JP4218393B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から出射された異なる波長の光の偏光状態を制御する位相子を搭載した光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスクおよび光磁気ディスクなどの光記録媒体の情報の記録および/または再生を行う光ヘッド装置において、光源である半導体レーザからの出射光は対物レンズにより光記録媒体上に集光され、光記録媒体で反射され戻り光となる。この戻り光はビームスプリッタを用いて光検出器である受光素子へ導かれ、光記録媒体の情報が電気信号に変換される。
【0003】
同一の光ヘッド装置を用いて、規格の異なる光記録媒体であるCDおよびDVDの情報の記録および/または再生を行うため、CDとDVDとの互換光ヘッド装置が製品化されている。CDに対しては785nm波長帯の半導体レーザが用いられ、DVDには660nm波長帯の半導体レーザが用いられる。
【0004】
また、410nm波長帯の青紫色半導体レーザを用いて、従来用いられている660nm波長帯の赤色半導体レーザと比べ、記録密度を3倍以上に向上させる次世代DVD光ヘッド装置が提案されているが、前記CDとDVDとの互換光ヘッド装置が普及していることから、特にDVDおよびCDの記録および/または再生も行える、3波長帯に対する互換性を有する次世代光ヘッド装置が提案されている。
【0005】
上記3波長帯に対する互換性を有する次世代光ヘッド装置において、660nm(λ1)波長帯の直線偏光に対しては偏光状態を変えることなく透過し、785nm(λ2)波長帯の直線偏光に対しては偏光面を90°回転させ透過する位相子が望まれている。
【0006】
従来の技術においては、前記のような効果を持つ位相子として、例えば、660nm(λ1)波長帯の直線偏光に対してはm1λ1(m1は自然数)の位相差を発生させ、同時に785nm(λ2)波長帯の直線偏光に対しては(m2−1/2)λ2(m2は自然数)の位相差を発生させるよう、リタデーション値の調整された1枚の複屈折板が考えられる。上記のようにして実現される位相子には、材料のリタデーション値に波長分散性があるために、波長分散が所望のものでない場合、両波長帯の光について期待する効果を得ることが困難である問題があった。
【0007】
例えば、一般的な有機複屈折材料として、660nm波長帯でのリタデーション値R(660nm)に対する785nm波長帯でのリタデーション値R(785nm)の比R(785nm)/R(660nm)がおよそ0.95であるものを考える。660nm波長帯の光に対して1980nm(=660×3、m1=3)のリタデーション値を持つとき、785nm波長帯の光に対しては波長の5/2倍(m2=3)に近いリタデーション値を有するものの、直線偏光で入射した785nm波長帯の光は、位相子を透過後楕円率が約0.34の楕円偏光となって、直線偏光が得られない。
【0008】
また、より高次の、すなわち5λ/2ではなく7λ/2、9λ/2などの位相子とすることで所望の特性を得ることができる場合もあるが、高次になるに従い種々の問題が発生する。すなわち、偏光に与える位相差などの位相子が有する効果の波長依存性は大きくなり、また製造工程において位相子のリタデーション値の精度を保持することが困難となって、生産歩留まりが低下して位相子のコストが上昇する、などの問題である。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−14228号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術が有する前述の問題を解消することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光は、前記位相子を直線偏光として透過し、その透過光の偏光方向は入射光の偏光方向に対してφの角度を成しており、前記位相子を構成する2つの前記複屈折板の前記波長λ 2 の光に対する、それぞれの前記複屈折板の位相差R 1 およびR 2 は等しく、かつ2つの前記複屈折板のそれぞれの光学軸方向は、波長λ 2 の入射光の偏光方向とθ 1 およびθ 2 の角度を成し、前記θ 1 および前記θ 2 の和は前記φとなっている光ヘッド装置を提供する。
【0012】
また、少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光は、前記位相子を直線偏光として透過し、その透過光の偏光方向は入射光の偏光方向に対して90°の角度を成しており、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板のそれぞれの位相差がλ 1 および2λ 1 であり、かつ位相差が2λ 1 である前記複屈折板の光学軸方向が前記波長λ 2 の入射光の偏光方向に対して35°から55°までの角度を成している光ヘッド装置を提供する。
