JP4204858B2 - Phase shift mask design method and design apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相シフトマスクの設計方法および設計装置に関し、特に、半導体装置の製造に用いられる基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクを設計する上での描画データの補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高密度化は年々進んでおり、半導体ウエハ上に形成する集積回路パターンは益々微細化してきている。半導体ウエハ上に集積回路パターンを形成する際には、通常、フォトマスクを用いた露光が行われることになるので、露光対象となるパターンの微細化に伴い、フォトマスク上のパターンも微細化せざるを得ない。特に、1990年代の後半からは、露光装置の光源波長よりも短いサイズの微細図形を半導体ウエハ上に形成するための技術開発が盛んに行われている。
【0003】
一般に、露光装置の光源波長近傍もしくはそれ以下のサイズをもった微細パターンを半導体ウエハ上に形成する場合、光の回折現象が無視できなくなる。具体的には、フォトマスクのパターンとして、互いに隣接する一対の開口窓が形成されていた場合、これら一対の開口窓を透過した光が回折して互いに干渉し合い、本来遮光されるべき部分まで露光してしまう現象が生じる。このため、微細パターンが形成されたフォトマスクには、光の回折現象を考慮した工夫が必要になる。このような工夫を施したフォトマスクとして、位相シフトマスクが知られている。この位相シフトマスクの基本原理は、隣接配置された一対の開口窓を透過する光の位相が逆位相となるような構造を採ることにより、光の干渉を打ち消すことにある。一方の開口窓を透過した光の位相を、他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトさせるためには、フォトマスクを構成する基板に溝を掘込む方法が提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、このような位相シフトマスクの典型例として、基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクが開示されている。
【特許文献1】
特開2002−40624号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、位相シフトマスクでは、光の回折現象を考慮した上で、微細パターンの形状を決定する必要があるため、その設計作業が繁雑になるという問題がある。特に、基板に溝を形成する基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクなどでは、溝の形成部が三次元構造をとるため、二次元的な解析では足らず、三次元的な解析を行う必要が生じる。このため、従来は、1枚の位相シフトマスクを設計する上で、多大な労力と時間を費やしていた。
【0005】
そこで本発明は、作業負担を軽減し、作業時間を短縮することが可能な位相シフトマスクの設計方法および設計装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、透光性をもった基板と、この基板上に形成された遮光性をもった遮光層と、を有し、遮光層には複数の矩形状の開口窓が形成されており、遮光層が形成されている領域からなる遮光部と開口窓が形成されている領域からなる透光部とによって二次元レイアウトパターンが形成されており、かつ、隣接配置された一対の開口窓について、一方の開口窓を透過した光の位相が他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトするように、一方の開口窓が形成された基板部分に開口窓の輪郭より大きな輪郭をもった所定の深さの溝が形成されている位相シフトマスクを設計する位相シフトマスクの設計方法において、
基板の表面上にXY平面を定義し、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することによりXY平面上に二次元レイアウトを設計する二次元レイアウト設計段階と、
複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定段階と、
上記二次元レイアウトおよび上記三次元構造によって画定される三次元構造体を用いて、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める三次元解析段階と、
上記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体を用いて、一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が上記光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tを求める二次元解析段階と、
上記透過率Tに基づいて、上記二次元レイアウトを補正するレイアウト補正段階と、
を行うようにしたものである。
【0007】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
二次元解析段階において、複数通りの透過率について、それぞれ光強度偏差Dを求め、三次元解析段階で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定するようにしたものである。
【0008】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
二次元解析段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、光強度偏差Dの値を求めたデータベースを予め用意しておき、特定の二次元構造体についての透過率Tを求める際に、データベースにおける当該特定の二次元構造体に関連する部分を検索し、三次元解析段階で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を、当該特定の二次元構造体についての透過率Tと決定するようにしたものである。
【0009】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
三次元解析段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、光強度偏差Dの値を求めたデータベースを予め用意しておき、特定の三次元構造体についての光強度偏差Dを求める際に、用意したデータベースを検索することにより光強度偏差Dを決定するようにしたものである。
【0010】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
レイアウト補正段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、最適な補正量δを求めたデータベースを予め用意しておき、特定の透過率が定義された特定の二次元レイアウトに対する補正を行う際に、用意したデータベースを検索することにより最適な補正量δを決定するようにしたものである。
【0011】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第3〜第5の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
パラメータ値として、更に、開口窓のY軸方向の幅Wyを加えたデータベースを用意するようにしたものである。
【0012】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第3〜第6の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
データベース内に用意されているパラメータ値の組み合わせの中に、検索条件に合致するものが存在しない場合には、近接するパラメータ値を用いた補間演算を行うようにしたものである。
【0013】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第3〜第7の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
二次元レイアウト設計段階において、複数の開口窓をX軸方向およびY軸方向に二次元マトリックス状に配置し、遮光部の幅Wsとして、X軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のX軸方向の幅Wsxと、Y軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のY軸方向の幅Wsyとの2通りのパラメータを用いるようにしたものである。
【0014】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1〜第8の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
三次元構造決定段階において、X軸方向もしくはY軸方向に並んで配置されている複数の開口窓に対して、1つおきに位相シフトを行う旨の決定をするようにしたものである。
【0015】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1〜第9の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
三次元解析段階における光強度偏差Dを求める処理、二次元解析段階における透過率Tを求める処理、レイアウト補正段階における補正処理、の一部もしくは全部を、コンピュータシミュレーションを利用して実行するようにしたものである。
【0016】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第9の態様に係る位相シフトマスクの設計方法において、
三次元解析段階における光強度偏差Dを求める処理、二次元解析段階における透過率Tを求める処理、レイアウト補正段階における補正処理、の一部もしくは全部を、実際に製造した位相シフトマスクを用いた実験により実行するようにしたものである。
【0017】
(12) 本発明の第12の態様は、透光性をもった基板と、この基板上に形成された遮光性をもった遮光層と、を有し、遮光層には複数の矩形状の開口窓が形成されており、遮光層が形成されている領域からなる遮光部と開口窓が形成されている領域からなる透光部とによって二次元レイアウトパターンが形成されており、かつ、隣接配置された一対の開口窓について、一方の開口窓を透過した光の位相が他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトするように、一方の開口窓が形成された基板部分に開口窓の輪郭より大きな輪郭をもった所定の深さの溝が形成されている位相シフトマスクを設計する位相シフトマスクの設計装置において、
オペレータからの指示に基づいて、基板の表面上に定義されたXY平面上において、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することによりXY平面上に二次元レイアウトを決定する二次元レイアウト決定装置と、
オペレータからの指示に基づいて、複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定装置と、
上記二次元レイアウトおよび上記三次元構造によって画定される三次元構造体をモデルとして用いた三次元シミュレーションを実行することにより、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める三次元解析処理を行う三次元シミュレータと、
上記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体をモデルとして用いた二次元シミュレーションを実行することにより、一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tを求める二次元解析処理と、上記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体に上記透過率Tを適用したモデルを用いた二次元シミュレーションを実行することにより、上記二次元レイアウトを補正するレイアウト補正処理と、を行う二次元シミュレータと、
を設けるようにしたものである。
【0018】
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第12の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
二次元シミュレータが二次元解析処理を行う際に、複数通りの透過率について、それぞれ光強度偏差Dを求め、三次元シミュレータによる三次元解析処理で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定するようにしたものである。
【0019】
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第12の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
所定の三次元構造体について、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置および三次元構造決定装置において決定された具体的なパラメータ値を用いてデータベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dの値を決定する光強度偏差決定装置と、
を三次元シミュレータの代替手段として設けるようにしたものである。
【0020】
(15) 本発明の第15の態様は、上述の第12の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
所定の二次元構造体における一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定し、同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、三次元シミュレータによって決定された具体的な光強度偏差Dと、を用いてデータベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dに等しい光強度偏差が得られるような透過率Tを決定する透過率決定装置と、
を二次元解析処理を実行するための二次元シミュレータの代替手段として設けるようにしたものである。
【0021】
(16) 本発明の第16の態様は、上述の第12の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
所定の二次元構造体における同一サイズの一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率が100%、他方の光の透過率がT%に設定された場合に、これら一対の隣接開口窓を透過した同一条件の光の強度を等しくするために必要な各開口窓の幅に関する補正量δを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、二次元シミュレータによる二次元解析処理において決定された具体的な透過率Tと、を用いてデータベースを検索することにより、二次元レイアウトに対する補正量δを決定する補正量決定装置と、
をレイアウト補正処理を実行するための二次元シミュレータの代替手段として設けるようにしたものである。
【0022】
(17) 本発明の第17の態様は、透光性をもった基板と、この基板上に形成された遮光性をもった遮光層と、を有し、遮光層には複数の矩形状の開口窓が形成されており、遮光層が形成されている領域からなる遮光部と開口窓が形成されている領域からなる透光部とによって二次元レイアウトパターンが形成されており、かつ、隣接配置された一対の開口窓について、一方の開口窓を透過した光の位相が他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトするように、一方の開口窓が形成された基板部分に開口窓の輪郭より大きな輪郭をもった所定の深さの溝が形成されている位相シフトマスクを設計する位相シフトマスクの設計装置において、
オペレータからの指示に基づいて、基板の表面上に定義されたXY平面上において、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することによりXY平面上に二次元レイアウトを決定する二次元レイアウト決定装置と、
オペレータからの指示に基づいて、複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定装置と、
所定の三次元構造体について、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第1のデータベースと、
二次元レイアウト決定装置および三次元構造決定装置において決定された具体的なパラメータ値を用いて第1のデータベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dの値を決定する光強度偏差決定装置と、
所定の二次元構造体における一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定し、同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第2のデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、光強度偏差決定装置によって決定された具体的な光強度偏差Dと、を用いて第2のデータベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dに等しい光強度偏差が得られるような透過率Tを決定する透過率決定装置と、
所定の二次元構造体における同一サイズの一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率が100%、他方の光の透過率がT%に設定された場合に、これら一対の隣接開口窓を透過した同一条件の光の強度を等しくするために必要な各開口窓の幅に関する補正量δを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第3のデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、透過率決定装置において決定された具体的な透過率Tと、を用いて第3のデータベースを検索することにより、二次元レイアウトに対する補正量δを決定する補正量決定装置と、
を設けるようにしたものである。
【0023】
(18) 本発明の第18の態様は、上述の第14〜第17の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
開口窓のY軸方向の幅Wyを更なるパラメータ値として加えたデータベースを用意するようにしたものである。
【0024】
(19) 本発明の第19の態様は、上述の第14〜第18の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
複数の開口窓をX軸方向およびY軸方向に二次元マトリックス状に配置した二次元レイアウトに対応できるように、データベースにパラメータ値として用いられる遮光部の幅Wsとして、X軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のX軸方向の幅Wsxと、Y軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のY軸方向の幅Wsyとの2通りの値を用いるようにしたものである。
【0025】
(20) 本発明の第20の態様は、上述の第14〜第19の態様に係る位相シフトマスクの設計装置において、
光強度偏差決定装置、透過率決定装置もしくは補正量決定装置が、データベース内に用意されているパラメータ値の組み合わせの中に、検索条件に合致するものが存在しない場合には、近接するパラメータ値を用いた補間演算を行うことにより光強度偏差D、透過率Tもしくは補正量δを決定するようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
【0027】
<<< §1.位相シフトマスクの基本構造 >>>
半導体ウエハ上に集積回路パターンを形成するために用いられるフォトマスクは、基本的には、遮光部と透光部とによって構成される二次元レイアウトパターンである。図1は、このような二次元レイアウトパターンをもったフォトマスクの一例を示す平面図である。このフォトマスクの上面には、遮光層100が形成されており、この遮光層100は、透光部110と遮光部120との2つの領域を有している。透光部110は、図示のとおり矩形状の開口窓によって構成されており、遮光部120は、これら開口窓を囲うようなフレームによって構成されている。なお、図のハッチング部分は、遮光部120の領域を示すためのものであり、断面を示すものではない。
【0028】
図2は、図1に示すフォトマスクを、切断線2−2に沿って切った切断面を示す側断面図である。図示のとおり、このフォトマスクは、透光性をもった基板200と、この基板200上に形成された遮光性をもった遮光層100とによって構成されている。基板200は、たとえば、石英ガラスなどの材質から構成され、遮光層100は、たとえば、クロムの金属膜などの材質から構成されている。透光部110は、遮光層100に形成された開口窓の部分である。このフォトマスクに対して露光装置からの光を所定の露光条件で照射すると、遮光部120の部分は光が遮蔽され、透光部110の部分のみ光が透過することになる。
【0029】
図3は、このフォトマスクを用いた露光作業の様子を示す側断面図である。図示のとおり、通常、フォトマスクは、基板200が上側、遮光層100が下側になるような向きに配置され、上方から露光装置からの光Lが照射される。また、フォトマスクの下方には所定の光学系300(図ではブロック図で示す)が配置され、フォトマスクを透過した光は、この光学系300を介して、半導体ウエハの露光面400に照射されることになる。結局、露光面400上には、図1に示すような二次元レイアウトパターンが露光されることになる。
【0030】
なお、ここでは便宜上、図1に示すとおり、図の横方向にX軸、縦方向にY軸をとり、基板200の表面上にXY平面を定義し、遮光層100によって形成される二次元レイアウトパターンが、このXY平面上に定義されたパターンとなる場合について、以下の説明を行うことにする。したがって、図2に示すように、基板200の主面に対して垂直方向にZ軸が定義され、露光装置からの光LはZ軸方向に照射されることになる。
【0031】
図1に示す二次元レイアウトパターンは、典型的な「ラインアンドスペースパターン」と呼ばれるパターンであり、複数の同一サイズの開口窓をX軸に沿って配置したものである。本発明は、このように、同一サイズの矩形状の開口窓をX軸に沿って複数配置した二次元レイアウトパターンをもったフォトマスクを設計することを前提としたものである。
【0032】
実際の半導体集積回路用の二次元レイアウトパターンは、必ずしも、このような同一サイズの矩形状の開口窓を複数配置したパターンのみから構成されるわけではなく、必要に応じて、L字状の開口窓、U字状の開口窓、その他不規則形状の開口窓などが混在する形態になることが少なくない。しかしながら、同一サイズの矩形状の開口窓を複数配置した「ラインアンドスペースパターン」は、実用上、一般的な半導体集積回路用の二次元レイアウトパターンとして最も頻繁に利用されるパターンであり、大部分の領域が、このような「ラインアンドスペースパターン」で占められると言っても過言ではない。本発明に係る設計方法は、このような「ラインアンドスペースパターン」の部分を設計する上で広く利用可能な技術であり、一般的な半導体集積回路用のフォトマスクを設計するにあたって、非常に利用価値の高い技術である。
【0033】
なお、図1に示す例は、説明の便宜上、5か所に矩形状の開口窓が形成された比較的単純な例を示すが、実際には、より多数の開口窓が所定ピッチでX軸に沿って配置されたレイアウトパターンが用いられるのが一般的である。
【0034】
さて、図1に示すようなフォトマスクを、図面に実際に描かれているとおりの実寸で作成した場合、図3において、露光装置から照射される光Lは、粒子としてのふるまいを見せ、遮光層100の開口窓を透過した光はそのまま直進し、露光面400を露光する。したがって、露光面400上には、図1に示す二次元レイアウトパターンと同等の露光パターンが得られることになる。しかしながら、図1に示すようなフォトマスクのパターン各部が、露光装置の光源波長近傍もしくはそれ以下のサイズで作成されていたとすると事情は変わってくる。開口窓のサイズが、光の波長程度になってくると、露光装置から照射される光Lには、波としての挙動が現れ、開口窓を透過する際に生じる回折現象が無視できなくなる。
【0035】
図4は、フォトマスクの開口窓を透過した光の挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段はフォトマスクの部分拡大側断面図、中段はフォトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はフォトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。
【0036】
図の上段に示すように、露光装置からの照射光L1,L2,L3は、それぞれ開口窓111,112,113を透過して、フォトマスクの下方の露光面へと向かうが、このとき、光の回折現象が生じるため、透過光の一部は遮光部121,122,123,124の部分へも回り込むことになる。その結果、光の振幅強度(ここでは、符号をも考慮した振幅強度を示す)は、図の中段のグラフに示すようになる。このグラフの横軸は、フォトマスクのX軸方向の空間的位置に対応しており、各開口窓111,112,113の中心位置にピークをもった振幅強度が得られることが示されている。
【0037】
こうしてフォトマスクを透過した光は、いずれも同位相の光であるため、図の中段に示すグラフの重なり部分は互いに強め合い、結局、透過光の光強度分布は、各グラフの振幅強度値を加算することにより、図の下段のグラフに示すようなものになる。すなわち、半導体ウエハの露光面における各開口窓111,112,113に対応する領域の光強度は相対的に高くなるものの、遮光部121,122,123,124に対応する領域の光強度もある程度の大きさをもつようになる。したがって、たとえば、露光面に形成されたレジスト膜を感光させるのに必要な光強度のしきい値Thが図の下段のグラフに示すような値であったとすると、図示の例の場合、露光面のすべての領域が感光してしまい、本来のパターンの像を形成することができなくなる。
【0038】
このような弊害に対処するための一手法として、位相シフトマスクが用いられている。図5は、所定の条件下において、位相シフトマスクの開口窓を透過した光の挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段は位相シフトマスクの部分拡大側断面図、中段はこの位相シフトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はこの位相シフトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。図5の上段に示す位相シフトマスクと、図4の上段に示す通常のフォトマスクとの相違は、前者では、基板200の一部に深さdをもった溝210が形成されている点である。図示の例では、溝210は、開口窓112の形成領域に掘られており、開口窓111,113の形成領域には溝は掘られていない。
【0039】
