JP4221626B2 - 水性インク組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水性インク,特にインクジェット記録用水性インクに関し,被膜形成樹脂によって内包された着色剤を含有する着色樹脂粒子が水性媒体中に分散された,記録媒体の表面に高濃度でかつ滲みが少ないインクジェット記録を可能にする水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録用インクは大別すると油性インクと水性インクがあるが,油性インクは臭気・毒性の点で問題があり,水性インクが主流となりつつある。
【0003】
しかしながら,従来の水性インクの多くは着色剤として水溶性染料を用いているため耐水性や耐光性が悪いという欠点を有していた。また,染料が分子レベルで溶解しているため,オフィスで一般に使用されているコピー用紙などのいわゆる普通紙に印刷すると髭状のフェザリングと呼ばれるブリードを生じて著しい印刷品質の低下を招いていた。
【0004】
上記欠点を改良するためにいわゆる水性の顔料インクが過去に様々に提案されており,例えばバインダー兼分散剤として水溶性樹脂を用いてカ−ボンブラックや有機顔料を分散させた樹脂溶解型のインクやポリマーラテックスあるいはマイクロカプセルとして着色剤を内包する樹脂分散型のインクが各種提案されている。
【0005】
樹脂溶解型の顔料分散インクは,インクの水分蒸発に伴いノズル付近のインク粘度上昇による異常噴射や,最悪ノズル目詰まりを生じ易かった。また,水溶性樹脂を用いているために記録紙上での滲みが大きく,耐水性が十分とはいえなかった。
【0006】
染料インクや樹脂溶解型の顔料分散インクの滲みを防止するためにアルギン酸やその誘導体,カルボキシメチルセルロースやアラビアゴム等の高分子系の増粘剤が提案されているが,染料インクでは滲み防止効果は小さく,樹脂溶解型の顔料分散インクでは溶解している水溶性樹脂の乾燥が遅いため滲み防止効果が少なく,またノズル目詰まりが必ずしも避けられなかった。
【0007】
樹脂分散型の水性インクは,インクの水分蒸発に伴う粘度上昇は比較的少なく,また耐水性に優れるという利点がある。具体的には,特開昭58−45272号公報では染料を含有したウレタンポリマーラテックスを含むインク組成物,特開昭62−95366号公報では水不溶性有機溶媒中にポリマーと油性染料を溶解し,さらに表面(界面)活性剤を含む水溶液と混合して乳化させた後に溶媒を蒸発してポリマー粒子中に内包された染料を含むインクが提案され,特開昭62−254833号公報ではカプセル化時の有機溶媒と水との間の界面張力を10ダイン以下にすることによる着色料水性懸濁液の製造法が提案され,特開平1−170672号公報では同様にマクロカプセル化した色素を含有する記録液等が提案されている。
【0008】
しかしながら,着色樹脂粒子と記録媒体(例えば記録紙の繊維)との密着が十分でなく,またインクの表面張力が小さい場合には記録紙の繊維に沿ってインクの分散媒と共に着色樹脂粒子が流れることによってフェザリングが生じたり,記録した画像濃度が低下する傾向があった。
【0009】
特開平03−79678号公報では超微粒子のエマルジョンを含有してなるインクが,特開平04−332774号公報では顔料と樹脂エマルジョンを含み,かつ着色剤成分の平均粒径が一定範囲であるインクが,特開平06−145570号公報では顔料と高分子分散剤と水と水に不要な樹脂エマルジョンを含むインクが提案されているが,滲みのない高品位な印字が得られるが,ノズルの目詰まりが生じやすいという問題点が解決されなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は,従来の樹脂溶解型の顔料インクや樹脂分散型の顔料インクや,顔料にエマルジョンを併用したインクを用いても得られない,分散安定性に優れ,かつノズル目詰まりもなく,かつ高濃度で滲みの少ないインクジェット記録用水性インクを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は,上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果,本発明を解決するに至った。
【0012】
即ち本発明は,少なくとも,水,乾燥防止剤からなる水性媒体に,ガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子が分散している水性インク中に,インク中の含有量が5質量%未満の、ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)を含むことを特徴とする水性インク組成物。
【0013】
本発明において、着色樹脂粒子は、ガラス転移温度が60℃以上で、かつ酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包されたものである。
【0014】
