JP4209605B2 - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子の回転数を指示する回転指示信号に従って、ブラシレスモータの回転を制御するブラシレスモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車などの空調装置における送風ファンの回転駆動用のモータとしては、ブラシレスモータが広く用いられている。ブラシレスモータは、永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、ブラシを用いた整流機構の代わりに、磁極センサとスイッチング素子によって整流機構が構成されている。このブラシレスモータは、電源回路から駆動電源が供給されるとともに、IC(Integrated Circuit)化されたモータ制御回路によって、その回転が制御されて送風ファンを回転させる。
【0003】
このようなブラシレスモータを制御するモータ制御回路には、回転子の回転数を指示する回転指示信号が外部から入力される。そして、モータ制御回路は、この回転指示信号に基づいて、回転子が所定の回転数で回転するように、ブラシレスモータを制御する。
【0004】
そして、このモータ制御回路は、入力された回転指示信号に基づいて、ブラシレスモータに供給する電力量を示す信号のデューティ比を決定し、スイッチング素子(MOSFET)をオンオフ制御することで、決定したデューティ比の信号をブラシレスモータに供給していた。このとき、信号のデューティ比を高くすることにより多くの電力をブラシレスモータに供給してブラシレスモータを高速回転させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のモータ制御回路では、デューティ比が決定された信号をオンオフ制御してブラシレスモータに電源電圧を供給して定常駆動するに際して、3個のハイサイドMOSFETと、3個のローサイドMOSFETとを、約30°の角度ごとにオンに切り換える3相スイッチング動作をしていた。また、従来のモータ制御回路では、3相スイッチング動作時において、通常、要求されるトルクに応じて一定のデューティ比の信号をブラシレスモータに供給していた。
【0006】
しかし、360°回転させるうちの30°ごとの3相スイッチング動作時において、MOSFETをオフからオンに切り換えてデューティ制御された電源電圧の供給を開始すると、オンの切換タイミングでブラシレスモータに供給する電源電圧にリップル変動が発生し、ブラシレスモータに供給する電圧変動が発生してトルク変動を招いていた。このようにブラシレスモータにトルク変動が発生すると、振動が発生すると共に、騒音が発生することが多かった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、スイッチング素子の切換時にブラシレスモータに供給する電圧変動を抑制して、ブラシレスモータのトルク変動及び騒音を抑制することができるブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するために、永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子としたブラシレスモータの制御をするブラシレスモータの制御装置において、電源電圧を上記電機子巻き線に供給する複数のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に駆動信号を出力してオンオフ駆動し、上記スイッチング素子をオンとした期間において電源電圧を上記回転子に供給して、上記回転子を回転駆動させる回転駆動手段と、上記回転子の回転数を指示する回転指示信号が入力され、上記回転駆動手段が上記回転子を回転させるときの指示回転数を、回転指示信号から検出する指示回転数検出手段と、上記指示回転数検出手段で検出された指示回転数に応じたデューティ比から、上記スイッチング素子がオンとなる度に、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングで全ての相についてのデューティ比を低下させた後に、全ての相についてのデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をして、上記スイッチング素子がオンとなっている期間において上記電機子巻き線に供給する電源電圧のデューティ比を制御するデューティ比制御手段とを備え、上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させる時刻から目標デューティ比とする時刻を一定とし、上記ブラシレスモータの回転数が大きい時ほど、上記デューティ比を低下させる量を小さくすることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子としたブラシレスモータの制御をするブラシレスモータの制御装置において、 電源電圧を上記電機子巻き線に供給する複数のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に駆動信号を出力してオンオフ駆動し、上記スイッチング素子をオンとした期間において電源電圧を上記回転子に供給して、上記回転子を回転駆動させる回転駆動手段と、上記回転子の回転数を指示する回転指示信号が入力され、上記回転駆動手段が上記回転子を回転させるときの指示回転数を、回転指示信号から検出する指示回転数検出手段と、上記指示回転数検出手段で検出された指示回転数に応じたデューティ比から、上記スイッチング素子がオンとなる度に、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングで全ての相についてのデューティ比を低下させた後に、全ての相についてのデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をして、上記スイッチング素子がオンとなっている期間において上記電機子巻き線に供給する電源電圧のデューティ比を制御するデューティ比制御手段とを備え、上記デューティ比制御手段は、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングでデューティ比を零となるまで低下させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