JP4295625B2 - 展開可能な骨係合用突出部を有する脊椎融合インプラント、ならびにこれを使用するための器具および方法 - Google Patents

Description

椎間板空間内への直線的挿入によって配置させかつ隣接する椎体と接触させるのに適合させた上側および下側表面を有するような（隣接する椎体から隣接する椎体までインプラントを通過した骨の成長が可能であるような）押込み式脊椎融合インプラントは本関連技術分野において周知である。こうした押込み式脊椎融合インプラントは、Ｍｉｃｈｅｌｓｏｎによって発明され、かつ参照によって本明細書に組み込むことにする１９８８年６月２８日に提出された米国特許第５，７７６，１９９号で開示されている。押込み式脊椎融合インプラントは、移植空間内に容易に位置決めされること、ならびに高さ対幅に関して様々な比を有することが可能であることという利点を提供する。

湾曲型（ｌｏｒｄｏｔｉｃ）またはテーパ付きの押込み式脊椎融合インプラントも当技術分野で周知である。単に一例として、Ｍｉｃｈｅｌｓｏｎは、参照によって本明細書に組み込むことにする１９９５年６月７日に提出された米国特許第５，６０９，６３５号に開示されているようなインプラントを発明している。湾曲型またはテーパ付きの脊椎融合インプラントによれば、脊柱湾曲の復元または強化をより容易にすることができる。

インプラントが椎間板空間内に挿入された後に展開されることが可能な突出部を有する脊椎融合インプラントも、本関連技術分野において周知である。展開可能な突出部を有する脊椎融合インプラントの一例はＭｉｃｈｅｌｓｏｎによって発明されており、参照により本明細書に組み込むものとする同じ先の米国特許第５，７７６，１９９号に開示されている。展開可能な突出部を有するインプラントの別の例には、Ｚｉｅｎｔｅｋに対する米国特許第６，１７９，８７３号やＢｏｌｇｅｒらに対する国際公開ＷＯ ０１／０１８９４ Ａ１（ただし、これらに限らない）が含まれる。インプラントを椎骨に固定させるために回転可能な要素を有する脊椎融合インプラントの例としては、Ｗｉｎｇらに対する米国特許第６，２１０，４４２号、Ｍｅｒｉｗｅｔｈｅｒらに対する米国特許第６，０９０，１４３号、およびＫｎｏｔｈｅらに対する米国特許第５，８８８，２２８号が含まれる。

本関連技術のインプラントはいずれも有していないものとして、骨係合用突出部を備えた回転可能な内側部材がある（ただし、該突出部は、インプラントの内部に後退させてあり、インプラントを椎間板空間内に挿入できるようにされ、次いでインプラントの外部を通って延びるように展開されて、隣接する椎体と貫通可能に係合し、一方隣接する椎体から隣接する椎体までの骨成長が、内側回転可能部材および骨係合用突出部によって実質的に妨害されずに、インプラントの内部ならびに内側回転可能部材の内部を通過して、行うことが可能になる。）

上述の特徴のすべてを協働して提供するような脊椎融合インプラントに対する必要性が存在している。

本発明によれば、本明細書において具現化しかつ広範に記載しているように、少なくともその一部がヒトの脊椎の隣接する２つの椎体の間にある椎間板空間の概して復元された高さの範囲内でかつ該高さにまたがった移植のための脊椎融合インプラントであって、組み上げたインプラントを椎間板空間内に挿入できるようにハウジングの内部の後退済み位置に骨係合用突出部を有する実質的に中空の内側回転可能部材を備えた外部ハウジングを有する脊椎融合インプラントが提供される。この内側回転可能部材は、椎間板空間内へのインプラントの挿入前にハウジング内に挿入しておくことがあり、また別法として、そのハウジングが椎間板空間内に挿入され、引き続いて内側回転可能部材がハウジング内に挿入されることが可能である。インプラントは、インプラントをあまり回転させることなく直線的挿入によって椎間板空間内に挿入されることが好ましい。別法として、そのインプラントは、これを椎間板空間内に移植する間に少なくともその一部を概ね１８０度未満の角度だけ回転させることが可能であり、また椎間板空間内にねじり入れていない。挿入した後、内側回転可能部材を展開済み位置まで回転させ、これによって骨係合用突出部は隣接する椎体を貫通可能に係合するようにハウジングの外部を通って延び、インプラントの椎間板空間からの離脱に抵抗でき、椎間板空間に隣接する骨表面からより遠い椎体のより血管性の骨にアクセスでき、インプラントに対して隣接する椎体を安定化でき、かつ椎体を互いに安定化させることができる。脊椎インプラントは、隣接する椎体から隣接する椎体までハウジングを通り、かつ好ましくは実質的に追加の内部の機構による妨害を受けない内側回転可能部材の内部を通るような骨成長が可能となるように構成される。

一実施形態では、本発明の脊椎インプラントは、中空の内部および実質的に中空の回転可能部材をその内部に有するような外部ハウジングを有する。このインプラントおよび中空の構成要素のそれぞれ（すなわち、ハウジングおよび内側回転可能部材）は、骨（ただし、これに限らない）などの融合促進物質を保持するように適合されている。このハウジングは、比較的薄肉の壁と、開口と、開口を除く部分で好ましくは比較的滑らかな外部とを有することが好ましい。この回転可能部材は、骨成長促進材料を保持するように構成された開放内部と、その内部を通って骨が成長できるように開放内部と連絡するその内部に貫通させた少なくとも１つの開口とを有する。この回転可能部材は、概して円筒状または円錐台状の構成を有することが好ましく、壁が薄肉であることが好ましく、また外部ハウジングと接触しているがその意図した目的にとって十分な程度その内部で自由に回転できることが好ましい（ただし、必須ではない）。回転可能部材は、回転可能部材を回転させることによって隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合されている骨係合用突出部を有している。回転可能部材は、後退済み位置と展開済み位置の間でインプラントの中空の内部で回転するように適合されている。この骨係合用突出部は、展開させたときに隣接する表在性端部プレート表面の深さまで融合されるように椎間板空間に隣接する椎体を貫通させるためにインプラントの上側および下側表面にある開口のうちの少なくともいくつかを貫通して延びている。

好ましい一実施形態では、その骨係合用突出部は、椎体の骨を貫通するように適合された頂点を形成するように互いに対して角度を付けた前縁部と後縁部を備えた回転可能部材の長手方向の軸を横切る方向に向けたブレード様の構成を有する。その骨係合用突出部は、回転部材の相対する側に向けることが好ましく、また、互いに対角線の反対位置とすることがある（ただし、必須ではない）。骨係合用突出部は、２つの相対する骨係合用突出部の少なくとも頂点がその内部を通過する中間線の相対する側に来るようにして配置されることがある。骨係合用突出部のこうしたオーバセンタ配置によって、骨係合用突出部が完全に展開されたときにインプラントのより安定した構成が創出される。展開済み位置から後退済み位置まで移動させるために各骨係合用突出部の頂点を中間線を通って移動させなければならないため、相対する骨係合用突出部をオーバセンタ配置の状態にして回転可能部材を脱回転させるにはより多くのエネルギーが必要となる。

本発明の脊椎インプラントは、互いに対して概して平行とした、あるいは角度をもたせた上側および下側表面を有することがある。本発明の脊椎インプラントは、概して正方形状、矩形状、またはその意図する目的に適したその他任意の構成とした、インプラントの長手方向の軸を横切る１つの断面を有することがある。本発明の脊椎インプラントは、その高さに等しい幅、高さと比べてより大きい幅、または高さと比べてより小さい幅を有することがある。本発明の脊椎インプラントは、骨係合用突出部を備える複数の回転可能部材を有することがある。この回転可能部材は、概して円筒状の構成、概して円錐台状の構成、あるいはその意図する目的に適したその他任意の構成を有することが可能である。

本発明はさらに、脊椎インプラントを移植箇所内に挿入して骨係合用突出部を展開するように適合されたインプラント挿入器器具を目的としている。この挿入器器具は、回転可能部材を回転させて骨係合用突出部を展開させるためにインプラントの後端部を協働して係合するように構成されている。本発明はさらに、本発明による脊椎インプラントを挿入し展開させるための方法を目的としている。

ここで、その例を添付の図面に表しているような本発明の好ましい実施形態（例示的な実施形態）について詳細に参照することにする。可能な場合に常に、同じまたは同様の部分を示すためにこれらの図面の全体を通じて同じ参照番号を使用している。

