JP4208332B2 - インクジェットヘッドユニットの調整装置及び調整方法及びカラーフィルタの製造方法及び液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドにより被記録部材に向けてインクを吐出して、各各ラインを記録するインクジェット記録方法及び記録装置及びカラーフィルタ及び表示装置及びこの表示装置を備えた装置及びインクジェットヘッドユニットの調整装置及びインクジェットヘッドユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの発達、特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のためには液晶ディスプレイのコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の高いカラーフイルタのコストダウンに対する要求が高まっている。従来から、カラーフイルタの要求特性を満足しつつ上記の要求に応えるべく種々の方法が試みられているが、いまだ全ての要求特性を満足する方法は確立されていない。以下にそれぞれの方法を説明する。第1の方法は顔料分散法である。この方法は、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。更にこの工程を3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフイルタ層を形成する。
【0003】
第2の方法は染色法である。染色法は、ガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフオトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフイルタ層を形成する。
【0004】
第3の方法としては電着法がある。この方法は、基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1の色を電着する。この工程を3回繰り返してR、G、Bのカラーフイルタ層を形成し、最後に焼成するものである。
【0005】
第4の方法としては印刷法がある。この方法は、熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷を3回繰り返すことによりR、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層を形成するものである。また、いずれの方法においても着色層上に保護層を形成するのが一般的である。
【0006】
これらの方法に共通している点は、R、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また、工程が多いほど歩留りが低下するという問題を有している。更に、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術ではTFT用には適用が難しい。また、印刷法は、解像性、平滑性が悪いためファインピッチのパターンは形成が難しい。
【0007】
これらの欠点を補うべく、特開昭59−75205号公報、特開昭63−235901号公報あるいは特開平1−217320号公報等には、インクジェット方式を用いてカラーフイルタを製造する方法が開示されている。これらの方法は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色の色素を含有するインクをインクジェット方式で光透過性の基板上に噴射し、各インクを乾燥させて着色画像部を形成するものである。こうしたインクジェット方式では、R、G、Bの各画素の形成を一度に行うことが可能で大幅な製造工程の簡略化と、大幅なコストダウン効果を得ることが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインクジェット方式によりカラーフィルタを製造する場合、複数のインク吐出ノズルを有する長尺状のインクジェットヘッドによりカラーフィルタ基板上を走査しながら、各画素にインクを吐出し、複数回の走査で各画素部を着色することが行われる。この場合、複数のインク吐出ノズルは夫々そのインク吐出量が微妙に異なるため、1つの画素列を同じノズルで着色したのでは、インク吐出量が多いノズルで着色した画素列は色が濃く、インク吐出量が少ないノズルで着色した画素列は色が薄くなり、完成したカラーフィルタに色ムラができてしまうという問題点があった。
【0009】
また、カラーフィルタを製造する場合には、上記のような長尺状のインクジェットヘッドを、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色について夫々用意する必要があり、この3つのヘッドの相対位置を調整するのに非常に手間がかかるという問題点もあった。
【0010】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、濃度ムラの少ない高品位な記録を行うことができるインクジェット記録方法及び記録装置を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、上記の記録方法及び記録装置により製造されたカラーフィルタ及び表示装置及びこの表示装置を備えた装置を提供することである。
【0012】
また、本発明のさらに他の目的は、複数のヘッドの相対位置を容易に調整することが出来るインクジェットヘッドユニットの調整装置及びインクジェットヘッドユニットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するための本発明は、異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを基板に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記基板を着色する装置において用いられる前記インクジェットヘッドユニットを調整するための調整装置であって、前記第1方向に沿った基板上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整手段と、前記粗調整手段により前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後に、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度を微調整し、且つ前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係わるインクジェットヘッドユニットの調整装置において、前記インクジェットヘッドユニットは、前記基板にインクを吐出して画素列を着色してカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置において用いられることを特徴とする。
【0015】
また、他の本発明は、異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを被記録部材に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記被記録部材を着色する前に行われる、前記インクジェットヘッドユニットの調整方法であって、前記第1方向に沿った被記録部材上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整工程と、前記粗調整工程において前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度を微調整すると共に、前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、他の本発明は、異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを基板に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記基板を着色することによりカラーフィルタを製造する方法であって、前記第1方向に沿った基板上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整工程と、前記粗調整工程において前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後に、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度を微調整し、且つ、前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整工程と、前記微調整工程において微調整された前記複数のインクジェットヘッドから前記基板の画素列にインクを吐出して前記基板を着色する着色工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係わる液晶表示パネルの製造方法は、カラーフィルタを備える液晶表示パネルを製造する方法であって、上記の方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、用意されたカラーフィルタと対向基板の間に液晶化合物を封入する工程と、を備えることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
図1はカラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【0048】
