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JP4204877B2 - Screening method for abnormal smooth muscle contraction - Google Patents

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JP4204877B2
JP4204877B2 JP2003030423A JP2003030423A JP4204877B2 JP 4204877 B2 JP4204877 B2 JP 4204877B2 JP 2003030423 A JP2003030423 A JP 2003030423A JP 2003030423 A JP2003030423 A JP 2003030423A JP 4204877 B2 JP4204877 B2 JP 4204877B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法に関し、特に体組織や体液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン(以下SPCと略称する)のレベルを測定して、平滑筋異常収縮の発症を高精度で判断し、これにより平滑筋異常収縮に基づく疾患の早期検出、予後予測、重篤度の測定、医学的治療に伴う平滑筋異常収縮の経過の評価方法、並びに平滑筋異常収縮に起因する疾患を予防するための医薬品や食品機能の確認若しくは医薬品や食品評価の指標等に有効に適用される平滑筋異常収縮のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平滑筋収縮には、細胞質カルシウムイオン(Ca2+)濃度の上昇の程度に依存した強度で収縮が惹起される、Ca2+濃度依存性の正常な生理的平滑筋収縮が存在する一方で、かかる細胞質中のCa2+濃度の上昇の程度以上の収縮またはCa2+濃度に依存しない収縮、即ちCa2+濃度非依存性収縮が存在する。
【0003】
後者のCa2+濃度非依存性収縮は、平滑筋異常収縮を意味し、かかる平滑筋異常収縮は、一部の血管収縮物質により平滑筋細胞膜のG蛋白質(GTP結合性蛋白質)を介して平滑筋のCa2+感受性が増強され、細胞質Ca2+濃度の上昇以上の収縮あるいはCa2+非依存的な収縮が惹起されたものである。
詳細には、Ca2+非依存性の平滑筋異常収縮に関わる因子として、Rho−キナーゼが知られており(J.Biol.Chem.272,12257−12260,1997)、平滑筋異常収縮は、平滑筋細胞のG蛋白質の1つであるRhoAにより活性化されるRho−キナーゼ(蛋白質リン酸化酵素)情報伝達系を介する、いわゆる病的な異常収縮である。
【0004】
一方、平滑筋収縮による血流不全に起因する疾患としては、血管平滑筋に関しては、例えば脳血管攣縮(攣縮はスパズムとも称される)、冠血管攣縮、肺血管攣縮、手指血管攣縮、腸間膜動脈攣縮、高血圧症等が、また、眼血管に関しては、視野狭窄および暗黒視症等が知られている。
また、消化器平滑筋収縮に関しては、食道痙攣、胃痙攣、腸管運動亢進に基づく下痢または腹痛、痙攣性イレウスあるいは腹部アンギナ等が、また、呼吸器平滑筋収縮に関しては呼吸困難あるいは気管支喘息等の呼吸器疾患が知られている。
【0005】
更に、子宮平滑筋収縮においては、切迫早産や流産が、膀胱平滑筋収縮に関しては尿失禁などの排尿障害が知られている。
これらの疾患の平滑筋収縮の一部には、病的な状態でのみ惹起される平滑筋異常収縮が含まれていると考えられている。
【0006】
これらの疾患の診断や治療においては、臨床症状に加えてX線、CTスキャナー、MRI、エコーなどの医療機器での診断が主になされているが、平滑筋の異常収縮の強度を特異的マーカーを用いて、組織や体液(血液、髄液、尿、涙、唾液、汗、気道分泌液、喀痰、膣分泌液、羊水等)により簡易に測定し、早期発見や診断、予後の改善に利用することは行われていない。
【0007】
近年、増加している疾患である動脈硬化も、平滑筋異常収縮との関連性が指摘されている疾患であり、動脈硬化が原因で惹起される心疾患や脳卒中は、癌を上回る死亡率を呈している。
動脈硬化は、高血清総コレステロール、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、ストレス、運動不足がリスク因子として知られているが、これらの因子中、高血清総コレステロールが動脈硬化による冠動脈疾患の主要なリスク因子と考えられている。
【0008】
しかし、動脈硬化の原因であるプラークの形成と、動脈破裂は必ずしも血清総コレステロール値とは相関せず、動脈攣縮が急性冠動脈疾患と強く関連することから、動脈平滑筋異常収縮が動脈硬化と関連することが指摘されている(J.Cardio.33:9−16,1999)。
【0009】
また、狭心症や心臓発作を発症した経験の在る患者の半数は、血清総コレステロールの値には問題がないと判断されている。
従って、従来の検査では血清総コレステロール値が問題でなければ、上記疾患リスクが潜在していても、早期発見や早期治療を受けることができない問題点が存在する。
【0010】
一方、スタチン等の脂質低下薬は、血清総コレステロール値の低下を指標に将来の冠動脈疾患のリスク軽減を期待して治療がなされている。しかし、これら疾患の病態の一つと考えられる平滑筋異常収縮の強度を測定し、治療薬の選択や治療効果の判断等に利用することは行われていない。
【0011】
また、スフィンゴ脂質は細胞移動、増殖、アポトーシス、分化、生存などにおける細胞内シグナル伝達分子として重要な役割を担っていることが知られている(FASEB J.10,1388−1397,1996,FEBS Lett.410,34−38,1997)。
かかるスフィンゴ脂質の一つであるSPCは血中にも存在し、疾患との関連性においては、心臓虚血および心臓低酸素症からなる心不全との関連性(特表2002−504999)や心機能との関連性が報告されている(Biochem.J.355,189−197,2001)。
しかし、これらの公知文献においてはSPCとヒト平滑筋異常収縮との関連性や、平滑筋異常収縮に起因する疾患との関連性については具体的には記載されていない。
【0012】
また、最近、Srcファミリープロテインチロシンキナーゼの一つであるFynが、SPC−Rho−キナーゼの下流側因子として平滑筋異常収縮に何らかの関連性があることが開示されている(Circ.Res.91,953−960,2002)。
【0013】
さらに、国民の健康や病気予防に対する関心が高まるにつれて、食品が有する疾患予防や改善等の効能への関心が広がっている。疾患の評価に替わるバイオマーカーによる食品機能の解明は、より効果的な疾患予防食品(機能性食品)の開発に繋がることが期待されている。
これまで、心疾患や脳疾患など循環器系疾患のリスク低減のための機能性食品に関するバイオマーカーとしては、血清総コレステロール値が利用されている。
【0014】
しかし、血清総コレステロール値はリスク因子の一つであるが、循環器系疾患の臨床的事象を直接反映するリスク因子ではなく、疾患予防食品の開発に際しては、循環器系疾患の臨床的事象と直接関連したバイオマーカーが強く切望されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、血清総コレステロール値とは関係なく、体組織または体液中のSPCのレベルを測定することによりSPCの存在を明らかにし、これにより平滑筋異常収縮に起因する疾患例えば、循環器疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、生殖器疾患および泌尿器疾患の早期判断、予後予測、再発の予測、重篤度の測定、更には平滑筋異常収縮に起因する疾患予防のための医薬品や食品機能の確認若しくは医薬品や食品評価の指標等の優れたバイオマーカーとして利用することができる、信頼性が高くかつ簡便な、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法を提供することである。
【0016】
また本発明の他の目的は、冠動脈疾患や脳梗塞のリスクとして知られている血清総コレステロール値とSPCとの関連性を明らかにし、血清総コレステロール値が高いヒトのみならず、血清総コレステロール値が正常のヒトに対しても、SPCがそれら疾患のリスクと成り得るかを検証し、SPC測定の意義を明らかにし、このことにより、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、それら疾患の兆候を発症していないヒトに対して、疾患の早期発見が可能となり、早期治療・予防が実現できる、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法を提供することである。
【0017】
更には、本発明の他の目的は、平滑筋の異常収縮の強度を把握し、患者毎の異常収縮の強度に適した医薬品の選択や治療効果を測定する、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法を提供することにある。このことにより、患者毎の平滑筋異常収縮の強度に応じて、効果的な医薬品を選択し、効果をモニターすることができるテーラーメイド医療を提供することができる。
【0018】
発明のスクリーニング方法は、従来の平滑筋異常収縮のための測定対象に代わる新しい測定対象であるSPCを測定して上記平滑筋異常収縮のスクリーニングを高い精度で診断できる診断用キットに適用することができる
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、SPCと平滑筋異常収縮との関連性を鋭意研究した結果、体組織または体液中に存在するSPCの存在が、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、平滑筋異常収縮に深く関与していることを見出し、本発明に到達した。また、本発明者らは、SPCが冠動脈疾患のリスクと成り得ること、高脂血症治療薬の種類により、また個々の症例でSPCによる平滑筋異常収縮の改善効果が異なること、くも膜下出血患者の脳髄液中にSPC濃度が高いという、これまでまったく知られていない知見に基づき、本発明に到達した。
