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JP4217322B2 - 3次元画像表示位置変換装置および方法 - Google Patents

3次元画像表示位置変換装置および方法 Download PDF

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JP4217322B2 JP00142099A JP142099A JP4217322B2 JP 4217322 B2 JP4217322 B2 JP 4217322B2 JP 00142099 A JP00142099 A JP 00142099A JP 142099 A JP142099 A JP 142099A JP 4217322 B2 JP4217322 B2 JP 4217322B2
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Description

【0001】
本発明は、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムに用いられ、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換する3次元画像表示位置変換装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光技術の進展に伴って、立体画像を表示する技術について様々な提案がなされている。その一つに、例えばアイマックスシアター(商標名)のように、左眼用画像と右眼用画像とを重ね合わせた画像を専用の眼鏡を装着して見ることで立体的な表現を可能とする2眼式の立体ビュア装置がある。この装置では、左右の眼の視差を利用したステレオグラムにより立体的表現を可能としている。
【0003】
また、レーザ等のコヒーレントな光(可干渉光)を用いたホログラフィ技術による立体表示も行われている。この技術は、予め物体光と参照光とを用いて乾板等にホログラフィを形成しておき、このホログラフィに元の参照光を照射することで再生光を得て立体的な画像表示を行おうとするものである。
【0004】
また、専用の眼鏡を必要としない立体画像表示技術としては、いわゆるIP(Integral Photography)法や、パララックス法等がある。
【0005】
IP法は、リップマンが提案したもので、まず、多数の小さな凸レンズ群からなるフライアイレンズと呼ばれるレンズ板の焦点面に写真乾板を配置して、このレンズ板を介して物体光を露光することにより写真乾板上に多数の小さな物体像を記録したのち、この写真乾板を現像し、それを前と全く同じ位置に置いて背面から光を照射するようにしたものである。
【0006】
パララックス法は、左右各眼に対応する短冊状の画像の前に配置した縦格子状のアパーチャを通して、短冊状の画像を分離して観察する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のうち、上記の立体ビュア装置においては、専用の眼鏡を装着しなければならないので観る者にとって不便であると共に、不自然な画像であるため疲れやすく、長時間の鑑賞には適さない。
【0008】
また、上記したホログラフィ技術による立体表示技術は、レーザ等のコヒーレント光を必要とするため、装置が大掛かりとなって製作コストも高くなり、また、レーザ特有のスペックル干渉パターンによる画質低下も生ずる。また、ホログラフィ技術は、予め写真乾板上に作成したホログラフィを用いて立体表示を行うものであるため、静止画には適するものの、動画の3次元表示には適していない。このことは、上記したIP法においても同様であり、予め写真乾板上に多数の小さな物体像を記録する工程が必要であることから動画には適していない。
【0009】
また、専用の眼鏡を必要としないパララックス法は、あくまで左右の眼の視差を利用した擬似的な立体表示を行うものであって、真の意味での3次元表示を可能とするものではない。このため、画面の左右方向の立体感は表示できるものの、上下方向の立体感は表現できず、例えば寝転んで見ることはできなかった。また、視差利用技術であることから、視点を変えても単に同じ画像が立体感(奥行感)をもって見えるにすぎず、頭を左右に振っても物体の側面が見えるわけではなかった。
【0010】
また、パララックス法を実現するには、物体を、複数のカメラによって、異なる方向から撮影し、各カメラによって撮影されて得られたフィルムを現像後、各フィルムを複数の画像投射機(プロジェクタ)によって、アパーチャを通して印画紙に焼き付けることによって短冊状の画像を形成する必要がある。従って、パララックス法を実現するには、大掛かりな装置が必要になる。
【0011】
以上のことから、従来の技術では、真の意味での立体動画表示を、簡単な構成で実現することが困難であった。
【0012】
また、従来の立体表示技術では、いずれも、予め決められた位置にしか3次元画像を表示することができなかった。そのため、従来の立体表示技術では、3次元画像を観察者に対して近づけたり遠ざけたりするような演出は困難であり、表現力が乏しかった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空間に物体の3次元画像を表示するシステムにおいて、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換することができるようにした3次元画像表示位置変換装置および方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の3次元画像表示位置変換装置は、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムに用いられ、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換する3次元画像表示位置変換装置であって、3次元画像の位置の移動量の情報と観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を移動量だけ移動するために必要な、2次元画像情報の位置の面内方向の移動量を求める移動量算出手段と、移動量算出手段によって求められた移動量だけ、2次元画像情報の位置を変更する位置変更手段とを備えたものである。
【0015】
この3次元画像表示位置変換装置では、移動量算出手段によって、3次元画像の位置の移動量の情報と観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を移動量だけ移動するために必要な、2次元画像情報の位置の面内方向の移動量が求められ、位置変更手段によって、移動量算出手段によって求められた移動量だけ、2次元画像情報の位置が変更される。
【0016】
また、本発明の3次元画像表示位置変換装置では、移動量算出手段は、例えば、3次元画像の位置の移動量をaとし、観察方向または投射方向をθiとしたときに、b=a×tanθiで表されるbに比例した値を、2次元画像情報の位置の移動量とする。
【0017】
また、本発明の3次元画像表示位置変換装置では、位置変更手段は、例えば、2次元画像情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に情報を書き込む際の書き込みアドレスと記憶手段から情報の読み出す際の読み出しアドレスとを制御することによって、2次元画像情報の位置を変更するアドレス制御手段とを有する。
【0018】
また、本発明の3次元画像表示位置変換装置は、同一物体を複数の観察方向から撮影して、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を生成する3次元画像撮影装置に設けられていてもよいし、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示する3次元画像表示装置に設けられていてもよい。
【0019】
本発明の3次元画像表示位置変換方法は、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムに用いられ、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換する3次元画像表示位置変換方法であって、3次元画像の位置の移動量の情報と観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を移動量だけ移動するために必要な、2次元画像情報の位置の面内方向の移動量を求める移動量算出手順と、移動量算出手順によって求められた移動量だけ、2次元画像情報の位置を変更する位置変更手順とを含むものである。
【0020】
この3次元画像表示位置変換方法では、移動量算出手順において、3次元画像の位置の移動量の情報と観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を移動量だけ移動するために必要な、2次元画像情報の位置の面内方向の移動量が求められ、位置変更手順において、移動量算出手順によって求められた移動量だけ、2次元画像情報の位置が変更される。
【0021】
また、本発明の3次元画像表示位置変換方法では、移動量算出手順は、例えば、3次元画像の位置の移動量をaとし、観察方向または投射方向をθiとしたときに、b=a×tanθiで表されるbに比例した値を、2次元画像情報の位置の移動量とする。
【0022】
また、本発明の3次元画像表示位置変換方法では、位置変更手順は、例えば、2次元画像情報を記憶する記憶手段に情報を書き込む際の書き込みアドレスと記憶手段から情報の読み出す際の読み出しアドレスとを制御することによって、2次元画像情報の位置を変更する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る3次元画像表示位置変換装置および方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
〔第1の実施の形態〕
始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態における3次元画像の撮影と表示の原理について説明する。
【0025】
図1は本実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像撮影装置は、入射する光の方向と出射する光の方向とを所定の角度範囲内で選択することの可能な偏向板11と、この偏向板11の一方の面に対向するように配置された集光レンズ12と、この集光レンズ12における偏向板11とは反対側に順に配置されたピンホール部材13、集光レンズ14およびCCD(電荷結合素子)15とを備えている。ピンホール部材13は、光を通過させるピンホールを有している。
【0026】
この3次元画像撮影装置では、偏向板11における集光レンズ12とは反対側の面が、撮影対象物としての物体10に向けられるようになっている。集光レンズ12は、偏向板11側より垂直に平行光が入射したときに、出射光がピンホール部材13のピンホールの位置で最も小径となるように、光を集光するようになっている。この集光レンズ12には、例えばフレネルレンズが用いられる。集光レンズ14は、ピンホールを通過して拡散する光を集光して、CCD15の撮像面上に、物体10の像を結像するようになっている。