【0013】
また、少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光が円偏光として出射し、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板のそれぞれの位相差が等しくλ 1 であり、かつ光の出射側の前記複屈折板の光学軸方向が前記波長λ 2 の入射光の偏光方向に対し40°から60°までの角度を成している光ヘッド装置を提供する。
【0014】
また、前記位相子に入射する前記波長λ 1 および前記波長λ 2 の光は、それぞれ660nm波長帯および785nm波長帯の光である上記の光ヘッド装置を提供する。
【0015】
また、前記位相子に入射する前記波長λ1および前記波長λ2の光は、それぞれ660nm波長帯および785nm波長帯の光であり、2つの前記複屈折板の660nm波長帯および785nm波長帯の光に対するリターデーション値の比がいずれも0.9から0.99までの値である上記の光ヘッド装置を提供する。
【0016】
さらに、2つの前記複屈折板が、貼り合わせられ一体化されている上記の光ヘッド装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の光ヘッド装置は、少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、集光されて光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器とを備えた光ヘッド装置であって、複数の光源と光ディスクとの間の少なくとも2つ光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されている光ヘッド装置である。
【0018】
上記の位相子を構成する2つの複屈折板の1つの波長の光に対する位相差は前記1つの波長のそれぞれ自然数倍であって、前記1つの波長の光に対して位相子は偏光状態を変化させない。すなわち、前記1つの波長の光に対する、2つの複屈折板がそれぞれに有する位相差は、前記1つの波長のそれぞれ自然数倍である。そして、位相子は前記1つの波長とは異なる他の波長の光に対して、偏光状態を変化させる光ヘッド装置である。
【0019】
以下図に基づいて本発明の光ヘッド装置を説明する。
図1は、本発明の光ヘッド装置の基本構成の一例を示す概念的断面図であり、透過する光の偏光状態を制御する位相子103が、少なくとも2つ以上の異なる波長の光を出射する多波長の光源ユニット104と対物レンズ105との間に置かれている。
【0020】
光源ユニット104から出射された少なくとも2つ以上の異なる波長の光は、位相子103を透過し対物レンズ105を通って光ディスク106へと集光された後、光ディスク106で反射され、戻り光となって光検出器系へと向かう。図1において光検出器系は省略しているが、実際の設置位置としては、位相子103から見て、多波長の光源ユニット104の側にあってもよいし、光ディスク106側にあってもよい。前者の場合、光源ユニット104から出射された光は光ディスクへ向かうその往路と光ディスクから戻る復路の両方において位相子103を透過し、後者の場合、光源ユニットから光ディスク106へと向かう往路においてのみ位相子103を透過する。また、光ディスクで反射され光検出器系へと向かう復路の戻り光のみが透過する位置に位相子103を設置してもよい。
【0021】
本発明の光ヘッド装置に搭載される位相子103を構成する、2つの複屈折板101および102の位相差は、1つの波長の光については偏光状態を変化させず、その他の波長の光に対してはその偏光状態を変化させるように設計されている。そのため、前記1つの波長の光はその偏光状態を変えることなく位相子103を透過し、前記1つの波長とは異なる他の波長の光は偏光状態を変化されて位相子103を透過する。具体的には、上記2枚の複屈折板の位相差は、波長λ1の光に対してm1λ1、m2λ1(m1、m2は自然数)となるよう選択されており、波長λ1の光に対してはほとんど偏光状態を変化させず、λ1以外の光に対してのみ偏光状態を変化させることができる。また、m1、m2は1または2、たかだか3までの値をとる。
【0022】