図１〜６は、本発明に従った脊椎インプラント１００の好ましい実施形態、ならびにインプラント挿入器２００の好ましい実施形態を表している。インプラント１００は、ヒトの脊椎の隣接する２つの椎体間で最初に椎間板空間内に挿入するための前端部１０２と、前端部１０２の反対側にある後端部１０４と、上側表面１０６と、下側表面１０８と、上側表面１０６と下側表面１０８の間のサイド１１０、１１２とを備えた外部ハウジング１０１を有する。前端部１０２は、椎間板空間内へのインプラント１００の挿入を容易にするためにテーパを付けることがある。インプラント１００のハウジング１０１は、少なくとも一部分はその長手方向の軸Ｌを横切る概して正方形断面を有するように該長手方向の軸Ｌに沿っていることが好ましい。ハウジング１０１は概して矩形の断面あるいはその意図した目的に適したその他の断面構成を有することが可能であることを理解されたい。ハウジング１０１は、骨成長促進材料を保持するように構成された中空の内部１１４を有することが好ましい。この実施形態では、上側表面１０６および下側表面１０８は、少なくともその一部が非弓形（ｎｏｎ−ａｒｃｕａｔｅ）であることが好ましい。ハウジング１０１の上側表面１０６および下側表面１０８のそれぞれは、中空の内部１１４と連絡し、かつ隣接する椎体から隣接する椎体までハウジング１０１を通った骨の成長を可能にするように適合された少なくとも１つの開口１１６を有することが好ましい。上側表面１０６および下側表面１０８はさらに、中空の内部１１４からハウジング１０１の外部まで以下に記載される骨係合用突出部１３２がその内部を貫通することを可能にするように構成された複数の開口１１８を有することが好ましい。インプラント１００のサイド１１０、１１２も開口１１６を有することが可能である。

インプラント１００は、好ましくは少なくともその一部がハウジング１０１の中空の内部１１４に来るように構成された内側回転可能部材１２０を有しており、かつこの実施形態で表したように、ユーザによって中空の内部１１４内に挿入可能である。この実施形態では、回転可能部材１２０をその全体がハウジング１０１の中空の内部１１４に来るように表しているが、回転可能部材は必ずしも中空の内部１１４の中にその全体が位置する必要はないことを理解されたい。たとえば、回転可能部材は少なくともその一部が中空の内部１１４の外側にあるような外部フランジを有することもある。回転可能部材１２０は、実質的に中空であるとともに、前端部１２２と、後端部１２４と、外部表面１２６と、開放内部１２８とを有することが好ましい。後端部１２４は、たとえば、挿入器２００（以下で記載する）などの回転可能部材１２０を回転させるための器具を協働して係合するように構成されることが好ましい。たとえば、後端部１２４の内周は、六角形状としたり、あるいは回転可能部材１２０を回転させるための器具を協働して係合するのに適した別の任意の構成を有することが可能である。回転可能部材１２０の外部表面１２６は、その内部を貫通して骨が成長できるような少なくとも１つの開口１３０を有することが好ましい。回転可能部材１２０内の開口１３０のうちの少なくとも１つは、隣接する椎体から隣接する椎体までハウジング１０１を通りかつ回転可能部材１２０を通って骨が成長することを可能にするために、ハウジング１０１内の開口１１６のうちの少なくとも１つと概して整列するように構成されることが好ましい。

回転可能部材１２０の上側および下側表面は、隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合された少なくとも１つの骨係合用突出部１３２を有している。骨係合用突出部１３２は、回転可能部材１２０が後退済み位置にあるときに、インプラント１００が直線的に椎間板空間内に挿入され得るように構成されることが好ましい。インプラント１００を椎間板空間内に挿入した後、回転可能部材１２０を展開済み位置まで移動させ、これによって骨係合用突出部１３２により隣接する椎体の端部プレートを貫通可能に係合し、かつ椎間板空間からのインプラント１００の離脱を防止している。

好ましい一実施形態では、骨係合用突出部１３２は、椎体の骨を貫通するように適合された頂点を形成するように前縁部および後縁部を互いに対して角度をもたせて有する回転可能部材１２０の長手方向の軸を横断する方向に向けたブレード様の構成を有している。このブレード様の骨係合用突出部１３２は、インプラントが展開済み位置にあるときに椎間板空間に隣接する椎体を隣接する表在性端部プレート表面の深さまで融合させるように貫通するのに適した厚さ、形状および先鋭さとすることが好ましい。骨係合用突出部１３２は回転部材１２０の相対する側に向けることが好ましく、また互いに対角線の反対位置とすることがある（ただし、必須ではない）。骨係合用突出部１３２は、２つの相対する骨係合用突出部１３２の頂点が少なくともその内部を通過する中間線の相対する側に来るようにして配置させることがある。骨係合用突出部１３２のこうしたオーバセンタ配置によって、骨係合用突出部が完全に展開されたときにインプラントのより安定した構成が創出される。展開済み位置から後退済み位置まで移動させるために各骨係合用突出部の頂点を中間線を通って移動させなければならないため、オーバセンタ配置の状態にあるときに相対する骨係合用突出部を備えた回転可能部材を脱回転させるにはより多くのエネルギーが必要となる。

当業者であれば理解するであろうが、ブレード以外に、その意図した目的に適しているような骨係合用突出部を利用することがある。回転可能部材１２０に沿った骨係合用突出部の数および向きは、本発明の広範な趣旨を逸脱することなく変更することができる。たとえば、骨係合用突出部のうちの少なくとも２つを、回転可能部材１２０の外側表面に対してある角度をもたせて配置することがある（この角度は、９０度とすることや、インプラント１００の椎間板空間からの離脱に関する抵抗性を高めるために９０度以外の角度とすることがある）。別の例として、骨係合用突出部１３２はまた、インプラント１００の長手方向の軸の少なくとも一部分に沿って互いに平行な方向に向けられることがある。

図３に示すように、ハウジング１０１の中空の内部１１４の内部表面１３４は、一対の相対する接触表面（ａｂｕｔｍｅｎｔ ｓｕｒｆａｃｅ）１３６を形成することが好ましい。接触表面１３６は、回転可能部材１２０を支持するとともに、骨係合用突出部１３２を展開させるために回転可能部材１２０が中空の内部１１４で後退済み位置から展開済み位置まで回転できるように構成されている。回転可能部材１２０の回転は、骨係合用突出部１３２が接触表面１３６に接触した時点で制限を受けている。この回転可能部材１２０の回転はその回転軸の周りの概ね１８０度以下に制限し、骨係合用突出部を展開させるために要する回転を回転可能部材の半回転以下にすることができる。限定ではなく単に一例として、その回転可能部材１２０の回転は、骨係合用突出部を後退済み位置から展開済み位置まで移動させるのに概ね２５度から概ね６５度までの範囲に回転を制限することができる。接触表面１３６はさらに、骨係合用突出部を展開させるための回転を回転可能部材の４分の１回転以下になるように、回転可能部材１２０の回転をその回転軸の周りの概ね９０度以下に制限するように構成されることがある。中空の内部１１４の内部表面１３４は、骨係合用突出部の各頂点が実質的に中空の内部１１４のコーナーに来るように、ハウジング１０１の中空の内部１１４の中に後退済み位置にある骨係合用突出部１３２を受け容れるように構成された空間１３５を有することが好ましい。この位置にあると、骨係合用突出部は実質的にハウジング１０１の中空の内部に来るように保持される。

接触表面１３６はさらに、中空の内部１１４の内部のハウジング１０１の後端部１０４の近傍において、回転可能部材１２０の中空の内部１１４内への挿入を可能にしかつ支持するとともにその内部の展開済み位置の回転可能部材１２０を保持するように構成されるような肩部１３８を形成することが好ましい。肩部１３８はさらに、インプラントを挿入器２００の係合表面２１２に接触するように構成されることが好ましい（これについては、以下で記載する）。中空の内部１１４の内部表面はさらに、後端部１０４の近傍において、挿入器２００のタブ２１４を係合するように適合された一対の相対する溝１４０を有することが好ましい。後端部１０４は適当な挿入器具を協働して係合するのに適している当業者に周知の任意の構成を有することがあることを理解されたい。

図５および６に示すように、回転可能部材１２０はハウジング１０１の中空の内部１１４内に挿入可能である。回転可能部材１２０が中空の内部１１４の中に挿入されかつインプラント１００が椎間板空間内に挿入された後、骨係合用突出部１３２が開口１１８を通過して延びハウジング１０１の上側表面１０６および下側表面１０８の上側に突き出るように回転可能部材１２０を回転させる。上側表面１０６および下側表面１０８は、骨係合用突出部を展開させるというその意図した目的に適した任意の開口、あるいは同じ目的を達成するための別の手段を有することが可能であることを理解されたい。さらに、開口１１８は、展開させたときに骨係合用突出部１３２を支持するために骨係合用突出部１３２と近い精度となるように構成されているようなスロットの形態とすることが可能である。