ここで、溝210は、開口窓112を透過する光L2の位相を180°シフトさせる働きをする。別言すれば、溝210の深さdは、露光装置の光源波長の光の位相を180°だけシフトさせるために必要な長さに設定されている。このような位相シフトマスクに対して、露光装置からの照射光L1,L2,L3を照射すると、これらの光は、それぞれ開口窓111,112,113を透過して、フォトマスクの下方の露光面へと向かうが、開口窓112を透過した光L2だけは、位相が180°だけシフトされることになる。ここでは、開口窓111,113を透過した光L1,L3の位相φを基準の0°とし、開口窓112を透過した光L2の位相φを180°として示す。このように、位相シフトマスクを透過した光には、部分的に位相シフトが生じるので、透過光の符号をも考慮した振幅強度は、図の中段のグラフに示すようになる。すなわち、光L2の位相は、光L1,L3の位相に対して逆転しているため、振幅の符号も逆転することになる。
【0040】
結局、図の中段に示すグラフの重なり部分は互いに弱め合い、合成した振幅は隣接するグラフの振幅強度値を符号を考慮して加算したものになる。したがって、透過光の光強度分布は、振幅の2乗をとったものになるため、図の下段のグラフに示すようなものになる。すなわち、半導体ウエハの露光面における各開口窓111,112,113に対応する領域の光強度は相対的に高くなり、遮光部121,122,123,124に対応する領域の光強度は相対的に低くなる。このように、開口窓に対応する領域と遮光部に対応する領域との間に十分な光強度の差が得られれば、露光面に本来のパターンの像を形成することが可能になる。
【0041】
このように、位相シフトマスクの基本原理は、隣接配置された一対の開口窓を透過する光の位相が逆位相となるような構造を採ることにより、遮光部における光の干渉を打ち消すことにある。そして、基板掘込み型の位相シフトマスクでは、隣接配置された一対の開口窓について、一方の開口窓を透過した光の位相が他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトするように、一方の開口窓が形成された基板部分に所定の深さdの溝を形成するという手法が採られる。
【0042】
ところが、実際には、図5の上段に示すような溝210を形成した場合、図5の下段に示すような理想的な光強度分布は得られないことが知られている。図6は、位相シフトマスクの開口窓を透過した光の現実的な挙動を示す図である。図6の中段の振幅強度分布において破線で示すグラフは、図5に示す理想的な振幅強度分布を示しているが、実際には、図に実線で示すように、振幅強度はこれよりも小さくなる。同様に、図6の下段の光強度分布において破線で示すグラフは、図5に示す理想的な光強度分布を示しているが、実際には、図に実線で示すように、光強度はこれよりも小さくなる。
【0043】
このように、溝210を透過した光の振幅強度が低下する原因は、図6の上段に示すように、溝210の側面から下方へと進行する光L4が存在するためである。すなわち、図の上方から下方へと溝210内を垂直方向に進行する光L2に対して、溝210の側面から漏れ出てくる光L4は、異なる位相をもった光になるため、両者は打ち消し合うことになる。その結果、開口窓112を透過した光L2の振幅強度は減少することになる。一方、溝が形成されていない開口窓111,113を透過した光L1,L2については、このような打ち消し合いの現象は生じないため、振幅強度が減少することはない。
【0044】
結果的に、位相φ=0°の設定が行われた開口窓(溝が形成されていない開口窓)を透過した光の強度に比べて、位相φ=180°の設定が行われた開口窓(溝が形成されている開口窓)を透過した光の強度が低下する、という事態が生じてしまう。そうなると、同一サイズの開口窓を有するフォトマスクを用いて露光を行ったのにもかかわらず、露光面に形成される開口窓のパターンにサイズの差が生じる結果になる。
【0045】
このような問題を解決するために、基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクでは、隣接配置された一対の開口窓について、一方の開口窓を透過した光の位相が他方の開口窓を透過した光の位相に対して180°シフトするように、一方の開口窓が形成された基板部分に所定の深さdの溝を形成するとともに、この溝の輪郭を、開口窓の輪郭よりも大きく設定する、という手法を採る。
【0046】
図7は、所定の条件下において、基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクの開口窓を透過した光の現実的な挙動を示す図である。図7の中段の振幅強度分布および下段の光強度分布を示すグラフは、図5に示す理想的なグラフと同じものになっている。これは、図7の上段の側断面図に示すように、溝220の輪郭(XY平面上での輪郭)が、開口窓112の輪郭(XY平面上での輪郭)よりも大きく設定されているからである。このような構造にすれば、溝220の側面は、開口窓112の輪郭部分よりも後退するため、溝220の側面から漏れ出てくる光L4が、開口窓112を透過した光L2に干渉することを防ぐことができる。
【0047】
なお、本願図面では、説明の便宜上、位相シフトマスクを透過した光に関する具体的なグラフを示すが、これらのグラフの形態は種々の条件設定によって異なるものである。一般に、位相シフトマスクを透過した光の挙動は、設計条件(開口窓や遮光部などの二次元的な寸法)、露光条件(露光波長、開口数、瞳などの値)、そして後述するアンダーカット量や溝の深さなどの三次元構造によって左右される。本願図面に示すグラフは、これら諸条件を特定の条件に設定した場合に得られる結果を示すものである。
【0048】
<<< §2.アンダーカット量に関する問題 >>>
さて、既に§1で述べたとおり、図7の上段に示すような三次元構造をもった基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクを用いれば、隣接配置された一対の開口窓(図示の例の場合、一対の開口窓111,112もしくは一対の開口窓112,113)についての透過光の位相を逆転させることができ、しかも溝の側面から漏れ出る光L4の干渉の影響を抑えることが可能になる。しかしながら、実際には、光L4の干渉の影響を完全に抑えるためには、溝220の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を所定値以上確保する必要がある。
【0049】
図8は、図7の上段に示す位相シフトマスクの一部分を更に拡大した側断面図(上段)およびこの位相シフトマスクを透過した光の強度を示すグラフ(下段)である。上段の図に示されているとおり、基板200には所定の深さdをもった溝220が形成されており、この溝220の輪郭は、開口窓112の輪郭よりも大きく設定されている。すなわち、溝220の左側の輪郭(左側面)の位置C1は、開口窓112の左側の輪郭位置C2(遮光部122の右端位置)よりも若干だけ左方に後退しており、溝220の右側の輪郭(右側面)の位置C4は、開口窓112の右側の輪郭位置C3(遮光部123の左端位置)よりも若干だけ右方に後退している。
【0050】
ここでは、溝220の輪郭位置と開口窓112の輪郭位置との距離を、図示のとおりアンダーカット量Ucと呼ぶことにする。いわば、このアンダーカット量Ucは、溝220の開口部分に形成された遮光部122,123による庇の部分の幅に相当する。溝220の側面から漏れ出る光の干渉の影響を抑える上では、このアンダーカット量Ucは大きければ大きいほど好ましい。実際、アンダーカット量Ucを所定値以上に設定すれば、図7に示す例のように、溝220の側面から漏れ出る光L4の干渉の影響を完全に抑えることができ、3つの開口窓111,112,113を透過した光L1,L2,L3の強度は等しくなる。
【0051】
しかしながら、基板200上に形成される二次元レイアウトパターンが微細化すればするほど、十分なアンダーカット量Ucを確保することが困難になってくる。なぜなら、レイアウトパターンが微細化すると、図8の上段に示す開口窓111,112のX軸方向の幅Wxや、遮光部121,122,123のX軸方向の幅Wsも小さくなってくるため、遮光部121,122,123と基板200との間の接触面積も小さくならざるを得ない。前述したように、通常、基板200は石英ガラスのような透光性をもった材料層からなるのに対して、遮光層100はクロムのような遮光性をもった金属材料層から構成される。このため、両材料層の接触面積が小さくなればなるほど、遮光層100が基板200から剥離しやすくなる。
【0052】
結局、実際の半導体ウエハに対する露光プロセスに耐え得る十分な堅牢性をもった位相シフトマスクを製造する上では、両材料層の接触面積をある程度以上確保せざるを得ない。別言すれば、図8の上段の図において、遮光層122と基板200との間の接触寸法(Ws−Uc)をある程度以上確保しておかないと、遮光層122が基板200から剥離するおそれがある。したがって、レイアウトパターンが微細化すればするほど(遮光層122の幅Wsが小さくなればなるほど)、実際に確保できるアンダーカット量Ucも小さくならざるを得ない。
【0053】
実際、遮光層122の幅Wsが数100nm程度の微細パターンになると、十分なアンダーカット量Ucを確保することが困難になってくる。すると、当然、溝220の側面から漏れ出る光の干渉の影響が無視できなくなり、溝220を透過した光の強度が低下することになる。図8の下段に示すグラフは、このような干渉の影響により、開口窓111を透過した光(位相φ=0°の光)の強度に比べて、開口窓112を透過した光(位相φ=180°の光)の強度が低下した例を示すものである。図8の上段に示されているとおり、遮光層100上に形成されている開口窓111,112は、いずれも幅Wxをもった同一サイズの矩形状開口窓であるにもかかわらず、所定条件下で各開口窓を透過した光の強度は、図8の下段に示されているグラフのように異なってしまう。
【0054】
このように隣接配置された一対の開口窓111,112を透過した光の強度の偏差を、ここでは、光強度偏差と定義して定量的に取り扱うことにする。光強度偏差は、図8の下段に示すような2つの光強度分布の大きさの相違を定量的に示すことができれば、どのような方法で定義してもかまわない。たとえば、2つのグラフの面積を求めて、両者の比あるいは差を光強度偏差と定義することも可能である。あるいは、2つのグラフのピーク値を求めて、両者の比あるいは差を光強度偏差と定義してもよい。
【0055】
ただ、ここに示す実施形態では、図8の下段に示すように、光強度に所定のしきい値Thを定め、二次元座標上で、このしきい値Thに相当する水準線(図に一点鎖線で示す線)を引き、各グラフとの交点をそれぞれQ1,Q2,Q3,Q4として、2点Q1,Q2間の距離Waと、2点Q3,Q4間の距離Wbとを求め、D=Wa−Wbなる差を光強度偏差Dと定義するようにしている。この場合、しきい値Thの設定の仕方によって、光強度偏差Dの値は変動することになるので、しきい値Thを、2点Q2,Q3間の距離が、遮光部122の幅Wsに等しくなるような値に設定する、と定めておくようにする。別言すれば、図8の下段に示すようなグラフが得られた場合、X軸に平行で、かつ、2点Q2,Q3間の距離が、遮光部122の幅Wsに等しくなるような水準線を定め、この水準線に基づいて、距離Wa,Wbを求め、D=Wa−Wbなる差により光強度偏差Dを決定する。
【0056】
このような方法で、光強度偏差Dを決定すれば、図8の下段に示すようなグラフに対して一義的に光強度偏差Dが求まる。前述したように、本発明を実施する上で、光強度偏差は、位相φ=0°の透過光強度と位相φ=180°の透過光強度との差を定量的に示すことができれば、どのような方法で定義してもかまわないが、ここに示す実施形態のように、D=Wa−Wbなる差により定義された光強度偏差Dを用いることは非常に現実的である。なぜなら、グラフの面積を比較する方法で光強度偏差を定義した場合、面積を求めるための演算負担が大きくなるデメリットがあり、グラフのピーク値を比較する方法で光強度偏差を定義した場合、比較精度が低下するデメリットがあるからである。D=Wa−Wbなる差により定義された光強度偏差Dは、所定水準位置におけるグラフの幅を比較する方法を採るものであり、演算負担は小さく、かつ、ある程度の比較精度を確保できるというメリットがある。なお、このようにD=Wa−Wbなる差により定義された光強度偏差Dは、一般に「Walking Distance」と呼ばれている。
【0057】
結局、レイアウトパターンが微細化したために、十分なアンダーカット量Ucを確保することができなくなると、図8の上段に示すような基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクであっても、図8の下段に示すように、隣接する一対の開口窓111,112を透過する光について、光強度偏差Dが生じてしまうことになる。
【0058】
半導体ウエハ上での露光時に、このような光強度偏差Dが発生するのを防ぐためには、位相シフトマスク上に形成された二次元レイアウトパターンに、予め光強度偏差Dの発生を見込んだ寸法補正を施しておくという手法を採らざるを得ない。具体的には、図8に示す例の場合であれば、開口窓111,112のサイズに補正を施すことになる。
【0059】
たとえば、図8に示す例では、透過光の位相がφ=0°になる開口窓111(別言すれば、溝が形成されていない開口窓)と、透過光の位相がφ=180°になる開口窓112(別言すれば、溝が形成されている開口窓)とが同一の幅Wxに設定されているため、光強度偏差Dが発生する結果となっている。そこで、開口窓111の幅Wxを若干狭くするような補正を行うとともに、開口窓112の幅Wxを若干広くするような補正を行えば、開口窓111を透過する光の強度を減少させ、開口窓112を透過する光の強度を増加させることができるので、幅の補正量を適正に設定することさえ可能であれば、光強度偏差Dを0にすることができる。
【0060】
しかしながら、現実問題として、光強度偏差Dを0にするための最適な補正量を求めるには、多大な労力と時間が必要になる。これは、図8の上段の側断面図に示すように、基板200に溝を形成する基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクでは、溝220の形成部が三次元構造をとるため、二次元的な解析では足らず、三次元的な解析を行う必要が生じるためである。たとえば、図示の例において、開口窓112の幅Wxを若干量だけ広げれば、当然、開口窓112を透過する光の強度は増加するが、光強度がどの程度増加するかは、実際に設計寸法どおりのフォトマスクを製造して実験してみるか、あるいはコンピュータを用いた三次元シミュレーションを実行しなければ、認識することはできない。したがって、1枚の位相シフトマスクを設計する上で、光強度偏差Dを0にするための最適な補正量を試行錯誤で求めるには、多大な労力と時間を費やすことになる。
【0061】
本発明は、このような作業負担を軽減し、作業時間を短縮することが可能な位相シフトマスクの設計方法および設計装置を提供することを目的とするものである。以下、本発明に係る設計方法の基本原理を説明する。
【0062】
<<< §3.本発明に係る設計方法の基本原理 >>>
本願発明者は、図8の上段に示すような三次元構造体について、三次元的な解析を行って光強度偏差Dを決定する場合、後述するような各パラメータが関与していることを認識した。いま、遮光層100自身に、図9に示すような二次元レイアウトパターン(図1に示すパターンと同一)が形成されていた場合を考えてみる。この例では、5か所に同一サイズの矩形状開口窓110が形成されており、フレーム状の遮光部120が、これらの開口窓110を囲った状態となっている。ここで、X軸方向に並んだ各開口窓110は、1つおきに位相シフトを行う旨の設定(φ=180°とする設定)がなされており、当該設定がなされた開口窓の領域には溝220が掘られることになる。
【0063】
この二次元レイアウトパターンについて、図示のとおりXY二次元座標系を定義し、各開口窓110のX軸方向の幅をWx、Y軸方向の幅をWy、各遮光部120のX軸方向の幅をWsとすれば、これらの寸法値Wx,Wy,Wsは、いずれも光強度偏差Dの値を左右するパラメータになる。また、図8の上段に示すアンダーカット量Ucも、当然ながら、光強度偏差Dの値を左右するパラメータになる。本願発明者は、基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクに関して、露光装置からの光の挙動を三次元的に解析する場合、これら4つのパラメータWx,Wy,Ws,Ucが、光強度偏差Dの値を決定する主要なパラメータになると考えている。
【0064】
前述したように、位相シフトマスクを透過した光の挙動は、設計条件(開口窓や遮光部などの二次元的な寸法)、露光条件(露光波長、開口数、瞳などの値)、そしてアンダーカット量や溝の深さなどの三次元構造によって左右される。しかしながら、露光条件に関しては、半導体ウエハ上へのパターン形成プロセスにおいて用いられる露光装置によって定まる条件であり、位相シフトマスクの設計時に自由に設定できる条件ではない。また、溝220の深さdも、三次元構造を決定するパラメータとなり得るが、この深さdは、透過光の位相を180°シフトするために必要な長さに設定する必要がある。すなわち、深さdは、用いる露光装置の光源波長によって定められる量ということになり、これも任意に設定可能なパラメータではない。したがって、特定の露光装置を用いて、半導体ウエハ上へのパターン形成プロセスを実行することを前提とすれば、所定の露光条件は既に定まっており、溝の深さdの値も一義的に定まっていることになり、結局、位相シフトマスクの設計段階で可変なパラメータは、設計条件に該当するパラメータWx,Wy,Wsと、アンダーカット量Ucということになる。
【0065】
本発明では、後述するように、三次元シミュレーションや二次元シミュレーションなどを実施することにより、位相シフトマスクを透過した光の挙動を把握するための三次元解析や二次元解析を行うことになる。これらの解析は、いずれも、特定の露光装置を用いて、半導体ウエハ上へのパターン形成プロセスを実行することを前提としているので、露光条件に関しては、当該特定の露光装置に固有の条件設定がなされていることになる。
【0066】
本願発明者は、図8の上段に示すような三次元構造体について、上記4つのパラメータ値Wx,Wy,Ws,Ucの組み合わせを種々変えた場合について、三次元シミュレーションを実行し、それぞれの場合に光強度偏差Dを求めてみた。なお、露光条件については、上述したとおり、特定の露光装置に固有の条件設定がなされている。
【0067】
たとえば、図10に示すグラフは、図8の上段に示す三次元構造体において、遮光部122のX軸方向の幅Ws=200nm、開口部111,112のY軸方向の幅(図8の場合、紙面に垂直な方向に関する幅)Wy=1000nmとし、開口部111,112のX軸方向の幅Wxを200nmと300nmとの2通りに設定したときに、アンダーカット量Uc(単位nm)と光強度偏差D(単位nm)との関係を示すグラフである。アンダーカット量Ucが0の場合(図5の上段に示す構造に相当)に光強度偏差Dは最も大きくなり、アンダーカット量Ucを長くすればするほど、光強度偏差Dは減少してゆく。そして、アンダーカット量Ucが所定の長さ以上になると、光強度偏差Dは0になる。図示の例では、アンダーカット量Ucが180nmを超えると、光強度偏差Dを0に抑えることができるようになる。また、アンダーカット量Ucが同じであっても、開口窓のX軸方向の幅Wxが300nmの場合の方が、200nmの場合に比べて光強度偏差Dが小さくなることがわかる。
【0068】
図10のグラフは、Ws=200nm、Wy=1000nmに固定した場合のグラフであるが、WsやWyについても種々の組み合わせを行えば、それぞれの組み合わせについて同様のグラフが得られることになる。もちろん、このような三次元シミュレーションを行う上では、所定の露光条件を設定してやる必要はあるが、位相シフトマスクの構造に関するパラメータとしては、上記4つのパラメータWx,Wy,Ws,Uc(および溝の深さd)を決定してやれば、光強度偏差Dの値を求めることが可能である。
【0069】
さて、図10のグラフに示される例の場合、アンダーカット量Uc=180nm以上に設定することができれば、光強度偏差Dを0に抑えることができ、図7に示すような理想的な光の透過特性を得ることができる。しかしながら、既に述べたように、レイアウトパターンが微細化すればするほど、遮光層の剥離を抑えるために、十分なアンダーカット量Ucを確保することが困難になる。本発明は、このように十分なアンダーカット量Ucを確保することができないような設計条件の下で、光強度偏差Dを0にもってゆくようなレイアウト設計を行うための新規な手法を提案するものである。別言すれば、図10のグラフにおいて、アンダーカット量Ucが180nmに満たない領域に属するようなレイアウトパターンに対して、所定の補正を施すことにより、光強度偏差Dを0にもってゆく手法を提示するものである。
【0070】
本発明に係る補正は、二次元レイアウトパターンに対して行う二次元的な補正であり、図8の上段に示す三次元構造における溝220の深さdや、アンダーカット量Ucに対しては、何ら補正を施さないことが前提となる。このような前提は、本発明の目的を考慮すればむしろ当然である。すなわち、溝220の深さdは、露光装置の光源波長によって一義的に定まるものであるから、「光強度偏差Dを0にするため」という理由で勝手に変更することはできない。また、アンダーカット量Ucについては、遮光層の剥離を防ぐという物理的な要求を満たす必要があるため、その最大値は自ずから定まってくる。図8の上段の図から明かなように、アンダーカット量Ucを大きくとればとるほど、遮光部122の基板200に対する接触寸法が小さくなり、剥離しやすくなる。実用上は、実際に位相シフトマスクを製造する上での歩留まりを十分に考慮して、ある程度の製造余裕度をもったアンダーカット量Ucの最大値を定める必要がある。したがって、「光強度偏差Dを0にするため」という理由で、アンダーカット量Ucを勝手に大きく設定しなおすことはできない。
【0071】
このように本発明では、溝の深さdおよびアンダーカット量Ucを優先的に決定することとし、これらの値を固定したまま、光強度偏差Dを0にもってゆく補正を行う必要がある。そのためには、二次元レイアウトパターンに対して二次元的な補正を行うという手法を採らざるを得ない。
【0072】
いま、フォトマスクの設計者が、図11に示すような同一サイズの矩形状開口窓111,112を二次元レイアウトパターン上に配置する設計を行ったものとしよう。この一対の開口窓111,112は隣接して配置されているため、回折現象により遮光部122の領域に回り込んだ光の影響を打ち消すには、一方の開口窓111を透過した光の位相をφ=0°とした場合、他方の開口窓112を透過した光の位相をφ=180°とする工夫が必要になることは既に述べたとおりである。そして、具体的には、位相φ=180°とすべき開口窓112については、基板に溝220を形成する必要があることも既に述べたとおりである。
【0073】
ここで、一対の開口窓111,112は、同一サイズの矩形状の開口パターンであり、X軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyはともに等しい。フォトマスクの設計者が、このように同一サイズの矩形状の開口窓111,112を配置したのは、半導体ウエハ上の露光面に、同一サイズの矩形状露光パターンを形成することができるフォトマスクを意図していたからである。しかしながら、前述したとおり、アンダーカット量Ucが十分に確保できないと、この設計者の意図に反して、開口窓111の透過光強度に比べて、開口窓112の透過光強度が低下し、半導体ウエハ上の露光面に、同一サイズの矩形状露光パターンを形成することができなくなる。
【0074】
そこで、この図11に示す二次元レイアウトパターンに対して補正を施し、図12に示すようなパターンを得たとしよう。この補正では、各開口窓111,112のX軸方向の幅Wxが変更されている。すなわち、φ=0°の開口窓111は、幅が左右両側についてそれぞれδだけ狭められた開口窓111*に変更され、φ=180°の開口窓112は、幅が左右両側についてそれぞれδだけ広められた開口窓112*に変更されている。各開口窓のY軸方向の幅Wyについては変更はない。結局、変更後の開口窓111*のX軸方向の幅Wxaは、変更前の幅Wxよりも2δだけ小さくなっており、変更後の開口窓112*のX軸方向の幅Wxbは、変更前の幅Wxよりも2δだけ大きくなっている。その結果、開口窓111*を透過する光の総量は減少し、開口窓112*を透過する光の総量は増加する。
【0075】
ここで、補正量δを0から徐々に大きくしてゆくと、図8の下段に示す一対のグラフ(φ=0°のグラフとφ=180°のグラフ)の大きさの差が徐々に縮まってゆくことになる。したがって、補正量δを適切な値に設定することができれば、この一対のグラフの大きさを等しくすることができ、半導体ウエハ上の露光面に、同一サイズの矩形状露光パターンを得ることができるようになる。これが本発明において行われる補正の基本原理である。
【0076】
要するに、本発明では、設計者によって、図11に示すような二次元レイアウトパターンが設計された場合に、位相シフトを行わない開口窓(φ=0°の開口窓)については幅を狭め、位相シフトを行う開口窓(φ=180°の開口窓)については幅を広げ、溝の存在に起因して、位相シフトを行う開口窓についてのみ生じる光強度の減少を相殺する補正が行われることになる。図12に示す補正後のパターンでは、2つの開口窓111*と112*の幅Wxa,Wxbは異なっているが、実際に位相シフトマスクを用いた露光を行うと、半導体ウエハ上の露光面には、同一サイズの矩形状露光パターンを得ることができるようになる。
【0077】
なお、各開口窓の幅を補正する際には、各開口窓の中心位置が常に定位置となるような補正を行うのが好ましい。たとえば、図11に示す開口窓111,112のX軸方向に関する中心位置と、図12に示す開口窓111*,112*のX軸方向に関する中心位置とは一致する。別言すれば、開口窓111*は、開口窓111の幅を両側から均等にδだけ狭める補正を施すことにより得られ、開口窓112*は、開口窓112の幅を両側から均等にδだけ広める補正を施すことにより得られる。その結果、補正後の遮光部122*の幅Wsは、補正前の遮光部122の幅Wsに一致し(位置は若干ずれる)、遮光部の幅に関する変更は生じない。
【0078】
また、開口窓のピッチについては、図11に示すパターンの場合のピッチPが「P=Wx+Ws」であるのに対して、補正後の図12に示すパターンの場合のピッチP*が「P*=Wxa+Ws(奇数番目のピッチの場合)」または「P*=Wxb+Ws(偶数番目のピッチの場合)」となり、奇数番目のピッチは狭くなり、偶数番目のピッチは広くなる。ただ、奇数番目のピッチと偶数番目のピッチとの和に関しては、補正の前後で変わりはない。すなわち、図9に示す平面図において、ピッチPについては補正により若干変更されることになるが、ピッチ2Pについては補正による変更は生じない。したがって、上述した補正によって生じる開口窓の配置ピッチの変化は、実用上、大きな弊害を発生させることはない。
【0079】
このように、原理的には、図11に示すレイアウトパターンを、図12に示すレイアウトパターンに補正することにより、アンダーカット量Ucが不十分であっても、設計者が意図したとおりの露光パターンが得られる位相シフトマスクを実現することが可能である。しかしながら、現実的には、適切な補正量δをどのようにして決定するか、という課題が残されることになる。その理由は、これまでも述べたとおり、基板200に溝を形成する基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクでは、溝220の形成部が三次元構造をとるため、二次元的な解析では足らず、三次元的な解析を行う必要が生じるためである。上述したとおり、この三次元解析は、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Ucを決定して、光強度偏差Dの値を求めるという手法で実行することが可能であるが、1枚の位相シフトマスクを設計する上で、光強度偏差Dを0にするための最適な補正量δを試行錯誤で求めるには、多大な労力と時間を費やすことになる。
【0080】