以下、本発明の光ヘッド装置に搭載する位相子について、位相子を透過する光は波長λ1、λ2の2つの光であるとして説明するが、光ヘッド装置中に3つ以上の異なる波長の光を出射する光源ユニットが置かれてもよく、また3つ以上の異なる波長の光が位相子を透過する場合でももちろん使用できる。3つの異なる波長の光が透過する場合、1つの波長については偏光状態を変化させず透過し、他の2波長の光の偏光状態を変化させて位相子を透過することができる。本発明の光ヘッド装置は、CD、DVDおよび次世代光ディスクに対応するものであるため、上記波長としては、785nm波長帯、660nm波長帯、410nm波長帯などがある。ここで波長帯とは±10nmの幅を意味し、例えば660nm波長帯の波長とは、650から670nmまでの波長をいう。
【0023】
図2は本発明の光ヘッド装置における位相子の構成例を示す断面図であり、(a)は2枚の複屈折板201と202のみが積層されているもの、(b)は積層された2枚の複屈折板201と202の片側に透明基板203を貼り合わせたもの、(c)は2枚の透明基板203と204によって複屈折板201と202を挟んだもの、である。複屈折板と複屈折板との間、または複屈折板と透明基板との間に、接着層または粘着層があってもよいし、なくてもよい。また、2枚の複屈折板が一体化されている構成でも、いない構成でもよい。しかし、2枚の複屈折板が貼り合わされて一体化されている方が取り扱い上好ましい。
【0024】
位相子を構成する複屈折板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエステルなどの有機材料を延伸させることにより延伸方向に光学軸の揃った複屈折性膜を用いることができる。また、所望の配向処理の施された高分子液晶を用いることもできるし、水晶基板、ニオブ酸リチウムなどの基板自身が複屈折性を有するものでもよい。
【0025】
図2に示す透明基板203、204として、ガラス基板や石英ガラス基板などの光学的等方性媒質を用いることが、透過光に複屈折性などの影響を与えず好ましい。
2つの複屈折板の、波長λ1の光に対する位相差は、m1、m2を自然数として光(レーザ光)の入射側から順にそれぞれm1λ1、m2λ1であり、波長λ2に対しての位相差は、n1、n2を整数でない正の数としておのおのR1=n1λ2、R2=n2λ2である。このとき、複屈折板のそれぞれについて、波長λ1の光に対する波長λ2の光のリタデーション値の比(または波長分散)をk1、k2と表すと、複屈折板それぞれでn1=k1×m1λ1/λ2、n2=k2×m2λ1/λ2となる。また、交差する2枚の複屈折板の光学軸(進相軸)方向は、波長λ2の入射光の偏光方向を基準としてレーザ光が入射する順にそれぞれθ1、θ2(−90°≦θ1、θ2≦90°)とする。図3に、位相子を構成する2つの複屈折板の光学軸方向を示す概念図を示す。
【0026】
このように構成された位相子は、波長λ1の光に対しては、2つの複屈折板のリタデーション値がλ1の整数倍であるため偏光状態を変化させないが、波長λ2の光に対しては一般にλ2≠kiλ1(i=1、2)であるため、偏光状態を変化させる。
【0027】
また、上記したように光源から出射し位相子を透過する光の波長がλ1およびλ2の2つであり、さらに波長λ1の位相子を透過する光は偏光状態を変化せず、一方直線偏光として位相子に入射した波長λ2の光は、位相子を直線偏光として透過し、その透過光の偏光方向は入射光の偏光方向に対してφの角度を成している。かつ、位相子を構成する2つの複屈折板の波長λ2の光に対する、それぞれの複屈折板の位相差R1およびR2は等しい。また、2つの複屈折板のそれぞれの光学軸方向は、波長λ2の入射光の偏光方向とθ1およびθ2の角度を成し、θ1およびθ2の和はφとなっている光ヘッド装置とすることが好ましい。
【0028】
すなわち、上記位相子の2つの複屈折板の、波長λ2に対する位相差R1とR2がほぼ等しくなるよう調整され、θ1として、下記の(式1)に従ってλ2に対する位相差Rと、ある角度φとから決められる値(θ1c)を選び、θ2としてθ2c=φ−θ1cなる値をとるとき、直線偏光で入射した波長λ2の光の出射時の偏光方向を、入射した偏光方向に対して角度φだけ回転できることがわかった。
【0029】
【数1】
【0030】
そのため、波長λ1の光の偏光状態は変化させず、直線偏光で入射した波長λ2の光を、偏光方向が角度φだけ回転したほぼ直線偏光で出射させたい場合、前記位相子を構成する2つの複屈折板の、波長λ2に対する位相差R1とR2はほぼ等しくし、光学軸方向θ1、θ2としては上述のθ1c、θ2cを選ぶことが、期待する最良の効果を得るためには好ましいが、複屈折板のリタデーション値Rに対してθ1=θ1c±10°、θ2=θ1+(φ−2θ1c)であれば、上記λ2の光の偏光方向を角度φだけ回転させる効果を得ることができる。
【0031】
例えば、波長λ1が660nmかつ波長λ2が785nmであり、m1=m2=1、k1=k2=0.95である複屈折板を選んだ場合、(θ1、θ2)=(23°、6°)のときλ2の偏光方向はほぼ29°回転し楕円率は0.004である。k1=k2=0.93である複屈折板の場合は、(θ1、θ2)=(19°、10°)とすることで、ほぼ29°偏光方向の回転した楕円率0.002の出射光を得ることができる。すなわち、いずれの場合もθ1+θ2=29°で回転角度29°と一致し、ほぼ直線となっている。
