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JP4203306B2 - 気密容器用栓体 - Google Patents

気密容器用栓体 Download PDF

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JP4203306B2
JP4203306B2 JP2002350253A JP2002350253A JP4203306B2 JP 4203306 B2 JP4203306 B2 JP 4203306B2 JP 2002350253 A JP2002350253 A JP 2002350253A JP 2002350253 A JP2002350253 A JP 2002350253A JP 4203306 B2 JP4203306 B2 JP 4203306B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器の開口部に着脱自在に挿入され、かつ該開口部を気密封止するための栓体に関し、例えば血液や尿などの液体サンプルまたは呼気や作業環境の雰囲気のような気体サンプルの分析に用いられる真空検体採取容器の栓体として好適に用いられる気密容器用栓体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内部が減圧状態とされている各種真空検体採取容器が知られている。この種の真空検体採取容器としては、真空採血管が最も一般的である。
【0003】
従来の真空採血管の一例が、下記の特許文献1に記載されている。図5(a)〜(c)は、特許文献1に記載の真空採血システムを説明するための図である。すなわち、この真空採血システムは、図5(a)に示す真空採血容器30と、図5(b)に示す真空採血用ホルダー33と、図5(c)に示す真空採血針35とを有する。真空採血容器30は、一端に開口を有する採血管32と、採血管32の開口を閉塞している栓体31とを有する。栓体31は、針穴シール性及びガスバリヤー性を備えた弾性材料からなる。また、真空採血用ホルダー33は、上記真空採血容器30が一端開口から挿入されるように構成されている。真空採血用ホルダー33の他端には、採血針保持穴34が設けられており、採血針保持穴34には雌ねじが形成されている。他方、真空採血針35は、両端に針先37,38を有する。針先37側には、雄ねじ部が形成されたハブ36が設けられている。ハブ36は、真空採血用ホルダー33の採血針保持穴34にねじ込まれ、固定されるように構成されている。
【0004】
図6は、上記真空採血システムを用いて採血する工程を説明するための模式的斜視図である。図5及び図6を参照して採血工程を説明する。採血に際しては、真空採血針35が、真空採血用ホルダー33の採血針保持穴34にねじ止めされる。次に、真空採血容器30が、ホルダー33内に挿入され、採血針35の針先37が栓体31を貫通しない程度に押し込まれ、針先37が一旦封止される。これは、針先38を血管に挿入した時に、針先37から血液が漏れるを防止するためである。図6に示されているように、採血者は、採血針35、ホルダー33及び採血容器30が連結された構造全体を、被採血者の血管軸に沿った方向に寝かせるように手で保持しつつ、血管刺通側の針先38を血管に刺通する。次に、採血容器30をホルダー33内にさらに押し込むことにより、針先37が栓体31を貫通し、採血容器側と血管側の圧力差に応じて血液が採血容器30内に流入する。両側の圧力差がなくなると血液の流入が停止するため、その状態において、採血システム全体を移動させて針先38を血管から抜去する。
【0005】
採血針35は、いわゆるシングル採血針と呼ばれているものであり、1本の真空採血容器にのみ採血する時に用いられている。複数の採血容器に採血する場合には、採血容器を交換する際に、針先は血管に刺入されたままとしておかねばならない。このような場合、シングル採血針を用いると、針先37から血液が漏れることになる。従って、図7に示すマルチプル採血針39が用いられている。マルチプル採血針39は、栓体刺通側の針先37に、弾性鞘体40が外挿されており、針先37が気密的に被覆されており、血液の漏洩を防止し得るように構成されている。
【0006】
マルチプル採血針39を用いる場合には、マルチプル採血針39とホルダー33とからなる組立て体を用意した後、血管にマルチプル採血針39の針先38を刺入する。しかる後、採血容器30がホルダー33内に挿入されて、採血容器30と血管とが連通される。
【0007】
図5(a)に示した栓体31に用いられる弾性材料では、採血容器内部の減圧度を維持することができるガスバリヤー性が要求される。また、針先37が引き抜かれた後の針穴シール性も求められる。
【0008】