本発明の最も特徴的な着眼点は、補正量δを求める際に、三次元解析を行う代わりに、二次元解析を利用することができるのではないか、という点にある。これまで述べてきたとおり、光強度偏差Dが生じる根本的な原因は、一方の開口窓に溝が形成されているという三次元的な構造によるものである。したがって、光強度偏差Dを求めるための解析は、本来、三次元解析によらなければならない。二次元解析では、そもそも三次元的な溝という概念が入り込む余地がないので、一見したところ、光強度偏差Dが生じる現象を取り扱うことはできないように見える。しかしながら、本願発明者は、透過率という仮想のパラメータを導入することにより、光強度偏差Dが生じる三次元的な現象を、二次元モデルに置き換えて取り扱うことが可能になることを見いだした。本発明に係る位相シフトマスクの設計方法および設計装置の特徴は、正に、この発想の転換にある。
【0081】
いま、図13の上段に示すような二次元モデルを考えてみる。このモデルは、同一サイズ(Wx×Wy)の一対の開口窓111,112を有する二次元レイアウトパターンを示すものである。各開口窓のパターン自身は、図11に示す平面図と全く同じであるが、図11に示す平面図が、三次元構造(溝をもった構造)を有する位相シフトマスクの遮光層100の平面パターンを示しているのに対して、図13の上段に示す平面図は、厚みをもたない仮想的な二次元位相シフトマスクの平面パターンを示していることになる。
【0082】
ここで、図の左に示す開口窓111については、透過率100%なる設定を行い、図の右に示す開口窓112については、透過率T=85%なる設定を行ったとしよう。そして、各開口窓111,112のX軸方向の幅Wxおよび遮光部122のX軸方向の幅Wsが、光の波長付近の値を有するものとして、所定の露光条件の下で二次元的な解析を行うと(別言すれば、回折現象によって、遮光部122の下面への光の回り込みが発生するという前提での解析を行うと)、図13の下段に示すような光強度のグラフを得ることができる。なお、フォトマスクの設計分野において、このような二次元的な解析手法それ自身は公知の技術であり、各開口窓に所定の透過率を設定することも既に実施されている事項である。
【0083】
ここで、図13の下段のグラフを、図8の下段のグラフと比較してみると、いずれも隣接配置された一対の開口窓111,112を透過した光の強度分布を示すグラフという点で共通する。そして、X軸に平行で、かつ、2点Q2,Q3間の距離が、遮光部122の幅Wsに等しくなるような水準線を定め、この水準線に基づいて、距離Wa,Wbを求め、D=Wa−Wbなる差により光強度偏差Dを決定することにすれば、いずれの場合も所定の値をもった光強度偏差Dが決定できる。
【0084】
もちろん、図8の下段に示す結果は、図8の上段に示す三次元構造体をモデルとして用いた三次元解析によって得られたものであり、光強度偏差Dが生じる原因は、開口窓111側には溝が形成されていないのに、開口窓112側には溝220が形成されているためである。これに対して、図13の下段に示す結果は、図13の上段に示す仮想的な二次元モデルを用いた二次元解析によって得られたものであり、光強度偏差Dが生じる原因は、開口窓111側の透過率が100%に設定されているのに、開口窓112側の透過率がT=85%に設定されているためである。このように、図8に示す三次元解析と図13に示す二次元解析とでは、光強度偏差Dが生じる本来的な原因は全く異なっている。しかしながら、幅Wx,Wyをもった一対の開口窓111,112が、幅Wsをもった遮光部122を隔てて隣接配置されている場合に、両開口窓を透過した光に関して光強度偏差Dが発生する、という事象は両者で共通する。
【0085】
そこで本願発明者は、図8に示す三次元解析の対象となる三次元モデルを、図13に示す二次元モデルに置き換え、二次元解析の手法を利用して、適切な補正量δを求めれば、全体の作業負担を軽減し、作業時間を短縮することが可能になることに着想したのである。
【0086】
図13に示す二次元モデルにおいて生じている光強度偏差Dを0にするためには、図14の上段に示すような補正を行えばよい。この補正自身は、図12に示す補正と全く同じであり、各開口窓111,112のX軸方向の幅Wxが変更されている。すなわち、透過率100%の開口窓111は、幅が左右両側についてそれぞれδだけ狭められた開口窓111*に変更され、透過率T=85%の開口窓112は、幅が左右両側についてそれぞれδだけ広められた開口窓112*に変更されている。各開口窓のY軸方向の幅Wyについては変更はない。結局、変更後の開口窓111*のX軸方向の幅Wxaは、変更前の幅Wxよりも2δだけ小さくなっており、変更後の開口窓112*のX軸方向の幅Wxbは、変更前の幅Wxよりも2δだけ大きくなっている。その結果、開口窓111*を透過する光の総量は減少し、開口窓112*を透過する光の総量は増加する。
【0087】
結局、この二次元モデルにおいても、補正量δを適切な値に設定することができれば、図14の下段に示すように、開口窓111*を透過した光の強度分布を示すグラフの大きさと、開口窓112*を透過した光の強度分布を示すグラフの大きさを等しくすることができ、光強度偏差Dが0になるようにし、半導体ウエハ上の露光面に、同一サイズの矩形状露光パターンを得ることができるようになる。なお、前述したとおり、各開口窓の幅を補正する際には、各開口窓の中心位置が常に定位置となるような補正を行うのが好ましい。
【0088】
さて、図8の上段に示すような三次元モデルを用いた三次元解析の手法により光強度偏差Dを求めるには、既に述べたように、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Ucを決定する必要がある。一方、図13の上段に示すような二次元モデルを用いた二次元解析の手法により光強度偏差Dを求めるには、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Tを決定する必要がある。両者で必要なパラメータを比較すると、パラメータWx,Wy,Ws(これらは、いずれも二次元レイアウトパターン上での寸法を示すパラメータである)は共通するが、第4のパラメータとして、三次元解析ではアンダーカット量Ucが必要になるのに対して、二次元解析では透過率Tが必要になる点が相違している。これは、三次元モデルでは、アンダーカット量Ucが光強度偏差Dに影響を及ぼす重要なパラメータになるのに対して、二次元モデルでは、そもそもアンダーカット量Ucという概念がないので、その代わりに透過率Tというパラメータを導入するようにしたためである。
【0089】
このように、所定の露光条件の下において、三次元解析では、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Ucを決定することにより光強度偏差Dを求めることができ、二次元解析では、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Tを決定することにより光強度偏差Dを求めることができるので、いずれの解析手法を採っても大差ないように見えるかもしれない。しかしながら、実際には、三次元解析は二次元解析に比べて、多大な労力と時間が必要になる。
【0090】
たとえば、それぞれ典型的なパラメータ値を与えて、各解析手法を一般的なパソコンによるコンピュータシミュレーションにより実行させると、三次元解析により光強度偏差Dを求めるのに、分単位の演算時間が必要になるのに対して、二次元解析により光強度偏差Dを求めるのには、わずかmsec単位の演算時間しか必要としない。このように、三次元解析を二次元解析に置き換えることは、実用上、極めて大きな意味をもつ。本発明の主眼は、図8に示す三次元解析の対象となる三次元モデルを、図13に示す二次元モデルに置き換え、二次元解析の手法を利用して、適切な補正量δを求めることにより、全体の作業負担を軽減し、作業時間を短縮することにある。続いて、§4において、その具体的な手順を説明する。
【0091】
<<< §4.本発明に係る具体的な設計方法および設計装置 >>>
図15は、本発明の基本的な実施形態に係る位相シフトマスクの設計方法の手順を示す流れ図である。まず、ステップS1において、設計対象となる位相シフトマスクの二次元レイアウト設計が行われる。これは、たとえば、図9の平面図に示されているような二次元レイアウトパターンを設計する作業であり、通常、コンピュータを利用した専用の設計ツールを用いた作業になる。この作業では、位相シフトマスクを形成する基板の表面上にXY平面が定義され、複数の同一サイズの開口窓が少なくともX軸に沿って配置される。
【0092】
図9には、5つの開口窓が配置された例が示されているが、実際は、より多数の同一サイズの開口窓がX軸方向に一定のピッチで配置され、「ラインアンドスペースパターン」が形成されるのが一般的である。もちろん、本発明を実施する上では、最低2つの開口窓をもった二次元レイアウトパターンが定義できればよい。このステップS1の作業では、具体的には、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定する必要がある。
【0093】
続いて、ステップS2において、設計対象となる位相シフトマスクの三次元構造が決定される。ここで決定すべき第1の事項は、ステップS1で設計されたレイアウトパターンに含まれる複数の開口窓のそれぞれについて、位相シフトを行うか否かである。図9に示すように、X軸方向に複数の開口窓が配置されている場合であれば、この並び順に従って、1つおきに位相シフトを行う旨の決定を行えばよい。図9の例の場合、1,3,5番目の開口窓に対して「位相シフトを行わない旨の決定(φ=0°とする決定)」がなされ、2,4番目の開口窓に対して「位相シフトを行う旨の決定(φ=180°とする決定)」がなされている。
【0094】
ステップS2において決定すべき第2の事項は、「位相シフトを行う旨の決定(φ=180°とする決定)」がなされた開口窓の位置において、基板に掘る溝の具体的な三次元構造である。すなわち、図8の上段に示す溝220の深さdと、アンダーカット量Ucとが決定される。ここで、溝の深さdは、露光装置の光源波長の位相を180°だけシフトさせるために必要な長さとして定まる。一方、アンダーカット量Ucは、遮光部122の幅Wsなどを考慮した上で、実際の位相シフトマスクにおいて、遮光部122が剥離しないよう製造プロセス上の余裕度を十分に確保した上で、できるだけ大きな量をとるようにすればよい。なお、ここで決定したアンダーカット量Ucは、後のステップで補正されることはないので、本発明に係る設計方法において決定される最終的なアンダーカット量Ucとなる。
【0095】
次に、ステップS3において、現時点での設計データに基づく三次元解析が行われ、光強度偏差Dが求められる。すなわち、ステップS1で設計された二次元レイアウト(たとえば、図9のパターン)と、ステップS2で決定された三次元構造(たとえば、図8の上段に示す溝220の構造)によって、特定の三次元構造体が画定されることになるので、この特定の三次元構造体を三次元モデルとして用いた三次元解析が行われる。具体的には、コンピュータを利用した三次元シミュレータに対して、4つのパラメータWx,Wy,Ws,Ucと、所定の露光条件や溝の深さdを与え、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合の透過光の挙動に関するシミュレーションを行い、図8の下段に示すようなグラフを演算によって求め、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める作業を行えばよい。
【0096】
前述したように、この実施形態では、光強度偏差をD=Wa−Wbなるグラフの横幅の差として定義している。実際、このような三次元シミュレーションは、かなり長い演算時間を必要とするが、このステップS3では、1組のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Ucを与えた場合の光強度偏差Dを求める演算が1回だけ実行できればよい。
【0097】
続くステップS4では、ステップS3の三次元解析の対象となった三次元モデルを、二次元モデルに置き換える処理が行われる。すなわち、図8の上段に示すような三次元モデルを、図13の上段に示すような二次元モデルに置き換えることになる。ここで、二次元レイアウトに関するパラメータは、三次元モデルのものをそのまま二次元モデルに流用することができる。すなわち、図8の上段に示す三次元モデルにおける各開口窓のサイズWx,Wyおよび遮光部の幅Wsを、そのまま図13の上段に示す二次元モデルにおける各開口窓のサイズWx,Wyおよび遮光部の幅Wsとして用いることができる。もちろん、露光条件についても同一の条件をそのまま用いる。
【0098】
このステップS4における置き換え処理の要点は、三次元モデルにおける溝の深さdおよびアンダーカット量Ucなるパラメータを、二次元モデルにおける透過率Tというパラメータに、いかなる方法で置き換えるか、という点にある。現在の技術レベルでは、三次元モデルにおけるd,Ucなる寸法パラメータを、二次元モデルにおけるTなる透過率パラメータに直接変換する効率的な方法は見出されていない。そこで、本願発明者は、光強度偏差Dを媒介として、このような変換を行う新規な手法に想到したのである。この手法によれば、次のような手順で、三次元モデルにおけるd,Ucなる寸法パラメータを、二次元モデルにおけるTなる透過率パラメータに変換することが可能になる。
【0099】
まず、三次元モデルのパラメータのうち、各開口窓のサイズWx,Wyおよび遮光部の幅Wsを、そのまま二次元モデルに流用する。その結果、図13の上段に示すような二次元レイアウトを定義することはできる。ただし、左側の開口窓111の透過率を100%としたときの、右側の開口窓112の透過率Tは未定のままである。そこで、この透過率Tとして、任意の複数通りの値を定め、それぞれの場合について二次元解析を行い、図13の下段に示すような光強度分布を求めて光強度偏差を演算する。結局、複数通りの透過率Tのそれぞれについて、光強度偏差が演算により求まることになる。こうして得られた複数通りの光強度偏差のうち、ステップS3で求めた光強度偏差Dと一致するものを選び出すことができれば、当該一致する結果をもたらした透過率Tが求める透過率ということになる。
【0100】
具体的には、たとえば、透過率をT=99%,98%,97%,…,51%,50%と1%おきに設定し、図13の上段に示すような所定のサイズWx,Wy,Wsをもった一対の開口窓について、左側の開口窓111の透過率を100%とし、右側の開口窓112の透過率を99%〜50%の範囲で1%刻みで変えたそれぞれの場合について二次元シミュレーションを行い、それぞれの場合について光強度偏差を求めるようにし、ステップS3の三次元シミュレーションで求めた光強度偏差Dに最も近い値が得られる透過率Tを、二次元モデルにおける透過率Tとすればよい。
【0101】
この手法は、要するに、複数通りの透過率について二次元解析を行い、それぞれについて光強度偏差Dを求め、三次元解析段階で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定するという、いわば試行錯誤的な手法と言うことができる。ただ、前述したように、二次元シミュレーションは、三次元シミュレーションに比べて、演算負担が極めて軽く、演算時間も極めて短いため、このような試行錯誤的な方法を採っても、実用上は全く問題がない。
【0102】
結局、ステップS4では、ステップS1で設計された二次元レイアウトによって画定される二次元構造体を用いて、一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が、ステップS3で求めた光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tを求める作業が行われたことになる。かくして、ステップS3における三次元解析の対象となった三次元モデルと等価な二次元モデルが決定されたことになる。
【0103】
最後に、ステップS5において、この等価二次元モデルを用いて、二次元レイアウトの補正が行われる。すなわち、ステップS4で求めた具体的な透過率Tに基づいて、ステップS1で設計した二次元レイアウトの各開口窓の幅に対する補正量δが決定されることになる。具体的には、既に述べたように、図13の上段に示すような二次元モデルに対して、図14の上段に示すような補正が行われることになり、各開口窓111,113の幅Wxは、それぞれWxa,Wxbに補正される。ここで、補正量δには、補正後の開口窓111*、112*を透過した光の強度分布グラフが、図14の下段に示すように等しくなるように(光強度偏差Dが0になるように)、適切な値が設定される。
【0104】
開口窓の幅Wx,Wy、遮光部の幅Ws、一方の開口窓の他方の開口窓に対する透過率Tを与えたときに、最適な補正量δを求める手法としては、やはり試行錯誤的な二次元シミュレーションを利用することができる。たとえば、複数通りの補正量δを設定して、それぞれの場合について光強度偏差Dを求める二次元シミュレーションを所定の露光条件(これまで実施したシミュレーションと同一の露光条件)の下で実行し、光強度偏差Dが0に最も近くなるような補正量δを決定すればよい。
【0105】
こうして、ステップS5が完了すれば、図14の上段に示すような補正後の二次元レイアウトが得られることになるので、この補正後の二次元レイアウトに、ステップS2で決定した三次元構造(溝の深さdおよびアンダーカット量Uc)を適用することにより、補正後の三次元構造体が定まる。この場合、アンダーカット量Ucは、溝の輪郭位置と補正後の開口窓の輪郭位置との距離を示すものになるので、たとえば、図14の上段に示す例のように、補正により開口窓112*のX軸方向の幅が2δだけ広がった場合には、溝の幅も2δだけ広がることになる。もっとも、開口窓111*のX軸方向の幅は逆に2δだけ狭くなり、遮光部122*のX軸方向の幅Wsは変わらないので、遮光部122*の基板200に対する接触部分の寸法も変わることはない。
【0106】
結局、このステップS5の補正により、開口窓の幅は補正されることになるが、アンダーカット量Ucや遮光部の接触部分の寸法は当初の設計どおりであり、剥離の問題が生じることはない。また、前述したとおり、図9に示す二次元レイアウトにおける開口窓のピッチPは若干変化することになるものの、2周期分のピッチ2Pは一定に保たれるので、「ラインアンドスペースパターン」の本質的な特徴に影響が及ぶこともない。
【0107】
このように、図15に示す設計方法によれば、本来は、ステップS1およびS2で決定された三次元モデルに対する三次元シミュレーションを実行して最適な補正量δを求める演算を行う必要があるところを、ステップS3およびS4の作業を行うことにより、これを二次元モデルに置き換えた上で、ステップS5において、この二次元モデルに対する二次元シミュレーションを実行して最適な補正量δを求めることが可能になる。二次元シミュレーションの負担は、三次元シミュレーションの負担に比べて著しく軽減されることは既に述べたとおりであり、本発明に係る位相シフトマスクの設計方法によれば、位相シフトマスクの設計に費やす作業負担を軽減し、作業時間を短縮することが可能になる。
【0108】
図16は、本発明の基本的な実施形態に係る位相シフトマスクの設計装置の構成を示すブロック図である。図示のとおり、この設計装置は、二次元レイアウト決定装置10、三次元構造決定装置20、三次元シミュレータ30、二次元シミュレータ40によって構成されている。もっとも、実際には、これら4つのブロックで示す各構成要素は、いずれもコンピュータを利用して構成される装置であり、同一のコンピュータに各構成要素としての処理機能を有するソフトウエアを組み込むことにより、この設計装置を実現することが可能である。
【0109】
二次元レイアウト決定装置10は、図15に示す流れ図のステップS1の処理を実行するための構成要素であり、オペレータからの指示に基づいて、位相シフトマスクを形成するための基板の表面上に定義されたXY平面上において、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することにより、XY平面上に二次元レイアウトを決定する処理を実行する。図では、説明の便宜上、この二次元レイアウト決定装置10によって決定された二次元レイアウトパターン11の簡単な例が示されている。この二次元レイアウトパターン11は、設計当初のパターンであり、後に補正が行われる。図示の二次元レイアウトパターン11を決定するには、Wx,Wy,Wsの各寸法値や開口窓の総数、配置方向などを指定するオペレータの指示を入力すればよい。
【0110】
三次元構造決定装置20は、図15に示す流れ図のステップS2の処理を実行するための構成要素であり、オペレータからの指示に基づいて、二次元レイアウトパターン11上の複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する処理を実行する。溝の深さdは、露光装置の光源波長に基づいて自動的に演算することが可能である。図では、説明の便宜上、この三次元構造決定装置20によって決定された三次元構造21の簡単な例が示されている。
【0111】
三次元シミュレータ30は、図15に示す流れ図のステップS3の処理を実行するための構成要素であり、二次元レイアウト決定装置10によって決定された二次元レイアウトパターン11および三次元構造決定装置によって決定された三次元構造21によって画定される三次元構造体をモデルとして用いて、所定の露光条件の下で三次元シミュレーションを実行することにより、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める三次元解析処理を実行する。
【0112】
この三次元シミュレータ30で実行される三次元解析処理は、かなり演算負担の大きな処理であるが、ここで実行される三次元解析処理の目的は、特定の構造(特定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,d,Uxによって定義される構造)をもった三次元モデルについての光強度偏差Dを求めるためのものであり、最適な補正量δを求めるような処理を行うわけではない。したがって、補正量δを求めるために三次元解析処理を行う場合に比べれば、その演算負担ははるかに小さい。
【0113】
二次元シミュレータ40は、図15に示す流れ図のステップS4およびS5の処理を実行するための構成要素である。すなわち、ステップS4の二次元解析処理としては、二次元レイアウト決定装置10で決定された二次元レイアウトパターン11によって画定される二次元構造体をモデルとして用いて、上記三次元シミュレーションと同様の露光条件の下で二次元シミュレーションが実行される。このシミュレーションにより、一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が、三次元シミュレータ30によって求められた光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tが求められる。
【0114】
この処理は、要するに、三次元シミュレータ30で用いられた三次元モデルを、二次元モデルに置き換える処理と言うことができる。具体的には、複数通りの透過率について、それぞれ光強度偏差Dを求め、三次元シミュレータによる三次元解析処理で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定すればよい。
【0115】
一方、二次元シミュレータ40は、図15に示す流れ図のステップS5に示すレイアウト補正処理を実行する機能も有している。すなわち、二次元レイアウト決定装置10で決定された二次元レイアウトパターン11によって画定される二次元構造体に、上述の処理で求めた透過率Tを適用した二次元モデルを用いて、これまでの露光条件と同様の露光条件で二次元シミュレーションを実行することにより、適切な補正量δを求める処理を実行する。補正量δを求める処理の内容は、既にステップS5の処理として述べたとおりである。こうして求まった補正量δを用いて、二次元レイアウトパターン11に対するレイアウト補正を行えば、図示のとおり、補正後の二次元レイアウトパターン12を得ることができる。
【0116】
かくして、三次元構造決定装置20によって決定された三次元構造21と、二次元シミュレータ40によって補正された二次元レイアウトパターン12とによって、最終的な位相シフトマスクの構造が定まることになる。
【0117】
<<< §5.より実用的な設計方法および設計装置 >>>
さて、§4で述べた基本的な実施形態では、新たな位相シフトマスクを設計するたびに、三次元解析および二次元解析を実行する必要がある。たとえば、図15の流れ図では、ステップS3において、与えられた所定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Usを用いて(この他に露光条件や溝の深さdなどの値も必要になるが)、三次元シミュレーションを行い、光強度偏差Dを求める演算を行っている。また、ステップS4では、与えられた所定のパラメータ値Wx,Wy,Wsと、複数通りの透過率設定値Tとを用いて(この他に露光条件などの値も必要になるが)、二次元シミュレーションを行って光強度偏差Dを求め、ステップS3で求めた光強度偏差Dに一致する結果をもたらす透過率Tを決めている。更に、ステップS5では、与えられた所定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Tを用いて(この他に露光条件などの値も必要になるが)、二次元シミュレーションを行って最適の補正値δを求め、開口窓の幅WxをWxa,Wxbに変更する処理を行っている。
【0118】
しかしながら、業務上、多数の位相シフトマスクの設計を行う必要がある場合、ステップS3,S4,S5におけるシミュレーション作業をその都度行うことは、必ずしも効率的ではない。ここで述べる実用的な実施形態は、これら各ステップにおけるシミュレーション作業を簡略化するための工夫を施すものである。以下、この工夫の基本的な考え方を説明する。
【0119】
まず、ステップS3における三次元解析を考えてみよう。いま、本発明によって設計された位相シフトマスクを用いる露光装置の光源波長が所定の波長値に固定されており、しかも露光作業時における光学的な条件も一定であるとすると(別言すれば、露光条件が一定であるとすると)、ステップS3で行われる三次元シミュレーションの可変パラメータは、開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなる4種類のパラメータということになる。そこで、これら4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、予め三次元シミュレーションを実施しておき、得られた光強度偏差Dの値をデータベースとして用意しておけば、特定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Ucが与えられた場合、三次元シミュレーションを行うことなしに、このデータベースを検索する作業を行うだけで、目的の光強度偏差Dを得ることが可能になる。
【0120】
たとえば、図17のグラフは、Wsを200nm,Wxを250nmに設定し、Wyを100,200,300,400,500,600nmの6通りに変え、Ucを70,90,110,130の4通りに変えた場合の光強度偏差Dを求めた結果を示している。別言すれば、合計24通りのパラメータ値の組み合わせについて、予め三次元シミュレーションを実行することにより、それぞれの組み合わせごとに光強度偏差Dを求めた結果が示されていることになる。もちろん、実際には、パラメータWsやWxについても、複数通りに変化させ、同様のグラフを求めておくようにする。
【0121】
パラメータの組み合わせ数が多くなればなるほど、すべての組み合わせについての光強度偏差Dの値を三次元シミュレーションで求める演算負担は膨大なものになるが、一旦、このような演算を行い、その結果をデータベースとして格納しておけば、以後、三次元シミュレーションを実行することなしに、任意のパラメータ値の組み合わせについて、データベースを検索するだけで、光強度偏差Dを求めることが可能になる。たとえば、Ws=200nm、Wx=250nm、Wy=300nm、Uc=70nmという具体的なパラメータ値の組み合わせが与えられた場合、図17のグラフG1(Uc=70nmのグラフ)の横座標値Wy=300nmに相当する点P1の縦座標値を参照することにより、光強度偏差D=31nmなる結果を得ることができる。実際には、グラフを参照するわけではなく、4種類のパラメータ値に基づいてデータベースを検索するだけの処理であり、実際に三次元シミュレーションを行って光強度偏差Dを求める場合に比べれば、極めて簡単な処理で目的の光強度偏差Dを求めることが可能になる。
【0122】