【0020】
本発明の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法は、体組織または体液と内標準物質とを含む溶液を調製し、該溶液を、陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムを用いて固相抽出処理し、得られた溶出液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度を測定し、得られた該体組織または体液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリンのレベルより平滑筋異常収縮をスクリーニングするものであり、好適には、前記スクリーニング方法において、前記体組織または体液と内標準物質とを含む溶液は、体組織または体液と、内標準物質としての重水素化スフィンゴシルフォスフォリルコリンと、pH5の緩衝液及びメタノールからなる溶液であり、陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムを用いた前記固相抽出処理は、該陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムに、メタノール及びpH5の緩衝液を通液してコンディショニングを行い、体組織または体液と内標準物質とを含む前記溶液を、前記陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラム固相にロードし、次いで順次、pH5の緩衝液、1:1容量で混合したメタノール/pH5の緩衝液、メタノールで洗浄した後、乾燥させて、アンモニア含有メタノールで溶出する処理であり、溶出液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度の前記測定は、該溶出液を濃縮乾固して再溶解し、該溶解液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度を測定するものであり、体組織または体液中のコレステロールのレベル値の高低に拘わらず、SPCのみのレベルを測定して平滑筋異常収縮を評価する。
【0021】
好適には、上記本発明のスクリーニング方法において、平滑筋は、血管平滑筋、消化器平滑筋、呼吸器平滑筋、子宮平滑筋および膀胱平滑筋からなる群より選ばれる。
また、更に好適には、上記本発明のスクリーニング方法において、測定されたSPCのレベルが血清総コレステロール値に拘わらず、冠動脈疾患や脳梗塞の危険度を示す。
【0022】
の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法は、上記本発明の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法におけるスフィンゴシルフォスフォリルコリンの代わりにFynのレベルを測定する。
【0023】
断キットは、体組織または体液中のSPCのレベルを測定して平滑筋異常収縮を高精度で診断できまた、他の診断キットは、前記診断キットにおけるスフィンゴシルフォスフォリルコリンの代わりにFynのレベルを測定して平滑筋異常収縮を診断する
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を好適例を用いて、以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法は、体組織または体液中のSPCのレベルを測定するものである。
即ち、本発明の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法は、SPCを測定することにより、平滑筋異常収縮、特にヒト平滑筋異常収縮による疾患の早期検出、予後予測、重篤度の測定、および治療に伴う平滑筋異常収縮経過の評価のための方法であり、また、SPCの存在および量が血清総コレステロール値に拘わらず、冠動脈疾患や脳梗塞のリスクを表示するための方法であり、さらには、SPCを測定することを特徴とするヒト平滑筋異常収縮に起因する疾患予防のための医薬品や食品機能の確認若しくは医薬品や食品評価の指標に利用できる方法である。
【0025】
本発明が適用される平滑筋とは、平滑筋であれば臓器あるいは部位等に関わらず全てを含み、特に血管平滑筋、消化器平滑筋、呼吸器平滑筋、子宮平滑筋および膀胱平滑筋等が例示される。
【0026】
本発明のスクリーニング方法においては、体組織や体液を採取して、かかる体組織または体液中のSPCを測定するものであり、具体的には、体組織としては、血管壁等の臓器組織や体細胞等が、また体液としては、血液、髄液、唾液、尿あるいは汗等が使用できるが、これらに限定されるものではなく、全ての体組織や体液を好適に使用することができる。
【0027】
その測定方法は、好ましくはキットを用いて測定され、一般的には、酵素アッセイ、イムノアッセイ、分光法、質量分析法あるいは表面プラスモン共鳴などにより間接的あるいは直接的に測定することができる。
更には、SPCは細胞膜の成分であるsphingomyelinからN−脱アシル化により生成するため、sphingomyelin特異的N−脱アシル化酵素を用いて酵素的に測定することも可能である。
即ち、本発明においては、SPCが他のスフィンゴシンと識別されて特異的に測定できることが重要あり、そのことが可能であればいずれの方法を用いてもかまわない。
【0028】
また、診断キットは、従来の平滑筋異常収縮のための測定対象であるコレステロールに代わる新しい測定対象であるSPCを上記手段により測定して、具体的にはSPCが他のスフィンゴシンと識別されて特異的に測定されて、上記平滑筋異常収縮のスクリーニングを実施できるものであり、極めて高い精度で平滑筋異常収縮が診断できるものである。
【0029】
本発明においては、体液または体組織中のSPCそれ自体のレベルを測定することにより、またはSPCの存在を測定することにより、血清総コレステロール値が高いか否かに拘わらず、平滑筋異常収縮、例えば冠動脈疾患のリスクがあることを早期に診断できる。
【0030】
本発明においては、血清総コレステロール値が正常値(220mg/dl以下)であっても、SPCによる平滑筋異常収縮を発症したり、血清総コレステロール値が高値(220mg/dl以上)にも拘わらず、治療の種類によっては平滑筋異常収縮が発症されないことが後述する実施例により明らかとなり、従って冠動脈疾患のリスクを予測するためには、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、SPCを個別に測定することのみで、平滑筋異常収縮のスクリーニングが精度良くできるものである。
また、SPCのレベルと平滑筋異常収縮との関係は、SPCのレベル量が高い値ほど平滑筋異常収縮との関係が深くなる。
【0031】
従って、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、SPCレベルを測定することにより、冠動脈疾患や脳梗塞のリスクを表示することができる。また、くも膜下出血患者は手術による止血後、ほとんどの症例において広範な脳血管の攣縮が起こり、致死的となることを予測、経過観察することも可能となる。
【0032】
このように、体組織あるいは体液中に存在するSPCは、平滑筋異常収縮に起因する疾患のバイオマーカーとして有効に機能し、SPCが循環器疾患の臨床的事象と直接関連するバイオマーカーとして機能できるものである。
【0033】
従って、疾患に罹るか罹らないかを直接確認しなくとも、平滑筋収縮による疾患としての、例えば脳血管攣縮(攣縮はスパズムとも称される)、冠血管攣縮、肺血管攣縮、手指血管攣縮、腸間膜動脈攣縮、高血圧症等、視野狭窄および暗黒視症、食道痙攣、胃痙攣、腸管運動亢進に基づく下痢または腹痛、痙攣性イレウスあるいは腹部アンギナ、呼吸困難あるいは気管支喘息等の呼吸器疾患、切迫早産や流産、尿失禁などの排尿障害等の疾患の、早期検出、予後予測、重篤度の測定、および治療に伴う平滑筋異常収縮経過の評価のために使用することができる。
【0034】
更には、SPCが、平滑筋異常収縮に起因する疾患の予防のための医薬品や食品機能の確認または評価の指標に利用することができ、医薬品や機能性食品開発において、開発期間を短縮すること及びコスト削減に貢献することが可能となる。
【0035】
また、SPCと同様に平滑筋異常収縮のスクリーニング方法並びに診断キット、更には平滑筋異常収縮に起因する疾患の予防のための医薬品や食品機能の確認若しくは医薬品や食品評価の指標等にFynを用いることも可能である。
【0036】
(実施例)
以下に、本発明を実施例及び試験例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
実施例1)SPCと冠動脈疾患リスクとの関係
消化器癌手術の際、患者から摘出した胃腸及びこれらの周囲組織から腸間膜動脈を分離した。この分離した動脈血管の周辺組織および内皮を除去して、血管標本(幅1mm、長さ5mm)を採取した。
【0037】
当該血管標本を、95容量%O−5容量%CO混合ガスの通気下で、温度37℃のKrebs−HEPES緩衝液(Na 137.4mM、K 5.9mM、Ca2+ 1.2mM、Mg2+ 1.2mM、Cl 148.1mM、グルコース 11.5mM、HEPES 11.6mM(pH7.3))が充填されたマグヌス管に懸垂し、張力トランスジューサー(商品名 TB−612T;日本光電社製)を用いて等尺性張力を測定した。
【0038】
