JP4218146B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフットモード時の圧損低減を図った車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においては、車室内前部の計器盤近辺に空調ユニットを配置するに際して、冷房用蒸発器、暖房用ヒータコア、吹出モード切替機構等を内蔵する空調ユニットを、計器盤のうち車両左右方向の略中央部に配置するとともに、この空調ユニットに空調空気を送風する送風機ユニットを空調ユニット側方の助手席側にオフセット配置するセミセンター置きレイアウトのものが実用化されている。
【0003】
また、送風機部を空調ユニット部の車両前方側に配置した完全センター置きレイアウトも一部実用化されている。
【0004】
従来のセミセンター置きレイアウトおよび完全センター置きレイアウトのいずれにおいても、通常、車両搭載状態において、ヒータコア(暖房用熱交換器)の上方側に、ヒータコアをバイパスする冷風通路を配置して、フェイスモードおよびフットモードとも、共通の冷風通路、共通の空気混合室を用いて、冷温風の風量割合の調整により吹出空気温度を調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最大冷房時における冷風量の増加を図るため、一般に、フェイスモードにおける圧損低減を優先して、空調ユニット内の冷風通路、空気混合室の形態が設計されているので、フットモード時には空気通路が屈折した形状となって、圧損の増加を招くことが多い。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、車両用空調装置において、フットモード時の圧損を低減して暖房性能を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷房用熱交換器(7)からの冷風を暖房用熱交換器(8)をバイパスしてフェイス開口部(24、240)側のみへ導くフェイス用冷風通路(30a、30b、30)と、冷房用熱交換器(7)からの冷風を暖房用熱交換器(8)をバイパスしてフット開口部(28、29)側のみへ導くフット用冷風通路(15)とを独立に形成するとともに、
フェイス用冷風通路(30a、30b、30)からの冷風と、暖房用熱交換器(8)を通過した温風とをフェイス開口部(24、240)の入口側で混合するフェイス用空気混合室(31a、31b、31)と、フット用冷風通路(15)からの冷風と暖房用熱交換器(8)を通過した温風とをフット開口部(28、29)の入口側で混合するフット用空気混合室(26a、26b、26)とを独立に形成し、
フット用冷風通路(15)を、暖房用熱交換器(8)の幅方向の範囲内にて暖房用熱交換器(8)の上方から暖房用熱交換器(8)後方の下方へ垂下するように形成したことを特徴としている。
【0008】
これによると、フェイス開口部(24、240)およびフット開口部(28、29)からの吹出空気温度を冷温風の風量割合の調整により制御する車両用空調装置において、フット専用の冷風通路(15)およびフット専用の空気混合室(26a、26b、26)を、フェイス用冷風通路、フェイス用空気混合室から独立に形成しているから、フェイス側の通路形態に制約されることなく、フット用の冷風と温風を曲がりの少ない、短距離の経路でフット開口部(28、29)の入口側(フット用空気混合室)に到達させることができる。
【0009】
これにより、フットモード時における圧損を低減でき、フットモード時の風量アップを図ることができ、暖房性能を向上できる。
【0010】
さらに、フット用冷風通路(15)を独立に形成するに際して、フット用冷風通路(15)を特に暖房用熱交換器(8)の幅方向の範囲内にて暖房用熱交換器(8)の上方から下方へ垂下するように形成しているから、暖房用熱交換器(8)の幅寸法を冷房用熱交換器(7)の幅寸法と同一寸法まで拡大できる。従って、暖房用熱交換器(8)の必要放熱能力を高さの低い横長形状にしても確保でき、空調装置のコンパクト化に有利である。
【0011】
請求項2に記載の発明では、フット用冷風通路(15)を、暖房用熱交換器(8)の幅方向の中央部に形成し、暖房用熱交換器(8)の幅方向においてフット用冷風通路(15)の左右両側に、暖房用熱交換器(8)を通過した温風が流れる温風通路(16a、16b、17a、17b)を形成し、暖房用熱交換器(8)の上方の左右両側にフェイス用空気混合室(31a、31b)を形成し、暖房用熱交換器(8)後方の左右両側にフット用空気混合室(26a、26b)を形成したことを特徴としている。
【0012】
これにより、暖房用熱交換器の幅方向中央部のフット用冷風通路からの冷風を左右両側に分岐して、左右両側のフット用空気混合室に流入させるとともに、フット用冷風通路の左右両側に位置する温風通路からの温風を左右両側のフット用空気混合室に流入させることができる。そのため、左右両側のフット用空気混合室にて冷温風を混合して、左右両側への所望のフット吹出温度を得ることができる。
【0013】
同様に、フェイス側においても左右両側のフェイス用空気混合室で冷温風を混合して、左右両側への所望のフェイス吹出温度を得ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明のように、フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、温風通路(16a、16b、17a、17b)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a、27b)と、フット用冷風通路(15)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、この両フットドア(27a、27b、27c)を連動操作するようにしたことを特徴としている。
【0015】
このような連動操作によれば、第1、第2フットドアの駆動機構を簡素化できる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、温風通路(16a、16b、17a、17b)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a、27b)と、フット用冷風通路(15)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、この両フットドア(27a、27b、27c)を独立に操作可能にしたことを特徴としている。