、上記ブラシレスモータの回転数に応じてデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる期間を変化させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、上記ブラシレスモータの回転数が高いほどデューティ比を目標デューティ比まで上昇させるまでの期間を短くすることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させた後にデューティ比を上昇させるに際して、現在のデューティ比と目標デューティ比との平均デューティ比を演算して、当該平均デューティ比を次のデューティ比として、指数関数的に目標デューティ比まで上昇させることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、直線的な傾きでデューティ比を目標デューティ比まで上昇させることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させた後に目標デューティ比を上昇させる制御をブラシレスモータの低回転数域のみで行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、低下させたデューティ比をブラシレスモータの低回転数域で目標デューティ比とすることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記デューティ比制御手段は、少なくとも2つのスイッチング素子がオンとなっている期間内で、デューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させる制御をすることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の発明であって、上記スイッチング素子は、ハイサイドスイッチング素子とローサイドスイッチング素子とからなり、上記デューティ比制御手段は、ハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子についてデューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させて電源電圧をハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子に供給する制御をすることを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、スイッチング素子がオンとなるタイミングでデューティ比を低下させた後に、デューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をするので、スイッチング素子がオンとなったタイミングでブラシレスモータに供給する電源電圧の変動を抑制して、ブラシレスモータのトルク変動及び騒音を抑制することができる。また、請求項1に係る発明によれば、デューティ比を低下させる時刻から目標デューティ比とする時刻を一定とし、ブラシレスモータの回転数に応じてデューティ比を低下させる量を変化させるので、必要以上にデューティ比を低下させることを抑制して効率を向上させることができる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、スイッチング素子がオンとなるタイミングでデューティ比を低下させた後に、デューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をするので、スイッチング素子がオンとなったタイミングでブラシレスモータに供給する電源電圧の変動を抑制して、ブラシレスモータのトルク変動及び騒音を抑制することができる。また、請求項2に係る発明によれば、スイッチング素子がオンとなるタイミングでデューティ比を零となるまで低下させるので、スイッチング素子がオンとなるタイミングに発生する電圧変動を確実に抑制して、確実にトルク変動及び騒音を抑制することができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、ブラシレスモータの回転数に応じてデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる期間を変化させるので、請求項1,2に係る発明で発揮する効果と同様に、ブラシレスモータのトルク変動及び騒音を抑制することができると共に、ブラシレスモータの電源供給効率を向上させることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、ブラシレスモータの回転数が高いほどデューティ比を目標デューティ比まで上昇させるまでの期間を短くするので、請求項1,2に係る発明で発揮する効果と同様に、ブラシレスモータのトルク変動及び騒音を抑制することができると共に、ブラシレスモータの電源供給効率を向上させることができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、デューティ比を低下させた後に、現在のデューティ比と目標デューティ比との平均デューティ比を演算して目標デューティ比まで上昇させるので、請求項1,2に係る発明で発揮する効果に加えて、処理を簡単化することができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、直線的な傾きでデューティ比を目標デューティ比まで上昇させるので、請求項1,2に係る発明で発揮する効果に加えて、処理を簡単化することができる。
【0026】
請求項7に係る発明によれば、デューティ比を低下させた後に目標デューティ比を上昇させる制御をブラシレスモータの低回転数域のみで行うので、低回転数域で顕著な騒音を効果的に抑制することができる。
【0027】
請求項8に係る発明は、低下させたデューティ比をブラシレスモータの低回転数域で目標デューティ比とするので、低回転数域で顕著な騒音を効果的に抑制することができる。
【0028】
請求項9に係る発明によれば、少なくとも2つのスイッチング素子がオンとなっている期間内で、デューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させる制御をするので、オーバラップを実現する回路を利用して制御をすることができる。
【0029】
