JP4205808B2 - 露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)用ガラス基板、液晶表示パネル用ガラス基板、半導体製造装置用マスク基板あるいはプリント基板等の製造工程において、矩形状のパターン領域を有するパターン板と、例えば基板に塗布されたフォトレジスト等の矩形状の領域を有する感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介してパターン板に照射することにより、感光材料に矩形所の画像を記録する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば基板に対してパターンを焼き付けるために使用される露光装置においては、パターン板全域において均一な照度分布を得るため、超高圧水銀灯等の光源から出射され楕円鏡により集光されたた光を、フライアイレンズと呼称される複合レンズを介してパターン板上に照射する光学系が採用されている。
【0003】
このような光学系においては、光源から出射された光は、複合レンズを構成する複数のレンズユニットを介してパターン板方向に照射される。そして、各レンズユニットを通過した光が互いに重複する領域にパターン板を配置せしめることにより、パターン板全面において均一な照度分布を得ることが可能となる。
【0004】
図5は、このような複合レンズ6の一例を示す平面図である。この複合レンズ6は、矩形状のレンズユニット3を縦横方向に並列配置することにより構成したものである。すなわち、この複合レンズ6は、7行5列に配置されたレンズユニット3から構成されている。
【0005】
なお、各レンズユニット3は、その光軸を一致させた状態で互いに近接配置された2枚の矩形状のレンズ4を有する。そして、このレンズユニット3を構成するレンズ4は、図6に示すように、円形のレンズ5からその外周部(ハッチングを付した部分)を削除することにより、矩形状に形成されたものである。
【0006】
光源から出射された光は、このようなレンズユニット3から構成された複合レンズ6を通過することにより、各レンズユニット3の外形と相似形の領域に照射されることになる。このため、各レンズユニット3の外形を必要な光照射領域に対応する形状とすることにより、光源からの光を効率的に光照射領域全域に照射することが可能となる。
【0007】
ところで、このような光学系において、複合レンズ6によるケラレを防止し、光源からの光を効率的に光照射領域に導くためには、図7に示すように、光源からの光を集光した楕円鏡の像1が、可能な限り各レンズユニット3内に形成されるようにすることが好ましい。また、特に複合レンズ6の中央部に位置するレンズユニット3に着目した場合においては、このレンズユニット3の光軸と楕円鏡の像1の中心とが一致した状態で、楕円鏡の像1がレンズユニット3内に配置される必要がある。この楕円鏡の像1の一部が各レンズユニット3内に配置されない場合においては、その部分に対応した光量が各レンズユニット3を通過せず、光照射領域に到達しないことから、光量の一部が損失するためである。
【0008】
なお、図7においては、各レンズユニット3を構成する2枚のレンズ4のうち、出口側のレンズ4を示している。
【0009】
また、この場合において、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3のうち複合レンズ6の端部に配置されたレンズユニット3においては、画角の広がりに伴って楕円鏡の像1の位置がいずれかの方向に移動するため、楕円鏡の像1は、各レンズユニット3内に余裕を持って収容される大きさとなっていることが好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年の基板の大サイズ化に伴い、光照射領域もより大きくする必要が生じている。そして、この光照射領域の大型化に伴って、露光に必要な照度が得られないという問題が生じている。
【0011】
このため、光源としてより高出力のものを使用することが考えられる。しかしながら、この種の露光装置において一般的に使用される超高圧水銀灯においては、そのアーク間距離は出力の増加に対応して大きくなることから、超高圧水銀灯自体が大きくなり、これに伴って、超高圧水銀灯から出射される光を集光するための楕円鏡も大型化する。
【0012】
このように、楕円鏡が大型化した場合においては、図7に示すように、その楕円鏡の像2も大型化し、この楕円鏡の像2の一部が各レンズユニット3内(特に、各レンズユニット3を構成する2枚のレンズ4のうち、出口側のレンズ4内)に配置されないことになる。そして、楕円鏡の像2における各レンズユニット3内に配置されない領域に対応する光は、各レンズユニット3を通過せず、光照射領域に到達しないことから、高出力の超高圧水銀灯を使用しても、その一部の光量が無駄になってしまう。
【0013】
このような複合レンズによる光のケラレの問題は、超高圧水銀灯に限らず、他の光源を使用した場合においても同様に生じる問題である。
【0014】
このような問題に対応するため、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3のサイズを大きくすることも考えられる。しかしながら、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3を大型化した場合には、複合レンズ6自体の外形が大型化する。このため、この複合レンズ6の基板に対するコリメーション角も大きくなり、このような光学系を使用した露光装置の解像度が低下してしまう。
【0015】
一方、複合レンズ6の外形の大型化を防止するため、複合レンズ6の分割数を減少(例えば、図5に示す7行5列を5行3列に変更)させた場合には、光照射領域における照度分布が低下してしまう。
【0016】
