JP4293327B2 - ホログラムカラーフィルター及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラムカラーフィルター及びそれを用いた画像表示装置に関し、特に、反射型の画像表示装置に適したホログラムカラーフィルターとそのホログラムカラーフィルターと高分子分散型液晶表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス型表示素子等の空間光変調器とを組み合わせた反射型の画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願平5−12170号等において、液晶表示用バックライト等の利用効率を大幅に向上させるために、ホログラムを利用したカラーフィルター及びそれを用いた液晶表示装置を提案した。
【0003】
このホログラムカラーフィルターは、偏心したフレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーからなるものである。
【0004】
以下、簡単にこのような偏心したフレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーからなるホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置について、図8の断面図を参照にして説明する。同図において、規則的に液晶セル6′(分色画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3入射側にこのホログラムカラーフィルターを構成するホログラムアレー5が離間して配置される。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブラック・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表示装置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置するようにしてもよい。
【0005】
ホログラムアレー5は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム5′は液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′各組に整列して各々1個ずつ配置されており、各微小ホログラム5′は、ホログラムアレー5の法線に対して角度θをなして入射するバックライト3の中の緑色の成分の光を、その微小ホログラム5′に対応する3つの分色画素R、G、Bの中心の液晶セルG上に集光するように、図6にその干渉縞を模式的に示すようなフレネルゾーンプレート状に形成されているものである。図6において、微小ホログラム5′としては例えば点線で囲んだ領域が用いられる。そして、微小ホログラム5′は、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長はほとんど回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子は、略可視光全域で波長に応じて異なる回折角で回折する。
【0006】
このような構成であるので、ホログラムアレー5の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなして入射する白色のバックライト3を入射させると、波長に依存して微小ホログラム5′による回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラムアレー5面に略平行な方向に分散される。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、ホログラムアレー5を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。
【0007】
このように、ホログラムアレー5をカラーフィルターとして用いることにより、従来のカラーフィルター用バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射させることができるため、その利用効率を大幅に向上させることができる。
【0008】
本出願人は、また、特願平8−95289号において、上記のようなホログラムカラーフィルターを用いた反射型の画像表示装置を提案した。図9の断面図を参照にしてその反射型の画像表示装置について説明する。
【0009】
この例では、空間光変調器として高分子分散型液晶(PDLC)表示素子31を用いている。同図において、規則的に分色画素31′に区切られたPDLC表示素子31の表側(観察側)にホログラムカラーフィルター5が離間して配置される。PDLC表示素子31背面にはアルミニウム膜のような反射層32が配置されている。PDLC表示素子31の分色画素31′間には不図示のブラック・マトリックス(図8参照)が配置されている。なお、ホログラムカラーフィルター5と反射層32の間の距離は、微小ホログラム5′の集光距離(焦点距離)に略等しく選ばれる。
【0010】
