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JP4208513B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP4208513B2
JP4208513B2 JP2002217126A JP2002217126A JP4208513B2 JP 4208513 B2 JP4208513 B2 JP 4208513B2 JP 2002217126 A JP2002217126 A JP 2002217126A JP 2002217126 A JP2002217126 A JP 2002217126A JP 4208513 B2 JP4208513 B2 JP 4208513B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置において、感光体の帯電手段としてはコロナ帯電器が使用されてきた。しかしこの方法では、コロナ発生時にオゾンや窒素酸化物等のコロナ生成物が発生し、これが感光体表面に付着したり、感光体表面を劣化させたりする。このため、画像ににじみやボケを引き起こしたり、コロナワイヤの汚れが帯電の不均一を起こしたりして、画像の白抜けや黒スジ等の画像欠陥を引き起こしていた。
【0003】
しかし近年は、低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触帯電装置、すなわち電圧を印加した帯電部材を感光体に当接させて感光体の帯電を行う方式の装置が、例えば特開昭57−17826号公報、特開昭58−40566号公報等に提案され、かつ実用化されている。具体的には、帯電は帯電部材と感光体との間に1〜2kV程度の電圧を印加することにより、帯電部材と感光体との微小空隙で発生するギャップ放電によって行われる。
【0004】
したがって、あるしきい値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始され、所定の直流電圧を印加することによって感光体を帯電することができる。しかし、直流電圧のみを印加する方式では、画像形成装置周辺の温度・湿度の変動等により接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また感光体が繰り返し使用によって削れることにより膜厚が変化し、帯電電圧が変動するため、感光体の電位を所望する値にすることが困難であった。
【0005】
このためさらなる帯電の均一性を図るために、例えば特開昭63−149669号公報等に開示されるように、所望の帯電電圧に相当する直流電圧に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した振動電圧を、接触帯電部材に印加して感光体の帯電を行う方式が用いられる。これは、交流電圧印加による電位のならし効果を目的にしたものであり、感光体の電位は印加された直流電圧に収束し、環境、感光体削れ等の外的要因に影響されることはない。
【0006】
また、接触帯電においては、特に帯電部材としてローラ状の帯電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が、帯電の安全性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電部材として導電性を有する弾性ローラ(帯電ローラ)を感光体に加圧当接させ、これに電圧を印加することにより感光体を帯電処理する。このように感光体表面に導電部材を接触させ、導電部材に電圧を印加することにより感光体表面を帯電させるいわゆる接触帯電方式の帯電工程を用いることによって、オゾンの発生が少なく、低電力の帯電が可能となった。さらに、帯電部材に(直流+交流)の振動電圧を印加する方式により、安定で均一な帯電を行うことが可能となった。
【0007】
しかしながら、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は帯電部材から感光体への放電現象を用いているため微量のオゾンは発生する。また、放電が感光体表面近傍で起こるために帯電による感光体表面へのダメージは、コロナ帯電の場合以上となる。さらに、帯電均一化のために交流電圧を重畳させる方式を用いた場合には、さらなるオゾン発生量の増加と放電の増加によって感光体表面の劣化が、さらに顕著になることが問題となっていた。
【0008】
特に、感光体としてOPC(有機光半導体)を用いたOPC感光体においては、接触帯電による感光体表面のダメージは顕著であり、コロナ帯電に比べて接触帯電の場合の、感光体の繰り返し使用時の削れが非常に大きく、したがって感光体の耐久寿命が短くなるという問題が発生した。
【0009】