従って、従来、上記弾性材料としては、架橋イソプレンゴムまたは架橋ブチルゴム、架橋イソブチレン・イソプレンゴムなどが用いられていた。しかしながら、これらの弾性材料では、加硫反応工程に長時間を要するという問題があった。さらに、加硫反応剤または加硫反応副産物などからなる溶出性物質を水洗により除去しなければならなかった。従って、生産性が十分でなかった。そのため、これらの架橋ゴムに代わるものとして、種々の熱可塑性エラストマーを用いた栓体が提案されている。
【0009】
もっとも、熱可塑性エラストマーからなる栓体では、ガスバリヤー性が低いという問題があった。そこで、下記の特許文献2には、ガスバリヤー性が低い熱可塑性エラストマーからなる栓体本体に、ガスバリヤー性が高い膜を被着した構造、あるいはガスバリヤー性が高い膜を埋設した構造が提案されている。
【0010】
上記熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系、エチレンプロピレン系、EVA系、EEA系、スチレン系などの各種エラストマーが挙げられており、またガスバリヤー性の高い膜を構成する材料としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられている。
【0011】
そして、上記栓体の成形に際しては、ガスバリヤー性材料である高分子材料を射出成形や真空成形等により成形した後、インサート成形により熱可塑性エラストマーと接合させる方法、熱可塑性エラストマー及びガスバリヤー性材料である高分子材料を射出成形や真空成形などにより成形した後、高周波シール、超音波シールまたはヒートシールなどにより接着もしくは溶着する方法、あるいは、熱可塑性エラストマー及びガスバリヤー性材料である高分子材料を同時に射出成形する方法などが挙げられている。
【0012】
しかしながら、上記のような熱可塑性エラストマーとガスバリヤー性材料との接着性あるいは溶着性は低く、インサート成形や各種シール方法を採用したとしても、両者が容易に剥離するおそれがあった。また、両者を同時に射出成形したとしても、栓体中にガスバリヤー性材料を膜状に形成することは困難であり、特に、多数個取りの射出成形では、両材料を各キャビティに均一に分配することは極めて困難であり、実際的ではなかった。仮に成形が可能であったとしても、両材料の接着性あるいは溶着性が乏しいため、両材料の界面での剥離が生じやすく、栓体としてのガスバリヤー性を発揮しないおそれが大きかった。
【0013】
また、射出成形が可能であり、生産性に優れた栓体が、下記の特許文献3、特許文献4、及び特許文献5などにおいても提案されている。これらの先行技術では、射出成形可能な材料として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが用いられているが、弾性やガスバリヤー性を確保するために、未架橋のブチルゴムや平板状の無機充填剤などが配合されている。
【0014】
しかしながら、未架橋のブチルゴムや平板状の無機充填剤などを配合した場合、圧縮永久歪みが大きくなり、採血管との密着力が経時により低くなり、減圧度が低下するおそれがあった。また、針穴シール性が十分でないため、別の種類の熱可塑性エラストマーを針管刺通部に組み込む必要があった。さらに、多量の無機充填剤を配合した場合には、針の刺通抵抗も大きくならざるを得なかった。
【0015】
他方、下記の特許文献6及び特許文献7では、針刺し可能な弾性部材に熱可塑性エラストマーのような射出成形可能な材料が用いられており、さらに血液の飛沫を遮断するカバーが栓体に被せられた構造が提案されている。しかしながら、熱可塑性エラストマーのガスバリヤー性の改善については特に言及されておらず、別種のガスバリヤー性シートが上記カバーの上面に取り付けられているに過ぎない。
【0016】
また、下記の特許文献8、特許文献9、特許文献10及び特許文献11などにおいては、典型的なゴム栓とは異なる栓体が開示されている。すなわち、アルミ箔と針穴シール性ゴムシートあるいはゴムチップなどからなる積層シートが、直接採血容器の開口端部に融着または接着されて栓体が構成されている。この新しい形式の栓体では、アルミ箔のようなガス非透過性材料が用いられているため、ガスバリヤー性において優れている。また、アルミ箔は薄いため、採血針の刺通抵抗も非常に小さく、採血作業の負担を軽減することができるとされている。また、このシートを用いた栓体は、生産性においても優れている。しかしながら、採血容器の開口端部に直接融着された栓体は、一旦剥離されると、再度着脱することができない。従って、検体の保存には別途着脱可能な栓体を用いねばならなかった。
【0017】