まず、前記マグヌス管にK118mMを添加して、血管標本に脱分極を起させ、これにより発生したCa2+依存性の収縮時の張力を測定し、これを正常収縮とした。
【0039】
一方、異常収縮の張力の測定は、前記マグヌス管に更にSPCを30μM添加して測定した張力を、異常収縮の張力とした。
当該異常収縮の張力値を、K118mMを添加して測定した前記張力の大きさ(100%)に対する相対値として、図1に表示した。
また、患者の血清総コレステロール値、LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール値およびHDL(高比重リポ蛋白)コレステロール値は術前において予め測定し、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮のかかる相対張力とこれらの関係を図1に表した。
【0040】
その結果、図1に示すように、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力は、血清総コレステロール値およびLDLコレステロール値と相関したが(図1a、b)、HDLコレステロール値とは逆相関した(図1c)。
従って、血清総コレステロール値およびLDLコレステロール値が、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力に影響を及ぼしたことと考察される。
【0041】
ここで、SPCによるヒト腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力と血清総コレステロール値およびLDLコレステロール値の相関は、血清総コレステロール値と冠動脈疾患相対危険率(日本動脈硬化学会;J Atheroscler Thromb.9,1−27,2002)との相関として公知のJ−カーブ(図1d)の形状に類似するものである。
【0042】
なお、SPCによる平滑筋異常収縮と喫煙、糖尿病、高血圧のリスク因子との関連性は認められなかった。
従って、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮は、血清総コレステロールにより活性化されて、血管攣縮を誘引すると考えられ、SPCが冠動脈疾患の新たなリスク因子であることが明らかとなった。
【0043】
個々の症例について観察すると、血清総コレステロール値が正常値(220mg/dl以下)の症例についても、SPCによる平滑筋異常収縮の張力の値が高い値を示す症例や、血清総コレステロール値が高値(220mg/dl以上)にも拘わらず、平滑筋異常収縮の張力が低い症例(図1a)が観察される等、冠動脈疾患のリスクを予測するためには、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、SPCを個別に測定することにより判断できることが明らかとなった。
【0044】
(実施例2)高脂血症治療薬の選定並びに治療効果評価へのSPC測定の有用性消化器癌患者において、高脂血症治療薬(HMG−CoA阻害剤)又はEPAを投与して、投与前(それぞれ図2中の△、□)及び投与後(それぞれ図2中の▲、■)の腸管膜動脈に関し、実施例1と同様にして、SPCに依る平滑筋異常収縮の張力の大きさと血清総コレステロール値の関係を図2に示した。
SPCに依る異常収縮の大きさは、図1と同様に、K118mMを添加して測定した張力(100%)に対する相対値として図2に示した。
また、高脂血症治療薬(HMG−CoA阻害剤)又はEPAを投与しない非治療群のSPCに依る平滑筋異常収縮の張力と血清総コレステロール値との関係も、図2に示す。
【0045】
前記HMG−CoA阻害剤を用いた場合においては、血清総コレステロール値が高値から正常値に低下したにも拘わらず、SPCに依る異常収縮の張力が残る症例が認められた。
また、EPAは、血清総コレステロール値が高値から大きく低下しないにも拘わらず(260mg/dlから230mg/dlへ)、SPCに依る平滑筋異常収縮は、血清総コレステロール値が正常値の症例の場合と、ほぼ同等の張力まで低下した。
【0046】
これらの結果は、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、SPCを測定することにより、平滑筋異常収縮が予想でき、医薬品の効果の個別評価、有効な医薬品を選定する評価の指標としてSPCが利用できることを表すものである。
【0047】
(実施例3)くも膜下出血患者のSPC濃度測定
くも膜下出血患者のSPCを、以下のような手順で測定した。
(1)SPC−d (SPC 安定同位体標識体;化1)の合成
Demethylated sphingomyelin(de−SM)の合成Sphingomyelin(SM:Sigma社製)0.4gをDMSO20mLに溶解し、80℃に加熱した。これにベンゼンチオールナトリウム塩のDMSO溶液(0.49g/5mL)を窒素雰囲気下でシリンジにて滴下し,温度を80℃に維持しながら加熱攪拌した。
【0048】
1時間後、反応液を室温まで冷却し、これに水100mLおよび1N−塩酸を適量加えて、反応液をpH2〜3程度になるように当該反応液を調整した。
この溶液をジクロロメタンにより抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過して濾液を減圧濃縮した。
濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=19/1〜4/1)にて精製し、de−SMを薄ベージュ色の固体として、300mg(収率;75%)得た。
【0049】
Sphingomyelin−d (SM−d )の合成
前記合成de−SM250mgをメタノール18mLに溶解し、これにシクロへキシルアミン35.5mg加えて攪拌した。
攪拌して得られた溶液に、ヨウ化メチル−d(Aldrich社製)220μLをメタノール10mLに添加した溶液を室温にてシリンジ滴下した。室温にて1時間攪拌後、反応液にヨウ化メチル−d110μLを追加し、攪拌を継続した。
【0050】
2時間攪拌を保持し、その後減圧濃縮乾固した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=19/1〜9/1)にて精製し、SM−dを薄黄色固体として、240mg(収率96%)得た。
【0051】
Sphingosylphosphorylcholine−d (SPC−d )の合成
前記で得られたSM−d65mgを、1.5N−HCl/MeOHaq(塩酸1mLをメタノール7mLに添加して調製したもの)8mLに溶解し、加熱還流した。3時間後、反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した。
これに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、メタノール/クロロホルム混合液(容量比で1/2)により抽出を行った。
【0052】
前記抽出により得られた水層に1N−NaOHを加え、pH12〜13に調整した後、再び上記メタノール/クロロホルム混合液で3回抽出して、得られた全ての有機層をあわせて、これを減圧濃縮した。
減圧濃縮により得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム〜クロロホルム/メタノール=4/1)にて精製し、下記の化1で表されるSPC−dを白色固体として、17.4mg(収率45%)得た。
ただし、SPC−dの安定同位元素標識体比のd体とd体の割合は、d体:d体が、99.2:0.8であった。
【0053】
【化1】

Figure 0004204877
【0054】
(2)SPC測定装置および測定条件
SPCを測定するに際して用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)として、HP1100システム(Hewlett Packard製)を、またその分離カラムとして、Develosil ODS HG−5(35mm×2.0mmi.d.,野村化学製)を使用した。
【0055】
また移動相として、溶離液A:0.01容量%のギ酸を含む5mMのギ酸アンモニウム/メタノール/テトラヒドロフラン(5/2/3(v/v))と、溶離液B:0.01容量%のギ酸を含む5mMのギ酸アンモニウム/メタノール/テトラヒドロフラン(1/2/7(v/v))とを用いた。
【0056】
溶離プログラムは、溶離液A100%から溶離液B100%の直線グラジエント(0−4分)、溶離液B100%のisocratic(4−5分)、溶離液B100%から溶離液A100%の直線グラジエント(5−5.1分)および溶離液A100%のisocratic(5.1−11分)の順に行った。
ただし、これらの溶離液の流速を0.2mL/分とし、カラム温度を40℃に保持した。
【0057】
また、質量分析装置には、ターボイオンスプレーを装着した四重極質量分析計Sciex API 300(Perkin Elmer製)を用い、ターボイオンスプレー法でのイオン化電圧、オリフィス電圧、フォーカシングリング電圧をそれぞれ3400、25、220Vとした。
測定には正イオンモードを使用し、MRMモード(モニタリングイオン:SPCm/z 465.3(precursor ion)−184.1(product ion)、SPC−d 468.3−184.1)で測定を行った。
【0058】
(3)検量線作成用検体調製
リン酸緩衝液140μLに、SPCのメタノール溶液(150、75、30、15、7.5、3および1.5ng/mL)10μLを加えて、最終濃度がそれぞれ10、5、2、1、0.5、0.2および0.1ng/mLになるように調製を行なった。
またブランク検体(0ng/mL)としては、SPC溶液の代わりにメタノール10μLを加えて調製したものを使用した。
【0059】
(4)検量線の作成
検量線は、得られたリン酸緩衝液中のSPC濃度をx、SPCのピーク面積(MA)と内標準物質のピーク面積(IA)との比(Int.Ratio:Int.Ratio=MA/IA)をyとし、このyとxとの関係を用いて、最小二乗法(重み 1/y)により、以下の検量線式を求めた。