図1において、51は装置架台、52は架台51上に配置されたXYθステージ、53はXYθステージ52上にセットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィルタ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラーフィルタ54の着色を行うR(赤),G(緑),B(青)の各インクジェットヘッドとそれらを支持するヘッドマウント55aとからなるヘッドユニット、58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するコントローラ、59はコントローラの表示部であるところのティーチングペンダント(パソコン)、60はティーチングペンダント59の操作部であるところのキーボードを示している。ヘッドユニット55は、カラーフィルタ製造装置90の支持部90aに対して着脱自在に、且つ水平面内で回動角度を調整可能に装着されている。
【0049】
図2はカラーフィルタ製造装置90の制御コントローラの構成図である。59は制御コントローラ58の入出力手段であるティーチングペンダント、62は製造の進行状況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示部、60はカラーフィルタ製造装置90の動作等を指示する操作部(キーボード)である。
【0050】
58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するところのコントローラ、65はティーチングペンダント59とのデータの受け渡しを行うインタフェース、66はカラーフィルタ製造装置90の制御を行うCPU、67はCPU66を動作させるための制御プログラムを記憶しているROM、68は生産情報等を記憶するRAM、70はカラーフィルタの各画素内へのインクの吐出を制御する吐出制御部、71はカラーフィルタ製造装置90のXYθステージ52の動作を制御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続され、その指示に従って動作するカラーフィルタ製造装置を示している。
【0051】
次に、図3は、上記のカラーフィルタ製造装置90に使用されるインクジェットヘッドIJHの構造を示す図である。図1では、ヘッドユニット55内において、インクジェットヘッドIJHはR,G,Bの3色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3個のヘッドのうちの1つの構造を代表して示している。
【0052】
図3において、インクジェットヘッドIJHは、インクを加熱するための複数のヒータ102が形成された基板であるヒータボード104と、このヒータボード104の上にかぶせられる天板106とから概略構成されている。天板106には、複数の吐出口108が形成されており、吐出口108の後方には、この吐出口108に連通するトンネル状の液路110が形成されている。各液路110は、隔壁112により隣の液路と隔絶されている。各液路110は、その後方において1つのインク液室114に共通に接続されており、インク液室114には、インク供給口116を介してインクが供給され、このインクはインク液室114から夫々の液路110に供給される。
【0053】
ヒータボード104と、天板106とは、各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来る様に位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。図3においては、2つのヒータ102しか示されていないが、ヒータ102は、夫々の液路110に対応して1つずつ配置されている。そして、図3の様に組み立てられた状態で、ヒータ102に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108から押し出されて吐出される。従って、ヒータ102に加える駆動パルスを制御、例えば電力の大きさを制御することにより気泡の大きさを調整することが可能であり、吐出口から吐出されるインクの体積を自在にコントロールすることができる。
【0054】
図4は、このようにヒータに加える電力を変化させてインクの吐出量を制御する方法を説明するための図である。
【0055】
この実施形態では、インクの吐出量を調整するために、ヒータ102に2種類の定電圧パルスを印加する様になされている。2つのパルスとは、図4に示す様にプレヒートパルスとメインヒートパルス(以下、単にヒートパルスという)である。プレヒートパルスは、実際にインクを吐出するに先立ってインクを所定温度に暖めるためのパルスであり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5 よりも短い値に設定されている。従って、このプレヒートパルスによりインクが吐出されることはない。プレヒートパルスをヒータ102に加えるのは、インクの初期温度を、一定の温度にまで上昇させておくことにより、後に一定のヒートパルスを印加したときのインク吐出量を常に一定にするためである。また、逆にプレヒートパルスの長さを調節することにより、予めインクの温度を調節しておき、同じヒートパルスが印加された場合でも、インクの吐出量を異ならせることも可能である。また、ヒートパルスの印加に先立ってインクを暖めておくことにより、ヒートパルスを印加した時のインク吐出の時間的な立ち上がりを早めて応答性を良くする働きも持っている。
【0056】
一方、ヒートパルスは、実際にインクを吐出させるためのパルスであり、上記のインクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5 よりも長く設定されている。ヒータ102が発生するエネルギーは、ヒートパルスの幅(印加時間)に比例するものであるため、このヒートパルスの幅を調節することにより、ヒータ102の特性のばらつきを調整することが可能である。
【0057】
なお、プレヒートパルスとヒートパルスとの間隔を調整して、プレヒートパルスによる熱の拡散状態を制御することによってもインクの吐出量を調整することが可能となる。
【0058】
上記の説明から分かる様に、インクの吐出量は、プレヒートパルスとヒートパルスの印加時間を調節することによって制御することも可能であるし、またプレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を調節することによっても可能である。従って、プレヒートパルス及びヒートパルスの印加時間やプレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を必要に応じて調整することにより、インクの吐出量やインクの吐出の印加パルスに対する応答性を自在に調節することが可能となる。
【0059】
次に、このインクの吐出量の調整について具体的に説明する。
【0060】
例えば、図4に示す様に吐出口(ノズル)108a,108b,108cが、同じエネルギーを加えた時のインクの吐出量が異なっている場合について説明する。詳しくは、一定温度で、一定エネルギーを印加したときに、ノズル108aのインク吐出量が36pl(ピコリットル)、ノズル108bのインク吐出量が40pl、ノズル108cのインク吐出量が40plであり、ノズル108aに対応するヒータ102a及びノズル108bに対応するヒータ102bの抵抗値が200Ω、ノズル108cに対応するヒータ102cの抵抗値が210Ωであるものとする。そして、それぞれのノズル108a,108b,108cの吐出量を全て40plに合わせたいものとする。
【0061】
それぞれのノズル108a,108b,108cの吐出量を同じ量に調整するためには、プレヒートパルスとヒートパルスの幅を調整すれば良いのであるが、このプレヒートパルスとヒートパルスの幅の組み合わせには種々のものが考えられる。ここでは、ヒートパルスにより発生するエネルギーの量を3つのノズルで同じになる様に設定し、吐出量の調整は、プレヒートパルスの幅を調整することにより行なうものとする。
【0062】
まず、ノズル108aのヒータ102aとノズル108bのヒータ102bの抵抗値は同じ200Ωであるので、ヒートパルスにより発生するエネルギーを同じにするには、ヒータ102a,102bに同じ幅の電圧パルスを印加すればよい。ここでは、電圧パルスの幅を前述したt5 よりも長いt3 に設定する。一方、ノズル108aと108bとは、同じエネルギーを加えた時の吐出量が、36plと40plと異なるため、ノズル108aの吐出量を多くするために、ヒータ102aには、ヒータ102bのプレヒートパルスの幅t1 よりも長いt2 のプレヒートパルスを加える。このようにすれば、ノズル108aと108bの吐出量を同じ40plにそろえることができる。
【0063】
一方、ノズル108cのヒータ102cの抵抗値は、他の2つのヒータ102a,102bの抵抗値よりも高い210Ωであるため、ヒータ102cから、他の2つのヒータと同じエネルギーを発生させるためには、ヒートパルスの幅を長くする必要がある。そのため、ここでは、ヒートパルスの幅を前述したt3 よりも長いt4 に設定している。また、プレヒートパルスの幅に関しては、一定エネルギーを加えた時のノズル108bと108cの吐出量が同じであるため、ヒータ102bと同じにすればよく、t1 の幅のプレヒートパルスを加える。
【0064】
以上の様にして、抵抗値と一定エネルギーを加えた時のインク吐出量の異なる3つのノズル108a,108b,108cから同じ量のインクを吐出させることができる。また、同じ手法により、インクの吐出量を意識的に異ならせることも可能である。なお、プレヒートパルスを利用するのは、ノズルごとの吐出のバラつきを低減するためである。
【0065】
次に、図5は、カラーフィルタの製造工程の例を示した図である。
【0066】