この場合も、ホログラムカラーフィルター5は、PDLC表示素子31のR、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、PDLC表示素子31の紙面内の方向に隣接する3つの分色画素31′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム5′はPDLC表示素子31の紙面内の方向に隣接する3つの分色画素31′各組に対応して各々1個ずつ配置されており、各微小ホログラム5′は、ホログラムカラーフィルター5の法線に対して角度θをなして入射する照明光33の中の緑色の成分の光34Gを、その微小ホログラム5′に対応する3つの分色画素R、G、Bの中心の分色画素G近傍に集光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されているものである。
【0011】
このような配置であるので、ホログラムカラーフィルター5の表面側から入射角θで白色照明光33を入射させると、ホログラムカラーフィルター5により波長分散され、各波長に対する集光位置はホログラムカラーフィルター5面に平行な方向に分散される。その中の、赤の波長成分34Rは赤を表示する分色画素Rの位置の反射層32の表面近傍に、緑の成分34Gは緑を表示する分色画素Gの位置の反射層32の表面近傍に、青の成分34Bは青を表示する分色画素Bの反射層32の表面近傍にそれぞれ回折集光するように、ホログラムカラーフィルター5を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックスでほとんど減衰されずに各分色画素31′を通過し、反射層32で反射されて、対応する分色画素R、G、Bを裏面側からもう一度透過し、さらにホログラムカラーフィルター5に入射して今度はホログラムカラーフィルター5でほとんど回折されずに透過光35R、35G、35Bとなり、観察者の眼に入射する。したがって、各色の成分34R、34G、34Bはそれぞれ赤、緑、青を表示する画素R、G、Bに入射してそれらの分色画素の表示状態に応じた強度変調を受けて観察者の眼に達するので、分色画素R、G、Bの変調状態の組み合わせによってカラー画像表示が可能になる。
【0012】
ここで、PDLC表示素子31は、電圧のオン、オフによって白濁状態と透明状態を制御することによって表示を行うもので、偏光板が必要でないため、TN液晶表示素子等の通常の液晶表示素子より明るい表示が可能である。その上、カラー画像表示のために照明光33の利用効率が高いホログラムカラーフィルター5を用いるので、より明るいカラー画像表示が可能になる。
【0013】
また、空間光変調器として、PDLC表示素子の代わりにデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いいることも提案している。図10は、ホログラムカラーフィルター5の背面側に配置する空間光変調器としてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)37を用いた例を示す断面図であり、ホログラムカラーフィルター5で分光された赤色回折成分34R、緑色回折成分34G、青色回折成分34Bがそれぞれが集光する位置近傍にDMD37の微小ミラー38が位置するように、DMD37を配置する。このような配置をとると、分色画素RとBの位置が変調を受けているので、反射光35R、35Bは所定の方向に反射し、これに対し分色画素Gは変調されていないので、反射光35Gは反射光35R、35Bと異なる方向に反射する。したがって、例えば反射光35R、35Bの方向から観察することによって、カラー画像が観察でき、明るいカラー画像表示が可能になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図9、図10に示したような偏心したフレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーからなるホログラムカラーフィルターを用いた反射型の画像表示装置の場合、反射層32あるいは微小ミラー38からの反射光がホログラムアレー5に再入射する。このとき、ホログラムアレー5により大部分の光が再回折され、入射方向に戻ってしまう。回折された光束を表示に用いることも可能であるが、出射角が斜めになるので、画像が歪んでしまうという問題がある。
【0015】
また、図9、図10の例のように、ホログラムアレー5で分散された回折光が入射面内である程度斜めになるように設計すれば、ホログラムアレー5に再入射した光は設計入射角度(ブラッグ角)からずれるので、回折されない。しかし、この場合、照明光33の光源自体の発散角に、分散角、さらに、上記の斜めにした分の角度が加えられ、表示光35R、35G、35Bは大きく傾いた方向に出ることになり、画像が歪んでしまう。また、投影表示する場合は、極めて大型の投影レンズを用いる必要がある。
【0016】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示光がホログラムアレーにより再回折されず、かつ、略正面から歪みなく画像が観察でき、投影表示する場合に大きな口径の投影レンズを必要としない反射型画像表示装置及びそれに用いるホログラムカラーフィルターを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のホログラムカラーフィルターは、斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムが2次元的にアレー状に配置されてなることを特徴とするものである。
