JP4215934B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内に発生している欠陥を超音波を使用して検出する超音波探傷装置に係り、特に、被検体としてのボルトのネジ部等の限定された外周縁部に発生し、又は超音波の発信方向と偏向した方向に傾斜して発生する欠陥を検出できる超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
二分割されたガスタービンケーシング等の分割面を結合して一体化するボルト等のネジ部では、大きな応力がかかり、割れの発生が懸念されることから、その割れを検出してボルト等の破断を防止することが必須となっている。
この割れの検出手段としては、超音波探傷センサ(Ultrasonic Testing sensor :以下UTセンサという)を適用した超音波探傷装置を使用して行う超音波探傷方法が従来から知られている。
【0003】
この超音波探傷装置は、ボルト等の被検体内部に超音波を入射し、内部に発生している欠陥(割れ)からの跳ね返りである反射エコーを検出することにより、被検体中の欠陥の存在を割り出し検出するようにしたものである。
すなわち、従来の超音波探傷装置は、図5に示すように被検体としてのボルト101の端面101aに超音波探傷センサ102を設置し、ボルト端面101aからボルト101の軸心方向と平行にボルト101の内部に超音波103を発射する。
【0004】
このUTセンサ102からボルト101内に発射された超音波103は、ボルト101内に不連続構造を形成する割れ105が発生していなければ、超音波103は反射されずボルト101内の割れ105発生がないことが検知できる。
【0005】
しかしながら、図5(b)に示すようにUTセンサ102から発射された超音波103の経路中に、例えば、ボルト101のネジ部101bから発生した割れ105による不連続構造がある場合には、ボルト101の内部に発射された超音波103は、この割れ105によって反射される。
この反射された、反射波(反射エコー)106は、割れ105が超音波103の発射方向に垂直面をなして発生している場合、UTセンサ102で検出され、発射時間と入射時間との時刻差Δt′を計測し、この時刻差Δt′と既知であるボルト内音速vとから、積演算Δt′×vによりボルト101の内部に発生している割れ105等の欠陥およびその位置を検出することができる。
【0006】
また、従来の超音波探傷装置による超音波探傷方法では、UTセンサ102として、ボルト101の軸心方向と一致させて超音波103を発射させる、いわゆる垂直ビームを発生させるようにしたUTセンサ101が用いられていた。
このために、図6(a)に示すように、ボルト101のネジ部101bから発生した割れ105がネジ山の深さ範囲に留まる場合又は図6(b)に示すように、割れ105がネジ山の深さ以上のボルト101内部に発生しているような場合でも、割れ105の方向が超音波103の伝送方向(垂直ビーム方向)と直交する方向から偏向して発生している場合には、これらの割れ105によって反射する反射波106がUTセンサ102では得られない、あるいは反射波106がセンサ102に戻らず、UTセンサ102で検出できないことがあり、割れ105等欠陥の検出が困難になっていた。
【0007】
さらに、UTセンサ102として垂直ビームを発生させるものが使用されていたために、ボルト101に割れ105等の欠陥が発生していない場合も、図6(b)に示すような割れ105がボルト101内に発生している場合も、反射エコー106がUTセンサ102に入射されないため、割れ105等の欠陥の発生の有無の区別がつかないという不具合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来の超音波探傷装置およびこの装置を使用して行われている超音波探傷手法の不具合を解消して、ネジ山高さ内に留まる微小割れ及び被検体の内部で被検体内に発射される超音波の方向に垂直にされた垂直面から傾いた状態で発生している割れを検出できる超音波探傷装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の超音波探傷装置は、次の手段とした。
【0010】
(1)内部に生じている欠陥を検出する被検体の外周を包囲して配置された支持体の上端に設けられ、被検体の全外周を包囲して設けられた円環状の歯車を上端に配置した固定治具を設けた。
