JP4215662B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
イグニッションOFF時には、ソレノイド55には通電されていないため、アーマチュア50は第1ポペット51に作用する第1スプリング56のスプリング力によって図中上方に移動する。すると、第2ポペット52も第2スプリング57によって上方に移動する。すなわち、第1連通口63及び第2連通口64と連通路62が連通された状態となる。よって、第1連通路12及び第2連通路13はドレン油路14と連通し、マニュアルステアが確保される。
イグニッションON時には、ソレノイド55に通電が開始され、アーマチュア50は図中下方に吸引される。すると、第1ポペット51も第1スプリング56のスプリング力に抗して下方に移動する。第1ポペット51の弁頭が第2ポペット52のシート部52aに着座し第2ポペット52を下方に付勢する。これにより、第2ポペット52は第2スプリング57のスプリング力に抗して下方に移動する。第2ポペット52の弁頭がシート54に着座し連通路62を遮断する。すなわち、第1連通口63及び第2連通口64と連通路62が遮断された状態となる。よって、ポンプ2により第1油圧室21もしくは第2油圧室22に油圧が供給されたとしても、リザーバタンク5に油が漏れることがなく、運転者の操舵力をアシストすることが可能となる。
ここで、通常のパワーアシスト制御について説明する。例えば図1に示す構成において、運転者がステアリングホイールSWを右に操舵し、ラック軸23を左に動かすものとする。このとき、トルクセンサ31により検出されたトルク信号に応じたモータ駆動信号がモータ1に出力される。すると、モータ1の回転によりポンプ2は第2油圧室22側から第1油圧室21側に油を供給する。よって、第2油圧室22の油は第1油圧室21側に移動する。このとき発生する第1油圧室21の油圧によってピストン24は図1中左方に押され、この力が運転者の操舵力をアシストする力となる。尚、第2油圧室22に貯留された油のみならず、リザーバタンク5から吸入チェック弁4を介して油を供給してもよく、特に限定しない。
ここで、連通回路内に油圧が封入された状態における切替弁6の閉弁時の作用について説明する。連通回路内の油圧をP、ソレノイド55のアーマチュア吸引力をFs、第1スプリング56の反力をFk1とする。
アーマチュア50を含む第1ポペット51がシート部52aに着座しているため、第1ポペット51に作用する力をFs1とすると、
Fs1=Fs−Fk1
と表される。
また、第2ポペット52がシート54に着座しているため、第2ポペット51には連通回路内とドレン油路14との差圧に基づいてFp2=P・As2の油圧力が作用する。第2ポペット52に作用する力の合計をFs2とすると、
Fs2=Fs1+Fp2−Fk2
と表される。下向きを正とすると、Fs2≧0のときに第2ポペット52は着座するため、第2ポペット52に作用する力には下記関係
Fs1+Fp2≧Fk2
が成立する。
上述のように、第1チェック弁7,第2チェック弁8により連通回路内に液圧を封じ込めることで、切替弁6を閉弁する際に油圧力Fp2によって各ポペットの閉じる力をアシストすることが可能となり、通常操舵時におけるソレノイド55の通電量を少なくすることができる。また、ソレノイド55自体のコンパクト化を図ることができる。
次に、切替弁6の開弁時の作用について説明する。上述したように、第1ポペット51及び第2ポペット52にはそれぞれソレノイド55による電磁力に加えて、第2ポペット52には連通回路内に蓄圧された油圧に基づく押しつけ力が作用している。
このとき、第2ポペット52に作用する力は、Fs1=0となり、下記関係
Fs2=Fp2−Fk2(=P・As2−Fk2)
となる。
ここで、Fp2<Fk2となると第2ポペット52が上方に移動し、油圧が連通路62からドレン油路14に排出される。
図3はコントロールユニット30内で行われる切替弁6への通常操舵時における通電制御処理を表すフローチャートである。
ステップ102では、ソレノイド55に励磁電流Aを流す。
ステップ103では、モータ1への電流値を検出する電流センサ値を読み込む。
ステップ104では、電流値が閾値1以下かどうかを判断し、閾値1以下のときはステップ103へ進み電流センサ値の読み込みを継続する。それ以外のときはステップ105へ進む。
ステップ105では、ソレノイド55に励磁電流Bを流す。
ステップ106では、イグニッションOFF信号を読み込み、読み込まれないときはステップ101から本制御フローを繰り返す。
図4はコントロールユニット30内で行われる切替弁6のリークをチェックするリークチェック処理を表すフローチャートである。尚、コントロールユニット30内には、内部タイマ30aが設けられている。
ステップ202では、ソレノイド55に励磁電流Aを流す。
ステップ203では、モータ1への電流値を検出する電流センサ値を読み込む。
ステップ204では、電流値が閾値1以下かどうかを判断し、閾値1以下のときはステップ203へ進み電流センサ値の読み込みを継続する。それ以外のときは、ステップ205へ進む。
ステップ205では、ソレノイド55に励磁電流Bを流す。
ステップ206では、内部タイマによるカウントアップを開始する。