また、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3において、互いに近接して配置された2枚のレンズ4の距離を変更することにより、楕円鏡からの光が各レンズユニットを通過するように調整することも不可能ではないが、この場合においては、複合レンズを通過した後の光が必要な光照射領域を越えて過度に拡散するため、やはり、超高圧水銀灯における一部の光量が無駄になってしまう。
【0017】
本発明者は、このような問題を解決するため、先に「光源から出射された光を複合レンズを介して矩形状の光被照射物に照射する露光装置において、前記光被照射物を照射するための矩形状の光照射領域に対応する矩形状のレンズユニットを、縦横方向に複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、前記複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された複数の光源と、前記複数の光源に各々対応して配設され、前記複数の光源から出射される光を前記複合レンズに集光する複数の楕円鏡とを備えた露光装置」を提案している(特願平10−73270号)。
【0018】
このような露光装置によれば、複数の光源からの光を有効に矩形状の光照射領域に照射することができ、露光装置の解像度や照度分布を低下させることなく、露光に必要な照度を得ることが可能となる。
【0019】
ところで、このような露光装置においては、複数の光源を各レンズユニットの長辺方向に沿って列設する構成であることから、複数の光源を含む平面方向における各光源から各レンズユニットへの光の入射角は、単一の光源を使用する場合に比べて大きい値となる。
【0020】
このような条件下においては、各レンズユニットからの光の出射角についても、光の入射角に対応した一定値以上の大きい値に設定する必要がある。各レンズユニットからの光の出射角を光の入射角に対応した大きな値に設定しない場合には、上述した楕円鏡を大きくした場合と同様、複合レンズにおいて光のケラレが生じて、複合レンズに入射した光の一部が光照射領域に到達しないことから、複数個の超高圧水銀灯を使用しても、その一部の光量が無駄になるためである。
【0021】
ところで、このような露光装置を利用して、矩形状のパターン領域を有するパターン板と基板に塗布されたフォトレジスト等の感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介してパターン板に照射することにより、感光材料に矩形所の画像を記録する場合においては、複合レンズから出射した光を、コリメートミラー等のコリメート手段を利用して平行光とする必要がある。
【0022】
このとき、複合レンズから出射する光の出射角が大きな値となった場合には、これに対応して、コリメート後の光の照射領域がパターン板における矩形状のパターン領域より大きくなってしまう。このため、光の照射領域とパターン領域とをほぼ一致させるために、コリメート手段におけるf値(コリメートミラーの半径r)を小さなものとする必要がある。
【0023】
しかしながら、大きな出射角を有する光を小さなf値を有するコリメート手段でコリメートした場合においては、ディクリネーション角およびコリメーション角が大きくなり、高い解像度で精度よく画像を記録することが不可能となるという問題を生ずる。
【0024】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、光源からの光を有効に矩形状の光照射領域に照射して、高い解像度で精度よく画像を記録することができる露光装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、矩形状のパターン領域を有するパターン板と矩形状の領域を有する感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介して前記パターン板に照射することにより、前記感光材料に矩形所の画像を記録する露光装置であって、前記パターン板を照射するための矩形状の光照射領域に対応する矩形状のレンズユニットを、縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、前記複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された複数の光源と、前記複数の光源に各々対応して配設され、前記複数の光源から出射される光を前記複合レンズに集光する複数の楕円鏡と、前記複数の光源から出射され前記複合レンズを通過した光をコリメートする第1の球面ミラーと、前記第1の球面ミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートして前記パターン板に照射するための第2の球面ミラーとを備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項2に記載の発明は、矩形状のパターン領域を有するパターン板と矩形状の領域を有する感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介して前記パターン板に照射することにより、前記感光材料に矩形所の画像を記録する露光装置であって、前記パターン板を照射するためのその縦横比が略1対2の矩形状の光照射領域に対応するその縦横比が略1対2の矩形状のレンズユニットを、縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、前記複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された2個の光源と、前記2個の光源に各々対応して配設され、前記2個の光源から出射される光を前記複合レンズに集光する2個の楕円鏡と、前記複数の光源から出射され前記複合レンズを通過した光をコリメートする第1の球面ミラーと、前記第1の球面ミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートして前記光被照射物に照射するための第2の球面ミラーとを備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の露光装置において、前記光照射領域および前記レンズユニットは、その縦横比が4対10乃至7対10に設定されている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る露光装置の斜視図である。また、図2はその光学的な配置関係を模式的に示す側面図であり、図3は図2の平面図である。なお、図2および図3においては、折り返しミラー14について、その図示を省略している。