【0017】
これにより、バイレベルモードのように車室内の上下両方に空気を吹き出す吹出モードにおいて、両フットドアの独立操作によりフット用空気混合室への冷温風の風量割合を変更でき、上下吹出温度の独立制御が可能になる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、フット用冷風通路(15)を、暖房用熱交換器(8)の幅方向の中央部に形成し、暖房用熱交換器(8)の幅方向においてフット用冷風通路(15)の左右両側に、暖房用熱交換器(8)を通過した温風が流れるフェイス用温風通路(16a、17a)を形成し、暖房用熱交換器(8)の上方の左右両側にフェイス用空気混合室(31a、31b)を形成し、暖房用熱交換器(8)直後の幅方向の中央部にフット用空気混合室(26)を形成したことを特徴としている。
【0019】
このように、暖房用熱交換器直後の中央部にフット用空気混合室を形成しても、この中央部のフット用空気混合室で混合された空気を左右両側に分岐することにより、左右両側への所望のフット吹出温度を得ることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、冷房用熱交換器(7)からの冷風を暖房用熱交換器(8)をバイパスしてフェイス開口部(24、240)側のみへ導くフェイス用冷風通路(30a、30b、30)と、冷房用熱交換器(7)からの冷風を暖房用熱交換器(8)をバイパスしてフット開口部(28、29)側のみへ導くフット用冷風通路(15a、15b)とを独立に形成するとともに、
フェイス用冷風通路(30a、30b、30)からの冷風と、暖房用熱交換器(8)を通過した温風とをフェイス開口部(24、240)の入口側で混合するフェイス用空気混合室(31a、31b、31)と、フット用冷風通路(15a、15b)からの冷風と暖房用熱交換器(8)を通過した温風とをフット開口部(28、29)の入口側で混合するフット用空気混合室(26a、26b、26)とを独立に形成し、
暖房用熱交換器(8)の幅寸法(W 0 )を冷房用熱交換器(7)の幅寸法(W)よりも小さくして暖房用熱交換器(8)の左右両側にフット用冷風通路(15a、15b)を形成したことを特徴としている。
【0021】
これにより、請求項6に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様に、フット専用の冷風通路(15a、15b)およびフット専用の空気混合室(26a、26b、26)を、フェイス用冷風通路、フェイス用空気混合室から独立に形成して、フェイス側の通路形態に制約されることなく、フット用の冷風と温風を曲がりの少ない、短距離の経路でフット開口部(28、29)の入口側(フット用空気混合室)に到達させることができる。そのため、フットモード時における圧損を低減でき、フットモード時の風量アップを図ることができ、暖房性能を向上できる。
また、請求項6に記載の発明によると、暖房用熱交換器(8)の幅寸法(W 0 )を冷房用熱交換器(7)の幅寸法(W)よりも小さくして、暖房用熱交換器(8)の左右両側にフット用冷風通路(15a、15b)を簡単に形成できる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の車両用空調装置において、フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、暖房用熱交換器(8)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a)と、フット用冷風通路(15a、15b)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、この両フットドア(27a、27c)を独立に操作可能にしたことを特徴としている。
これにより、バイレベルモードのように車室内の上下両方に空気を吹き出す吹出モードにおいて、両フットドアの独立操作によりフット用空気混合室への冷温風の風量割合を変更できるので、請求項4と同様に、上下吹出温度の独立制御が可能になる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、冷房用熱交換器(7)および暖房用熱交換器(8)を、幅方向の寸法が最長となる横長形状にしたことを特徴としている。
【0023】
この横長形状により、両熱交換器の上下方向の寸法を縮小することができ、空調ユニットのケース全体の上下方向寸法を縮小できるので、空調ユニットの車両搭載性を改善できる。
【0024】
さらに、冷房用熱交換器(7)の車両左右方向の幅寸法(W)の拡大により、フェイスモード時(冷房時)に、冷房用熱交換器(7)の横長形状を有効利用して、乗員の上半身に向かって幅広く冷風を吹き出すことが可能となり、乗員に対する冷風の気流感を増大させて冷房フィーリングを向上できる。
【0025】
請求項9に記載の発明のように、ケース(2)を車室内前方部の計器盤内に配設し、ケース(2)内の空気通路を空気が車両前方側から車両後方側へ向かって流れるようになっており、冷房用熱交換器(7)および暖房用熱交換器(8)の幅方向が車両左右方向に向くようにすれば、計器盤内に配設される車両用空調装置において、請求項8の横長形状による車両搭載性の改善効果をより効果的に発揮できる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図4は第1実施形態を示しており、本実施形態の空調ユニット1はいわゆるセミセンター置きレイアウトのものであって、車室内前方の計器盤内部のうち車両左右方向の略中央部に配置される。そして、この空調ユニット1に空調空気を送風する送風機ユニット(図示せず)は空調ユニット側方の助手席側にオフセット配置される。
【0028】
この際、空調ユニット1は車両の前後、左右、上下方向に対して図示の方向となるように配置されて車両に搭載される。なお、図1は右ハンドル車の例を示しているので、図示しない送風機ユニットは空調ユニット1の左側に配置される。