【0018】
この場合、その微小ホログラムは、入射面に垂直な方向では偏向機能に加えて集光機能を有することが望ましい。
【0019】
また、その微小ホログラムは、集光性ホログラムの偏心領域から切り出してなるものとすることができる。
【0020】
また、微小ホログラムの配列周期が、入射面に垂直な方向の隣接微小ホログラム同志が入射面に平行な方向にずれているものとすることができる。
【0021】
また、その微小ホログラムは、入射面に対して傾いた方向にのみ収束性を有するホログラムからなるようにすることもできる。
【0022】
上記目的を達成する本発明のホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置は、照明光源と、その照明光源から斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムを2次元的にアレー状に配置してなるホログラムカラーフィルターと、その集光面近傍に配置された反射層と、前記ホログラムカラーフィルターと前記反射層の間に配置された透過型空間光変調器とからなることを特徴とするものである。
【0023】
この場合に、入射面に垂直な方向において、透過型空間光変調器の画素の配列周期がホログラムカラーフィルターの微小ホログラムの配列周期に対して少なくとも半画素分ずれて配列されていることが望ましい。
【0024】
また、その透過型空間光変調器として、電圧の印加、解除によって白濁状態と透明状態を制御する高分子分散型液晶表示素子を用いることができる。
【0025】
本発明のもう1つのホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置は、照明光源と、その照明光源から斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムを2次元的にアレー状に配置してなるホログラムカラーフィルターと、その集光面近傍に配置された外部からの信号により各々独立に傾き角が制御可能な微小ミラーの2次元配列体からなるデジタルマイクロミラーデバイス型表示素子とからなることを特徴とするものである。
【0026】
これらの画像表示装置は、反射光を投影光学系によって拡大投影するようにしてもよい。
【0027】
本発明においては、ホログラムカラーフィルターが、斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムが2次元的にアレー状に配置されてなるので、そのホログラムカラーフィルターの集光面近傍に配置された反射層によって反射された波長分散により分光された光は、そのホログラムカラーフィルターで再回折せず、略正面方向に進むことになり、これを空間光変調器と組み合わせて反射型画像表示装置を構成すると、略正面から歪みなく画像が観察でき、投影表示する場合に大きな口径の投影レンズを用いなくとも光利用効率の低下を起こさず、明るい像を投影することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、まず、本発明のホログラムカラーフィルター及びそれを用いた画像表示装置の原理を説明する。
【0029】
図4に示すように、フレネルゾーンプレート状の集光性ホログラムZPHをY−Z平面に配置し、かつ、その中心軸がZ軸に一致するように配置する。このフレネルゾーンプレート状の集光性ホログラムZPHは、従来と同様に、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長はほとんど回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子は、波長に応じて異なる回折角で回折する。そして、その集光性ホログラムZPHの緑色光に対する焦点距離をfとする。
【0030】
集光性ホログラムZPHに平行に距離fだけ離れて裏面側(−Z側)に平面鏡Mを配置する。この集光性ホログラムZPHのZ軸に対する角度θでX−Z平面に平行な白色照明光Lを入射したときの集光位置に対応する位置近傍であって、−Y軸方向にX軸から1画素分の幅を有し、X軸方向に1画素分の長さを有する集光性ホログラムZPHの微小ホログラム領域51を考える。
【0031】
微小ホログラム領域51に入射した白色照明光Lは、図5(a)に示すように、X−Z平面に平行な面内では、従来のホログラムカラーフィルターと同様に、回折により、赤色回折成分R、緑色回折成分G、青色回折成分Bの光に分光され、それぞれ平面鏡M近傍に集光する。これに対して、図5(b)に示すように、Y−Z平面に平行な面内ではこのような分光は起きず、その微小ホログラム領域51の1辺の真下であるX軸の真下に集光する。
【0032】
平面鏡Mで反射された赤色回折成分R、緑色回折成分G、青色回折成分Bの光は、X軸に対して対称の位置にある領域51’に入射し、集光性ホログラムZPHのこの領域51’の回折作用により、入射照明光Lと反対に方向に再回折されて入射方向に戻ってしまう。その様子を図5(b)に光束L’として示してある。
【0033】
しかしながら、この領域51’に微小ホログラム領域51のホログラムと同じ回折特性の微小ホログラムを配置してあると、その領域51’のホログラムは最早ブラッグの回折条件を満たないので、平面鏡Mで反射された赤色回折成分R、緑色回折成分G、青色回折成分Bの光は、この対称の領域51’で再回折されず直通する。その様子を、図4、図5(b)に光束L”として示してある。