【0029】
この露光装置は、矩形状のPDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)用ガラス基板(以下、単に「基板」という)18に矩形状のパターン領域を有するパターン板としてのフォトマスク17を介して光を照射することにより、基板18の表面に形成された感光材料の薄膜に対してパターン露光を行うためのものであり、各々対をなす光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bと、折り返しミラー14と、複合レンズ(フライアイレンズ)6と、一対のコリメートミラー15、16とを備える。
【0030】
なお、この露光装置によりその表面に形成された感光材料にパターンを露光される基板18は、例えばハイビジョン用のディスプレイを製造されるために使用されるものであり、その縦横比は9対16、すなわち、略1対2となっている。このため、この露光装置においては、この基板18に露光を行うために必要な光照射領域19も、その縦横比が略1対2となるように構成されている。
【0031】
前記光源12a、12bは、紫外線を含む光を出射する超高圧水銀灯から構成される。この光源12a、12bは、各々、楕円鏡13a、13bにおける第1焦点に、その発光部の中心が位置するように配置されている。また、後述する複合レンズ6は、その表面がこの楕円鏡13a、13bの第2焦点付近に位置するように配置されている。このため、光源12a、12bから出射した光は、楕円鏡13a、13bにより、複合レンズ6の表面付近に集光される。
【0032】
前記複合レンズ6は、図5に示す構成を有する。すなわち、この複合レンズ6は、図5に示すように、7行5列に配置されたレンズユニット3から構成されている。また、このレンズユニット3は、上述したように、その光軸を一致させて状態で互いに近接配置された2枚の矩形状のレンズ4を有する。そして、このレンズユニット3を構成するレンズ4は、図6に示すように、円形のレンズ5からその外周部(ハッチングを付した部分)を削除することにより、矩形状に形成されたものである。
【0033】
なお、そして、各レンズユニット3の外形は、露光を行うべき基板18の外形にほぼ対応させて、その縦横比が6対10、すなわち、略1対2の矩形状となっている。
【0034】
このため、光源12a、12bから出射し、楕円鏡13a、13bで集光された光は、このようなレンズユニット3から構成された複合レンズ6を通過することにより、各レンズユニット3の外形と相似形をなす矩形状の状態となる。
【0035】
このとき、上述した各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bは、上記各レンズユニット3の長辺方向に沿って配置されている。すなわち、上述した光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bは、上記複合レンズ6および基板18の長辺方向に沿って配置されることになる。このため、これらの光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bと複合レンズ6との配置関係等を調整することにより、図4に示すように、光源12a、12bからの光を集光した楕円鏡13a、13bの像1a、1bを各レンズユニット3内に形成させることができる。
【0036】
なお、図4においては、図7と同様、各レンズユニット3を構成する2枚のレンズ4のうち、出口側のレンズ4を示している。
【0037】
すなわち、上述した各レンズユニット3は、その縦横比が6対10、すなわち略1対2となっている。このため、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bを各レンズユニット3の長辺方向に沿って配置することにより、図7に示す単一の光源からの楕円鏡の像1の場合と同一の条件下においても、各レンズユニット3内に、2個の光源12a、12bからの光を集光した2個の楕円鏡13a、13bの像1a、1bを余裕を持って形成することができる。このため、2個の光源12a、12bからの光を効率的に光照射領域19に導くことが可能となる。
【0038】
なお、図4においては、2個の光源12a、12bからの光を集光した2個の楕円鏡13a、13bの像1a、1bを円形として図示しているが、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bは、複合レンズ6の光軸に対して互いに微小角度傾斜した状態で配設されているため、これらの像1a、1bは厳密には楕円形となる。しかしながら、この傾斜角度が小さい場合においては、この像1a、1bの形状を実質的に円形として取り扱うことができる。
【0039】
前記折り返しミラー14は、光を折り返すことによりこの露光装置をコンパクトに構成するためのものである。なお、折り返しミラー14としては、光源12a、12bから出射された光のうち、パターン露光に使用される紫外線のみを反射し、熱源としての赤外線を吸収する機能を備えたダイクロイックミラーが使用されている。
【0040】