この手法は、ステップS4における二次元解析にも適用することが可能である。すなわち、ステップS4で行われる二次元シミュレーションの可変パラメータは、開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、透過率Tなる4種類のパラメータということになる。そこで、これら4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、予め二次元シミュレーションを実施しておき、得られた光強度偏差Dの値をデータベースとして用意しておけば、特定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Tが与えられた場合、二次元シミュレーションを行うことなしに、このデータベースを検索する作業を行うだけで、目的の光強度偏差Dを得ることが可能になる。
【0123】
たとえば、図18のグラフは、Wsを200nm,Wxを250nmに設定し、Wyを100,200,300,400,500,600nmの6通りに変え、Tを60%,70%,80%,90%の4通りに変えた場合の光強度偏差Dを求めた結果を示している。別言すれば、合計24通りのパラメータ値の組み合わせについて、予め二次元シミュレーションを実行することにより、それぞれの組み合わせごとに光強度偏差Dを求めた結果が示されていることになる。もちろん、実際には、パラメータWsやWxについても、複数通りに変化させ、同様のグラフを求めておくようにする。
【0124】
一旦、このような演算を行い、その結果をデータベースとして格納しておけば、以後、二次元シミュレーションを実行することなしに、任意のパラメータ値の組み合わせについて、データベースを検索するだけで、光強度偏差Dを求めることが可能になる。たとえば、Ws=200nm、Wx=250nm、Wy=300nm、T=70%という具体的なパラメータ値の組み合わせが与えられた場合、図18のグラフG6(T=70%のグラフ)の横座標値Wy=300nmに相当する点P2の縦座標値を参照することにより、光強度偏差D=31nmなる結果を得ることができる。
【0125】
もっとも、ステップS4の処理は、Ws,Wx,Wy,Tなる4種類のパラメータの組み合わせから光強度偏差Dを求めることが本来の目的ではない。ステップS4の処理の本来の目的は、ステップS3の処理で求まった光強度偏差Dと同一の光強度偏差が得られる透過率Tを求めることにある。このような透過率Tを求める処理を行う上では、この§5で述べるデータベースを利用する手法は非常に都合がよい。
【0126】
たとえば、ステップS3の処理において、Ws=200nm、Wx=250nm、Wy=300nm、Uc=70nmという具体的なパラメータ値の組み合わせが与えられた場合、図17のグラフG1(Uc=70nmのグラフ)の点P1の縦座標値から、光強度偏差D=31nmなる結果が求まることは既に述べたとおりである。ステップS4の処理の目的は、こうして求まった光強度偏差D=31nmが得られるような透過率Tを求めることにある。そのためには、Ws=200nm、Wx=250nmなるパラメータ値に対応する図18のグラフを参照し、更に、Wy=300nmなる横座標値をもち、かつ、D=31nmなる縦座標値をもつ点P2を検索すればよい。図18の例の場合、点P2は、グラフG6上の点であるから、結局、求めるべき透過率Tは、T=70%ということになる。
【0127】
なお、図18に示す例では、たまたま点P2がグラフG6上の点であったため、即座にT=70%という透過率が得られたが、点P2がいずれのグラフ上の点でもない場合には、最も近傍にあるグラフを選択して、当該グラフの透過率Tを選択するようにすればよい。図18のグラフは、透過率Tを10%刻みで求めたものであるが、これを例えば1%刻みにすれば、近傍のグラフを選択するようにしても、1%の単位で正確な透過率Tを決定することが可能になる。もちろん、より正確な値が必要なら、刻み幅を更に細かく設定すればよい。
【0128】
結局、ステップS1の二次元レイアウト設計の段階で、Ws=200nm、Wx=250nm、Wy=300nmなるパラメータ値が決定し、ステップS2の三次元構造決定の段階で、Uc=70nmなるパラメータ値が決定すれば、ステップS3では、データベースとして用意された図17のグラフの点P1の縦座標値を検索するだけの処理で、光強度偏差D=31nmなる値を求めることができ、更に、ステップS4では、このD=31nmなるパラメータ値を縦座標値とし、横座標値がWy=300nmである点P2の近傍にあるグラフG6をデータベースから検索するだけの処理で、透過率T=70%なる値を求めることができる。
【0129】
また、データベースを用いるこの手法は、ステップS5における二次元レイアウトの補正処理にも適用することが可能である。すなわち、ステップS5で行われる適切な補正量δを求めるための二次元シミュレーションの可変パラメータは、開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、透過率Tなる4種類のパラメータということになる。そこで、これら4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、複数通りの補正量δを設定した二次元シミュレーションを実施すれば、補正量δをいくつに設定すれば、適切な補正(すなわち、両開口窓の透過光についての光強度偏差Dが0になるような補正)が可能になるかを求めることができる。そこで、特定のパラメータ値Wx,Wy,Ws,Tの組み合わせが与えられた場合の適切な補正量δを、それぞれ組み合わせごとに予め求めておき、これをデータベースとして用意しておけば、以後は、二次元シミュレーションを行うことなしに、このデータベースを検索する作業を行うだけで、目的の補正量δを得ることが可能になる。
【0130】
なお、以上述べたように、種々のパラメータの組み合わせについて、予め三次元もしくは二次元シミュレーションを実行しておき、その結果をデータベースとして格納しておく手法を採る場合、パラメータの刻み幅を小さくすればするほど、きめ細かなデータベースを用意することができ、このようなデータベースを検索することにより正確な結果を得ることができるようになる。ただ、パラメータの刻み幅を小さくすればするほど、シミュレーションの対象となるパラメータの組み合わせが膨大な数になるという弊害が生じる。
【0131】
このような弊害を防止する上では、補間演算を行うことが有効である。すなわち、データベース内に用意されているパラメータ値の組み合わせの中に、検索条件に合致するものが存在しない場合には、近接するパラメータ値を用いた補間演算を行い、より正確な値を求めるようにすればよい。たとえば、図18に示す例では、透過率Tは10%の刻みでしか用意されていない。ここで、もし図の点P3に対応する透過率Tを決定する必要が生じた場合、上述の説明による手順に従えば、グラフG6もしくはG7のいずれか一方が点P3の近傍のグラフとして選択され、透過率Tとしては、T=70%もしくはT=80%なる決定がなされることになる。このような場合、グラフG6およびG7の双方を点P3の近傍のグラフとして選択するようにし、補間演算により、たとえば、透過率T=75%のような値を定めるようにすれば、より正確な値を得ることが可能になる。
【0132】
続いて、このようなデータベースを予め用意しておくことにより、個々の位相シフトマスクを設計する作業をより効率化することを可能にした位相シフトマスクの設計装置について述べる。図19は、このような設計装置の基本構成を示すブロック図である。この設計装置は、図示のとおり、二次元レイアウト決定装置10、三次元構造決定装置20、光強度偏差決定装置50、第1のデータベース55、透過率決定装置60、第2のデータベース65、補正量決定装置70、第3のデータベース75によって構成されている。なお、図に示す三次元シミュレータ30および二次元シミュレータ40は、各データベース55,65,75を用意するために用いられる構成要素であり、この実施形態に係る位相シフトマスクの設計装置自身を構成するための要素ではない。別言すれば、一旦、各データベース55,65,75が用意できれば、三次元シミュレータ30および二次元シミュレータ40は不要になる。
【0133】
ここで、二次元レイアウト決定装置10および三次元構造決定装置20は、図16に示すものと全く同様の構成要素であり、ここでは詳しい説明は省略する。上述したように、オペレータが、二次元レイアウト決定装置10に対して、開口窓や遮光部の寸法などを指示すると、所望の二次元レイアウトパターン11が決定されることになる。また、オペレータが、三次元構造決定装置20に対して、アンダーカット量Ucなどを指示すると、所望の三次元構造21が決定されることになる。
【0134】
一方、光強度偏差決定装置50は、図15の流れ図のステップS3に相当する処理を、三次元シミュレーションを行わずに実行するための構成要素であり、第1のデータベース55を検索することにより、目的とする光強度偏差Dを求める処理を行うことができる。すなわち、光強度偏差決定装置50は、二次元レイアウト決定装置10および三次元構造決定装置20において決定された具体的なパラメータ値を用いて第1のデータベース55を検索することにより、具体的な光強度偏差Dの値を決定する機能を有している。
【0135】
第1のデータベース55には、所定の三次元構造体について、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dの値が、開口窓のX軸方向の幅Wx、Y軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなる4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納されている。具体的には、図17のグラフに示すように、4種類のパラメータ値を種々変えたときの光強度偏差Dの値がデータベースとして格納されている。このようなデータベースは、前述したとおり、予め三次元シミュレータ30による三次元シミュレーションを行うことにより用意することができる。
【0136】
また、透過率決定装置60は、図15の流れ図のステップS4に相当する処理を、二次元シミュレーションを行わずに実行するための構成要素であり、第2のデータベース65を検索することにより、目的とする透過率Tを求める処理を行うことができる。すなわち、透過率決定装置60は、二次元レイアウト決定装置10において決定された具体的なパラメータ値と、光強度偏差決定装置50によって決定された具体的な光強度偏差Dと、を用いて第2のデータベース65を検索することにより、具体的な光強度偏差Dに等しい光強度偏差が得られるような透過率Tを決定する機能を有している。
【0137】
第2のデータベース65には、所定の二次元構造体における一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定し、同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dが、開口窓のX軸方向の幅Wx、Y軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、透過率Tなる4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納されている。具体的には、図18のグラフに示すように、4種類のパラメータ値を種々変えたときの光強度偏差Dの値がデータベースとして格納されている。このようなデータベースは、前述したとおり、予め二次元シミュレータ40による二次元シミュレーションを行うことにより用意することができる。
【0138】
最後に、補正量決定装置70は、図15の流れ図のステップS5に相当する処理を、二次元シミュレーションを行わずに実行するための構成要素であり、第3のデータベース75を検索することにより、目的とする補正量δを求める処理を行うことができる。すなわち、補正量決定装置70は、二次元レイアウト決定装置10において決定された具体的なパラメータ値と、透過率決定装置60において決定された具体的な透過率Tと、を用いて第3のデータベース75を検索することにより、二次元レイアウトパターン11に対する補正量δを決定し、補正後の二次元レイアウトパターン12を出力する機能を有している。
【0139】
第3のデータベース75には、所定の二次元構造体における同一サイズの一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率が100%、他方の光の透過率がT%に設定された場合に、これら一対の隣接開口窓を透過した同一条件の光の強度を等しくするために必要な各開口窓の幅に関する補正量δが、開口窓のX軸方向の幅Wx、Y軸方向の幅Wy、遮光部の幅Ws、透過率Tなる4種類のパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納されている。このようなデータベースは、前述したとおり、予め二次元シミュレータ40による二次元シミュレーションを行うことにより用意することができる。
【0140】
なお、光強度偏差決定装置50、透過率決定装置60、補正量決定装置70に、前述した補間演算の機能を組み込んでおくようにすれば、各データベース55,65,75内に用意されているパラメータ値の組み合わせの中に、検索条件に合致するものが存在しない場合には、近接するパラメータ値を用いた補間演算を行うことにより光強度偏差D、透過率T、補正量δをより正確に決定することが可能になる。
【0141】
また、上述の実施形態では、各データベース55,65,75内に予め用意されているデータは、特定の露光装置を用いた特定の露光条件の下でのシミュレーション結果に基づいて得られたデータになる。そこで、互いに異なる複数通りの露光装置に用いる位相シフトマスクを設計する必要がある場合には、露光波長、開口数、瞳などの露光条件を変えたそれぞれの場合についてのシミュレーションを実行し、それぞれの結果を露光条件ごとに別個のデータベースとして用意しておくようにすればよい。この場合、特定の露光条件に適した位相シフトマスクを設計する際には、当該露光条件の下で行われたシミュレーション結果に基づいて得られた特定のデータベースを選択して利用することになる。
【0142】
なお、図19では、説明の便宜上、各構成要素をそれぞれ独立した装置としてブロックで示したが、実際には、これら各構成要素はいずれもコンピュータに所定のソフトウエアを組み込むことにより実現されるものであり、ハードウエアとして同一のコンピュータを利用して各構成要素を実現するようにしてもかまわない。
【0143】
更に、この図19に示す設計装置では、図15の流れ図におけるステップS3,S4,S5のすべてを、第1のデータベース55,第2のデータベース65,第3のデータベース75を用いた検索処理によって実行するようにしているが、このようなデータベース検索を利用した手法は、ステップS3,S4,S5のすべてについて行う必要はなく、必要なステップについて選択的に採用するようにしてもかまわない。たとえば、三次元解析によって光強度偏差Dを求める処理(ステップS3の処理)についてだけ、データベース検索を利用した手法を採用するのであれば、ステップS3の処理は、光強度偏差決定装置50により第1のデータベース55を検索することにより実行されることになるが、ステップS4,S5の処理は、図16に示す二次元シミュレータ40によって実行されるようにすればよい。
【0144】
<<< §6.その他の変形例 >>>
最後に、本発明に係る位相シフトマスクの設計方法および設計装置のいくつかの変形例を述べておく。
【0145】
(1) これまで述べた実施形態では、開口窓の幅を示すパラメータとして、X軸方向の幅WxとY軸方向の幅Wyという2種類のパラメータを用いているが、本発明を実施するにあたって、必ずしもこの2種類のパラメータを用いる必要はない。たとえば、図9に示すように、X軸方向の幅Wxに比べてY軸方向の幅Wyが比較的大きい開口窓110を、X軸方向に多数並べたような「ラインアンドスペースパターン」の場合、Y軸方向の幅Wyが無限大であるとする取り扱いを行っても、大きな誤差が生じることはない。
【0146】
図20は、このような取り扱いの概念を示す平面図である。この例では、4つの開口窓110と遮光部120とが交互にX軸方向に配置されており、更に、各開口部110については、φ=0°と180°とが交互に設定されている。ここで、開口窓110のX軸方向の幅Wxおよび遮光部120のX軸方向の幅Wsは、いずれも有限の実寸値が設定されているが、開口窓110のY軸方向の幅Wyについては無限大なる架空の寸法設定がなされている。もちろん、実際の二次元レイアウトパターン上では、幅Wyについては有限の実寸値を設定する必要があるが、三次元シミュレーションあるいは二次元シミュレーションを行う上では、幅Wyを無限大に設定することにより、考慮すべきパラメータから幅Wyを除外することが可能になる。
【0147】
このように、幅Wyを考慮するパラメータから除外すれば、たとえば、図15の流れ図におけるステップS3の三次元解析では、3種類のパラメータWx,Ws,Ucのみを用いて光強度偏差Dを決定することが可能になるし、ステップS4やステップS5の二次元解析でも、3種類のパラメータWx,Ws,Tのみを用いた解析が可能になる。もちろん、予めデータベースを用意しておく実施形態の場合であれば、幅Wyをパラメータから除外したデータベースを用意しておけばよい。
【0148】
(2) これまで述べた実施形態では、二次元レイアウト設計段階において、複数の開口窓をX軸方向に並べたレイアウトを作成する例のみを述べたが、本発明は、複数の開口窓をX軸方向およびY軸方向に二次元マトリックス状に配置したレイアウトについても適用可能である。
【0149】
たとえば、図21に示す例は、同一サイズの開口窓130を、X軸方向に4つ、Y軸方向に3つ並べて配置した二次元レイアウトパターンを示している。このように、開口窓130を二次元マトリックス状に配置したレイアウトが設計されたときには、三次元構造決定段階において、X軸方向もしくはY軸方向に並んで配置されている複数の開口窓に対して、X軸方向およびY軸方向のいずれの方向に関しても、1つおきに位相シフトを行う旨の決定を行えばよい。その結果、図21に示されているように、位相シフトを行わない開口窓(φ=0°なる設定の開口窓)と、位相シフトを行う開口窓(φ=180°なる設定の開口窓)とが、市松模様状に配置されることになる。
【0150】
なお、図21に示す例のように、X軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部140のX軸方向の幅Wsxと、Y軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部150のY軸方向の幅Wsyとが異なる場合には、各シミュレーションプロセスでは、これら2通りのパラメータWsx,Wsyを用いた解析を行うようにする必要がある。
【0151】
(3) これまで述べた実施形態では、図15に示すステップS3の三次元解析段階における光強度偏差Dを求める処理、ステップS4の二次元解析段階における透過率Tを求める処理、ステップS5のレイアウト補正段階における補正処理を、すべてコンピュータシミュレーションを利用して実行することを前提として説明を行った。しかしながら、これらの処理は、必ずしもコンピュータシミュレーションで実行する必要はなく、これらの処理の一部もしくは全部を、実際に製造した位相シフトマスクを用いた実験により実行するようにしてもかまわない。
【0152】
特に、三次元解析については、コンピュータによる三次元シミュレーションは、かなりの演算時間を必要とするので、場合によっては、与えられたパラメータに応じた寸法を有する位相シフトマスクを実際に製造し、実際に光を照射する実験を行って光強度偏差Dを実測した方が効果的なこともある。
【0153】
もちろん、図19に示す各データベース55,65,75を用意する手法も、コンピュータシミュレーションの手法に限定されるものではない。すなわち、実際に製造した位相シフトマスクを用いた実験によりデータを実測し、実測したデータをデータベースに格納するようにしてもよい。
【0154】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る位相シフトマスクの設計方法および設計装置によれば、位相シフトマスクの設計に費やす作業負担を軽減し、作業時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な二次元レイアウトパターンをもったフォトマスクの一例を示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図2】図1に示すフォトマスクを、切断線2−2に沿って切った切断面を示す側断面図である。
【図3】図1に示すフォトマスクを用いた露光作業の様子を示す側断面図(光学系300についてはブロックで示す)である。
【図4】フォトマスクの開口窓を透過した光の挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段はフォトマスクの部分拡大側断面図、中段はフォトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はフォトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。
【図5】位相シフトマスクの開口窓を透過した光の理想的な挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段は位相シフトマスクの部分拡大側断面図、中段はこの位相シフトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はこの位相シフトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。
【図6】位相シフトマスクの開口窓を透過した光の現実的な挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段は位相シフトマスクの部分拡大側断面図、中段はこの位相シフトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はこの位相シフトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。
【図7】基板掘込み型のレベンソン型位相シフトマスクの開口窓を透過した光の現実的な挙動を、回折現象が生じることを考慮した上で示す図であり、上段は位相シフトマスクの部分拡大側断面図、中段はこの位相シフトマスクを透過した光の振幅強度分布を示すグラフ、下段はこの位相シフトマスクを透過した光強度分布を示すグラフである。
【図8】図7の上段に示す位相シフトマスクの一部分を更に拡大した側断面図(上段)およびこの位相シフトマスクを透過した光の強度を示すグラフ(下段)である。
【図9】図1に示す二次元レイアウトパターンの各部の寸法を示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図10】図8の上段に示す三次元構造体において、遮光部122のX軸方向の幅Ws=200nm、開口窓111,112のY軸方向の幅(図8の場合、紙面に垂直な方向に関する幅)Wy=1000nmとし、開口部111,112のX軸方向の幅Wxを200nmと300nmとの2通りに設定したときに、アンダーカット量Uc(単位nm)と光強度偏差D(単位nm)との関係を示すグラフである。
【図11】同一サイズの一対の開口窓111,112を有する二次元レイアウトパターンの一例を示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図12】図11に示す二次元レイアウトパターンに対して補正を施すことにより得られるパターンを示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図13】同一サイズの一対の開口窓111,112を有する位相シフトマスクを二次元モデルとして捉えた一例を示す平面図(上段)およびこの位相シフトマスクを透過した光の強度を示すグラフ(下段)である(ハッチングは遮光部および半透明開口窓を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図14】図13に示す位相シフトマスクに対して補正を施すことにより得られる位相シフトマスクの二次元モデルを示す平面図(上段)およびこの位相シフトマスクを透過した光の強度を示すグラフ(下段)である(ハッチングは遮光部および半透明開口窓を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図15】本発明の基本的な実施形態に係る位相シフトマスクの設計方法の手順を示す流れ図である。
【図16】本発明の基本的な実施形態に係る位相シフトマスクの設計装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図15のステップS3の三次元解析を種々のパラメータ値について実施することにより得られた光強度偏差Dを示すグラフである。
【図18】図15のステップS4の二次元解析を種々のパラメータ値について実施することにより得られた光強度偏差Dを示すグラフである。
【図19】本発明のより実用的な実施形態に係る位相シフトマスクの設計装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第1の変形例に係る二次元レイアウトパターンの概念を示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図21】本発明の第2の変形例に係る二次元レイアウトパターンの概念を示す平面図である(ハッチングは遮光部を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【符号の説明】
2…切断線
10…二次元レイアウト決定装置
11…設計当初の二次元レイアウトパターン
12…補正後の二次元レイアウトパターン
20…三次元構造決定装置
21…位相シフトマスクの三次元構造
30…三次元シミュレータ
40…二次元シミュレータ
50…光強度偏差決定装置
55…第1のデータベース
60…透過率決定装置
65…第2のデータベース
70…補正量決定装置
75…第3のデータベース
100…遮光層(クロムの金属膜)
110…透光部(開口窓)
111〜113…透光部(開口窓)
111*,112*…補正後の透光部(開口窓)
120…遮光部(開口窓を囲うフレーム)
121〜124…遮光部(開口窓を囲うフレーム)
122*…補正後の遮光部(開口窓を囲うフレーム)
130…透光部(開口窓)
140,150…遮光部(開口窓を囲うフレーム)
200…透光性をもった基板(石英ガラス基板)
210…位相シフトマスクに形成された溝(開口窓と同一の輪郭を有する)
220…位相シフトマスクに形成された溝(開口窓よりも大きな輪郭を有する)
300…光学系
400…半導体ウエハの露光面
C1〜C4…輪郭位置
d…位相シフトマスクに形成された溝の深さ
D…光強度偏差(=Wa−Wb)
G1〜G8…グラフ
L,L1〜L3…露光装置からの照射光
L4…溝の側面から漏れ出てくる光
P…開口窓の配置ピッチ
P1〜P3…グラフ上の点
Q1〜Q4…グラフ上の点
S1〜S5…流れ図の各ステップ
T…隣接配置された一対の開口窓についての一方に対する他方の透過率
Th…光強度について設定されたしきい値
Uc…アンダーカット量
Wa,Wb…グラフの所定水準位置における幅
Ws…遮光部の幅(X軸方向の幅)
Wsx…遮光部のX軸方向の幅
Wsy…遮光部のY軸方向の幅
Wx…設計当初の開口窓のX軸方向の幅
Wxa,Wxb…補正後の開口窓のX軸方向の幅
Wy…開口窓のY軸方向の幅
X,Y,Z…座標軸
δ…補正量
φ…透過光の位相[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a phase shift mask design method and design apparatus, and more particularly, to a drawing data correction technique for designing a substrate digging type Levenson type phase shift mask used for manufacturing a semiconductor device.