図４に示すように、ハウジング１０１の中空の内部１１４および回転可能部材１２０の開放内部１２８は、骨成長材料をその内部に保持するように構成されている。こうした骨成長材料の例には、任意の形態をした骨、骨から導出した材料、骨形成たんぱく質、ミネラル形成たんぱく質、骨を産生するようにコード化した遺伝子材料、または骨の形成を誘導することが可能であるかまたは意図した目的のための融合を達成するために有用な任意の物質のいずれか、あるいはこれらの任意の組合せ（ただし、これらに限らない）が含まれる。この回転可能部材１２０の回転は、後退済み位置と展開済み位置の間で回転させたときに、ハウジング１０１の中空の内部１１４および／または回転可能部材１２０の開放内部１２８の内部から骨成長材料を実質的に変位させることがない。したがって、インプラント１００および回転可能部材１２０には、椎間板空間内へのインプラントの挿入前および骨係合突出部の展開前に、骨成長材料を充填することができる。別法として、ハウジング１０１および回転可能部材１２０は、少なくともその一部を椎間板空間内にインプラントの挿入した後で、回転可能部材１２０を回転させる前または後のいずれかに骨成長材料を充填することができ、また所望により骨係合用突出部を展開させた後にさらに充填することもある。

図１、２および５は、本発明のインプラントとともに使用するための好ましいインプラント挿入器２００を表している。挿入器２００は、遠位端２０４、近位端２０６および直径を小さくした中間部分２０８を備えるような外側シャフト２０２を有することが好ましい。遠位端２０４は、インプラント係合表面２１２がこれに対して遠くに配置されるようにしたヘッド部分２１０を有することが好ましい。ヘッド部分２１０は、インプラント１００の後端部１０４の少なくとも外周の横方向断面構成に対応するような、挿入器２００の長手方向の軸を横断する１つの断面を有することが好ましい。

インプラント係合表面２１２は、ハウジング１０１の中空の内部１１４の肩部１３８に協働して接触するようなサイズおよび形状とすることが好ましい。インプラント係合表面２１２はさらに、ハウジング１０１の溝１４０内にスナップインするように適合された相対するタブ２１４を有することが好ましい。

ヘッド部分２１０はさらに、ヘッド部分２１０の上側表面２１８と下側表面２２０の間に延びている一対の長手方向の窪み２１６を有することが好ましい。窪み２１６は、タブ２１４がハウジングの溝１４０内に挿入され次いで離したときに適所にロックされることが可能となるように、ヘッド部分２１０は弾力的に圧縮されることがある。外側シャフト２０２はさらに、その近位端２０６の位置にハンドル２２２を有することが好ましい。

挿入器２００はさらに、外側シャフト２０２の内部で回転可能とした内側シャフト２２４を有する。内側シャフト２２４は、遠位端２２６および近位端２２８を有している。内側シャフト２２４の遠位端２２６は、回転可能部材１２０の後端部１２４を協働して係合するように構成されることが好ましいような回転式の係合表面２３０を有している。好ましい一実施形態では、回転式の係合表面２３０は六角形状である。挿入器２００の近位端２２８は、外側シャフト２０２のハンドル２２２の外周に対応する外周を備えたハンドル２３２を有することが好ましい。外科医がハンドル２２２を保持しながらハンドル２３２を介して内側シャフト２２４を回転させることができるようにするために、ハンドル２３２はハンドル２２２に隣接していることが好ましい。好ましい一実施形態では、挿入器２００は、骨係合用突出部１３２を展開させるために回転可能部材１２０を回転させながらインプラント１００のハウジング１０１を安定化することが好ましい。挿入器２００は、保持器（ｈｏｌｄｅｒ）、駆動子（ｄｒｉｖｅｒ）、抜き取り器（ｅｘｔｒａｃｔｏｒ）、ハウジング安定器、および一体型の回転体の組合せとすることが好ましい。

挿入器２００の好ましい実施形態を示しているが、その意図した目的に適した当業者に周知の別の任意の挿入器を本発明のインプラントを挿入するために使用することがあることを理解されたい。

図７〜９では、本発明のインプラントの別の好ましい実施形態について、その全体を参照番号３００により参照して表している。インプラント３００はインプラント１００と同様であるが、その幅と比べてより大きいような高さを有している。インプラント３００は、移植後に脊椎の自然な脊柱湾曲が維持されるように互いに対して角度をもたせた上側表面３０６および下側表面３０８を備えたハウジング３０１を有することが好ましい。たとえば、上側表面３０６および下側表面３０８は、インプラント３００の長手方向の軸の少なくとも一部分に沿って互いに発散させるか収斂させるようにした角度をもたせた関係とすることがある。同様に、サイド３１０、３１２は互いに対して角度をもたせることが可能である。インプラントの上側表面３０６および下側表面３０８とサイド３１０、３１２とは必ずしも角度をもたせる必要がないことを理解されたい。

インプラント３００は、円錐台状の形状とすることが好ましいような回転可能部材３２０を有している。回転可能部材３２０は、隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合されている骨係合用突出部３３２を有している。骨係合用突出部３３２は、後退済み位置にあるときにインプラント３００が椎間板空間内に直線的に挿入できるように構成することが好ましい。インプラント３００を椎間板空間内に挿入した後で、隣接する各椎体端部プレートを貫通可能に係合しかつ椎間板空間からのインプラント３００の離脱を防止するために、骨係合用突出部３３２を展開済み位置まで移動させている。回転可能部材３２０の回転は、その回転軸の周りの概ね１８０度以下に制限し、骨係合用突出部を展開させるために要する回転を回転可能部材の半回転以下にすることができる。限定ではなく単に一例として、その回転可能部材３２０の回転は、骨係合用突出部を後退済み位置から展開済み位置まで移動させるのに概ね２５度から概ね６５度までの範囲に回転を制限することができる。

回転可能部材３２０の回転を支持しかつ容易にするために、ハウジング３０１の中空の３１４は、第１の肩部３３８の近傍に第２の肩部３４２を有することが好ましい。第１の肩部３３８は、適当に構成した挿入器２００の遠位端と係合するように構成することが好ましい。第２の肩部３４２は、回転可能部材３２０の後端部３２４を支持している。回転可能部材３２０の前端部３２２は、ハウジング３０１の前端部３０２の位置で開口３４６内に挿入するための円筒状の延長部３４４を有することが好ましい。円筒状延長部３４４は、前端部３２２を支持するとともにインプラント３００の中空の３１４の内部での回転可能部材３２０の回転を可能にするように回転軸の役割をする。回転可能部材３２０は、回転可能部材３２０を通って骨が成長できるようにその長手方向の軸に沿ってその表面内に開口を有し、かつ開放内部を有することがある。

図１０〜１２では、前方からのアプローチで脊椎内に挿入するための本発明のインプラントの別の好ましい実施形態を、その全体を参照番号４００により参照して表している。インプラント４００は、その高さと比べてより大きい幅を有すること、ならびにハウジング４０１の中空の内部４１４内に２つの回転可能部材４２０を有することを除けば、インプラント３００と同様である。ハウジング１０１は、互いに対して角度をもたせた上側表面４０６および下側表面４０８と、インプラント４００がその内部に挿入される椎間板空間の幅の半分と比べて概してより大きい全体幅とを有することが好ましい。

ハウジング４０１の後端部４０４は、インプラントの横側コーナーが椎体の外周を越えて突き出るのを避けるように、インプラントの支持および／またはインプラントを深く座ぐりする（ｃｏｕｎｔｅｒｓｉｎｋ）必要性の回避に役立たせるために、各椎体の外周の周りにある隆起辺縁骨を利用するような解剖構成を有することがある。こうした構成の例は、その開示を参照によって本明細書に組み込むことにする「Ｉｍｐｌａｎｔ ｗｉｔｈ Ａｎａｔｏｍｉｃａｌｌｙ Ｃｏｎｆｏｒｍｅｄ Ｔｒａｉｌｉｎｇ Ｅｎｄ」と題するＭｉｃｈｅｌｓｏｎに対する米国特許第６，２４１，７７０号に記載されている。ハウジング４０１は、回転可能部材４２０を支持するように構成された前端部４０２の近傍の内側開口４４６を有しており、またハウジング４０１は直径を大きくした部分４５２と直径を小さくした部分４５４とを有するように構成することが好ましい。直径を大きくした部分４５２は、回転可能部材４２０の前端部４２２を受け容れかつ支持するように構成されており、一方直径を小さくした部分４５４は、回転可能部材４２０がハウジング４０１の前端部４０２の方向に移動するのを防止するための栓（ｓｔｏｐ）の役割をしている。

