JP4214307B2 - シーラントフィルム、ラミネートフィルム及び包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーラントフィルム、ラミネートフィルム及び包装袋に関し、さらに詳しくは、優れた静電防止性を有し、ラミネート法や接着剤の種類を広範囲に選択できるシーラントフィルム及びかかるシーラントフィルムを層構成に有するラミネートフィルム及びこれらのフィルムからなる包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、医薬品、電子部品及び種々の工業製品で代表される流通物品の多くの包装には、二軸延伸フィルムを基材フィルムとし、これにシーラントフィルムをドライラミネートして得たラミネートフィルムが用いられている。なかでも、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品、さらには、複雑な形状の電子部品等の包装材料の多くはポリオレフィンフィルムを積層した包装材料が多く使用されている。
【0003】
しかし、積層ポリオレフィンフィルムは一般に静電防止性が十分でなく、包装袋に内容物を充填するときや包装材料を剥離するときに摩擦により静電気が発生する。このため、ポリオレフィンフィルムには予め種々の静電防止剤を樹脂中に添加しているが、これら静電防止性付与の対策を講じても依然として解消できない問題が残る。
【0004】
その問題の一つに、前記積層ポリオレフィンフィルムの多くは、ドライラミネート法で基材フィルムと積層加工する前のシーラントフィルムは十分な静電防止性を有しているにもかかわらず、ドライラミネート加工後には静電防止性が大幅に低下することが多い。このため、やむを得ず基材フィルムとラミネート加工を行う前と後で静電防止性の効果の変化が少ない押出しラミネート法によるのが、一般的な積層方法として採用されることが多い。
【0005】
さらに、ドライラミネート加工により基材フィルムと積層して得られた積層フィルムは、基材フィルムとシーラントフィルムとのラミネート部分の接着力が十分でないことが多く、この点からも押出しラミネート法が一般的な積層方法として採用される。
【0006】
一方、前記した問題を解消するためには、静電防止剤の添加割合を低減することが考えられるが、静電防止剤の添加割合を低減すると本来必要とされる静電防止性が不良となり、上記問題の解決に至らない。このため、接着剤の種類を限定し、保管状況に多くの制限を加えて初めて本来必要とされている静電防止性を得ているのが現状であり、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等、さらには、複雑な形状の電子部品等の包装には使用することが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、優れた静電防止性を有し、ラミネート法や接着剤の種類を広く選ぶことができ、ドライラミネート用接着剤を用いて基材フィルムとラミネート加工した後で十分なラミネート強度を有する、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができるシーラントフィルム及びかかるシーラントフィルムと基材フィルムとをラミネート加工したラミネートフィルム及びかかるシーラントフィルム又はラミネートフィルムからなる包装袋を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明のシーラントフィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムであって、少なくとも最外層、中間層及びヒートシール層が順に積層されてなり、最外層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρa)、中間層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρb)、ヒートシール層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρc)が式(1)、式(2)及び式(3)を満足し、最外層を除く中間層及びヒートシール層に静電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを添加し、中間層のグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの添加量がヒートシール層のグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの添加量より少なく、前記グリセリン脂肪酸エステルが、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルの混合割合が100重量部:2〜20重量部であり、かつ、シーラントフィルムの最外層表面にポリエーテルウレタン系接着剤を用いて基材フィルムをドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率が1×108MΩ以下、かつ、シーラントフィルムと基材フィルムとの間のラミネート強度が6N/15mm以上であることを特徴とするシーラントフィルム。
【0009】
ここで、表面抵抗率とは、製造後直ちに40℃恒温室に保管し、保管開始から60日後にJIS K−6911に準じて23℃、相対湿度65%環境下で16時間調製し、しかる後、測定したヒートシール層表面の表面抵抗率の値である。
【0013】
この場合、グリセリン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸を、炭素数10以上の脂肪酸とすることができる。
【0014】
また、この場合、静電防止剤の添加量を、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜2.0重量部とすることができる。
【0015】
また、この場合、最外層を除く中間層及びヒートシール層に静電防止剤を添加し、中間層の静電防止剤添加量をヒートシール層の静電防止剤添加量より少なくすることができる。
【0016】