[0002]
[Prior art]
The density of semiconductor devices is increasing year by year, and integrated circuit patterns formed on semiconductor wafers are becoming increasingly finer. When an integrated circuit pattern is formed on a semiconductor wafer, exposure using a photomask is usually performed. Therefore, as the pattern to be exposed is reduced, the pattern on the photomask is also reduced. I must. In particular, since the latter half of the 1990s, technological development for forming fine figures with a size shorter than the light source wavelength of an exposure apparatus on a semiconductor wafer has been actively conducted.
[0003]
In general, when a fine pattern having a size near or below the light source wavelength of an exposure apparatus is formed on a semiconductor wafer, the light diffraction phenomenon cannot be ignored. Specifically, when a pair of opening windows adjacent to each other is formed as a photomask pattern, the light transmitted through the pair of opening windows is diffracted and interferes with each other until the part that should be shielded originally. The phenomenon of exposure occurs. For this reason, a photomask on which a fine pattern is formed needs to be devised in consideration of the light diffraction phenomenon. A phase shift mask is known as a photomask with such a device. The basic principle of this phase shift mask is to cancel the light interference by adopting a structure in which the phase of the light transmitted through a pair of adjacent aperture windows is opposite. In order to shift the phase of light transmitted through one opening window by 180 ° with respect to the phase of light transmitted through the other opening window, a method of digging a groove in the substrate constituting the photomask has been proposed. . For example, the following
[Patent Document 1]
JP 2002-40624 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the phase shift mask has a problem that the design work becomes complicated because it is necessary to determine the shape of the fine pattern in consideration of the light diffraction phenomenon. In particular, in the case of a substrate engraved Levenson-type phase shift mask that forms grooves in the substrate, the groove forming part has a three-dimensional structure, so it is necessary to perform a three-dimensional analysis rather than a two-dimensional analysis. Arise. For this reason, conventionally, a great deal of labor and time has been spent in designing one phase shift mask.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a phase shift mask design method and design apparatus that can reduce the work load and shorten the work time.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
(1) A first aspect of the present invention includes a light-transmitting substrate and a light-shielding light-shielding layer formed on the substrate, and the light-shielding layer has a plurality of rectangular shapes. An opening window is formed, a two-dimensional layout pattern is formed by a light shielding portion composed of a region where a light shielding layer is formed and a light transmitting portion composed of a region where an opening window is formed, and adjacently arranged With respect to the pair of aperture windows thus formed, the substrate portion on which the one aperture window is formed is arranged such that the phase of light transmitted through one aperture window is shifted by 180 ° with respect to the phase of light transmitted through the other aperture window. In a phase shift mask design method for designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth with a contour larger than the contour of an opening window is formed,
An XY plane is defined on the surface of the substrate, a width Wx in the X-axis direction, a width Wy in the Y-axis direction, and a width Ws of the light shielding portion of each opening window are determined, and a plurality of opening windows of the same size are arranged at least on the X-axis. A 2D layout design stage for designing a 2D layout on the XY plane by arranging the
It is determined whether or not to perform phase shift for each of the plurality of aperture windows, and for the aperture windows to be phase-shifted, an undercut indicating the groove depth d and the distance between the groove contour position and the aperture window contour position A three-dimensional structure determination step for determining a three-dimensional structure by determining a quantity Uc;
Using the three-dimensional structure defined by the two-dimensional layout and the three-dimensional structure, when light is transmitted under the same conditions to a pair of adjacent aperture windows designed so that the phases are shifted by 180 °, A three-dimensional analysis stage for determining a light intensity deviation D indicating a deviation in intensity of light transmitted through each aperture window;
Using a two-dimensional structure defined by the above two-dimensional layout, when a pair of adjacent aperture windows is set such that the transmittance of one light is 100% and the transmittance of the other light is T%, A two-dimensional analysis step for obtaining a transmittance T such that a deviation in the intensity of light transmitted through the adjacent aperture windows is equal to the light intensity deviation D;
A layout correction stage for correcting the two-dimensional layout based on the transmittance T;
Is to do.
[0007]
(2) According to a second aspect of the present invention, in the design method of the phase shift mask according to the first aspect described above,
In the two-dimensional analysis stage, the light intensity deviation D is obtained for each of the plurality of transmittances, and the transmittance that provides a result that matches the light intensity deviation D obtained in the three-dimensional analysis stage is determined as the transmittance T. It is a thing.
[0008]
(3) The third aspect of the present invention is the above-mentioned First aspect In the method of designing a phase shift mask according to
In the two-dimensional analysis stage, a database for obtaining the value of the light intensity deviation D for each case where various combinations of parameter values such as the width Wx of the aperture window in the X-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T are changed. Prepare in advance for specific 2D structures Transmittance T When seeking The portion of the database that is related to the specific two-dimensional structure is searched, and the transmittance for obtaining a result that matches the light intensity deviation D obtained in the three-dimensional analysis stage is obtained as the transmittance for the specific two-dimensional structure. Determine T It is what I did.
[0009]
(4) According to a fourth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the first to third aspects described above,
Database in which the value of the light intensity deviation D is obtained in each case where various combinations of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed in the three-dimensional analysis stage. Are prepared in advance, and when the light intensity deviation D for a specific three-dimensional structure is obtained, the light intensity deviation D is determined by searching the prepared database.
[0010]
(5) According to a fifth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the first to fourth aspects described above,
In the layout correction stage, a database for obtaining the optimum correction amount δ is prepared in advance for each case where various combinations of parameter values such as the width Wx of the aperture window in the X-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T are changed. The optimum correction amount δ is determined by searching a prepared database when performing correction for a specific two-dimensional layout in which specific transmittance is defined.
[0011]
(6) According to a sixth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the third to fifth aspects described above,
As a parameter value, a database in which the width Wy of the opening window in the Y-axis direction is added is prepared.
[0012]
(7) According to a seventh aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the above third to sixth aspects,
If no combination that matches the search condition exists among the combinations of parameter values prepared in the database, an interpolation operation using adjacent parameter values is performed.
[0013]
(8) According to an eighth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the third to seventh aspects described above,
In the two-dimensional layout design stage, a plurality of aperture windows are arranged in a two-dimensional matrix in the X-axis direction and the Y-axis direction, and the width Ws of the light-shielding portion is set as the light-shielding portion existing between the aperture windows adjacent in the X-axis direction. Two parameters are used: the width Wsx in the X-axis direction and the width Wsy in the Y-axis direction of the light shielding portion existing between the opening windows adjacent in the Y-axis direction.
[0014]
(9) According to a ninth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the first to eighth aspects described above,
In the three-dimensional structure determination stage, it is determined that every other plurality of aperture windows arranged side by side in the X-axis direction or the Y-axis direction is to be phase-shifted.
[0015]
(10) According to a tenth aspect of the present invention, in the method for designing a phase shift mask according to the above first to ninth aspects,
A part or all of the process for obtaining the light intensity deviation D in the three-dimensional analysis stage, the process for obtaining the transmittance T in the two-dimensional analysis stage, and the correction process in the layout correction stage are performed using computer simulation. Is.
[0016]
(11) An eleventh aspect of the present invention is the method for designing a phase shift mask according to the first to ninth aspects described above,
Experiments using a phase shift mask that was actually manufactured for some or all of the process for obtaining the light intensity deviation D in the three-dimensional analysis stage, the process for obtaining the transmittance T in the two-dimensional analysis stage, and the correction process in the layout correction stage Is to be executed.
[0017]
(12) A twelfth aspect of the present invention has a light-transmitting substrate and a light-blocking light-shielding layer formed on the substrate, and the light-blocking layer has a plurality of rectangular shapes. An opening window is formed, a two-dimensional layout pattern is formed by a light shielding portion composed of a region where a light shielding layer is formed and a light transmitting portion composed of a region where an opening window is formed, and adjacently arranged With respect to the pair of aperture windows thus formed, the substrate portion on which the one aperture window is formed is arranged such that the phase of light transmitted through one aperture window is shifted by 180 ° with respect to the phase of light transmitted through the other aperture window. In a phase shift mask design apparatus for designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth having a contour larger than the contour of an opening window is formed,
Based on an instruction from the operator, on the XY plane defined on the surface of the substrate, the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction and the width Ws of the light shielding portion of each opening window are determined, A two-dimensional layout determining device for determining a two-dimensional layout on the XY plane by arranging opening windows of the same size along at least the X axis;
Based on an instruction from the operator, it is determined whether or not to perform phase shift for each of the plurality of opening windows. For the opening windows to be phase-shifted, the groove depth d, the groove contour position, and the opening window contour are determined. A three-dimensional structure determining device that determines a three-dimensional structure by determining an undercut amount Uc indicating a distance to the position;
Identical to a pair of adjacent aperture windows that are designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other by executing a 3D simulation using the 3D structure defined by the 2D layout and the 3D structure as a model. A three-dimensional simulator for performing a three-dimensional analysis process for obtaining a light intensity deviation D indicating a deviation in intensity of light transmitted through each aperture window when light is transmitted under conditions;
By executing a two-dimensional simulation using the two-dimensional structure defined by the two-dimensional layout as a model, the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is measured for a pair of adjacent aperture windows. Defined by a two-dimensional analysis process for obtaining a transmittance T such that the deviation of the intensity of light transmitted through each of the pair of adjacent aperture windows is equal to the light intensity deviation D when set to T%, and the two-dimensional layout. A two-dimensional simulator for performing a layout correction process for correcting the two-dimensional layout by executing a two-dimensional simulation using a model in which the transmittance T is applied to the two-dimensional structure to be performed;
Is provided.
[0018]
(13) According to a thirteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the twelfth aspect described above,
When the two-dimensional simulator performs the two-dimensional analysis process, the light intensity deviation D is obtained for each of the plurality of transmittances, and a result that matches the light intensity deviation D obtained by the three-dimensional analysis process by the three-dimensional simulator is obtained. The transmittance is determined as the transmittance T.
[0019]
(14) According to a fourteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the twelfth aspect described above,
For a given three-dimensional structure, when light is transmitted through a pair of adjacent aperture windows designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other under the same conditions, the deviation of the intensity of the light transmitted through each aperture window is A database storing the light intensity deviation D defined as a value to be indicated for each case where various combinations of parameter values of the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed;
A light intensity deviation determining device for determining a specific value of the light intensity deviation D by searching a database using specific parameter values determined in the two-dimensional layout determining device and the three-dimensional structure determining device;
Is provided as an alternative to the three-dimensional simulator.
[0020]
(15) According to a fifteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the twelfth aspect described above,
For a pair of adjacent aperture windows in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, and light is transmitted under the same conditions, The light intensity deviation D defined as a value indicating the intensity deviation of the light transmitted through the aperture window is changed in various combinations of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. Database for each case, and
By searching the database using the specific parameter values determined by the two-dimensional layout determination device and the specific light intensity deviation D determined by the three-dimensional simulator, the specific light intensity deviation D is obtained. A transmittance determining device for determining a transmittance T such that an equal light intensity deviation is obtained;
Is provided as an alternative to the two-dimensional simulator for executing the two-dimensional analysis process.
[0021]
(16) According to a sixteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the twelfth aspect described above,
For a pair of adjacent aperture windows of the same size in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, the pair of adjacent aperture windows is A correction amount δ relating to the width of each aperture window necessary to equalize the intensity of the transmitted light under the same conditions is a combination of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A database storing each case with various changes,
By searching the database using the specific parameter values determined in the two-dimensional layout determination device and the specific transmittance T determined in the two-dimensional analysis process by the two-dimensional simulator, the two-dimensional layout is determined. A correction amount determination device for determining the correction amount δ;
Is provided as an alternative to the two-dimensional simulator for executing the layout correction process.
[0022]
(17) A seventeenth aspect of the present invention includes a light-transmitting substrate and a light-shielding light-shielding layer formed on the substrate, and the light-shielding layer has a plurality of rectangular shapes. An opening window is formed, a two-dimensional layout pattern is formed by a light shielding portion composed of a region where a light shielding layer is formed and a light transmitting portion composed of a region where an opening window is formed, and adjacently arranged With respect to the pair of aperture windows thus formed, the substrate portion on which the one aperture window is formed is arranged such that the phase of light transmitted through one aperture window is shifted by 180 ° with respect to the phase of light transmitted through the other aperture window. In a phase shift mask design apparatus for designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth having a contour larger than the contour of an opening window is formed,
Based on an instruction from the operator, on the XY plane defined on the surface of the substrate, the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction and the width Ws of the light shielding portion of each opening window are determined, A two-dimensional layout determining device for determining a two-dimensional layout on the XY plane by arranging opening windows of the same size along at least the X axis;
Based on an instruction from the operator, it is determined whether or not to perform phase shift for each of the plurality of opening windows. For the opening windows to be phase-shifted, the groove depth d, the groove contour position, and the opening window contour are determined. A three-dimensional structure determining device that determines a three-dimensional structure by determining an undercut amount Uc indicating a distance to the position;
For a given three-dimensional structure, when light is transmitted through a pair of adjacent aperture windows designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other under the same conditions, the deviation of the intensity of the light transmitted through each aperture window is The light intensity deviation D defined as the indicated value is stored for each case where various combinations of parameter values of the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed. A database,
Light intensity deviation determination apparatus for determining a specific value of light intensity deviation D by searching the first database using specific parameter values determined by the two-dimensional layout determination apparatus and the three-dimensional structure determination apparatus When,
For a pair of adjacent aperture windows in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, and light is transmitted under the same conditions, The light intensity deviation D defined as a value indicating the intensity deviation of the light transmitted through the aperture window is changed in various combinations of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A second database stored for each case;
By searching the second database using the specific parameter value determined by the two-dimensional layout determination device and the specific light intensity deviation D determined by the light intensity deviation determination device, A transmittance determining device that determines the transmittance T such that a light intensity deviation equal to the light intensity deviation D is obtained;
For a pair of adjacent aperture windows of the same size in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, the pair of adjacent aperture windows is A correction amount δ relating to the width of each aperture window necessary to equalize the intensity of the transmitted light under the same conditions is a combination of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A third database stored for each case with various changes,
Correction to the two-dimensional layout by searching the third database using the specific parameter value determined in the two-dimensional layout determining device and the specific transmittance T determined in the transmittance determining device. A correction amount determination device for determining the amount δ;
Is provided.
[0023]
(18) According to an eighteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the fourteenth to seventeenth aspects described above,
A database in which the width Wy of the aperture window in the Y-axis direction is added as a further parameter value is prepared.
[0024]
(19) According to a nineteenth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the fourteenth to eighteenth aspects described above,
An opening adjacent to the X-axis direction as the width Ws of the light-shielding portion used as a parameter value in the database so as to correspond to a two-dimensional layout in which a plurality of opening windows are arranged in a two-dimensional matrix in the X-axis direction and the Y-axis direction. Two values are used: a width Wsx in the X-axis direction of the light-shielding part existing between the windows and a width Wsy in the Y-axis direction of the light-shielding part existing between the opening windows adjacent in the Y-axis direction. is there.
[0025]
(20) According to a twentieth aspect of the present invention, in the phase shift mask designing apparatus according to the fourteenth to nineteenth aspects described above,
If the light intensity deviation determining device, the transmittance determining device, or the correction amount determining device does not exist that match the search condition among the combinations of parameter values prepared in the database, the adjacent parameter values are set. The light intensity deviation D, the transmittance T, or the correction amount δ is determined by performing the interpolation calculation used.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described based on the illustrated embodiments.
[0027]
<<< §1. Basic structure of phase shift mask >>
A photomask used to form an integrated circuit pattern on a semiconductor wafer is basically a two-dimensional layout pattern composed of a light shielding portion and a light transmitting portion. FIG. 1 is a plan view showing an example of a photomask having such a two-dimensional layout pattern. A
[0028]
FIG. 2 is a side sectional view showing a cut surface of the photomask shown in FIG. 1 cut along a cutting line 2-2. As shown in the figure, this photomask is composed of a light-transmitting
[0029]
FIG. 3 is a side sectional view showing the state of exposure work using this photomask. As shown in the figure, the photomask is usually arranged in such a direction that the
[0030]
Here, for convenience, as shown in FIG. 1, a two-dimensional layout formed by the
[0031]
The two-dimensional layout pattern shown in FIG. 1 is a typical pattern called “line and space pattern”, in which a plurality of opening windows of the same size are arranged along the X axis. The present invention is premised on designing a photomask having a two-dimensional layout pattern in which a plurality of rectangular opening windows having the same size are arranged along the X axis.