【0027】
ここで、図1に示した3次元画像撮影装置の作用について説明する。物体10からの光は偏向板11に入射する。偏向板11は、この入射する光のうち、偏向板11の面に対して所定の角度をなす光のみを選択的に通過させ、偏向板11の面に対して垂直な平行光として出射する。集光レンズ12は、偏向板11からの平行光を集光する。この光は、ピンホール部材13のピンホールを通過し、集光レンズ14によって集光され、CCD15に入射する。CCD15の撮像面には、所定の方向から見た物体10の2次元画像が結像される。この3次元画像撮影装置では、観察点16が、偏向板11および集光レンズ12を挟んで物体10に対向する位置に想定されて、撮影が行われる。偏向板11において選択される入射光の角度は、時間と共に順次変えられる。
【0028】
このように、図1に示した3次元画像撮影装置では、一つの撮影手段(CCD15等)によって物体10が撮影されて、物体10の2次元画像情報が生成されると共に、撮影方向が順次変化させられる。従って、CCD15より出力される画像情報は、時間と共に撮影方向が変化する複数の2次元画像情報となり、これは、空間に物体の3次元画像を表示するために必要な画像情報となる。
【0029】
図2は本実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像表示装置は、2次元画像情報に基づいて、通過する光を空間的に変調する空間光変調器としての透過型の液晶表示素子(以下、LCDと記す。)21と、このLCD21の光の出射側に順に配置された集光レンズ22、ピンホール部材23、集光レンズ24および偏向板25を備えている。ピンホール部材23は、光を通過させるピンホールを有している。
【0030】
集光レンズ22は、LCD21の出射光を、ピンホール部材23のピンホールの位置で最も小径となるように集光するようになっている。集光レンズ24は、ピンホールを通過した光を平行光とするようになっている。この集光レンズ24には、例えばフレネルレンズが用いられる。偏向板25は、集光レンズ24からの光を、偏向板25の面に対して所定の角度をなす平行光として出射するようになっている。
【0031】
ここで、図2に示した3次元画像表示装置の作用について説明する。LCD21は、図1に示した3次元画像撮影装置によって得られた2次元画像情報に基づいて、光を空間的に変調する。LCD21によって変調された光は、集光レンズ22によって集光され、ピンホール部材23のピンホールを通過し、集光レンズ24によって平行光とされて、偏向板25に入射する。偏向板25は、集光レンズ24からの光を、偏向板25の面に対して所定の角度をなす平行光として出射する。偏向板25からの出射光の角度は、撮影時における偏向板11の入射光の角度と一致するように、時間と共に順次変えられる。
【0032】
このように、図2に示した3次元画像表示装置では、図1に示した3次元画像撮影装置によって得られ、撮影方向が変化する2次元画像情報に基づいて、LCD21によって光が変調されて、2次元画像が再生される。この2次元画像は、撮影時における偏向板11の入射光の角度と一致する角度で、偏向板25から出射される。これにより、空間上に、物体10の3次元画像(立体画像)20が形成される。偏向板25における光の出射側に位置する観察者26は、この3次元画像20を観察することができる。
【0033】
なお、LCD21に与える2次元画像情報は、図1に示した3次元画像撮影装置によって得られた2次元画像情報を、上下方向および左右方向に反転させた2次元画像情報とする。ただし、左右方向にのみ立体的な3次元画像を表示する場合には、図1に示した3次元画像撮影装置によって得られた2次元画像情報を、左右方向に反転させた2次元画像情報を与えればよい。また、この場合には、偏向板25の光の出射側に、上下方向に光を拡散する拡散板を設ける必要がある。この拡散板は、例えば、水平方向に延びる微小な蒲鉾型レンズを上下方向に多数並べて構成される。
【0034】
次に、図3および図4を参照して、左右方向にのみ立体的な3次元画像を表示する場合を例にとって、本実施の形態における3次元画像撮影装置と3次元画像表示装置の位置関係について概念的に説明する。図3は、図1に示した3次元画像撮影装置の光学系に、図2に示した3次元画像表示装置の光学系を重ね合わせた場合の光学系を示す説明図である。図4は、図2に示した3次元画像表示装置の光学系に、図1に示した3次元画像撮影装置の光学系を重ね合わせた場合の光学系を示す説明図である。これらの図に示した光学系では、集光レンズ12とピンホール部材13との間に、仮想的なハーフミラー27が配置されている。このハーフミラー27は、その反射面の法線が、3次元画像撮影装置の光学系の光軸に対して45度をなすように配置されている。そして、集光レンズ12からの光がハーフミラー27で反射して進行する方向に、3次元画像表示装置のピンホール部材23、集光レンズ22およびLCD21が配置されている。
【0035】
撮影時には、CCD15上に物体10の像が結像される。このとき、集光レンズ12からの光がハーフミラー27で反射してLCD21に結像したとすると、LCD21に結像する像は、CCD15上に結像する像に対して左右方向に反転した像である。表示時には、この反転した像が形成されるように、LCD21を駆動することになる。
【0036】
次に、図5を参照して、本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成について詳しく説明する。図5は、本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像撮影装置は、図1に示した構成の他に、CCD15を駆動するCCD駆動回路31と、CCD15の出力信号を処理して、画像信号を出力する信号処理回路32と、この信号処理回路32の出力信号を入力し、必要に応じて、後述する表示位置変換処理を行う表示位置変換回路33と、この表示位置変換回路33に対して、表示位置の移動量の情報を与えるための操作部34と、表示位置変換回路33の出力に同期信号を重畳して、映像信号として出力する出力回路35とを備えている。3次元画像撮影装置は、更に、偏向板11を駆動する偏向板駆動回路36と、この偏向板駆動回路36に対して、選択する入射光の角度の空間的および時間的なパターンの情報を与える角度パターン発生回路37と、上記各回路の動作のタイミングを制御するタイミング制御回路38とを備えている。
【0037】
なお、CCD15は、モノクロ画像用でもよいし、カラー画像用でもよい。カラー画像用のCCD15としては、例えば、R,G,Bの各色フィルタを備えた単板式カラーフィルタ方式のものでもよいし、入射光をR,G,Bの各色に分離する色分離手段と分離された各光を受光する3枚のモノクロ用のCCDとを含む3板式のものでもよい。
【0038】
ここで、図5に示した3次元画像撮影装置の動作について説明する。偏向板駆動回路36は、偏向板11が選択する入射光の角度が、一定の周期で順次変化するように、偏向板11を駆動する。以下の説明では、偏向板11が選択する入射光の角度が、θ1からθ60まで、Δθ間隔で変化するものとする。Δθは、例えば1度とする。
【0039】
CCD駆動回路31は、偏向板11が選択する入射光の各角度毎に、1枚の2次元画像情報が得られるように、偏向板駆動回路36による偏向板11の駆動に同期してCCD15を駆動する。CCD15の出力信号は、信号処理回路32によって処理されて画像信号とされる。この画像信号は、必要に応じて表示位置変換回路33による表示位置変換処理が施されて、出力回路35に送られる。そして、この出力回路35より映像信号が出力される。なお、表示位置変換回路33の構成と動作については、後で詳しく説明する。
【0040】
図6は、偏向板11が選択する入射光の角度とCCD15が取り込む画像との対応関係を示す説明図である。この図に示したように、偏向板11が選択する入射光の角度は、θ1 からθ60まで角度Δθ(=1度)間隔で変化する。CCD15は、各角度θi (i=1,2,…,60)毎に、撮影対象物としての物体の2次元画像を取り込む。本実施の形態において、各角度θi 毎に取り込まれた1枚の2次元画像を1フィールド分の画像と呼ぶこととする。従って、角度θ1 からθ60までの入射光の角度の走査によって、60フィールド分の2次元画像が得られる。以下の説明では、この角度θ1 からθ60までの走査によって得られる2次元画像の集合体を、60空間フィールド分の画像と呼ぶものとする。60空間フィールド分の画像で一つの3次元静止画像が形成される。そのため、角度θ1 からθ60までの60空間フィールドを1空間フレームと呼ぶものとする。また、θ1 〜θ60の各角度毎の画像取り込みは、それぞれ、タイミングt1 〜t60において行われるものとする。
【0041】
角度θ1 からθ60までの60空間フィールド分の画像の取り込みが終了すると、次のタイミングt61〜t120 においてさらに角度θ1 からθ60までの60空間フィールド分の画像の取込みが行われる。以下同様にして、60空間フィールド分ずつの画像の取込みが繰り返される。そして、この繰り返しを60回行うことで、合計3600フィールド分の画像が得られる。このとき、ある角度θi に着目すると、タイミングti 〜t(i+60x59) において60フィールド分の画像が得られたことになる。なお、以下の説明では、各角度θiにおいてタイミングti 〜t(i+60x59) で得られる2次元画像を60時間フィールド分の画像と呼ぶものとする。
【0042】
ここで、角度θ1 からθ60までの入射光の角度の変化および60空間フィールド分の画像の取込みを1/60秒の時間で行うものとすると、入射光の角度変化の周期および画像取込み周期Δtは1/3600秒となり、1秒間で3600フィールド分の画像が得られることになる。
【0043】
次に、3次元画像撮影装置における偏向板11の構成の一例について説明する。図7は、偏向板11に用いる液晶素子の構成を示したものである。この液晶素子40は、高分子分散液晶(PDLC : Polymer Dispersed Liquid Crystal) または高分子・液晶複合体(Liquid Crystal Polymer Composite)と呼ばれる素子を用いて構成される。この高分子分散液晶素子は、高分子と液晶の複合体に電圧を加えて液晶分子の配列方向を電界の方向に揃え、高分子と液晶との屈折率のマッチングによる効果を利用して、見る方向によって白濁状態と透明状態とを切り換えることができる機能を有するものである。
【0044】
液晶素子40は、高分子材料41中に数ミクロン以下の針状の液晶分子42を分散させて形成した高分子・液晶複合層43と、この高分子・液晶複合層43の入射面および出射面に、高分子・液晶複合層43を挟んで互いに対向すると共に紙面と直交する方向に延びるように形成された微小幅のストライプ電極44,45とを備えている。なお、ストライプ電極44,45は、上記のようにストライプの方向(電極の長手方向)が互いに平行になるように配置してもよいが、例えば、ストライプの方向を直交させた、いわゆる単純マトリクス配置としてもよい。あるいは、TFT(薄膜トランジスタ)等を用いて構成されるアクティブマトリクス配置としてもよい。これらの場合には、偏向方向の制御を2方向について行うことが可能になる。