一方、感光体の耐久寿命を延ばす試みとして、感光体表面層を、光又は熱によって硬化する樹脂により形成し、表面硬度を上げることにより削れを減らす試みが、例えば、特開昭51−66834号公報、特開昭57−207258号公報、特開平4−226469号公報等で示さている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、表面層を硬化性の樹脂によって硬化させた感光体を、接触帯電を行う画像形成装置内で用いた場合には、削れは非常に少ないが、高温・高湿の環境下で繰り返し画像形成を行った場合に、放電によって感光体表面に付着した放電生成物を削り取って除去することが難しく、このため画像がボケてしまうという問題があった。
【0011】
また、感光体表面の放電生成物を除去するために、弾性ブレードによるクリーニングを行なう場合には、弾性ブレードの当接圧を高くしなければならず、表層と弾性ブレードとの摩擦力が高くなり、弾性ブレードのビビリ,捲れ,ブレード自体の欠けという問題が発生し十分な耐久性能が得られなかった。
【0012】
本発明の目的は、表面が固い感光体に付着した放電生成物の除去を可能とし、また帯電時の帯電電流を低減し、低温低湿環境から高温高湿までいかなる環境下においても長期にわたって良好な画像を安定して出力できる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、感光層及び保護層を有する感光体と、前記感光体を一様に帯電する帯電手段と、帯電後の感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を他部材に転写する転写手段とを備え、前記感光体の前記保護層は、硬化性樹脂を含有し、少なくとも熱、光、放射線のいずれかによって硬化されて、テーパ摩耗量が0.1〜1.0(mg/1000回転)であり、前記帯電手段は、直流に交流が重畳された帯電バイアスが印加されて主たる帯電を行う第1の帯電部材と、感光体表面の移動方向に沿っての前記第1の帯電部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側に配設されて前記感光体表面に当接するように配置されて前記感光体表面を摺擦し、前記第1の帯電部材に印加されるよりも高い同極性の直流電圧が印加される第2の帯電部材とを有し、前記第1の帯電部材は、前記感光体表面に当接又は前記感光体表面に対して微小間隙を介して対向配置されて前記感光体表面の移動により従動回転する導電性の弾性ローラである画像形成装置において、前記第2の帯電部材は、アスカーC硬度で20〜40度の硬度、電気抵抗が10 〜10 Ωの、発泡ゴム材で形成され、前記感光体表面に所定の押圧力で押圧されて駆動手段によって前記感光体の移動方向に対してカウンタ方向に駆動回転される導電性の弾性ローラであることを特徴とする。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記第1の帯電部材の上流側でかつ前記第2の帯電部材の下流側において、前記感光体表面に当接された感光体清掃部材を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記第2の帯電部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側において、前記感光体表面に当接された感光体清掃部材を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記感光体清掃部材が、板状の弾性ブレードであることを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記感光体の前記保護層は、電荷輸送化合物を含有することを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記感光体の前記保護層は、厚さが2μm以上10μm以下であることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0025】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、中間転写ベルト(中間転写体)を使用した電子写真方式の4色フルカラーの複写機であり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。なお、同図に示す複写機は、複写機能の外に、プリンタ機能,ファクシミリ機能を有するデジタル複合機として構成されている。
【0026】