なお、固定治具上への円環状の歯車の配置は、固定治具と歯車との間に磁石等を配置し、固定治具と歯車とは固着せず、欠陥検出時には歯車は固定治具の所定位置に磁石の吸引力で配置され、欠陥検出後には取り外し工具等を使用することなく自在に取り外し出来るようにし、作業時間短縮を図れるものにすることが好ましい。
【0011】
(2)固定治具と間隙が設けられるとともに、被検体の上部全外周とも間隙が設けられて配置されて上部外周に沿って回転し、固定治具に設けた歯車と噛合して回転するエンコーダ歯車、エンコーダ歯車の回転から被検体の外周回りの回転角度を検出するエンコーダ及び被検体の外周回り回転角度位置でセンサガイド板上を滑動して被検体の上方を半径方向に移動自在にされ、被検体の任意回転角度位置に配置でき、軸心方向から偏向した屈折角の超音波を被検体内部に発射でき、超音波の発射方向に直交して被検体外周に形成されたネジ溝等の被検体外周内部の垂直面で発射方向と同方向に反射される反射エコーを受波でき、また、超音波の発射方向と同方向に反射されない被検体内部に発生している欠陥からの反射エコーは受波できない、従来のUTセンサに対応する斜角UTセンサをそれぞれ具えたセンサガイド板を設けた。
【0012】
なお、斜角UTセンサとしては、発射される超音波が被検体外周内部に形成されたネジ溝の歯面の如く、被検体外周内部の高さ方向に形成された垂直面の何れにも垂直に入射できるように、発射される超音波の軸心方向からの屈折角が異なる複数のものを使用することが好ましい。
また、センサガイド板を被検体の外周回りに制御駆動して回転させる駆動装置及び斜角UTセンサを被検体の半径方向に制御駆動してセンサガイド板上を滑動して移動させる駆動装置をそれぞれ設けるようにすることが好ましい。
【0013】
(a)これにより、従来のUTセンサの如く被検体軸心に平行な超音波の被検体内部への発射による被検体中央内部に発生している割れ等の欠陥の検出ができるばかりでなく、ネジ溝等が刻設された被検体外周内部に発生している割れ等の欠陥の検出が、屈折角が異なるようにされた複数の斜角UTセンサからの屈折角の選択、斜角UTセンサの被検体の上方半径方向に滑動する移動量及びセンサガイド板の被検体回りの回転量による斜角UTセンサの任意角度の設定の組み合わせにより、ネジ溝の歯面角度のように種々の角度に形成される場合、若しくは所定角度で形成する場合であってもネジ溝が配置されている高さ方向の違いにより入射角が変化する場合においても、ネジ溝の歯面等の被検体外周に形成された垂直面に内部から超音波を垂直に入射させることができ、欠陥が発生してない被検体内部からの反射エコーは斜角UTセンサに入射させることができるようになる。
【0014】
従って、被検体内部に発生している割れ等の欠陥がネジ溝の歯面等を起点とするネジ溝の深さ程度の微小な欠陥であっても、確実に、しかも、被検体の全高、全周にわたって検出することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の超音波探傷装置の実施の一形態を図面にもとづき説明する。
【0031】
なお、図において図5、図6に示す部材と同一若しくは類似の部材には、同一符号を付して説明は省略する。
図1は、本発明の超音波探傷装置の実施の第1形態を示す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図1(c)は図1(b)に示すA部詳細図である。
【0032】
図に示すように、本実施の形態の超音波探傷装置は、ボルト101内に斜角超音波(以下超音波ビームという)113を入射するためにボルト端面101aの半径方向に配置した斜角UTセンサ110を、ボルト端面101aの半径方向111及び側面外周の円周方向112に移動させ走査させるためのセンサガイド板114と、そのセンサガイド板114をボルト101の上方で保持すると共に、エンコーダ115の回転量を伝達するための歯車117を上端に配置した固定治具118からなる。
【0033】
また、センサガイド板114と固定治具118は、センサガイド板114を円周方向112に回転させ、斜角UTセンサ110によるボルト101の円周方向112の走査をさせ、また回転位置におけるボルト101の半径方向の走査をさせる必要性から、相互に分離構造にされている。