【0029】
次に、この空調ユニット1の車両搭載形態について具体的に述べると、空調ユニット1は図1、4に例示するように車両左右方向の寸法(幅寸法)Wに比して車両前後方向の寸法Lおよび上下方向の寸法Hが十分小さい、全体として偏平な横長形状にしてある。この偏平横長形状の空調ユニット1の寸法関係をより具体例に述べると、車両左右方向の寸法Wが最長の寸法であって、例えば、460mmである。また、車両前後方向の寸法Lは例えば、230mmである。そして、車両上下方向の寸法Hは例えば、250mmである。
【0030】
次に、上記のごとく偏平横長形状に構成された空調ユニット1の具体的構成を詳細に説明すると、空調ユニット1は樹脂製の空調ケース2を有し、この空調ケース2は複数の分割ケースを一体に締結することにより、偏平横長形状を構成するものであって、その内部に、送風空気が熱交換器を通過して車両前方側から車両後方側へ向かって流れる空気通路を形成し、この空調ケース2内に後述の各種機器が収容される。
【0031】
空調ユニット1のうち、最も車両前方側の部位に、図示しない送風機ユニットからの送風空気が流入する空気入口部3が形成されている。右ハンドル車の場合は、空調ユニット1の左側に送風機ユニットが配置されるので、空気入口部3は空調ユニット1の左側端部に位置して、図4の矢印Aのように車両左側から空気が流入する。
【0032】
なお、送風機ユニットは周知の構成であり、外気吸入口からの外気(車室外空気)と内気吸入口からの内気(車室内空気)とを切替導入する内外気切替機構と、上記外気吸入口と内気吸入口からの吸入空気を上記空気入口部3に向けて送風する遠心式送風機とから構成されている。
【0033】
一方、偏平横長形状の空調ケース2の内部には、空気入口部3直後の部位に蒸発器7が上記空気通路9、10の全域を横切るように略垂直に配置されている。本例では、蒸発器7を空調ケース2の車両左右方向の寸法Wと略同等の寸法を有する横長形状(図1、4参照)としている。蒸発器7は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して空調空気を冷却する冷房用熱交換器である。また、蒸発器7は例えば、周知の積層型のものであって、アルミニュウム等の金属薄板を最中状に張り合わせて構成した偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。
【0034】
本例の蒸発器7は、図2に示すように空気流れの上流側熱交換部7aと下流側熱交換部7bとを組み合わせた構成となっており、配管ジョイント7cの入口パイプ7dから冷媒が下流側熱交換部7bに流入した後に、上流側熱交換部7aを通過し、その後に、冷媒は出口パイプ7eへ流出する。
【0035】
そして、蒸発器7の直ぐ下流側(車両後方側)には2枚のエアミックスドア(温度調整手段)11、12が概略車両上下方向に隣接配置されている。このエアミックスドア11、12は、空調ケース2の車両左右方向の寸法Wと略同等の寸法を有する横長形状の平板部材の中央部に回転軸11a,12aを配置したバタフライドアから構成されている。
【0036】
そして、エアミックスドア11、12の回転軸11a,12aは空調ケース2の外部に突出して、リンク機構(図示せず)を介して共通のアクチュエータ(サーボモータ)に連結されている。従って、このアクチュエータによりリンク機構を介して2つのエアミックスドア11、12を連動して回動操作できる。なお、図2、3において、エアミックスドア11、12の破線位置は最大暖房位置を示し、2点鎖線位置は最大冷房位置を示す。
【0037】
エアミックスドア11、12の直ぐ下流側(車両後方側)にはヒータコア8がが蒸発器7より下方側にオフセットして、微少角度だけ後方へ傾斜して配置されている。このヒータコア8の車両左右方向の幅寸法も、蒸発器7と同様に空調ケース2の車両左右方向の寸法Wと略同等の寸法になっている。
【0038】
ヒータコア8は、蒸発器7を通過した冷風を再加熱する暖房用熱交換器であって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。蒸発器7とヒータコア8はともに、車両左右方向の幅寸法が最長となる横長形状である。
【0039】
なお、ヒータコア8は、温水の入口パイプ8aを有する入口タンク8bを下側に配置し、温水の出口パイプ8cを有する出口タンク8dを上側に配置し、そして、入口タンク8bと出口タンク8dとの間に熱交換部8eを構成している。この熱交換部8eは偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。本例では、ヒータコア8として、入口タンク8bから温水が熱交換部8eの全部の偏平チューブを通って出口タンク8dに向かって一方向(下方から上方への一方向)に流れる一方向流れタイプ(全パスタイプ)を用いている。
【0040】
次に、エアミックスドア11、12により風量割合が調整される温風と冷風の通路構成を説明すると、図2、3はフット吹出モードの温度制御域、すなわち、温風と冷風の混合により温度制御している状態を示しており、図2は空調ユニット1の車両左右方向中央部の断面図で、図3は空調ユニット1の車両左右方向の側方部断面図である。ヒータコア8の幅方向(車両左右方向の幅寸法W)の範囲内において、中央部にフット用冷風通路15が形成され、このフット用冷風通路15の左右両側にヒータコア8を通過した温風が流れる温風通路16a、16b、17a、17bが形成されている。
【0041】
中央部のフット用冷風通路15と、左右両側の温風通路16a、16b、17a、17bとの間は仕切り板18、19により仕切られている。また、中央部のフット用冷風通路15とヒータコア8の空気下流直後の温風通路20との間は仕切り板21(図2、4)により仕切られている。また、フット用冷風通路15の入口部と、センタフェイス開口部24の入口側空間との間は仕切り板22(図2)により仕切られている。
【0042】
上記の仕切り構造により、フット用冷風通路15は図1、2の矢印aに示すようにヒータコア8の幅方向中央部の上方からヒータコア8後方(下流側)の下方へ垂下する形状になっている。フット用冷風通路15の入口には蒸発器7直後の冷風が矢印aのように流入する。