図1に示すように、同図に示す複写機(以下「画像形成装置」という。)は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)を備えている。感光ドラム1は、アルミニウム等の導電性のドラム基体(支持体)1bと、その外周面に形成された光導電層(感光層)1aとを有しており、外径62mmの円筒状に形成されている。
【0027】
光導電層1aの膜厚は略15μmであり、最上層の保護層1cは2μm以上10μm以下の層厚に形成されている。保護層1cは、硬化性樹脂と電荷輸送化合物とのうちの少なくとも一方(硬化性樹脂及び/又は電荷輸送化合物)を含有し、少なくとも熱,光,放射線の何れかにより硬化された保護層1cである。
【0028】
保護層1cのテーパ摩耗量は0.1〜1.0(mg/1000回転)である。テーパ摩耗の試験は、テーパ摩耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着し、2個の、表面にラッピングテープ(冨士写真フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の摩耗輪(CS−0)に各々荷重500gをかけ、1000回転後のサンプルの重量減少を精密天秤にて測定した。
【0029】
感光ドラム1は、矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)、例えば200mm/secの周速度で回転駆動される。
【0030】
この感光ドラム1に対して、第1の帯電部材としての直径16mmの主帯電ローラ2が対向配置されている。主帯電ローラ2は、芯金2dと、その外周面に形成した弾性導電層2cと、さらにその弾性導電層2cの外周面に形成した抵抗調整層2bと、アクリル又はフッ素樹脂で構成された表面層2aとを有している。主帯電ローラ2は、芯金2dの長手方向両端部を軸受け部材(不図示)によって回転自在に軸受けさせており、感光ドラム1の長手方向に向けてこれと平行に配置されている。主帯電ローラ2は、押圧手段(不図示)によって所定の押圧力で感光ドラム表面に押圧されており、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。
【0031】
感光ドラム1の回転方向に沿っての主帯電ローラ2の上流側には、補助帯電ローラ3が配設されている。補助帯電ローラ3は、直径16mmのローラ状の部材であり、押圧手段(不図示)によって1〜2kgの加圧力で感光ドラム1表面に押圧されている。補助帯電ローラ3は、駆動手段(不図示)によって感光ドラム1表面に対してカウンタ方向(矢印R3方向)に、感光ドラム1の周速度の25%〜100%の周速度で回転駆動される。補助帯電ローラ3は、酸化亜鉛(ZnO)やカーボン(C)を分散させて導電性を持たせた発泡スポンジゴム(発泡ゴム材)のローラであり、抵抗値10〜10Ω、硬度20〜40度(アスカーC)である。
【0032】
主帯電ローラ2の芯金2dには帯電電源4が接続されており、この帯電電源4から被帯電体である主帯電ローラ2に帯電バイアスを印加することにより、主帯電ローラ2が感光ドラム1の外周面(表面)を所定の極性・電位に一様に帯電処理する。本実施の形態では、主帯電ローラ2に帯電バイアスとして、直流定電圧−700Vに、周波数1350Hz、ピーク間電圧1.5kVppの正弦波交流バイアスを重畳した電圧を印加して、感光ドラム1の表面が現像位置Dに到達したときに−700Vになるようにしている。
【0033】
また、補助帯電ローラ3には、補助帯電用電源5より主帯電ローラへのバイアスと同期した補助帯電用の帯電バイアスである直流電圧−1000Vが印加される。
【0034】
上述のように2段帯電で帯電処理された感光ドラム1は、露光装置(露光手段)6によって、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置7によって現像される。なお、2段帯電とは補助帯電ローラ3と主帯電ローラ2による主帯電との双方を行う帯電のことをいい、これに対して1段帯電とは、補助帯電を行わない主帯電だけの帯電をいうものとする。
【0035】
現像装置7は、回転自在なロータリ8と、これに搭載された4個の現像器、すなわちブラック(Bk),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)のトナーをそれぞれ収納した現像器9,10,11,12とを備えている。感光ドラム1上に形成された静電潜像の現像に供される色の現像器が、ロータリ8の回転によって、感光ドラム1表面に対向する現像位置Dに配置されるようになっている。各色の現像器9,10,11,12には、例えば、重合法で作られた各色のトナーとキャリヤとを有する非磁性の二成分現像剤が収納されており、上述の静電潜像にトナーを付着させることで、静電潜像をトナー像として現像している。
【0036】