着色樹脂粒子を構成する皮膜形成性樹脂(A)において,特に当該樹脂の種類の制限はないが,例えば,自己水分散性の皮膜形成性樹脂が挙げられる。アニオン性の皮膜形成性樹脂(A)としては,酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)が好ましく,その少なくとも一部が塩基(b)で中和されてなる自己水分散性樹脂の場合は,特に優れた分散安定性を維持することが出来,しかもより耐水性に優れた画像の印刷が出来る。
【0015】
このような樹脂としては,特に制限はないが,例えばアクリル酸樹脂,マレイン酸樹脂,ポリエステル樹脂等が挙げられる。皮膜形成性樹脂(A)として上記した,好ましい自己水分散性樹脂を得るための,酸価を有する合成樹脂(a)は,最も一般的にはスチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂である。尚、本発明で(メタ)アクリルとは、アクリルとメタアクリルとの両方を包含する。
【0016】
スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂とは、スチレン系モノマーを必須成分として、(メタ)アクリル酸系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル、を共重合させた樹脂である。
【0017】
当該樹脂(a)としては,例えばスチレンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレン,アクリル酸メチルエステル,アクリル酸エチルエステル,アクリル酸ブチルエステル,アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル,メタクリル酸メチルエステル,メタクリル酸エチルエステル,メタクリル酸ブチルエステル,メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と,アクリル酸,メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位を含む共重合体である。
【0018】
これらの共重合体は,ガラス転移温度が60℃以上、好ましくは70〜130℃となるようにモノマー成分を選択する必要があり,少なくともその一部が共有結合性の架橋や多価金属によるイオン架橋されていても良い。
【0019】
ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)もこの条件を満たすものであれば、いずれも使用可能であるが、上記モノマー成分から選ばれるものを単独重合または共重合することで得ることが出来る。尚、この樹脂粒子(C)は、後述する様な着色剤(B)を内包していてもよいが、本発明の効果の上では、着色剤を含まない樹脂粒子のほうが好ましい。また条件を満たす市販のエマルジョンを用いても良い。
【0020】
樹脂粒子(C)のインク中での含有量は、特に限定されるものではないが、前記着色樹脂微粒子よりも少ない量、好ましくは0質量%を越えて5質量%未満,より安定性を高めるには0質量%を越えて3質量%未満が好ましい。
【0021】
本発明においては、着色樹脂粒子を構成する、ガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)及び樹脂粒子(C)を構成する、ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂が、いずれも、スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂であることが好ましい。
【0022】
前記合成樹脂(a)を用いて自己水分散性樹脂として用いる場合には,その酸基の少なくとも一部が塩基(b)で中和すればよい。塩基,即ちアルカリ性中和剤による中和は,得られる自己水分散性樹脂が水に溶解しない程度に中和すればよい。
【0023】
塩基(b)たるアルカリ性中和剤としては,例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物,アンモニア,トリエチルアミン,モルホリン等の塩基性物質の他,特にトリエタノールアミン,ジエタノールアミン,N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミンが,インクジェット記録用水性インクとして好ましい。
【0024】
本発明での着色剤(B)は,特に限定されるものではなく,例えばモノアゾ系,ジスアゾ系,金属錯塩系,アントラキノン系,トリアリルメタン系等の水性あるいは油性染料や分散染料等の染料や,カーボンブラック,チタンブラック,チタンホワイト,硫化亜鉛,ベンガラ等の無機顔料やフタロシアニン顔料,モノアゾ系,ジスアゾ系等のアゾ顔料,フタロシアニン顔料,キナクリドン顔料等の有機顔料がある。染料は耐光性が必ずしも十分ではなく,耐光性の点で顔料が好ましい。
【0025】
かかる着色剤(B)の使用量(含有量)は,特に規定されないが,最終的に得られる水性インキ中で0.5〜10重量%となるような量が好ましい。
【0026】
本発明の皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子を作製する方法は特に限定されるものではないが,より好ましい具体的な例は,下記工程にて得ることが出来る。
【0027】