【0034】
したがって、照明光Lの入射面をX−Z面とするとき、X−Z面内で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直なY−Z面内では偏向機能を有する(集光機能を持つ必要性は必ずしもない。)同じ特性の微小ホログラム51を2次元的にアレー状に配置してホログラムカラーフィルターを構成することにより、そのホログラムカラーフィルターの集光面近傍に配置された反射層によって反射された波長分散により分光された光は、そのホログラムカラーフィルターで再回折せず、略正面方向に進むことになり、これを空間光変調器と組み合わせて反射型画像表示装置を構成すると、略正面から歪みなく画像が観察でき、投影表示する場合に大きな口径の投影レンズを必要としないものが構成できる。
【0035】
なお、このような特性の微小ホログラム51としては、例えば図6の実線で囲んだ領域が用いられる。
【0036】
次に、このような本発明のホログラムカラーフィルター50を用いた反射型の画像表示装置を、図1の説明図を参照にして説明する。図1(a)は略平行な白色照明光33の入射面への射影図、図1(b)はその入射面に垂直な射影図である。この例では、空間光変調器として高分子分散型液晶(PDLC)表示素子31を用いている。同図において、R、G、Bの分色画素1組からなる画素60が規則的に配列されてなるPDLC表示素子31の表側(観察側)に本発明のホログラムカラーフィルター50が離間して配置される。PDLC表示素子31背面にはアルミニウム膜のような反射層32が配置されている。なお、ホログラムカラーフィルター50と反射層32の間の距離は、微小ホログラム51の集光距離(焦点距離)に略等しく選ばれる。
【0037】
ホログラムカラーフィルター50においては、白色照明光33の入射面の方向においては(図1(a))、R、G、Bの分色画素1組からなる画素60の配列ピッチと同じピッチでの微小ホログラム51がアレー状に配置されており、また、その入射面に垂直な方向においては(図1(b))、画素60の配列ピッチと同じピッチでの微小ホログラム51がアレー状に配置されている。
【0038】
そして、白色照明光33の入射面の方向においては(図1(a))、微小ホログラム51は、ホログラムカラーフィルター50の法線に対して角度θをなして入射する白色照明光33の中の緑色の成分の光34Gを、対応する画素60中の分色画素Gの中心近傍に集光するように形成されている。
【0039】
また、入射面に垂直な方向においては(図1(b))、微小ホログラム51で入射面に垂直な方向に偏向された光が画素60の中心近傍に集光して入射するように微小ホログラム51の配列ピッチに対して半ピッチ以上ずれるように画素60が配置される(図4、図5のような微小ホログラム51の切り出しの場合は、半ピッチとなるが、その切り出しをX軸からずらして行う場合は半ピッチより大きくなる。)。
【0040】
このような配置であるので、ホログラムカラーフィルター50の表面側から入射面に沿って入射角θで白色照明光33を入射させると、ホログラムカラーフィルター50により入射面方向に波長分散され、各波長に対する集光位置は微小ホログラム51の中央でなく入射面に沿う一辺あるいはその外側の線の方向に分散される。その中の、赤の波長成分34Rは赤を表示する画素Rの位置の反射層32の表面近傍に、緑の成分34Gは緑を表示する画素Gの位置の反射層32の表面近傍に、青の成分34Bは青を表示する画素Bの反射層32の表面近傍にそれぞれ回折集光するように、微小ホログラム51を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックスでほとんど減衰されずに各分色画素R、G、Bを通過し、反射層32で反射されて、対応する分色画素R、G、Bを裏面側からもう一度透過し、今度は同じ微小ホログラム51でなく近傍の微小ホログラム51に入射して今度はホログラムカラーフィルター50で回折されずに透過光35R、35G、35Bとなり、観察者の眼に入射する。したがって、各色の成分34R、34G、34Bはそれぞれ赤、緑、青を表示する分色画素R、G、Bに入射してそれらの分色画素の表示状態に応じた強度変調を受けて観察者の眼に達するので、分色画素R、G、Bの変調状態の組み合わせによってカラー画像表示が可能になる。また、カラー画像表示のために照明光33の利用効率が高いホログラムカラーフィルター5を用いるので、より明るいカラー画像表示が可能になる。
【0041】
しかも、表示光35R、35G、35Bは、入射面の方向においては略正面方向に出射し、入射面に垂直な方向においても(図1(b))、微小ホログラム51の焦点距離をf、画素60のピッチをPとすると、β=tan-1(P/(2f))≒P/(2f)程度の出射角となり、略正面方向に進むことになる。したがって、表示像を略正面方向から観察することができ、歪みなく画像が観察できる。また、この反射型画像表示装置の表示像を投影表示する場合に、表示光35R、35G、35Bが画像表示面から略垂直に出るので、大きな口径の投影レンズを用いなくとも光利用効率の低下を起こさず、明るい像を投影することができる。
【0042】