上記の構成からなる本発明のシーラントフィルムは、優れた静電防止性を有し、ラミネート法や接着剤の種類を広く選ぶことができ、ドライラミネート用接着剤を用いて基材フィルムとラミネート加工した後でも十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【0017】
また、本発明のラミネートフィルムは、シーラントフィルムの最外層表面に基材フィルムを積層したものであることを特徴とする。
【0018】
上記の構成からなる本発明のラミネートフィルムは、優れた静電防止性と十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【0019】
さらにまた、本発明の包装袋は、シーラントフィルム又はラミネートフィルムからなることを特徴とする。
【0020】
上記の構成からなる本発明の包装袋は、優れた静電防止性と十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシーラントフィルム、ラミネートフィルム及び包装袋の実施の形態を説明する。
【0022】
本発明において、ポリオレフィン系樹脂は、プロピレン単独重合体又はプロピレンと炭素数2〜12(炭素数3は除く)の少なくとも1種以上との共重合体、例えばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等のポリエチレン系樹脂から選ばれた1種類又は2種類以上の混合された樹脂が代表的である。なかでも、好適にはポリエチレン系樹脂が選ばれる。
【0023】
本発明のシーラントフィルムは、少なくとも最外層、中間層及びヒートシール層が順に積層されてなり、最外層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρa)、中間層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρb)、ヒートシール層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρc)が式(1)、式(2)及び式(3)を満足することが必要である。
(ρa)≧(ρb)≧(ρc) ・・・・・(1)
(ρa)>(ρc) ・・・・・(2)
(ρa)≧0.930 ・・・・・(3)
上記式(1)、式(2)は、積層するポリオレフィン系樹脂の密度勾配を意味し、最外層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度が中間層を形成するポリオレフィン樹脂の密度と同等又はそれ以上高い密度であることが必要であることを示している。最外層のポリオレフィン系樹脂の密度が他層のポリオレフィン系樹脂の密度より低い場合、ヒートシール層、中間層又は最外層に添加した静電防止剤が最外層表面にブリードすることを抑えられず、結果的に最外層表面にブリードした静電防止剤が基材フィルムとのラミネート強度の低下を促進させることとなる。上記式(3)も最外層表面への静電防止剤のブリード抑制を規定するものであり、最外層の樹脂の密度が0.930を下回るとポリオレフィン系樹脂中の静電防止剤の移行性が良くなり過ぎ上記式(1)と同様に静電防止剤が最外層表面へブリードし易くなり好ましくない。最外層の樹脂の密度は少なくとも0.930以上である必要があり、好ましくは0.935以上である。
【0024】
また、本発明のシーラントフィルムは、シーラントフィルムの最外層表面に基材フィルムをポリエーテルウレタン系接着剤を用いてドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率が1×108MΩ以下、かつラミネート強度が6N/15mm以上である。表面抵抗率が1×108MΩを越えるとシーラントフィルムの静電防止性が劣る。また、ラミネート強度が6N/15mm未満の場合は基材フィルムとシーラントフィルムとの接着性が不十分で基材層とシーラントフィルムとの界面で剥離が発生する問題がある。
【0025】
本発明に用いる静電防止剤の添加量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.1〜2.0重量部であるのが好ましく、0.2〜1.5重量部であるのがより好ましい。0.1重量部を下回ると静電防止効果が望めない。また、シーラントフィルムを形成するポリオレフィン系樹脂100重量部に対し2.0重量部を上回ると静電防止性は十分あっても最外層表面へのブリードが多くなりすぎ、静電防止性は十分あってもラミネート強度が劣り好ましくない。
【0026】
本発明のシーラントフィルムヘの静電防止剤の添加方法は、マスターバッチ方式でも、製膜直前に行なうペレットブレンド方式でも可能であり、特に限定されるものではない。
【0027】
本発明に用いる帯電防止剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等を挙げることができる。詳しくは、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノ・ジラウレート、グリセリンモノ・ジパルミレート、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート、グリセリンジ・トリオレート、グリセリンジ・トリステアレート等のモノグリセリン脂肪酸エステルや、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンカプリレート等のジグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができ、また、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、ヘキサグリセリンステアレート、デカグリセリンステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができる。さらに、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタンベヘネート、ソルビタンカプリレート等のソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0028】