(1)酸価を有する合成樹脂(a)に,少なくとも着色剤(B)を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程。
【0028】
(2)少なくとも,水,合成樹脂(a)を溶解する有機溶媒,塩基(b),前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し,分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程。
【0029】
(3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の着色剤表面に溶解樹脂成分を沈着させる再沈殿工程。
【0030】
(1)の樹脂着色工程は,酸価を有する合成樹脂(a)に,少なくとも着色剤(B)を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る工程である。この工程は,例えば従来知られているロールやニーダーやビーズミル等の混練装置を用いて,溶液や加熱溶融された状態で,着色剤(B)を,酸価を有する合成樹脂(a)に均一に溶解または分散させ,最終的に固体混練物(固形着色コンパウンド)として取り出すことにより行うことが出来る。
【0031】
(2)の懸濁工程は,少なくとも,水,合成樹脂(a)を溶解する有機溶媒,塩基(b),前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し,分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る工程である。(1)の樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを,分散媒として水,酸価を有する合成樹脂(a)を溶解する有機溶媒,塩基(b)を必須とする混合溶媒に加えて,均一に分散する様に撹拌することによって,固形着色コンパウンド表面から,着色剤(B)を包含する酸価を有する合成樹脂(a)が,有機溶媒と塩基の助けを借りて,溶解または自己乳化し,いずれの場合も少なくとも当該樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液が得られる。
【0032】
懸濁液を得るための攪拌方法としては,公知慣用の手法がいずれも採用でき,例えば従来の1軸のプロペラ型の攪拌翼の他に,目的に応じた形状の攪拌翼や攪拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
【0033】
懸濁液を得るに当たって,せん断力がない或いは相対的に小さい,単なる混合攪拌のみで,或いは,着色剤(B)が比較的凝集しやすい場合には,それに加えて更に,次いで高せん断力下において,より分散を安定させてもよい。この場合の分散機としては,高圧ホモジナイザーや商品名マイクロフルイダイザーやナノマイザーで知られるビーズレス分散装置等を用いるのが,着色剤(B)の再凝集が少なく好ましい。
【0034】
(3)の再沈殿工程は,前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の着色剤表面に,当該溶解樹脂成分を沈着させる工程である。本発明において「再沈殿」とは,着色剤,或いは当該溶解樹脂が着色剤表面に吸着した着色剤を懸濁液の液媒体から,分離沈降させることを意味するものではない。従って,この工程で得られるものは,固形成分と液体成分とが明らか分離した単なる混合物ではなく,当該溶解樹脂が着色剤表面に吸着した着色剤が懸濁液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂粒子水性分散液である。
【0035】
この(2)の懸濁工程の着色剤懸濁液中の着色剤表面へ溶解樹脂の沈着は,例えば,▲1▼少なくとも一部当該樹脂が溶解している着色剤懸濁液に,当該樹脂に対して貧溶媒として機能する水または水性媒体を加えて行うか,及び/又は,▲2▼着色剤懸濁液から有機溶媒を除去して行うことによって容易に行うことが出来る。
【0036】
この様にして得られた着色樹脂粒子水分散液から共存している有機溶媒を更に除いて,皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子の安定な水分散液を得る。
【0037】
本製造方法において,酸価を有する合成樹脂(a)を溶解する有機溶媒が用いられるが,これは当該樹脂に対して良溶媒として機能するものである。当該有機溶媒としては,当該樹脂に対して適宜選択することが出来,例えばアセトン,ジメチルケトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒,メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒,クロロホルム,塩化メチレン等の塩素系溶媒,ベンゼン,トルエン等の芳香族系溶媒,酢酸エチルエステル等のエステル系溶媒,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒,アミド類等樹脂を溶解させるものであれば使用可能である。
【0038】