[0032]
An actual two-dimensional layout pattern for a semiconductor integrated circuit is not necessarily constituted by only a pattern in which a plurality of rectangular opening windows having the same size are arranged. If necessary, an L-shaped opening pattern is formed. Often, windows, U-shaped opening windows, and other irregular opening windows are mixed. However, the “line and space pattern” in which a plurality of rectangular opening windows of the same size are arranged is the most frequently used pattern as a two-dimensional layout pattern for general semiconductor integrated circuits in practice. It is no exaggeration to say that this area is occupied by such a “line and space pattern”. The design method according to the present invention is a technique that can be widely used in designing such a “line and space pattern” portion, and is very useful in designing a photomask for a general semiconductor integrated circuit. It is a high-value technology.
[0033]
The example shown in FIG. 1 shows a relatively simple example in which rectangular opening windows are formed at five locations for convenience of explanation, but in reality, a larger number of opening windows are arranged at a predetermined pitch on the X axis. Generally, a layout pattern arranged along the line is used.
[0034]
Now, when a photomask as shown in FIG. 1 is produced at the actual size as actually drawn in the drawing, the light L emitted from the exposure apparatus in FIG. The light transmitted through the opening window of the
[0035]
FIG. 4 is a diagram showing the behavior of light transmitted through the aperture window of the photomask in consideration of the occurrence of diffraction phenomenon. The upper part is a partially enlarged side sectional view of the photomask, and the middle part is transmitted through the photomask. A graph showing the amplitude intensity distribution of light, and the lower graph is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the photomask.
[0036]
As shown in the upper part of the figure, the irradiation lights L1, L2, and L3 from the exposure apparatus pass through the
[0037]
Since all the light transmitted through the photomask is in-phase, the overlapping portions of the graphs shown in the middle of the figure strengthen each other, and as a result, the light intensity distribution of the transmitted light has the amplitude intensity value of each graph. By adding, it becomes as shown in the lower graph of the figure. That is, the light intensity in the region corresponding to each of the
[0038]
A phase shift mask is used as one method for dealing with such adverse effects. FIG. 5 is a diagram showing the behavior of light transmitted through the opening window of the phase shift mask under a predetermined condition in consideration of the occurrence of diffraction phenomenon, and the upper part is a partially enlarged side sectional view of the phase shift mask. The middle stage is a graph showing the amplitude intensity distribution of the light transmitted through the phase shift mask, and the lower stage is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the phase shift mask. The difference between the phase shift mask shown in the upper part of FIG. 5 and the normal photomask shown in the upper part of FIG. former Then, a
[0039]
Here, the
[0040]
Eventually, the overlapping parts of the graphs shown in the middle of the figure weaken each other, and the combined amplitude is obtained by adding the amplitude intensity values of adjacent graphs in consideration of the sign. Therefore, the light intensity distribution of the transmitted light is obtained by taking the square of the amplitude, and is as shown in the lower graph of the figure. That is, the light intensity in the region corresponding to each of the
[0041]
As described above, the basic principle of the phase shift mask is to cancel the light interference in the light shielding portion by adopting a structure in which the phase of the light transmitted through the pair of adjacent aperture windows is opposite. . In the substrate digging-type phase shift mask, the phase of the light transmitted through one of the opening windows is shifted by 180 ° with respect to the phase of the light transmitted through the other opening window, for a pair of adjacently arranged opening windows. As described above, a technique is adopted in which a groove having a predetermined depth d is formed in the substrate portion on which one opening window is formed.
[0042]
However, in practice, it is known that when the
[0043]
As described above, the reason why the amplitude intensity of the light transmitted through the
[0044]
As a result, the aperture window in which the phase φ is set to 180 ° as compared with the intensity of light transmitted through the aperture window in which the phase φ is set to 0 ° (the aperture window in which no groove is formed). A situation occurs in which the intensity of light transmitted through the (opening window in which the groove is formed) is reduced. In this case, a difference in size occurs in the pattern of the opening window formed on the exposure surface even though the exposure is performed using the photomask having the opening window of the same size.
[0045]
In order to solve such a problem, in the substrate digging type Levenson type phase shift mask, the phase of the light transmitted through one opening window is transmitted through the other opening window in a pair of adjacent opening windows. A groove having a predetermined depth d is formed in the substrate portion on which one opening window is formed so as to shift by 180 ° with respect to the phase of the light, and the outline of the groove is set larger than the outline of the opening window. The method of doing is taken.
[0046]
FIG. 7 is a diagram illustrating a realistic behavior of light transmitted through an aperture window of a substrate digging type Levenson type phase shift mask under a predetermined condition. The graph showing the amplitude intensity distribution at the middle stage and the light intensity distribution at the lower stage in FIG. 7 is the same as the ideal graph shown in FIG. This is because the contour of the groove 220 (contour on the XY plane) is set larger than the contour of the opening window 112 (contour on the XY plane), as shown in the upper side sectional view of FIG. Because. With such a structure, the side surface of the
[0047]
In the drawings of the present application, for convenience of explanation, specific graphs relating to the light transmitted through the phase shift mask are shown, but the forms of these graphs differ depending on various condition settings. In general, the behavior of light that has passed through a phase shift mask depends on design conditions (two-dimensional dimensions such as aperture windows and light shielding parts), exposure conditions (values such as exposure wavelength, numerical aperture, and pupil), and an undercut described later. It depends on the three-dimensional structure such as quantity and groove depth. The graph shown in the drawing of the present application shows the results obtained when these conditions are set to specific conditions.
[0048]
<<< §2. Problems with the amount of undercut >>
As already described in §1, if a substrate-digged Levenson type phase shift mask having a three-dimensional structure as shown in the upper part of FIG. 7 is used, a pair of adjacent aperture windows (example shown in the figure) In this case, the phase of the transmitted light with respect to the pair of opening
[0049]
FIG. 8 is a side sectional view (upper stage) in which a part of the phase shift mask shown in the upper part of FIG. 7 is further enlarged and a graph (lower stage) showing the intensity of light transmitted through the phase shift mask. As shown in the upper drawing, a
[0050]
Here, the distance between the contour position of the
[0051]
However, as the two-dimensional layout pattern formed on the
[0052]
Eventually, in manufacturing a phase shift mask having sufficient robustness that can withstand an exposure process for an actual semiconductor wafer, the contact area between both material layers must be secured to some extent. In other words, in the upper diagram of FIG. 8, if the contact dimension (Ws−Uc) between the
[0053]
Actually, when the width Ws of the
[0054]
The deviation of the intensity of the light transmitted through the pair of opening
[0055]
However, in the embodiment shown here, as shown in the lower part of FIG. 8, a predetermined threshold value Th is defined for the light intensity, and a level line corresponding to this threshold value Th on the two-dimensional coordinate (one point in the figure). The line Wa shown by a chain line) is drawn, and the intersection points with each graph are Q1, Q2, Q3, and Q4, respectively, and the distance Wa between the two points Q1 and Q2 and the distance Wb between the two points Q3 and Q4 are obtained. The difference of Wa−Wb is defined as the light intensity deviation D. In this case, since the value of the light intensity deviation D varies depending on how the threshold value Th is set, the threshold value Th is set so that the distance between the two points Q2 and Q3 is equal to the width Ws of the
[0056]
If the light intensity deviation D is determined by such a method, the light intensity deviation D is uniquely obtained with respect to the graph shown in the lower part of FIG. As described above, in carrying out the present invention, the light intensity deviation can be any if the difference between the transmitted light intensity of phase φ = 0 ° and the transmitted light intensity of phase φ = 180 ° can be quantitatively shown. Although it may be defined by such a method, it is very realistic to use the light intensity deviation D defined by the difference D = Wa−Wb as in the embodiment shown here. This is because when the light intensity deviation is defined by the method of comparing the areas of the graph, there is a disadvantage that the calculation burden for obtaining the area becomes large, and when the light intensity deviation is defined by the method of comparing the peak values of the graph, the comparison This is because there is a demerit that accuracy decreases. The light intensity deviation D defined by the difference D = Wa−Wb is a method of comparing the widths of the graphs at predetermined level positions, and has a merit that the calculation burden is small and a certain degree of comparison accuracy can be secured. There is. The light intensity deviation D defined by the difference D = Wa−Wb is generally called “Walking Distance”.
[0057]
Eventually, if the layout pattern is miniaturized and a sufficient undercut amount Uc cannot be secured, even if the substrate digging type Levenson type phase shift mask as shown in the upper part of FIG. 8 is used, FIG. As shown in the lower part, the light intensity deviation D occurs for the light transmitted through the pair of adjacent opening
[0058]
In order to prevent such a light intensity deviation D from occurring at the time of exposure on a semiconductor wafer, dimensional correction in which the light intensity deviation D is anticipated in advance in the two-dimensional layout pattern formed on the phase shift mask. I have to take the technique of giving. Specifically, in the case of the example shown in FIG. 8, the sizes of the opening
[0059]
For example, in the example shown in FIG. 8, the
[0060]
However, as an actual problem, a great amount of labor and time are required to obtain the optimum correction amount for setting the light intensity deviation D to zero. As shown in the side sectional view of the upper stage of FIG. 8, in the Levenson type phase shift mask of the substrate digging type that forms the groove in the
[0061]
An object of the present invention is to provide a design method and a design apparatus for a phase shift mask that can reduce the work load and shorten the work time. Hereinafter, the basic principle of the design method according to the present invention will be described.
[0062]
<<< §3. Basic principle of design method according to the present invention >>
The inventor of the present application recognizes that each parameter as described later is involved when the light intensity deviation D is determined by performing a three-dimensional analysis on the three-dimensional structure as shown in the upper part of FIG. did. Consider a case where a two-dimensional layout pattern (same as the pattern shown in FIG. 1) as shown in FIG. 9 is formed on the
[0063]
For this two-dimensional layout pattern, an XY two-dimensional coordinate system is defined as shown, the width in the X-axis direction of each
[0064]
As described above, the behavior of the light transmitted through the phase shift mask depends on the design conditions (two-dimensional dimensions such as the aperture window and the light-shielding part), the exposure conditions (exposure wavelength, numerical aperture, pupil and other values), and under It depends on the three-dimensional structure such as the cut amount and groove depth. However, the exposure condition is a condition determined by an exposure apparatus used in a pattern forming process on a semiconductor wafer, and is not a condition that can be freely set when designing a phase shift mask. The depth d of the
[0065]
In the present invention, as described later, a three-dimensional analysis or a two-dimensional analysis for grasping the behavior of light transmitted through the phase shift mask is performed by performing a three-dimensional simulation or a two-dimensional simulation. All of these analyzes are based on the premise that a pattern formation process is performed on a semiconductor wafer using a specific exposure apparatus. Therefore, with regard to the exposure conditions, condition settings specific to the specific exposure apparatus are set. Will be done.
[0066]
The inventor of the present application executes a three-dimensional simulation for the three-dimensional structure as shown in the upper part of FIG. 8 when various combinations of the four parameter values Wx, Wy, Ws, Uc are changed. The light intensity deviation D was obtained. Regarding the exposure conditions, as described above, conditions specific to a specific exposure apparatus are set.
[0067]
For example, in the graph shown in FIG. 10, in the three-dimensional structure shown in the upper part of FIG. 8, the width Ws = 200 nm of the
[0068]
The graph of FIG. 10 is a graph when Ws = 200 nm and Wy = 1000 nm are fixed, but if Ws and Wy are variously combined, similar graphs can be obtained for each combination. Of course, in performing such a three-dimensional simulation, it is necessary to set a predetermined exposure condition, but the parameters relating to the structure of the phase shift mask include the above four parameters Wx, Wy, Ws, Uc (and the groove). If the depth d) is determined, the value of the light intensity deviation D can be obtained.
[0069]
In the case of the example shown in the graph of FIG. 10, if the undercut amount Uc = 180 nm or more can be set, the light intensity deviation D can be suppressed to 0, and the ideal light intensity as shown in FIG. Transmission characteristics can be obtained. However, as already described, the finer the layout pattern, the more difficult it is to secure a sufficient undercut amount Uc to suppress the peeling of the light shielding layer. The present invention proposes a novel method for performing a layout design in which the light intensity deviation D is brought to zero under such design conditions that a sufficient undercut amount Uc cannot be ensured. Is. In other words, in the graph of FIG. 10, a method of bringing the light intensity deviation D to 0 by applying a predetermined correction to a layout pattern belonging to a region where the undercut amount Uc is less than 180 nm. It is to be presented.
[0070]
The correction according to the present invention is a two-dimensional correction performed on the two-dimensional layout pattern. For the depth d of the
[0071]
As described above, in the present invention, it is necessary to preferentially determine the groove depth d and the undercut amount Uc, and to perform correction to bring the light intensity deviation D to 0 with these values fixed. For this purpose, a method of performing two-dimensional correction on the two-dimensional layout pattern must be adopted.
[0072]
Assume that a photomask designer has designed a
[0073]
Here, the pair of opening
[0074]
Therefore, it is assumed that the two-dimensional layout pattern shown in FIG. 11 is corrected to obtain a pattern as shown in FIG. In this correction, the width Wx in the X-axis direction of each of the opening
[0075]
Here, as the correction amount δ is gradually increased from 0, the difference in size between the pair of graphs (φ = 0 ° graph and φ = 180 ° graph) shown in the lower part of FIG. 8 is gradually reduced. Will be going. Therefore, if the correction amount δ can be set to an appropriate value, the size of the pair of graphs can be made equal, and a rectangular exposure pattern of the same size can be obtained on the exposure surface on the semiconductor wafer. It becomes like this. This is the basic principle of correction performed in the present invention.
[0076]
In short, in the present invention, when a two-dimensional layout pattern as shown in FIG. 11 is designed by the designer, the width of the aperture window (φ = 0 ° aperture window) that is not phase-shifted is reduced. The opening window (φ = 180 ° opening window) that performs the shift is widened, and correction that cancels the decrease in light intensity that occurs only for the opening window that performs the phase shift due to the presence of the groove is performed. Become. In the corrected pattern shown in FIG. * And 112 * Although the widths Wxa and Wxb are different, when exposure is actually performed using a phase shift mask, a rectangular exposure pattern of the same size can be obtained on the exposure surface on the semiconductor wafer.
[0077]
When correcting the width of each opening window, it is preferable to perform correction so that the center position of each opening window always becomes a fixed position. For example, the center position in the X-axis direction of the opening
[0078]
As for the pitch of the opening window, the pitch P in the case of the pattern shown in FIG. 11 is “P = Wx + Ws”, whereas the pitch P in the case of the pattern shown in FIG. * Is "P * = Wxa + Ws (in case of odd-numbered pitch) "or" P * = Wxb + Ws (in the case of an even-numbered pitch) ", the odd-numbered pitch is narrowed, and the even-numbered pitch is widened. However, the sum of the odd-numbered pitch and the even-numbered pitch does not change before and after the correction. That is, in the plan view shown in FIG. 9, the pitch P is slightly changed by the correction, but the
[0079]
Thus, in principle, by correcting the layout pattern shown in FIG. 11 to the layout pattern shown in FIG. 12, even if the undercut amount Uc is insufficient, the exposure pattern as intended by the designer is obtained. Can be realized. However, in reality, the problem of how to determine an appropriate correction amount δ remains. The reason for this is that, as described above, in the substrate engraving type Levenson type phase shift mask in which the groove is formed in the
[0080]
The most characteristic point of view of the present invention is that two-dimensional analysis can be used instead of three-dimensional analysis when determining the correction amount δ. As described above, the fundamental cause of the light intensity deviation D is due to a three-dimensional structure in which a groove is formed in one opening window. Therefore, the analysis for obtaining the light intensity deviation D must be originally based on a three-dimensional analysis. In the two-dimensional analysis, there is no room for the concept of a three-dimensional groove in the first place. At first glance, it seems that the phenomenon in which the light intensity deviation D occurs cannot be handled. However, the inventor of the present application has found that a three-dimensional phenomenon in which the light intensity deviation D occurs can be replaced with a two-dimensional model by introducing a virtual parameter called transmittance. The feature of the design method and design apparatus of the phase shift mask according to the present invention is exactly the change of this idea.
[0081]
Consider a two-dimensional model as shown in the upper part of FIG. This model shows a two-dimensional layout pattern having a pair of opening
[0082]
Here, it is assumed that the setting of 100% transmittance is performed for the
[0083]
Here, when the lower graph of FIG. 13 is compared with the lower graph of FIG. 8, the graph shows the intensity distribution of the light transmitted through the pair of
[0084]
Of course, the result shown in the lower part of FIG. 8 is obtained by three-dimensional analysis using the three-dimensional structure shown in the upper part of FIG. 8 as a model, and the cause of the light intensity deviation D is the side of the
[0085]
Therefore, the present inventor replaces the three-dimensional model to be subjected to the three-dimensional analysis shown in FIG. 8 with the two-dimensional model shown in FIG. 13 and obtains an appropriate correction amount δ using the two-dimensional analysis technique. The idea was that it would be possible to reduce the overall work load and shorten the work time.
[0086]
In order to set the light intensity deviation D generated in the two-dimensional model shown in FIG. 13 to 0, the correction shown in the upper part of FIG. 14 may be performed. This correction itself is exactly the same as the correction shown in FIG. 12, and the width Wx of each opening
[0087]
Eventually, even in this two-dimensional model, if the correction amount δ can be set to an appropriate value, as shown in the lower part of FIG. * The size of the graph showing the intensity distribution of the light transmitted through the
[0088]
In order to obtain the light intensity deviation D by the three-dimensional analysis method using the three-dimensional model as shown in the upper part of FIG. 8, as described above, the four parameters Wx, Wy, Ws, and Uc are determined. There is a need. On the other hand, in order to obtain the light intensity deviation D by a two-dimensional analysis method using a two-dimensional model as shown in the upper part of FIG. 13, it is necessary to determine four parameters Wx, Wy, Ws, and T. Comparing the necessary parameters in both, the parameters Wx, Wy, Ws (all are parameters indicating the dimensions on the two-dimensional layout pattern) are common, but as a fourth parameter, in the three-dimensional analysis, The difference is that the transmittance T is required in the two-dimensional analysis while the undercut amount Uc is required. This is because, in the three-dimensional model, the undercut amount Uc is an important parameter affecting the light intensity deviation D, whereas in the two-dimensional model, there is no concept of the undercut amount Uc in the first place. This is because a parameter called transmittance T is introduced.
[0089]
As described above, under the predetermined exposure conditions, in the three-dimensional analysis, the light intensity deviation D can be obtained by determining the four parameters Wx, Wy, Ws, and Uc. In the two-dimensional analysis, the four parameters Since the light intensity deviation D can be obtained by determining Wx, Wy, Ws, and T, it may seem that there is not much difference regardless of which analysis method is employed. However, in practice, 3D analysis requires much labor and time compared to 2D analysis.
[0090]
For example, if typical parameter values are given and each analysis method is executed by computer simulation using a general personal computer, calculation time in minutes is required to obtain the light intensity deviation D by three-dimensional analysis. On the other hand, to obtain the light intensity deviation D by two-dimensional analysis requires only a calculation time of only msec. In this way, replacing a three-dimensional analysis with a two-dimensional analysis has a very significant meaning in practice. The main point of the present invention is to replace the three-dimensional model to be subjected to the three-dimensional analysis shown in FIG. 8 with the two-dimensional model shown in FIG. 13 and obtain an appropriate correction amount δ using the two-dimensional analysis technique. Therefore, the overall work burden is reduced and the work time is shortened. Subsequently, the specific procedure will be described in §4.
[0091]
<<< §4. Specific design method and design apparatus according to the present invention >>
FIG. 15 is a flowchart showing a procedure of a method for designing a phase shift mask according to the basic embodiment of the present invention. First, in step S1, a two-dimensional layout design of a phase shift mask to be designed is performed. This is, for example, an operation of designing a two-dimensional layout pattern as shown in the plan view of FIG. 9, and is usually an operation using a dedicated design tool using a computer. In this operation, an XY plane is defined on the surface of the substrate on which the phase shift mask is formed, and a plurality of opening windows of the same size are arranged at least along the X axis.
[0092]
FIG. 9 shows an example in which five opening windows are arranged. Actually, however, a larger number of opening windows of the same size are arranged at a constant pitch in the X-axis direction, and a “line and space pattern” is formed. It is common to form. Of course, in implementing the present invention, it is only necessary to define a two-dimensional layout pattern having at least two opening windows. In the operation of step S1, specifically, it is necessary to determine the width Wx in the X-axis direction, the width Wy in the Y-axis direction, and the width Ws of the light shielding portion of each opening window.
[0093]
Subsequently, in step S2, the three-dimensional structure of the phase shift mask to be designed is determined. The first matter to be determined here is whether or not to perform phase shift for each of the plurality of aperture windows included in the layout pattern designed in step S1. As shown in FIG. 9, if a plurality of aperture windows are arranged in the X-axis direction, it may be determined that every other phase shift is performed according to this arrangement order. In the case of the example of FIG. 9, “determination not to perform phase shift (determination to be φ = 0 °)” is made for the first, third, and fifth aperture windows, and for the second and fourth aperture windows. Thus, “determination to perform phase shift (determination to make φ = 180 °)” is made.
[0094]
The second matter to be determined in step S2 is the specific three-dimensional structure of the groove to be dug in the substrate at the position of the opening window where “determination to perform phase shift (determination to make φ = 180 °)” is made. It is. That is, the depth d of the
[0095]
Next, in step S3, a three-dimensional analysis based on the current design data is performed, and the light intensity deviation D is obtained. That is, a specific three-dimensional layout is determined by the two-dimensional layout (for example, the pattern of FIG. 9) designed in step S1 and the three-dimensional structure (for example, the structure of the
[0096]
As described above, in this embodiment, the light intensity deviation is defined as the difference in the horizontal width of the graph D = Wa-Wb. Actually, such a three-dimensional simulation requires a considerably long calculation time, but in this step S3, an operation for obtaining the light intensity deviation D when a set of parameter values Wx, Wy, Ws, Uc is given. It only needs to be executed once.