y=ax+b
但し、x:SPC濃度
y:ピーク面積比
a:検量線の傾き
b:y軸切片
【0060】
(5)固相抽出法およびLC/MS/MSによる髄液中SPC濃度の測定
髄液1mLに、100mMのリン酸緩衝液(pH5.0)1mLおよび内標準物質として50ng/mL濃度のSPC−d(上記SPC安定同位体標識体)のメタノール溶液10μLを加えた。
かかる溶液をボンドエルート Certify(ジーエルサイエンス製)を用いて、以下の手順に従い固相抽出処理を行った。
【0061】
Certifyに、メタノール5mLおよび100mMのリン酸緩衝液(pH5.0)5mLを順じ通液して、コンディショニングを行った。次いで、このように調製した溶液を、Certifyにロードし、これを100mMのリン酸緩衝液(pH5.0)5mL、メタノール/100mMのリン酸緩衝液(pH5.0)(1/1容量)の溶液5mL、およびメタノール3mLで順次洗浄した。
【0062】
前記洗浄後、1分間通風し、Certifyの担体を乾燥した後、1%濃度のアンモニア含有メタノール3mLで溶出を実施して溶出液を得た。
得られた溶出液を窒素気流下(DRY THERMO BATH MG−2000、EYELA製)で、濃縮乾固した。濃縮残渣をメタノール100μLに再溶解し、このうち20μLをLC/MS/MSに供し、SPC濃度の測定を行った。
なお全ての操作には、通常のシリコン処理を施した容器もしくは蛋白無吸着処理を施した容器(住友ベークライト株式会社製)を使用した。
【0063】
くも膜下出血(SAH)患者3例について、くも膜下出血発症後3〜4日および9日後の脳髄液中のSPC濃度を、上記方法により測定した。また、髄膜炎の疑いで髄液採取したが異常が認められなかった正常者の腰椎髄液についてもSPC濃度を、同様の方法により測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004204877
【0065】
表1より、くも膜下出血患者のいずれの髄液中においても、SPC濃度が高いことが明らかとなる一方、正常者の腰椎髄液からはSPCが検出されなかった。
【0066】
【発明の効果】
本発明のスクリーニング方法は、血清総コレステロール値とは関係なくSPCが平滑筋異常収縮に基づく疾患の優れたバイオマーカーであり、かかるSPCを測定することにより、平滑筋異常収縮に基づく疾患の発症を高精度で判断でき、平滑筋異常収縮に基づく疾患の早期検出、予後予測、重篤度の測定、医学的治療に伴う平滑筋異常収縮の経過の評価を高精度で行うことができるとともに、平滑筋異常収縮に起因する疾患を予防するための医薬品や食品機能の確認若しくは医薬品や食品評価の指標等に有効に適用できることを可能とする、信頼性が高くかつ簡便な平滑筋異常収縮のスクリーニング方法である
【0067】
また本発明スクリーニング方法は、血清総コレステロール値が高いヒトのみならず、血清総コレステロール値が正常のヒトに対しても、SPCがそれら疾患のリスクと成り得ることより、血清総コレステロール値の高低に拘わらず、それら疾患の兆候を発症していないヒトに対して、疾患の早期発見が可能となり、早期治療・予防が実現できる、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法である。
【0068】
さらには、本発明のスクリーニング方法は、平滑筋の異常収縮の強度を把握し、患者毎の異常収縮の強度に適した医薬品の選択や治療効果を測定でき、従って患者毎の平滑筋異常収縮の強度に応じて、効果的な医薬品を選択し、効果をモニターすることができるテーラーメイド医療を提供することを可能とするものである。
【0069】
に診断キットは、本発明の平滑筋異常収縮のスクリーニング方法を簡便に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力と血清総コレステロール値との関係、(b)は、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力とLDLコレステロール値との関係、(c)は、SPCによる腸管膜動脈の平滑筋異常収縮の張力とHDLコレステロール/血清総コレステロール値との関係、(d)は、血清総コレステロール値と冠動脈疾患相対危険率との関係を示す線図。
【図2】 高止血症治療薬またはEPAの投与前後及び非治療の際の、SPCによる平滑筋異常収縮の張力の大きさと血清総コレステロール値との関係の例示を示す線図。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a method of screening for abnormal smooth muscle contraction.To the lawIn particular, the level of sphingosylphosphorylcholine (hereinafter abbreviated as SPC) in body tissues and fluids is measured to determine the onset of abnormal smooth muscle contraction with high accuracy. Early detection, prognosis prediction, severity measurement, method for evaluating the course of abnormal smooth muscle contraction associated with medical treatment, and confirmation of pharmaceuticals and food functions or drugs for preventing diseases caused by abnormal smooth muscle contraction Screening method for abnormal smooth muscle contraction that is effectively applied to food and food evaluation indicatorsTo the lawRelated.
[0002]
[Prior art]
For smooth muscle contraction, cytosolic calcium ions (Ca2+) Shrinkage is induced with an intensity depending on the degree of concentration increase, Ca2+While there is a concentration-dependent normal physiological smooth muscle contraction, Ca in such cytoplasm2+Shrinkage over the extent of concentration increase or Ca2+Concentration independent shrinkage, ie Ca2+There is a concentration-independent shrinkage.
[0003]
The latter Ca2+Concentration-independent contraction means smooth muscle abnormal contraction, and this abnormal smooth muscle contraction is caused by a smooth blood cell membrane G protein (GTP-binding protein) by some vasoconstrictor substances.2+Sensitivity is enhanced and cytoplasmic Ca2+Shrinkage more than the increase in concentration or Ca2+Independent contraction is induced.
In detail, Ca2+Rho-kinase is known as a factor involved in independent abnormal smooth muscle contraction (J. Biol. Chem. 272, 12257-12260, 1997), and smooth muscle abnormal contraction is caused by the G protein of smooth muscle cells. This is a so-called pathological abnormal contraction via a Rho-kinase (protein kinase) signal transduction system activated by one RhoA.
[0004]
On the other hand, diseases caused by blood flow failure due to smooth muscle contraction include, for example, cerebral vasospasm (vasospasm is also called spasm), coronary vasospasm, pulmonary vasospasm, finger vasospasm, intestine Membrane arterial spasm, hypertension and the like are known, and regarding ocular blood vessels, visual field stenosis, dark vision and the like are known.