また、下記の特許文献12には、射出成形可能な熱可塑性樹脂からなる栓体の軸心に沿って針管が通り抜けることが可能な連通孔が設けられており、該連通孔に注射針が挿入される弾性密封部材が充填されている栓体、あるいはアルミ箔と加硫ゴムシートの積層密封部材により上記連通孔が密封されている栓体が開示されている。この先行技術に記載の栓体と採血容器との嵌合は、弾性嵌合ではなく、硬質の熱可塑性樹脂同士の強嵌合である。従来のゴム弾性を有する栓体を用いた場合には、採血済みの採血管から一旦抜き取った後に再度挿入した場合、密封性が非常に優れているため、栓体挿入中に採血管内部の空気が圧縮されて内部の気圧が高まり、栓体がその反力により浮き上がるおそれがあった。
【0018】
これに対して、特許文献12に記載の栓体は上記のように採血容器に強嵌合されているため、このような栓体の浮き上がりが防止される。また、この先行技術では、弾性嵌合ではなく強嵌合であっても、採血管内部の減圧は確実に維持されるとされている。
【0019】
しかしながら、熱可塑性樹脂の成形には、成形不良や残留歪みによる変形が避けられない。従って、栓体と採血管の内壁との密着性が損なわれることがあり、従ってこのような強嵌合方式は真空採血管において実用的なものではなかった。
【0020】
【特許文献1】
特開昭62−227316号公報
【特許文献2】
特開昭57−59536号公報
【特許文献3】
特開昭58−58057号公報
【特許文献4】
特開昭61−64253号公報
【特許文献5】
特開昭59−28965号公報
【特許文献6】
特開平4−279152号公報
【特許文献7】
特開平7−51253号公報
【特許文献8】
特開昭57−154057号公報
【特許文献9】
実開昭62−160908号公報
【特許文献10】
特開平1−76831号公報
【特許文献11】
特開平2−174835号公報
【特許文献12】
特開平3−97450号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、生産性に優れており、検体採取容器内の減圧度を維持することができ、針管刺通性、及び針穴シール性に優れた気密容器用栓体を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器の開口部を着脱自在に気密封止するための栓体であって、熱可塑性または熱硬化性エラストマーからなる栓体本体と、栓体本体の表面または内部に配置されているガスバリヤー性フィルムとを備え、前記ガスバリヤー性フィルムが、伸長性の熱可塑性樹脂層からなるガスバリヤー性材料層と、前記栓体本体に融着または接着可能な伸長性の熱可塑性樹脂層からなる第2の材料層とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0023】
上記第2の材料層は、好ましくは、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性エラストマーからなり、その場合には、ガスバリヤー性フィルムが栓体本体に対して強固に密着される。
【0024】
本発明のある特定の局面では、ガスバリヤー性フィルムが、前記栓体本体の成形温度以上の融点またはビカット軟化点を有する伸長性の熱可塑性樹脂層からなる第3の材料層をさらに備える。この場合には、第3の材料層により成形に際してのガスバリヤー性フィルムのメルトダウンを抑制することができる。
【0025】
本発明に係る気密容器用栓体のさらに別の特定の局面では、前記ガスバリヤー性フィルムが潤滑成分を含む。
本発明に係る気密容器用栓体のさらに他の特定の局面では、上記栓体本体が潤滑成分を含む。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0027】
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る気密容器用栓体を示す部分切欠半断面正面図及び(a)の円Aで示す部分を拡大して示す断面図である。気密容器用栓体1は、栓体本体2と、栓体本体2内に埋設されたガスバリヤー性フィルム3とを有する。
【0028】
栓体本体2は、真空採血管などの容器の開口部に圧入される略円筒状の足部2aを有する。足部2aの上方に、相対的に径の大きな頭部2bが形成されている。頭部2bの外径は、取り付けられる容器の開口部の内径よりも大きくされている。従って、頭部2bの下面であって、足部2aよりも外側に伸びている段差部2cが、容器の開口部上端に接触される。
【0029】
栓体本体2の中央には、頭部2bの上面に開いた中空部2dが構成されている。中空部2dは足部2aの中間高さ位置に至るように形成されている。中空部2dを設けることにより、栓体本体2の足部2aの底面部分の厚みが薄くされており、それによって採血針の針先刺通性が高められている。また、マルチプル採血針のゴム鞘の圧縮率を低減できるためキックバックを防止できる。
【0030】
