屈折率変調振幅を示す図である。この規格化はSIN関数の入力振幅電圧が0mVのとき、光ファイバコア10aのブラッグ回折格子の屈折率変調振幅を1としている。また、このグラフは、振動の関数がSIN波(又はCOSIN波)の時のシミュレーションと測定値の関係を示している。このときの振動周波数は10Hzとした。SIN波(又はCOSIN波)関数の振幅で制御した場合には、シミュレーションと実験値がほぼ一致することがわかる。
図8(a)及び(b)は、第2の実施形態に係るFBGの製造方法によりアポダイゼーションを形成する方法を説明するための図であり、同図(a)は微動ステージのピエゾ素子の入力電圧波形を示し、同図(b)は光ファイバコアの屈折率変調振幅を示す。アポダイゼーション技術とは、FBGの周期的な屈折率変調の包絡線を図8(b)に示されるような形状(ベル状)にし、FBGの両端のファブリペローに起因するサイドローブを抑制する技術である。FBGの周期的な屈折率変調83の包絡線81を図8(b)に示されるような形状したブラッグ回折格子を形成する場合には、FBG長さ方向の位置に対する入力SIN波(又はCOSIN波)関数の電圧振幅を図8(a)に示されるようにすればよい。なお、図7に示されるSIN関数の入力振幅電圧に対する規格化された光ファイバコアの回折格子の屈折率変調振幅の関係から、包絡線81を得るために必要な電圧振幅を得ることができる。このため、ピエゾ素子の入力電圧を制御することにより、光ファイバコアのブラッグ回折格子にアポダイゼーションを形成することができる。
図9は、アポダイゼーションを持つFBGの反射スペクトル(第2の実施形態)とアポダイゼーションを持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図である。これらのFBG長は4.8mmである。第2の実施形態では、アポダイズされた(すなわち、アポダイゼーションを持つ)屈折率変調の包絡線を式(1)のレイズドコサイン関数で形成した。
f(x)=1+cos(2πx/L) …(1)
ここで、Lは、FBG全長を示す。図9に実線で示されるアポダイゼーションを持つFBGの反射スペクトル(With apodize)と、図9に破線で示されるアポダイゼーションを持たないFBGの反射スペクトル(W/O apodize)とを比較すると、アポダイゼーションを持つFBGの場合には、サイドローブが抑圧されていることが分かる。なお、第2の実施形態においては、アポダイゼーションにレイズドコサイン関数を用いたが、他の関数を用いてもよい。
以上のように、第2の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置を用いれば、光ファイバコア10aの所望の位置に屈折率変調振幅の変動(例えば、アポタイゼーション)を形成することができる。
また、第2の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置においては、屈折率変調振幅の変動を形成するために、位相マスク16をその長手方向に振動させているので、光ファイバ10を振動させる従来技術のように、紫外レーザ光20と光ファイバコア10aとのY軸方向の位置関係がずれることはない。また、位相マスク16のY軸方向の幅は5mm〜10mm程度と大きいので、位相マスク16のY軸方向のずれによる光ファイバコア10aへの紫外レーザ光の照射量の変化はない。よって、第2の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置を用いて、光ファイバコア10aにブラッグ回折格子を形成すれば、光ファイバの幅方向のずれに起因する屈折率変調振幅のばらつきを小さくすることができる。
さらに、第2の実施形態によれば、微動ステージ14のピエゾ素子に印加する電圧を関数電圧信号発生器にして、ピエゾ素子を振動させる際に、振幅の変化の動きが滑らかなSIN波(又はCOSIN波)で振動させると、シミュレーションのFBG屈折率変調の振幅と実際に作製したFBGの屈折率変調の振幅とがほぼ一致する。そのため、実際に製造されるFBGの屈折率変調の振幅を、微動ステージ14のピエゾ素子の入力電圧に換算でき、所望のFBG屈折率変調を得るためのプロセス設計が容易になる。
第3の実施形態
第3の実施形態に係るFBGの製造方法は、位相シフト部及び屈折率変動振幅の変化の両方を備えたFBGを製造する方法である。第3の実施形態係るFBGの製造方法においては、第1の実施形態における直流電圧発生器の出力と第2の実施形態における関数電圧信号発生器の出力を合成した信号を、微動ステージのピエゾ素子に入力して、位相マスク16を振動及び微動させる。