本実施形態においては、基板1として一般にガラス基板が用いられるが、液晶用カラーフィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであればガラス基板に限定されるものではない。
【0067】
図5(a)は、光透過部7と遮光部であるブラックマトリクス2を備えたガラス基板1を示す。まず、ブラックマトリクス2の形成された基板1上に光照射又は光照射と加熱により硬化可能であり且つインク受容性を有する樹脂組成物を塗布し、必要に応じてプリベークを行って樹脂層3’を形成する(図5(b))。樹脂層3’の形成には、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0068】
次に、ブラックマトリクス2により遮光される部分の樹脂層をフォトマスク4’を使用して予めパターン露光を行うことにより樹脂層の一部を硬化させてインクを吸収しない部位5’(非着色部位)を形成し(図5(c))、その後インクジェットヘッドを用いてR、G、Bの各色を一度に着色し(図5(d))、必要に応じてインクの乾燥を行う。
【0069】
パターン露光の際に使用されるフォトマスク4’としては、ブラックマトリクスによる遮光部分を硬化させるための開口部を有するものを使用する。この際、ブラックマトリクスに接する部分での着色剤の色抜けを防止するために、比較的多くのインクを付与することが必要である。そのためにブラックマトリクスの(遮光)幅よりも狭い開口部を有するマスクを用いることが好ましい。
【0070】
着色に用いるインクとしては、色素として染料系又は顔料系共に用いることが可能であり、また液状インク、ソリッドインク共に使用可能である。
【0071】
本発明で使用する硬化可能な樹脂組成物としては、インク受容性を有し、且つ光照射と加熱の少なくとも一方の処理により硬化し得るものであればいずれでも使用可能であり、樹脂としては例えばアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体あるいはその変性物等が挙げられる。
【0072】
これらの樹脂を光あるいは光と熱により架橋反応を進行させるために光開始剤(架橋剤)を用いることも可能である。光開始剤としては、重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン系開始剤等が使用可能である。またこれらの光開始剤を混合して、あるいは他の増感剤と組み合わせて使用することもできる。更にオニウム塩などの光酸発生剤を架橋剤として併用することも可能である。なお、架橋反応をより進行させるために光照射の後に熱処理を施してもよい。
【0073】
これらの組成物を含む樹脂層は、非常に耐熱性、耐水性等に優れており、後工程における高温あるいは洗浄工程に十分耐え得るものである。
【0074】
本発明で使用するインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。
【0075】
また、本例では基板上にブラックマトリクスが形成された例を示しているが、ブラックマトリクスは、硬化可能な樹脂組成物層を形成後、あるいは着色後に樹脂層上に形成されたものであっても特に問題はなく、その形態は本例に限定されるものではない。また、その形成方法としては、基板上にスパッタもしくは蒸着により金属薄膜を形成し、フォトリソ工程によりパターニングすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0076】
次いで光照射のみ、熱処理のみ、又は光照射及び熱処理を行って硬化可能な樹脂組成物を硬化させ(図5(e))、必要に応じて保護層8を形成(図5(f)する。なお、図中hνは光の強度を示し、熱処理の場合は、hνの光の代わりに熱を加える。保護層8としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプあるいは光熱併用タイプの第2の樹脂組成物を用いて形成するか、あるいは無機材料を用いて蒸着またはスパッタによって形成することができ、カラーフィルタとした場合の透明性を有し、その後のITO形成プロセス、配向膜形成プロセス等に十分耐えうるものであれば使用可能である。
【0077】
図6は上記のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置30の基本構成を示す断面図である。
【0078】
カラー液晶表示装置は、一般的にカラーフィルタ基板1と対向基板21を合わせこみ、液晶化合物18を封入することにより形成される。液晶表示装置の一方の基板21の内側に、TFT(Thin Film Transistor)(不図示)と透明な画素電極20がマトリックス状に形成される。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極に対向する位置にRGBの色材が配列するようカラーフィルタ54が設置され、その上に透明な対向電極(共通電極)16が一面に形成される。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルター基板1側に形成される。さらに、両基板の面内には配向膜19が形成されており、これをラビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、それぞれのガラス基板の外側には偏光板11,22が接着されており、液晶化合物18は、これらのガラス基板の間隙(2〜5μm程度)に充填される。また、バックライトとしては蛍光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせが一般的に用いられており、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う
このような液晶表示装置を情報処理装置に適用した場合の例を図7乃至図9を参照して説明する。
【0079】
図7は上記の液晶表示装置をワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【0080】
図中、1801は装置全体の制御を行う制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/Oポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力したり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御を行っている。1802はディスプレイ部で、この表示画面には各種メニューや文書情報及びイメージリーダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示される。1803はディスプレイ部1802上に設けられた透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項目入力や座標位置入力等を行うことができる。
【0081】
1804はFM(Frequency Modulation)音源部で、音楽エディタ等で作成された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置1812にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモリ等から読み出してFM変調を行うものである。FM音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805により可聴音に変換される。プリンタ部1806はワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置の出力端末として用いられる。
【0082】
1807は原稿データを光電的に読取って入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路中に設けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原稿の読取りを行う。
【0083】
1808はイメージリーダ部1807で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送られてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインタフェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0084】
1810はシステムプログラムやマネージャープログラム及びその他のアプリケーションプログラム等や文字フォント及び辞書等を記憶するROMや、外部記憶装置1812からロードされたアプリケーションプログラムや文書情報、さらにはビデオRAM等を含むメモリ部である。
【0085】
1811は文書情報や各種コマンド等を入力するキーボード部である。
【0086】
1812はフロッピーディスクやハードディスク等を記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置1812には文書情報や音楽あるいは音声情報、ユーザのアプリケーションプログラム等が格納される。
【0087】
図8は図7に示す情報処理装置の模式的概観図である。
【0088】
図中、1901は上記の液晶表示装置を利用したフラットパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報及び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上ではタッチパネル1803の表面は指等で押圧することにより座標入力や項目指定入力を行うことができる。1902は装置が電話機として機能するときに使用されているハンドセットである。キーボード1903は本体と着脱可能にコードを介して接続されており、各種文書機能や各種データ入力を行うことができる。また、このキーボード1903には各種機能キー1904等が設けられている。1905は外部記憶装置1812へのフロッピーディスクの挿入口である。