ガスバリヤー性フィルム3は、足部2a内に埋設されている。ガスバリヤー性フィルム3の足部2a内に埋設されている部分は、足部2aの底面2a1の上方に位置された曲面状部分3aと、曲面状部分3aの外周縁から上方に連ねられた筒状部分3bとを有する。もっとも、ガスバリヤー性フィルム3は、足部2aに埋設されている筒状部分3bの上端の外周縁から外側に連なるように頭部2b内に埋設されているフランジ部分3cをも有する。
【0031】
本実施形態では、栓体本体2は、熱可塑性エラストマーにより構成されている。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、エステル系またはシリコーン系エラストマーなどを主成分とするものが適宜用いられる。これらの各エラストマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。好ましくは、圧縮永久歪みが比較的小さく、かつ安価であるため、スチレン系エラストマーまたは動的架橋オレフィン系エラストマーが好適に用いられる。
【0032】
なお、栓体本体2は、熱硬化性エラストマーで構成されてもよい。熱硬化性エラストマーとしては、天然あるいは合成イソプレン系、エチレンプロピレンジエンモノマー系、イソプレンイソブチレン系、ニトリルブタジエン系、クロロプレン系、またはシリコーン系エラストマーなどを主成分とするものが適宜用いられる。これらのエラストマーについても、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。中でも、圧縮永久歪みが比較的小さく、安価であるため、合成イソプレン系エラストマーまたはエチレンプロピレンジエンモノマー系エラストマーが好適に用いられる。
【0033】
栓体本体2のJIS硬度AまたはASTMのショア硬度Aは、80以下であることが好ましく、より好ましくは70以下である。硬度が高すぎると、針管刺通抵抗や採血管への装着抵抗が大きくなり過ぎたり、採血管の内面に対する密着性が低下したりすることがあり、作業性や気密性が低下することがある。
【0034】
本実施形態では、上記伸長性の熱可塑性ガスバリヤー性フィルム3は、ガスバリヤー性材料層4とガスバリヤー性材料層4の片面に積層されており、かつ栓体本体2の成形温度よりも高い融点またはビカット軟化点を有する第3の材料層6とを有する。また、ガスバリヤー性材料層と第3の材料層とが積層されている積層構造の両側には、栓体本体2との融着性を高めるための融着性の第2の材料層5a,5bが積層されている。すなわち、第2の材料層5a,5bは、栓体本体2に融着されるように、上記ガスバリヤー性フィルム3の最外層に位置されている。言い換えれば、第2の材料層5a,5bは、栓体本体2に融着されるように配置されている。このような積層体により、ガスバリヤー性フィルム3が構成されている。
【0035】
上記ガスバリヤー性材料層4は、気密容器内の減圧度を維持することを可能とするために、ガス透過性が低い材料で構成されている。このようなガス透過性の低い材料とは、具体的には、25℃における酸素の透過度が25μmの膜厚あたり、500ml/m2・24hr・atm以下のものをいうものとする。このようなガスバリヤー性材料としては、特に限定されないが、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレートなどのそれ自体のガス透過係数が小さな熱可塑性樹脂を実質的に未延伸状態で製膜したものを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0036】
また、上記ガス透過性が小さい熱可塑性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに、数十〜数百nm程度の粒径の粘土系鉱物を微分散させた複合材料を用いてもよい。また、熱可塑性樹脂フィルム基材の片面もしくは両面に、アルミニウムやシリカなどを蒸着してなる材料により、ガスバリヤー性材料層4を構成してもよい。
【0037】
好ましくは、栓体本体2を成形する際に、図1(a)に示した形状となるようにガスバリヤー性フィルム3が引き伸ばされる過程において、熱可塑性樹脂フィルム基材上に密着されたアルミニウムやシリカなどがひび割れたりしてガスバリヤー性が著しく低下することがあるため、1種または2種以上のそれ自体のガス透過性の小さな熱可塑性樹脂からなるガスバリヤー性材料層が好適に用いられる。
【0038】