【0045】
ストライプ電極44,45は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜から形成され、図の紙面と直交する方向(縦方向)に延びている。ストライプ電極44とストライプ電極45との間には、所定の電圧が選択的に印加されるようになっている。図中における1Pxは、1画素分の領域を表している。ストライプ電極44,45の配列のピッチは、60個の角度θ1 〜θ60を実現し得る程度に、でき得る限り小さくされている。
【0046】
液晶分子42は、電圧が印加されていない状態では、高分子材料41中において液晶光軸(長軸)がランダムな方向を向いている。この状態では、液晶分子42の実効的な屈折率と高分子材料41の屈折率とは一致せず、液晶分子42と高分子材料41との界面での光散乱効果によって、高分子・液晶複合層43の全体が不透明な白色状態を呈する。一方、ストライプ電極44,45間に電圧が選択的に印加されると、これにより生ずる挟い電界の及ぶ範囲内において、液晶分子42の光軸方向が電界方向と一致して揃い、液晶分子42の見かけの屈折率は、液晶分子42の常光線に対応する値n0 となる。このため、高分子材料41として、その屈折率がn0 とほぼ等しいものを用いると、液晶分子42と高分子材料41との界面における屈折率の差がなくなり、電界方向においては光散乱効果が弱まって高分子・液晶複合層43が透明になる。すなわち、電界方向にのみ光が通過することとなる。
【0047】
ここで、例えば、高分子・液晶複合層43の厚さをL、ストライプ電極44,45の配列のピッチをpとする。この場合、高分子・液晶複合層43を通過する光の方向が高分子・液晶複合層43の面の法線に対してなす角度をδi、そのときのストライプ電極44,45間の水平方向のずれ量をピッチ数で表した値をni 、ストライプ電極44,45間の水平方向のずれ量を距離で表した値をdi とすると、
tanδi =di /L=p×ni /L
より、所定の角度δi を得るためのストライプ電極44,45間の水平方向のずれピッチ数ni は、次の式(1)で表される。ここに、i=1,2,…,60である。
【0048】
ni =L×tanδi /p…(1)
【0049】
図8は、上述の液晶素子40を用いた偏向板11の構成を示したものである。この図に示したように、3次元画像撮影装置における偏向板11としては、液晶素子40を2枚重ね合わせた構造のものが用いられる。以下、偏向板11における入射側の液晶素子40を符号40Aで表し、出射側の液晶素子40を符号40Bで表す。なお、図8では、ストライプ電極44,45の図示を省略している。液晶素子40A,40B間の界面は、光散乱面になっている。
【0050】
この偏向板11の駆動は、以下のようにして行われる。液晶素子40Aでは、通過する光の角度δi が、選択する入射光の角度θ1 〜θ60となるように、ストライプ電極44,45に対する電圧の印加が制御される。液晶素子40Aを通過した光は、液晶素子40A,40Bの間の光散乱面で散乱される。液晶素子40Bでは、液晶素子40Aを通過し、光散乱面で散乱された光のうち、液晶素子40Bの面に垂直な光のみが液晶素子40Bを通過するように、ストライプ電極44,45に対する電圧の印加が制御される。これにより、図8に示したように、角度θi で入射する光のみが、偏向板11を通過し、且つ偏向板11の面に対して垂直に出射される。
【0051】
図9は、入射光の角度がθ1のときの偏向板11の動作を示したものであり、図10は、入射光の角度がθ60のときの偏向板11の動作を示したものである。これらの図に示したように、各液晶素子40A,40Bにおけるストライプ電極44,45に対する電圧印加の制御は、電圧の印加される一対の電極間を結ぶ直線が偏向板11の面に対してなす角度をθi に保ったまま、電圧の印加される一対の電極を、例えば、図中の矢印で示したように図の左方から右方へと順次シフトさせるようにして行われる。より具体的には、入射面側に配列された各ストライプ電極45に対して次々と所定の時間間隔でパルス電圧を印加する走査(以下、電圧印加走査という。)に同期して、出射面側に配列された各ストライプ電極44に対して次々とパルス電圧を印加する電圧印加走査が行われる。その際、入射面側の電圧が印加されるストライプ電極45と出射面側の電圧が印加されるストライプ電極44との間には、角度θi に対応した水平ずれ距離が保たれるように制御が行われる。このような動作は、各画素に対応した各領域で同時に行われる。
【0052】
1つの角度θi についての電圧印加走査は、1/3600秒の時間周期で行われる。従って、角度θ1 からθ60までのすべての角度についての電圧印加走査に要する時間は1/60秒である。
【0053】
高分子・液晶複合層43は、例えば、高分子と液晶の溶液を基板上に塗布した後に溶媒を蒸発させる方法や、高分子材料のモノマーが重合して硬化する際に液晶が高分子材から析出して液晶小滴が形成されるという効果を利用する方法により形成されるが、この他の方法でも形成可能である。例えば、ポリビニルアルコール(PVA) 等の水溶液にネマティック液晶を分散して液晶小滴をマイクロカプセル化した構造のものや、液晶中に少量の高分子材料をゲル状に分散した構造のものであってもよい。なお、従来の高分子分散液晶では球状の液晶分子が用いられているが、本実施の形態のように指向性が必要とされる用途では、液晶分子の形状が上記したような針状であることが望ましい。このような針状の液晶を形成するには、例えば、均一な磁場中において液晶を析出させてマイクロカプセル化させる方法がある。この方法では、磁場方向における潮汐効果により、針状の液晶分子42が形成される。
【0054】
次に、図11を参照して、本実施の形態における3次元画像表示装置の構成について詳しく説明する。図11は、本実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像表示装置は、図2に示した構成の他に、LCD21に平行な照明光を供給する光源部50と、映像信号を入力し、この映像信号より同期信号を分離し、映像信号と同期信号とを出力する同期分離回路51と、この同期分離回路51より出力される映像信号を基に、信号処理を加えて画像信号を出力する信号処理回路52と、この信号処理回路52の出力信号を入力し、必要に応じて、後述する表示位置変換処理を行う表示位置変換回路53と、この表示位置変換回路53に対して、表示位置の移動量の情報を与えるための操作部54と、表示位置変換回路53の出力信号に基づいて、LCD21を駆動するLCD駆動回路55とを備えている。3次元画像表示装置は、更に、偏向板25を駆動する偏向板駆動回路56と、この偏向板駆動回路56に対して、選択する入射光の角度の空間的および時間的なパターンの情報を与える角度パターン発生回路57と、同期分離回路51より出力される同期信号を入力し、この同期信号に同期して、上記各回路の動作のタイミングを制御するタイミング制御回路58とを備えている。
【0055】
なお、LCD21は、モノクロ画像を形成するものでもよいし、カラー画像を形成するものでもよい。カラー画像を形成する場合には、LCD21としては、例えば、R,G,Bの各色フィルタを備えた単板式カラーフィルタ方式のものが用いられる。LCD21の液晶部分には、例えば、高速動作が可能な強誘電性液晶(FLC : Ferroelectric Liquod Crystal)が用いられる。また、光源部50およびLCD21の代わりに、白色光源と、この白色光源より出射される光をR,G,Bの各色に分離する、ダイクロイックミラーまたはダイクロイックプリズム等の色分離手段と、この色分離手段によって分離された各光を、それぞれR,G,B毎の画像信号に応じて空間的に変調する3枚のモノクロ用LCDと、各モノクロ用LCDによって変調されたR,G,Bの各光を合成して出射する合成手段とを設けてもよい。
【0056】
ここで、図11に示した3次元画像表示装置の動作について説明する。この3次元画像表示装置には、例えば図5に示した3次元画像撮影装置によって得られた映像信号が入力される。同期分離回路51は、入力された映像信号より同期信号を分離して、映像信号と同期信号とを出力する。映像信号は、信号処理回路52によって処理されて画像信号とされる。この画像信号は、必要に応じて表示位置変換回路53による表示位置変換処理が施されて、LCD駆動回路55に送られる。そして、このLCD駆動回路55によって、画像信号に基づいてLCD21が駆動される。
【0057】
光源部50より出射された平行な照明光は、LCD21によって空間的に変調される。これにより、2次元画像が形成される。LCD21の出射光は、集光レンズ22、ピンホール部材23のピンホールおよび集光レンズ24を経て、平行光束として偏向板25に入射する。
【0058】
偏向板駆動回路56は、偏向板25の出射光の角度が、一定の周期で順次変化するように、偏向板25を駆動する。ここで、偏向板25の出射光の角度は、LCD21によって形成される各2次元画像毎に、3次元画像撮影装置による撮影時における入射光の角度と一致するように制御される。このような角度の制御は、同期分離回路51によって分離された同期信号に基づいて、タイミング制御回路58によって行われる。
【0059】
図12は、LCD21が形成する2次元画像と偏向板25の出射光の角度との対応関係を示す説明図である。なお、ここでは、左右方向にのみ立体的な3次元画像を表示するものとする。そのため、図12に示したように、偏向板25の光の出射側に、上下方向に光を拡散する拡散板29が設けられている。図13は、集光レンズ24、偏向板25および拡散板29を示す斜視図である。この図に示したように、拡散板29は、偏向板25の光の出射光を、上下方向に所定の角度αで拡散するようになっている。
【0060】
図12に示したように、偏向板25の出射光の角度は、θ1 からθ60まで角度Δθ(=1度)間隔で変化する。LCD21は、各角度θi (i=1,2,…,60)毎に、その角度に対応した2次元画像を形成する。従って、角度θ1 からθ60までの出射光の角度の走査によって、60空間フィールド分の2次元画像がそれぞれ異なる方向に投影される。θ1 〜θ60の各角度毎の2次元画像の形成は、それぞれ、タイミングt1 〜t60において行われる。
【0061】
角度θ1 からθ60までの60空間フィールド分の画像の形成が終了すると、次のタイミングt61〜t120 においてさらに角度θ1 からθ60までの60空間フィールド分の画像の形成が行われる。以下同様にして、60空間フィールド分ずつの画像の形成が繰り返される。そして、この繰り返しを60回行うことで、合計3600フィールド分の2次元画像が投影される。
【0062】