【0089】
1906はイメージリーダ部1807で読取られる原稿を載置する用紙載置部で、読取られた原稿は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等においては、インクジェットプリンタ1907よりプリントされる。
【0090】
上記情報処理装置をパーソナルコンピュータやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード部1811から入力された各種情報が制御部1801により所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部1806に画像として出力される。
【0091】
ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入力したファクシミリ情報が制御部1801により所定のプログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806に受信画像として出力される。
【0092】
また、複写装置として機能する場合、イメージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られた原稿データが制御部1801を介してプリンタ部1806に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1807によって読取られた原稿データは、制御部1801により所定のプログラムに従って送信処理された後、FAX送受信部1808を介して通信回線に送信される。
【0093】
なお、上述した情報処理装置は図9に示すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高めることが可能となる。同図において、図8と同一機能を有する部分には、対応する符号を付す。
【0094】
次に、カラーフィルタの各画素の濃度ムラを軽減する代表的な2つの方法について説明する。
【0095】
図10乃至図12は複数のインク吐出ノズルを有するインクジェットヘッドIJHの各ノズル間のインク吐出量の差を補正する方法(以下ビット補正と呼ぶ)を示した図である。
【0096】
まず、図10に示すようにインクジェットヘッドIJHの例えば3つのノズルであるノズル1,ノズル2,ノズル3からインクを所定の基板上に吐出させ、夫々のノズルから吐出されるインクが基板P上に形成するインクドットの大きさあるいは濃度を測定し、各ノズルからのインク吐出量を測定する。このとき、各ノズルのヒータに加えるヒートパルス(図4参照)を一定幅とし、既に説明したようにプレヒートパルス(図4参照)の幅を変化させる。これにより図11に示すようなプレヒートパルス幅(図11に加熱時間として示す)とインク吐出量の関係を示す曲線が得られる。ここで、例えば、各ノズルからのインク吐出量を全て20ngに統一したいとすると、図11に示す曲線から、ノズル1に加えるプレヒートパルスの幅は1.0μs、ノズル2では0.5μs、ノズル3では0.75μsであることがわかる。従って、各ノズルのヒータに、これらの幅のプレヒートパルスを加えることにより、図12に示すように各ノズルからのインク吐出量を全て20ngに揃えることができる。このようにして、各ノズルからのインク吐出量を補正することをビット補正と呼ぶ。本実施形態では、例えばプレヒートパルスの幅を4段階に変化させ、約30%の補正幅を実現している。また補正の分解能は2〜3%である。
【0097】
次に、図13乃至図15は、各インク吐出ノズルからのインク吐出密度を調整することにより、インクジェットヘッドの走査方向の濃度ムラを補正する方法(以下シェーディング補正と呼ぶ)を示す図である。
【0098】
例えば、図13に示すように、インクジェットヘッドのノズル3のインク吐出量を基準としたときに、ノズル1のインク吐出量が−10%、ノズル2のインク吐出量が+20%であったとする。このとき、インクジェットヘッドIJHを走査させながら、図14に示すように、ノズル1のヒータには基準クロックの9回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル2のヒータには基準クロックの12回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル3のヒータには基準クロックの10回に1回ずつヒートパルスを加える。このようにすることにより、走査方向のインク吐出数を各ノズル毎に変化させ、図15に示すようにカラーフィルタの画素内の走査方向のインク密度を一定にすることができ、各画素の濃度ムラを防止することができる。このようにして、走査方向のインク吐出密度を補正することをシェーディング補正と呼ぶ。本実施形態では、この補正により約40%の補正幅を実現している。
【0099】
次に、本実施形態においては、既に述べた様にヘッドユニット55がカラーフィルタ製造装置に対して着脱自在に、かつ水平面内での回動角度を調整可能に装着されている。そして、ヘッドユニット55内のR,G,Bの各インクジェットヘッドの調整をカラーフィルタ製造装置90とは別体に設けられた調整装置で行い、この調整装置で調整されたヘッドユニット55をカラーフィルタ製造装置90に装着し、水平面内の回動角度のみを調整する。これにより、ヘッドユニット55を、カラーフィルタ製造装置90に装着して簡単な調整を行うだけで、他の調整作業を行うことなく、すぐにカラーフィルタの着色を開始することが出来る。このように、ヘッドユニット55の調整を別に設けられた調整装置で行うことにより、ヘッドの調整をカラーフィルタ製造装置90に装着したままの状態で行う場合に比較して、ごみの発生を防止することができるとともに、カラーフィルタ製造装置90をヘッドの調整のために停止させる時間が必要なくなるので、装置の稼働率を向上させることが出来る。また、特にカラーフィルタの製造においては、カラーフィルタ基板1にゴミが付着するとそのゴミを介して隣の異なる色の画素列のインクが混ざり混色が起こることが本願発明者等の検討により見出され、ゴミの発生を抑制することが良質なカラーフィルタを製造する上で非常に重要であることが分かった。そのため、カラーフィルタの製造は、例えばクラス100以下のクリーン環境内で行われることが望ましく、上記の様にヘッドユニット55の調整を別装置で行うことは、ゴミの発生を防いで良質なカラーフィルタを製造する上できわめて有効である。なお、クリーン度100とは、米国連邦規格209に規定されているものであり、概略的には1リットルの体積中に粒径0.5μm以上の粒子が3.5個存在するクリーン度を示すものである。
【0100】
以下、ヘッドユニット55を調整するための調整装置について説明するのであるが、その前にヘッドユニット55の構造について説明する。
【0101】
本実施形態のヘッドユニット55は、複数本のノズルを持つマルチノズルタイプのインクジェットヘッドを複数本用い、それらをヘッドマウント55aで支持して構成されている。
【0102】
ヘッドマウント55aは、複数本のヘッドの取り付け角度を同時に変える機構と、ヘッド個別に副走査方向に位置を調整できる機構を有している。
【0103】
インクジェット法でカラーフィルタの画素を着色する場合、基本的には、一定の間隔(ピッチ)で複数個のノズルを有するマルチノズルヘッドを用いて、画素ピッチに合うノズルを使用して主走査方向に着色して、次に副走査方向にヘッドまたは基板を移動させて、続いて主走査方向の着色を繰り返す。
【0104】
本実施形態のマルチノズルのインクジェットヘッドの場合、ノズルのピッチの方が画素のピッチより細かいため、何本かおきのノズルを使用して着色することになる。また、画素のピッチとノズルのピッチの倍数が合わない場合は、インクジェットヘッドの角度を主走査方向に垂直ではなくある角度をつけて画素のピッチに合わせるようにセットする。
【0105】
この際、同じノズルピッチをもつ複数個のヘッドを同時に回転させる機構と、このヘッドの角度を微調整する機構とを設けることにより画素ピッチとインクジェットヘッドの使用ノズルのピッチを効率良く合わせることが可能となる。
【0106】
また、各個別のインクジェットヘッドを副走査方向に微動できる機構を設けることにより、複数のヘッドのノズル位置を、カラーフィルタの画素の所望の位置に合わせることが可能となる。
【0107】
図16は、ヘッドマウント55aの内部構成を示した斜視図であり、図17は図16を上側から見た平面図である。
【0108】