請求項10に係る発明によれば、ハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子についてデューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させて電源電圧をハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子に供給する制御をするので、ハイサイド及びローサイドの双方で発生する電圧変動を抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
本発明は、例えば図1に示すように構成されたモータ制御回路1に適用される。
【0032】
[モータ制御回路の構成]
このモータ制御回路1は、スイッチング素子であるMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)Q1〜MOSFETQ6をオンオフ制御する3相スイッチング動作をさせて電源電圧ACCを、永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子としたブラシレスモータ2に供給するものである。
【0033】
このモータ制御回路1には、ブラシレスモータ2に接続された図示しないホール素子からの回転検出信号が入力される回転数検出回路11、外部から回転指示信号が入力されるPWM(Pulse Width Modulation)変換回路12、進角量変換回路13、オーバラップ変換回路14、PWM出力回路15、Hiサイド出力回路16、Loサイド出力回路17を有して構成されている。
【0034】
回転数検出回路11は、ブラシレスモータ2の近傍に配設されたセンサマグネットの動作を検出したホール素子からの信号に基づいて、ブラシレスモータ2のロータ部分の回転周期を検出し、回転数検出信号を生成して進角量変換回路13及びオーバラップ変換回路14に出力する。
【0035】
進角量変換回路13は、回転数検出回路11からの回転数検出信号に基づいて、回転周期を内部ROM(Read Only Memory)で設定された特性で変換することにより進角時間を取得して、Hiサイド出力回路16及びLoサイド出力回路17、並びにPWM出力回路15に出力する。
【0036】
オーバラップ変換回路14は、回転数検出回路11からの回転数検出信号に基づいて、回転周期を内部ROMで設定された特性で変換することによりオーバーラップ時間を取得して、Hiサイド出力回路16及びLoサイド出力回路17、並びにPWM出力回路15に出力する。
【0037】
Hiサイド出力回路16は、モータ制御回路1と接続されたハイサイドのMOSFETQ1〜Q3をオンオフ駆動する駆動信号をMOSFETQ1〜Q3のゲート端子に出力する。また、Loサイド出力回路17は、モータ制御回路1と接続されたローサイドのMOSFETQ4〜Q6をオンオフ駆動する駆動信号をMOSFETQ4〜Q6のゲート端子に出力する。
【0038】
Hiサイド出力回路16は、ブラシレスモータ2の回転数が所定回転数(例えば1800rpm)以下のときには、図2に示す非進角制御を行い、ホール素子によるセンサ信号の立ち下がりに応じて駆動信号の出力を切り換える。このとき、Hiサイド出力回路16は、駆動信号出力の立ち下がりを、オーバラップ変換回路14からのオーバラップ時間だけ遅らせる。また、Loサイド出力回路17は、PWM出力回路15からのPWM信号の論理積を駆動信号として出力する。
【0039】
これにより、Hiサイド出力回路16は、MOSFETQ1〜Q3のMOSFETを360°のうち、60°ごとに6回スイッチングして立ち上げ動作をすると共に、Loサイド出力回路17は、MOSFETQ4〜Q6のMOSFETを360°のうち6回スイッチングして立ち上げ動作をする。
【0040】
また、ブラシレスモータ2の回転数が所定回転数(例えば1800rpm)以下のときには、Hiサイド出力回路16は、図2に示す進角制御を行ってハイサイドのMOSFETQ1〜Q3を駆動する。このとき、Hiサイド出力回路16は、駆動信号出力の立ち下がりを、オーバラップ変換回路14からのオーバラップ時間だけおくらせる。また、Loサイド出力回路17は、PWM出力回路15からのPWM信号の論理積を駆動信号として出力する。
【0041】
これにより、Hiサイド出力回路16は、MOSFETQ1〜Q3のMOSFETを360°のうち、60°ごとに6回スイッチングして立ち上げ動作をすると共に、Loサイド出力回路17は、MOSFETQ4〜Q6のMOSFETを360°のうち6回スイッチングして立ち上げ動作をする。
【0042】
このように動作するLoサイド出力回路17は、各MOSFETQを駆動しているときに、PWM出力回路15からのPWM信号に従った駆動信号を出力することにより、MOSFETQ4〜Q6をPWM制御する。
【0043】
PWM変換回路12は、外部からの回転指示信号で示される回転数でブラシレスモータ2を駆動するのに必要な電力をブラシレスモータ2に供給するためのデューティ比[%]を決定するデューティ比決定処理をする。これにより、PWM変換回路12は、指定されたデューティ比のPWM信号をモータ制御回路15からLoサイド出力回路17に出力する制御をする。
【0044】
このとき、PWM変換回路12は、図3に示すようにパルス幅を小さくすることで、図4に示すようにMOSFETQの立ち上がりタイミングにおいてデューティ比を低くして、徐々にデューティ比を高くするように、PWM信号のデューティ比を決定する。
【0045】
すなわち、PWM変換回路12は、MOSFETQの切換タイミングにおいてデューティ比を下げて、その後、徐々にデューティ比を上昇させ、MOSFETQの切換タイミングから所定時間後に回転指示信号で示される目標のデューティ比とする。
【0046】
このようなPWM変換回路12を備えたモータ制御回路1によれば、MOSFETQをオンオフ制御して、電源電圧ACCをブラシレスモータ2に供給するに際して、MOSFETQの立ち上がりタイミングにおけるリップル変動を防止することができる。したがって、このモータ制御回路1によれば、ブラシレスモータ2に供給する電源電圧ACCのリップル電圧を抑制して、MOSFETQがオンとなる切換タイミングにおいてブラシレスモータ2のトルク変動を抑制することができ、更にはトルク変動による騒音を抑制することができる。
【0047】
[PWM変換回路12の詳細な処理例]