上述の現像装置7によって感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印R1方向に回転に伴って一次転写位置(一次転写部)T1に搬送され、ここで他部材としての中間転写ベルト(中間転写体)13に転写される。中間転写ベルト13は、ポリイミド,ポリフッ化ビニリデン(PDVF)等の合成樹脂によって形成された無端状のベルトであり、駆動ローラ15、従動ローラ16、二次転写対向ローラ17に掛け渡され、駆動ローラ15の回転によって矢印R13方向に回転駆動されている。中間転写ベルト13は、一次転写ローラ14によって感光ドラム1表面に当接され、この当接部が一次転写位置T1となる。一次転写ローラ14には、一次転写バイアス印加電源(不図示)によって、感光ドラム1上のトナー像とは逆極性の一次転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト13上に一次転写される。
【0037】
以上の、補助帯電ローラ3及び主帯電ローラ2による帯電、露光装置6による露光、現像装置7による現像を、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色について繰り返し、感光ドラム1上に形成された各色のトナー像を順次に、他部材としての中間転写ベルト(中間転写体)13上に一次転写する。これにより中間転写ベルト13上で4色のトナー像を重ねあわせる。
【0038】
こうして中間転写ベルト13上に形成された4色のトナー像は、二次転写位置(二次転写部)T2において、二次転写される。中間転写ベルト13のうちの二次転写対向ローラ17に掛け渡された部分には、二次転写ローラ18が当接されて、中間転写ベルト13と二次転写ローラ18との間に二次転写位置T2が形成される。この二次転写位置T2には、給紙カセット(不図示)から記録材Pが供給される。給紙カセット内に収納された記録材Pは、給紙ローラ、搬送ローラ、レジストローラ(いずれも不図示)等によって中間転写ベルト13上のトナー像とタイミングをあわせるようにして二次転写位置T2に供給される。このとき、二次転写バイアス電源(不図示)によって二次転写ローラ18に二次転写バイアスが印加され、これにより、中間転写ベルト13上の4色のトナー像は、記録材P上に一括で二次転写される。
【0039】
トナー像転写後の記録材Pは、中間転写ベルト13から分離されて定着器(不図示)に搬送され、ここで加熱・加圧を受けて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後の記録材Pは、片面画像形成の場合は、画像形成装置本体外部に排出され、両面画像形成の場合は、定着器から再給送手段に搬送され、ここから再度、二次転写位置T2に供給されて、裏面にも画像形成が行われて定着後、画像形成装置の外部に排出される。
【0040】
上述のトナー像の一次転写時に中間転写ベルト13に転写されないで感光ドラム1表面に残ったトナー(残留トナー、外添剤、放電生成物等の転写残留物)は、補助帯電ローラ3により強制的に感光ドラム1表面から剥ぎ取られる。
【0041】
ここで、保護層が比較的軟らかい従来の感光ドラムでは、このような転写残留物の強制剥ぎ取りを行なうと、削れ量が大きくなり、感光ドラムの寿命も短かくなってしまったが、本実施の形態に示す、保護層1cの硬い感光ドラムでは、転写残留物の強制剥ぎ取りを行った場合でも、削れ量が小さいために、強制剥ぎ取りが可能である。
【0042】
上述の補助帯電ローラ3は、外周部、つまり感光ドラム1表面に直接接触する部分が多孔質の発泡スポンジで構成されている。このため、転写残留物を蓄積する効果は十分あるが、上述の強制剥ぎ取り動作時、又は画像形成時以外は、補助帯電ローラ3に補助帯電バイアス、又は別途設定された適当なバイアスを印加し、補助帯電ローラ3の表層に蓄積された転写残留物を徐々に感光ドラム1上に吐き出させ、例えばブラックの現像器9で回収するようにしてもよい。
【0043】
また、画像形成時、主帯電ローラ2により帯電を行なう前に、感光ドラム1の表面は、一定電圧Vpreに帯電されている。Vpreは、感光ドラム1の放電開始電圧を略500Vとすると、補助帯電ローラ3により−1000Vに印加されているため、略500Vとなる。
【0044】
ここで、図2に、主帯電ローラ2による主帯電を行う前に、補助帯電ローラ3による補助帯電を行わない場合と行う場合の、主帯電ローラ印加交流電圧(Vpp)と感光ドラム表面の帯電電位との関係を示す。
【0045】
主帯電のVppを上げていった際の感光ドラム表面の帯電電位は、補助帯電がない場合は−200Vから上昇していくが、補助帯電がある場合は−500Vから上昇している。そして所望の電位−700Vに収束するVppはどちらも同じとなり、放電電流も同じとなる。
【0046】