[0097]
In the subsequent step S4, a process of replacing the three-dimensional model that is the object of the three-dimensional analysis in step S3 with a two-dimensional model is performed. That is, the three-dimensional model as shown in the upper part of FIG. 8 is replaced with a two-dimensional model as shown in the upper part of FIG. Here, as the parameters relating to the two-dimensional layout, those of the three-dimensional model can be used as they are for the two-dimensional model. That is, the size Wx, Wy of each opening window and the width Ws of the light shielding part in the three-dimensional model shown in the upper part of FIG. 8 are used as the size Wx, Wy of each opening window and the light shielding part in the two-dimensional model shown in the upper part of FIG. The width Ws can be used. Of course, the same conditions are used as they are for the exposure conditions.
[0098]
The point of the replacement process in step S4 is how to replace the parameters of the groove depth d and the undercut amount Uc in the three-dimensional model with the parameters of the transmittance T in the two-dimensional model. At the current technical level, no efficient method has been found for directly converting the dimensional parameters d and Uc in the three-dimensional model into the transmittance parameter T in the two-dimensional model. Therefore, the inventor of the present application has come up with a novel technique for performing such conversion using the light intensity deviation D as a medium. According to this method, it is possible to convert the dimension parameters d and Uc in the three-dimensional model into the transmittance parameter T in the two-dimensional model by the following procedure.
[0099]
First, among the parameters of the three-dimensional model, the sizes Wx and Wy of each opening window and the width Ws of the light shielding portion are used as they are in the two-dimensional model. As a result, a two-dimensional layout as shown in the upper part of FIG. 13 can be defined. However, the transmittance T of the
[0100]
Specifically, for example, the transmittance is set at intervals of 1% such as T = 99%, 98%, 97%,..., 51%, 50%, and predetermined sizes Wx, Wy as shown in the upper part of FIG. , Ws, the transmittance of the
[0101]
In short, this method performs a two-dimensional analysis on a plurality of transmittances, obtains a light intensity deviation D for each, and obtains a transmittance that provides a result that matches the light intensity deviation D obtained in the three-dimensional analysis stage. It can be said that it is a trial and error method of determining T. However, as described above, 2D simulation is much lighter in computation load and shorter in computation time than 3D simulation, so even if such a trial and error method is adopted, there is no practical problem. There is no.
[0102]
Eventually, in step S4, using the two-dimensional structure defined by the two-dimensional layout designed in step S1, with respect to a pair of adjacent aperture windows, the transmittance of one light is 100% and the transmittance of the other light is When T is set to T%, an operation for obtaining the transmittance T so that the deviation of the intensity of the light transmitted through each of the pair of adjacent aperture windows is equal to the light intensity deviation D obtained in step S3 was performed. It will be. Thus, a two-dimensional model equivalent to the three-dimensional model that is the object of the three-dimensional analysis in step S3 is determined.
[0103]
Finally, in step S5, the two-dimensional layout is corrected using the equivalent two-dimensional model. That is, the correction amount δ for the width of each opening window of the two-dimensional layout designed in step S1 is determined based on the specific transmittance T obtained in step S4. Specifically, as already described, the correction shown in the upper part of FIG. 14 is performed on the two-dimensional model shown in the upper part of FIG. Wx is corrected to Wxa and Wxb, respectively. Here, the correction amount δ includes the corrected
[0104]
As a method for obtaining the optimum correction amount δ when the widths Wx and Wy of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T of one aperture window with respect to the other aperture window are given, there are two trial and error methods. Dimensional simulation can be used. For example, a two-dimensional simulation for setting a plurality of correction amounts δ and obtaining the light intensity deviation D in each case is executed under a predetermined exposure condition (the same exposure condition as the simulation performed so far), and the light The correction amount δ may be determined such that the intensity deviation D is closest to 0.
[0105]
Thus, when step S5 is completed, a two-dimensional layout after correction as shown in the upper part of FIG. 14 is obtained. Therefore, the three-dimensional structure (grooves) determined in step S2 is added to the two-dimensional layout after correction. By applying the depth d and the undercut amount Uc), the corrected three-dimensional structure is determined. In this case, since the undercut amount Uc indicates the distance between the contour position of the groove and the contour position of the corrected opening window, for example, as shown in the upper part of FIG. * When the width in the X-axis direction increases by 2δ, the width of the groove also increases by 2δ. However, the
[0106]
Eventually, the width of the opening window is corrected by the correction in step S5, but the undercut amount Uc and the dimension of the contact portion of the light shielding portion are as originally designed, and there is no problem of peeling. . Further, as described above, although the pitch P of the opening window in the two-dimensional layout shown in FIG. 9 slightly changes, the
[0107]
As described above, according to the design method shown in FIG. 15, it is originally necessary to perform a calculation for obtaining the optimum correction amount δ by executing a three-dimensional simulation for the three-dimensional model determined in steps S1 and S2. Can be replaced with a two-dimensional model by performing the operations in steps S3 and S4, and in step S5, a two-dimensional simulation is performed on the two-dimensional model to obtain an optimal correction amount δ. become. As described above, the burden of the two-dimensional simulation is remarkably reduced as compared with the burden of the three-dimensional simulation. According to the design method of the phase shift mask according to the present invention, the work spent on the design of the phase shift mask. The burden can be reduced and the working time can be shortened.
[0108]
FIG. 16 is a block diagram showing a configuration of a phase shift mask designing apparatus according to a basic embodiment of the present invention. As shown in the figure, this design apparatus is composed of a two-dimensional
[0109]
The two-dimensional
[0110]
The three-dimensional
[0111]
The three-
[0112]
The three-dimensional analysis process executed by the three-
[0113]
The two-
[0114]
In short, this process can be said to be a process of replacing the three-dimensional model used in the three-
[0115]
On the other hand, the two-
[0116]
Thus, the final structure of the phase shift mask is determined by the three-
[0117]
<<< §5. More practical design method and design equipment >>
In the basic embodiment described in §4, it is necessary to perform a three-dimensional analysis and a two-dimensional analysis every time a new phase shift mask is designed. For example, in the flowchart of FIG. 15, in step S3, given predetermined parameter values Wx, Wy, Ws, Us are used (although other values such as exposure conditions and groove depth d are required). A three-dimensional simulation is performed to calculate the light intensity deviation D. In step S4, given predetermined parameter values Wx, Wy, Ws and a plurality of transmittance setting values T are used (although other values such as exposure conditions are required), two-dimensional A light intensity deviation D is obtained by performing a simulation, and a transmittance T that gives a result that matches the light intensity deviation D obtained in step S3 is determined. Furthermore, in step S5, a predetermined parameter value Wx, Wy, Ws, T is used (although other values such as exposure conditions are necessary), a two-dimensional simulation is performed to obtain an optimal correction value δ. And changing the width Wx of the opening window to Wxa and Wxb.
[0118]
However, when it is necessary to design a large number of phase shift masks for business purposes, it is not always efficient to perform the simulation work in steps S3, S4, and S5 each time. The practical embodiment described here is a device for simplifying the simulation work in each of these steps. Hereinafter, the basic idea of this device will be described.
[0119]
First, consider the three-dimensional analysis in step S3. Now, assuming that the light source wavelength of the exposure apparatus using the phase shift mask designed according to the present invention is fixed to a predetermined wavelength value, and that the optical conditions during the exposure operation are also constant (in other words, Assuming that the exposure conditions are constant), the variable parameters of the three-dimensional simulation performed in step S3 are the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction, the width Ws of the light-shielding portion, and the undercut amount Uc. These are the four types of parameters. Therefore, a three-dimensional simulation is performed in advance for each of the cases where the combinations of these four types of parameter values are changed, and a specific parameter can be obtained by preparing the value of the obtained light intensity deviation D as a database. When the values Wx, Wy, Ws, and Uc are given, it is possible to obtain the target light intensity deviation D only by searching the database without performing a three-dimensional simulation.
[0120]
For example, in the graph of FIG. 17, Ws is set to 200 nm, Wx is set to 250 nm, Wy is changed to six patterns of 100, 200, 300, 400, 500, and 600 nm, and Uc is set to four patterns of 70, 90, 110, and 130. The result of calculating | requiring the light intensity deviation D at the time of changing to is shown. In other words, the result of obtaining the light intensity deviation D for each combination by executing a three-dimensional simulation in advance for a total of 24 combinations of parameter values is shown. Of course, in practice, the parameters Ws and Wx are also changed in a plurality of ways to obtain a similar graph.
[0121]
As the number of parameter combinations increases, the calculation burden for obtaining the values of the light intensity deviations D for all combinations by a three-dimensional simulation becomes enormous. Once such calculations are performed, the results are stored in a database. Then, the light intensity deviation D can be obtained by simply searching the database for any combination of parameter values without executing a three-dimensional simulation. For example, when specific parameter value combinations of Ws = 200 nm, Wx = 250 nm, Wy = 300 nm, and Uc = 70 nm are given, the abscissa value Wy = 300 nm of the graph G1 (graph of Uc = 70 nm) in FIG. By referring to the ordinate value of the point P1 corresponding to, a result that the light intensity deviation D = 31 nm can be obtained. Actually, it is a process that does not refer to the graph but only searches the database based on four types of parameter values. Compared with the case where the light intensity deviation D is actually obtained by performing a three-dimensional simulation, The target light intensity deviation D can be obtained with a simple process.
[0122]
This technique can also be applied to the two-dimensional analysis in step S4. That is, the variable parameters of the two-dimensional simulation performed in step S4 are four types of parameters including the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T of the aperture window. . Therefore, if each of the combinations of these four types of parameter values is changed variously, a two-dimensional simulation is performed in advance, and the value of the obtained light intensity deviation D is prepared as a database. When the values Wx, Wy, Ws, and T are given, it is possible to obtain the target light intensity deviation D only by searching this database without performing a two-dimensional simulation.
[0123]
For example, in the graph of FIG. 18, Ws is set to 200 nm, Wx is set to 250 nm, Wy is changed to six ways of 100, 200, 300, 400, 500, and 600 nm, and T is changed to 60%, 70%, 80%, 90 4 shows the result of obtaining the light intensity deviation D when the ratio is changed to 4%. In other words, the result of calculating the light intensity deviation D for each combination by executing a two-dimensional simulation in advance for a total of 24 combinations of parameter values is shown. Of course, in practice, the parameters Ws and Wx are also changed in a plurality of ways to obtain a similar graph.
[0124]
Once such an operation is performed and the results are stored as a database, the light intensity deviation can be obtained simply by searching the database for any combination of parameter values without performing a two-dimensional simulation. D can be obtained. For example, when specific parameter value combinations of Ws = 200 nm, Wx = 250 nm, Wy = 300 nm, and T = 70% are given, the abscissa value Wy of the graph G6 (T = 70% graph) in FIG. By referring to the ordinate value of the point P2 corresponding to = 300 nm, a result that the light intensity deviation D = 31 nm can be obtained.
[0125]
However, the original purpose of the process of step S4 is to obtain the light intensity deviation D from a combination of four types of parameters Ws, Wx, Wy, and T. The original purpose of the process of step S4 is to obtain a transmittance T that can obtain the same light intensity deviation as the light intensity deviation D obtained by the process of step S3. In performing such processing for obtaining the transmittance T, the method using the database described in §5 is very convenient.
[0126]
For example, in the process of step S3, when specific parameter value combinations of Ws = 200 nm, Wx = 250 nm, Wy = 300 nm, and Uc = 70 nm are given, the graph G1 (graph of Uc = 70 nm) in FIG. As described above, the light intensity deviation D = 31 nm is obtained from the ordinate value of the point P1. The purpose of the process of step S4 is to obtain the transmittance T so that the light intensity deviation D = 31 nm thus obtained can be obtained. For that purpose, referring to the graph of FIG. 18 corresponding to the parameter values of Ws = 200 nm and Wx = 250 nm, and further, the point P2 having an abscissa value of Wy = 300 nm and an ordinate value of D = 31 nm. You can search for. In the example of FIG. 18, since the point P2 is a point on the graph G6, the transmittance T to be obtained is T = 70%.
[0127]
In the example shown in FIG. 18, since the point P2 happens to be a point on the graph G6, a transmittance of T = 70% was obtained immediately. However, when the point P2 is not a point on any graph, May select the nearest graph and select the transmittance T of the graph. The graph of FIG. 18 is obtained by determining the transmittance T in increments of 10%. If this is set in increments of 1%, for example, even if a nearby graph is selected, accurate transmission in units of 1% is obtained. It becomes possible to determine the rate T. Of course, if a more accurate value is required, the step size may be set more finely.
[0128]
Eventually, the parameter values Ws = 200 nm, Wx = 250 nm, and Wy = 300 nm are determined at the stage of the two-dimensional layout design in step S1, and the parameter value Uc = 70 nm is determined at the stage of the three-dimensional structure determination in step S2. Then, in step S3, the value of the light intensity deviation D = 31 nm can be obtained by simply searching for the ordinate value of the point P1 in the graph of FIG. 17 prepared as a database. The parameter value of D = 31 nm is set as the ordinate value, and the process of simply searching the graph G6 in the vicinity of the point P2 where the abscissa value is Wy = 300 nm from the database, the value of transmittance T = 70% is obtained. Can be sought.
[0129]
Further, this technique using a database can also be applied to the two-dimensional layout correction process in step S5. That is, the variable parameters of the two-dimensional simulation for obtaining the appropriate correction amount δ performed in step S5 are the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. These are the four types of parameters. Therefore, if a two-dimensional simulation in which a plurality of correction amounts δ are set is performed for each case where the combinations of these four types of parameter values are variously changed, an appropriate correction ( In other words, it is possible to determine whether or not the correction of the light intensity deviation D with respect to the transmitted light of both the aperture windows is zero. Therefore, an appropriate correction amount δ when a combination of specific parameter values Wx, Wy, Ws, and T is given is obtained for each combination in advance, and if this is prepared as a database, thereafter, The target correction amount δ can be obtained only by searching the database without performing a two-dimensional simulation.
[0130]
In addition, as described above, when a method of executing a three-dimensional or two-dimensional simulation in advance for various parameter combinations and storing the result as a database, the step size of the parameter should be reduced. The more detailed the database is prepared, the more accurate the result can be obtained by searching such a database. However, the smaller the step size of the parameter, the more harmful the number of parameter combinations to be simulated becomes.
[0131]
In order to prevent such an adverse effect, it is effective to perform an interpolation calculation. In other words, if there is no combination of parameter values prepared in the database that matches the search condition, an interpolation operation using adjacent parameter values is performed to obtain a more accurate value. do it. For example, in the example shown in FIG. 18, the transmittance T is prepared only in increments of 10%. Here, if it is necessary to determine the transmittance T corresponding to the point P3 in the figure, either the graph G6 or G7 is selected as a graph near the point P3 according to the procedure described above. The transmittance T is determined to be T = 70% or T = 80%. In such a case, if both the graphs G6 and G7 are selected as a graph in the vicinity of the point P3, and a value such as, for example, transmittance T = 75% is determined by interpolation, a more accurate value can be obtained. A value can be obtained.
[0132]
Next, a phase shift mask design apparatus that makes it possible to improve the efficiency of designing individual phase shift masks by preparing such a database in advance will be described. FIG. 19 is a block diagram showing the basic configuration of such a design apparatus. As shown in the figure, the design apparatus includes a two-dimensional
[0133]
Here, the two-dimensional
[0134]
On the other hand, the light intensity
[0135]
In the
[0136]
Further, the
[0137]
In the
[0138]
Finally, the correction
[0139]
In the
[0140]
If the above-described interpolation calculation function is incorporated in the light intensity
[0141]
In the above-described embodiment, the data prepared in advance in each of the
[0142]
In FIG. 19, for convenience of explanation, each component is shown as a block as an independent device, but in actuality, each of these components is realized by incorporating predetermined software into a computer. Therefore, each component may be realized by using the same computer as hardware.
[0143]
Further, in the design apparatus shown in FIG. 19, all of steps S3, S4, and S5 in the flowchart of FIG. 15 are executed by search processing using the
[0144]
<<< §6. Other variations >>
Finally, several modifications of the phase shift mask design method and design apparatus according to the present invention will be described.
[0145]
(1) In the embodiments described so far, two types of parameters, the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction, are used as parameters indicating the width of the opening window. It is not always necessary to use these two types of parameters. For example, as shown in FIG. 9, in the case of a “line and space pattern” in which a large number of
[0146]
FIG. 20 is a plan view showing the concept of such handling. In this example, the four opening
[0147]
Thus, if the width Wy is excluded from the parameters to be considered, for example, in the three-dimensional analysis in step S3 in the flowchart of FIG. 15, the light intensity deviation D is determined using only three types of parameters Wx, Ws, and Uc. In addition, even in the two-dimensional analysis in step S4 and step S5, an analysis using only three types of parameters Wx, Ws, and T is possible. Of course, in the case of an embodiment in which a database is prepared in advance, a database in which the width Wy is excluded from the parameters may be prepared.
[0148]
(2) In the embodiments described so far, in the two-dimensional layout design stage, only an example of creating a layout in which a plurality of aperture windows are arranged in the X-axis direction has been described. The present invention can also be applied to a layout arranged in a two-dimensional matrix in the axial direction and the Y-axis direction.
[0149]
For example, the example shown in FIG. 21 shows a two-dimensional layout pattern in which four opening
[0150]
Note that, as in the example illustrated in FIG. 21, the width Wsx in the X-axis direction of the light-shielding
[0151]
(3) In the embodiment described so far, the process for obtaining the light intensity deviation D in the three-dimensional analysis stage in step S3 shown in FIG. 15, the process for obtaining the transmittance T in the two-dimensional analysis stage in step S4, and the layout in step S5. The description has been made on the assumption that all the correction processing in the correction stage is executed using computer simulation. However, these processes do not necessarily need to be executed by computer simulation, and some or all of these processes may be executed by experiments using an actually manufactured phase shift mask.
[0152]
In particular, for 3D analysis, computer 3D simulation requires considerable computation time, so in some cases, a phase shift mask having dimensions according to given parameters is actually manufactured and actually It may be more effective to conduct an experiment of irradiating light and actually measure the light intensity deviation D.
[0153]
Of course, the method of preparing each
[0154]
【The invention's effect】
As described above, according to the design method and design apparatus for a phase shift mask according to the present invention, it is possible to reduce the work burden for designing the phase shift mask and shorten the work time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing an example of a photomask having a general two-dimensional layout pattern (hatching is for showing a light shielding portion, not for a cross section).
2 is a side sectional view showing a cut surface of the photomask shown in FIG. 1 cut along a cutting line 2-2. FIG.
FIG. 3 is a side sectional view showing an exposure operation using the photomask shown in FIG. 1 (
FIG. 4 is a diagram showing the behavior of light transmitted through an aperture window of a photomask in consideration of the occurrence of diffraction phenomenon, the upper part is a partially enlarged side sectional view of the photomask, and the middle part is transmitted through the photomask. A graph showing the amplitude intensity distribution of light, and the lower graph is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the photomask.
FIG. 5 is a diagram showing the ideal behavior of light transmitted through the aperture window of the phase shift mask in consideration of the occurrence of diffraction phenomenon, the upper part is a partially enlarged side sectional view of the phase shift mask, and the middle part is A graph showing the amplitude intensity distribution of the light transmitted through the phase shift mask, and the lower graph is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the phase shift mask.
FIG. 6 is a diagram showing the realistic behavior of light transmitted through the aperture window of the phase shift mask in consideration of the occurrence of diffraction phenomenon, the upper part is a partially enlarged side sectional view of the phase shift mask, and the middle part is A graph showing the amplitude intensity distribution of the light transmitted through the phase shift mask, and the lower graph is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the phase shift mask.
FIG. 7 is a diagram showing a realistic behavior of light transmitted through an aperture window of a substrate digging type Levenson type phase shift mask in consideration of the occurrence of a diffraction phenomenon, and the upper part is a portion of the phase shift mask. The enlarged side cross-sectional view, the middle stage is a graph showing the amplitude intensity distribution of the light transmitted through the phase shift mask, and the lower stage is a graph showing the light intensity distribution transmitted through the phase shift mask.
8 is a side sectional view further enlarging a part of the phase shift mask shown in the upper part of FIG. 7 (upper part), and a graph showing the intensity of light transmitted through the phase shift mask (lower part).
9 is a plan view showing dimensions of each part of the two-dimensional layout pattern shown in FIG. 1 (hatching is for showing a light-shielding part, not showing a cross section).
10 shows the three-dimensional structure shown in the upper part of FIG. 8, the width Ws of the
FIG. 11 is a plan view showing an example of a two-dimensional layout pattern having a pair of opening
12 is a plan view showing a pattern obtained by performing correction on the two-dimensional layout pattern shown in FIG. 11 (hatching is for showing a light-shielding portion, not for a cross section).
FIG. 13 is a plan view (upper stage) showing an example in which a phase shift mask having a pair of
14 is a plan view (upper stage) showing a two-dimensional model of a phase shift mask obtained by correcting the phase shift mask shown in FIG. 13, and a graph showing the intensity of light transmitted through the phase shift mask (FIG. (Lower stage) (hatching is for showing the light-shielding portion and the translucent opening window, not for the cross section).
FIG. 15 is a flowchart showing a procedure of a method for designing a phase shift mask according to a basic embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a block diagram showing a configuration of a phase shift mask designing apparatus according to a basic embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a graph showing a light intensity deviation D obtained by performing the three-dimensional analysis in step S3 of FIG. 15 on various parameter values.
18 is a graph showing a light intensity deviation D obtained by performing the two-dimensional analysis in step S4 of FIG. 15 on various parameter values.