当該合成樹脂(a)が,例えばスチレン,置換スチレン,(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つのモノマーと,(メタ)アクリル酸とを含む組成物の共重合体の場合には,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒を主として,助溶媒としてイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが良い。
【0039】
上記製造工程は本発明の樹脂粒子(C)の製造にも応用することが出来る。即ち工程(2)において、工程(1)で得られた着色コンパウンドの代わりに合成樹脂(a)を用いることにより同様にして樹脂粒子を得ることが出来る。この時,顔料を含んでいない樹脂粒子(C)の場合には,顔料凝集の心配がないため懸濁液の再分散は通常必要ない。
【0040】
また,上記水性媒体には,本発明のガラス転移温度が10以上60℃未満の樹脂粒子(C)以外に,必要に応じて添加剤類を添加することができる。
【0041】
乾燥防止剤は,インクジェット記録用水性インク組成物に限らず、添加される場合が多い。インクジェット記録用水性インク組成物においては、インクジェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を与えるものであり,通常水の沸点以上の沸点を有するものが使用される。
【0042】
このような乾燥防止剤としては,特に限定されるものではなく,従来知られているエチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,グリセリン等の多価アルコール類,N−メチル−2−ピロリドン,2−ピロリドン等のピロリドン類,アミド類,ジメチルスルホオキサイド,イミダゾリジノン等が使用可能であるが,特にグリセリンがメインの乾燥防止剤の場合に最も優れた乾燥防止効果を示し,他の乾燥防止剤類はグリセリンと併用する場合は少量に止めたほうがよい。
【0043】
乾燥防止剤の使用量は,種類によって異なるが,通常水100重量部に対して1〜150重量部の範囲から適宜選択されるが,グリセリン及びそれに他の乾燥防止剤を併用したものを使用する場合には10〜50重量部が好適である。
【0044】
インクジェット記録用水性インク組成物に限らず、水性インク組成物の被印刷媒体への浸透をより良好とするために、公知慣用の浸透剤(D)の必要量を用いることが好ましい。
【0045】
ジェット噴射して付着したインクを紙によりよく浸透させるために,浸透剤(D)として,記録紙への浸透性付与効果を示す,エタノール,イソプロピルアルコール等の低級アルコール,ジエチレングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコールエーテル,プロピレングリコール誘導体等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を加えてもよい。
【0046】
これら浸透剤を使用すると,記録紙への浸透が促進される一方で滲みも大きくなるが,本発明のガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子を併用することにより滲みの少ない速乾性のインクを得ることが出来る。
【0047】
但し,これらの浸透剤のうち浸透効果の高い溶剤系浸透剤は,本発明の,ガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子や,特にガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)を膨潤あるいは溶解させ易いため,インク中の浸透剤(D)として以下の一般式で表されるプロピレンオキシド誘導体がより好ましい。
【0048】
【化2】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基,n=1〜3)
【0049】
上記一般式の中でもR=C3H7,n=1が好ましく,本浸透剤のインク中での含有量は10質量%以下,出来れば0質量%を越えて8質量%以下,更には0質量%を越えて5質量%以下が安定性の点で好ましい。
【0050】
ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)と上記一般式の浸透剤とを併用した場合の大きな改善効果は、従来のと異なる、マイクロカプセルという特異の構造の着色樹脂微粒子を選択して本発明で用いていることによる。
【0051】
本発明の、水、乾燥防止剤、当該着色樹脂粒子、樹脂粒子(C)を含む水性インク組成物は、pH7〜9の範囲とすることが好ましい。
【0052】
また,インクのpHが7より小さいと,本発明のガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子を分散している水性インク中に,ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)の安定性を損ねる場合がある。
【0053】