しかしながら、通常、放電電流の設定は、帯電ローラの汚れや、異常放電による黒ポチ(砂地)を考慮し、帯電電位が飽和する点よりも高めに設定しているが、補助帯電を行うことにより、異常放電開始電流が低くなるため、その分放電電流を下げることが可能となる。実際、補助帯電がない場合の放電電流は100〜150μAであったが、補助帯電を行なうことにより2/3〜1/2程度に低減できる。したがって放電生成物の発生頻度も減少し、感光ドラム表層の劣化も抑制することが可能となる。
【0047】
<実施の形態2>
図3に、実施の形態2に係る画像形成装置の概略構成を示す。なお、上述の実施の形態1と同様の機能・構成を有する部材等については、同一の符合を付して重複説明は適宜省略するものとする。
【0048】
本実施の形態は、実施の形態1に示した、補助帯電ローラ3の表層に蓄積された転写残留物の吐き出し物を、現像器で回収した場合に問題が発生する系において改良を加えたものである。
【0049】
本実施の形態では、ブラックの現像器9が磁性位置成分現像剤によって現像を行う、磁性一成分現像方式(通称:ジャンピング現像)を採用している。これは、補助帯電ローラ3の表層に蓄積された転写残留物の吐き出し物を、ブラックの現像器9で回収した場合に問題が発生する代表例として取り挙げたものであり、本発明は磁性一成分現像方式を採用した場合に限ったものではない。
【0050】
本実施の形態で採用している磁性一成分現像方式は、二成分現像方式とは異なり、磁性キャリヤを必要としないため、キャリヤとトナーの混合比制御システムを必要とせず、またキャリヤ劣化によるキャリヤ交換やキャリヤ自動交換装置を必要としないため、現像器構成(特に攪拌・搬送構成)が簡易化できる、いわゆるメンテナンスフリーという大きな特徴がある。この結果、低ランニングコスト化、現像装置自体のコストダウン、現像装置の小型化ができる等の大きなメリットがある。
【0051】
また4色フルカラーの画像形成装置においても、黒文字等によるブラックの現像器9の使用頻度は非常に高いため、全出力画像に含まれるブラックのトナーの使用率は非常に高い。例えば、画像形成枚数をベースとした場合、Bk出力/全出力(フルカラー出力+Bk出力)は0.5から0.9に及ぶという調査があり、ブラックの現像器9をメンテフリーにすることは、低ランニングコストの点で大きな効果がある。
【0052】
一方、デメリットとして、磁性一成分現像方式は「トナーへの電荷付与」という点に関してキャリヤとトナーとの摺擦による電荷付与に頼ることができず、主に現像ローラへのトナー薄層コーティングの際用いられる現像ブレード部での摺擦に頼っているため、二成分現像方式に比べトナーの電荷付与レベルが低いという点が挙げられる。そこで、磁性一成分現像方式の場合、一般的に、帯電補助剤としてチタン酸ストロンチウム等の微粒子が現像剤に4%程度添加される。
【0053】
しかしながら、この帯電補助剤は転写工程後の感光ドラム1上に残る転写残留物(以後「廃トナー」という。)においては、その含有量が増し、さらに転写、クリーニング等のトナーと帯電補助剤の摺擦によりトナーの中に帯電補助剤が埋め込まれるため、廃トナーの帯電特性は現像器内のフレッシュなトナーとは全く異なる特性を示し、これが現像器内に入ると現像ローラ上に担持されたトナーの電荷分布が極端に不均一となり、画像上にムラとなって現れる現象(通称:コンタミ)が発生する。よって、補助帯電ローラの表層に蓄積された転写残留物の吐き出し物を、現像器で回収することは避ける必要があり、本実施の形態ではこの点について改良を加えた。
【0054】
図3に示すように、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向に沿っての主帯電ローラ2の上流側でかつ補助帯電ローラ3の下流側に、クリーニング装置(クリーニング手段)19を設けた。
【0055】
クリーニング装置19は、弾性ブレード(感光体清掃部材)20と、クリーニング容器21とを有している。弾性ブレード20は、長方形状に形成された板状の部材であり、上端側をクリーニング容器21によって支持されるとともに、自由端となる下端側の一方の1つのエッジを感光ドラム1表面にカウンタ方向に当接させている。これにより、補助帯電ローラ3に蓄積した転写残留物(廃トナー)を画像形成以外の時に吐き出しても、この弾性ブレード20によって払拭してクリーニング容器21内に回収できるため、現像器9内に廃トナーが混入することによる画像ムラ(コンタミ)を防ぐことが可能となる。
【0056】
またこの構成においては、弾性ブレード20の上流側の補助帯電ローラ3が、感光ドラム1上のトナー、外添剤、強固にこびり付いた放電生成物を強制的に剥ぎ取り、その後、剥ぎ取った物を感光ドラム1上に固着させずにソフトに戻す。したがって、従来技術で説明した、補助帯電ローラ3がなく、弾性ブレードのみの場合よりも、感光ドラム1に対する弾性ブレード20の当接圧を低減できるため、弾性ブレード20のビビリ,捲れ,ブレード自体の欠けといった耐久性上の問題を解決することができる。