図16及び図17において、204a,204b,204cはそれぞれマルチノズルのインクジェットヘッドであり、通常はR(赤)用ヘッド204a、G(緑)用ヘッド204b、B(青)用ヘッド204cの3本のインクジェットヘッドを装着できるようになっている。205はノズル(ノズルはインクジェットヘッドの下面にあるので、実際は図17では見えないが説明の便宜上実線で示してある)であり、複数のノズルがヘッドの長手方向に同一ピッチで並んでいる。インクジェットヘッド204a,204b,204cは、その一端部をホルダ208a,208b,208cに夫々支持されており、これらのホルダはヘッドマウント55aに固定された回転軸206a,206b,206cを中心にヘッドマウント55aに対して水平面内で回動可能に支持されている。また、インクジェットヘッド204a,204b,204cは、その他端部をホルダ210a,210b,210cに支持されており、これらのホルダはスライド部材214に対して回転軸212a,212b,212cを中心に水平面内で回動可能に支持されている。なお、回転軸212a,212b,212cは、偏芯軸からなっており、その頭部のすり割り部212a1,212b1,212c1(212c1のみ不図示)を回転させることにより、ホルダ210a,210b,210cを、スライド部材214に対して矢印I方向に微動させることが出来る様になされている。これにより各インクジェットヘッド204a,204b,204cの回動角度を夫々独立に微調整することが出来る。スライド部材214は、ヘッドマウント55aに対してX方向及びY方向に移動可能に支持されており、バネ216により矢印A方向に付勢されている。ヘッドマウント55aのバネ216と反対側の位置には、微動ネジ218が設けられており、この微動ネジ218を回転させることにより、スライド部材216がX方向に移動される。これにより、3つのインクジェットヘッド204a,204b,204cを図17に破線で示す位置に対して(Y軸に対して)任意の角度θだけ同時に傾けることができ、走査方向に対する傾きが調整される。また、偏芯軸212a,212b,212cを回転させることにより、各ヘッドの傾き角を夫々独立に微調整することが出来る。また、ホルダ210a,210b,210c内には圧縮バネ220a,220b,220cが設けられており、インクジェットヘッド204a,204b,204cを図中右方向に付勢している。一方、ホルダ208a,208b,208cには、圧縮バネ220a,220b,220cに対向して微動ネジ222a,222b,222cが設けられており、この微動ネジを回転させることにより、各インクジェットヘッドを矢印B方向(副走査方向)に位置調整することができる。
【0109】
なお、主走査方向Xと、各ヘッドの回転軸206a,206b,206cを結ぶ直線が同一方向になるようにヘッドマウント55aを調整装置にセットすると、調整のとき便利である。
【0110】
実際のヘッドの調整時には、ヘッド回転軸206a,206b,206cを中心として、複数のヘッドを同時に回転させて、所望のノズル(着色用のノズル)のピッチと画素のピッチを合わせるようにヘッドの角度θを調整する。また、各ヘッドの相対角度の微小なずれを偏芯軸212a,212b,212cを回転させて調整する。このとき、ノズルピッチをa(μm)とし、画素ピッチをb(μm)とすると、b=na・cosθ(但し、nは正の整数)を満たすような角度θだけヘッドを傾ける。次に、微調整ネジ222a,222b,222cを調整して、ノズルの位置をR,G,Βのそれぞれの画素パターンの位置に合わせ込む。
【0111】
次に、図18は、ヘッドユニット55の調整を行うための調整装置300の構成を示す平面図であり、図19は、図18を右方向から見た側面図である。
【0112】
図18及び図19において、不図示の基台上には、X方向に延びるXスライドガイド306が載置されている。Xスライドガイド306上には、Y方向に延びるYスライドガイド308がX方向にスライド自在に支持されており、Yスライドガイド308は不図示の駆動機構によりXスライドガイド306上でX方向にスライド駆動される。Yスライドガイド308上には、ヘッド調整のためにインクが吐出されるガラス基板302を載置したテーブル304が、Y方向にスライド自在に支持されている。テーブル302は、不図示の駆動機構によりYスライドガイド308上でY方向にスライド駆動される。結果として、テーブル304すなわちガラス基板302が、不図示の基台に対してXY方向に2次元的に移動駆動されることとなる。
【0113】
また、テーブル304の上方には、図19に示す様に、ヘッドユニット55が、調整装置300のヘッド支持支柱312に装着された状態で配置される。また、ヘッドユニット55の側方には、ガラス基板302に描画されたインクドットを読み取るためのラインセンサカメラ310が配置されている。
【0114】
なお、Xスライドガイド306の延長上には、インクジェットヘッド204a,204b,204cの各インク吐出ノズルからインクを吸引してノズルの吐出不良の回復を図るための回復ユニット314が配置されている。
【0115】
以上の様に構成される調整装置における、ヘッドユニット55の調整手順について以下説明する。
【0116】
図20は、ヘッドユニットの調整手順の全体的な流れを示すフローチャートである。このフローチャートを参照してヘッドユニットの調整手順の全体的な流れについて説明し、各ステップの詳細な内容については後述する。
【0117】
まず初めに、ヘッド単体としての不良選別、精度調整等の済んだヘッドを複数個組み込んだインクジェットヘッドユニット55を調整装置300のヘッド支持支柱312に装着する(ステップS1)。
【0118】
次にヘッドユニットに組み込まれた各ヘッドの駆動電圧の調整を行なう(K値調整)。この調整は、図4のVopの電圧を徐々に大きくし、吐出を行なわせ、吐出を開始するスレッシュホールド電圧の定数倍の設定を行なうことである。本実験においては、個体差があるが、約24V〜26Vに設定した(ステップS2)。
【0119】
次に、このヘッドユニットに対し、各ヘッドの吐出の初期不安定領域をなくすためのエージング動作を一定時間行なう。本実験においては、6×106発の吐出を全ノズルについて行なった(ステップS3)。
【0120】
次に、ヘッドユニット55の各ヘッド204a,204b,204cによりガラス基板302上に各ヘッドの角度調整及び相対位置調整のためのパターンを描画し(ステップS4)、そのパターンをラインセンサカメラ310で読み取って、読み取ったパターンから得られるデータに基づいて各ヘッドの傾き角度及び相対位置の調整を行う(ステップS5)。
【0121】
次に、各ヘッドによりガラス基板302上にヘッドの夫々のノズルのインク吐出量を検出するためのパターンを描画し、そのパターンをラインセンサカメラ310で読み取って、そのパターンの濃度から夫々のノズルのインク吐出量を検出する(ステップS6)。
【0122】
このとき、ノズル毎にインク吐出量に差があった場合には、各ノズル毎に描画を行ったときの描画パターンの濃度を合わせるために、インクの吐出密度のデータ、すなわち前述したシェーディング補正を行うためのデータを各ノズル毎に作成する。そして、作成されたシェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行なって描画を行ない、描画パターンの濃度差(走査方向の単位長さあたりのインク吐出総量に対応する)を確認する(ステップS7)。
【0123】
次に、各ノズルのヒータに加えるプレヒートパルスの長さを変えた場合(前述したbit補正の手法を用いる)の各ノズル毎のインク吐出量の変化の程度を測定する(ステップS8)。
【0124】
次に、ステップS6で求めた各ノズルのインク吐出量のデータと、ステップS8で求めたプレヒートパルスの長さに対するインク吐出量の変化のデータから、各ノズルのヒータにどれだけの長さのプレヒートパルスを加えれば各ノズルの吐出量が同じになるかというデータを作成する。そして、ステップS7で作成されたシェーディング補正データと今作成されたbit補正データに基づいてシェーディング補正及びbit補正を行って描画を行い描画パターンの濃度差(走査方向の単位長さあたりのインク吐出総量に対応する)を確認する(ステップS9)。
【0125】
次に、ステップS9でシェーディング補正及びbit補正を行ってもまだノズル毎の描画パターンに濃度差がある場合には、複数回の走査で1つの画素を着色する様にして(以下マルチパスと呼ぶ)、各1回の走査毎に使用するノズルを変更する動作を行う。例えば、3回の走査で1つの画素列の着色を完了する場合は、1回目の走査では第1ノズル、2回目の走査では第2ノズル、3回目の走査では第3ノズルを使用するといった様に、1回の走査毎に使用するノズルを変更する。この場合、1回目、2回目、3回目の各走査で、何番目のノズルを使用すれば、画素列毎の濃度差が最も少なくなるかというシミュレーションを行う。ステップS10においては、このシミュレーションを行い、各走査において何番目のノズルを使用するかというデータを作成する。
【0126】
最後に、上記のステップS7乃至ステップS10で得られたデータに基づいて、実際にカラーフィルタを着色する場合にどのノズルを使用してどのようなパターンでインク吐出を行わせるかを規定する量産用データを作成する(ステップS11)。
【0127】
なお、上記のシミュレーション計算及びヘッドの調整動作の制御は、制御装置330により行われる。
【0128】
以上によりヘッドユニット55の調整動作を終了する。
【0129】
次に、図20に示したフローチャートの各ステップにおける詳しい操作手順について説明する。
【0130】
図20のステップS4においては、まず、ヘッドユニット55の微動ネジ218を回転させて、カラーフィルタの画素ピッチにノズルのピッチが概略一致する様にR,G,Bの各ヘッド204a,204b,204cを傾けておく。本実施形態においては、例えば、画素列間のピッチは264μmである。次に、Xスライドガイド306を駆動させてステージ304をX方向に移動させ、ヘッドユニット55をガラス基板302に対してX方向に相対的に走査させながら、各ヘッド204a,204b,204cの各ノズルで、例えば走査方向に400μmピッチで夫々5個ずつのインクドットをガラス基板302上に描画する。この描画パターンを示した図が図21である。
【0131】
次に、Yスライドガイド308を駆動させてステージ304をY方向に移動させ、ラインセンサカメラ310をガラス基板302に対してY方向に相対的に走査させながら、上記の描画パターンを読み取る。読み取った描画パターンを画像処理して、各インクドットの重心位置を求め、最小二乗近似によりそれらの略重心を通る直線I1〜I5を求める。そして、それらの直線I1〜I5とY軸とのなす角θ1〜θ5を求め、それらの平均値をとって各ヘッド204a,204b,204cとY軸とのなす角θa,θb,θcとする。また、X方向に並ぶ各ドットの重心を通る直線から各ヘッドのノズルのY方向の相対距離db,dcを求める。