In addition, esophageal spasms, gastric spasms, diarrhea or abdominal pain based on increased intestinal motility, convulsive ileus or abdominal angina, etc. with respect to gastrointestinal smooth muscle contraction, and respiratory disorders such as dyspnea or bronchial asthma with respect to respiratory organ smooth muscle contraction Organ diseases are known.
[0005]
Furthermore, there are known imminent abortion and miscarriage for uterine smooth muscle contraction, and urination disorders such as urinary incontinence for bladder smooth muscle contraction.
It is believed that some of the smooth muscle contractions of these diseases include abnormal smooth muscle contractions that are induced only in pathological conditions.
[0006]
In the diagnosis and treatment of these diseases, in addition to clinical symptoms, diagnosis is mainly performed with medical equipment such as X-rays, CT scanners, MRI, and echoes. , Easily measured with tissues and body fluids (blood, spinal fluid, urine, tears, saliva, sweat, airway secretions, sputum, vaginal secretions, amniotic fluid, etc.) and used for early detection, diagnosis, and prognosis improvement It is not done.
[0007]
Arteriosclerosis, an increasing disease in recent years, has also been linked to abnormal smooth muscle contraction, and heart disease and stroke caused by arteriosclerosis have a higher mortality rate than cancer. Presents.
Arteriosclerosis is known to be high serum total cholesterol, high blood pressure, smoking, diabetes, obesity, stress, and lack of exercise. Among these factors, high serum total cholesterol is a major risk of coronary artery disease due to arteriosclerosis. It is considered a factor.
[0008]
However, plaque formation, which causes arteriosclerosis, and arterial rupture do not necessarily correlate with serum total cholesterol levels, and arterial spasm is strongly associated with acute coronary artery disease. (J. Cardio. 33: 9-16, 1999).
[0009]
In addition, half of the patients who have experienced angina pectoris and heart attacks are judged to have no problem with serum total cholesterol levels.
Therefore, if the serum total cholesterol level is not a problem in the conventional test, there is a problem that early detection and early treatment cannot be performed even if the above-mentioned disease risk is latent.
[0010]
On the other hand, lipid-lowering drugs such as statins have been treated with the expectation of reducing the risk of future coronary artery disease using the decrease in serum total cholesterol as an index. However, the strength of abnormal smooth muscle contraction, which is considered to be one of the pathological conditions of these diseases, is not used for selection of therapeutic agents, judgment of therapeutic effects, and the like.
[0011]
Sphingolipids are known to play an important role as intracellular signaling molecules in cell migration, proliferation, apoptosis, differentiation, survival, etc. (FASEB J. 10, 1388-1397, 1996, FEBS Lett). 410, 34-38, 1997).
One of these sphingolipids, SPC, is also present in the blood, and in relation to the disease, it is related to heart failure consisting of cardiac ischemia and cardiac hypoxia (special table 2002-504999) and cardiac function. (Biochem. J. 355, 189-197, 2001) has been reported.
However, these known documents do not specifically describe the relationship between SPC and human smooth muscle abnormal contraction or the relationship caused by abnormal smooth muscle contraction.
[0012]
Recently, it has been disclosed that Fyn, one of Src family protein tyrosine kinases, has some relationship to smooth muscle abnormal contraction as a downstream factor of SPC-Rho-kinase (Circ. Res. 91, 953-960, 2002).
[0013]
Furthermore, as the public's interest in health and disease prevention increases, interest in the effects of foods such as disease prevention and improvement is spreading. Elucidation of food functions using biomarkers instead of disease evaluation is expected to lead to the development of more effective disease prevention foods (functional foods).
So far, serum total cholesterol levels have been used as biomarkers for functional foods for reducing the risk of cardiovascular diseases such as heart disease and brain disease.
[0014]
However, serum total cholesterol is one of the risk factors, but it is not a risk factor that directly reflects the clinical events of cardiovascular disease. There is a strong need for directly related biomarkers.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the object of the present invention is to clarify the presence of SPC by measuring the level of SPC in body tissues or fluids irrespective of the serum total cholesterol level, thereby causing diseases caused by abnormal smooth muscle contraction, for example, Drugs for cardiovascular disease, digestive organ disease, respiratory disease, genital and urological diseases, early prognosis, prognosis prediction, recurrence prediction, severity measurement, and prevention of diseases caused by abnormal smooth muscle contraction It is to provide a reliable and simple screening method for abnormal smooth muscle contraction, which can be used as an excellent biomarker for food function confirmation or as an index for pharmaceuticals and food evaluation.
[0016]
Another object of the present invention is to clarify the relationship between SPC and serum total cholesterol, which is known as a risk of coronary artery disease or cerebral infarction. Even in normal humans, we verified whether SPC could be a risk of these diseases, and clarified the significance of SPC measurement, which enables us to show signs of these diseases regardless of whether the serum total cholesterol level is high or low. To provide a screening method for abnormal contraction of smooth muscle that enables early detection of a disease and enables early treatment / prevention for a human who has not developed the disease.
[0017]
Furthermore, another object of the present invention is to provide a screening method for abnormal smooth muscle contraction, which grasps the strength of abnormal contraction of smooth muscle and selects a drug suitable for the strength of abnormal contraction for each patient and measures the therapeutic effect. It is to provide. This makes it possible to provide tailor-made medicine that can select an effective drug and monitor the effect according to the strength of abnormal smooth muscle contraction for each patient.
[0018]
BookInventionScreening methodIs a diagnostic kit capable of diagnosing screening for abnormal smooth muscle contraction with high accuracy by measuring SPC, which is a new measurement object instead of a conventional measurement object for abnormal smooth muscle contractionCan be applied to.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the relationship between SPC and abnormal smooth muscle contraction, the present inventors have found that the presence of SPC present in body tissues or fluids causes abnormal contraction of smooth muscle regardless of the level of total serum cholesterol. It was found that they were deeply involved and reached the present invention. In addition, the present inventors have shown that SPC can be a risk of coronary artery disease, the effect of improving smooth muscle abnormal contraction by SPC differs depending on the type of therapeutic drug for hyperlipidemia, and subarachnoid hemorrhage The present invention has been reached based on the fact that the SPC concentration in the patient's cerebrospinal fluid is high and has never been known.
[0020]
  The screening method for abnormal smooth muscle contraction of the present invention comprises:A solution containing a body tissue or body fluid and an internal standard substance is prepared, and the solution is subjected to solid phase extraction using a mixed mode column having a cation exchange phase and a nonpolar phase, and sphingo in the obtained eluate is obtained. The sylphosphorylcholine concentration was measured and the obtainedLevels of sphingosylphosphorylcholine in body tissues or fluidsTo screen for abnormal smooth muscle contractionPreferably, in the screening method,The solution containing the body tissue or body fluid and the internal standard substance is a solution comprising body tissue or body fluid, deuterated sphingosylphosphorylcholine as the internal standard substance, pH 5 buffer solution and methanol, and a cation In the solid-phase extraction process using a mixed mode column having an exchange phase and a nonpolar phase, methanol and a pH 5 buffer solution are passed through the mixed mode column having a cation exchange phase and a nonpolar phase for conditioning. And loading the solution containing body tissue or fluid and an internal standard onto the mixed-mode column solid phase having the cation exchange phase and the nonpolar phase, and then sequentially with pH 5 buffer, 1: 1 volume A mixed methanol / pH 5 buffer solution, which is washed with methanol, dried and eluted with methanol containing ammonia. The measurement of sphingosyl phosphorylcholine concentration is redissolved in the eluate was concentrated to dryness, in solution KaiekiSphingosylphosphorylcholineConcentrationMeasurementIs whatRegardless of the level of cholesterol in body tissues or fluids, the level of SPC alone is measured to evaluate abnormal smooth muscle contractionThe
[0021]
  Preferably, in the screening method of the present invention, the smooth muscle is selected from the group consisting of vascular smooth muscle, digestive organ smooth muscle, respiratory smooth muscle, uterine smooth muscle and bladder smooth muscle.The
  More preferably, in the screening method of the present invention,IsRegardless of the serum total cholesterol level, the measured SPC level indicates the risk of coronary artery disease or cerebral infarction.The
[0022]
otherThe method for screening abnormal contraction of smooth muscle of the present invention comprises measuring the level of Fyn instead of sphingosylphosphorylcholine in the screening method for abnormal contraction of smooth muscle of the present invention.The
[0023]
ExaminationSeverance kit can measure the level of SPC in body tissues or fluids and diagnose abnormal smooth muscle contraction with high accuracy.,Also,otherDiagnostic kit beforeMedical examinationDiagnosis of abnormal contraction of smooth muscle by measuring Fyn level instead of sphingosylphosphorylcholine.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Although this invention is demonstrated below using a suitable example, it is not limited to these.