すなわち、ボルト101の外周面に刻設されたねじ部104に螺合されて、ボルト101の外周に配置されたナット120の上端には磁石121を介して固定治具118がナット120と同心状に配設されると共に、固定治具118の上端には、同様にナット120と同心状にされて配置され外周面に歯列が形成された円環状の歯車117が設けられている。
【0034】
また、センサガイド板114には、ボルト端面101aの半径方向111に配置され、センサガイド板114の回転と共に、円周方向112に回転する斜角UTセンサ110の円周方向112の移動量を検知するためのエンコーダ115及びエンコーダ歯車116を装備しており、このエンコーダ歯車116と歯車117との噛合以外には、センサガイド板114と固定治具118とは分離された構造のものとなっている。
【0035】
さらに、このエンコーダ115はセンサガイド板114に設けられている斜角UTセンサ110と同様にボルト端面101の半径方向に配置されセンサガイド板114上端に固着された支持台上のセンサガイド板114上方から外れた位置に固着されており、歯車117と噛合するエンコーダ歯車116の回転によりボルト101の外周に沿って回転し、センサガイド板114を円周方向に移動させ、これにより、センサガイド板114に配置された斜角UTセンサ110を円周方向112に走査させることができる。
この斜角UTセンサ110の走査量を検知するため、エンコーダ115にはエンコーダ115からの信号を長さ表示させるための周方向長さ装置119が装備されている。
【0036】
また、斜角UTセンサ110の半径方向111の走査は、センサガイド板114に端部が固着され、歯車117と噛合するエンコーダ歯車の回転によってボルト101の外周に沿って回転するボルト端面101aの半径方向111に配置されたガイド板上を、斜角UTセンサ110を半径方向111に滑動させることによって、ボルト101の任意円周方向112位置での半径方向111の走査を行うようにしている。
【0037】
すなわち、超音波を発射し又は反射波を受信してボルト101内に発生している割れ105等の欠陥を検出するUTセンサは、図5、図6に示したUTセンサ102のように垂直ビームを発射できるものの外に、例えば、垂直ビーム方向から30°,45°,60°又は75°偏向して超音波を発射し、又は反射波を受信できるようにした斜角UTセンサ110を使用するようにしている。
【0038】
従って、斜角UTセンサ110を使用するようにした本実施の形態では、特定角度偏向させた角度の屈折角度の超音波を発射する斜角UTセンサ110と斜角UTセンサ110の半径方向111の位置との組合せにより、ボルト101の内部に向けて発射される超音波ビーム113の角度が、ボルト101の外周に刻設され、超音波ビーム113が伝送されてくる方向に対向して設けられたネジ部101bの歯面(以下対向歯面という)122に対して、超音波ビーム113がほぼ垂直に入射する角度にされて発射されるようにしている。
【0039】
本実施の形態の超音波探傷装置は、上述の構成にされて斜角UTセンサ110は、ネジ部101bの対向する歯面に対して、ほぼ垂直入射する超音波ビーム113を発射していることから、ネジ部101bの対向歯面122からの反射エコー123が検出できることになり、この反射エコー123の状態からボルト101のネジ部101bが設けられていない部分に発生している割れ105は勿論のこと、ネジ部101bのネジ山の高さ以下の部分に発生している割れ105も検出できることになる。
【0040】
すなわち、図2に示すように、割れのない対向歯面122に向け超音波ビーム113を発射できる円周方向112、半径方向111の健全部位置124aに斜角UTセンサ110が配置された場合、それぞれのネジ部104の対向歯面122からの反射エコー123は図2(c)に示すような反射エコーピーク123aが得られる。
【0041】
これに対して、割れ105が発生している対向歯面122に向け超音波ビーム113を発射する円周方向112、半径方向111の非健全部位置124bに斜角UTセンサ110が配置された場合、割れ105の発生しているネジ部104の対向歯面122からは、反射エコー123がセンサに受信されないため、図2(d)に示すように反射エコーピーク123aが消え、若しくは、反射エコーピーク123aに比較して若しくは小さなものになる。
【0042】
この原理を適用し、反射エコーピーク123aの波形に着目することで、割れ105のボルト101内部に発生している欠陥の有無を検出することが可能となる。