次に、3次元画像表示装置における偏向板25の構成の一例について説明する。図14および図15は、偏向板25の構成を示したものである。これらの図に示したように、偏向板25は、1枚の液晶素子40によって構成されている。偏向板25の入射側の面は、光散乱面49になっている。従って、偏向板25に入射した光は、光散乱面49で散乱され、そのうちの選択された方向の光のみが液晶素子40を通過して出射される。
【0063】
この偏向板25では、出射光の角度が、順次θ1 〜θ60となるように、液晶素子40のストライプ電極44,45に対する電圧の印加が制御される。図14は、出射光の角度がθ1のときの偏向板25の動作を示したものであり、図15は、出射光の角度がθ60のときの偏向板25の動作を示したものである。これらの図に示したように、液晶素子40におけるストライプ電極44,45に対する電圧印加の制御は、電圧の印加される一対の電極間を結ぶ直線が偏向板25の面に対してなす角度をθi に保ったまま、電圧の印加される一対の電極を、例えば、図中の矢印で示したように図の左方から右方へと順次シフトさせるようにして行われる。より具体的には、入射面側に配列された各ストライプ電極44に対して次々と所定の時間間隔でパルス電圧を印加する電圧印加走査に同期して、出射面側に配列された各ストライプ電極45に対して次々とパルス電圧を印加する電圧印加走査が行われる。その際、入射面側の電圧が印加されるストライプ電極44と出射面側の電圧が印加されるストライプ電極45との間には、角度θi に対応した水平ずれ距離が保たれるように制御が行われる。このような動作は、各画素に対応した各領域で同時に行われる。
【0064】
1つの角度θi についての電圧印加走査は、1/3600秒の時間周期で行われる。従って、角度θ1 からθ60までのすべての角度についての電圧印加走査に要する時間は1/60秒である。
【0065】
なお、液晶分子42の配向作用はヒステリシスを有するため、電界が移動していった後でもその配向状態がある程度の時間保持される。したがって、このような配向が偏向板25の全面にわたって行われた後に、LCD21に1/3600秒周期で画像を表示させるようにすればよい。より具体的には、電圧印加走査の周期(=1/3600秒)に対するその実所要時間の比として定義される走査デューティ比を例えば50%以下とし、LCD21の表示周期(=1/3600秒)に対するその実表示時間の比として定義される表示デューティ比を同じく50%以下とすると、1/3600秒という時間内に、1回分の電圧印加走査とLCD21における1枚分の画像の表示とが行われることとなる。また、上記したようにストライプ電極44,45に代えてマトリクス電極を用いるようにした場合には、液晶分子42の配向方向を一旦ランダムに乱した後に、1画素分の領域中の一部の液晶分子42のみを角度θiに配向させるようにすることにより、中間階調の表示も実現可能となる。
【0066】
次に、図16を参照して、本実施の形態における表示位置変換処理の原理について説明する。図16は、図2と同様に、本実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示したものである。この図において、表示位置変換処理を行わない場合に表示される3次元画像を符号20Aで表し、この3次元画像20Aに対して前後方向に距離aだけ表示位置を移動する表示位置変換処理を行った場合に表示される3次元画像を符号20Bで表す。このような表示位置変換処理を行うには、偏向板25より光が角度θiで出射される2次元画像の位置を、偏向板25上で、2次元画像情報の面内方向、すなわち水平方向にbだけ移動すればよい。ただし、bは、以下の式(2)で表される値である。
【0067】
b=a×tanθi …(2)
【0068】
ここで、aは、3次元画像を観察者26に近づける場合に負の値をとり、遠ざかける場合に正の値をとるものとする。また、θiは、偏向板25からの出射光が図16における左側を向く場合に負の値をとり、右側を向く場合に正の値をとるものとする。また、bは、偏向板25上における2次元画像の位置を図16における右側に移動する場合に正の値をとり、左側に移動する場合に負の値をとるものとする。
【0069】
従って、3次元画像の表示位置の移動量aと、偏向板25からの出射光の角度θiに応じて、偏向板25に投影される2次元画像の位置をbだけずらすことにより、3次元画像の表示位置を移動させることができる。なお、偏向板25に投影される2次元画像の位置をbだけずらすには、LCD21上における2次元画像の位置を、bに対して一定の比率を掛けた値、すなわちbに比例した値だけ水平方向にずらせばよい。なお、垂直方向(縦方向)にも視野角を有する立体映像を得る場合には、垂直方向も同様の変換を行う。
【0070】
図5における表示位置変換回路33および図11における表示位置変換回路53は、上述の原理に基づいて3次元画像の表示位置を変換するために、2次元画像の位置を水平方向にずらす処理を行う。
【0071】
図17は、表示位置変換回路33,53の構成の一例を示すブロック図である。ここでは、表示位置変換回路33,53に入力される画像信号がディジタル信号であるものとする。表示位置変換回路33,53は、入力画像信号を、2次元画像単位で記憶するフレームメモリ61と、このフレームメモリ61の書き込みアドレスおよび読み出しアドレスを制御する書き込み・読み出しアドレス制御回路62とを有している。書き込み・読み出しアドレス制御回路62には、操作部34,54から、表示位置の移動量の情報が与えられるようになっている。また、書き込み・読み出しアドレス制御回路62には、タイミング制御回路38,58よりタイミング信号が与えられるようになっている。
【0072】
この表示位置変換回路33,53では、入力画像信号は、書き込み・読み出しアドレス制御回路62の制御により、フレームメモリ61に書き込まれた後、読み出されて、後段に出力される。ここで、書き込み・読み出しアドレス制御回路62は、操作部34,54より与えられる表示位置の移動量の情報とタイミング制御回路38,58よりタイミング信号とに基づいて、2次元画像の位置のずれ量を求める。表示位置の移動量の情報は、式(2)における移動量aに対応する値を提供する。タイミング信号は、式(2)における角度θiの情報を提供する。そして、書き込み・読み出しアドレス制御回路62は、入力画像信号によって表される2次元画像の位置に対して、出力画像信号によって表される2次元画像の位置が、求めたずれ量だけずれるように、書き込みアドレスと読み出しアドレスとを制御する。書き込み・読み出しアドレス制御回路62は、本発明における移動量算出手段に対応し、フレームメモリ61および書き込み・読み出しアドレス制御回路62は、本発明における位置変更手段に対応する。
【0073】
なお、入力画像信号がアナログ信号の場合には、アナログ−ディジタル変換した後に、フレームメモリ61に記憶させるようにする。
【0074】
このような表示位置変換処理は、図5に示した3次元画像撮影装置における表示位置変換回路33で行ってもよいし、図11に示した3次元画像表示装置における表示位置変換回路53で行ってもよい。従って、表示位置変換回路33,53の一方を省略してもよい。
【0075】
次に、図18および図19を参照して、より効果的な3次元画像の撮影および表示の方法の一例を説明する。図18は、図1と同様に3次元画像撮影装置の概略の構成を示し、図19は、図2と同様に3次元画像表示装置の概略の構成を示している。図18では、撮影対象物としての物体10の後側に、ミラー70を配置している。この場合、ミラー70には、物体10の後側の面が映し出される。3次元画像撮影装置によって、これら物体10およびミラー70を撮影し、得られた2次元画像情報を3次元画像表示装置に与えて3次元画像を表示させると、図19に示したように、観察者26から見て、物体10の3次元画像20の後側に、ミラー70の3次元画像71が表示される。そして、このミラー70の3次元画像71には、物体10の後側の面の像が映し出される。観察する方向によって物体10の3次元画像20の見え方が変化するように、観察する方向によって、ミラー70の3次元画像71において映し出される物体10の後側の面の像の見え方も変化する。従って、ミラー70を設けない場合に比べて、より立体感の増した3次元画像の表示を実現することができる。
【0076】
更に、表示位置変換処理によって、ミラー70の3次元画像71における鏡面の位置が、偏向板25の表面の位置と一致するように、3次元画像の表示位置の変換を行えば、偏向板25の表面が鏡面のように見え、より効果的である。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態における3次元画像撮影装置および方法によれば、撮影方向を順次変化させながら、一つの撮影手段によって物体を撮影して、撮影方向の異なる複数の2次元画像情報を得るようにしたので、空間に物体の3次元画像を表示するために必要な画像情報を、簡単な構成で、得ることができる。
【0078】
また、本実施の形態における3次元画像撮影装置および方法によれば、一つの撮影手段によって物体を連続的に撮影することができるので、物体が動く物であっても、空間に物体の3次元画像を、動くように表示するために必要な画像情報を、簡単な構成で、得ることができる。従って、本実施の形態に係る3次元画像撮影装置および方法によれば、真の意味での立体動画表示を、簡単な構成で実現することが可能となる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、表示位置変換回路33,53を付加するだけの簡単な構成と、2次元画像の位置をずらすだけの簡単な処理で、3次元画像の表示位置を変換することができ、3次元画像を空間上の所望の位置に表示させることが可能となる。
【0080】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、一つの撮影手段を移動させることによって、撮影方向を順次変化させながら、一つの撮影手段によって物体を撮影して、撮影方向の異なる複数の2次元画像情報を得るようにした例である。
【0081】
始めに、図20および図21を参照して、本実施の形態における3次元画像の撮影と表示の原理について説明する。
【0082】
図20は本実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像撮影装置は、集光レンズ12と、この集光レンズ12の一方の面側に順に配置されたピンホール部材13、集光レンズ14およびCCD15とを備えている。本実施の形態では、ピンホール部材13、集光レンズ14およびCCD15を、カメラ110と言う。カメラ110は、後述するカメラ駆動装置によって、水平方向に揺動されるようになっている。なお、カメラ110の揺動の中心位置は、集光レンズ12の光軸の延長上になっている。
【0083】
この3次元画像撮影装置では、集光レンズ12におけるピンホール部材13とは反対側の面が、撮影対象物としての物体10に向けられるようになっている。集光レンズ12は、物体10側より垂直に平行光が入射したときに、出射光がピンホール部材13のピンホールの位置で最も小径となるように、光を集光するようになっている。集光レンズ14は、ピンホールを通過して拡散する光を集光して、CCD15の撮像面上に、物体10の像を結像するようになっている。