The screening method for abnormal smooth muscle contraction of the present invention measures the level of SPC in body tissue or body fluid.
That is, the screening method for abnormal smooth muscle contraction according to the present invention is used for early detection, prognosis prediction, severity measurement, and treatment of abnormal smooth muscle contraction, in particular, abnormal smooth muscle contraction by measuring SPC. A method for evaluating the course of abnormal smooth muscle contraction, and a method for displaying the risk of coronary artery disease and cerebral infarction, regardless of the presence and amount of SPC, the serum total cholesterol level, It is a method that can be used for the confirmation of pharmaceuticals and food functions for the prevention of diseases caused by abnormal contraction of human smooth muscle, which is characterized by measuring SPC, or an index for evaluation of pharmaceuticals and foods.
[0025]
The smooth muscles to which the present invention is applied include all smooth muscles regardless of organs or regions, and in particular, vascular smooth muscles, digestive smooth muscles, respiratory smooth muscles, uterine smooth muscles, bladder smooth muscles and the like. Is exemplified.
[0026]
In the screening method of the present invention, body tissue or body fluid is collected and SPC in the body tissue or body fluid is measured. Specifically, the body tissue includes organ tissue and body such as blood vessel wall. As the cells and the body fluid, blood, cerebrospinal fluid, saliva, urine, sweat, and the like can be used, but are not limited thereto, and all body tissues and fluids can be preferably used.
[0027]
The measurement method is preferably measured using a kit, and can generally be measured indirectly or directly by enzyme assay, immunoassay, spectroscopy, mass spectrometry, surface plasmon resonance, or the like.
Furthermore, since SPC is produced by N-deacylation from sphingomyelin, which is a cell membrane component, it can also be measured enzymatically using a sphingomyelin-specific N-deacylase.
That is, in the present invention, it is important that SPC can be specifically measured by being distinguished from other sphingosines, and any method may be used as long as this is possible.
[0028]
  Also, DiagnosisThe breakage kit measures SPC, which is a new measurement target in place of cholesterol, which is a measurement target for conventional smooth muscle abnormal contraction, by the above-mentioned means. Specifically, SPC is specifically distinguished from other sphingosines. Thus, the screening for abnormal smooth muscle contraction can be performed, and abnormal smooth muscle contraction can be diagnosed with extremely high accuracy.
[0029]
In the present invention, by measuring the level of SPC itself in body fluids or body tissues, or by measuring the presence of SPC, regardless of whether the serum total cholesterol level is high, abnormal smooth muscle contraction, For example, it can be diagnosed early that there is a risk of coronary artery disease.
[0030]
In the present invention, even if the serum total cholesterol level is a normal value (220 mg / dl or less), smooth muscle abnormal contraction due to SPC occurs or the serum total cholesterol level is high (220 mg / dl or more). In the examples described below, it is clear that smooth muscle abnormal contraction does not develop depending on the type of treatment. Therefore, in order to predict the risk of coronary artery disease, SPC is measured individually regardless of the serum total cholesterol level. Only by doing this, screening for abnormal smooth muscle contraction can be performed with high accuracy.
Further, regarding the relationship between the SPC level and the abnormal smooth muscle contraction, the higher the SPC level amount, the deeper the relationship with the abnormal smooth muscle contraction.
[0031]
Therefore, the risk of coronary artery disease or cerebral infarction can be displayed by measuring the SPC level regardless of the serum total cholesterol level. In addition, patients with subarachnoid hemorrhage can be predicted and followed up in a wide range of cerebrovascular spasms in most cases after hemostasis by surgery.
[0032]
Thus, SPCs present in body tissues or fluids function effectively as biomarkers for diseases caused by abnormal contraction of smooth muscle, and SPCs can function as biomarkers directly related to clinical events of cardiovascular diseases. Is.
[0033]
Therefore, without directly confirming whether or not the disease is present, the disease caused by smooth muscle contraction, for example, cerebral vasospasm (spasm is also called spasm), coronary vasospasm, pulmonary vasospasm, hand vasospasm Mesenteric artery spasm, hypertension etc. It can be used for early detection, prognosis prediction, measurement of severity, and evaluation of the course of abnormal smooth muscle contraction associated with treatment, such as urination disorders such as imminent abortion, miscarriage, and urinary incontinence.
[0034]
Furthermore, SPC can be used as an indicator for the confirmation or evaluation of pharmaceuticals and food functions for the prevention of diseases caused by abnormal smooth muscle contraction, and shortens the development period in the development of pharmaceuticals and functional foods. It is also possible to contribute to cost reduction.
[0035]
Similarly to SPC, Fyn is used for screening methods and diagnostic kits for abnormal smooth muscle contraction, as well as for confirmation of pharmaceuticals and food functions for prevention of diseases caused by abnormal smooth muscle contraction, and indicators for pharmaceuticals and food evaluation. It is also possible.
[0036]
(Example)
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples and test examples, but the present invention is not limited thereto.
(Example 1) Relationship between SPC and coronary artery disease risk
During surgery for gastrointestinal cancer, the mesenteric artery was isolated from the gastrointestinal tract and surrounding tissues removed from the patient. The peripheral tissue and endothelium of the separated arterial blood vessel were removed, and a blood vessel specimen (width 1 mm, length 5 mm) was collected.
[0037]
The blood vessel specimen is 95% by volume O2-5% by volume CO2A Krebs-HEPES buffer solution (Na+  137.4 mM, K+  5.9 mM, Ca2+  1.2 mM, Mg2+  1.2 mM, Cl  It is suspended in a Magnus tube filled with 148.1 mM, glucose 11.5 mM, HEPES 11.6 mM (pH 7.3), and isometric using a tension transducer (trade name TB-612T; manufactured by Nihon Kohden Co., Ltd.). Tension was measured.
[0038]
First, K Magnus tube+118 mM was added to cause depolarization of the blood vessel specimen, and Ca generated thereby2+Dependent contraction tension was measured, and this was defined as normal contraction.
[0039]
On the other hand, the tension of abnormal contraction was measured by adding 30 μM SPC to the Magnus tube and measuring the tension as abnormal contraction.
The tension value of the abnormal contraction is expressed as K+FIG. 1 shows the relative value with respect to the magnitude of the tension (100%) measured by adding 118 mM.
In addition, the serum total cholesterol level, LDL (low density lipoprotein) cholesterol level and HDL (high density lipoprotein) cholesterol level of the patient are measured in advance before the operation, and the relative tension that causes abnormal contraction of smooth muscle of the mesenteric artery by SPC. These relationships are shown in FIG.
[0040]
As a result, as shown in FIG. 1, the tension of abnormal smooth muscle contraction of the mesenteric artery by SPC was correlated with the serum total cholesterol level and the LDL cholesterol level (FIG. 1a, b), but inversely correlated with the HDL cholesterol level. (FIG. 1c).