上述した一例では、図4に示すように、MOSFETQをオンとする切換タイミングにおいてデューティ比を低下させて、徐々に目標とするデューティ比まで上昇させる場合について説明したが、PWM変換回路12は、上述の一例とは異なる処理をして、上述の効果を発揮することもできる。以下に、PWM変換回路12の他の処理例について説明する。
【0048】
PWM変換回路12は、上述したように、MOSFETQをオンとする切換タイミングから徐々に目標デューティ比にするに際して、デューティ比を低下させたタイミングから、デューティ比を上昇させて目標デューティ比とするタイミングまでの期間を一定にし、回転数検出回路11で検出したブラシレスモータ2の回転数に応じて、MOSFETQをオンとする切換タイミングにおいてデューティ比を低下させる量を変化させても良い。これにより、MOSFETQがオンとなるタイミングに発生する電圧変動を確実に抑制して、確実にブラシレスモータ2のトルク変動及び騒音を抑制することができる。
【0049】
また、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングにおいて、目標デューティ比から零までデューティ比を低下させても良い。これにより、MOSFETQがオンとなるタイミングに発生する電圧変動を確実に抑制して、確実にトルク変動及び騒音を抑制することができる。
【0050】
更に、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングから目標デューティ比とするタイミングまでの期間を、ブラシレスモータ2の回転数に応じて変化させても良い。このとき、PWM変換回路12は、ブラシレスモータ2の回転数が高いほど、MOSFETQをオンとする切換タイミングから目標デューティ比とするタイミングまでの期間を短くする。すなわち、PWM変換回路12は、ブラシレスモータ2の回転数が高いほど、デューティ比を上昇させる傾きを急峻にするようにデューティ比を決定する。これにより、ブラシレスモータ2のトルク変動及び騒音を抑制することができると共に、ブラシレスモータ2の電源供給効率を向上させることができる。
【0051】
更にまた、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングからデューティ比を上昇させるに際して、現在のデューティ比と、目標デューティ比との平均値を次のデューティ比とする処理をすることで、指数関数的にデューティ比を上昇させても良い。これにより、デューティ比を変化させる処理を簡単化することができる。
【0052】
更にまた、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングでデューティ比を低下させて上昇させるに際して、上昇させる傾きを直線的にしても良い。このとき、PWM変換回路12は、例えば所定時間毎に1%づつデューティ比を上昇させる制御をする。これにより、曲線的にデューティ比を上昇させる場合と比較して、処理を簡単にすることができる。
【0053】
更にまた、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングでデューティ比を低下させて目標デューティ比とする制御を、ブラシレスモータ2の回転数が低回転域(例えば1800rpm以下)のみで行うようにしても良い。これにより、PWM変換回路12は、ブラシレスモータ2の高速回転時にデューティ比を低下させる制御を行わないので、高速回転時における効率を低下ることを抑制する。更に、PWM変換回路12によれば、ブラシレスモータ2のトルク変動に起因する騒音の発生が顕著な、ブラシレスモータ2の低回転域における騒音を抑制することができる。
【0054】
更にまた、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとする切換タイミングにおいてデューティ比を低下させる処理を低回転域のみにおいてする場合において、ブラシレスモータ2のファン速度の変化が発生しないように、ブラシレスモータ2の回転数に応じてデューティ比を上昇させる傾きを変化させ、高回転数域になるまで、すなわち低回転域でデューティ比を目標デューティ比にするようにしても良い。
【0055】
更にまた、PWM変換回路12は、MOSFETQをオンとするタイミングでデューティ比を低下させて目標デューティ比までにする期間を図2におけるオーバラップ期間とするように、デューティ比を上昇させる傾きを調整しても良い。これにより、オーバラップを実現する回路を利用して制御をすることができる。
【0056】
更にまた、PWM変換回路12は、図1に示すように、PWM出力回路15からLoサイド出力回路17にPWM信号を出力する場合について説明したが、これに限らず、Hiサイド出力回路16にもPWM信号を出力して、ローサイドのMOSFETQのみならず、ハイサイドのMOSFETQについても、上述した制御をしても良い。これにより、360°中に12回発生するローサイド及びハイサイドの立ち上がりタイミングの全てにおいてリップル電圧変動を抑制することができる。
【0057】
このようなモータ制御回路1では、上述の一又は複数の処理を組み合わせてデューティ比を低下させた後に上昇させる処理を行っても良いことは勿論である。ここで、モータ制御回路1は、現在デューティ比と目標デューティ比との平均を取ってデューティ比を上昇させる処理又は直線的にデューティ比を上昇させる処理の何れかを行う。
【0058】
また、このモータ制御回路1では、例えば低回転数域(1800rpm)においてMOSFETQをオンとするタイミングでデューティ比を低下させるときにブラシレスモータの回転数に応じて低下させるデューティ比の量を変化させ、回転数が大きい時ほど低下させるデューティ比の量を小さくする。更に、MOSFETQ1〜Q6でデューティ比を制御する処理をし、低回転数域で目標デューティ比まで上昇させる処理を完了するようにする。このように、上述した処理を組み合わせて行うことにより、更にリップル変動を抑制すると共に、ブラシレスモータ2のトルク変動及び騒音を効果的に抑制することができる。
【0059】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したモータ制御回路1の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】Hiサイド出力回路及びLoサイド出力回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】デューティ比を変化させるときのPWM信号を示す図である。