【0132】
次にステップS5において、上記のステップS4で求めたθa,θb,θcが所望の角度となる様に、各ヘッドの角度微調整用の偏芯軸212a,212b,212cを回転させて微調整する。また、各ヘッドのY方向の相対距離db,dcが所望の距離となる様に、各ヘッドの副走査方向の微調整ネジ222a,222b,222cを回転させて各ヘッドの位置を微調整する。以上により、各ヘッドの角度調整及び位置調整が終了する。
【0133】
次に、図20のフローチャートにおける各ノズル毎の吐出量のバラつきの測定定手順(ステップS6)の詳しい内容を示したものが図22のフローチャートである。
【0134】
まず、ヘッドユニット55をガラス基板302に対してX方向に相対的に走査させながら、各ヘッドの各ノズルからインクを吐出させ、図23に示すような長さ50mm程度のラインパターンを描画させる。このとき、各ノズルのヒータには全て同じパターンのプレヒートパルスとヒートパルスを印加し、bit補正は中間点(bit補正8)とする(ステップS12)。
【0135】
次に、ラインセンサカメラ310をガラス基板302に対してY方向に相対的に走査させながら、ステップS10で描画した各ラインパターンの濃度を測定する(ステップS13)。
【0136】
次に、ステップS13で求めた各ラインパターンの濃度から各ノズルのインク吐出量を求める(ステップS14)。以上により、各ノズルのインク吐出量のバラつきのデータが得られることとなる。
【0137】
なお、ここで、上記の様にラインパターンの濃度からインクの吐出量を求める具体的な方法について説明しておく。
【0138】
まず、図23の様に描画したラインパターンの濃度をラインセンサカメラ310により測定する。このとき、本実施形態においては、ラインパターンは70μm程度の幅となるので、ラインパターンのY方向の重心位置から±40μm程度の範囲の濃度の積算値を測定する。
【0139】
次に、インクジェットヘッドの任意のノズルから任意の条件下で吐出された1回当たりのインク吐出量を測定する基準となる検量線を求める。なお、ここで1回当たりのインク吐出量とは、通常は1滴のインクの量を指すが、インクは場合によっては滴状にならない場合もあるので、1滴とは表現せずに1回当たりのインク吐出量という表現にしている。
【0140】
まず、最初の作業として、吐出量を測定しようとするインクジェットヘッドの複数のノズルのうち、一定条件下での1回の吐出量がなるべく異なる少なくとも2つ以上のノズルの吐出量を重量法あるいは吸光度法により求めておく。
【0141】
本実施形態では、一定条件下での吐出量の異なる4つのノズルの1回あたりの吐出量を予め重量法を用いて求めた。
【0142】
次に、このようにして1回あたりの吐出量が判明した4つのノズルから、吐出量を求めたときと同じ条件下でインクを吐出させ、これらのインクがガラス基板302上に形成するインクドットの濃度を測定する。このような測定を行うことにより、4つのノズルにおけるインクの吐出量と、そのインクが形成するインクドットの濃度とが1対1に対応した状態で求められることになる。なお、4ノズルの作るインクドットの濃度データは描画したドットを50個サンプリングしてその平均値で求めた。その際の濃度データの標準偏差は平均値に対して5%以内であった。
【0143】
図24は、上記の4つのノズルについて、インクの1回の吐出量と、そのインクがガラス基板302上に形成するインクドットの濃度の関係をグラフ上にプロットしたものである。図24中で、黒丸で示したものが、4つのノズルのインク吐出量とインクドット濃度を示す点である。この図を見ると、4つの点が略一直線上にあることがわかる。従って、これら4つの点を通る直線を引けば、この直線上の点として任意の吐出量に対するインクドットの濃度が一義的に求められることとなる。この直線を検量線と呼ぶことにする。
【0144】
なお、この検量線は直線で表わされることから、検量線を求めるためには、グラフ上に最低2個の点がプロットできればよい。従って、上記の様に4つの異なるノズルを使用しなくとも、最低2つのノズルを使用するだけでも検量線を求めることは可能である。但し、本実施形態では、検量線を求める上で重量法あるいは吸光度法によるインク吐出量のデータを使用するため、それぞれの測定法の精度はそのまま本実施形態における吐出量測定の精度に影響する。そのため検量線は3つ以上のノズルを使用して求めることがより望ましいと考えられる。また、検量線は使用するインクが変わる毎に再度求める必要があることは言うまでもない。
【0145】
次に、既に求められているラインパターンの濃度と上記の検量線とから、ラインパターンの濃度に対応する1つのノズルからの1回あたりのインク吐出量を求める。なお、本工程で求めようとするインクの吐出量は、1つのノズルからの1回当りの吐出量であって、ラインパターンの様に複数のインクの吐出量ではないが、1回あたりのインクの吐出量を求めるのに、ラインパターンの濃度を用いても吐出量の測定精度にはほとんど影響がないことが、本願発明者等によって実験的に確認されている。
【0146】
以上の様にして、各ヘッド204a,204b,204cの各ノズルからの1回あたりのインク吐出量が求められ、各ノズルのインク吐出量のバラつきを測定することが出来る。
【0147】
次に、ラインパターンの各ラインに濃度差がある場合には、図20のステップS7において、前述したシェーディング補正を行い、インクの吐出密度を各ノズル毎に変えることにより濃度ムラを解消する。各ノズルの吐出量のバラツキに基づいて各ノズルのインク吐出密度をどのように変えれば良いかのデータを作成する。このインク吐出密度は、走査方向(X方向)の単位長さ当たりに着弾するインクの総量が各ノズルで一定になる様に決定される。すなわち、1回のインク吐出量が少ないノズルでは、走査方向へのインク吐出密度を多くし、1回のインク吐出量が多いノズルでは、走査方向へのインク吐出密度を少なくする。このようにして得られたデータに基づいて、シェーディング補正を行い、ガラス基板302上に、図23のラインパターンを描画し、再びラインセンサカメラ310によりラインパターンの濃度を検出する。
【0148】
この検出された濃度により、さらに補正が必要な場合はbit補正を行なう。図20のフローチャートにおけるbit補正情報の測定手順(ステップS8)の詳しい内容を示したものが図25のフローチャートである。
【0149】
本実施形態では、bit補正を行うためにプレヒートパルスの幅を16段階(bit補正0〜15)に変化させる。そして、このbit補正情報の測定は、プレヒートパルスの幅を16段階のうちの1段階変化させるとインクの吐出量がどれだけ変化するかという情報を各ノズル毎に得るためのものである。
【0150】
まず、bit補正8の場合については、既に前のステップS6において図23に示すラインパターンを描画しているので、ここでは、ステップS15において、プレヒートパルスの幅を最も短くした状態(bit補正0)で、図23に示すラインパターンを描画する。
【0151】
次に、プレヒートパルスの幅を16段階目まで、すなわち最大の長さまで長くした状態(bit補正15)で、再び図23に示すラインパターンを描画する(ステップS16)。このようにbit補正値を増加させながら描画すると、インクの吐出量が多くなっていくため、ラインパターンの濃度は次第に濃くなっていく。
【0152】
次に、ラインセンサカメラ310をガラス基板302に対して走査させて、bit補正0の場合のラインパターンの濃度と、bit補正8の場合のラインパターンの濃度と、bit補正15の場合のラインパターンの濃度をそれぞれ読み取る(ステップS17)。そして、この濃度情報から、bit補正0の場合と、bit補正8の場合と、bit補正15の場合の各ノズルのインク吐出量を前述した検量線に基づいて求める。
【0153】
これにより、bit補正の段階に対する吐出量の変化の様子が、bit補正0、bit補正8、bit補正15の3点について求められるので、これらの3点を通る曲線を最小二乗法により各ノズル毎に求める。このようにして求められた曲線に基づけば、bit補正の1段階の変化に対する吐出量の変化が各ノズル毎に求められることとなる(ステップS18)。すなわち、この曲線に基づけば、各ノズルのbit補正値を何段階目、言い換えればプレヒートパルスの幅をどれだけの長さにすれば、各ノズルのインク吐出量が同一になるかが分かるわけである。
【0154】
次に、図20のステップS9において、既に得られているデータに基づいてシェーディング補正を行なうと共に、上記のbit補正に関するデータに基づいてbit補正を行い、図23に示したラインパターンを再び描画する。そして、このラインパターンの濃度を再びラインセンサカメラ310で測定する。この段階では、ラインパターンの各ラインの濃度は略一定になっているはずである。
【0155】