回転可能部材４２０は、ハウジング４０１の長手方向の中間軸の各側に位置決めされている。回転可能部材は同じ方向や反対方向に回転できるように適合されている。
図１３〜１５では、本発明のインプラントの別の好ましい実施形態について、その全体を参照番号５００により参照して表している。インプラント５００は、ヒトの脊椎の隣接する２つの椎体の間で最初に椎間板空間内に挿入するための前端部５０２と、前端部５０２の反対側にある後端部５０４と、上側表面５０６と、下側表面５０８と、上側表面５０６と下側表面５０８の間にあるサイド５１０、５１２とを備えた外部ハウジング５０１を有している。インプラント５００のハウジング５０１は、骨成長促進材料を保持するように構成された中空の内部５１４を有する。この実施形態では、上側表面５０６および下側表面５０８のそれぞれは、少なくとも１つの弓形部分５０７と少なくとも１つの非弓形部分５０９をサイド５１０、５１２の近傍に有することが好ましい。上側表面５０６および下側表面５０８の非弓形部分５０９は椎間板空間に隣接する端部プレートの方向に向けるように適合されており、かつインプラント５００が椎間板空間内に挿入されたときに隣接する椎体を支持するように構成されている。上側表面５０６および下側表面５０８の弓形部分５０７は、椎間板空間の高さにまたがりかつ隣接する椎体内に形成される移植空間内に挿入されるように適合されている。こうした移植空間は、ドリル、トレフィン（ｔｒｅｐｈｉｎｅ）、リーマ、バリ（ｂｕｒｒ）、およびその意図した目的に適した当業者に周知の別の任意の骨除去デバイス（ただし、これらに限らない）などの骨除去デバイスを用いて形成することがある。

インプラント５００の上側表面５０６および下側表面５０８は、そのそれぞれがハウジング５０１の中空の内部５１４と連絡しており、かつ隣接する椎体から隣接する椎体までインプラント５００を通って骨の成長を可能にするように適合された少なくとも１つの開口５１６を有することが好ましい。上側表面５０６および下側表面５０８はさらに、中空の内部５１４からハウジング５０１の外部まで以下に記載する骨係合用突出部５３２がその内部を通過できるように構成された複数の開口５１８を有することが好ましい。インプラント５００のサイド５１０、５１２はさらに開口５１６を有することが可能である。

インプラント５００は、インプラントハウジング５０１の後端部５０４の位置で好ましくは１つの開口を通ってハウジング５０１の中空の内部５１４内に挿入されるように構成された内側回転可能部材５２０を有している。別法として、インプラント５００のハウジング５０１は必ずしも一体型である必要はなく、たとえば、ハウジング５０１は上側と下側の部分に分割されることがある。上側および下側部分を分離した状態で回転可能部材５２０を中空の内部５１４の内部に配置させることができ、次いでハウジング５０１を上側および下側部分を一緒にすることによって組み上げ直すことができ、かつインプラント５００を次いで椎間板空間内に挿入することができる。この方式により、骨係合用突出部５３２は、開口５１８内にあるときに少なくともその一部をハウジング５０１の壁の厚さ範囲内とすることができ、後退済み位置にあるときはインプラント５００の外部を越えて延びることがない。

回転可能部材５２０は、実質的に中空であることが好ましく、また前端部５２２、後端部５２４、外部表面５２６、および開放内部５２８を有している。後端部５２４は、回転可能部材５２０を回転させるための器具（たとえば、上述した挿入器２００と同様の挿入器など）を協働して係合するように構成されることが好ましい。回転可能部材５２０の外部表面５２６は、その内部を貫通して骨が成長できるような少なくとも１つの開口５３０を有することが好ましい。回転可能部材５２０内の開口５３０のうちの少なくとも１つは、隣接する椎体から隣接する椎体までハウジング５０１を通りかつ回転可能部材５２０を通って骨が成長することを可能にするため、ハウジング５０１内の開口５１６のうちの少なくとも１つと概して整列するように構成されることが好ましい。

回転可能部材５２０の上側および下側表面は、隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合されている上述した骨係合用突出部１３２と同様の少なくとも１つの骨係合用突出部５３２を有している。骨係合用突出部５３２は、回転可能部材５２０が後退済み位置にあるときに、インプラント５００が椎間板空間内に直線的に挿入されるように構成されることが好ましい。インプラント５００を椎間板空間内に挿入した後、回転可能部材５２０を展開済み位置まで移動させ骨係合用突出部５３２を隣接する椎体内に貫通可能に係合させている。回転可能部材５２０の回転は、その回転軸の周りの概ね１８０度以下に制限し、骨係合用突出部を展開させるために要する回転を回転可能部材の半回転以下にすることができる。限定ではなく単に一例として、回転可能部材５２０の回転は、骨係合用突出部を後退済み位置から展開済み位置まで移動させるのに概ね４５度から概ね１００度までの範囲に回転を制限することができる。

骨係合用突出部５３２は回転部材５２０の相対する側に向けることが好ましく、また互いに対角線の反対位置とすることがある（ただし、必須ではない）。骨係合用突出部５３２は、少なくとも２つの相対する骨係合用突出部５３２の頂点がその内部を通過する中間線の相対する側に来るようにして配置することがある。こうした骨係合用突出部５３２のオーバセンタ配置によって骨係合用突出部が完全に展開されたときにインプラントのより安定した構成が創出される。展開済み位置から後退済み位置まで移動させるために各骨係合用突出部の頂点を中間線を通って移動させなければならないため、オーバセンタ配置の状態にあるときに相対する骨係合用突出部を備えた回転可能部材を脱回転させるにはより多くのエネルギーが必要となる。

図１４Ａに示すように、ハウジング５０１の中空の内部５１４の内部表面５３４によって一対の相対する接触表面５３６を形成することが好ましい。接触表面５３６は、骨係合用突出部５３２を展開させるために、回転可能部材５２０を支持するとともに回転可能部材５２０が中空の内部５１４で後退済み位置から展開済み位置まで回転できるように構成されている。回転可能部材５２０の回転は骨係合用突出部５３２が接触表面５３６に接触した時点で制限を受けている。回転可能部材５２０の回転は、その回転軸の周りの概ね１８０度以下に制限し、骨係合用突出部を展開させるために要する回転を回転可能部材の半回転以下にすることができる。接触表面５３６はさらに、骨係合用突出部を展開させるための回転を回転可能部材の４分の１回転以下になるように、回転可能部材５２０の回転をその回転軸の周りの概ね９０度以下に制限するように構成されることがある。中空の内部５１４の内部表面５３４は、骨係合用突出部の各頂点が実質的に中空の内部５１４のコーナーに来るように、後退済み位置にある骨係合用突出部５３２を受け容れるように構成された空間を有することが好ましい。この位置では、骨係合用突出部は実質的にハウジング５０１の中空の内部の中に保持される。

図１４Ｂでは、本発明によるインプラントの別の好ましい実施形態を、その全体を参照番号５００’により参照して表している。インプラント５００’は、上側表面５０６’および下側表面５０８’のそれぞれが、好ましくは少なくとも２つの弓形部分５０７’と、弓形部分５０７’および／または近傍サイド５１０’、５１２’の間にあるか弓形部分５０７’および／または近傍サイド５１０’、５１２’を横断するかのいずれかであるような少なくともいくつかの非弓形部分５０９’とを有する点を除けば、インプラント５００と同様である。上側表面５０６’および下側表面５０８’の非弓形部分５０９’は、椎体の方向、ならびに椎間板空間に隣接する端部プレート（依然として存在している場合）の方向に向けるように適合されており、さらにこの非弓形部分５０９’はインプラント５００’が椎間板空間内に挿入されたときに隣接する椎体を支持するように構成されている。上側表面５０６’および下側表面５０８’の弓形部分５０７’は、インプラント５００’の長手方向の中間軸の相対する側に配置することが好ましい。こうした構成によって、中央に単一の弓形部分を配置させたインプラントとした場合に生じる可能性があるようなロッキング動作のあらゆる可能性をさらに低下または排除するのに役立つ。弓形部分５０７’は、互いに対して概して平行とすることや、互いに対して角度をもたせることがある。２つ以上の弓形部分５０７’を有することによって、インプラント５００’に対して隣接する椎体の骨と接触するためのより大きな表面積を提供することができ、またさらに隣接する椎体の血管性の骨へのアクセスを提供することができる。少なくとも２つの弓形部分５０７’を有するインプラント５００’は、２つの弓形部分５０７’からなる同じ合成幅を有する単一の弓形部分を備えたインプラントと比べて有する高さがより小さい。さらに、少なくとも２つの弓形部分５０７’を有するインプラント５００’は、それだけ強力でより高密度の隣接する椎体の骨を椎間板空間により接近させて配置して利用するという追加の利点を提供している。