一方pHが9を越えると樹脂粒子(C)の膨潤溶解が促進され,ノズル目詰まりを生じやすくなり,さらにpH10以上になると皮膜形成樹脂が溶解し,従来の樹脂溶解型の顔料インクと同様に分散安定性やノズル目詰まりの原因となる場合が多い。
【0054】
インクのpH調整剤として,pHを上げるには前述の塩基(b)が使用可能であり,逆にpHを下げるには一般に知られている種々の酸,即ち酢酸等のカルボン酸,グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸,炭酸,燐酸,硫酸等が使用可能である。
【0055】
その他,必要に応じて水溶性樹脂,防腐剤,キレート剤等の添加剤を加えることができる。
【0056】
本発明の水性インク組成物は、そのままでも使用できるが、好適には、1μm以上の粗大粒子を含まない様に、さらに好適には0.5μmを越える粗大粒子を含まない様に、濾過を行うことによりサブミクロンオーダーの着色樹脂微粒子を主体としたものがインクジェット記録用水性インクとしては好ましい。
【0057】
本発明の水性インク組成物は、公知慣用の被印刷媒体に適用できるが、滲みの点において、特に普通紙に適用した場合の効果において優れている。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明は次の好適な実施形態を含む。
1.下記工程にて,着色樹脂粒子水分散液を得る着色樹脂粒子水分散液を製造する。
【0059】
(1)ガラス転移温度が70〜120℃の合成樹脂(a)(スチレン−アクリル
酸−メタクリル酸樹脂)と着色剤(B)(顔料)を二本ロールで分散して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程。
【0060】
(2)少なくとも,水,合成樹脂(a)を溶解する有機溶媒(メチルエチルケトン・イソプロピルアルコール),塩基(b)(アルコールアミン),前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し,分散攪拌機を用いて分散して着色剤懸濁液を得る懸濁工程。
【0061】
(3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液に水を添加して,着色剤表面に溶解樹脂成分を沈着させる再沈殿工程。
【0062】
2.(3)の再沈殿工程後に脱溶剤を行って水分散物を得る。
【0063】
3.得られた水分散液を,本発明のガラス転移温度が10〜55℃の樹脂粒子(C)を含むインク調整用薬剤の水溶液に徐々に加え,樹脂粒子(C)の含有量を2質量%にして濃度・物性を調整した後,ろ過を行いインクジェット記録用水性インクとする。
【0064】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚,以下の実施例中における「部」は『質量部』を表わす。
【0065】
(実施例1)
カ−ボンブラック20部とスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量5万・酸価160,ガラス転移温度107℃)20部の二本ロール混練物を,水210部,グリセリン35部,トリエタノールアミン8部,メチルエチルケトン90部,イソプロピルアルコール40部の混合溶液に入れ,室温で3時間攪拌し着色剤懸濁液を得た。
【0066】
得られた懸濁液に攪拌しながら,グリセリン30部と水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し,黒色着色樹脂粒子水分散液を得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を留去し,顔料分8質量%の最終の黒色着色樹脂粒子水分散液を得た。
【0067】
ジョンソンポリマー製ジョンクリルJ−840(不揮発分43質量%,ガラス転移温度16℃)を4質量%,グリセリン5質量%,プロピレングリコールプロピルエーテル2質量%の混合水溶液50部に前期黒色着色樹脂粒子水分散液50部を撹拌しながら徐々に加え,0.5μmフィルターを用いてろ過を行い,インクジェット記録用水性インクとした。得られたインクのpHは8.4であった。
【0068】
得られた水性インクは凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示し,ピエゾ式インクジェットプリンターを用いた普通紙への印刷はノズル目詰まりもなく安定しており,得られた印刷物は滲みがなく,かつ極めて高い黒色度を示した。
【0069】
(比較例1)
実施例1のジョンクリルJ−840を除いたインクを作製し,同様に評価を行った結果,安定性は優れていたが,滲み(フェザリング)が若干認められ,僅かに黒色度も低かった。
【0070】
(比較例2)
実施例1のジョンクリルJ−840に代わり,実施例1で使用したガラス転移温度107℃の樹脂を用いて樹脂粒子(C)を作製,固形分相当で同量加えたインクを作製し,同様に評価を行った結果,安定性は優れていたが,滲み(フェザリング)が若干認められ,僅かに黒色度も低かった。
【0071】
(比較例3)
実施例1のジョンクリルJ−840を15質量%含む、マイクロカプセル型の顔料分散型インクを作製し,同様に評価を行った結果,滲み(フェザリング)は認められず,黒色度も高かったが,ノズル目詰まりを非常に生じやすかった。