Therefore, it is considered that the serum total cholesterol level and the LDL cholesterol level affected the tension of abnormal smooth muscle contraction of the mesenteric artery by SPC.
[0041]
Here, the correlation between the tension of smooth contraction of smooth muscle of human mesenteric artery by SPC and the serum total cholesterol level and LDL cholesterol level is related to the serum total cholesterol level and the relative risk of coronary artery disease (Japan Atherosclerosis Society; J Atherosclero Thromb. 9). , 1-27, 2002), which is similar to the shape of a known J-curve (FIG. 1d).
[0042]
There was no association between SPC abnormal smooth muscle contraction and risk factors for smoking, diabetes and hypertension.
Therefore, it is considered that abnormal smooth muscle contraction of mesenteric artery by SPC is activated by serum total cholesterol and induces vasospasm, and SPC is a new risk factor for coronary artery disease.
[0043]
When observed for individual cases, cases with a high serum total cholesterol level (in cases where the serum total cholesterol level is a normal value (220 mg / dl or less)) show a high value of the tension of smooth muscle abnormal contraction due to SPC, or a high serum total cholesterol level ( In order to predict the risk of coronary artery disease, such as a case where the tension of smooth muscle abnormal contraction is low (Fig. 1a) in spite of 220 mg / dl or higher), regardless of the level of serum total cholesterol, It became clear that it can be judged by measuring SPC individually.
[0044]
(Example 2) Selection of therapeutic drug for hyperlipidemia and usefulness of SPC measurement for evaluation of therapeutic effectIn patients with gastrointestinal cancer, antihyperlipidemic drugs (HMG-CoA inhibitors) or EPA are administered before administration (Δ, □ in FIG. 2 respectively) and after administration (respectively, ▲, ■ in FIG. 2 respectively). 2), the relationship between the magnitude of the tension of smooth muscle abnormal contraction due to SPC and the total serum cholesterol level was shown in FIG. 2 in the same manner as in Example 1.
The magnitude of abnormal contraction due to SPC is K as in FIG.+FIG. 2 shows the relative value with respect to the tension (100%) measured by adding 118 mM.
Further, FIG. 2 also shows the relationship between the tension of smooth muscle abnormal contraction and the serum total cholesterol level due to SPC in the non-treated group not administered with a hyperlipidemia drug (HMG-CoA inhibitor) or EPA.
[0045]
In the case of using the HMG-CoA inhibitor, there were cases in which the tension of abnormal contraction due to SPC remained even though the serum total cholesterol level decreased from a high level to a normal level.
In addition, in EPA, although the total serum cholesterol level does not greatly decrease from a high level (from 260 mg / dl to 230 mg / dl), smooth muscle abnormal contraction due to SPC is a case where the total serum cholesterol level is normal. And decreased to almost the same tension.
[0046]
These results indicate that, regardless of the level of serum total cholesterol level, abnormal muscle contraction of smooth muscle can be predicted by measuring SPC, and SPC is used as an index for individual evaluation of drug effects and evaluation for selecting effective drugs. It represents what can be done.
[0047]
(Example 3) Measurement of SPC concentration in patients with subarachnoid hemorrhage
The SPC of patients with subarachnoid hemorrhage was measured by the following procedure.
(1) SPC-d 3 Synthesis of (SPC stable isotope labeled compound; chemical formula 1)
Synthesis of Demethylated Sphingomyelin (de-SM)0.4 g of Sphingomyelin (SM: manufactured by Sigma) was dissolved in 20 mL of DMSO and heated to 80 ° C. To this, a DMSO solution of benzenethiol sodium salt (0.49 g / 5 mL) was added dropwise with a syringe under a nitrogen atmosphere, and the mixture was heated and stirred while maintaining the temperature at 80 ° C.
[0048]
After 1 hour, the reaction solution was cooled to room temperature, 100 mL of water and 1N-hydrochloric acid were added in an appropriate amount to the reaction solution, and the reaction solution was adjusted to have a pH of about 2-3.
This solution was extracted with dichloromethane, and the organic layer was washed successively with water and saturated brine, dried over anhydrous sodium sulfate, filtered, and the filtrate was concentrated under reduced pressure.
The concentrated residue was purified by silica gel column chromatography (chloroform / methanol = 19/1 to 4/1) to obtain 300 mg (yield: 75%) of de-SM as a light beige solid.
[0049]
Sphingomyelin-d 3 (SM-d 3 )
The synthetic de-SM (250 mg) was dissolved in methanol (18 mL), and cyclohexylamine (35.5 mg) was added thereto and stirred.
To the solution obtained by stirring, methyl iodide-d3A solution obtained by adding 220 μL (manufactured by Aldrich) to 10 mL of methanol was added dropwise by syringe at room temperature. After stirring at room temperature for 1 hour, methyl iodide-d was added to the reaction solution.3110 μL was added and stirring was continued.
[0050]
Stirring was maintained for 2 hours, and then concentrated to dryness under reduced pressure. This was purified by silica gel column chromatography (chloroform / methanol = 19/1 to 9/1), and SM-d3As a pale yellow solid, 240 mg (yield 96%) was obtained.
[0051]
Sphingosylphosphorylcholine-d 3 (SPC-d 3 )
SM-d obtained above365 mg was dissolved in 8 mL of 1.5N HCl / MeOHaq (prepared by adding 1 mL of hydrochloric acid to 7 mL of methanol) and heated to reflux. After 3 hours, the reaction solution was concentrated under reduced pressure to distill off methanol.
This was neutralized by adding a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution, and then extracted with a methanol / chloroform mixture (1/2 by volume).
[0052]
After adding 1N-NaOH to the aqueous layer obtained by the extraction and adjusting the pH to 12-13, the mixture was extracted again with the methanol / chloroform mixed solution three times, and all the organic layers obtained were combined. Concentrated under reduced pressure.
The concentrated residue obtained by concentration under reduced pressure was purified by silica gel column chromatography (chloroform to chloroform / methanol = 4/1), and SPC-d represented by the following chemical formula 13Was obtained as a white solid (17.4 mg, yield 45%).
However, SPC-d3Of stable isotope labeling ratio of d3Body and d0The proportion of the body is d3Body: d0The body was 99.2: 0.8.
[0053]
[Chemical 1]
Figure 0004204877
[0054]
(2) SPC measurement device and measurement conditions
HP1100 system (manufactured by Hewlett Packard) is used as high performance liquid chromatography (HPLC) used for measuring SPC, and Develosil ODS HG-5 (35 mm × 2.0 mmid, manufactured by Nomura Chemical) is used as a separation column. used.
[0055]
As mobile phases, eluent A: 5 mM ammonium formate / methanol / tetrahydrofuran (5/2/3 (v / v)) containing 0.01% by volume formic acid, and eluent B: 0.01% by volume 5 mM ammonium formate / methanol / tetrahydrofuran (1/2/7 (v / v)) containing formic acid was used.
[0056]
The elution program consists of eluent A100% to eluent B100% linear gradient (0-4 minutes), eluent B100% isocratic (4-5 minutes), eluent B100% to eluent A100% linear gradient (5 -5.1 min) and eluent A 100% isocratic (5.1-11 min).
However, the flow rate of these eluents was 0.2 mL / min, and the column temperature was kept at 40 ° C.
[0057]
In addition, the mass spectrometer uses a quadrupole mass spectrometer Sciex API 300 (manufactured by Perkin Elmer) equipped with a turbo ion spray, and the ionization voltage, orifice voltage, and focusing ring voltage in the turbo ion spray method are 3400, 25, 220V.
The positive ion mode is used for the measurement, and the MRM mode (monitoring ion: SPCm / z 465.3 (precursor ion) -184.1 (product ion), SPC-d3  The measurement was carried out at 468.3-184.1).