インプラント５００’は好ましくはインプラントハウジング５０１’の後端部と前端部のうちの一方の位置にある１つの開口を通ってハウジング５０１’の中空の内部５１４’内に挿入されるように構成された少なくとも２つの内側回転可能部材５２０’を有することが好ましく、あるいはこのインプラントは、単に一例としてハウジングの上側および下側部分を分離可能とするように構成することによって、中空の内部５１４’の中への回転可能部材５２０’の配置を可能とすることがある。次いで、ハウジング５０１’は、上側部分と下側部分を一緒にさせることによって組み上げ直すことが可能であり、次いでインプラント５００’を椎間板空間内に挿入することが可能である。

図１６〜１９には、本発明のインプラントの別の好ましい実施形態についてその全体を参照番号６００により参照して表している。インプラント６００は、骨係合用突出部６３２の構成に関する点を除けばインプラント５００と同様である。骨係合用突出部６３２は回転可能部材６２０から延び出し、かつより寸法が大きい上側部分で終わっているような基礎部分を有することが好ましい。骨係合用突出部６３２の上側部分は、基礎部分の横方向断面寸法と比べてより大きい横方向断面寸法を有することが好ましい。限定ではなく単に一例として、基礎部分および骨係合用突出部６３２の上側部分は、図１９に示すようなＴ字形断面を有することが可能である。骨係合用突出部６３２の横方向断面構成は、Ｃ字形、Ｖ字形、Ｗ字形、Ｙ字形、およびその意図する目的に適したその他任意の構成（ただし、これらに限らない）を含め別の構成を有することが可能である。骨係合用突出部６３２は、少なくともその一部が湾曲している前縁部６３３を有することが好ましく、また骨係合用突出部６３２の上側部分は椎体の骨の中への骨係合用突出部６３２の貫通を容易にするために前縁部６３３の近傍でテーパ付きとすることが好ましい。同様に、開口６１８は、骨係合用突出部６３２を展開させたときにハウジング６０１の中空の内部６１４から開口６１８を貫通して延びることが可能となるような形状とした構成を有することが好ましい。

インプラント６００は椎間板空間内に挿入され、かつ骨係合用突出部６３２は隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように展開される。骨係合用突出部６３２のこの構成によって、隣接する椎体に対するインプラントの安定性、ならびに互いに対する椎体の安定性を増大させることができる。さらに、骨係合用突出部６３２のこの構成によって、椎体がさらに離れるように移動する可能性が制限され、安定性がさらに高まる。

図２０に示すように、別の変形形態では、骨係合用突出部６３２’のＴ字形構成の上側部分は、少なくともその一部が前縁部６３３’から後縁部６３５’に向かって厚さが増加しており、これによって展開済み位置においてインプラント６００のハウジングにより近づけられ、かつ骨係合用突出部が完全に展開されたときにインプラントに向かって椎体に圧縮性の荷重がかかるように椎体を互いに接近させることができる。この構成では、骨係合用突出部６３２’の上側部分は、後縁部の位置におけるインプラントのハウジングからの距離が、骨係合用突出部が展開済み位置にあるときのその前縁部の位置におけるよりも短くなる。

図２１に示すように、さらに代替的な構成では、骨係合用突出部６３２”はＴ字形構成の上側部分と反対側に下側部分を有している。Ｔ字形構成の下側部分は、Ｔ字形構成の上側部分の弧状半径と比べてより小さい弧状半径を有しており、これによって、後縁部６３５”の近傍におけるインプラントのハウジングからの距離は骨係合用突出部６３２”が展開済み位置にあるときの前縁部６３３”の近傍と比べてより短くなる。骨係合用突出部６３２”のこうした構成によって、骨係合用突出部が完全に展開されたときに椎体に対してインプラントの方向への圧縮荷重が提供される。

図２２および２３では、本発明のインプラントの別の好ましい実施形態について、その全体を参照番号７００により参照して表している。インプラント７００はハウジング７０１の構成に関する点を除けばインプラント６００と同様である。ハウジング７０１の上側表面７０６および下側表面７０８のそれぞれは、ハウジング７０１の中空の内部７１４と連絡するような開放エリアを有することが好ましい。この開放エリアは、回転可能部材７２０の少なくとも一部分にわたって、上側表面７０６および下側表面７０８のそれぞれの内部に１つのウィンドウ７０３（１つの大きな開口）を形成することが好ましい。回転可能部材７２０は、ウィンドウ７０３を通して隣接する椎体に対して露出している。回転可能部材７２０は、隣接する椎体と接触するように少なくともその一部がウィンドウ７０３を通って突き出ることがある。好ましい一実施形態では、回転可能部材７２０は、ハウジング７０１の外部と面一となるようにして少なくともその一部がウィンドウ７０３を通って突き出ていることがある。ハウジング７０１は、回転可能部材７２０をその内部に受け容れるように開放され、かつ回転可能部材７２０を少なくともその一部がハウジング７０１の内部に保持されるように閉ざされるように構成することが好ましい。限定ではなく単に一例として、ハウジング７０１は継ぎ目７０５の位置において上側部分と下側部分になるように分離可能とすることがある。

図２４および２５では、本発明のインプラントの別の好ましい実施形態についてその全体を参照番号８００により参照して表している。インプラント８００は、インプラント８００がハウジング８０１の上側表面８０６および下側表面８０８を通って骨係合用突出部８３２を展開させるために少なくとも２つの内側回転可能部材８２０を有することが好ましいという点を除けばインプラント１００と同様である。回転可能部材８２０は、上側表面８０６および下側表面８０８のそれぞれの近傍で、少なくともその一部がハウジング８０１の中空の内部８１４の中にあることが好ましい。回転可能部材８２０は、支持構造８０９によってハウジング８０１に対して回転関係で保持されることが好ましい。回転可能部材８２０のそれぞれは、骨係合用突出部８３２を展開させるために回転部材８２０を回転させるための器具を協働して係合するように構成された少なくとも１つの端部８２４を有することが好ましい。回転可能部材８２０の回転は、骨係合用突出部を展開させるために要する回転可能部材の回転が１回の全回転未満にできるようにその回転軸の周りの概ね２００度から概ね２５度までの好ましい範囲とすることが可能である。限定ではなく単に一例として、回転部材８２０は、オーバセンタ位置において骨係合用突出部８３２を展開させるために１８０度を超える（たとえば、概ね１９５度の）回転をさせることが可能である。回転部材８２０は、中実とすることや、少なくともその一部を中空とすることができるが、この例では、回転部材８２０のそれぞれがその長手方向の軸の横断方向で好ましくは比較的小さい断面寸法を有することができるような概して中実の構成とし、回転部材８２０が占有する部分がハウジング８０１の内部のごくわずかな部分となるようにすることが好ましい。

インプラント８００のハウジング８０１は、その長手方向の軸を横切る概して正方形の断面を有するような該長手方向の軸に沿った少なくとも一部分を有することが好ましい。ハウジング８０１は概して矩形の断面またはその意図した目的に適したその他の断面構成を有することが可能であることを理解されたい。インプラントは、その横側で椎間板空間内に挿入し、次いでインプラントを９０度傾けてインプラントの上側および下側表面を隣接する椎体のそれぞれの方向に向けることがある。こうしたインプラントでは、対角線で相対する一対のコーナーの間に有する寸法を小さくすることが好ましいことになる。たとえば、こうしたインプラントでは、Ｍｉｃｈｅｌｓｏｎが「Ｓｅｌｆ−Ｂｒｏａｃｈｉｎｇ，Ｒｏｔａｔａｂｌｅ，Ｐｕｓｈ−Ｉｎ Ｉｎｔｅｒｂｏｄｙ Ｓｐｉｎａｌ Ｆｕｓｉｏｎ Ｉｍｐｌａｎｔ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｄｅｐｌｏｙｍｅｎｔ Ｔｈｅｒｅｏｆ」と題する米国出願第０９／４２９，６２８号（この明細書のうち対角線で相対する一対のコーナーの間の寸法を小さくすることを目的とした部分を参照により本明細書に組み込むものとする）で教示しているように、隣接する椎体間でのインプラントのこの９０度の回転を容易にするように丸くした対角のコーナーを有することが可能である。インプラント８００の上側表面８０６および下側表面８０８は、少なくともその一部が非弓形であることが好ましく、またインプラント８００の長手方向の軸の少なくとも一部分に沿って互いに対して概して平行である。別法として、上側表面８０６および下側表面８０８は、インプラント８００の長手方向の軸の少なくとも一部分に沿って互いに対して角度をもたせることができる。