【0043】
一方、右側の温風通路16a、17aおよび左側の温風通路16b、17bには、それぞれ車両上下方向の略中間部位に位置する第1フットドア27a、27bを配置して、この左右の第1フットドア27a、27bが図3のようにフット開口部25a、25bを開放する状態では、左右の第1フットドア27a、27bにより温風通路を上側のフェイス、デフロスタ用温風通路16a、16bと下側のフット用温風通路17a、17bとに仕切るようになっている。
【0044】
また、中央部のフット用冷風通路15には第2フットドア27cが配置され、この第2フットドア27cによりフット用冷風通路15を開閉する。左右の第1フットドア27a、27bと中央部の第2フットドア27cはいずれも板状ドアであり、本実施形態では、これらのフットドア27a〜27cを1本の共通の回転軸27dに連結して連動操作するようにしてある。
【0045】
次に、空調ケース2の空気通路下流側には複数の吹出開口部が形成されており、この吹出開口部のうち、デフロスタ開口部23は空調ケース2の上面部において車両前後方向の略中央部位で、空調ケース2内部に連通するように開口している。そして、このデフロスタ開口部23には、図示しないデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクトの先端に設けられたデフロスタ開口部(吹出口)から車両窓ガラスの内面に向けて空調空気を吹き出すようになっている。デフロスタ開口部23は回転軸23bを中心として回動可能な板状のデフロスタドア23aにより開閉される。
【0046】
次に、センタフェイス開口部24および左右のサイドフェイス開口部240は車室内の乗員頭部側に向けて空気を吹き出すためのもので、空調ケース2の上面部において、デフロスタ開口部23よりも車両後方側の部位に開口している。このフェイス開口部24,240には、図示しないフェイスダクトが接続され、このフェイスダクトの先端に設けられたフェイス開口部(吹出口)から車室内の乗員頭部へ向けて空気を吹き出すようになっている。
【0047】
センタフェイス開口部24は回転軸24bを中心として回動可能な板状のフェイスドア24aにより開閉される。なお、サイドフェイス開口部240は冬季には車両の側面ガラスに向かって温風を吹き出して側面ガラスの曇り止めを行うために用いられるので、フェイスドア24aがセンタフェイス開口部24を閉塞するフットモード等の状態でも、フェイスドア24aの切り欠き部24c(図3)を通してサイドフェイス開口部240には空気が流入するようになっている。
【0048】
次に、前記したフット開口部25a、25bはフット用温風通路17a、17bからの温風を通過させる通風口であって、空調ケース2の下部において、車両後方側の部位に開口している。フット用温風通路17a、17bからの温風はフット開口部25a、25bを通過して直ちに下方のフット用空気混合室26a,26bに流入するようにしてある。
【0049】
このフット用空気混合室26a,26bは、図1に示すように、ヒータコア8より車両後方側の下方部位の左右両側に配置され、上記温風通路17a、17bからの温風とフット用冷風通路15からの冷風とを混合する。ここで、中央部のフット用冷風通路15の冷風は図1の矢印aの先端部に示すように左右両側へ分岐され、この左右に分岐された冷風がフット用冷風通路15の最下部150(図1、2)を通過して左右両側のフット用空気混合室26a,26bへ向かって流れる。従って、左右のフット用空気混合室26a,26bは冷風通路15の最下部150を介して車両左右方向において常時連通している。
【0050】
この左右のフット用空気混合室26a,26bのうち、車両左右方向の両側方部に車室内の乗員足元部側に向けて開口するフット開口部28、29が設けてある。このフット開口部28、29は、車室内の乗員足元部側へ空気を吹き出すフット吹出口の役割を果たす。
【0051】
一方、蒸発器7直後の部位から冷風を図3の矢印bのように上方のデフロスタ開口部23およびフェイス開口部24、240側へ導くデフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bが、前述のフット用冷風通路15とは独立に形成されるようにしてある。
【0052】
このデフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bは、図1に示すようにヒータコア8の上方部においてフット用冷風通路15の左右両側に形成されるものである。そして、この冷風通路30a,30bからの冷風とフェイス、デフロスタ用温風通路16a、16bからの温風はデフロスタ・フェイス用空気混合室31a、31bにて混合される。この空気混合室31a、31bは図1に示すようにヒータコア8の上方部、すなわち、デフロスタ開口部23およびフェイス開口部24、240の入口側において左右両側に分離して形成される。
【0053】
デフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bおよびフット用冷風通路15はともにヒータコア8の上方側に位置しているので、デフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bの開度、およびフット用冷風通路15の開度はともに上側のエアミックスドア11の回動により調整される。また、ヒータコア8への入口空気通路13の開度は下側のエアミックスドア12の回動により調整される。
【0054】
上記したデフロスタドア23aの回転軸23b、フェイスドア24aの回転軸24b、およびフットドア27a、27b、27cの回転軸27dは、図示しないリンク機構を介して、アクチュエータに連結され、このアクチュエータによりリンク機構を介して各ドア23a、24a、および27a、27b、27cが連動して駆動される。
【0055】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。
【0056】
図2、3はフットモードの温度制御状態を示しており、センタフェイス開口部24はフェイスドア24aにより全閉され、サイドフェイス開口部240はフェイスドア24aの切り欠き部24cにより小開度だけ開放される。デフロスタ開口部23はデフロスタドア23aにより小開度だけ開放される。一方、左右の2つのフット開口部25a、25bは、フットドア27a、27bにより全開される。