第3の実施形態に係るFBGの製造方法(第2の実施形態に係る製造装置の動作)は、位相マスク法により紫外レーザ光20を光ファイバ10の長手方向(X軸方向)に走査して光ファイバコア10aに光ファイバ10の長手方向に周期的な屈折率変調を形成する工程を有する。また、第3の実施形態に係るFBGの製造方法は、前記した紫外レーザ光20の走査工程と並行して、紫外レーザ光20の照射位置が所定位置になったときに、位相マスク法で使用する位相マスク16を光ファイバ10の長手方向に所定距離だけ瞬時に移動(微動)させることによって、光ファイバコア10aに形成される周期的な屈折率変調に位相シフト部33を形成する工程を有する。さらに、第3の実施形態に係るFBGの製造方法は、位相マスク法で使用する位相マスク16を光ファイバ10の長手方向に振動させ、この振動の振幅を紫外レーザ光10の照射位置に応じて連続的に増加又は減少させることによって、光ファイバコア10aに形成される屈折率変調の振幅を変化させる工程を有する。
図10(a)乃至(d)は、第3の実施形態に係るFBGの製造方法を説明するための図であり、同図(a)は微動ステージのピエゾ素子の駆動回路(合成回路)51の動作を示す説明図であり、同図(b)は関数信号発生器からの入力信号波形の一例を示し、同図(c)は直流電圧発生器からの入力電圧波形を一例を示し、同図(d)は合成回路51の出力波形を示す。図10(a)に示されるように、関数電圧情号発生器の電圧振幅と直流電圧発生器の直流電圧は合成回路に入力され、合成電圧波形が出力される。
第3の実施形態においては、FBGが1つの位相シフト部を有し、さらに、FBGにアポダイゼーション技術を施すときの、FBGの製造方法を説明する。また、FBG長が2.4mmであり、FBG長の中央にブラッグ回折格子の1/2周期の長さの位相シフト部を持ち、FBGの端部から1.2mmごとにレイズドコサイン関数のアポダイズを施す場合を示す。
第3の実施形態に係るFBGの製造方法は、以下の通りである。図1(a)及び(b)に示される製造装置により、X軸移動ステージ12cが動作すると紫外レーザ光20が位相マスク16を通して光ファイバコア10aを走査する。図10(d)に示すように走査開始当初は、屈折率変調振幅を約0にするためピエゾ素子に入力する振幅電圧は大きく約268mVである。位相シフト形成前の1.2mm長のブラッグ回折格子の形成では、図7に示されたSIN関数の入力振幅電圧に対する規格化された光ファイバコアの回折格子の屈折率変調振幅とFBG全長を1.2mmとしたレイズドコサイン関数式から換算して、図10(d)に示すように、その入力電圧振幅を約0mV〜268mVまで変動させる。図10(d)に示すように、走査距離が1.2mmでブラッグ回折格子の1/2周期の長さの位相シフト部(268μm)を形成するために、約180mVの直流電圧を与えた。走査距離が1.2mmを過ぎた後の、残りの1.2mm長のブラッグ回折格子の形成のための入力電圧振幅は、図10(d)に示すように、位相シフト前の1.2mm走査と同じ入力電圧振幅変化を与えた。
図11(a)は位相シフト部を備え、アポダイゼーションを持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図であり、同図(b)は位相シフト部とアポダイゼーションの両方を備えたFBGの反射スペクトル(第3の実施形態)を示す図である。図11(a)及び(b)においては、FBGの中央に一つブラッグ回折格子の1/2周期の長さの位相シフト部を持つ2.4mm長のFBGにおいて、アポダイズを施したFBGと、アポダイズを施していなFBGの反射スペクトルを示す。アポダイズを施したFBGの反射スペクトルにおいてはサイドローブが抑圧されていることが分かる。
上記説明においては、一つの位相シフト部を持ち、アポダイズにレイズドコサイン関数を用いたFBGの作製例を示したが、同様の手法により、複数の位相シフト部と任意の位相シフト量を持ち、かつ、アポダイズに任意の関数を適用したFBGを作製することができる。このように、第3の実施形態によれば、直流電圧発生器の電圧と関数電圧信号発生器の信号を合成し、微動ステージのピエゾ素子に印加することにより、微動ステージを振動かつシフトさせることができ、所望の量と数の位相シフトを持ち、かつ、所望の関数のアポダイズが施されたFBGが形成できる。
また、第3の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置においては、屈折率変調振幅の変動を形成するために、位相マスク16をその長手方向に微動及び振動させているので、光ファイバ10を振動させる従来技術のように、紫外レーザ光20と光ファイバコア10aとのY軸方向の位置関係がずれることはない。また、位相マスク16のY軸方向の幅は5mm〜10mm程度と大きいので、位相マスク16のY軸方向のずれによる光ファイバコア10aへの紫外レーザ光の照射量の変化はない。よって、第3の実施形態に係るFBGの製造方法又は製造装置を用いて、光ファイバコア10aにブラッグ回折格子を形成すれば、光ファイバの幅方向のずれに起因する屈折率変調振幅のばらつきを小さくすることができる。
なお、上記各実施形態においては、光ファイバコアにブラッグ回折格子を形成した場合を説明したが、紫外レーザ光で屈折率が変化する光導波路であれば本発明の製造方法及び製造装置で回折格子を形成できる。