本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含むことが必要であり、そのなかでもモノグリセリンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレートが好適である。
【0029】
そして、本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルの混合割合は前者:後者=100重量部:2〜20重量部であるのが好ましく、特に100重量部:3〜15重量部であるのが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルの混合において、ポリグリセリン脂肪酸エステル100重量部に対しモノグリセリン脂肪酸エステルの混合割合が2重量部未満であるとフィルム表面へのポリグリセリン脂肪酸エステルの引き出し効果が弱く、ポリグリセリン脂肪酸エステルによる帯電防止効果が望めない。また、モノグリセリン脂肪酸エステルによる帯電防止効果も弱い。逆に、ポリグリセリン脂肪酸エステル100重量部に対しモノグリセリン脂肪酸エステルが20重量部を越えるとモノグリセリン脂肪酸エステルのポリオレフィン系樹脂中での移行性が大きすぎることでラミネート前の状態では経時によるフィルム表面の白化が酷く、基材フィルムをラミネートした後では接着剤側への引きこもり現象により帯電防止性が低下し、さらには、ラミネート強度が低下するので好ましくない。なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜他の帯電防止剤を添加してもよい。
【0030】
また、本発明に用いるアンチブロッキング剤は特に限定されないが、無機及び又は有機の微粒子が好ましい。具体的には、無機微粒子としては、例えばシリカ、ゼオライト、珪藻土、タルク、カオリナイト及び非晶性アルミノシリケート等が挙げられる。また、有機粒子としては、例えば実質的に変形しないポリマーからなり、乳化重合又は懸濁重合等により得られるポリメチルメタクリレート、ポリスチレン及びポリアミド等が挙げられる。アンチブロッキング剤として添加しても結果的に滑りにも影響することと、フィルムの透明性、コスト面から無機微粒子系のシリカ、ゼオライト及び珪藻土が好ましい。アンチブロッキング剤の平均粒径は特に限定しないが、滑り性、外観、透明性及び耐ブロッキング性面を考慮すると1〜20μm程度のものが好ましく、2〜15μm程度のものがより好ましい。
【0031】
本発明に用いるアンチブロッキング剤の量は特に限定されず、滑り性、外観、透明性及び耐ブロッキング性を阻害しない範囲で自由に使用することができ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常3重量部以下、好ましくは2重量部以下である。
【0032】
本発明のフィルムヘのアンチブロッキング剤の添加方法は、マスターバッチ方式でも、製膜直前のペレットブレンド方式でも可能であり、特に限定されるものではない。
【0033】
本発明に用いるスリップ剤は、公知のものを用いることができ、何ら限定されるものではないが、例えば流動性パラフィン、ポリエチレンワックス等の炭化水素系スリップ剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸系スリップ剤、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等のアミド系スリップ剤、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
【0034】
本発明に用いるスリップ剤の量は特に限定されず、製膜直後のフィルムの滑り性、ラミネート後のラミネート強度、透明性を阻害しない範囲で自由に使用することができ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常0.5重量部以下が好ましく、0.3重量部以下がより好ましい。
【0035】
本発明のシーラントフィルムヘのスリップ剤の添加方法は、マスターバッチ方式でも、製膜直前のペレットブレンド方式でも可能であり、特に限定されるものではない。
【0036】
本発明のシーラントフィルムの成形方法は、特に限定するものではなく、例えばインフレーション押出成形法、Tダイ押出成形法等の利用が可能である。製造方法の例を説明する。まず、本発明のシーラントフィルムの製造に用いる各々のポリオレフィン系樹脂の組成物を所定の組成比に混合し、各溶融押出機に供給し、通常210〜280℃の温度で溶融押出しし、濾過フィルターを経た後、口金からシート状に成形し、20〜80℃に調整された金属ドラムに巻き付け冷却固化し、金属ドラムの速度を調整して、任意の厚みの静電防止性、ラミネート強度に優れたシーラントフィルムを得ることができる。
【0037】
本発明のシーラントフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、10〜200μmであるのが好ましく、20〜150μmであるのがより好ましい。また、ヒートシール層、中間層及び最外層のそれぞれの好適な厚みは、ヒートシール層が1〜120μm、さらに好ましくは2〜80μm、中間層が1〜120μmさらに好ましくは2〜80μm、最外層が1〜120μmさらに好ましくは2〜80μmの範囲で適宜設定することができる。
【0038】
また、本発明のシーラントフィルムの各層の厚み比は、最外層の厚み1に対して中間層の厚みは0.5〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。また、ヒートシール層の厚みは0.2〜10が好ましく、0.3〜5がより好ましい。さらに具体的な厚み比は、製膜性、フィルム物性及びフィルム性能面を考慮すると、最外層/中間層=1/2〜15程度、最外層/ヒートシール層=1/0.5〜3程度であるのが好ましい。
【0039】
本発明のシーラントフィルムの製造に際しては、本発明の効果が損なない限り必要に応じて前記以外の安定剤、可塑剤、着色剤等の公知の添加剤をさらに添加されていてもよい。
【0040】