もし、シェーディング補正のみ、もしくはシェーディング補正及びbit補正の双方を行なった後、吐出量のランダムな変動の影響を除くためにマルチパス描画を行なう場合、前述したマルチパスの描画において、各1回の走査(1パス)毎に走査方向の1列の画素を着色するノズルを変更する。図20のステップS10では、各走査毎に、何番目のノズルを使用するかというノズルの組み合わせのデータを作成する。このデータの作成においては、既にbit補正を行った後の各ノズルのインク吐出量のデータが得られているので、この吐出量のデータに基づいて、1パス目が1番目のノズルで2パス目が2番目のノズル、1パス目が1番目のノズルで2パス目が3番目のノズル、…、1パス目が1番目のノズルで2パス目がn番目のノズル、さらに、1パス目が2番目のノズルで2パス目が3番目のノズル、1パス目が2番目のノズルで2パス目が4番目のノズル、…、1パス目が2番目のノズルで2パス目がn番目のノズルという様に、全てのノズルの組み合わせについてインク吐出量のシミュレーション計算をコンピュータを用いて行い、走査方向の単位長さ当りのインク吐出総量の画素列毎のムラが最も少なくなる様な組み合わせを選択する。また、同様に何パスで1つの画素列の着色を行えばインク吐出総量のムラが最も少なくなるかについても、上記のシミュレーション計算により求める。ただし、マルチパスにおいては、一律にnノズルおきでmパスとしてもかなりの効果があるため、固定してもよい。
【0156】
そして、図20のステップS11では、上記のステップS7、ステップS9、ステップS10で得られたデータに基づいて、カラーフィルタの量産用のインク吐出方法及び使用ノズルについてのデータを作成する。
【0157】
このようにしてヘッドユニット55の調整装置300で得られた量産用データが、カラーフィルタの製造装置90に送られるとともに、調整装置300で走査方向の傾き角度と相対位置が調整されたヘッドユニットが製造装置90に装着され、水平面内の回動角度調整のみが行われ、実際のカラーフィルタの着色が行われる。
【0158】
次に、上記の様にして調整が終了したインクジェットヘッドユニット55を用いてカラーフィルタを着色する場合の更なるムラ消しの方法について説明する。まず、本実施形態のムラ消しの方法について説明する前に、現在行われているマルチパスによるカラーフィルタの着色方法について説明する。
【0159】
ここで、1つの例として3パスによりカラーフィルタを着色し、1パス毎に使用するノズルを1つずつずらして着色する場合について考える。カラーフィルタの1つの画素列G1と、この画素列を着色する3つの隣り合うノズルN1,N2,N3に着目し、例えばノズルN1の1回の吐出量が10ng(ナノグラム)、ノズルN2の1回の吐出量が20ng、ノズルN3の1回の吐出量が40ngという様に吐出量がばらついているものとする。
【0160】
このようなノズルで、1パスで画素列G1を着色する場合、例えば画素列の長さが約200mmで、ノズルN1では、画素列G1を着色するのに、2000発のインクが必要であると仮定する。このときの画素列G1を着色するためのインクの総量は、10(ng)×2000=20000ngである。通常、シェーディング補正を行う場合、1画素列を着色するインクの総量が同じになる様にインク吐出密度を設定する。そのため、ノズルN2を使用して同じ画素列G1を着色する場合には、20000(ng)÷20(ng)=1000発のインクが必要となる。この場合、ノズルN1で画素列G1を着色する場合の1発毎のインクの間隔は、200(mm)÷2000(発)=100μmであり、ノズルN2で着色する場合には、1画素列を着色する弾数がノズルN1の1/2であるため、1発毎のインクの間隔は200μmとなる。また、同様に、ノズルN3を使用する場合には、インクの弾数は、20000ng÷40ng=500発となり、1発毎のインクの間隔は400μmとなる。
【0161】
言い換えれば、上記の吐出量の異なる3つのノズルを用いて、1パスで1画素列を着色する場合、ノズルN1では10ngのインク弾を100μm間隔2000発吐出し、ノズルN2では20ngのインク弾を200μm間隔で1000発吐出し、ノズルN3では40ngのインク弾を400μm間隔で500発吐出することとなる。
【0162】
次に、このような3つのノズルを用いて1パス毎にノズルを変更しながら3パスで1つの画素列G1を着色する場合を考える。この場合、3つのノズルで、夫々必要なインク総量の1/3ずつを吐出するのが一般的に考えられる方法である。そのため、ノズルN1からは、1パス目で2000(発)/3=667発のインクを吐出する。この667発のインクを画素列G1の走査方向に均等に配分するには、10ngのインク弾を100μmの3倍の300μmの間隔で吐出する必要がある。同様に、ノズルN2からは、2パス目で1000(発)/3=333発のインクを吐出することになり、20ngのインク弾を600μmの間隔で吐出することとなる。さらに、ノズルN3からは、3パス目で500(発)/3=167発のインクを吐出することになり、40ngのインク弾を1200μmの間隔で吐出することとなる。
【0163】
このように、各ノズルから吐出されるインク弾の吐出間隔が決定されるのであるが、現在では、これを単純に各ノズル毎に吐出開始位置を同じにして3パスで画素列の着色を行う様にしている。ところが、3パスの吐出開始位置を同じにすると、図26に示す様に、インクの吐出開始位置及びこの吐出開始位置から1200μm毎の位置では、10ngのインクと20ngのインクと40ngのインクが1ヶ所に集中し、吐出開始位置から600μm毎の位置では、10ngと20ngのインクが1ヶ所に集中し、その他の位置では10ngのインクのみとなる。そのため、着弾したインクが図27の様にインクが集中する位置では大きく、集中しない位置では小さくガラス基板上に広がって、画素の着色ムラが発生してしまうこととなる。これを改善するために各パスの吐出開始位置をずらしたとしても、1パス目のインクの吐出間隔の整数倍=(nパス目のインクの吐出間隔の整数倍+開始位置のずらし量)となる点が出てくるので、やはりインクが重なってしまう場合があり、上記の問題点の完全な解決策とはならない。
【0164】
そこで、本実施形態では以下のような方法をとることにより上記の問題を解決している。
【0165】
すなわち、1つの画素列を3パスで着色するのに必要な総インク弾数は、ノズルN1の667発とノズルN2の333発とノズルN3の167発を加えた、667+333+167=1167発である。本実施形態では、この総インク弾数1167発を単純に3等分して、ノズルN1,N2,N3の夫々の吐出インク弾数を1167÷3=389発に揃えてしまう。そして各ノズルのインク吐出間隔を画素列の長さ200mmを1167で割った200(mm)÷1167=171μmの等間隔とする。
【0166】
より詳しく説明すると、図28に示す様に、まず吐出開始位置にノズルN1から10ngのインク弾を吐出し、その後はノズルN1からは、171μmの3倍の513μm間隔で10ngのインク弾を順次吐出する。また、ノズルN2からは、吐出開始位置から171μmずれた位置を始点として、同じく513μm間隔で20ngのインクを吐出する。さらに、ノズルN3からは、吐出開始位置から342μmずれた位置を始点として、同じく513μm間隔で40ngのインクを吐出する。このようにすれば、ノズルN1からの10ngのインクと、ノズルN2からの20ngのインクと、ノズルN3からの40ngのインクが、画素列上に全て171μmの等間隔で並ぶ様になり、インクが重なって着弾することがない。これにより、図26及び図27に示すような着色ムラが緩和されて、より高品位なカラーフィルタを製造することが出来る。
【0167】
なお、上記の説明では、本来1つの画素列を着色するインク弾数が、ノズルN1で667発、ノズルN2で333発、ノズルN3で167発であるところを、ノズルN1、N2、N3ともに389発に揃えてしまっているため、1つの画素列を着色するインク総量が、本来必要とされる量とは異なってくる。より詳しくは、本来必要なインク総量が、10(ng)×667+20(ng)×333+40(ng)×167=19890ngであるところが、10(ng)×389+20(ng)×389+40(ng)×389=27230ngとなってしまう。しかしながら、上記の実施形態では、説明を分かりやすくするために、各ノズルの吐出量のバラつきを10ng、20ng、40ngと大きく異なった値に設定したものであって、実際上は、bit補正を行った後のインク吐出量のバラつきは、例えば1番目のノズルの吐出量が10ngとすれば、2番目のノズルは9.5ng、3番目のノズルは10.5ngというように、せいぜい±5%程度の量であるため、上記のようなノズルの吐出インク弾数を揃える処理を行ったとしても、1つの画素列を着色するインク総量にはほとんど影響が出ない。従って、本実施形態のような方法を用いても、インク総量が異なってインクが溢れたりするような不都合は起こらず、着色ムラを軽減するという効果のみが得られることとなる。
【0168】
なお、図29は、本実施形態によるカラーフィルタの着色方法を概念的に示した図であり、1パス目、2パス目、3パス目で使用するノズルをずらしながら、インク弾の吐出間隔を全て等間隔に揃えて着色を行う様子を示している。実際には、隣り合う画素列はR、G、Bの異なる色に着色されるのであるが、この図においては、説明の便宜上画素列の色が同じ色である場合を示している。また、インクの吐出量の差をノズルの直径の大きさを異ならせて示している。
【0169】
なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形したものに適用可能である。
【0170】
例えば、上記実施形態では、3パスでカラーフィルタの着色を行う場合について説明したが、このパス数は、上記の実施形態において説明したシミュレーションにより決定されるものであり、3パスに限定されるものではない。
【0171】
また、吐出量の調整方法として、シェーディング補正とbit補正の2種類の方法を記述したが、どちらか一方を行ってもよい。特に、シェーディング補正だけで十分に補正できる場合が多く、bit補正を行なうことは必須ではない。
【0172】
また、吐出量が均一に補償されているヘッドを用いる場合、位置合わせのみを行なうために調整装置を利用することは問題ない。