【0057】
そして、2つのエアミックスドア11、12を最大暖房状態(図2、3の破線位置)から所定量温度制御域に操作している。これにより、上側のエアミックスドア11によりデフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bおよびフット用冷風通路15がともに所定開度開放される。これと同時に、下側エアミックスドア12によりヒータコア8の入口空気通路13が所定開度開放される。
【0058】
この結果、蒸発器7直後の冷風の多くはヒータコア8の熱交換部8eを通過して温風となり、熱交換部8eの上側を通過した温風は矢印b(図3)のようにヒータコア8左右の上側の温風通路16a、16bを通過して上部の空気混合室31a、31bに向かう。また、熱交換部8eの下側を通過した温風は矢印c(図3)のようにヒータコア8左右の下側の温風通路17a、17bからフット開口部25a、25bを通過して直ちに下部の空気混合室26a、26bに流入する。
【0059】
一方、蒸発器7直後の冷風の一部が矢印aのごとく中央部のフット用冷風通路15を通過してヒータコア8後方の中央部を下方へ垂下する。その後、この冷風は左右に分岐して下部の空気混合室26a,26bに流入する。従って、この下部の空気混合室26a,26bにおいて温風と冷風が混合して所定温度の温風となり、この温風は空調ケース2下部の左右両端部のフット開口部(吹出口)28、29から運転席側および助手席側の乗員足元部に吹き出し乗員足元部を暖房する。
【0060】
また、蒸発器7直後の冷風の一部が矢印dのごとくデフロスタ・フェイス用冷風通路30a、30bを通って上部の空気混合室31a、31bに向かうので、上部の空気混合室31a、31bにおいても温風と冷風が混合して所定温度の温風となる。この温風はデフロスタ開口部23からデフロスタダクトを通過し、ダクト先端部の開口部(吹出口)から車両前面窓ガラスの内面に向かって吹き出して、前面窓ガラスの曇り止めを行う。同時に、空気混合室31a、31bの温風の一部は左右のサイドフェイス開口部240を通して側面窓ガラス側へ吹き出して側面窓ガラスの曇り止めを行う。
【0061】
エアミックスドア11、12の回動位置の調整により上下の空気混合室26a、26b、31a、31bでの冷温風の風量割合を調整することにより、乗員足元部および窓ガラスへの吹出温風の温度を任意に調整できる。なお、最大暖房状態においては、上側のエアミックスドア11によりデフロスタ・フェイス用冷風通路30a,30bおよびフット用冷風通路15がともに全閉され、下側エアミックスドア12によりヒータコア8の入口空気通路13が全開されるので、蒸発器7直後の冷風の全量がヒータコア8を通過して温風となり、車室内へ吹き出される。
【0062】
また、フット吹出モードの温度制御状態において、フット用冷風通路15による冷風流れの形態(図2の矢印a)およびヒータコア8を通過する温風の流れ形態(図3の矢印c)がいずれも車両前後方向に沿って流れ、その後に、下方側へ曲がって、フット開口部28、29の入口側に直接的に向かう。このため、フット開口部28、29に向かう空気通路が曲がりの少ない単純な形態となるので、圧損を低減して乗員足元部への吹出温風の風量を増加できる。
【0063】
次に、他の吹出モードについて簡単に説明すると、フットデフロスタ吹出モードでは、デフロスタドア23aを図2、3の位置から時計方向に操作して、デフロスタ開口部23の開度を増加させる。これにより、デフロスタ開口部23からの吹出風量を増加させる。
【0064】
フット吹出モードでは、通常、フット側吹出風量とデフロスタ側吹出風量との比が8対2程度であるが、フットデフロスタ吹出モードでは、デフロスタ開口部23の全開により、フット側吹出風量とデフロスタ側吹出風量との比が5対5程度になる。他の点はフットデフロスタ吹出モードと同じである。
【0065】
次に、デフロスタ吹出モードにおいては、デフロスタ開口部23がデフロスタドア23aにより全開され、センタフェイス開口部24はフェイスドア24aにより全閉される。また、フット開口部25a、25bとフット用冷風通路15もフットドア27a、27b、27cにより全閉される。
【0066】
従って、ヒータコア8の熱交換部8eの上下両側を通過した温風の全量がデフロスタ開口部23およびサイドフェイス開口部240に向かって流れ、車両窓ガラスの内面に向かって温風が吹き出して、窓ガラスの曇り止めを行う。上述のフット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードの温度制御状態と同様に、エアミックスドア11、12の回動位置の調整によりデフロスタ・フェイス用冷風通路30からの冷風とヒータコア8通過後の温風との風量割合を調整して、窓ガラスへの吹出温風の温度を任意に調整できる。
【0067】
次に、フェイス吹出モードにおいては、デフロスタ開口部23はデフロスタドア23aにより全閉され、また、フット開口部25a、25bとフット用冷風通路15もフットドア27a、27b、27cにより全閉される。一方、フェイス開口部24、240はフェイスドア24aにより全開される。
【0068】
そして、最大冷房状態では、2つのエアミックスドア11、12を図2、3の2点鎖線位置に操作し、上側のエアミックスドア11によりデフロスタ・フェイス用冷風通路30a、30bを全開すると同時に、下側のエアミックスドア12によりヒータコア8の入口空気通路13を全閉する。
【0069】
このとき、上側のエアミックスドア11によりフット用冷風通路15の入口部が全開されるが、フット用冷風通路15の下流部をフットドア27cにより全閉しているので、フット用冷風通路15に風が流れることはない。
【0070】
車両空調用冷凍サイクルを運転して、蒸発器7にて冷媒の蒸発潜熱を送風空気から吸熱することにより、空気が冷却されて冷風となり、この冷風はデフロスタ・フェイス用冷風通路30a、30bを通過して全てフェイス開口部24、240に流れる。従って、図示しないフェイスダクト先端部の開口部(吹出口)から車室内乗員の上半身側へ吹き出して、車室内の冷房を行う。
