JP4299164B2 - 可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents
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Description
このものは、クランクシャフトの基準回転位置でクランク角信号を出力するクランク角センサと、カムシャフトの基準回転位置でカム信号を出力するカムセンサとを備え、前記基準回転位置のずれ角に基づいてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を検出し、この回転位相が目標になるように可変バルブタイミング機構をフィードバック制御するようにしている。
クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相の実際値を、前記カムシャフトの回転周期よりも短い周期で検出できる回転位相検出手段を備え、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を機関運転状態に応じて設定される目標回転位相に一致させる方向の制御を、機関回転速度が所定回転速度以下かつ前記回転速度検出手段により検出した前記回転位相の実際値と前記目標回転位相との偏差が所定値以上であるときにはフィードフォワード制御とする一方、機関回転速度が前記所定回転速度を超えているとき又は前記偏差が前記所定値を下回っているときにはフィードバック制御とすることを特徴とする。
このようにすると、回転位相の検出周期が長くなる低回転領域においても、実際の回転位相(バルブタイミング)を目標回転位相(目標バルブタイミング)へと速やかに制御することができる。これにより、機関始動時における制御性が改善され、特に冷機時の始動性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記回転位相検出手段は、前記クランクシャフトの基準回転位置及び単位クランク角度毎に信号を出力する第1センサと、前記カムシャフトの回転位置に応じて異なる信号を出力する第2センサと、を備え、前記第1センサ及び前記第2センサの出力信号に基づいて前記回転位相の実際値を検出する。
また、第1センサ及び第2センサの出力信号に基づいて、前記回転位相の実際値を任意のタイミングで検出することができる。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト134、排気側カムシャフト110に設けられたカムによって開閉駆動されるが、吸気側カムシャフト134には、可変バルブタイミング機構(VTC)113が設けられている。
なお、本実施形態では吸気バルブ105側のみにVTC113を備える構成としたが、吸気バルブ105側に代えて又は吸気バルブ105側と共に、排気バルブ107側にVTC113を備える構成であっても良い。
マイクロコンピュータを内蔵するECU114には、各種センサからの出力信号が入力され、該信号に基づく演算処理によって、前記電子制御スロットル104、VTC113及び燃料噴射弁131を制御する。
一方、ヒステリシスブレーキ320は、中間回転体318の前端部にリテーナプレート322を介して取り付けられた有底円筒状のヒステリシスリング323と、非回転部材である図外のVTCカバーに回転を規制した状態で取り付けられた磁界制御手段としての電磁コイル324と、電磁コイル324の磁気を誘導する磁気誘導部材であるコイルヨーク325と、を備え、電磁コイル324が機関の運転状態に応じて前記ECU114によって通電制御されるようになっている。具体的には、ECU114は、電磁コイル324に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
コイルヨーク325は、電磁コイル325を取り囲むように全体が略円筒形状に形成され、その内周面が軸受328を介して従動軸部材307の先端部に回転可能に支持されている。そして、コイルヨーク315の後部面側(中間回転体318側)には磁気入出部分が円筒状の隙間をもって向かい合うように周面状の一対の対向面326,327が形成されている。
そして、一方の対向面326の凸部326aと他方の対向面327の凸部327aは円周方向に交互に配置され、対向面326,327相互の近接する凸部326a,327aがすべて円周方向にずれている。従って、両対向面326,327の近接する凸部326a,327a間には、電磁コイル24の励磁によって図7に示すような円周方向に傾きをもった向きの磁界が発生する。そして、両対向面326,327間の隙間には前記ヒステリシスリング323の円筒壁323aが非接触状態で介装されている。
図8(a)の状態においては、コイルヨーク325の両対向面326,327間における磁界の向き(対向面27の凸部327aから他方の対向面326の凸部327aに向かう磁界の向き)に沿うようにヒステリシスリング323内に磁束の流れが生じる。
回転体401は直接又は他の部材を介して間接的に吸気カムシャフト134に固定されており、その外周は、図10に示すように、吸気側カムシャフト134の中心からの距離が周方向で徐々に変化するよう形成されている。ギャップセンサ402は、吸気側カムシャフト134と回転に伴って変化する回転体401の外周とのギャップGpに応じた信号(電圧)をECU114に出力する。なお、回転体401は、吸気側カムシャフト134と共に回転するように設けられていれば、その固定方法や固定位置等は問わず、また、ギャップセンサ402は、回転体401の外周とのギャップGpに応じた信号を連続的に出力できればいずれの方式のものであってもよい。
図13は、バルブタイミング制御のメインルーチンを示すフローチャートである。このフローは、キースイッチがONされると開始され、所定時間(例えば、10ms)毎に実行される。