FIG. 19 is a block diagram showing a configuration of a phase shift mask designing apparatus according to a more practical embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a plan view showing a concept of a two-dimensional layout pattern according to a first modification of the present invention (hatching is for showing a light-shielding portion, not for a cross section).
FIG. 21 is a plan view showing a concept of a two-dimensional layout pattern according to a second modification of the present invention (hatching is for showing a light-shielding portion, not for a cross section).
[Explanation of symbols]
2 ... cutting line
10 ... Two-dimensional layout determination device
11 ... Initial two-dimensional layout pattern
12 ... Two-dimensional layout pattern after correction
20 ... Three-dimensional structure determination device
21. Three-dimensional structure of phase shift mask
30 ... 3D simulator
40 ... Two-dimensional simulator
50. Light intensity deviation determining device
55. First database
60: Transmittance determination device
65 ... Second database
70 ... Correction amount determination device
75 ... Third database
100: Light shielding layer (chromium metal film)
110 ... Translucent part (open window)
111-113 ... Translucent part (opening window)
111 * , 112 * ... Transparent part after opening (opening window)
120: Shading part (frame surrounding the opening window)
121-124 ... light-shielding part (frame surrounding opening window)
122 * ... Light-shielding part after correction (frame surrounding the opening window)
130 ... Translucent part (open window)
140, 150 ... Shading part (frame surrounding opening window)
200 ... Substrate with translucency (quartz glass substrate)
210 ... Groove formed in the phase shift mask (having the same contour as the opening window)
220 ... Groove formed in the phase shift mask (having a larger outline than the opening window)
300: Optical system
400: Exposure surface of semiconductor wafer
C1 to C4 ... contour position
d: Depth of groove formed in phase shift mask
D: Light intensity deviation (= Wa-Wb)
G1 to G8 ... graph
L, L1 to L3 ... Irradiation light from the exposure apparatus
L4 ... Light leaking from the side of the groove
P: Opening window pitch
P1 to P3 ... Points on the graph
Q1-Q4 ... Points on the graph
S1 to S5 ... Each step of the flowchart
T: Transmittance of the other of one pair of adjacently arranged windows
Th: Threshold value set for light intensity
Uc: Undercut amount
Wa, Wb: Width at a predetermined level in the graph
Ws: Width of the light shielding part (width in the X-axis direction)
Wsx: Width of the light shielding part in the X-axis direction
Wsy: Width of the light shielding portion in the Y-axis direction
Wx: The width of the opening window at the beginning of the design in the X-axis direction
Wxa, Wxb ... Width in X axis direction of aperture window after correction
Wy: Opening window width in the Y-axis direction
X, Y, Z ... coordinate axes
δ: Correction amount
φ: Phase of transmitted light
Claims (20)
前記基板の表面上にXY平面を定義し、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することにより前記XY平面上に二次元レイアウトを設計する二次元レイアウト設計段階と、
前記複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定段階と、
前記二次元レイアウトおよび前記三次元構造によって画定される三次元構造体を用いて、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める三次元解析段階と、
前記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体を用いて、前記一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が前記光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tを求める二次元解析段階と、
前記透過率Tに基づいて、前記二次元レイアウトを補正するレイアウト補正段階と、
を有することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。A light-transmitting substrate and a light-shielding light-shielding layer formed on the substrate, wherein the light-shielding layer has a plurality of rectangular opening windows, and the light-shielding layer A two-dimensional layout pattern is formed by the light-shielding portion made of the region where the light-shielding portion is formed and the light-transmitting portion made of the region where the opening window is formed, and one of the pair of adjacent opening windows So that the phase of the light transmitted through one of the aperture windows is shifted by 180 ° relative to the phase of the light transmitted through the other aperture window, the substrate portion on which one aperture window is formed has a contour larger than the contour of the aperture window. A method of designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth is formed,
An XY plane is defined on the surface of the substrate, a width Wx in the X-axis direction, a width Wy in the Y-axis direction, and a width Ws of the light-shielding portion of each opening window are determined. A two-dimensional layout design stage for designing a two-dimensional layout on the XY plane by arranging along
It is determined whether or not the phase shift is performed for each of the plurality of aperture windows. For the aperture windows to be phase-shifted, the depth d of the groove and an underline indicating the distance between the contour position of the groove and the contour position of the aperture window. A three-dimensional structure determining step of determining a three-dimensional structure by determining a cut amount Uc;
Using a three-dimensional structure defined by the two-dimensional layout and the three-dimensional structure, when light is transmitted under the same conditions to a pair of adjacent aperture windows that are designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other, A three-dimensional analysis stage for determining a light intensity deviation D indicating a deviation in intensity of light transmitted through each aperture window;
Using the two-dimensional structure defined by the two-dimensional layout, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T% for the pair of adjacent aperture windows, these A two-dimensional analysis step of obtaining a transmittance T such that a deviation in intensity of light transmitted through a pair of adjacent aperture windows is equal to the light intensity deviation D;
A layout correction step for correcting the two-dimensional layout based on the transmittance T;
A method for designing a phase shift mask, comprising:
二次元解析段階において、複数通りの透過率について、それぞれ光強度偏差Dを求め、三次元解析段階で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。The design method according to claim 1,
In the two-dimensional analysis stage, the light intensity deviation D is obtained for each of a plurality of transmittances, and the transmittance that gives a result that matches the light intensity deviation D obtained in the three-dimensional analysis stage is determined as the transmittance T. A design method of a phase shift mask characterized.
二次元解析段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、光強度偏差Dの値を求めたデータベースを予め用意しておき、特定の二次元構造体についての透過率Tを求める際に、前記データベースにおける前記特定の二次元構造体に関連する部分を検索し、三次元解析段階で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を、前記特定の二次元構造体についての透過率Tと決定することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。The design method according to claim 1 ,
In the two-dimensional analysis stage, a database for determining the value of the light intensity deviation D in each case where various combinations of parameter values such as the width Wx of the aperture window in the X-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T are changed. When preparing the transmittance T for a specific two-dimensional structure in advance, the portion related to the specific two-dimensional structure in the database is searched, and the light intensity deviation obtained in the three-dimensional analysis stage A method for designing a phase shift mask, characterized in that a transmittance with which a result matching D is obtained is determined as a transmittance T for the specific two-dimensional structure .
三次元解析段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、光強度偏差Dの値を求めたデータベースを予め用意しておき、特定の三次元構造体についての光強度偏差Dを求める際に、前記データベースを検索することにより光強度偏差Dを決定することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 1-3,
Database in which the value of the light intensity deviation D is obtained for each case where various combinations of parameter values such as the width Wx of the aperture window in the X-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed in the three-dimensional analysis stage. Is prepared in advance, and the light intensity deviation D is determined by searching the database when obtaining the light intensity deviation D for a specific three-dimensional structure.
レイアウト補正段階において、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について、最適な補正量δを求めたデータベースを予め用意しておき、特定の透過率が定義された特定の二次元レイアウトに対する補正を行う際に、前記データベースを検索することにより最適な補正量δを決定することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 1-4,
In the layout correction stage, a database for obtaining the optimum correction amount δ is prepared in advance for each case where various combinations of parameter values such as the width Wx of the aperture window in the X-axis direction, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T are changed. A method for designing a phase shift mask, wherein an optimum correction amount δ is determined by searching the database when performing correction for a specific two-dimensional layout in which specific transmittance is defined. .
パラメータ値として、更に、開口窓のY軸方向の幅Wyを加えたデータベースを用意するようにしたことを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 3-5,
A method for designing a phase shift mask, characterized in that a database in which a width Wy of an aperture window in the Y-axis direction is further added as a parameter value is prepared.
データベース内に用意されているパラメータ値の組み合わせの中に、検索条件に合致するものが存在しない場合には、近接するパラメータ値を用いた補間演算を行うことを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 3-6,
A method of designing a phase shift mask, characterized by performing an interpolation operation using adjacent parameter values when none of the combinations of parameter values prepared in the database match the search condition .
二次元レイアウト設計段階において、複数の開口窓をX軸方向およびY軸方向に二次元マトリックス状に配置し、遮光部の幅Wsとして、X軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のX軸方向の幅Wsxと、Y軸方向に隣接する開口窓間に存在する遮光部のY軸方向の幅Wsyとの2通りのパラメータを用いることを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 3-7,
In the two-dimensional layout design stage, a plurality of aperture windows are arranged in a two-dimensional matrix in the X-axis direction and the Y-axis direction, and the width Ws of the light-shielding portion is set as the light-shielding portion existing between the aperture windows adjacent in the X-axis direction. 2. A method of designing a phase shift mask, comprising using two parameters, a width Wsx in the X-axis direction and a width Wsy in the Y-axis direction of a light-shielding portion existing between opening windows adjacent in the Y-axis direction.
三次元構造決定段階において、X軸方向もしくはY軸方向に並んで配置されている複数の開口窓に対して、1つおきに位相シフトを行う旨の決定をすることを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 1-8,
A phase shift mask characterized in that, in a three-dimensional structure determination step, every other plurality of aperture windows arranged side by side in the X-axis direction or the Y-axis direction is determined to be phase-shifted. Design method.
三次元解析段階における光強度偏差Dを求める処理、二次元解析段階における透過率Tを求める処理、レイアウト補正段階における補正処理、の一部もしくは全部を、コンピュータシミュレーションを利用して実行することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 1-9,
A part or all of the process for obtaining the light intensity deviation D in the three-dimensional analysis stage, the process for obtaining the transmittance T in the two-dimensional analysis stage, and the correction process in the layout correction stage is performed using computer simulation. Design method of phase shift mask.
三次元解析段階における光強度偏差Dを求める処理、二次元解析段階における透過率Tを求める処理、レイアウト補正段階における補正処理、の一部もしくは全部を、実際に製造した位相シフトマスクを用いた実験により実行することを特徴とする位相シフトマスクの設計方法。In the design method in any one of Claims 1-9,
Experiments using a phase shift mask that was actually manufactured for some or all of the process for obtaining the light intensity deviation D in the three-dimensional analysis stage, the process for obtaining the transmittance T in the two-dimensional analysis stage, and the correction process in the layout correction stage A method of designing a phase shift mask, which is performed by
オペレータからの指示に基づいて、前記基板の表面上に定義されたXY平面上において、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することにより前記XY平面上に二次元レイアウトを決定する二次元レイアウト決定装置と、
オペレータからの指示に基づいて、前記複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定装置と、
前記二次元レイアウトおよび前記三次元構造によって画定される三次元構造体をモデルとして用いた三次元シミュレーションを実行することにより、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す光強度偏差Dを求める三次元解析処理を行う三次元シミュレータと、
前記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体をモデルとして用いた二次元シミュレーションを実行することにより、前記一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定した場合に、これら一対の隣接開口窓をそれぞれ透過する光の強度の偏差が前記光強度偏差Dに等しくなるような透過率Tを求める二次元解析処理と、前記二次元レイアウトによって画定される二次元構造体に前記透過率Tを適用したモデルを用いた二次元シミュレーションを実行することにより、前記二次元レイアウトを補正するレイアウト補正処理と、を行う二次元シミュレータと、
を備えることを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。A light-transmitting substrate and a light-shielding light-shielding layer formed on the substrate, wherein the light-shielding layer has a plurality of rectangular opening windows, and the light-shielding layer A two-dimensional layout pattern is formed by the light-shielding portion made of the region where the light-shielding portion is formed and the light-transmitting portion made of the region where the opening window is formed, and one of the pair of adjacent opening windows So that the phase of the light transmitted through one of the aperture windows is shifted by 180 ° relative to the phase of the light transmitted through the other aperture window, the substrate portion on which one aperture window is formed has a contour larger than the contour of the aperture window. An apparatus for designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth is formed,
Based on an instruction from the operator, on the XY plane defined on the surface of the substrate, the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction and the width Ws of the light shielding portion of each opening window are determined. A two-dimensional layout determining device for determining a two-dimensional layout on the XY plane by arranging opening windows of the same size along at least the X axis;
Based on an instruction from the operator, it is determined whether or not to perform the phase shift for each of the plurality of opening windows. For the opening windows to be phase-shifted, the groove depth d, the groove contour position, and the opening window A three-dimensional structure determining device for determining a three-dimensional structure by determining an undercut amount Uc indicating a distance from the contour position;
Identical to a pair of adjacent aperture windows that are designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other by performing a 3D simulation using as a model the 3D structure defined by the 2D layout and the 3D structure A three-dimensional simulator for performing a three-dimensional analysis process for obtaining a light intensity deviation D indicating a deviation in intensity of light transmitted through each aperture window when light is transmitted under conditions;
By executing a two-dimensional simulation using a two-dimensional structure defined by the two-dimensional layout as a model, the light transmittance of one of the pair of adjacent aperture windows is 100%, and the light transmittance of the other light is transmitted. Is set to T%, a two-dimensional analysis process for obtaining a transmittance T such that a deviation in intensity of light transmitted through each of the pair of adjacent aperture windows is equal to the light intensity deviation D, and the two-dimensional layout A two-dimensional simulator that performs a layout correction process for correcting the two-dimensional layout by executing a two-dimensional simulation using a model in which the transmittance T is applied to the two-dimensional structure defined by
An apparatus for designing a phase shift mask, comprising:
二次元シミュレータが二次元解析処理を行う際に、複数通りの透過率について、それぞれ光強度偏差Dを求め、三次元シミュレータによる三次元解析処理で求めた光強度偏差Dと一致する結果が得られる透過率を透過率Tと決定することを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。The design device according to claim 12,
When the two-dimensional simulator performs the two-dimensional analysis process, the light intensity deviation D is obtained for each of the plurality of transmittances, and a result that matches the light intensity deviation D obtained by the three-dimensional analysis process by the three-dimensional simulator is obtained. An apparatus for designing a phase shift mask, wherein the transmittance is determined as transmittance T.
所定の三次元構造体について、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置および三次元構造決定装置において決定された具体的なパラメータ値を用いて前記データベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dの値を決定する光強度偏差決定装置と、
を三次元シミュレータの代替手段として設けたことを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。The design device according to claim 12,
For a given three-dimensional structure, when light is transmitted through a pair of adjacent aperture windows designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other under the same conditions, the deviation of the intensity of the light transmitted through each aperture window is A database storing the light intensity deviation D defined as a value to be indicated for each case where various combinations of parameter values of the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed;
A light intensity deviation determining device for determining a specific value of the light intensity deviation D by searching the database using specific parameter values determined in the two-dimensional layout determining device and the three-dimensional structure determining device;
Is provided as a substitute for a three-dimensional simulator.
所定の二次元構造体における一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定し、同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、三次元シミュレータによって決定された具体的な光強度偏差Dと、を用いて前記データベースを検索することにより、前記具体的な光強度偏差Dに等しい光強度偏差が得られるような透過率Tを決定する透過率決定装置と、
を二次元解析処理を実行するための二次元シミュレータの代替手段として設けたことを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。The design device according to claim 12,
For a pair of adjacent aperture windows in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, and light is transmitted under the same conditions, The light intensity deviation D defined as a value indicating the intensity deviation of the light transmitted through the aperture window is changed in various combinations of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. Database for each case, and
By searching the database using the specific parameter value determined in the two-dimensional layout determination device and the specific light intensity deviation D determined by the three-dimensional simulator, the specific light intensity deviation A transmittance determining device for determining a transmittance T such that a light intensity deviation equal to D is obtained;
Is provided as an alternative to a two-dimensional simulator for executing two-dimensional analysis processing.
所定の二次元構造体における同一サイズの一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率が100%、他方の光の透過率がT%に設定された場合に、これら一対の隣接開口窓を透過した同一条件の光の強度を等しくするために必要な各開口窓の幅に関する補正量δを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納したデータベースと、
二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、二次元シミュレータによる二次元解析処理において決定された具体的な透過率Tと、を用いて前記データベースを検索することにより、前記二次元レイアウトに対する補正量δを決定する補正量決定装置と、
をレイアウト補正処理を実行するための二次元シミュレータの代替手段として設けたことを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。The design device according to claim 12,
For a pair of adjacent aperture windows of the same size in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, the pair of adjacent aperture windows is A correction amount δ relating to the width of each aperture window necessary to equalize the intensity of the transmitted light under the same conditions is a combination of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A database storing each case with various changes,
By searching the database using the specific parameter value determined in the two-dimensional layout determination device and the specific transmittance T determined in the two-dimensional analysis processing by the two-dimensional simulator, the two-dimensional A correction amount determination device that determines a correction amount δ for the layout;
Is provided as an alternative to a two-dimensional simulator for executing layout correction processing.
オペレータからの指示に基づいて、前記基板の表面上に定義されたXY平面上において、各開口窓のX軸方向の幅WxおよびY軸方向の幅Wyならびに遮光部の幅Wsを決定し、複数の同一サイズの開口窓を少なくともX軸に沿って配置することにより前記XY平面上に二次元レイアウトを決定する二次元レイアウト決定装置と、
オペレータからの指示に基づいて、前記複数の開口窓のそれぞれについて位相シフトを行うか否かを定め、位相シフトを行う開口窓については、溝の深さdと、溝の輪郭位置と開口窓の輪郭位置との距離を示すアンダーカット量Ucと、を決定することにより三次元構造を決定する三次元構造決定装置と、
所定の三次元構造体について、位相が互いに180°シフトするように設計された一対の隣接開口窓に同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、アンダーカット量Ucなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第1のデータベースと、前記二次元レイアウト決定装置および前記三次元構造決定装置において決定された具体的なパラメータ値を用いて前記第1のデータベースを検索することにより、具体的な光強度偏差Dの値を決定する光強度偏差決定装置と、
所定の二次元構造体における一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率を100%、他方の光の透過率をT%に設定し、同一条件で光を透過させた場合に、それぞれの開口窓を透過する光の強度の偏差を示す値として定義された光強度偏差Dを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第2のデータベースと、
前記二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、前記光強度偏差決定装置によって決定された具体的な光強度偏差Dと、を用いて前記第2のデータベースを検索することにより、前記具体的な光強度偏差Dに等しい光強度偏差が得られるような透過率Tを決定する透過率決定装置と、
所定の二次元構造体における同一サイズの一対の隣接開口窓について、一方の光の透過率が100%、他方の光の透過率がT%に設定された場合に、これら一対の隣接開口窓を透過した同一条件の光の強度を等しくするために必要な各開口窓の幅に関する補正量δを、開口窓のX軸方向の幅Wx、遮光部の幅Ws、透過率Tなるパラメータ値の組み合わせを種々変えたそれぞれの場合について格納した第3のデータベースと、
前記二次元レイアウト決定装置において決定された具体的なパラメータ値と、前記透過率決定装置において決定された具体的な透過率Tと、を用いて前記第3のデータベースを検索することにより、前記二次元レイアウトに対する補正量δを決定する補正量決定装置と、
を備えることを特徴とする位相シフトマスクの設計装置。A light-transmitting substrate and a light-shielding light-shielding layer formed on the substrate, wherein the light-shielding layer has a plurality of rectangular opening windows, and the light-shielding layer A two-dimensional layout pattern is formed by the light-shielding portion made of the region where the light-shielding portion is formed and the light-transmitting portion made of the region where the opening window is formed, and one of the pair of adjacent opening windows So that the phase of the light transmitted through one of the aperture windows is shifted by 180 ° relative to the phase of the light transmitted through the other aperture window, the substrate portion on which one aperture window is formed has a contour larger than the contour of the aperture window. An apparatus for designing a phase shift mask in which a groove having a predetermined depth is formed,
Based on an instruction from the operator, on the XY plane defined on the surface of the substrate, the width Wx in the X-axis direction and the width Wy in the Y-axis direction and the width Ws of the light shielding portion of each opening window are determined. A two-dimensional layout determining device for determining a two-dimensional layout on the XY plane by arranging opening windows of the same size along at least the X axis;
Based on an instruction from the operator, it is determined whether or not to perform the phase shift for each of the plurality of opening windows. For the opening windows to be phase-shifted, the groove depth d, the groove contour position, and the opening window A three-dimensional structure determining device for determining a three-dimensional structure by determining an undercut amount Uc indicating a distance from the contour position;
For a given three-dimensional structure, when light is transmitted through a pair of adjacent aperture windows designed so that the phases are shifted by 180 ° from each other under the same conditions, the deviation of the intensity of the light transmitted through each aperture window is The light intensity deviation D defined as the indicated value is stored for each case where various combinations of parameter values of the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the undercut amount Uc are changed. A specific value of the light intensity deviation D is determined by searching the first database using a database and specific parameter values determined by the two-dimensional layout determining device and the three-dimensional structure determining device. A light intensity deviation determining device to
For a pair of adjacent aperture windows in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, and light is transmitted under the same conditions, The light intensity deviation D defined as a value indicating the intensity deviation of the light transmitted through the aperture window is changed in various combinations of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A second database stored for each case;
By searching the second database using the specific parameter value determined in the two-dimensional layout determination device and the specific light intensity deviation D determined by the light intensity deviation determination device, A transmittance determining device for determining a transmittance T such that a light intensity deviation equal to the specific light intensity deviation D is obtained;
For a pair of adjacent aperture windows of the same size in a predetermined two-dimensional structure, when the transmittance of one light is set to 100% and the transmittance of the other light is set to T%, the pair of adjacent aperture windows is A correction amount δ relating to the width of each aperture window necessary to equalize the intensity of the transmitted light under the same conditions is a combination of parameter values such as the width Wx in the X-axis direction of the aperture window, the width Ws of the light shielding portion, and the transmittance T. A third database stored for each case with various changes,
The second database is searched by using the specific parameter value determined in the two-dimensional layout determination device and the specific transmittance T determined in the transmittance determination device. A correction amount determination device for determining a correction amount δ for a three-dimensional layout;
An apparatus for designing a phase shift mask, comprising:
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