【0084】
ここで、図20に示した3次元画像撮影装置の作用について説明する。カメラ110は、水平方向に揺動される。カメラ110が揺動の中心位置にあるときには、物体10からの光のうち、集光レンズ12に垂直に入射する光による像のみがCCD15に結像される。カメラ110が揺動の中心位置にないときには、物体10からの光のうち、集光レンズ12に所定の角度で斜めに入射する光による像のみがCCD15の撮像面上に結像される。ここで、所定の角度は、カメラ110の位置に応じて変化する。
【0085】
このように、図20に示した3次元画像撮影装置では、一つの撮影手段(カメラ110)によって物体10が撮影されて、物体10の2次元画像情報が生成されると共に、撮影方向が順次変化させられる。従って、CCD15より出力される画像情報は、時間と共に撮影方向が変化する2次元画像情報となり、これは、空間に物体の3次元画像を表示するために必要な画像情報となる。
【0086】
図21は本実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像表示装置は、2次元画像情報に基づいて、通過する光を空間的に変調する空間光変調器としての透過型のLCD21と、このLCD21の光の出射側に順に配置された集光レンズ22、ピンホール部材23および集光レンズ24を備えている。本実施の形態では、LCD21に照明光を与える後述する光源部、LCD21、集光レンズ22およびピンホール部材23を、プロジェクタ120と言う。プロジェクタ120は、後述するプロジェクタ駆動装置によって、水平方向に揺動されるようになっている。なお、プロジェクタ120の揺動の中心位置は、集光レンズ24の光軸の延長上になっている。
【0087】
集光レンズ22は、LCD21の出射光を、ピンホール部材23のピンホールの位置で最も小径となるように集光するようになっている。集光レンズ24は、ピンホールを通過した光を平行光とするようになっている。
【0088】
ここで、図21に示した3次元画像表示装置の作用について説明する。LCD21は、図20に示した3次元画像撮影装置によって得られた2次元画像情報に基づいて、光を空間的に変調する。LCD21によって変調された光は、集光レンズ22によって集光され、ピンホール部材23のピンホールを通過し、集光レンズ24によって平行光とされて出射される。プロジェクタ120は、水平方向に揺動されるので、集光レンズ24より出射される光の方向は順次変化する。ここで、プロジェクタ120は、集光レンズ24からの出射光の角度が撮影時における入射光の角度と一致するように、揺動される。
【0089】
このように、図21に示した3次元画像表示装置では、図20に示した3次元画像撮影装置によって得られ、撮影方向が変化する2次元画像情報に基づいて、LCD21によって光が変調されて、2次元画像が再生される。この2次元画像は、撮影時における入射光の角度と一致する角度で、集光レンズ24より投射される。これにより、空間上に、物体10の3次元画像20が形成される。
【0090】
次に、図22を参照して、本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成について詳しく説明する。図22は、本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像撮影装置は、図20に示した構成の他に、CCD15を駆動するCCD駆動回路31と、CCD15の出力信号を処理して、画像信号を出力する信号処理回路32と、この信号処理回路32の出力信号を入力し、必要に応じて、表示位置変換処理を行う表示位置変換回路33と、この表示位置変換回路33に対して、表示位置の移動量の情報を与えるための操作部34と、表示位置変換回路33の出力に同期信号を重畳して、映像信号として出力する出力回路35とを備えている。3次元画像撮影装置は、更に、カメラ110を揺動するためのカメラ駆動装置111と、このカメラ駆動装置111を制御するためのカメラ駆動回路112と、このカメラ駆動回路112を制御するためのカメラ制御回路113と、上記各回路の動作のタイミングを制御するタイミング制御回路38とを備えている。
【0091】
ここで、図22に示した3次元画像撮影装置の動作について説明する。カメラ駆動回路112およびカメラ駆動装置111は、カメラ110の撮影方向が順次変化するように、カメラ110を揺動する。CCD駆動回路31は、所定の複数の撮影方向毎に、1枚の2次元画像情報が得られるように、カメラ110の揺動に同期してCCD15を駆動する。CCD15の出力信号は、信号処理回路32によって処理されて画像信号とされる。この画像信号は、必要に応じて表示位置変換回路33による表示位置変換処理が施されて、出力回路35に送られる。そして、この出力回路35より映像信号が出力される。また、カメラ駆動装置111は、カメラ110における光学系等を駆動して、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等を行う機能も有している。これらの機能は、カメラ駆動回路112を介して、カメラ制御回路113によって制御される。カメラ制御回路113は、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等の情報を、制御信号として出力回路35に送る。出力回路35は、この制御信号を、時間に対応づけて、映像信号と共に外部に出力する。
【0092】
次に、図23を参照して、本実施の形態における3次元画像表示装置の構成について詳しく説明する。図23は、本実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像表示装置は、図21に示した構成の他に、LCD21に平行な照明光を供給する光源部50と、映像信号を入力し、この映像信号より同期信号を分離し、映像信号と同期信号とを出力する同期分離回路51と、この同期分離回路51より出力される映像信号を画像信号を出力する信号処理回路52と、この信号処理回路52の出力信号を入力し、必要に応じて、表示位置変換処理を行う表示位置変換回路53と、この表示位置変換回路53に対して、表示位置の移動量の情報を与えるための操作部54と、表示位置変換回路53の出力信号に基づいて、LCD21を駆動するLCD駆動回路55とを備えている。3次元画像表示装置は、更に、プロジェクタ120を揺動するためのプロジェクタ駆動装置121と、このプロジェクタ駆動装置121を制御するためのプロジェクタ駆動回路122と、外部より入力される制御信号に基づいて、プロジェクタ駆動回路122を制御するためのプロジェクタ制御回路123と、同期分離回路51より出力される同期信号を入力し、この同期信号に同期して、上記各回路の動作のタイミングを制御するタイミング制御回路58とを備えている。
【0093】
ここで、図23に示した3次元画像表示装置の動作について説明する。この3次元画像表示装置には、例えば図22に示した3次元画像撮影装置によって得られた映像信号が入力される。同期分離回路51は、入力された映像信号より同期信号を分離して、映像信号と同期信号とを出力する。映像信号は、信号処理回路52によって処理されて画像信号とされる。この画像信号は、必要に応じて表示位置変換回路53による表示位置変換処理が施されて、LCD駆動回路55に送られる。そして、このLCD駆動回路55によって、画像信号に基づいてLCD21が駆動される。
【0094】
光源部50より出射された平行な照明光は、LCD21によって空間的に変調される。これにより、2次元画像が形成される。LCD21の出射光は、集光レンズ22、ピンホール部材23のピンホールおよび集光レンズ24を経て出射される。
【0095】
プロジェクタ駆動回路122およびプロジェクタ駆動装置121は、集光レンズ24の出射光の方向が順次変化するように、プロジェクタ120を揺動する。ここで、集光レンズ24の出射光の角度は、LCD21によって形成される各2次元画像毎に、図22に示した3次元画像撮影装置による撮影時における入射光の角度と一致するように制御される。このような角度の制御は、同期分離回路51によって分離された同期信号に基づいて、タイミング制御回路58によって行われる。また、プロジェクタ駆動装置121は、プロジェクタ120の光学系等を駆動して、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整等を行う機能も有している。これらの機能は、プロジェクタ駆動回路122を介して、プロジェクタ制御回路123によって制御されるようになっている。プロジェクタ制御回路123は、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等の情報を、制御信号として外部より入力し、この制御信号に基づいて、プロジェクタ120におけるフォーカス調整、ズーミング、絞り調整等を行う。これにより、撮影時におけるカメラ110と物体との間の距離に応じた位置にフォーカスを合わせて物体の3次元画像を表示したり、撮影時におけるズーミングの条件に合わせてズーミングを行ったり、撮影時における絞り調整、シャッタースピード調整等の条件に合わせて被写界深度の設定を行ったりすることが可能となり、よりリアルな3次元画像表示が可能となる。なお、表示位置変換処理を行った場合には、変換後の位置に合わせてフォーカス情報も変更する。
【0096】
なお、本実施の形態では、カメラ110およびプロジェクタ120を水平方向に揺動するようにしたが、縦方向(垂直方向)にも視野角を有する立体映像を得るために、これらを水平方向および垂直方向に揺動する(例えば2次元運動させる)ようにしてもよい。
【0097】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0098】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、光学系の一部を移動させることによって、撮影方向を順次変化させながら、一つの撮影手段によって物体を撮影して、撮影方向の異なる複数の2次元画像情報を得るようにした例である。
【0099】
始めに、図24および図25を参照して、本実施の形態における3次元画像の撮影と表示の原理について説明する。
【0100】
図24は本実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像撮影装置は、集光レンズ12と、この集光レンズ12の一方の面側に順に配置されたピンホール部材13、集光レンズ14およびCCD15とを備えている。本実施の形態では、集光レンズ12は、後述するレンズ駆動装置によって、水平方向に揺動されるようになっている。なお、集光レンズ12の揺動の中心位置は、集光レンズ14の光軸の延長上になっている。
【0101】
この3次元画像撮影装置では、一つの撮影手段によって物体10が撮影されて、物体10の2次元画像情報が生成されると共に、集光レンズ12が水平方向に揺動することにより、撮影方向が順次変化させられる。従って、CCD15より出力される画像情報は、時間と共に撮影方向が変化する2次元画像情報となり、これは、空間に物体の3次元画像を表示するために必要な画像情報となる。