上記第3の材料層6は、栓体本体2を成形する際のガスバリヤー性フィルム3のメルトダウン、または急激な延伸によって引き裂かれるのを防止するために用いられており、第3の材料層6は上記成形温度よりも高い融点またはビカット軟化点を有する限り特に限定されない。例えば、栓体本体を、合成イソプレン系熱硬化性エラストマーで構成し、130℃で加硫成形する場合には、第3の材料層6として、変性ポリプロピレン(融点140℃、ビカット軟化点約110℃)、ポリプロピレン(融点約160℃、ビカット軟化点約140℃)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(融点約170℃)、ナイロン6(融点約220℃、ビカット軟化点約200℃などの伸長性の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。また、例えば、栓体本体2が、エチレンプロピレン系熱可塑性エラストマーで構成され、180℃で射出成形される場合には、上記第3の材料層6は、ナイロン6(融点220℃、ビカット軟化点200℃)などの伸長性の熱可塑性樹脂により構成することができる。引き裂き、突き破りを防止するためにはナイロン6が好適に用いられる。
【0039】
上記融着性材料からなる第2の材料層5a,5bは、栓体本体2を構成する材料と融着性または接着性を示す適宜の材料で構成される。例えば、栓体本体2が、スチレン系あるいは動的架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー、または合成イソプレン系もしくはエチレンプロピレンジエンモノマー系熱硬化性エラストマーで構成されている場合には、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系熱可塑性樹脂、あるいはこれらにカルボキシル基や水酸基などを含む共重合モノマー成分を少量共重合してなる変性オレフィン系熱可塑性材料などが好適に用いられる。また、栓体本体2がエステル系熱可塑性エラストマーで構成されている場合には、第2の材料層5a,5bは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの伸長性の熱可塑性樹脂などを用いて構成することができる。いずれの場合においても、栓体本体2の成形温度以下の融点あるいはビカット軟化点を有する材料により、第2の材料層5a,5bが構成される。
【0040】
上記ガスバリヤー性フィルム3を構成するガスバリヤー性材料層4、第2の材料層5a,5b及び第3の材料層6の厚みは、十分なガスバリヤー性を果たし、容器内の減圧度を長期間にわたり維持し得る限り、特に限定されないが、栓体本体2の成形に際しての成形の容易性及びガスバリヤー性フィルムの破損の抑制を図るには、それぞれ、5μm〜100μm、10μm〜1000μm、10μm〜100μm程度の厚みとすることが望ましい。
上記ガスバリヤー性フィルム3は、各層を構成する熱可塑性樹脂材料をシート状あるいは筒状に共押し出しして、ロール圧延あるいはインフレーションにより肉厚を調整することで得られるが、その際に強い引っ張り力を加えないことで、伸長性が付与される。なお、各層を構成する材料間の接着/融着性が乏しい場合は、層間に変性オレフィン系熱可塑性材料等を同時に共押し出しすればよい。
【0041】
上記ガスバリヤー性フィルム3が埋設されている気密容器用栓体1を得るにあたっては、栓体本体2の成形に際しガスバリヤー性フィルム3が埋設される。例えば、加硫成形により栓体本体2が成形される場合には、2枚の生ゴム配合物でガスバリヤー性フィルム3を挟み、成形温度に加熱された金型の分割面にセットした後、金型を閉じ、通常の手順に従って、真空排気し、加圧下において加硫成形を行えばよい。
【0042】
また、射出成形法を用いる場合には、栓体本体2の頭部2bと、足部2aの2箇所にゲートを有する金型が用いられる。この金型の分割面に、ガスバリヤー性フィルム3がセットされた後、金型を閉じ、通常の手順に従って射出成形が行われる。
【0043】
上記いずれの成形方法においても、伸長性の熱可塑性ガスバリヤー性フィルム3は、金型の凹凸部分や栓体材料の流動に応じて伸長しつつ、栓体内に埋設された状態で栓体本体2が成形される。ガスバリヤー性フィルム3が製造時に強く延伸された延伸フィルムからなる場合には、栓体本体2の成形に際して、金型の凹凸や栓体材料の流動に応じて変形できなくなる。そのため、ガスバリヤー性フィルムが裂けたり、栓体本体2が欠損するなどの成形不良を起こしやすい。従って、本発明では、上記ガスバリヤー性フィルムは、伸長性の熱可塑性樹脂フィルムにより構成されている。
【0044】
図2(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る気密容器用栓体11の半断面正面図及び(a)中の円Bを拡大して示す断面図である。
本実施形態では、栓体本体2の形状自体は、第1の実施形態の栓体本体2と同様に構成されている。従って、同一部分については、同一の参照番号を付することにより、その説明を省略する。
【0045】
本実施形態では、ガスバリヤー性フィルム13が、栓体本体2の非接液面側の外表面に形成されている。すなわち、ガスバリヤー性フィルム13は、栓体本体2の中空部2dの内壁及び底面を覆うように形成されており、さらに栓体本体2の頭部2bの上面を経て頭部2bの外周側面に至るように形成されている。
【0046】