さらに、本発明のラミネートフィルムは、基材フィルムを設けその一方の面に本発明のシーラントフィルムの最外層を貼合して得られる。基材フィルムとしては、例えば、二軸延ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、金属蒸着二軸延伸フィルムなど、二軸延伸フィルムを典型的なものとしてあげることができる。ラミネート方法は、それ自体公知の方法で行なえばよく、例えばドライラミネート法や押出しラミネート法等が挙げられる。
【0041】
本発明の包装袋は、本発明のシーラントフィルム又はラミネートフィルムを包装材料の層構成に含んでおればよく、例えば、本発明のシーラントフィルムのヒートシール層表面同士、本発明のラミネートフィルムのヒートシール層表面同士、本発明のシーラントフィルムのヒートシール層と本発明のラミネートフィルムのヒートシール層表面同士、さらに本発明のシーラントフィルムのヒートシール層表面又は本発明のラミネートフィルムのヒートシール層表面と他のフィルムないし成形物のヒートシール層表面とをヒートシールして包装袋とすることで得られる。包装袋の製造方法はそれ自体公知の方法で行なえばよく、例えば簡単な手動式シーラーによる方法、三方シールや溶断シール製袋機による方法等が挙げられる。
【0042】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。なお、本発明において用いた特性値は次の測定法による。
【0043】
(1)密度
JIS−K−7112−D法、密度勾配管による測定方法により測定した。但し、メルトインデクサーの押出物を120℃のポリエチレングリコール中で1時間熱処理後、1時間で室温まで放冷し、適当な大きさに切り取り使用した。
【0044】
(2)表面抵抗率(MΩ)
シーラントフィルム又はラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に保管し、保管開始時、10日後、30日後、60日後毎にJIS−K−6911に準じて23℃、相対湿度65%環境下で16時間調製し、しかる後、ヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。
【0045】
(3)ラミネート強度
ラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に入れ60日放置した後、機械流れ方向に15mm巾で試料を切り出し、引張り速度200mm/分でラミネート界面の剥離強度を測定し、ラミネート強度とした。
【0046】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に示すが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更を加え実施することも可能であり、本発明の技術範囲に含まれる。
【0047】
(実施例1)
最外層/中間層/ヒートシール層の3層構成で、層厚み比は最外層/中間層/ヒートシール層=1/3/1として下記組成物を溶融共押出し成形し、シーラントフィルムを得た。シーラントフィルムに基材フィルムをラミネートする前のヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
・最外層:密度0.940の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット4040FC)
・中間層:密度0.920の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット2040F)を100.0重量部、界面活性剤(ソルビタンステアレート)を0.2重量部
・ヒートシール層:密度0.915の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット1540F)を100.0重量部、平均粒径10μmのポリメチルメタアクリレートを1.0重量部、平均粒径5μmの珪藻土を1.0重量部、界面活性剤としてモノグリセリンモノステアレートを0.15重量部とポリグリセリンモノステアレートを1.35重量部
【0048】
(実施例2)
ヒートシール層のポリオレフィン系樹脂を密度0.915の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット1540F)から、密度0.920の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット2040F)に変更した他は実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムに基材フィルムをラミネートする前のヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0049】
(比較例1)
最外層のポリオレフィン系樹脂を密度0.940の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット4040FC)から、密度0.920の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット2040F)に変更した他は実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムに基材フィルムをラミネートする前のヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0050】
(比較例2)
ヒートシール層のポリオレフィン系樹脂を密度0.915の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット1540F)から、密度0.940の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット4040FC)に変更した他は実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムに基材フィルムをラミネートする前のヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0051】