【0071】
そして、2つのエアミックスドア11、12を図2、3の2点鎖線位置(最大冷房位置)から実線位置側へ回動操作することにより、蒸発器7直後の冷風の一部がヒータコア8の熱交換部8eを通過して温風となり、上部の空気混合室31a、31bにおいてこの温風とデフロスタ・フェイス用冷風通路30a、30bからの冷風が混合して、冷風の吹出温度を調整できる。
【0072】
次に、バイレベル吹出モードにおいては、デフロスタ開口部23はデフロスタドア23aにより全閉される。これに対し、フット開口部25a、25bとフット用冷風通路15はフットドア27a、27b、27cにより全開状態となり、同様に、フェイス開口部24、240もフェイスドア24aにより開放される。
【0073】
そして、2つのエアミックスドア11、12は最大冷房位置と最大暖房位置との間の中間位置に回動操作される。この結果、蒸発器7を通過した冷風とヒータコア8の熱交換部8eの上側部を通過した温風が上部の空気混合室31a、31bに向かって流れ、ここで、冷風と温風とが混合して所定温度の空調風となり、この空調風がフェイス開口部24、240側から車室内上方へ吹き出す。
【0074】
これと同時に、ヒータコア8の熱交換部8eの下側部を通過した温風がフット開口部25a、25bを通過して空気混合室26a,26bに流入するとともに、蒸発器7直後の冷風の一部がフット用冷風通路15を通過して空気混合室26a,26bに流入する。この温風と冷風が空気混合室26a,26bにて混合し、左右両側のフット開口部(吹出口)28、29から乗員足元部へ吹き出す。
【0075】
(第2実施形態)
図5〜図7は第2実施形態を示す。第1実施形態では、図1に示すように、上下の空気混合室26a,26b、31a、31bをそれぞれ左右に2箇所づつ設けているが、第2実施形態では下部の空気混合室26をヒータコア8の幅方向中央部に1箇所のみ設けている。
【0076】
このため、第2実施形態では第1実施形態の仕切り板21を廃止するとともに、左右の仕切り板18、19をヒータコア8の熱交換部8eの接するまで前方側へ延ばして、ヒータコア8直後の幅方向の中央部にて熱交換部8e通過後の温風をフット用冷風通路15からの冷風に直接混合させるようにしている。
【0077】
そして、ヒータコア8直後の幅方向の中央部に位置する空気混合室26の下側に1つのフット開口部25(図6)を設け、このフット開口部25をフットドア27により開閉するようになっている。空気混合室26で所定温度になった空調風は左右両側へ分岐される。
【0078】
第2実施形態では、ヒータコア8の幅方向において、中央部に位置するフット用冷風通路15の左右両側の領域全体をフェイス、デフロスタ用温風通路16a、16bとして構成している。そして、この温風通路16a、16b(熱交換部8e)の下端部の部位に仕切り板32、33を配置して、この仕切り板32、33の下側に空気混合室26からの空調風が流れるフット通路34、35を形成している。このフット通路34、35の先端部にフット開口部(吹出口)28、29を設けている。
【0079】
第2実施形態のように、フット用の下部の空気混合室26をヒータコア8の幅方向中央部に1箇所のみ設ける配置構成としても第1実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0080】
(第3実施形態)
図8は第3実施形態であり、上記第1実施形態の図2に対応する図である。第3実施形態では、中央部に位置するフット用冷風通路15を開閉するフットドア27cと、左右両側に位置するフット開口部25a、25bを開閉するフットドア27a、27b(図3参照)とを独立に操作可能にしている。
【0081】
このため、第3実施形態ではフットドア27cの回転軸27d’を図3に示すフットドア27a、27bの回転軸27dより上方に配置して、フットドア27cの回転軸27d’と、フットドア27a、27bの回転軸27dをそれぞれ別の駆動機構(アクチュエータ)により独立に操作するようにしてある。
【0082】
ここで、フットドア27a、27bとフットドア27cの具体的操作例を説明すると、例えば、フットドア27a、27bの駆動機構は空調操作パネル(図示せず)の吹出モード部材の操作信号により制御し、一方、フットドア27cの駆動機構は空調操作パネルの吹出モード部材および上下吹出温度調整部材の操作信号により制御する。
【0083】
そして、上下両方から車室内へ空調風を吹き出す吹出モード(バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード)の際には、上下吹出温度調整部材の操作信号により例えばフットドア27cの開度を調整して、フット用冷風通路15を通過する冷風量を調整する。
【0084】
この冷風量の調整により下部のフット用空気混合室26a、26bでの冷温風の風量割合を調整でき、これに伴って、上部のフェイス、デフロスタ用空気混合室31a、31bでの冷温風の風量割合を調整できる。そのため、上下吹出温度(吹出温度差)を乗員の好みに応じて調整でき、空調フィーリングを向上できる。
【0085】
(第4実施形態)
図9〜図14は第4実施形態であり、図10、図11は空調ユニット1の幅方向中央部の断面図で、図12、図13は空調ユニット1の幅方向側方部の断面図である。第4実施形態は上述の第1〜第3実施形態と以下の点で相違している。
【0086】
▲1▼.第1〜第3実施形態では、エアミックスドア11、12として、空気流れ方向の中間部に配置した回転軸11a、12aを中心として回動可能なバタフライドアを用いているが、第4実施形態では、エアミックスドア11、12として、平板に近似した大きな曲率半径を持つ円弧状の板部材からなるドアを用い、このエアミックスドア11、12を概略車両上下方向に摺動可能に配置している。図10、12はこの円弧状エアミックスドア11、12の最大暖房位置を示し、図11、13は温度制御位置を示している。
【0087】