【0102】
図25は本実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。本実施の形態における3次元画像表示装置は、2次元画像情報に基づいて、通過する光を空間的に変調する空間光変調器としての透過型のLCD21と、このLCD21の光の出射側に順に配置された集光レンズ22、ピンホール部材23および集光レンズ24を備えている。本実施の形態では、集光レンズ24は、後述するレンズ駆動装置によって、水平方向に揺動されるようになっている。なお、集光レンズ24の揺動の中心位置は、集光レンズ22の光軸の延長上になっている。
【0103】
この3次元画像表示装置では、LCD21は、図24に示した3次元画像撮影装置によって得られた2次元画像情報に基づいて、光を空間的に変調する。LCD21によって変調された光は、集光レンズ22によって集光され、ピンホール部材23のピンホールを通過し、集光レンズ24によって平行光とされて出射される。集光レンズ24は、水平方向に揺動されるので、集光レンズ24より出射される光の方向は順次変化する。ここで、集光レンズ24は、集光レンズ24からの出射光の角度が撮影時における入射光の角度と一致するように、揺動される。
【0104】
このように、図25に示した3次元画像表示装置では、図24に示した3次元画像撮影装置によって得られ、撮影方向が変化する2次元画像情報に基づいて、LCD21によって光が変調されて、2次元画像が再生される。この2次元画像は、撮影時における入射光の角度と一致する角度で、集光レンズ24より投射される。これにより、空間上に、物体10の3次元画像20が形成される。
【0105】
図26は、本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像撮影装置は、図22に示した3次元画像撮影装置におけるカメラ駆動装置111およびカメラ駆動回路112の代わりに、集光レンズ12を揺動するためのレンズ駆動装置131と、このレンズ駆動装置131を制御するためのレンズ駆動回路132とを備えたものである。この3次元画像撮影装置は、更に、3次元画像撮影装置の光学系等を駆動して、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等を行う調整部134と、この調整部134を制御するカメラ制御回路133とを備えている。カメラ制御回路113は、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等の情報を、制御信号として出力回路35に送る。出力回路35は、この制御信号を、時間に対応づけて、映像信号と共に外部に出力する。
【0106】
図27は、本実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。この3次元画像表示装置は、図23に示した3次元画像表示装置におけるプロジェクタ駆動装置121およびプロジェクタ駆動回路122の代わりに、集光レンズ24を揺動するためのレンズ駆動装置141と、このレンズ駆動装置141を制御するためのレンズ駆動回路142とを備えたものである。この3次元画像表示装置は、更に、3次元画像表示装置の光学系等を駆動して、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整等を行う調整部144と、この調整部144を制御するプロジェクタ制御回路143とを備えている。プロジェクタ制御回路123は、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整、シャッタースピード調整等の情報を、制御信号として外部より入力し、この制御信号に基づいて、フォーカス調整、ズーミング、絞り調整等を行う。
【0107】
なお、本実施の形態では、集光レンズ12,24を水平方向に揺動するようにしたが、縦方向(垂直方向)にも視野角を有する立体映像を得るために、これらを水平方向および垂直方向に揺動する(例えば2次元運動させる)ようにしてもよい。
【0108】
また、本実施の形態では、光学系の一部として、集光レンズ12,24を水平方向に揺動するようにしたが、図28および図29に示すように、他の光学部材を移動させることによって、2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させるようにしてもよい。
【0109】
図28は、2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させるための光学部材の一例を示す説明図である。この光学部材151は、ガラス等の透明な平板からなり、光の進行方向に対して直交する軸152を中心にして揺動するようになっている。この光学部材151を通過する光は、光学部材151の位置に応じて、水平方向に揺動する。従って、この光学部材151を、3次元画像撮影装置および3次元画像表示装置の光学系に挿入することにより、2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させることが可能となる。
【0110】
図29は、2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させるための光学部材の他の例を示す説明図である。この光学部材は、入射する光の進行方向を90度変化させて反射するミラー153と、このミラー153に入射した光が反射されて進行する方向に配置され、入射する光の進行方向を90度変化させて反射するミラー154と、このミラー154をその反射面に垂直な方向に往復運動させるためのボイスコイルモータ155とを有している。なお、ミラー153の反射面とミラー154の反射面は平行になっている。この光学部材を通過する光は、ボイスコイルモータ155によって駆動されるミラー154の位置に応じて、水平方向に揺動する。従って、この光学部材を、3次元画像撮影装置および3次元画像表示装置の光学系に挿入することにより、2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させることが可能となる。
【0111】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
【0112】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、3次元画像の撮影時には、画素毎に異なる撮影方向を設定して1枚の2次元画像情報を生成すると共に、各画素毎の撮影方向を順次変化させて、連続的に2次元画像情報を生成する。また、本実施の形態では、3次元画像の表示時には、上述のようにして得られた連続的な2次元画像情報を、各画素毎に、撮影時における撮影方向に対応した方向に投射することによって、3次元画像を形成する。
【0113】
始めに、図30ないし図35を参照して、本実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットについて説明する。なお、以下の説明では、水平方向N画素、垂直方向M画素の2次元画像を、N×M画素の2次元画像と表現する。本実施の形態では、3次元画像撮影装置における2次元画像情報の撮影手段の解像度および3次元画像表示装置における2次元画像情報の投射手段の解像度が640×480画素であり、すなわち、2次元画像が640×480画素で構成されるものとする。撮影方向および投射方向は、θ1〜θ60の60方向とする。なお、図30ないし図35において、図中の数字1〜60は、それぞれ方向θ1〜θ60を表している。また、本実施の形態では、5つの空間フィールドで一つの空間フレームが形成される。一つの空間フレームは、一つの3次元静止画像を形成する。また、12個の空間フレームによって1秒間の3次元画像が形成される。
【0114】
また、本実施の形態では、640×480画素の2次元画像領域を、水平方向160個、垂直方向160個の小領域に分割する。小領域は、4×3画素で構成される。
【0115】
図30は、第1空間フレームFm1を構成する第1空間フィールドFd1ないし第5空間フィールドFd5を示したものである。図中の4×3画素の領域が小領域を表している。各小領域中の各画素毎の方向を走査方向順に見ていくと、第1空間フレームFm1の第1空間フィールドFd1では、各小領域中の各画素毎の方向がθ1〜θ12に設定されている。第2空間フィールドFd2では、各小領域中の各画素毎の方向がθ13〜θ24に設定されている。第3空間フィールドFd3では、各小領域中の各画素毎の方向がθ25〜θ36に設定されている。第4空間フィールドFd4では、各小領域中の各画素毎の方向がθ37〜θ48に設定されている。第5空間フィールドFd5では、各小領域中の各画素毎の方向がθ49〜θ60に設定されている。
【0116】
図31は、第2空間フレームFm2を構成する第1空間フィールドFd1ないし第5空間フィールドFd5を示したものである。図中の4×3画素の領域が小領域を表している。各小領域中の各画素毎の方向を走査方向順に見ていくと、第2空間フレームFm2の第1空間フィールドFd1では、各小領域中の各画素毎の方向がθ2〜θ12,θ1に設定されている。第2空間フィールドFd2では、各小領域中の各画素毎の方向がθ14〜θ24,θ13に設定されている。第3空間フィールドFd3では、各小領域中の各画素毎の方向がθ26〜θ36,θ25に設定されている。第4空間フィールドFd4では、各小領域中の各画素毎の方向がθ38〜θ48,θ37に設定されている。第5空間フィールドFd5では、各小領域中の各画素毎の方向がθ50〜θ60,θ49に設定されている。
【0117】
図32は、第3空間フレームFm3を構成する第1空間フィールドFd1ないし第5空間フィールドFd5を示したものである。図中の4×3画素の領域が小領域を表している。各小領域中の各画素毎の方向を走査方向順に見ていくと、第3空間フレームFm3の第1空間フィールドFd1では、各小領域中の各画素毎の方向がθ3〜θ12,θ1,θ2に設定されている。第2空間フィールドFd2では、各小領域中の各画素毎の方向がθ15〜θ24,θ13,θ14に設定されている。第3空間フィールドFd3では、各小領域中の各画素毎の方向がθ27〜θ36,θ25,θ26に設定されている。第4空間フィールドFd4では、各小領域中の各画素毎の方向がθ39〜θ48,θ37,θ38に設定されている。第5空間フィールドFd5では、各小領域中の各画素毎の方向がθ51〜θ60,θ49,θ50に設定されている。
【0118】
以下、同様に、各空間フィールドFd1〜Fd5において各小領域に割り当てられる方向の組み合わせは同じであるが、空間フレームが一つ進む毎に、各小領域内において、各方向が割り当てられる画素が走査方向に1画素ずつずれる。
【0119】
図33は、第12空間フレームFm12を構成する第1空間フィールドFd1ないし第5空間フィールドFd5を示したものである。図中の4×3画素の領域が小領域を表している。各小領域中の各画素毎の方向を走査方向順に見ていくと、第12空間フレームFm3の第1空間フィールドFd1では、各小領域中の各画素毎の方向がθ12,θ1〜θ11に設定されている。第2空間フィールドFd2では、各小領域中の各画素毎の方向がθ24,θ13〜θ23に設定されている。第3空間フィールドFd3では、各小領域中の各画素毎の方向がθ36,θ25〜θ35に設定されている。第4空間フィールドFd4では、各小領域中の各画素毎の方向がθ48,θ37〜θ47に設定されている。第5空間フィールドFd5では、各小領域中の各画素毎の方向がθ60,θ49〜θ59に設定されている。