上述の位相子は、使用する複屈折板のリタデーション値に応じて光学軸を調整し作製できるため、既存の複屈折板を用いて容易に所望の効果を有する位相子を実現できる。
【0032】
以下、位相子を透過する前記2つの波長について、波長λ1が660nm波長帯の光であり、波長λ2が785nm波長帯の光であるとして説明する。また、直線偏光として位相子に入射した波長λ2の光は、位相子を直線偏光として出射し、その出射光の偏光方向は入射光の偏光方向に対して90°の角度を成している。そして、波長λ1の光に対する2つの複屈折板のそれぞれの位相差がλ1および2λ1であり、かつ位相差が2λ1である複屈折板の光学軸方向が波長λ 2 の入射光の偏光方向に対して35°から55°までの角度を成している光ヘッド装置、とすることが好ましい。
【0033】
すなわち、上記位相子は、入射した波長λ2の直線偏光を、偏光方向が入射偏光方向に対し90°回転したほぼ直線偏光として出射でき、波長λ2の光に対しλ/2板として機能できる。2枚の複屈折板の位相差について、波長λ1の光に対し、光の入射側から順にλ1、2λ1(m1=1、m2=2)となるよう選択する。複屈折板のλ1に対するλ2の波長分散を表すk1、k2がともに0.9〜0.99の間であるように選択する。このとき、波長λ2の光に対する位相差は順にR1=k1×λ1、R2=2×k2×λ1(≒2R1)である。
【0034】
さらに、位相差が2λ1である第2の複屈折板の光学軸(進相軸)θ2については、λ2の光の入射偏光方向に対し35°から55°までの角度をなすように設計し、θ1については、(式2)から決まる値θ1cに対して±10°の範囲に選ぶことで、波長λ2の直線偏光を、直線性を保持しつつ偏光方向を90°回転させることができる。さらに、θ2については(式3)から決まる値とし、θ1については上記θ1cに対し±5°、±3°と精度を上げると、よりよく直線性が保持され、かつ回転角が90°に近づくため、好ましい。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
このように構成された位相子は、波長λ1の光の偏光状態はほとんど変化させず、波長λ2の直線偏光に対しては、直線性をほぼ保持したまま偏光方向のみをほぼ90°回転させて透過する。
【0038】
例えば、2枚の複屈折板としてk1=k2=0.95の同じ材料を用いた場合(上記位相子を構成する複屈折板の、波長λ2の光に対する位相差は、光の入射順に627nm、1257nm)、光学軸方向の組がほぼ(θ1、θ2)=(18°、50°)または(72°、40°)のとき上記の効果を最も良く発現し、直線偏光で入射した波長λ2の光は、偏光方向が約89.4°回転した、楕円率が約0.002のほぼ直線偏光として出射する。
【0039】
同じ波長分散(k=0.95)を有する複屈折板1枚を用いると、例えば、波長λ1の光に対して3λ1の位相差を有する複屈折板のとき、ほぼ直線偏光で入射した波長λ2の光の位相子透過後の楕円率はおよそ0.33であり、直線性の保持はよくない。また、前記2枚の複屈折板から成る位相子において、k1=0.93、k2=0.96という2種類の材料を用いた場合は、ほぼ最適な光学軸方向の組は(θ1、θ2)=(20.5°、51.5°)または(69.5°、38.5°)であり、偏光方向が約89.6°回転した、楕円率が約0.003のほぼ直線偏光が出射光として得られる。
【0040】
このように、2つの複屈折板の光学軸を調整することにより、波長分散を有する複屈折板のリタデーション値の調整のみでは所望の効果に対し不充分な性能しか得られない場合にも、充分な性能を有する位相子を実現できる。
【0041】
また、上述の本発明における位相子において、入射する直線偏光の偏光方向が同じであれば裏表の区別はなく、例えば図2(c)の位相子について複屈折板201と202のいずれの側から光を入射させても同じ効果を得ることができる。
【0042】
図5は、本発明の光ヘッド装置の構成の他の例を示す概念的断面図である。すなわち、上述の660nm波長帯の光は偏光状態を変化させず、直線偏光で入射した785nm波長帯の光は偏光方向を90°回転させて出射する、2波長用位相子を搭載した、3波長互換光ヘッド装置の構成の一例である。2波長用の位相子は、例えば図4に表されるような構成となっている。ここで、図4は本発明における位相子に2つの異なる波長λ1、λ2の直線偏光が透過するときの偏光状態の変化の様子を示す断面図である。
【0043】