ガスバリヤー性フィルム13は、上記のように栓体本体2の外表面に融着または接着されているため、ガスバリヤー性フィルム13では、片面にのみ第2の材料層13bが形成されている。
【0047】
すなわち、ガスバリヤー性フィルム13は、ガスバリヤー性材料層13aと、ガスバリヤー性材料層13aの内面に形成された第2の材料層13bと、外側の面に形成された高融点または高ビカット軟化点材料からなる第3の材料層13cとを有する。
【0048】
栓体本体2を構成する材料、ガスバリヤー性材料層13aを構成する材料、第2の材料層13bを構成する材料及び第3の材料層13cを構成する材料は、それぞれ、第1の実施形態の冒頭の部分の材料と同様である。
【0049】
本実施形態においては、上記ガスバリヤー性フィルム13が栓体本体2の外表面において、上記のように融着または接着されているため、気密容器用栓体11を容器の開口部に装着した場合、内部の減圧を確実に維持することができる。すなわち、気密容器用栓体2を通した気体の検体採取容器内部への抜けが、上記ガスバリヤー性フィルム13により確実に防止される。
【0050】
なお、上記ガスバリヤー性フィルム13を、栓体本体2の表面に融着または接着する方法は、特に限定されない。例えば、栓体本体2が加硫成形により得られる場合には、栓体本体2を構成するための生ゴム配合物と、ガスバリヤー性フィルム13とが重ねられ、成形温度に加熱した金型の分割面にセットされ、しかる後金型を閉じて、通常の手順で真空排気した後、加圧下において加硫成形が行われる。
【0051】
また、射出成形法の場合は、栓体本体2の足部2aにゲートを有する金型が用いられ、金型の分割面にガスバリヤー性フィルムをセットした後、金型を閉じ、通常の手順に従って射出成形が行われる。
【0052】
いずれの方法においても、伸長性の熱可塑性ガスバリヤー性フィルムは、金型の凹凸部分や栓体材料の流動に応じて伸長しつつ、栓体本体2の表面に確実に融着される。
【0053】
第2の実施形態から明らかなように、本発明においては、ガスバリヤー性フィルムは栓体本体の外表面に融着または接着されていてもよい。
図3(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る気密容器用栓体21を説明するための半断面正面図及び円Cで示す部分を拡大して示す断面図である。
【0054】
栓体本体22は、容器の開口部に圧入される足部22aと、足部22aの上方に配置された頭部22bとを有する。なお、足部22aと頭部22bとの間には段差面22cが存在している。ここでは、針の刺通抵抗を弱めるために、栓体本体22の上面中央に凹部22dが、足部22aの下面中央に凹部22eが形成されており、それによって栓体本体22の中央部の肉厚が薄くされている。
【0055】
その他の栓体本体22の形状については、第1の実施形態とほぼ同様である。また、栓体本体22を構成する材料は、第1の実施形態の栓体本体2と同様である。
【0056】
本実施形態では、ガスバリヤー性フィルム23は、栓体本体22の接液面側の外表面に融着または接着されている。もっとも、ガスバリヤー性フィルム23は、栓体本体22の足部の外表面に融着されており、さらに段差22cに至るように形成されている。従って、検体本体22を上記の開口部に足部22a側から圧入した場合、上記の開口部上端がガスバリヤー性フィルム23に密着するため、並びに容器本体開口部の内壁と足部22aとがガスバリヤー性フィルム23を介して密着されるため、第1の実施形態と同様に、検体採取容器内の減圧度を確実に維持することができる。
【0057】
ガスバリヤー性フィルム23は、ガスバリヤー性材料層23aと、ガスバリヤー性材料層23aの内側に積層された融着性材料からなる第2の材料層23bと、ガスバリヤー性材料層23aの外側に積層された高融点または高ビカット軟化点の第3の材料層23cと、第3の材料層の外側に配置された第4の材料層23dとを有する。すなわち、これらの材料層からなる積層体の最外層であって、採血管の内壁に密着する部分に、第4の材料層23dが形成されている。第4の材料層23dは、熱可塑性エラストマー材料からなる。
【0058】
気密容器用栓体では、上記の開口部に嵌合される部分は足部22aである。従って、足部22aは、容器の開口近傍の内壁の凹凸に柔軟に対応するものであることが必要である。また、ガスバリヤー性フィルムは、概して弾力性に乏しい。従って、第1,第2の実施形態で用いられたガスバリヤー性フィルム13,23を、第3の実施形態で採用した場合には、採血管などの容器の開口部に気密容器用栓体を嵌合した場合に、ガスバリヤー性フィルムに皺が寄りやすくなる。これに対して、第3の実施形態では、ガスバリヤー性フィルム23の外側に位置する最外層、すなわち採血管の内壁に接する層に、熱可塑性エラストマーからなる第4の材料層23dが配置されている。このような熱可塑性エラストマーとしては、栓体本体2を構成する材料と同様のものを用いることができる。