また、斜角UTセンサ110を、半径方向111に移動させて走査することで、ボルト101の高さ方向の位置を変えたネジ部の探傷が可能となる。
【0043】
更に、本手法は、斜角法であり、ネジ部101bに超音波を入射していること及び割れ105等の欠陥により、反射エコー123の方向が偏向され、斜角UTセンサ110の受信部で受信されないことを用いているため、割れ105方向が何れの方向に傾いた場合でも、及び割れ105等の欠陥部がネジ部101bのネジ山より小さくネジ内に留まる微小な割れであっても、有効な探傷手法となる。また、得られた欠陥の円周方向112の長さを測定するためには、斜角UTセンサ110を半径方向111に向けたまま、円周方向112を走査させることが必要であり、手動探傷では困難な走査になる。
これに対し、センサガイド板114を使用することで、これらの走査が容易に実行できる。
【0044】
また、センサガイド板114は、ボルト101に取り付けられているものの、固定治具118とは分離構造であるため、斜角UTセンサ110による円周方向112の走査に応じて回転し、更に、この回転に伴い、エンコーダ歯車116が固定治具118の歯車117に沿って回転する構造としているため、エンコーダ115により、円周方向112の走査量を検知でき、エンコーダ115からの信号を長さ表示する周方向長さ表示装置119により、検出された欠陥の円周方向112長さの測定も容易にできる。
【0045】
次に、図3は本発明の超音波探傷装置の第1の参考例を示す図で、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図である。
図に示すように、本参考例の超音波探傷装置では、上述した実施の第1形態で使用した斜角UTセンサ110に代えてフェーズドアレイ(phased array)UTセンサ130を適用して、ボルト101のネジ部101bの割れ105等の欠陥を検出するようにしている。
【0046】
フェーズドアレイUTセンサ130は、アレイ状に並べたセンサ群の位相(フェイズ)を制御することにより、超音波を電子的に走査させ電子走査を行うものでセンサ内にある独立に駆動可能な超音波振動子の駆動時間(ディレイ時間)を調整することで、所望の方向すなわち、フェーズドアレイUTセンサ130の軸心方向から偏向させた方向、いわゆる屈折角θを変えた超音波を送信できる。
【0047】
従って、ボルト端面101aの中心にフェーズドアレイUTセンサ130を配置しディレイ時間を調整することで、ネジ部101bの対向歯面122に入射する超音波103を、例えばボルト101の外周面のネジ溝歯面等にほぼ垂直に入射する角度とすることが可能となり、斜角UTセンサ110をボルト101の半径方向に走査させたときと同様の反射エコー123を得ることができる。
【0048】
更に、ディレイ時間を変えることで、超音波の送信方向を制御できるため、対向歯面122からの反射エコー123の方向が、対向歯面122に入射する超音波103の方向から大きくずれる屈折角θ大となるような制御をした場合、浅い位置ネジ部131の軸方向133の超音波ビーム走査を行い、対向歯面122からの反射エコー123を図3(c)、図3(d)で示すように検出し、屈折角θ小となるような制御をした場合、深い位置ネジ部132の軸方向133の超音波ビーム走査を行い対向歯面122からの反射エコー123を図3(e)、図3(f)で示すように検出することになる。
【0049】
また、割れ105等の欠陥がある場合には、実施の第1形態における斜角UTセンサ110と同様に、割れ105のある対向歯面122からの反射エコー123は浅い位置ネジ部131、深い位置ネジ部132に拘わらず、図3(d)、図3(f)に示すように消えることから、欠陥の有無を検出できることになる。
このように、フェーズドアレイUTセンサ130を適用して、被検体に発生している欠陥を検出するようにした場合、屈折角θ147を変えることで軸方向133での超音波ビームの走査が可能となるため、フェーズドアレイUTセンサ130を移動させて走査させることなく、ネジ部101b高さ方向の探傷を実施することができる。
【0050】
なお、屈折角θ147を可変できる角度範囲は、反射エコー123がフェーズドアレイUTセンサ130に受信される範囲に限定される。
ただし、リニアアレイ走査を適用することで制限なくネジ部101b高さ方向の探傷が可能となる。