【0120】
なお、図30ないし図33では、ある方向が割り当てられる画素がどのように変化するかが分かるようにするために、方向θ12,θ24,θ36,θ48,θ60が割り当てられる画素を四角で囲って表している。
【0121】
図34および図35は、一つの小領域中の各画素に割り当てられる方向を表したものである。図34は、第1空間フレームFm1〜第6空間フレームFm6を表し、図35は、第7空間フレームFm7〜第12空間フレームFm12を表している。
【0122】
本実施の形態における3次元画像撮影装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態では、角度パターン発生回路37は、上述のフォーマットに従って、各画素毎の方向を表す角度パターンを発生し、偏向板駆動回路36に供給する。偏向板駆動回路36は、供給される角度パターンに従って、偏向板11の各画素毎に、入射光の角度を設定する。
【0123】
本実施の形態における3次元画像表示装置の構成は、図11と同様である。本実施の形態では、角度パターン発生回路57は、上述のフォーマットに従って、各画素毎の方向を表す角度パターンを発生し、偏向板駆動回路56に供給する。偏向板駆動回路56は、供給される角度パターンに従って、偏向板25の各画素毎に、出射光の角度を設定する。
【0124】
2次元画像の表示時における角度パターンは、2次元画像毎に、撮影時における角度パターンと一致していなければならない。これは、映像信号中に含まれる同期信号に基づいて、2次元画像の空間フレームおよび空間フィールドの変化とと角度パターンの変化を同期させることで実現することができる。
【0125】
以上説明したように、本実施の形態では、5個の空間フィールドからなる一つの空間フレームで3次元静止画像が形成される。一つの空間フィールドでは、12個の方向について、160×160画素の解像度の静止画が同時に形成される。そして、5個の空間フィールド、すなわち一つの空間フレームによって、60個の全方向について、160×160画素の解像度の静止画が形成される。従って、一つの空間フレームによって、160×160画素の解像度の3次元画像を表示することができる。更に、12個の空間フレームによって、60個の全方向について、640×480画素の解像度、すなわち最大解像度で、3次元画像を表示することができる。しかも、ある一方向からは、ほぼ完全な、60フィールド/秒の3次元動画像を観察することが可能である。
【0126】
本実施の形態では、各空間フィールドによって、60個の全方向のうちの12個の方向ずつの画像を形成し、5個の空間フィールド(すなわち、一つの空間フレーム)によって、60個の全方向の画像を形成するようにしている。また、本実施の形態では、各空間フレームによって、160×160画素の解像度の3次元画像を形成するが、フレーム毎に、各方向が割り当てられる画素を変えている。これにより、12個の空間フレームによって、640×480画素の解像度の3次元画像が形成される。従って、本実施の形態では、3次元画像を表示するために必要な情報を、時間的および空間的なインターレース方式によって構成しているとも言える。
【0127】
本実施の形態によれば、1秒当たりのフィールド数を少なくしながら、画像更新の周期および解像度の点で観察に耐えられる3次元動画表示が可能となる。
【0128】
なお、本実施の形態では、5個の空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、12個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成するようにしたが、以下のような種々の変更が可能である。
【0129】
例えば、4個の空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、15個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、小領域を5×3画素とし、一つの空間フィールドにおいて一つの方向に128×160画素の解像度の2次元静止画を投影することになる。
【0130】
また、3個の空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、20個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、小領域を5×4画素とし、一つの空間フィールドにおいて一つの方向に128×120画素の解像度の2次元静止画を投影することになる。
【0131】
また、2個の空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、30個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、小領域を5×6画素とし、一つの空間フィールドにおいて一つの方向に128×80画素の解像度の2次元静止画を投影することになる。
【0132】
また、一つの空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、60個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、小領域を10×6画素とし、一つの空間フィールドにおいて一つの方向に64×80画素の解像度の2次元静止画を投影することになる。
【0133】
なお、本実施の形態では、1秒当たりの空間フィールド数を60としたが、これをもっと多くすれば、動きがより円滑な3次元動画表示が可能となる。例えば、1秒当たりの空間フィールド数を120とすれば、1秒間に、本実施の形態で説明した60フィールド分の角度パターンの変化を2回繰り返すことができ、動きをより円滑に表現することが可能となる。
【0134】
また、本実施の形態では、2次元画像が640×480画素で構成されるものとしたが、画素数をもっと多くすれば、より精密な(きめの細かい)3次元画像表示が可能となる。例えば、2次元画像が1024×768画素で構成される場合を考える。この場合、空間を所定角度毎に60個に分割すると共に、60個のフィールドで3次元画像を形成するとすると、例えば、小領域を4×3画素とし、1024×768画素の画像領域を、256×256の小領域に分割する。また、例えば、5個の空間フィールドで一つの空間フレームを形成し、12個の空間フレーム(60個の空間フィールド)で1秒間の3次元画像を形成する。なお、小領域の大きさを変えてもよいし、空間分解能の向上のためや視野角の向上のために、空間を所定角度毎に分割する分割数を増やしてもよいし、1秒当たりのフィールド数を増やしてもよい。
【0135】
2次元画像が1024×768画素で構成され、1秒当たりのフィールド数が120であれば、かなり精密で動きの滑らかな3次元動画表示が可能となる。その実現には、CCDやLCDに対して、1024×768画素の画素数が要求されると共に、120フィールド/秒のような高レートが要求される。しかし、これは、近年のCCDやLCDの画素数の増加や、ノンインターレース方式対応のCCDの技術等から、十分実現が可能である。
【0136】
また、本実施の形態において、表示位置変換処理を実行する場合には、画素毎に撮影方向および投射方向が異なる60空間フィールド分の2次元画像情報を、60個の各撮影方向および投射方向毎の2次元画像情報に変換した後、変換後の2次元画像情報に対して表示位置変換処理を行い、その後、画素毎に撮影方向および投射方向が異なる60空間フィールド分の2次元画像情報に変換するようにすればよい。
【0137】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0138】
〔第5の実施の形態〕
次に、図36を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明をテレビ会議システムに適用した例である。図36は、本実施の形態におけるテレビ会議システムの構成を示す説明図である。このテレビ会議システムは、2つの3次元画像撮影表示装置201,202を備えている。2つの3次元画像撮影表示装置201,202は、信号を双方向に伝送する信号伝送路203を介して接続されている。
【0139】
3次元画像撮影表示装置201,202は、3次元画像撮影装置と3次元画像表示装置とを一体化した装置である。3次元画像撮影表示装置201,202では、図1に示した3次元画像撮影装置における集光レンズ12とピンホール部材13との間に、ハーフミラー211が配置されている。このハーフミラー211は、その反射面の法線が、3次元画像撮影装置の光学系の光軸に対して45度をなすように配置されている。そして、集光レンズ12からの光がハーフミラー211で反射して進行する方向に、3次元画像表示装置のピンホール部材23、集光レンズ22およびLCD21が配置されている。なお、図示しないが、3次元画像撮影表示装置201,202の回路構成は、3次元画像撮影装置における回路と3次元画像表示装置における回路とを併せ持ったものとなっている。また、3次元画像撮影表示装置201,202に含まれる3次元画像撮影装置および3次元画像表示装置の構成は、第1ないし第4の実施の形態のうちのいずれの実施の形態の構成でもよい。
【0140】
次に、本実施の形態におけるテレビ会議システムの動作について説明する。3次元画像撮影表示装置201,202では、3次元画像の撮影と表示が同時に行われる。すなわち、偏向板11では、撮影方向と2次元画像情報の投射方向とが同時に選択される。偏向板11に入射した光は、集光レンズ12、ハーフミラー211、ピンホール部材13、集光レンズ14を経て、CCD15に入射する。LCD21からの光は、集光レンズ22、ピンホール部材23、ハーフミラー211、集光レンズ12を経て、偏向板11によって投射される。
【0141】
ここで、例えば、3次元画像撮影表示装置201では物体220を撮影し、3次元画像撮影表示装置202では物体230を撮影するものとする。3次元画像撮影表示装置201は、CCD15の出力信号を信号処理して、映像信号を生成する。この映像信号は、信号伝送路203を介して3次元画像撮影表示装置202に伝送される。そして、3次元画像撮影表示装置202において、伝送された映像信号に基づいてLCD21によって2次元画像情報が形成され、この2次元画像情報が偏向板11によって選択された方向に投射される。これにより、3次元画像撮影表示装置202によって、物体220の3次元画像221が表示される。
【0142】