本発明の第1乃至第3の実施形態に係るFBG製造装置の構成を概略的に示す図であり、(a)はX軸方向を横方向とした図であり、(b)はY軸方向を横方向とした図である。 本発明の第1の実施形態に係るFBG製造装置の微動ステージの動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るFBGの製造方法を示す説明図であり、(a)は位相マスクのシフト前の屈折率変調形成工程を示し、(b)は位相マスクのシフト後の屈折率変調形成工程を示す。 本発明の第1の実施形態に係るFBG製造装置の微動ステージのピエゾ素子の入力電圧とシフト量の関係を示す図である。 位相シフト部を持つFBGの反射スペクトル(第1の実施形態)と位相シフト部を持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るFBGの製造方法を示す説明図であり、(a)は位相マスクの振動を示す図であり、(b)は位相マスクの振動の振幅が小さい場合に光ファイバコアの屈折率変調の振幅が大きくなることを示す説明図であり、(c)は位相マスクの振動の振幅が大きい場合に光ファイバコアの屈折率変調の振幅が小さくなることを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るFBG製造装置の微動ステージのピエゾ素子の振動がSIN関数である場合の規格化された相対的屈折率変調振幅を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るFBGの製造方法によりアポダイゼーションを形成する方法を説明するための図であり、(a)は微動ステージのピエゾ素子の入力電圧波形を示し、(b)は光ファイバコアの屈折率変調振幅を示す。 アポダイゼーションを持つFBGの反射スペクトル(第2の実施形態)とアポダイゼーションを持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るFBGの製造方法を説明するための図であり、(a)は微動ステージのピエゾ素子の駆動回路(合成回路)の動作を示す説明図であり、(b)は関数信号発生器からの入力信号波形を示し、(c)は直流電圧発生器からの入力電圧波形を示し、(d)は合成回路の出力波形を示す。 (a)は位相シフト部を備えアポダイゼーションを持たないFBGの反射スペクトル(比較例)を示す図であり、(b)は位相シフト部とアポダイゼーションの両方を備えたFBGの反射スペクトル(第3の実施形態)を示す図である。 従来のFBG製造の際のレーザ光と位相マスク/光ファイバの位置関係を概略的に示す図であり、(a)はX軸方向を横方向とした図であり、(b)はY軸方向を横方向とした図である。
符号の説明
10 光ファイバ、
10a 光ファイバコア、
11 ベース板、
12 ステージ系、
12a θ軸回転ステージ、
12b Y軸移動ステージ、
12c X軸移動ステージ、
13 ファイバホルダ、
14 微動ステージ、
15 位相マスクホルダ、
16 位相マスク、
17 直流電圧発生器、
20 紫外レーザ光、
20a 干渉光、
21 光学系、
21a レーザ光源、
21b レンズ、
21c ミラー、
31,32 ブラッグ回折格子、
33 位相シフト部、
51 合成回路。

Claims (10)

  1. OCDM方式の光符号化又は光復号化を行うスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングであって、符号の種類に応じた位置に形成される複数の位相シフト部を有するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法において、
    位相マスク法により紫外レーザ光を感光性光ファイバの長手方向に走査して光ファイバコアに前記光ファイバの長手方向に周期的な屈折率変調を形成する工程と、
    前記紫外レーザ光の走査工程と並行して、前記紫外レーザ光の照射位置が前記符号の種類に応じた位置に到達する毎に、前記位相マスク法で使用する位相マスクを前記長手方向に所定距離だけ瞬時に移動させることによって、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調に前記複数の位相シフト部を形成する工程と
    を有し、
    前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させるときの前記所定距離が、前記位相マスクの回折格子の周期の1/2よりも小さい値である
    ことを特徴とするスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法。
  2. 前記紫外レーザ光の走査工程と並行して、前記位相マスクを前記長手方向に振動させ、前記複数の位相シフト部の内の隣り合う2つの位相シフト部の間、及び、前記光ファイバの長手方向の周期的な屈折率変調の端部と該端部に最も近い位相シフト部との間において、前記振動の振幅を前記紫外レーザ光の照射位置に応じて連続的に増加又は減少させることによって、前記光ファイバコアに形成される屈折率変調の振幅を変化させる工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法。