S12では、吸気バルブ105の実際のバルブタイミング(実回転位相)θdet(deg)を検出する。かかる検出は、クランク角センサ117及びギャップセンサ402の検出信号に基づいて、すなわち、前記第2回転位相検出手段により行う。
S14では、スタートスイッチがONであるか否かを判定する。スタートスイッチがONであればS15に進み、OFFであればS21に進む。なお、スタートスイッチのON/OFF判定に代えて、始動モータのON/OFF判定としてもよい。
S16では、機関回転速度Neの前回値Nezからの変化量ΔNeが所定値Ns2(例えば、100rpm)以下であるか否かを判定する。ΔNe≦Ns2であればS17に進み、ΔNe>Ns2であればS21に進む。
S20では、クランキング中であり、かつ、電磁コイル324への通電量を大きくしても問題のない場合であるので、吸気バルブ105のバルブタイミングを最遅角タイミングから始動時タイミングへと速やかに制御するように、所定のデューティ値(Duty=n%)とした制御信号EVTCDYTをVTC113(の電磁コイル324)に出力する。ここで、出力するデューティ値は固定値(例えば、n=100%)としてもよいが、あらかじめ前記偏差Erに応じて出力すべきデューティ値を求めてテーブル等を作成しておき、偏差Erに応じて可変設定するのが望ましい。精度よく始動時タイミングへと制御するためである。また、この場合においては、さらに、冷却水温度Twに応じてデューティ値を補正するようにしてもよい。
S101では、機関が回転しているか(回転を開始したか)否かを判定する。機関が回転中であればS102に進み、回転していなければVTC113が動作しないのでS105に進んで目標回転位相θtgを0(deg)とする。
S103では、機関始動時(クランキング中)であるとして、始動時用の目標回転位相(始動時タイミング)θtgを設定する。かかる設定は、具体的には、冷却水温度(機関温度)Twに基づいて、図中に示すようなテーブルを検索することにより行う。ここで、始動時用の目標回転位相θtgは、冷却水温度Twが低いほど大きく設定される(進角側に設定される)。これは、低温始動時においては、吸気バルブ105の閉タイミングIVCを吸気下死点(BDC)に近づけて有効圧縮比を高めて始動性を向上させる一方、高温始動時においては、IVCをBDCから遠ざけるようにして振動の低減を図るようにしたものである。
また、クランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の回転位相を任意のタイミングで検出できれば、前記第2回転位相検出手段に限るものではなく、また、吸気側カムシャフト134の回転周期よりも短い周期で前記回転位相を検出するもので代用してもよい。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング機構の制御装置において、
機関温度を検出する温度検出手段を備え、
前記温度検出手段により検出した機関温度が所定温度を上回るときは、前記フィードフォワード制御を禁止することを特徴とする
このようにすると、可変バルブタイミング機構の電磁コイル(アクチュエータ)の温度が高いときに、電磁コイルへの通電量を大きくしてしまい、コイル温度が上昇し過ぎるような事態を回避できる。
(ロ)請求項1〜3、上記(イ)のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング機構の制御装置において、
バッテリ電圧を検出する電圧検出手段を備え、
前記電圧検出手段により検出したバッテリ電圧が所定値を下回るときは、前記フィーフォフォワード制御を禁止することを特徴とする。
(ハ)請求項2又は請求項3記載の可変バルブタイミング機構の制御装置において、
前記目標回転位相は機関温度に応じて設定され、
前記実際の回転位相と設定された目標回転位相との偏差に応じて、前記可変バルブタイミング機構に出力するフィードフォワード操作量を設定することを特徴とする。
Claims (3)
- 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させることで、機関の吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構の制御装置において、
機関回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転位相の実際値を、前記カムシャフトの回転周期よりも短い周期で検出できる回転位相検出手段を備え、
前記回転位相を機関運転状態に応じて設定される目標回転位相に一致させる方向の制御を、機関回転速度が所定回転速度以下かつ前記回転速度検出手段により検出した前記回転位相の実際値と前記目標回転位相との偏差が所定値以上であるときにはフィードフォワード制御とする一方、
機関回転速度が前記所定回転速度を超えているとき又は前記偏差が前記所定値を下回っているときにはフィードバック制御とすることを特徴とする可変バルブタイミングの制御装置。 - 前記機関回転速度の所定時間当たりの変化量が所定値を上回る場合には、前記フィードフォワード制御を禁止して前記フィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1記載の請求項1記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
- 前記回転位相検出手段は、
前記クランクシャフトの基準回転位置及び単位クランク角度毎に信号を出力する第1センサと、
前記カムシャフトの回転位置に応じて異なる信号を出力する第2センサと、を備え、
前記第1センサ及び前記第2センサの出力信号に基づいて前記回転位相の実際値を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可変バルブタイミングの制御装置。
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