図１〜５は、脊椎に対する後方アプローチから本明細書で開示した関連の器具を用いてインプラント１００を挿入するための好ましい方法に関する様々なステップを表している。

限定ではなく一例として、本発明のインプラントを装填するための方法の好ましいステップは、以下に要約するステップ（ただし、これらに限らない）を含む。
１．処置の対象となる椎間板空間を特定するステップ、
２．椎間板空間へのアクセスを設けるステップ、
３．ガードまたはリトラクタを利用して椎間板空間への保護付きのアクセスを設けるステップ、
４．少なくともその一部が椎間板空間の高さの範囲内でかつ該高さにまたがってインプラントを挿入できるように十分な椎間板材料を除去するステップ、
５．椎間板空間の高さを概して復元するために（ディストラクタを用いたり、用いなかったりして）椎体の間の椎間板空間を引き離すステップ、
６．椎間板貫通用延長部を有するガードを利用して椎間板への保護付きのアクセスを設けるとともに、隣接する椎体の椎間板空間を引き離すステップ、
７．たとえば、端部プレートを掻爬すること（ｓｃｒａｐｉｎｇ）、端部プレートを剥皮すること（ｄｅｃｏｒｔｉｃａｔｉｎｇ）、または端部プレートの少なくとも一部分を切除すること（ｃｕｔｔｉｎｇ ａｗａｙ）を含むことがあるような、隣接する椎体の端部プレートに対する作業を行うステップ、
８．インプラントをインプラント挿入器に装着するステップ、
９．インプラントを少なくともその一部を椎間板空間内に挿入するステップ、
１０．（ｉ）インプラントの移植前、（ｉｉ）インプラントの移植後、あるいは（ｉｉｉ）インプラントの移植の前とインプラントの移植後の両方、においてインプラントに骨成長促進材料を充填するステップ、
１１．インプラントの周りに骨成長促進材料を詰め、さらにインプラントを通して骨をインプラントの周りの領域に押し入れるステップ、
１２．椎体に隣接する椎間板空間を貫通可能に係合させるように骨係合用突出部を展開させるために中空の内側部材を回転させる（内側部材の１８０度未満の回転を含むことがある）ステップ、
１３．インプラントから挿入器を除去するステップ、および／または、
１４．必要に応じて同じ椎間板レベルで手順を反復するステップ。

本発明のインプラントを装填するための方法は、上で特定したステップに限定されず、上で言及したステップのすべてを含む必要はなく、また上に列挙した順序で実行する必要はない。限定ではなく単に一例として、２つのインプラントを、そのいずれかに骨係合用突出部を展開させるために回転させる内側回転可能部材を有させる前に椎間板空間内に挿入することがあり、あるいは、インプラントを骨成長促進材料が詰められる前または骨成長促進材料がインプラント内の開口を通って押し入れられる前に椎間板空間内に挿入することがある。当業者に周知のインプラントを装填するための別の方法は、本発明のインプラントの装填に使用することができ、また本発明の趣旨を逸脱することなく使用することができる。

椎間板空間を準備するための好ましい器具および方法は、「Ｍｉｌｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｐｒｅｐａｒｉｎｇ ａ Ｓｐａｃｅ Ｂｅｔｗｅｅｎ Ａｄｊａｃｅｎｔ Ｖｅｒｔｅｂｒａｌ Ｂｏｄｉｅｓ」と題する米国特許第６，１５９，２１４号、「Ｓｐｉｎａｌ Ｉｎｔｅｒｓｐａｃｅ Ｓｈａｐｅｒ」と題する米国特許出願第６０／２５５，４６３号、「Ｄｅｖｉｃｅ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｐｒｅｐａｒｉｎｇ ａ Ｓｐａｃｅ Ｂｅｔｗｅｅｎ Ａｄｊａｃｅｎｔ Ｖｅｒｔｅｂｒａｅ ｔｏ Ｒｅｃｅｉｖｅ ａｎ Ｉｎｓｅｒｔ」と題する米国特許第６，０８３，２２８号、「Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｃｒｅａｔｉｎｇ ａｎ Ｉｎｔｅｒｖｅｒｔｅｂｒａｌ Ｓｐａｃｅ ｆｏｒ Ｒｅｃｅｉｖｉｎｇ ａｎ Ｉｍｐｌａｎｔ」と題する米国特許第６，２２４，６０７号、および「Ｄｅｖｉｃｅ ｆｏｒ Ｐｒｅｐａｒｉｎｇ ａ Ｓｐａｃｅ Ｂｅｔｗｅｅｎ Ａｄｊａｃｅｎｔ Ｖｅｒｔｅｂｒａｅ ｔｏ Ｒｅｃｅｉｖｅ ａｎ Ｉｎｓｅｒｔ」と題するＷＩＰＯ公開ＷＯ ９９／６３８９１（それらの開示はすべて参照によって本明細書に組み込むものとする）においてＭｉｃｈｅｌｓｏｎによって開示されかつ教示されている。本発明のインプラントを受け容れるように椎間板空間を準備するためには別の器具および方法を使用することもできることを理解されたい。

外科医は、希望する場合、隣接する傷つきやすい神経構造を保護するために図１に示すガード５００などのガードを利用することができる。ガード５００は、椎間板空間を準備した後でそのままの位置に残しておき、記載した処置をガード５００を介して実行し、完了した時点で除去することができる。移植空間は、その内部に挿入されるインプラントを受け容れるのに適した任意の構成を有することがある。

椎間板空間を準備する前に、外科医は、希望すれば、その開示を参照によって本明細書に組み込むものとする「Ａｐｐａｒａｔｕｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｏｆ Ｉｎｓｅｒｔｉｎｇ Ｓｐｉｎａｌ Ｉｍｐｌａｎｔｓ」と題する米国特許第５，４８４，４３７号および「Ａｐｐａｒａｔｕｓ ｆｏｒ Ｉｎｓｅｒｔｉｎｇ Ｓｐｉｎａｌ Ｉｍｐｌａｎｔｓ」と題する米国特許第５，７９７，９０９号（’９０９特許という）においてＭｉｃｈｅｌｓｏｎによって教示されるものなど椎間板貫通用延長部を有するディストラクタを用いて椎体を引き離すことがある。必要であれば、外科医は、Ｍｉｃｈｅｌｓｏｎに対する’９０９特許において教示されているものなど上側および下側表面を角度付けして、椎間板貫通用延長部を有するディストラクタを用いて隣接する椎体に対して角度を付与することがある。

図２および５に示すように、回転可能部材１２０は、インプラント１００の中空の内部１１４内に挿入されることがあり、かつ挿入器２００の遠位端２０４はインプラント１００の後端部１０４に協働して係合されており、これによってインプラント係合表面２１２のタブ２１４がインプラント１００の溝１４０に係合される。インプラント１００が椎間板空間内に挿入された後、回転可能部材１２０がハウジング１０１の中空の内部１１４の中に挿入されることを理解されたい。インプラント１００は、インプラント１００の大きな回転を伴わずに、外科医の希望に応じて適当な深さまで好ましくは直線的挿入によって椎間板空間内に挿入されている。別法として、インプラントは、少なくともその一部でその椎間板空間内への移植の間に回転させることが可能である、ただし、椎間板空間内にねじり入れてはいない。たとえば、インプラントは、その横側で椎間板空間内に挿入し、次いで９０度回転させ隣接する椎体のそれぞれと接触するようにハウジング１０１の上側および下側表面を位置させることがある。次いで、骨係合用突出部１３２を展開させることができる。インプラント１００の後端部１０４は、隣接する椎体の後面を越えて突き出ないことが好ましく、またインプラント１００の実質部分は隣接する椎体の外周から全く突き出ないことが好ましい。インプラント１００の挿入中において、骨係合用突出部１３２を後退済み位置に保持し、椎間板空間内へのインプラント１００の直線的挿入を容易にしている。