3つの異なる波長の光源として、785nm波長帯、660nm波長帯、410nm波長帯の光を出射する半導体レーザ411A、411B、411Cと、上述の660nm波長帯と785nm波長帯の2波長用位相子410を備えている。
【0044】
半導体レーザ411Aを出射した785nm波長帯の直線偏光(図4において紙面に平行)は、λ/2板412を透過して偏光方向を90°回転した後、偏光ビームスプリッタ413で反射し、2波長用位相子410を透過して偏光方向をさらに90°回転して再び紙面に平行な直線偏光となり偏光ビームスプリッタ414を透過する。660nm波長帯と785nm波長帯についての広帯域λ/4板415を透過して円偏光となり、410nm波長帯の光を反射し、785nm波長帯と660波長帯の光を透過する波長選択性ビームスプリッタ418を透過した後、対物レンズ419によって光ディスク420の情報記録面上に集光する。
【0045】
光ディスク420を反射した戻り光は、対物レンズ419、波長選択性ビームスプリッタ418、660nmおよび785nm用の広帯域λ/4板415を透過して往路光に対し偏光方向が直交した直線偏光になった後、偏光ビームスプリッタ414で反射して光検出器421に集光する。
【0046】
半導体レーザ411Bを出射した660nm波長帯の直線偏光(図4において紙面に平行)は、偏光ビームスプリッタ413、2波長用位相子410、偏光ビームスプリッタ414を、偏光状態を変えることなく透過した後、660nmおよび785nm用の広帯域λ/4板415、波長選択性ビームスプリッタ418、対物レンズ419を透過して光ディスク420の情報記録面上に集光する。
【0047】
光ディスク420を反射した戻り光は、対物レンズ419、波長選択性ビームスプリッタ418、660nmおよび785nm用の広帯域λ/4板415を透過して往路光に対し偏光方向が直交した直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ414で反射して光検出器421に集光する。
【0048】
一方、半導体レーザ411Cを出射した410nm波長帯の直線偏光(図4において紙面に平行)は、偏光ビームスプリッタ416、410nm波長帯用のλ/4板417を透過し円偏光となった後、波長選択性ビームスプリッタ418により反射し進行方向を90°変えて進み、対物レンズ419を透過して光ディスク420の情報記録面上に集光する。
【0049】
光ディスク420を反射した戻り光は、対物レンズ419、波長選択性ビームスプリッタ418、410nm波長帯用のλ/4板417を透過して偏光方向が往路光に対し直交した直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ416で反射して光検出器422に集光する。
【0050】
本発明の光ヘッド装置においては、2波長用位相子410を用いることにより、波長選択性ビームスプリッタの使用を1個に抑えて偏光ビームスプリッタが用いられるため、偏光方向に依存する全透過・全反射を利用でき、光量損失を抑制できる。また、光記録媒体(光ディスク)の情報の記録時および/または再生時に、各波長帯の半導体レーザからの出射光と光記録媒体からの戻り光の偏光方向を直交させるため、往路光・復路光の間の不要な干渉を防止できる。
【0051】
特に、2波長用位相子410を用いることによって、偏光の直線性および偏光方向の角度を精度よく制御できるため、上記の利点をより効果的に利用でき、したがって、より安定した情報の記録と再生を行える3波長互換光ヘッド装置を実現できる。また、偏光ビームスプリッタは波長選択性のものに比べ設計および製造が容易で性能も安定しているため、コスト削減につながる。また、660nm波長帯の光と785nm波長帯の光に対して1つの光検出器を用いることができるため、光ヘッド装置の部品数を減らすことができ、コスト削減および装置の小型化に有利である。
【0052】
また、直線偏光として位相子に入射した波長λ2の光が、位相子を円偏光として出射し、波長λ1の光に対する2つの複屈折板のそれぞれの位相差が等しくλ1である。また、光の出射側の複屈折板の光学軸方向が波長λ 2 の入射光の偏光方向に対し40°から60°までの角度を成している光ヘッド装置とすることが好ましい。
【0053】
すなわち、本発明における位相子は、入射した波長λ2の直線偏光を、円偏光として出射できる、すなわち、λ2の光に対しλ/4板として機能できる。2枚の複屈折板の位相差について、波長λ1の光に対し、ともにλ1(m1=1、m2=1)となるよう選択する。複屈折板のλ1に対するλ2の波長分散を表すk1、k2がともに0.9〜0.99の間であるように選択する。このとき、波長λ2の光に対する位相差は順にR1=k1×λ1、R2=k2×λ1(≒R1)である。
【0054】