【0057】
<実施の形態3>
図4に、実施の形態3に係る画像形成装置の概略構成を示す。なお、上述の実施の形態1,2と同様の機能・構成を有する部材等については、同一の符合を付して重複説明は適宜省略するものとする。
【0058】
本実施の形態は、前述の実施の形態1の画像形成装置において、紙詰まり等のいわゆるジャム時に、感光ドラム1上に現像されたトナー像が、中間転写ベルト13に転写されず、補助帯電ローラ3に達して、補助帯電ローラ3のトナー汚染が発生することを想定して、ジャム時においても、補助帯電ローラ3がトナー汚染されないように改良を加えたものである。
【0059】
本実施の形態では、図4に示すように、感光ドラム1の回転方向に沿っての補助帯電ローラ3の上流側でかつ一次転写ローラ14の下流側に、クリーニング装置19を配設したものである。なお、クリーニング装置19自体の構成は、上述の実施の形態2で示したものと同様なのでその重複説明は省略する。
【0060】
本実施の形態においては、上述の位置にクリーニング装置19を配設したので、紙詰まり等のいわゆるジャム時に、感光ドラム1上に現像されたトナー像が転写されなかった場合において、一次転写位置T1から感光ドラム1の回転に伴って大量のトナーが搬送されてきた場合でも、クリーニング装置19の弾性ブレード20によって、トナーを払拭しクリーニング容器21に回収することができるため、補助帯電ローラ3の極端なトナー汚染を有効に防止することができる。
【0061】
ここで、従来の技術で紹介した弾性ブレードで感光ドラム表面のクリーニングを行う場合は、画像ボケの原因である放電生成物を弾性ブレードの当接圧を高くすることにより、除去する必要があった。しかしながら、本実施の形態3においては、弾性ブレード20の下流側に補助帯電ローラ3があり、これにより放電生成物の除去が可能である。
【0062】
したがって、本実施の形態においては、弾性ブレード20の当接圧を低減することで、弾性ブレード20のビビリ,捲れ,ブレード自体の欠けという耐久性上の問題を回避して、トナーと外添剤のみをクリーニングする一方で、弾性ブレード20の下流側にある補助帯電ローラ3で放電生成物を剥ぎ取るという構成をとる。つまり、弾性ブレード20と補助帯電ローラ3とでクリーニングに関する機能分離を行っているわけである。
【0063】
また放電生成物が補助帯電ローラ3に付着しても、その帯電特性は変化しないことが、検討の結果確認されている。よって、補助帯電ローラ3、及び主帯電ローラ2の帯電特性は環境変動、ジャム直後にかかわらず、いかなる場合においても安定しており、長期にわたり安定した帯電、ひいては画像出力が可能となる。
【0064】
以上の実施の形態1〜3では、画像形成装置が4色フルカラーの画像形成装置である場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、単色の画像形成装置に対しても適用できるのはもちろんである。
【0065】
上述の実施の形態1〜3によると、導電性のドラム基体1b上に感光層1a及び保護層1cを有し、感光ドラム1の削れに対する寿命を増大させた感光ドラム1を用いる画像形成装置において、主たる帯電を行う主帯電ローラ(第1の帯電部材)2と、感光ドラム1の回転方向に沿ってのこの主帯電ローラ2の上流側でかつ一次転写ローラ(転写手段)14の下流側に配設される補助帯電ローラ3(第2の帯電部材)を有し、補助帯電ローラ3を感光ドラム1表面に摺擦させることにより、感光ドラム1表面を研磨するようにした。これにより、
▲1▼放電生成物の感光ドラム1表面への付着による高温・高湿下での画像のボケを防止することができる。
【0066】
▲2▼従来、表面の硬度が高い感光ドラム1を、弾性ブレード20によってりクリーニングする際に発生するブレードのビビリ,捲れ,欠けにより、弾性ブレード20の寿命が短いという課題があった。本発明によると、弾性ブレード20を積極的に省略する、又は省略しない場合には感光ドラム1表面に対する当接厚を低くすることができるので、クリーニング装置19に十分な耐久性を持たせることができる。
【0067】
▲3▼帯電時の異常放電による黒ポチ(砂地)を抑えるための放電電流量(帯電電流量)を低減できるため、放電生成物の発生頻度が低減し、感光ドラム1表面の劣化を抑制することができる。