【0072】
(比較例4)
実施例1のジョンクリルJ−840に代わり,ジョンクリルJ711(不揮発分42質量%,ガラス転移温度0℃)を固形分相当で同量加えたインクを作製し,同様に評価を行った結果,滲み(フェザリング)は認められず,黒色度も高かったが,ノズル目詰まりを生じやすかった。
【0073】
(実施例2)
顔料(ブラック:カーボンブラック,シアン:フタロシアニン,マゼンタ:キナクリドン,イエロー:ベンズイミダゾロン)40部とスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量5万・酸価160)40部の二本ロール混練物を,水250部,グリセリン22部,トリエタノールアミン8部,メチルエチルケトン90部,イソプロピルアルコール40部の混合溶液に入れ,室温で3時間攪拌し混練物が溶解したところで,衝突式分散機ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用いて98MPaの圧力で分散を行いブラック,シアン,マゼンタ,イエローの各着色剤懸濁液を得た。
【0074】
得られた各着色剤懸濁液に攪拌しながら,グリセリン22部と水250部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し,着色樹脂粒子分散液を得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を留去し,最終の各色着色樹脂粒子水分散液(顔料濃度ブラック8質量%,シアン4質量%,マゼンタ8質量%,イエロー8質量%)を得た。
【0075】
ジョンクリルJ−537(不揮発分46質量%,ガラス転移温度49℃)4質量%,グリセリン10質量%,プロピレングリコールプロピルエーテル5質量%,エチレングリコールヘキシルエーテル0.2質量%の混合水溶液50部に前記各色着色樹脂粒子水分散液50部を撹拌しながら徐々に加え,0.5μmフィルターを用いてろ過を行い,フルカラーインクジェット記録用水性インクとした。得られたインクのpHはブラック8.3,シアン8.2,マゼンタ8.4,イエロー8.3であった。
【0076】
得られた水性インクは凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示し,ピエゾ式インクジェットプリンターを用いた普通紙へのフルカラー印刷はノズル目詰まりもなく安定しており,得られた印刷物は滲みがほとんどなく,かつ極めて鮮やかなフルカラー発色を示した。
【0077】
(比較例5)
実施例2のジョンクリルJ−537を除いた各色インクを作製し,同様に評価を行った結果,安定性は優れていたが,普通紙での滲み(各色のフェザリングに加えて異なる色間のブリード)が若干認められ,フルカラーの発色もやや劣っていた。
【0078】
尚,実施例の水性インクは,いずれも皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子と,樹脂粒子(C)を含む、マイクロカプセル顔料分散型水性インクであった。
【0079】
【発明の効果】
本発明によると,ガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子を分散している水性インク中に,ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)を組み合わせて得られる水性インク組成物は,これまでにない,分散安定性に優れ,かつノズル目詰まりもなく,かつ普通紙に対して高濃度で滲みの少ない印刷を可能にする。
Claims (6)
- 少なくとも,水,乾燥防止剤からなる水性媒体に,ガラス転移温度が60℃以上の酸価を有する合成樹脂(a)からなる皮膜形成性樹脂(A)によって顔料が内包された着色樹脂粒子が分散している水性インク中に,インク中の含有量が5質量%未満の、ガラス転移温度が10℃以上、60℃未満の樹脂粒子(C)を含み、かつ前記合成樹脂(a)は、スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂であり、前記皮膜形成性樹脂(A)は、合成樹脂(a)の酸基の少なくとも一部が塩基(b)によって中和されてなる自己水分散性樹脂であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク組成物。
- ガラス転移温度が10℃以上60℃未満の樹脂粒子(C)がスチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
- 乾燥防止剤がグリセリンであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
- インクのpHが7〜9の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
- インク中に浸透剤(D)を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
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