【0051】
更に、マトリックス状に超音波振動子を配置した、フェーズドアレイUTセンサ130の場合ディレイ時間を制御することで、円周方向112への超音波ビームの走査が可能となることから、円周方向112の走査をすることなく、全周のネジ部探傷が実施できる。
【0052】
次に、図4は本発明の超音波探傷装置の第2の参考例を示す図で、図4(a)は平面図、図4(b)および図4(c)は側面図である。
図に示すように、本参考例の超音波探傷装置では、上述した実施の第1形態で使用した斜角UTセンサ110に代えて、ネジ部101bからの反射エコー123を受信しない小さな屈折角θを有する集束型斜角センサ140を適用して、ボルト101のネジ部101bの割れ105等の欠陥を検出するようにしている。
【0053】
集束型斜角センサ140は、絞った集束超音波ビーム141を放射することから、割れ105等の欠陥先端部からの反射エコー123を検出する手法として、一般的に使用されている。
この集束型斜角センサ140をボルト端面101aに配置し、屈折角θは、ネジ部101bの対向歯面122からの反射エコー123を、集束型斜角センサ140が受信しない非常に浅い角度のものとしている。
【0054】
従って、図4(c)に示すように、ボルト101内に割れ105等欠陥がないと反射エコー123は集束型斜角センサ140では受信されないが、割れ105等の欠陥があるとその先端部から発生する欠陥部先端反射エコー142を受信することになり、欠陥部先端反射エコー142の有無により、割れ105の有無を検出することが出来ることになる。
また、欠陥部先端反射エコー142は割れ105等の先端部からのものであり、割れ105等の欠陥の傾きには依存しない。
【0055】
したがって、集束型斜角センサ140を適用することにより、傾いた割れ105等であっても検出できることになる。
更に、検出した割れ105等の先端部からの欠陥部先端反射エコー142と、あらかじめ測定しておいたネジ底143と集束型斜角センサ140の中心位置との距離Y144を用い次式により欠陥深さT145を同定できる。
【0056】
T=Y−W Cos θ
ここで、Tはネジ底143からの欠陥深さ145、YはY距離144、Wはビーム路程146、θは屈折角147である。
【0057】
このように、集束型斜角センサ140を用い、割れ105等の端部から発生する欠陥部先端反射エコー142を使用して行う、いわゆる端部エコー法を適用することで、傾いた割れ105等の欠陥の検出、割れ105等の欠陥先端と集束型斜角センサ140の中心位置との距離l及びネジ底143からの欠陥深さT145の同定が可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波探傷装置によれば、内部の欠陥を検出する被検体の外周に配置された支持体の上端に設けられ、被検体外周を包囲して設けた円環状の歯車を上端に配置した固定治具、固定治具及び被検体の上部外周と間隙を設けて配置され、歯車と噛合回転するエンコーダ歯車、エンコーダ歯車回転から被検体回りの回転角度を検出するエンコーダ、回転位置でセンサガイド板上を滑動して被検体の半径方向に移動でき、所定屈折角の超音波を被検体内部に発射し、発射方向と直交して被検体外周部に設けられた垂直面で反射される反射エコーのみを受波し、欠陥部からの反射エコーは受波しない斜角UTセンサを有するセンサガイド板を設けた。
【0059】
これにより、被検体軸心に平行な超音波の発射による被検体中央内部欠陥の検出ができ、被検体外周に発生している欠陥の検出が、屈折角が異なる斜角UTセンサの選択、被検体の上方半径方向に滑動して移動する移動量、被検体回りの回転量の設定組み合わせで、垂直面の角度が異なる場合又は同一角度でも高さ方向の違いで入射角が変化する場合でも、超音波を被検体外周の垂直面に垂直に入射させることができ、被検体内部の欠陥が被検体外周に生じている微小なものであっても、被検体の全高、全周にわたって検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波探傷装置の実施の第1形態を示す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図、図1(c)は図1(b)に示すA部詳細図、