▲2▼.第4実施形態では、図14に示すようにヒータコア8の幅寸法W0を蒸発器7の幅寸法Wより小さくし、ヒータコア8の左右両側にフット用冷風通路15a、15bを配置している。この左右両側のフット用冷風通路15a、15bを冷風が矢印aのように流れて、下部の左右両側に位置するフット用空気混合室26a、26bに流入する。また、ヒータコア8の熱交換部8eの下側部を通過した温風は矢印cのようにフット開口部25aを通過した後、左右に分岐されてフット用空気混合室26a、26bに流入し、ここで、冷風と混合する。空気混合室26a、26bの所望温度の空調風はフット開口部(吹出口)28、29から乗員足元部へ吹き出す。
【0088】
なお、図14において、H1は蒸発器7の高さ寸法で、H2はヒータコア8の高さ寸法である。
【0089】
▲3▼.第4実施形態では、ヒータコア8の熱交換部8eの上側部を通過した温風は図10、11の矢印bのように上部の空気混合室31に向かって流れ、また、蒸発器7直後の冷風の一部が図11の矢印dのようにデフロスタ・フェイス用冷風通路30を通過し空気混合室31に向かって流れる。この空気混合室31は、図9に示すようにヒータコア8の上方部に1箇所設けられるのみである。
【0090】
▲4▼.第4実施形態では、左右両側のフット用冷風通路15a、15bに、その流路を開閉するフットドア27c、27cをそれぞれ設け、また、中央部に位置するヒータコア8の熱交換部8e直後の部位に1枚のフットドア27aを設け、このフットドア27aにより中央部のフット開口部25aを開閉している。
【0091】
ここで、左右両側のフットドア27c、27cの回転軸27d’、27d’を中央部のフットドア27aの回転軸27dより上方に配置して、左右両側のフットドア27c、27cと中央部のフットドア27aとを独立に操作可能にしている。
【0092】
このため、第4実施形態では、第3実施形態と同様に、フットドア27c、27cとフットドア27aをそれぞれ別の駆動機構(アクチュエータ)により独立に操作することにより、上下両方から車室内へ空調風を吹き出す吹出モード(バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード)の際に、上下吹出温度(温度差)を乗員の好みに応じて調整でき、空調フィーリングを向上できる。
【0093】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、セミセンター置きレイアウトの空調ユニットについて説明したが、送風機部を空調ユニット部の車両前方側に配置した完全センター置きレイアウトの空調ユニットに本発明を適用できることはもちろんである。
【0094】
さらに、本発明は、車室内前方の計器盤内に配置される空調ユニットだけでなく、車両の他の部位に搭載される空調ユニットに対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による空調ユニットの概略透視斜視図である。
【図2】図1の空調ユニットの幅方向中央部の縦断面図である。
【図3】図1の空調ユニットの幅方向側方部の縦断面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】第2実施形態による空調ユニットの概略透視斜視図である。
【図6】図5の空調ユニットの幅方向中央部の縦断面図である。
【図7】図5の空調ユニットの幅方向側方部の縦断面図である。
【図8】第3実施形態による空調ユニットの幅方向中央部の縦断面図である。
【図9】第4実施形態による空調ユニットの概略透視斜視図である。
【図10】図9の空調ユニットの幅方向中央部の縦断面図で、最大暖房時を示す。
【図11】図9の空調ユニットの幅方向中央部の縦断面図で、温度制御時を示す。
【図12】図9の空調ユニットの幅方向側方部の縦断面図で、最大暖房時を示す。
【図13】図9の空調ユニットの幅方向側方部の縦断面図で、温度制御時を示す。
【図14】第4実施形態による空調ユニットの正面図である。
【符号の説明】
2…ケース、7…蒸発器、8…ヒータコア、11、12…エアミックスドア、
15a、15b、15…フット用冷風通路、23…デフロスタ開口部、
24、240…フェイス開口部、
25a、25b、25、28、29…フット開口部、
26a、26b、26…フット用空気混合室、
30a、30b、30…デフロスタ・フェイス用冷風通路、
31a、31b、31…デフロスタ・フェイス用空気混合室。
Claims (9)
- 空気通路を形成するケース(2)と、
このケース(2)内に配置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(7)と、
前記ケース(2)内で、前記冷房用熱交換器(7)よりも下流側に配置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(8)と、
この暖房用熱交換器(8)を通過して加熱される温風とこの暖房用熱交換器(8)をバイパスする冷風との風量割合を調整して、車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段(11、12)と、
この温度調整手段(11、12)により温度調整された空気を乗員の頭部側へ吹き出すフェイス開口部(24、240)、および前記温度調整された空気を乗員の足元側へ吹き出すフット開口部(28、29)とを備える車両用空調装置において、
前記冷房用熱交換器(7)からの冷風を前記暖房用熱交換器(8)をバイパスして前記フェイス開口部(24、240)側のみへ導くフェイス用冷風通路(30a、30b、30)と、前記冷房用熱交換器(7)からの冷風を前記暖房用熱交換器(8)をバイパスして前記フット開口部(28、29)側のみへ導くフット用冷風通路(15)とを独立に形成するとともに、
前記フェイス用冷風通路(30a、30b、30)からの冷風と、前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風とを前記フェイス開口部(24、240)の入口側で混合するフェイス用空気混合室(31a、31b、31)と、前記フット用冷風通路(15)からの冷風と前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風とを前記フット開口部(28、29)の入口側で混合するフット用空気混合室(26a、26b、26)とを独立に形成し、