インプラント１００が移植空間内に適正に位置決めされた後、骨係合用突出部１３２を展開させることができる。好ましい一実施形態では、挿入器２００の内側シャフト２２４が外科医によって回転を受け、インプラント１００の回転可能部材１２０を後退済み位置から展開済み位置まで回転させ、これによって骨係合用突出部１３２がインプラント１００の上側表面１０６および下側表面１０８を通って延び、隣接する椎体の端部プレートを貫通可能に係合するとともに椎間板空間からのインプラントの離脱を防止している。好ましい一実施形態では、回転可能部材１２０は、骨係合用突出部を展開させるように半回転以下の回転をしている。

インプラント挿入器２００は、インプラント１００から分離されて除去される。脊椎管内への骨の成長を防止するため、または管床部（ｃａｎａｌ ｆｌｏｏｒ）における神経構造の粘着（ａｄｈｅｓｉｏｎ）を防止するため、あるいは神経構造を保護するために、インプラントの後端部の少なくとも一部を閉じるように１つのキャップを装着することがある。キャップの目的の１つには、融合促進材料がインプラント内に装填された状態を保つように融合促進材料の通過を制限することがある。

好ましくは挿入の前に、任意の形態をした骨、骨から導出した材料、骨形成たんぱく質、ミネラル形成たんぱく質、骨を産生するようにコード化した遺伝子材料、あるいは骨の形成を誘導することが可能であるか、または意図した目的のための融合を達成するために有用な任意の物質のうちのいずれか、あるいはこれらの任意の組合せを含むような融合促進材料を、インプラント１００の中空の内部１１４および回転可能部材１２０の開放内部１２８に充填することがある。融合促進材料は、外科医の希望に従って、たとえばタンプ（ｔａｍｐ）、プレス、またはピストンなどの器具の使用によって処置中の任意の時点で、インプラント１００の中空の内部１１４および／または回転可能部材１２０の開放内部１２８の中に充填（または、好ましくは圧縮式で装填）されることがある。さらに、瘢痕組織抑制用および／または抗菌性の材料がインプラントに付加されることもある。

前記の方法および器具を用いてこうしたインプラントを後ろから装填する場合、本技法はさらに、インプラント後端部に対して後ろからかつ脊椎管の床部の位置での瘢痕組織抑制物質の付加を含むことがある。

脊椎への後方アプローチによる措置を実行する際には、椎間板空間のサジタル中間線の両側でこの手順を実行すること、ならびにそのそれぞれが椎間板空間の幅の半分と比べてより小さい幅を有するような２つのインプラント１００を、概して平行であるか、あるいは後から前へのアプローチでの「トーイン（ｔｏｅｄ−ｉｎ）」構成とするかのいずれかで概して後から前へのアプローチで挿入することが概して好ましい。第１の側における措置が完了すると、次いで同じ椎間板空間のサジタル中間線の反対側に関してすでに記載したように措置を反復し、これにより同じ椎間板空間内に２つのインプラント１００を移植させる。

インプラント３００が椎間板空間内に挿入された状態にある場合、その措置には、隣接する椎体に対して角度を付与するために、インプラント３００のそれぞれの挿入に対応するようにＭｉｃｈｅｌｓｏｎに対する’９０９特許で教示されているものなどのディストラクタを用いて隣接する椎体を引き離すことを含むことが好ましい。別の代替的方法では、この両方のインプラントは、すでに記載した同じステップのうちの多くを用いて前方アプローチで脊椎に移植されることがある。

前方アプローチで本方法を実行する場合、脊髄がインプラントの挿入の経路内に来ることがないように、複数のインプラント１００または３００（たとえば２つまたは３つのインプラント）、あるいはインプラント４００などの単一のインプラントが用いられることがある。腹腔鏡を用いる場合、あるいは大きな血管を移動することが困難である場合には、より小さい作業空間を用いるために２つ以上のより小さいインプラントを用いることがある。

本明細書に記載した本発明の好ましい実施形態の様々な特徴は互いに組合せ可能であり、その特徴を記述しているインプラントのある特定の実施形態に限定されるものではない。限定ではなく単に一例として、本発明のインプラントの実施形態のいずれに関しても、外部ハウジングはハウジングの内部に内側回転可能部材を挿入できるように分離させ、次いで椎間板空間内への装着のために組み上げし直すことができような２つ以上の部分から形成されることがあること、ならびに本明細書に記載した骨係合用突出部の様々な実施形態は本発明のインプラントの実施形態のいずれとも一緒に利用されることがあることを理解されたい。

本発明の脊椎融合インプラントは、ヒトへの移植に適した人工的または天然に生じた任意のインプラント材料からなることがある。本発明のインプラントは、チタンおよびその合金、外科等級プラスチック、複合材、セラミック、あるいは脊椎融合インプラントとして使用するのに適したその他の材料（ただし、これらに限らない）を含む金属などの材料から形成することが可能である。本発明のインプラントは、少なくともその一部が人体によって再吸収可能であるような材料からなることができる。本発明のインプラントは、少なくともその一部を多孔質材料から形成することが可能であり、あるいは少なくともその一部を隣接する椎体のうちの一方から隣接する椎体のもう一方までの骨の成長の際に固有に関与するような材料から形成することが可能である。

さらに、本発明のインプラントは、融合促進物質からなる、融合促進物質により処理する、融合促進物質をコーディングする、あるいは融合促進物質で満たすことがある。このインプラントは、骨、骨誘導生成物、脱塩骨基質、骨化性たんぱく質、骨形成たんぱく質、ヒドロキシアパタイト、および骨を生成させるようにコード化した遺伝子（ただし、これらに限らない）を含む融合促進物質と組み合わせて使用することがある。

こうしたインプラントが後方移植向けのものである場合、こうしたインプラントの後端部は、脊椎管内における瘢痕組織形成を抑制するための物質を用いて処理すること、該物質でコーティングすること、あるいは該物質と組み合わせて使用することがある。本発明のインプラントは、インプラントまたはその部分および／またはこれがその内部に挿入される融合領域およびその周囲の近位の骨に対する電子刺激（ｅｌｅｃｔｒｏｓｔｉｍｕｌａｔｉｏｎ）を容易にするように適合されることがある。本発明のインプラントは、少なくともその一部を、抗生物質、銀イオンまたはその意図した目的に適した別の任意の物質（ただし、これらに限らない）など抗菌性とするための材料からなること、該材料でコーディングすること、あるいは該材料と組み合わせて利用することがある。

上に示した記述および図面には、本発明の目的を完全かつ効果的に達成させるようなインプラントならびにこれとともに使用するための器具および方法を開示している。しかし、開示した実施形態の変形形態および修正形態は、本発明の原理を逸脱することなく実施することができることは明らかであろう。

硬嚢を左側に後退させた脊椎の腰椎部分の背面斜視図であって、椎間板空間にガイド付きのアクセスを提供するためのガードを備えた準備の済んだ移植受け容れ箇所と、本発明による挿入器器具の一実施形態および隣接する椎体間の椎間板空間に接近させるようにこれに装着したインプラントの一実施形態とを表した図である。 図１の挿入器器具およびインプラントの破断側面図である。 図１のインプラントを図２のライン３−３に沿って切って見た断面図である。 図１のインプラントの後端部および展開可能な骨係合用突出部を有する回転可能部材の分解斜視図である。 骨係合用突出部を展開済み位置に来るように表した、図１のインプラントの前端部および挿入器器具の部分斜視図である。 図１のインプラントの前端部の分解斜視図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている本発明によるインプラントの別の実施形態の断面端部図である。 図７のインプラントを図７のライン８−８に沿って切って見た断面側面図である。 骨係合用突出部を展開済み位置としている図７のインプラントの端部断面図である。 本発明によるインプラントの別の実施形態の上面断面図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている図１０のインプラントの後端部断面図である。 骨係合用突出部を展開済み位置としている図１０のインプラントの端部断面図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている本発明によるインプラントの別の実施形態の前面斜視図である。 図１４Ａは、図１３のライン１４−１４に沿った断面図である。 図１４Ｂは、本発明によるインプラントの代替実施形態に関する図１４Ａと同様の断面図である。 骨係合用突出部を展開済み位置とした図１３のライン１４−４に沿った断面図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている本発明によるインプラントの別の実施形態の前面斜視図である。 図１６のライン１７−１７に沿った断面図である。 骨係合用突出部を展開済み位置とした図１６のライン１７−１７に沿った断面図である。 図１８のライン１９−１９に沿った破断断面図である。 本発明によるインプラントの別の好ましい実施形態の回転可能部材および骨係合用突出部の拡大破断図である。 本発明によるインプラントのさらに別の好ましい実施形態の回転可能部材および骨係合用突出部の拡大破断図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている本発明によるインプラントの別の好ましい実施形態の前面斜視図である。 図２２のインプラントの分解側面図である。 骨係合用突出部を後退済み位置としている本発明によるインプラントの別の好ましい実施形態に関してその一部を断面とした上面平面図である。 後退済み位置にあるときの骨係合用突出部を実線で表しかつ展開済み位置にあるときの骨係合用突出部をかくれ線で表している、図２５のライン２４−２４に沿った部分的な端部断面図である。