【図2】 図1に示す実施の第1形態による本発明の超音波探傷手法を示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図、図2(c)は欠陥のない被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、図2(d)は欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、
【図3】 本発明の超音波探傷装置の第1の参考例を示す図で、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図、図3(c)は屈折角大の場合の欠陥のない被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、図3(d)は屈折角大の場合の欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、図3(e)は屈折角小の場合の欠陥のない被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、図3(f)は屈折角小の場合の欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、
【図4】 本発明の超音波探傷装置の第2の参考例を示す図で、図4(a)は平面図、図4(b)は欠陥のない被検体の超音波探傷を行っているときの断面図、図4(c)は欠陥のある被検体の超音波探傷を行っているときの断面図、図4(d)は欠陥のない被検体内部からの反射エコーを示す図、図4(e)は欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、
【図5】従来の超音波探傷装置を示す図で、図5(a)は平面図、図5(b)は欠陥部が被検体の中央部まで発生し、欠陥部からの反射エコーがUTセンサに到達している場合の断面図、
【図6】図5に示す従来の超音波探傷装置で超音波探傷を行っている図を示し、図6(a)は欠陥部が被検体の外周部に発生し欠陥部の検出が出来ないことを説明するための断面図、図6(b)は欠陥部が被検体の中央部まで発生していても、欠陥部が傾いているために欠陥部の検出が出来ないことを説明するための断面図である。
【符号の説明】
101 ボルト
101a ボルト端面
101b (ボルト)ネジ部
102 UTセンサ
103 超音波
104 ネジ部
105 割れ
106 反射波
110 斜角UTセンサ
111 半径方向
112 円周方向
113 (斜角超音波)超音波ビーム
114 センサガイド板
115 エンコーダ
116 エンコーダ歯車
117 歯車
118 固定治具
119 周方向長さ表示装置
120 ナット
121 磁石
122 対向歯面
123 反射エコー
123a 反射エコーピーク
124a 健全部位置
124b 非健全部位置
130 フェーズドアレイUTセンサ
131 浅い位置ネジ部
132 深い位置ネジ部
133 軸方向
140 集束型斜角センサ
141 集束超音波ビーム
142 欠陥部先端反射エコー
143 ネジ底
144 距離Y
145 ネジ底からの欠陥深さT
146 ビーム路程W
147 屈折角θ
Claims (1)
- 被検体の上端に載置されたUTセンサから被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥からの反射エコーを受信し、この受信信号により被検体内部に生じている欠陥を検出する超音波探傷装置において、前記被検体の外周を包囲して配置された支持体の上端に設けられ円環状の歯車が前記被検体の外周を包囲して上端に配置された固定治具と、前記固定治具と間隙を設けて前記被検体の上部外周を包囲して配設され、前記上部外周に沿って回転するセンサガイド板とからなり、前記センサガイド板には前記歯車と噛合して前記被検体の外周を回転するエンコーダ歯車、前記エンコーダ歯車の回転による前記センサガイド板の前記被検体の外周回りの回転角度を検出するエンコーダ及び前記センサガイド板上を滑動して前記被検体の上方を半径方向に移動自在にされ、軸心方向から偏向した前記超音波を前記被検体内部に発射し、前記被検体内部外周に形成された垂直面で反射された反射エコーを検出できる前記UTセンサとしての斜角UTセンサを設けたことを特徴とする超音波探傷装置。
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