【0173】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0174】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0175】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0176】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0177】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0178】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0179】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0180】
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0181】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0182】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、複数のインク吐出ノズルを有するインクジェットヘッドを用いて複数回の走査によりカラーフィルタを製造する場合に、各走査においてどのインク吐出ノズルを使用すればカラーフィルタの画素列の色ムラが少なくなるかをシミュレーション計算することにより、色ムラの少ないカラーフィルタを製造することが出来る。
【0183】
また、インクジェットヘッドユニットの調整装置において、複数のインクジェットヘッドの相対位置及び走査方向への傾きを検出することにより、インクジェットヘッドの位置調整及び傾き調整を容易に行うことが出来る。
【0184】
また、インクジェットヘッドの複数のインク吐出ノズルの吐出量のバラつきを検出してその吐出量のバラつきを補正するデータを得ることにより、実際のカラーフィルタの着色時に各ノズルの吐出量のバラつきを小さくすることができ、色ムラの少ないカラーフィルタを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】カラーフィルタの製造装置の動作を制御する制御部の構成を示す図である。
【図3】カラーフィルタの製造装置に使用されるインクジェットヘッドの構造を示す図である。
【図4】インクジェットヘッドのヒータに印加される電圧波形を示した図である。
【図5】カラーフィルタの製造工程を示した図である。
【図6】一実施形態のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置の基本構成を示す断面図である。
【図7】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図8】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図9】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図10】各ノズル毎の吐出量の差を補正する方法を説明するための図である。
【図11】各ノズル毎の吐出量の差を補正する方法を説明するための図である。
【図12】各ノズル毎の吐出量の差を補正する方法を説明するための図である。
【図13】インクの吐出密度を変更する方法を説明するための図である。
【図14】インクの吐出密度を変更する方法を説明するための図である。
【図15】インクの吐出密度を変更する方法を説明するための図である。
【図16】ヘッドマウントの内部構成を示した斜視図である。
【図17】図16を上側から見た平面図である。
【図18】ヘッドユニットの調整を行うための調整装置の構成を示す平面図である。
【図19】図18を右方向から見た側面図である。
【図20】ヘッドユニットの調整手順の全体的な流れを示すフローチャートである。
【図21】ヘッドの角度調整と相対位置調整を行うための描画パターンを示した図である。
【図22】ヘッドの各ノズルの吐出量のバラつきを検出する手順を示すフローチャートである。
【図23】ヘッドの各ノズルの吐出量のバラつきを検出するための描画パターンを示した図である。
【図24】インクドットの濃度とインク吐出量の関係を示す図である。
【図25】bit補正情報を得る手順を示したフローチャートである。
【図26】インクが重なる様子を示した図である。
【図27】インクが重なったときのインクの広がり方を示す図である。
【図28】インクを等間隔で吐出した様子を示す図である。
【図29】本実施形態によるカラーフィルタの着色方法を概念的に示した図である。
【符号の説明】
52 XYθステージ
53 ガラス基板
54 カラーフィルタ
55 着色ヘッド
58 コントローラ
59 ティーチングペンダント
60 キーボード
Claims (5)
- 異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを基板に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記基板を着色する装置において用いられる前記インクジェットヘッドユニットを調整するための調整装置であって、
前記第1方向に沿った基板上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整手段と、
前記粗調整手段により前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後に、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度を微調整し、且つ前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整手段と、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドユニットの調整装置。 - 前記インクジェットヘッドユニットは、前記基板にインクを吐出して前記画素列を着色してカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置において用いられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドユニットの調整装置。
- 異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを被記録部材に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記被記録部材を着色する前に行われる、前記インクジェットヘッドユニットの調整方法であって、
前記第1方向に沿った被記録部材上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整工程と、
前記粗調整工程において前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度を微調整すると共に、前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整工程と、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドユニットの調整方法。 - 異なる色のインクそれぞれを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットを基板に対して第1方向に相対走査させながらインクを吐出して前記基板を着色することによりカラーフィルタを製造する方法であって、
前記第1方向に沿った基板上の画素列に直交する第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々の使用ノズルの間隔と、前記第2方向における、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列の距離とが一致するように、前記第2方向に対する前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整するために、前記複数のインクジェットヘッドを共に回転させる粗調整工程と、
前記粗調整工程において前記複数のインクジェットヘッドの角度を粗調整した後に、前記複数のインクジェットヘッドの各々により着色されるべき画素列が前記複数のインクジェットヘッドの各々から吐出されるインクによって着色されるように、前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に回転させることにより前記各インクジェットヘッドの角度 を微調整し、且つ、前記ノズルが配列される方向に前記複数のインクジェットヘッドの各々を個別に移動させることにより前記ノズル配列方向における前記各インクジェットヘッドのノズル位置を調整する微調整工程と、
前記微調整工程において微調整された前記複数のインクジェットヘッドから前記基板の画素列にインクを吐出して前記基板を着色する着色工程と、
を備えることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - カラーフィルタを備える液晶表示パネルを製造する方法であって、
請求項4に記載の方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、
用意されたカラーフィルタと対向基板の間に液晶化合物を封入する工程と、
を備えることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
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