(実施例3、実施例4、比較例3、比較例4)
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2で得られたシーラントフィルムの最外層表面に、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製E5100、厚み12μm)を押出しラミネート法で積層してラミネートフィルムを得た。また、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製E5100、厚み12μm)をエステル系接着剤を用いたドライラミネート法及びエーテル系接着剤を用いたドライラミネート法により積層し、40℃恒温室で3日間硬化させてラミネートフィルムを得た。実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のシーラントフィルムから得られたラミネートフィルムを、それぞれ実施例3、実施例4、比較例3、比較例4とし、その結果を表2〜5に示す。なお、押出しラミネート法、ドライラミネート法の条件は次の通りである。
▲1▼押出しラミネート法
基材フィルム表面にアンカーコート剤(東洋モートン社製 オリバインEL530A/オリバインEL530B=1/1)を塗布(塗布量0.02g/m2 、塗工固形分1.0%)、乾燥した面と、シーラントフィルムの最外層面との間にポリエチレン樹脂(住友化学工業社製・スミカセンL705、密度=0.919、MFR=7)を、積層厚み20μmで溶融押出ししてラミネートフィルムを得た。
▲2▼ドライラミネート法
基材フィルムとシーラントフィルムの最外層表面とを下記接着剤[1]又は[2](塗布量:3.0g/m2)を用いてドライラミネートし、40℃恒温室で3日間硬化させてラミネートフィルムを得た。
[1]ポリエーテルウレタン系接着剤:東洋モートン社製トモフレックスTM329/CAT−8B=1/1(塗工固形分23%)
[2]ポリエステルウレタン系接着剤:東洋モートン社製トモフレックスTM590/CAT−56=6.25/1(塗工固形分23%)
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】
本発明のシーラントフィルムによれば、優れた静電防止性を有し、ラミネート法や接着剤の種類を広く選ぶことができ、ドライラミネート用接着剤を用いて基材フィルムとラミネート加工した後でも十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【0058】
また、本発明のラミネートフィルムによれば、優れた静電防止性と十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【0059】
さらに、本発明の包装袋によれば、優れた静電防止性と十分なラミネート強度を有し、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等の包装、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装など包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
Claims (6)
- ポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムであって、少なくとも最外層、中間層及びヒートシール層が順に積層されてなり、最外層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρa)、中間層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρb)、ヒートシール層を形成するポリオレフィン系樹脂の密度(ρc)が式(1)、式(2)及び式(3)を満足し、最外層を除く中間層及びヒートシール層に静電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを添加し、中間層のグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの添加量がヒートシール層のグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの添加量より少なく、前記グリセリン脂肪酸エステルが、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルの混合割合が100重量部:2〜20重量部であり、かつ、シーラントフィルムの最外層表面にポリエーテルウレタン系接着剤を用いて基材フィルムをドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率が1×108MΩ以下、かつ、シーラントフィルムと基材フィルムとの間のラミネート強度が6N/15mm以上であることを特徴とするシーラントフィルム。
(ρa)≧(ρb)≧(ρc) ・・・・・(1)
(ρa)>(ρc) ・・・・・(2)
(ρa)≧0.930 ・・・・・(3) - グリセリン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸が、炭素数10以上の脂肪酸であることを特徴とする請求項1記載のシーラントフィルム。
- 静電防止剤の添加量を、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜2.0重量部としたことを特徴とする請求項1又は2記載のシーラントフィルム。
- 最外層を除く中間層及びヒートシール層に静電防止剤を添加し、中間層の静電防止剤添加量がヒートシール層の静電防止剤添加量より少ないことを特徴とする請求項1、2又は3記載のシーラントフィルム。
- 請求項1、2、3又は4記載のシーラントフィルムの最外層表面に基材フィルムを積層してなることを特徴とするラミネートフィルム。
- 請求項1、2、3又は4記載のシーラントフィルム又は請求項5記載のラミネートフィルムからなることを特徴とする包装袋。
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