という作用・効果があり、さらにこれらにより、低温低湿から高温高湿のいかなる環境下においても良好な画像を長期的に安定して出力することができるという効果を奏する。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、帯電手段は、主たる帯電を行う第1の帯電部材と、感光体表面の移動方向に沿っての第1の帯電部材の上流側でかつ転写手段の下流側に配設された第2の帯電部材とを有し、第2の帯電部材は、感光体表面に当接するように配置されて感光体表面を摺擦するので、表面高度の高い感光体を使用した場合であっても、放電生成物を第2の帯電部材によって研磨して除去することができる。これにより、高温・高湿下での画像のボケを防止し、感光体クリーニング用の弾性ブレードを省略することができ、また省略することができない場合には、弾性ブレードの感光体に対する当接圧を低減して感光体の寿命を延長し、さらに帯電時の異常放電による黒ポチ(砂地)を抑えるための放電電流量(帯電電流量)を低減できるため、放電生成物の発生頻度が低減し、感光体表面の劣化を抑制することができる。そして、これらにより、低温低湿から高温高湿のいかなる環境下においても良好な画像を長期的に安定して出力することができるという効果を導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】主帯電ローラによる主帯電の前に、補助帯電ローラによる補助帯電を行わない場合と行った場合の、主帯電ローラに印加する交流電圧のピーク間電圧Vppと感光体表面電位との関係を示す図である。
【図3】実施の形態2の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図4】実施の形態3の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
1a 感光層(光導電層)
1b ドラム基体
1c 保護層
2 第1の帯電部材(主帯電ローラ)
3 第2の帯電部材(補助帯電ローラ)
6 露光手段(露光装置)
13 他部材(中間転写ベルト)
14 転写手段(一次転写ローラ)
20 感光体清掃部材(弾性ブレード)
P 記録材

Claims (6)

  1. 感光層及び保護層を有する感光体と、前記感光体を一様に帯電する帯電手段と、帯電後の感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を他部材に転写する転写手段とを備え、
    前記感光体の前記保護層は、硬化性樹脂を含有し、少なくとも熱、光、放射線のいずれかによって硬化されて、テーパ摩耗量が0.1〜1.0(mg/1000回転)であり、
    前記帯電手段は、直流に交流が重畳された帯電バイアスが印加されて主たる帯電を行う第1の帯電部材と、感光体表面の移動方向に沿っての前記第1の帯電部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側に配設されて前記感光体表面に当接するように配置されて前記感光体表面を摺擦し、前記第1の帯電部材に印加されるよりも高い同極性の直流電圧が印加される第2の帯電部材とを有し、
    前記第1の帯電部材は、前記感光体表面に当接又は前記感光体表面に対して微小間隙を介して対向配置されて前記感光体表面の移動により従動回転する導電性の弾性ローラである画像形成装置において、
    前記第2の帯電部材は、アスカーC硬度で20〜40度の硬度、電気抵抗が10 〜10 Ωの、発泡ゴム材で形成され、前記感光体表面に所定の押圧力で押圧されて駆動手段によって前記感光体の移動方向に対してカウンタ方向に駆動回転される導電性の弾性ローラであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体表面の移動方向に沿っての前記第1の帯電部材の上流側でかつ前記第2の帯電部材の下流側において、前記感光体表面に当接された感光体清掃部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体表面の移動方向に沿っての前記第2の帯電部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側において、前記感光体表面に当接された感光体清掃部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体清掃部材が、板状の弾性ブレードであることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の前記保護層は、電荷輸送化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体の前記保護層は、厚さが2μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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