前記コリメートミラー15は複合レンズ6を通過した光をコリメートするためのものであり、前記コリメートミラー16はコリメートミラー15によりコリメートされた光をさらにコリメートしてフォトマスク17に照射するためのものである。これらのコリメートミラー15、16は、球面ミラーから構成される。複合レンズ6を通過した光は、これらのコリメートミラー15、16のコリメート機能により平行光となり、フォトマスク17に向けて照射される。このときの光照射領域19は、上述した各レンズユニット3の縦横比である6対10、すなわち略1対2となる。
【0041】
前記フォトマスク17は、基板18表面の感光材料の薄膜に対して形成すべきパターンに対応した二値化パターンが、透光部材上に矩形状に形成された構成を有する。このフォトマスク17は、基板18の表面に対しプロキシミティギャップと呼称される微小距離だけ離隔した状態で、基板18と平行に支持される。基板18の表面に形成された感光材料の薄膜に対しては、このパターン板17を通過した光によりパターン露光がなされる。
【0042】
なお、フォトマスク17と基板18とを微小距離だけ離隔した状態でパターン露光を実行するかわりに、フォトマスク17と基板18とを当接させた状態でパターン露光を実行してもよい。この明細書における近接配置とは、このような態様をも含む概念である。
【0043】
このような構成を有する露光装置においては、2個の光源12a、12bを使用することにより、従来のほぼ倍の照度をもって露光を行うことが可能となる。このとき、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bは、矩形状の各レンズユニット3の長辺方向に沿って配置されている。このため、光源12a、12bからの光を集光した楕円鏡13a、13bの像を各レンズユニット3内に容易に形成させることが可能となる。従って、2個の光源12a、12bから出射された光を有効に光照射領域19に到達させることができる。
【0044】
ここで、上述した実施形態に係る露光装置においては、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bを各レンズユニット3の長辺方向に沿って列設する構成であることから、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bを含む平面方向における各光源12a、12bから複合レンズ6を構成する各レンズユニット3への光の入射角θ1(図3参照)は、従来のように単一の光源を使用する場合に比べ、比較的大きい値となる。このような条件下においては、前述したように、光のケラレを防止するため、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3からの光の出射角θ2(図3参照)についても、光の入射角θ1に対応した一定値以上の大きい値に設定する必要がある。
【0045】
このとき、従来のように単一のコリメートミラーを使用して複合レンズ6から出射する光を平行光としている場合においては、出射角θ2が大きくなった場合にもコリメート後の光の照射領域をフォトマスク17における矩形状のパターン領域に対応させるため、コリメートミラーのf値(コリメートミラーの半径r)を小さなものと変更している。このため、フォトマスク17に照射される光のディクリネーション角およびコリメーション角が大きくなるという現象が生じていた。ここで、ディクリネーション角が大きくなった場合には、記録されるパターンの精度が悪化する。また、コリメーション角が過度に大きくなった場合には、記録されるパターンの解像度が悪化する。
【0046】
しかしながら、この実施形態に係る露光装置においては、一対のコリメートミラー15、16を利用することにより、複合レンズ6を構成する各レンズユニット3から出射角θ2で出射された光をコリメートして平行光とする構成であることから、出射角θ2が大きくなった場合においても、フォトマスク17に照射される光のディクリネーション角およびコリメーション角を大きくすることなく、コリメート後の光の照射領域をフォトマスク17における矩形状のパターン領域に対応させることが可能となる。
【0047】
なお、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bを含む平面と垂直な方向における各光源12a、12bから複合レンズ6を構成する各レンズユニット3への光の入射角θ3(図2参照)は、上述した入射角θ1に比べて十分小さい値となる。従って、この方向における複合レンズ6を構成する各レンズユニット3からの光の出射角θ4(図2参照)を必要な値に設定することは容易であり、この方向に関して光のケラレが問題となることはない。
【0048】
上述した実施の形態においては、ハイビジョン用の、その縦横比が9対16のPDPに使用される基板18に対して露光を行うため、9対16に近似する1対2の縦横比を有するレンズユニット3を使用している。ただし、このレンズユニット3の縦横比は、露光を行うべき基板18の縦横比、すなわち、光照射領域19の縦横比に対応させて、適宜変更することが可能である。例えば、ワイドテレビ用のディスプレイに使用される基板においては、そのディスプレイに必要とされる縦横比を採用すればよい。
【0049】
このとき、その縦横比が4対10〜7対10程度であれば、各々2個の光源12a、12bおよび楕円鏡13a、13bを矩形状の各レンズユニット3の長辺方向に沿って適宜配置することにより、光源12a、12bからの光を集光した楕円鏡13a、13bの像を各レンズユニット3内に形成させることが可能となる。
【0050】
なお、露光を行うべき基板の縦横比が1対3程度以上となった場合においては、各々3個以上の光源および楕円鏡を、その縦横比が1対3程度以上の矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って適宜配置することにより、3個以上の光源からの光を集光した各楕円鏡の像を各レンズユニット内に形成させる構成とすればよい。
【0051】