  3. 前記位相マスクの振動の振幅の連続的な増加・減少が、SIN関数又はCOSIN関数であることを特徴とする請求項2に記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法。
  4. 前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調の振幅を変化させる工程により、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調にアポダイゼーションを持たせることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造方法。
  5. OCDM方式の光符号化又は光復号化を行うスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングであって、符号の種類に応じた位置に形成される複数の位相シフト部を有するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置であって、
    感光性光ファイバを直線状にして保持する保持手段と、
    位相マスクと、
    前記位相マスクを通して、前記保持手段に保持された前記光ファイバの光ファイバコアに紫外レーザ光を照射する紫外レーザ光照射手段と、
    前記紫外レーザ光の照射位置を前記光ファイバの長手方向に移動させる走査手段とを有し、
    前記光ファイバコアに前記長手方向に周期的な屈折率変調を形成するスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置において、
    前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させる微動手段と、
    前記走査手段により前記紫外レーザ光の照射位置を移動させながら、前記紫外レーザ光の照射位置が前記符号の種類に応じた位置に到達する毎に、前記位相マスクを前記光ファイバの長手方向に所定距離だけ瞬時に移動させることによって、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調に前記複数の位相シフト部を形成させる制御手段と
    を有し、
    前記微動手段により前記位相マスクを前記長手方向に瞬時に移動させるときの前記所定距離が、前記位相マスクの回折格子の周期の1/2よりも小さい値である
    ことを特徴とするスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
  6. 前記制御手段が、前記位相マスクを前記長手方向に振動させ、前記複数の位相シフト部の内の隣り合う2つの位相シフト部の間、及び、前記光ファイバの長手方向の周期的な屈折率変調の端部と該端部に最も近い位相シフト部との間において、前記振動の振幅を前記紫外レーザ光の照射位置に応じて連続的に増加又は減少させることによって、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調の振幅を変化させるように、前記微動手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
  7. 前記制御手段が、前記位相マスクの振動の振幅の連続的な増加・減少をSIN関数又はCOSIN関数にするように、前記微動手段を制御することを特徴とする請求項6に記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
  8. 前記制御手段が、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調の振幅を変化させることにより、前記光ファイバコアに形成される周期的な屈折率変調にアポダイゼーションを持たせるように、前記微動手段を制御することを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
  9. 前記微動手段が、ピエゾ素子と、前記ピエゾ素子に駆動電圧を印加する駆動回路とを含み、
    前記制御手段が、前記駆動回路により前記ピエゾ素子に印加される駆動電圧を制御する装置である
    ことを特徴とする請求項5から8までのいずれかに記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
  10. 前記走査手段が、前記保持手段及び前記紫外レーザ光照射手段のうちの少なくとも一方を前記長手方向に移動させる機構であることを特徴とする請求項5から9までのいずれかに記載のスーパーストラクチャ・ファイバブラッググレーティングの製造装置。
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