さらに、光の出射側の第2の複屈折板の光学軸θ2については、λ2の光の入射偏光方向に対し40°から60°までの角度をなすように設計し、θ1については、(式4)から決まる値θ1cを中心に前後10°の範囲に選ぶことで、直線偏光で入射した波長λ2の光を、ほぼ円偏光とできる。さらに、θ2については(式5)から決まる値の近傍をとるように選ぶと、直線偏光を円偏光へと変換する効果を最大限得ることができ、好ましい。
【0055】
【数4】
【0056】
【数5】
【0057】
このように構成された位相子は、波長λ1の光の偏光状態はほとんど変化させず、波長λ2の直線偏光は概ね円偏光へと変化させて透過する。
例えば、2枚の複屈折板にk1=k2=0.95の同じ材料を用いた場合、ほぼ(θ1、θ2)=(9°、51°)または(81°、39°)のとき上記の効果を最もよく発現し、直線偏光で入射した波長λ2の光は位相子を透過後、楕円率がおよそ0.99のほぼ円となる。同じ波長分散(0.95)を有する複屈折板1枚の場合、およそ0.7程度の楕円率しか得ることができず、好ましくない。一方でまた、k1=0.93、k2=0.96という2種類の材料を用いた場合、最適な光学軸の組は(θ1、θ2)=(10.5°、53.5°)または(79.5°、36.5°)であり、このときも楕円率はほぼ0.99である。
【0058】
このように、2つの複屈折板の光学軸を調整することにより、波長分散を有する複屈折板のリタデーション値の調整のみでは所望の効果に対し不充分な性能しか得られない場合にも、充分な性能を有する位相子を実現できる。
【0059】
図6は、本発明における他の例の位相子の構成と、位相子に波長λ1の直線偏光が往復するとき、偏光状態に変化のない様子を示す断面図である。図7は、図6に示したものと同じ位相子に直線偏光で入射した波長λ2の光が円偏光として出射し、円偏光で入射した光は偏光方向を90度変えて直線偏光となって回折されて出射する様子を示す断面図である。透明基板504に積層した上述の複屈折板501、502よりなる2波長用位相子511を、偏光選択性の回折機能が付加された透明基板503に充填接着剤505で固定した構成である(以下、まとめて位相子512と呼ぶ)。
【0060】
上記偏光選択性の回折機能は、例えば以下のようにして回折素子506を透明基板503上に形成することで実現できる。透明基板503上に所望の配向処理を施した後、複屈折材料である液晶モノマーの溶液を塗布し、光重合用の光源光を照射することで液晶モノマーを高分子化して高分子液晶とする。この高分子液晶に対して、フォトリソグラフィ、エッチングなどの技術により、断面形状が矩形、鋸歯、階段などの周期格子を加工することで、回折素子506を形成する。この格子間を光学的に等方性の接着剤505によって充填することにより、偏光選択性の回折機能を実現できる。
【0061】
断面形状は、回折させたい光の波長と目標回折効率、高分子液晶の常光・異常光屈折率と充填接着剤の屈折率との差から決定される。充填接着剤505としては、例えば、常光で入射した直線偏光は直進透過し、異常光で入射した直線偏光は回折する回折機能が要求される場合、硬化後の接着剤の屈折率が、高分子液晶の常光屈折率と概ね等しいものを選ぶことは、所望の回折機能を発現できるため好ましい。逆に、充填剤として、硬化後の屈折率が高分子液晶の異常光屈折率と概ね等しいものを選ぶと、異常光として入射した直線偏光は直進透過し、常光で入射した直線偏光は回折する機能を備えさせることできる。
【0062】
このように構成された位相子512に対して、常光として入射した波長λ1の直線偏光は、往路・復路ともに偏光選択性の回折素子506を回折せず直進透過し、同じく常光として入射した波長λ2の直線偏光は、往路においては回折素子506で回折することなく位相子502を透過して円偏光となり、復路では異常光となって回折素子506に入射するため、回折して進む。したがって、位相子512は、波長選択性回折格子の機能を有する。ここで、2波長用位相子511と偏光選択性回折格子506とを一体化せず、直列に並べて用いても得られる効果は同じである。
【0063】
波長選択性の回折機能を有する位相子512において、前述の2波長用位相子511を用いることにより、2つの波長の光に対し精度よく偏光状態を制御できるため、波長選択性の回折格子としてより安定した性能を得ることができる。
【0064】
【実施例】
「例1」
本例は、図5に示した、波長660nmと785nmに対する2波長用位相子410を搭載した3波長互換光ヘッド装置の具体例である。
【0065】
まず、2波長用位相子410を、以下のようにして作製した。
屈折率がおよそ1.5の透明基板403に、ポリカーボネートを延伸させて複屈折性を発現させた複屈折板401である有機物薄膜を、ポリエステル系のUV硬化型接着剤により固定した(図4参照)。この有機物薄膜のリタデーション値は、DVD系光ディスク用の660nm波長帯の光に対して660nmであり、CD系光ディスク用の785nm波長帯の光に対しては627(=660×0.95)nmであった。