また、上述した実施形態においては、一対のコリメートミラー15、16を使用して複合レンズ6を通過した光を平行光としているが、3枚以上のコリメートミラーを使用して複合レンズ6を通過した光を平行光とする構成を採用してもよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、パターン板を照射するための矩形状の光照射領域に対応する矩形状のレンズユニットを縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された複数の光源と、複数の光源に各々対応して配設され、複数の光源から出射される光を複合レンズに集光する複数の楕円鏡と、複数の光源から出射され複合レンズを通過した光をコリメートする第1のコリメートミラーと、第1のコリメートミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートしてパターン板に照射するための第2のコリメートミラーとを備えたことから、複数の光源からの光を有効に矩形状の光照射領域に照射することができる。このとき、第1、第2のコリメートミラーにより、照度分布を低下させることなく、高い解像度で精度よく画像を記録することが可能となる。
【0053】
また、簡易な構成で大サイズの光照射領域に有効に光を照射することが可能となる。
【0054】
請求項2または請求項3に記載の発明によれば、パターン板を照射するためのその縦横比が略1対2の矩形状の光照射領域に対応するその縦横比が略1対2の矩形状のレンズユニットを、縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された2個の光源と、2個の光源に各々対応して配設され、2個の光源から出射される光を複合レンズに集光する2個の楕円鏡と、複数の光源から出射され複合レンズを通過した光をコリメートする第1のコリメートミラーと、第1のコリメートミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートして光被照射物に照射するための第2のコリメートミラーとを備えたことから、2個の光源からの光を有効にその縦横比が略1対2の矩形状の光照射領域に照射することができる。このとき、第1、第2のコリメートミラーにより、照度分布を低下させることなく、高い解像度で精度よく画像を記録することが可能となる。
【0055】
また、簡易な構成で大サイズの光照射領域に有効に光を照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る露光装置の斜視図である。
【図2】 この発明に係る露光装置の光学的な配置関係を模式的に示す側面図である。
【図3】 この発明に係る露光装置の光学的な配置関係を模式的に示す平面図である。
【図4】 楕円鏡13a、13bの像1a、1bとレンズユニット3との関係を示す模式図である。
【図5】 複合レンズ6の平面図である。
【図6】 レンズユニット3を構成するレンズ4の形成状態を示す説明図である。
【図7】 楕円鏡の像1とレンズユニット3との関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1a、1b 楕円鏡13a、13bの像
3 レンズユニット
4 レンズ
6 複合レンズ
12a、12b 光源
13a、13b 楕円鏡
14 折り返しミラー
15、16 コリメートミラー
17 フォトマスク
18 基板
19 光照射領域
Claims (3)
- 矩形状のパターン領域を有するパターン板と矩形状の領域を有する感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介して前記パターン板に照射することにより、前記感光材料に矩形所の画像を記録する露光装置であって、
前記パターン板を照射するための矩形状の光照射領域に対応する矩形状のレンズユニットを、縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、
前記複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された複数の光源と、
前記複数の光源に各々対応して配設され、前記複数の光源から出射される光を前記複合レンズに集光する複数の楕円鏡と、
前記複数の光源から出射され前記複合レンズを通過した光をコリメートする第1の球面ミラーと、
前記第1の球面ミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートして前記パターン板に照射するための第2の球面ミラーと、
を備えたことを特徴とする露光装置。 - 矩形状のパターン領域を有するパターン板と矩形状の領域を有する感光材料とを互いに近接配置し、光源から出射された光を複合レンズを介して前記パターン板に照射することにより、前記感光材料に矩形所の画像を記録する露光装置であって、
前記パターン板を照射するためのその縦横比が略1対2の矩形状の光照射領域に対応するその縦横比が略1対2の矩形状のレンズユニットを、縦横方向に各々複数個並列配置することにより構成された複合レンズと、
前記複合レンズを構成する矩形状の各レンズユニットの長辺方向に沿って配置された2個の光源と、
前記2個の光源に各々対応して配設され、前記2個の光源から出射される光を前記複合レンズに集光する2個の楕円鏡と、
前記複数の光源から出射され前記複合レンズを通過した光をコリメートする第1の球面ミラーと、
前記第1の球面ミラーによりコリメートされた光をさらにコリメートして前記光被照射物に照射するための第2の球面ミラーと、
を備えたことを特徴とする露光装置。 - 請求項2に記載の露光装置において、
前記光照射領域および前記レンズユニットは、その縦横比が4対10乃至7対10である露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05211299A JP4205808B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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