Claims (16)

1. 少なくともその一部がヒトの脊椎の隣接する２つの椎体の間にある椎間板空間の概して復元された高さの範囲内で、かつ前記高さにまたがった移植のための椎体間脊椎融合インプラント（１００、３００）であって、
   ハウジング（１０１、３０１）であって、最初に椎間板空間内に挿入するための前端部（１０２、３０２）、前記前端部（１０２、３０２）の反対側にある後端部（１０４、３０４）、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記前端部（１０２、３０２）と前記後端部（１０４、３０４）との間にある中間長手方向の軸、隣接する椎体のうちの一方に接触するように適合された上側表面（１０６、３０６）、前記上側表面（１０６、３０６）の反対側にあり隣接する椎体の別の一方と接触するように適合された下側表面（１０８、３０８）、前記上側表面（１０６、３０６）と前記下側表面（１０８、３０８）との間の高さ、および骨成長促進材料をその内部に保持するように構成された中空の内部（１１４、３１４）を有しており、前記上側表面（１０６、３０６）および下側表面（１０８、３０８）のそれぞれは、隣接する椎体から隣接する椎体まで前記ハウジング（１０１、３０１）を通って骨が成長できるように、前記中空の内部（１１４、３１４）と連絡しかつ互いに連絡するような少なくとも１つの開口（１１６、３１６）をその内部に有しており、前記中空の内部（１１４、３１４）は、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記高さおよび前記中間長手方向の軸に垂直な最大幅を有する、ハウジングと、
   前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部（１１４、３１４）内に少なくともその一部が来るように構成された実質的に中空の内側回転可能部材（１２０、３２０）であって、前記回転可能部材（１２０、３２０）は、前端部（１２２、３２２）、後端部（１２４、３２４）、前記回転可能部材（１２０、３２０）の前記前端部（１２２、３２２）と前記後端部（１２４、３２４）との間にある中間長手方向の軸、最上部、最底部、および前記最上部と前記最底部の間にある開放内部（１２８、３２８）を有しており、前記回転可能部材（１２０、３２０）の前記最上部および前記最底部のそれぞれは、少なくとも１つの骨係合用突出部（１３２、３３２）であって、前記骨係合用突出部（１３２、３３２）を前記回転可能部材（１２０、３２０）の中間長手方向の軸の周りに回転させることによって、隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合される骨係合用突出部を含んでおり、前記最上部および前記最底部は、その内部に椎体から椎体までその内部を通って骨が成長できるように、前記回転可能部材（１２０、３２０）の前記開放内部（１２８、３２８）と連絡しかつ互いに連絡する少なくとも１つの開口（１３０、３３０）を含んでおり、前記回転可能部材（１２０、３２０）は、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部（１１４、３１４）内において、後退済み位置と展開済み位置との間で少なくともその一部が回転するように適合されており、前記骨係合用突出部（１３２、３３２）は、前記展開済み位置にあるときに隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するために、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記上側表面（１０６、３０６）および下側表面（１０８、３０８）を通過して延びており、前記回転可能部材（１２０、３２０）は第１の寸法と第２の寸法とを備え、前記第１の寸法は、前記中間長手方向の軸に垂直な線に沿って、前記最上部の前記骨係合用突出部（１３２、３３２）の１つから前記中間長手方向の軸まで計測されたものであり、前記第２の寸法は、前記中間長手方向の軸に垂直な線に沿って、前記最底部の前記骨係合用突出部（１３２、３３２）の１つから前記中間長手方向の軸まで計測されたものであり、前記第１の寸法と前記第２の寸法との合計は、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部（１１４、３１４）の前記最大幅よりも大きい、実質的に中空の内側回転可能部材と
   を備える椎体間脊椎融合インプラント。
2. 前記骨係合用突出部（１３２、３３２）の少なくとも１つは、骨内に割り込めるように適合された鋭利な前縁部を有する、請求項１に記載のインプラント（１００、３００）。
3. 前記ハウジング（１０１、３０１）および前記回転可能部材（１２０、３２０）は、前記回転可能部材（１２０、３２０）の回転を１８０度以下に制限するように協働している、請求項１または２に記載のインプラント（１００、３００）。
4. 前記回転可能部材（１２０、３２０）の前記開口（１３０、３３０）の少なくとも一部分は、前記展開済み位置にあるときに、隣接する椎体から隣接する椎体まで、前記インプラント（１００、３００）の前記ハウジング（１０１、３０１）を通り、かつ前記回転可能部材（１２０、３２０）を通って骨が成長できるように、前記ハウジング（１０１、３０１）の前記開口（１１６、３１６）の少なくとも一部分と概ね整列するように構成される、請求項１乃至３のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
5. 前記ハウジング（１０１、３０１）は、前記回転可能部材（１２０、３２０）をその内部に受け容れるために開き、かつ少なくとも一部の前記回転可能部材（１２０、３２０）を前記ハウジング（１０１、３０１）の内部に保持するために閉じるように構成される、請求項１乃至４のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
6. 前記インプラント（１００、４００、３００、８００）は、高さと前記高さと比べてより大きい幅を有し、かつ前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部に挿入されるように構成された第２の回転可能部材（４２０、８２０）をさらに備え、前記第２の回転可能部材（４２０、８２０）は、前端部（４２２、８２２）、後端部（４２４、８２４）、中間長手方向の軸、最上部、および最底部を有しており、前記第２の回転可能部材（４２０、８２０）の前記最上部および前記最底部のそれぞれは、少なくとも１つの骨係合用突出部（４３２、８３２）を含み、前記骨係合用突出部（４３２、８３２）を前記第２の回転可能部材（４２０、８２０）の中間長手方向の軸の周りに回転させることによって、前記骨係合用突出部は、隣接する椎体の骨を貫通可能に係合するように適合される、請求項１乃至５のいずれか一項に記載のインプラント（１００、４００、３００、８００）。
7. 前記ハウジング（１０１、３０１）は横方向断面を有しており、前記横方向断面は、少なくともその一部が前記ハウジング（１０１、３０１）の中間長手方向の軸の少なくとも一部分に沿って概して正方形状である、請求項１から５のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
8. 前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部（１１４、３１４）は、前記ハウジング（１０１、３０１）内における前記回転可能部材（１２０、３２０）の回転の程度を制限するように構成される、請求項１乃至７のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
9. 前記ハウジング（１０１、３０１）の前記中空の内部（１１４、３１４）は、少なくとも１つの接触表面（１３５、３３５）を含み、前記接触表面は、前記回転可能部材（１２０、３２０）の回転を制限するために、前記回転可能部材（１２０、３２０）の一部分と接触するように適合される、請求項１から７のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
10. 前記インプラント（１００、３００）は、椎間板空間の横方向幅の半分より小さい幅を有し、前記インプラント（１００、３００）のうちの少なくとも２つが、前記椎間板空間内に移植可能となるように、前記インプラント（１００、３００）が前記椎間板空間の内部に挿入されるように適合される、請求項１から５のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
11. 骨成長促進材料と組み合わせらる、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
12. 前記骨成長促進材料は、骨、骨誘導生成物、脱塩骨基質、骨化性たんぱく質、骨形成たんぱく質、ヒドロキシアパタイト、および骨を生成させるようにコード化した遺伝子のうちの１つから選択される、請求項１１に記載のインプラント（１００、３００）。
13. 傷の形成を阻害するように適合された化学物質と組み合わされる、請求項１乃至１２のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
14. 抗菌性の材料と組み合わされる、請求項１乃至１３のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
15. 前記骨係合用突出部（１３２、３３２）のうちの２つは、前記回転可能部材（１２０、３２０）が前記後退済み位置にあるときに、前記回転可能部材（１２０、３２０）の中間長手方向の軸を横切る１つの平面内で互いに対して概して対角位置にある、請求項１から５のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。
16. 前記上側表面（１０６、３０６）および下側表面（１０８、３０８）は、横方向で概して非弓形状である、請求項１乃至１５のいずれか一項に記載のインプラント（１００、３００）。

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