【0066】
続いて、透明基板403と同じ材質の透明基板404に、配向膜用のポリイミドを塗布し、所望の配向処理を施した後、複屈折材料である液晶モノマーの溶液を塗布し、光重合用のUV光を照射することで液晶モノマーを高分子化して高分子液晶膜として複屈折板402とした。この高分子液晶膜のリタデーション値Rは、DVD系光ディスク用の660nm波長帯の光に対して1230nmであり、CD系光ディスク用の785nm波長帯の光に対しては1257(=660×2×0.95)であった。
【0067】
さらに、有機物薄膜と高分子液晶膜とを、ポリエステル系のUV硬化型接着剤を用いて接着することにより、図4に示すような位相子410を作製した。このとき、複屈折板401(有機物薄膜)の光学軸に対する複屈折板402(高分子液晶膜)の光学軸の角度が32°となるように固定した。
【0068】
上述のように作製された位相子410を搭載する、図5に示す光ヘッド装置において、半導体レーザ411A、411B、411Cは、おのおのCD系用の785nm波長帯、DVD系の660nm波長帯、次世代光ディスク用の410nm波長帯の光を発振するレーザであり、それぞれの直線偏光の偏光方向が平行になるように設置されている。位相子410は、660nm波長帯、785nm波長帯の2つの直線偏光が共有する光路中の偏光ビームスプリッタ413と414の間に、複屈折板401の側から両波長帯の光が垂直に入射するよう配置した。このとき、複屈折板401の光学軸が、直線偏光の偏光方向に対して18°の角度を成すよう調整することで、785nm波長帯の直線偏光を、直線性をほぼ維持したまま偏光方向をほぼ90°回転させることができた。
【0069】
または、位相子410を、複屈折板402の側から光が入射するよう配置し、複屈折板402の光学軸が直線偏光の偏光方向に対し−50°の角度をなすように調整しても、同様の効果を得ることができた。ここで、角度は入射光を発振する半導体レーザ側から位相子を見て、左周りを正、右周りを負とした。
【0070】
本例の光ヘッド装置では、光学軸の異なる2枚の複屈折板から構成される位相子410を搭載することにより、より安定した光ディスクの情報の記録・再生を行うことができた。また、波長選択性ビームスプリッタの使用を1個に抑え偏光ビームスプリッタを用いることができ、さらに、2つの波長の光に対し1つの光検出器を用いることができるため、装置を小型化し、コストを削減できた。
【0071】
【発明の効果】
本発明の光ヘッド装置に搭載する位相子は、入射する2つ以上の異なる波長の光に対し、1つの波長の光については偏光状態をほとんど変化させることなく透過し、他の波長の光については偏光状態を変化させて透過させることができる。例えば、位相子に2つの異なる波長の直線偏光が入射する場合、一方の光についてのみ偏光方向を回転させて出射できる。または、一方の光についてのみ円偏光に変化させて出射できる。特に、所望する効果に対し、2つの複屈折板の交差する光学軸を適切に選ぶことにより、位相子に用いる複屈折板の有するリタデーション値の調整のみでは充分な特性が得られない場合でも、充分な特性を有する位相子を実現できる。
【0072】
また、本発明の3波長互換光ヘッド装置においては、660nm波長帯の光はほぼそのまま透過し、785nm波長帯の直線偏光の偏光方向を90°回転させて透過する位相子を搭載することにより、光出力の損失を抑え、安定した情報の記録と再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド装置の構成の一例を示す概念的断面図。
【図2】本発明の光ヘッド装置における位相子の構成例を示す断面図で、(a)は2枚の複屈折板201と202のみが積層されているもの、(b)は積層された2枚の複屈折板201と202の片側に透明基板213を貼り合わせたもの、(c)は2枚の透明基板203と204によって複屈折板201と202を挟んだもの。
【図3】本発明の光ヘッド装置における位相子を構成する2つの複屈折板の光学軸方向を示す概念図。
【図4】本発明における位相子に2つの異なる波長λ1、λ2の直線偏光が透過するときの偏光状態の変化の様子を示す断面図。
【図5】本発明の光ヘッド装置の構成の他の例を示す概念的断面図。
【図6】本発明における他の例の位相子に波長λ1の直線偏光が往復するとき、偏光状態の変化のない様子を示す断面図。
【図7】図6に示す位相子に波長λ2の直線偏光が往復するとき生じる偏光状態の変化(直線偏光と円偏光)の様子を示す断面図。
【符号の説明】
101、102、201、202、401、402、501、502:複屈折板