【図4】PWM変換回路により決定されるPWM信号のデューティ比について説明するための図である。
【符号の説明】
1 モータ制御回路
2 ブラシレスモータ
11 回転数検出回路
12 PWM変換回路
13 進角量変換回路
14 オーバラップ変換回路
15 PWM出力回路
16 Hiサイド出力回路
17 Loサイド出力回路
Claims (10)
- 永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子としたブラシレスモータの制御をするブラシレスモータの制御装置において、
電源電圧を上記電機子巻き線に供給する複数のスイッチング素子と、
上記スイッチング素子に駆動信号を出力してオンオフ駆動し、上記スイッチング素子をオンとした期間において電源電圧を上記回転子に供給して、上記回転子を回転駆動させる回転駆動手段と、
上記回転子の回転数を指示する回転指示信号が入力され、上記回転駆動手段が上記回転子を回転させるときの指示回転数を、回転指示信号から検出する指示回転数検出手段と、
上記指示回転数検出手段で検出された指示回転数に応じたデューティ比から、上記スイッチング素子がオンとなる度に、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングで全ての相についてのデューティ比を低下させた後に、全ての相についてのデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をして、上記スイッチング素子がオンとなっている期間において上記電機子巻き線に供給する電源電圧のデューティ比を制御するデューティ比制御手段とを備え、
上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させる時刻から目標デューティ比とする時刻を一定とし、上記ブラシレスモータの回転数が大きい時ほど、上記デューティ比を低下させる量を小さくすることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。 - 永久磁石を回転子とし、電機子巻き線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子としたブラシレスモータの制御をするブラシレスモータの制御装置において、
電源電圧を上記電機子巻き線に供給する複数のスイッチング素子と、
上記スイッチング素子に駆動信号を出力してオンオフ駆動し、上記スイッチング素子をオンとした期間において電源電圧を上記回転子に供給して、上記回転子を回転駆動させる回転駆動手段と、
上記回転子の回転数を指示する回転指示信号が入力され、上記回転駆動手段が上記回転子を回転させるときの指示回転数を、回転指示信号から検出する指示回転数検出手段と、
上記指示回転数検出手段で検出された指示回転数に応じたデューティ比から、上記スイッチング素子がオンとなる度に、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングで全ての相についてのデューティ比を低下させた後に、全ての相についてのデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる制御をして、上記スイッチング素子がオンとなっている期間において上記電機子巻き線に供給する電源電圧のデューティ比を制御するデューティ比制御手段とを備え、
上記デューティ比制御手段は、上記スイッチング素子がオンとなるタイミングでデューティ比を零となるまで低下させることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。 - 上記デューティ比制御手段は、上記ブラシレスモータの回転数に応じてデューティ比を目標デューティ比まで上昇させる期間を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、上記ブラシレスモータの回転数が高いほどデューティ比を目標デューティ比まで上昇させるまでの期間を短くすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させた後にデューティ比を上昇させるに際して、現在のデューティ比と目標デューティ比との平均デューティ比を演算して、当該平均デューティ比を次のデューティ比として、指数関数的に目標デューティ比まで上昇させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、直線的な傾きでデューティ比を目標デューティ比まで上昇させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、デューティ比を低下させた後に目標デューティ比を上昇させる制御をブラシレスモータの低回転数域のみで行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、低下させたデューティ比をブラシレスモータの低回転数域で目標デューティ比とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記デューティ比制御手段は、少なくとも2つのスイッチング素子がオンとなっている期間内で、デューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させる制御をすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
- 上記スイッチング素子は、ハイサイドスイッチング素子とローサイドスイッチング素子とからなり、
上記デューティ比制御手段は、ハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子についてデューティ比を低下させて目標デューティ比まで上昇させて電源電圧をハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子に供給する制御をすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブラシレスモータの制御装置。
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