[0058]
(3) Preparation of sample for preparing calibration curve
To 140 μL of phosphate buffer, add 10 μL of SPC in methanol (150, 75, 30, 15, 7.5, 3 and 1.5 ng / mL) to a final concentration of 10, 5, 2, 1, 0, respectively. Preparations were made to 0.5, 0.2 and 0.1 ng / mL.
A blank sample (0 ng / mL) prepared by adding 10 μL of methanol instead of the SPC solution was used.
[0059]
(4) Creating a calibration curve
The calibration curve shows the SPC concentration in the obtained phosphate buffer x, the ratio of the peak area (MA) of SPC to the peak area (IA) of the internal standard substance (Int.Ratio: Int.Ratio = MA / IA ) Was defined as y, and the following calibration curve equation was obtained by the least square method (weight 1 / y) using the relationship between y and x.
y = ax + b
Where x: SPC concentration
y: Peak area ratio
a: The slope of the calibration curve
b: y-axis intercept
[0060]
(5) Measurement of SPC concentration in cerebrospinal fluid by solid phase extraction and LC / MS / MS
1 mL of cerebrospinal fluid, 1 mL of 100 mM phosphate buffer (pH 5.0) and SPC-d at a concentration of 50 ng / mL as an internal standard substance310 μL of a methanol solution of (the above SPC stable isotope labeled product) was added.
This solution was subjected to solid phase extraction using Bond Elute Certificate (manufactured by GL Science) according to the following procedure.
[0061]
Conditioning was performed by sequentially passing 5 mL of methanol and 5 mL of 100 mM phosphate buffer (pH 5.0) through Certify. Then, the solution prepared in this manner was loaded into the Certify, and this was loaded with 5 mL of 100 mM phosphate buffer (pH 5.0) and methanol / 100 mM phosphate buffer (pH 5.0) (1/1 volume). The solution was washed successively with 5 mL of solution and 3 mL of methanol.
[0062]
After the washing, ventilation was performed for 1 minute to dry the Certify support, and elution was performed with 3 mL of 1% ammonia-containing methanol to obtain an eluate.
The obtained eluate was concentrated to dryness under a nitrogen stream (DRY THERMO BATH MG-2000, manufactured by EYELA). The concentrated residue was redissolved in 100 μL of methanol, 20 μL of which was subjected to LC / MS / MS, and the SPC concentration was measured.
In all the operations, a normal silicon-treated container or a protein non-adsorbed container (manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd.) was used.
[0063]
For 3 patients with subarachnoid hemorrhage (SAH), the SPC concentration in cerebrospinal fluid 3 to 4 and 9 days after the onset of subarachnoid hemorrhage was measured by the above method. The SPC concentration was also measured by the same method for lumbar spinal fluid of normal subjects whose cerebrospinal fluid was collected on the suspicion of meningitis but no abnormality was observed. The results are shown in Table 1 below.
[0064]
[Table 1]
Figure 0004204877
[0065]
Table 1 reveals that the SPC concentration is high in any cerebrospinal fluid of patients with subarachnoid hemorrhage, while no SPC was detected in lumbar spinal fluid of normal subjects.
[0066]
【The invention's effect】
The screening method of the present invention is an excellent biomarker of a disease based on abnormal smooth muscle contraction of SPC regardless of the serum total cholesterol level. By measuring this SPC, the onset of the disease based on abnormal smooth muscle contraction is detected. It is possible to judge with high accuracy, early detection of diseases based on abnormal smooth muscle contraction, prognosis prediction, severity measurement, evaluation of the progress of smooth muscle abnormal contraction accompanying medical treatment with high accuracy and smoothness A reliable and simple screening method for abnormal abnormal contraction of smooth muscle, which can be effectively applied to confirmation of pharmaceuticals and food functions for preventing diseases caused by abnormal muscle contraction or an index for pharmaceuticals and food evaluation, etc. Is
[0067]
In addition, the screening method of the present invention can increase the serum total cholesterol level not only for humans with high serum total cholesterol level but also for humans with normal serum total cholesterol level, because SPC can be a risk of these diseases. Regardless of this, it is a screening method for abnormal contraction of smooth muscle, which enables early detection of a disease and early treatment / prevention for a human who has not developed signs of the disease.
[0068]
Furthermore, the screening method of the present invention can grasp the strength of abnormal contraction of smooth muscle and can select a drug suitable for the strength of abnormal contraction for each patient and measure the therapeutic effect. It is possible to provide tailor-made medical care that can select effective medicines according to strength and monitor the effects.
[0069]
  FurtherSeeThe breakage kit can easily apply the screening method for abnormal contraction of smooth muscle of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 (a) is the relationship between the tension of abnormal smooth muscle contraction of mesenteric artery by SPC and serum total cholesterol level, and (b) is the tension of abnormal contraction of smooth muscle of mesenteric artery by SPC and LDL cholesterol. (C) is the relationship between the tension of abnormal smooth muscle contraction of mesenteric artery by SPC and HDL cholesterol / serum total cholesterol level, (d) is the relationship between serum total cholesterol level and relative risk of coronary artery disease FIG.
FIG. 2 is a diagram showing an example of the relationship between the magnitude of the tension of abnormal smooth muscle contraction caused by SPC and the serum total cholesterol level before and after administration of a therapeutic agent for hypertension or EPA and during non-treatment.

Claims (2)

体組織または体液と内標準物質とを含む溶液を調製し、該溶液を、陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムを用いて固相抽出処理し、得られた溶出液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度を測定することを特徴とする、平滑筋異常収縮のスクリーニング方法。 A solution containing body tissue or body fluid and an internal standard substance is prepared, and the solution is subjected to solid phase extraction using a mixed mode column having a cation exchange phase and a nonpolar phase, and the sphingo in the obtained eluate is obtained. It characterized that you measure the sill phosphorylcholine concentration, the screening method of the smooth muscle abnormality contraction. 請求項1記載スクリーニング方法において、前記体組織または体液と内標準物質とを含む溶液は、体組織または体液と、内標準物質としての重水素化スフィンゴシルフォスフォリルコリンと、pH5の緩衝液及びメタノールからなる溶液であり、陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムを用いた前記固相抽出処理は、該陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラムに、メタノール及びpH5の緩衝液を通液してコンディショニングを行い、体組織または体液と内標準物質とを含む前記溶液を、前記陽イオン交換相と無極性相を有するミックスモードカラム固相にロードし、次いで順次、pH5の緩衝液、1:1容量で混合したメタノール/pH5の緩衝液、メタノールで洗浄した後、乾燥させて、アンモニア含有メタノールで溶出する処理であり、溶出液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度の前記測定は、該溶出液を濃縮乾固して再溶解し、該溶解液中のスフィンゴシルフォスフォリルコリン濃度を測定するものであることを特徴とする平滑筋異常収縮のスクリーニング方法。2. The screening method according to claim 1, wherein the solution containing the body tissue or body fluid and the internal standard substance is a body tissue or body fluid, deuterated sphingosylphosphorylcholine as the internal standard substance, a pH 5 buffer solution and methanol. The solid-phase extraction treatment using a mixed mode column having a cation exchange phase and a nonpolar phase is a solution comprising methanol and a pH 5 buffer on the mixed mode column having a cation exchange phase and a nonpolar phase. The solution containing the body tissue or the body fluid and the internal standard substance is loaded onto the mixed-mode column solid phase having the cation exchange phase and the nonpolar phase, and then sequentially adjusted to pH 5 Buffer, methanol / pH 5 buffer mixed at 1: 1 volume, washed with methanol, dried and dried with ammonia A process of methanol in the measurement of sphingosyl phosphorylcholine concentration in the eluate, redissolved in the eluate is concentrated to dryness, to measure the sphingosyl phosphorylcholine concentration in solution Kaieki and characterized in that, the screening method of the smooth muscle abnormality contraction.
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