同様に、3次元画像撮影表示装置202は、CCD15の出力信号を信号処理して、映像信号を生成する。この映像信号は、信号伝送路203を介して3次元画像撮影表示装置201に伝送される。そして、3次元画像撮影表示装置201において、伝送された映像信号に基づいてLCD21によって2次元画像情報が形成され、この2次元画像情報が偏向板11によって選択された方向に投射される。これにより、3次元画像撮影表示装置201によって、物体230の3次元画像231が表示される。
【0143】
物体220,230が共に人である場合には、3次元画像撮影表示装置201側にいる人は、3次元画像撮影表示装置202側にいる人の3次元画像を観察することができ、3次元画像撮影表示装置202側にいる人は、3次元画像撮影表示装置201側にいる人の3次元画像を観察することができる。
【0144】
従って、本実施の形態におけるテレビ会議システムによれば、相手の顔の3次元画像を間近に見ながらテレビ会議を行うことができ、臨場感のあるテレビ会議を行うことができる。また、このシステムによれば、3次元画像の撮影のための光の入射部と3次元画像の表示のための光の出射部が共通化されているので、相手の顔の3次元画像が正面に表示される。従って、相手の眼を見ながら話しをすることができ、より臨場感のあるテレビ会議を行うことができる。
【0145】
なお、本実施の形態における3次元画像撮影表示装置を3つ以上の場所に設置し、相互に信号伝送路を介して接続し、各3次元画像撮影表示装置において、他の3次元画像撮影表示装置から送られてくる映像信号を切り替えて表示、あるいは合成して表示することにより、3箇所以上の間でテレビ会議を行うことも可能である。
【0146】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1ないし第4の実施の形態と同様である。
【0147】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、3次元画像撮影装置において2次元画像を撮影する手段には、CCD以外の他の撮像素子を用いてもよい。また、3次元画像表示装置において2次元画像を表示する手段には、LCD以外の他の表示素子を用いてもよい。
【0148】
また、3次元画像撮影装置における入射光の方向や3次元画像表示装置における出射光の方向を変化させる手段としては、上記各実施の形態で用いた手段に限らず、例えば、回転するプリズムや、回転するミラー等を用いてもよい。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の3次元画像表示位置変換装置または3次元画像表示位置変換方法によれば、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムにおいて、3次元画像の位置の移動量の情報と観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を移動量だけ移動するために必要な、2次元画像情報の位置の面内方向の移動量を求め、求められた移動量だけ、2次元画像情報の位置を変更するようにしたので、容易に、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における3次元画像撮影装置と3次元画像表示装置の位置関係を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における3次元画像撮影装置と3次元画像表示装置の位置関係を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5における偏向板が選択する入射光の角度とCCDが取り込む画像との対応関係を示す説明図である。
【図7】図5における偏向板に用いる液晶素子の構成を示す説明図である。
【図8】図5における偏向板の構成を示す説明図である。
【図9】図8に示した偏向板の動作を説明するための説明図である。
【図10】図8に示した偏向板の動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11におけるLCDが形成する2次元画像と偏向板の出射光の角度との対応関係を示す説明図である。
【図13】図12における集光レンズ、偏向板および拡散板を示す斜視図である。
【図14】図11における偏向板の動作を説明するための説明図である。
【図15】図11における偏向板の動作を説明するための説明図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における表示位置変換処理の原理について説明するための説明図である。
【図17】図5および図11における表示位置変換回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における3次元画像の撮影の方法の一例を示す説明図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態における3次元画像の表示の方法の一例を示す説明図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態における3次元画像撮影装置の概略の構成を示す説明図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態における3次元画像表示装置の概略の構成を示す説明図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態における3次元画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態における3次元画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態の変形例において2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させるための光学部材の一例を示す説明図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態の変形例において2次元画像の撮影方向および投影方向を変化させるための光学部材の他の例を示す説明図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図31】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図32】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図33】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図34】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図35】本発明の第4の実施の形態における画素毎の撮影方向および投射方向を表すフォーマットを示す説明図である。
【図36】本発明の第5の実施の形態におけるテレビ会議システムの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
11…偏向板、12…集光レンズ、13…ピンホール部材、14…集光レンズ、15…CCD、21…LCD、22…集光レンズ、23…ピンホール部材、24…集光レンズ、25…偏向板、31…CCD駆動回路、33…表示位置変換回路、36…偏向板駆動回路、37…角度パターン発生回路、38…タイミング制御回路、53…表示位置変換回路、55…LCD駆動回路、56…偏向板駆動回路、57…角度パターン発生回路、58…タイミング制御回路。

Claims (8)

  1. 同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムに用いられ、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換する3次元画像表示位置変換装置であって、
    3次元画像の位置の前後方向の移動量の情報と前記観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を前記移動量だけ前後に移動するために必要な、前記2次元画像情報の位置の面内方向の移動量を求める移動量算出手段と、
    前記移動量算出手段によって求められた移動量だけ、前記2次元画像情報の位置を変更する位置変更手段と
    を備えたことを特徴とする3次元画像表示位置変換装置。
  2. 前記移動量算出手段は、前記3次元画像の位置の前後方向の移動量をaとし、前記観察方向または投射方向をθiとしたときに、b=a×tanθiで表されるbに比例した値を、前記2次元画像情報の位置の移動量とすることを特徴とする請求項1記載の3次元画像表示位置変換装置。
  3. 前記位置変更手段は、前記2次元画像情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に情報を書き込む際の書き込みアドレスと前記記憶手段から情報の読み出す際の読み出しアドレスとを制御することによって、前記2次元画像情報の位置を変更するアドレス制御手段とを有することを特徴とする請求項1または2記載の3次元画像表示位置変換装置。
  4. 同一物体を複数の観察方向から撮影して、同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を生成する3次元画像撮影装置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の3次元画像表示位置変換装置。
  5. 同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示する3次元画像表示装置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の3次元画像表示位置変換装置。
  6. 同一物体に対する観察方向の異なる複数の2次元画像情報を、それぞれ観察方向に対応した方向に投射することにより、空間に物体の3次元画像を表示するシステムに用いられ、空間に表示される物体の3次元画像の位置を変換する3次元画像表示位置変換方法であって、
    3次元画像の位置の前後方向の移動量の情報と前記観察方向または投射方向とに基づいて、3次元画像の位置を前記移動量だけ前後に移動するために必要な、前記2次元画像情報の位置の面内方向の移動量を求める移動量算出手順と、
    前記移動量算出手順によって求められた移動量だけ、前記2次元画像情報の位置を変更する位置変更手順と
    を含むことを特徴とする3次元画像表示位置変換方法。
  7. 前記移動量算出手順は、前記3次元画像の位置の前後方向の移動量をaとし、前記観察方向または投射方向をθiとしたときに、b=a×tanθiで表されるbに比例した値を、前記2次元画像情報の位置の移動量とすることを特徴とする請求項6記載の3次元画像表示位置変換方法。
  8. 前記位置変更手順は、前記2次元画像情報を記憶する記憶手段に情報を書き込む際の書き込みアドレスと前記記憶手段から情報の読み出す際の読み出しアドレスとを制御することによって、前記2次元画像情報の位置を変更することを特徴とする請求項6または7記載の3次元画像表示位置変換方法。
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