103:位相子
104:光源ユニット、105、419:対物レンズ
106、420:光ディスク
203、204、403、404、503、504:透明基板
410、511:2波長用位相子
411A、411B、411C:半導体レーザ
412:λ/2板
413、414、416:偏光ビームスプリッタ
415:広帯域λ/4板
417:410nm波長帯用λ/4板、
418:波長選択性ビームスプリッタ
421、422:光検出器、
505:充填接着剤、
506:回折素子
512:位相子
Claims (6)
- 少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、
前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、
集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、
複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、
前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光は、前記位相子を直線偏光として透過し、その透過光の偏光方向は入射光の偏光方向に対してφの角度を成しており、
前記位相子を構成する2つの前記複屈折板の前記波長λ 2 の光に対する、それぞれの前記複屈折板の位相差R 1 およびR 2 は等しく、かつ2つの前記複屈折板のそれぞれの光学軸方向は、波長λ 2 の入射光の偏光方向とθ 1 およびθ 2 の角度を成し、前記θ 1 および前記θ 2 の和は前記φとなっている光ヘッド装置。 - 少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、
前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、
集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、
複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、
前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光は、前記位相子を直線偏光として透過し、その透過光の偏光方向は入射光の偏光方向に対して90°の角度を成しており、
前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板のそれぞれの位相差がλ 1 および2λ 1 であり、かつ位相差が2λ 1 である前記複屈折板の光学軸方向が前記波長λ 2 の入射光の偏光方向に対して35°から55°までの角度を成している光ヘッド装置。 - 少なくとも2つの異なる波長の光をそれぞれ出射する複数の光源と、
前記光源から出射する光を光ディスクに集光するための対物レンズと、
集光されて前記光ディスクにより反射された光を検出するための光検出器と、を備えた光ヘッド装置において、
複数の前記光源と前記光ディスクとの間の少なくとも前記2つの光が共有する光路中に、それぞれの光学軸方向が異なる2つの複屈折板より構成される位相子が設置されており、
前記2つの光の波長を波長λ 1 、波長λ 2 とするとき、前記位相子は、前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板の位相差が前記波長λ 1 のそれぞれ自然数倍であって、前記波長λ 1 の光に対して前記位相子は偏光状態を変化させず、直線偏光として前記位相子に入射した前記波長λ 2 の光が円偏光として出射し、
前記波長λ 1 の光に対する2つの前記複屈折板のそれぞれの位相差が等しくλ 1 であり、かつ光の出射側の前記複屈折板の光学軸方向が前記波長λ 2 の入射光の偏光方向に対し40°から60°までの角度を成している光ヘッド装置。 - 前記位相子に入射する前記波長λ 1 および前記波長λ 2 の光は、それぞれ660nm波長帯および785nm波長帯の光である請求項1に記載の光ヘッド装置。
- 前記位相子に入射する前記波長λ1および前記波長λ2の光は、それぞれ660nm波長帯および785nm波長帯の光であり、2つの前記複屈折板の660nm波長帯および785nm波長帯の光に対するリターデーション値の比がいずれも0.9から0.99までの値である請求項2または請求項3に記載の光ヘッド装置。
- 2つの前記複屈折板が、貼り合わせられ一体化されている請求項1から5いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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