【0059】
なお、上記ガスバリヤー性材料層23a、融着性材料からなる第2の材料層23b及び高融点または高ビカット軟化点の材料からなる第3の材料層23cは、第1の実施形態におけるガスバリヤー性材料層、第2の材料層及び第3の材料層と同様の材料を用いてそれぞれ構成され得る。
【0060】
上記ガスバリヤー性フィルム23を栓体本体22の外表面に融着する方法についても特に限定されない。例えば、栓体本体22を加硫成形する場合には、生ゴム配合物とガスバリヤー性フィルム23とを重ね、成形温度に加熱した金型の分割面にセットした後、金型を閉じ、真空排気し、加圧下において加硫成形を行えばよい。
【0061】
また、射出成形法の場合には、栓体本体22の頭部22bにゲートを有する金型を用い、金型の分割面にガスバリヤー性フィルム23をセットした後、金型を閉じ、射出成形を行えばよい。
【0062】
いずれの方法においても、伸長性の熱可塑性フィルムを有するガスバリヤー性フィルム23は、金型の凹凸や栓体材料の流動に応じて伸長し、栓体本体22の足部22aの外表面に確実に融着された状態で成形される。
【0063】
また、気密容器用栓体を採血管などの容器の開口部へ着脱を容易とするために、各種オイル、ワックス、脂肪酸/脂肪酸塩、脂肪酸アミド、界面活性剤、可塑剤または滑性無機微粉末などの潤滑材料をスプレー、浸漬法、塗擦などの従来より公知の方法により塗布してもよいが、第3の実施形態ではこれらの潤滑剤を成形前に予め上記第4の材料層23dに配合しておいてもよい。好ましくは、成形前に潤滑剤を配合しておくことにより、製造工程を簡略化することができる。
【0064】
なお、前述した第1,第2の実施形態においては、栓体本体2に、上記のような潤滑剤を予め配合しておいてもよく、それによって気密容器用栓体1,11の採血管などの容器の開口部への着脱が容易とされる。
【0065】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げることにより、発明の効果を明らかにする。
以下の実施例では、図1に示した実施形態の気密容器用栓体1を加硫成形法により得た。得られた栓体の寸法は下記の図4に示す通りとした。なお、栓体本体2の頭部と足部との間の段差部分が金型の分割面である。
【0066】
〔実施例1〕
下記の表1の実施例1の項に示す構成の伸長性(未延伸)の熱可塑性ガスバリヤー性フィルムを用意した。
【0067】
予め加硫促進剤を配合してなる合成イソプレン生ゴム2枚の間に上記ガスバリヤー性フィルムを挟み込んだ。しかる後、125℃に予備加熱された加硫成形用金型を分割面で開き、上記ガスバリヤー性フィルムと生ゴム板との積層体をセットした。しかる後、金型を閉じ、真空排気し、125℃で10分間、加熱加圧成形した。
【0068】
別途、ポリエチレンテレフタレートを用い、開口端の内径が10.7mm、全長が100mm、容量が7mlの採血管を射出成形により得た。この採血管に、減圧状態で上記のようにして得た気密容器用栓体を打栓し、6ml採血用の真空採血管を作製した。
【0069】
〔実施例2〕
ガスバリヤー性フィルムの構成を下記の表1に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして気密容器用栓体を得、かつ実施例1と同様にして真空採血管を作製した。
【0070】
〔比較例1〜3〕
下記の表1に示す構成のガスバリヤー性フィルムを用いたことを除いては実施例1と同様にして、気密容器用栓体を成形し、かつ実施例1と同様にして真空採血管を作製した。
【0071】
〔比較例4〕
比較例4では、コントロールとして、ガスバリヤー性フィルムを用いず、イソプレンゴム及びブチルゴムのみを用いて、その他は実施例1と同様にして気密容器用栓体を成形し、かつ真空採血管を作製した。
【0072】
〔比較例5〕
比較例5では、コントロールとしてブチルゴムのみを用いて、その他は実施例1と同様にして、気密容器用栓体を成形し、かつ真空採血管を作製した。
【0073】
〔評価〕
実施例1,2及び比較例1〜5で得た各気密容器用栓体の成形に際しての成形性と、ガスバリヤー性フィルムと栓体本体との融着性を評価した。また、真空採血管の減圧度維持特性について、真空採血管作製直後と60℃で1週間維持した後の吸引水量を測定し、直後を100%とした時の吸引水量減衰率を評価した。
【0074】
結果を下記の表2に示す。
【0075】
【表1】
Figure 0004203306
【0076】
表1において、LDPEは低密度ポリエチレン、L−LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、EVOHはエチレンビニルアルコール共重合体、Nyはナイロン6、PETはポリエチレンテレフタレートを示す。