前記フット用冷風通路(15)を、前記暖房用熱交換器(8)の幅方向の範囲内にて前記暖房用熱交換器(8)の上方から前記暖房用熱交換器(8)後方の下方へ垂下するように形成したことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フット用冷風通路(15)は、前記暖房用熱交換器(8)の幅方向の中央部に形成されており、
前記暖房用熱交換器(8)の幅方向において前記フット用冷風通路(15)の左右両側に、前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風が流れる温風通路(16a、16b、17a、17b)を形成し、
前記暖房用熱交換器(8)の上方の左右両側に前記フェイス用空気混合室(31a、31b)を形成し、
前記暖房用熱交換器(8)後方の左右両側に前記フット用空気混合室(26a、26b)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、前記温風通路(16a、16b、17a、17b)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a、27b)と、前記フット用冷風通路(15)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、
この両フットドア(27a、27b、27c)を連動操作するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。 - 前記フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、前記温風通路(16a、16b、17a、17b)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a、27b)と、前記フット用冷風通路(15)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、
この両フットドア(27a、27b、27c)を独立に操作可能にしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。 - 前記フット用冷風通路(15)は、前記暖房用熱交換器(8)の幅方向の中央部に形成されており、
前記暖房用熱交換器(8)の幅方向において前記フット用冷風通路(15)の左右両側に、前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風が流れるフェイス用温風通路(16a、16b)を形成し、
前記暖房用熱交換器(8)の上方の左右両側に前記フェイス用空気混合室(31a、31b)を形成し、
前記暖房用熱交換器(8)直後の幅方向の中央部に前記フット用空気混合室(26)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 空気通路を形成するケース(2)と、
このケース(2)内に配置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(7)と、
前記ケース(2)内で、前記冷房用熱交換器(7)よりも下流側に配置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(8)と、
この暖房用熱交換器(8)を通過して加熱される温風とこの暖房用熱交換器(8)をバイパスする冷風との風量割合を調整して、車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段(11、12)と、
この温度調整手段(11、12)により温度調整された空気を乗員の頭部側へ吹き出すフェイス開口部(24、240)、および前記温度調整された空気を乗員の足元側へ吹き出すフット開口部(28、29)とを備える車両用空調装置において、
前記冷房用熱交換器(7)からの冷風を前記暖房用熱交換器(8)をバイパスして前記フェイス開口部(24、240)側のみへ導くフェイス用冷風通路(30a、30b、30)と、前記冷房用熱交換器(7)からの冷風を前記暖房用熱交換器(8)をバイパスして前記フット開口部(28、29)側のみへ導くフット用冷風通路(15a、15b)とを独立に形成するとともに、
前記フェイス用冷風通路(30a、30b、30)からの冷風と、前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風とを前記フェイス開口部(24、240)の入口側で混合するフェイス用空気混合室(31a、31b、31)と、前記フット用冷風通路(15a、15b)からの冷風と前記暖房用熱交換器(8)を通過した温風とを前記フット開口部(28、29)の入口側で混合するフット用空気混合室(26a、26b、26)とを独立に形成し、
前記暖房用熱交換器(8)の幅寸法(W 0 )を前記冷房用熱交換器(7)の幅寸法(W)よりも小さくして前記暖房用熱交換器(8)の左右両側に前記フット用冷風通路(15a、15b)を形成したことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フット開口部(28、29)への空気流れを制御するフットドアとして、前記暖房用熱交換器(8)からの温風流れを制御する第1フットドア(27a)と、前記フット用冷風通路(15a、15b)からの冷風流れを制御する第2フットドア(27c)とを設け、
この両フットドア(27a、27c)を独立に操作可能にしたことを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。 - 前記冷房用熱交換器(7)および前記暖房用熱交換器(8)は、幅方向の寸法が最長となる横長形状であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記ケース(2)は車室内前方部の計器盤内に配設され、前記ケース(2)内の空気通路を空気が車両前方側から車両後方側へ向かって流れるようになっており、
前記冷房用熱交換器(7)および前記暖房用熱交換器(8)の幅方向は、車両左右方向に向いていることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
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