ステップ207では、内部タイマのカウント値が閾値2以下で、かつ、電流値が閾値1以下かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ206へ進んで内部タイマのカウントアップを継続し、それ以外のときはステップ208へ進む。
ステップ208では、内部タイマ30aをリセットしステップ209へ進む。
ステップ209では、電流値が閾値1よりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ205へ進みソレノイド55に励磁電流Bを流す。小さいときはステップ202へ進みソレノイド55に励磁電流Aを流す。
(条件)
カウント時間が閾値2以下、かつ、電流値が閾値1以下
上記条件が成立しなかったときはステップ208に進み内部タイマ30aをリセットする。そして、ステップ209において上記条件が成立しなかった理由が電流値によるものか内部タイマ30aのカウントアップ終了によるものかを判断する。
前記第1連通路と第2連通路は、リザーバタンクよりも上流側で接続され、この接続部とリザーバタンクとの間に1つのソレノイドバルブを設けたことを特徴とするパワーステアリング装置。
前記ソレノイドバルブは、通電、非通電の切り替えにより軸方向位置を切り替えるソレノイド部と、このソレノイド部に接続されたポペット弁から構成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
前記ソレノイドバルブ制御手段は、前記第1,第2一方向弁とリザーバタンクとの間の油圧を、前記電動機の電流値によって推定することを特徴とするパワーステアリング装置。
前記ソレノイドバルブ制御手段は、前記第1,第2一方向弁とリザーバタンクとの間の差圧が所定値以上となるように構成されたフィードバック回路を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
前記電動機制御手段は、イグニッションON時に前記第1,第2一方向弁とリザーバタンクとの間の差圧を所定値以上に上昇させ、
前記ソレノイドバルブ制御手段は、通常運転時には、ソレノイドバルブへの通電量を第1所定値とすることを特徴とするパワーステアリング装置。
前記ソレノイドバルブ制御手段は計時手段を備え、所定時間毎にソレノイドバルブを通電することを特徴とするパワーステアリング装置。
S ステアリングシャフト
1 モータ
2 オイルポンプ
3 第1吸入チェック弁
4 第2吸入チェック弁
5 リザーバタンク
6 切替弁
7 第1チェック弁
8 第2チェック弁
10 第1油路
10a 第1吸入油路
11 第2油路
11a 第2吸入油路
12 第1連通路
13 第2連通路
14 ドレン油路
20 パワーシリンダ
21 第1油圧室
22 第2油圧室
23 ラック軸
24 ピストン
30 コントロールユニット
30a 内部タイマ
31 トルクセンサ
32 電流センサ
33 イグニッションスイッチ
50 アーマチュア
51 第1ポペット
52 第2ポペット
52a シート部
53 バルブハウジング
54 シート
55 ソレノイド
56 第1スプリング
57 第2スプリング
58 ハウジング
62 連通路
63 第1連通口
64 第2連通口
Claims (1)
- 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
前記油圧パワーシリンダの両圧力室に対し第1及び第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
前記可逆式ポンプを正・逆回転させる電動機と、
前記操舵輪に与えるべき必要操舵補助力を検出する必要操舵補助力検出手段と、
前記必要操舵補助力検出手段によって検出された必要操舵補助力に基づき、前記電動機に所望の油圧を発生させるために前記電動機に対して駆動信号を出力する電動機制御手段と、
作動油を貯留するリザーバタンクと、
前記第1通路と前記リザーバタンクとを連通する第1連通路と、
前記第2通路と前記リザーバタンクとを連通する第2連通路と、
前記第1連通路に設けられ、前記第1連通路側から前記リザーバタンク側への連通のみ許容する第1一方向弁と、
前記第2連通路に設けられ、前記第2連通路側から前記リザーバタンク側への連通のみ許容する第2一方向弁と、
前記第1一方向弁及び第2一方向弁と前記リザーバタンクとの間に設けられ、通電状態では前記第1一方向弁及び第2一方向弁とリザーバタンクとの間を遮断し、非通電状態では前記第1一方向弁及び第2一方向弁とリザーバタンクとの間を連通させると共に、通電状態にかかわらず前記第1一方向弁または第2一方向弁側の油圧とリザーバタンク側の油圧との差圧が所定値以上のときは、前記第1一方向弁または第2一方向弁とリザーバタンクとの間を遮断するソレノイドバルブと、
前記電動機または可逆式ポンプに異常が生じた場合には、前記ソレノイドバルブを開き、前記第1一方向弁及び第2一方向弁とリザーバタンクとの間を連通させるソレノイドバルブ制御手段と、
を有するパワーステアリング装置において、
前記ソレノイドバルブ制御手段は、前記第1一方向弁又は第2一方向弁とリザーバタンクとの間の油圧が所定値以上のときは通電量を第1所定値とし、前記第1一方向弁又は第2一方向弁とリザーバタンクとの間の油圧が所定値未満のときは通電量を前記第1所定値よりも大きい第2所定値とすることを特徴とするパワーステアリング装置。
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