【0077】
【表2】
Figure 0004203306
【0078】
実施例1,2では、成形性、ガスバリヤー性フィルムと栓体本体との融着性が共に良好であった。成形性においては、実施例1,2は、比較例4,5の場合と同等であり、設計寸法通りの栓体を得ることができた。これに対して、比較例1では、片面のナイロン6がイソプレンゴムと融着しなかったため、僅かの力で栓体が2つに引き裂かれてしまった。比較例2,3では、ガスバリヤー性フィルムが栓体の形状に追従できず、成形不良となった。
【0079】
実施例2の栓体を装着した真空採血管の減圧度維持特性評価における吸引水量減衰率は、比較例4の場合に比べて極めて小さく、比較例5と同等レベルである。従って減圧度維持特性が良好であることがわかる。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る気密容器用栓体では、栓体本体の表面または内部に、栓体本体に融着または接着されている、熱可塑性樹脂からなるガスバリヤー性材料層を有するガスバリヤー性フィルムを備えるため、ガスバリヤー性に優れており、例えば真空採血管などの気密容器を構成した場合、内部の減圧度を確実に維持することができる。さらに、第2の材料層が、栓体本体2に対して、融着性に優れているため、ガスバリヤー性フィルムが栓体本体に確実に融着される。また、上記ガスバリヤー性フィルムが伸長性の熱可塑性樹脂からなるものであるため、成形性においても優れており、従って、栓体本体の内部や外表面の形状に沿ったガスバリヤー層を確実に形成することができる。よって、上記のようなガスバリヤー性に優れた気密容器用栓体を安定にかつ安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る気密容器用栓体の半断面正面図及び(a)中の円Aで囲まれた部分を拡大して示す断面図。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る気密容器用栓体の半断面正面図及び(a)中の円Bで囲まれた部分を拡大して示す断面図。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る気密容器用栓体の半断面正面図及び(a)中の円Cで囲まれた部分を拡大して示す断面図。
【図4】実施例で用意された栓体の寸法を説明するための半断面正面図。
【図5】従来の真空採血システムを説明するための図であり、(a)は真空採血容器を示す断面図、(b)は真空採血用ホルダーを示す断面図、(c)は真空採血針を示す正面図。
【図6】真空採血システムを用いた採血方法を説明するための略図的斜視図。
【図7】従来の真空採血法に用いられる真空採血針の他の例を説明するための正面図。
【符号の説明】
1…気密容器用栓体
2…栓体本体
2a…足部
2b…頭部
2c…段差
2d…中空部
3…ガスバリヤー性フィルム
4…ガスバリヤー性材料層
5a,5b…第2の材料層
6…第3の材料層
11…気密容器用栓体
13…ガスバリヤー性フィルム
13a…ガスバリヤー性材料層
13b…第2の材料層
13c…第3の材料層
21…気密容器用栓体
22…栓体本体
22a…足部
22b…頭部
22c…段差
22d…凹部
22e…凹部
23…ガスバリヤー性フィルム
23a…ガスバリヤー性材料層
23b…第2の材料層
23c…第3の材料層
23d…第4の材料層

Claims (4)

  1. 容器の開口部に着脱自在に挿入され、かつ、該容器の開口部を着脱自在に気密封止するための栓体であって、
    前記開口部に圧入される足部と、足部の上方に相対的に径の大きな頭部とが形成された、熱可塑性または熱硬化性エラストマーからなる栓体本体と、栓体本体の表面または内部に配置されているガスバリヤー性フィルムとを備え、前記ガスバリヤー性フィルムが、伸長性の熱可塑性樹脂層からなるガスバリヤー性材料層と、前記栓体本体に融着または接着可能な伸長性の熱可塑性樹脂層からなる第2の材料層と、前記栓体本体の成形温度以上の融点またはビカット軟化点を有する伸長性の熱可塑性樹脂層からなる第3の材料層とを少なくとも含むことを特徴とする、気密容器用栓体。
  2. 前記第2の材料層が、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性エラストマーからなる、請求項1に記載の気密容器用栓体。
  3. 前記ガスバリヤー性フィルムが潤滑成分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の気密容器用栓体。
  4. 前記栓体本体が、潤滑成分を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の気密容器用栓体。
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