さらに、図2に示すように、微少ホログラム51とPDLC表示素子31の画素60の配列周期を、入射面に垂直な方向の隣接画素間でずらすようにすることにより(いわゆる「デルタ配置」として一般の液晶表示素子で用いられている。)、反射層32で反射されて隣接する微少ホログラム51に入射する光線35(35R、35G、35B)はさらにブラッグの回折条件から離れるため、再回折される割合はさらに減少する。この結果、光の利用効率をより高めることが可能となる。なお、図2において、(a)は本発明のホログラムカラーフィルター50を用いた反射型の画像表示装置の斜視図、(b)はそのX方向から見た図、(c)はそのY方向から見た図である。
【0043】
なお、図6の実線で囲んだ領域を切り出してなる微少ホログラム51は、図7(a)に模式的に示すように、X方向、Y方向共に集光機能を有するものである。図7(b)にその干渉縞を直線近似してなるホログラムを示すように、斜めに傾いた一方向にのみ集光機能を有するホログラムを微少ホログラム51として用いるようにしてもよい。この場合は、干渉縞が互いに平行な直線で構成することができるので、計算機合成ホログラムにより作成する場合は、計算・作製が容易になると言う利点がある。
【0044】
また、本発明においても、上記のPDLC表示素子31の代わりにデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いいることもできる。従来の図10と図1を参照にすれば、その場合の構成は明らかであるので、図示は省く。
【0045】
これら実施例の反射型画像表示装置は投影画像表示装置として用いることができる。図3にPDLC表示素子31を用いた反射型画像表示装置を投影する場合の断面図を示す。例えばメタルハライドランプ15と放物面鏡16の組み合わせからなる照明装置14からの白色の平行な照明光33によって、図1の画像表示装置の斜め前方から照明され、画像表示装置で変調された表示光35は、投影レンズ18に入射し、その投影レンズ18により表示像は拡大されてスクリーン19上に結像され、明るい投影像を得ることができる。
【0046】
以上、本発明のホログラムカラーフィルターとそれを用いた画像表示装置を原理の説明といくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。例えば、PDLC表示素子の代わりにTN型あるいはスーパーツイストネマチック(STN)型の通常の液晶表示素子等を用いることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラムカラーフィルター及びそれを用いた画像表示装置によると、ホログラムカラーフィルターが、斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムが2次元的にアレー状に配置されてなるので、そのホログラムカラーフィルターの集光面近傍に配置された反射層によって反射された波長分散により分光された光は、そのホログラムカラーフィルターで再回折せず、略正面方向に進むことになり、これを空間光変調器と組み合わせて反射型画像表示装置を構成すると、略正面から歪みなく画像が観察でき、投影表示する場合に大きな口径の投影レンズを用いなくとも光利用効率の低下を起こさず、明るい像を投影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラムカラーフィルターを用いた1実施例の反射型画像表示装置の説明図である。
【図2】本発明のホログラムカラーフィルターを用いた反射型画像表示装置の変形例を説明するための図である。
【図3】図1の反射型画像表示装置を投影画像表示装置として用いる場合の断面図である。
【図4】本発明のホログラムカラーフィルター原理を説明するための図である。
【図5】図4のX−Z面、Y−Z面への射影図である。
【図6】集光性ホログラムの干渉縞を模式的に示す図である。
【図7】微少ホログラムの変形例の干渉縞を模式的に示す図である。
【図8】従来のホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【図9】従来のホログラムカラーフィルターを用いた反射型画像表示装置の断面図である。
【図10】従来のデジタルマイクロミラーデバイスとホログラムカラーフィルターを用いた反射型画像表示装置の断面図である。
【符号の説明】
ZPH…集光性ホログラム
M…平面鏡
L…白色照明光
R…赤色回折成分(R分色画素)
G…緑色回折成分(G分色画素)
B…青色回折成分(B分色画素)
L’…再回折されて戻る光束
L”…再回折されず直通する光束
14…照明装置
15…メタルハライドランプ
16…放物面鏡
18…投影レンズ
19…スクリーン
31…高分子分散型液晶(PDLC)表示素子
32…反射層
33…白色照明光
34…回折光
34R、34G、34B…回折分光成分
35…表示光
35R、35G、35B…表示光(透過光)
50…ホログラムカラーフィルター(本発明)
51…微小ホログラム(領域)
51’…対称領域
60…画素
Claims (10)
- 斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムが2次元的にアレー状に配置されてなることを特徴とするホログラムカラーフィルター。
- 前記微小ホログラムは、入射面に垂直な方向では偏向機能に加えて集光機能を有することを特徴とする請求項1記載のホログラムカラーフィルター。
- 前記微小ホログラムは、集光性ホログラムの偏心領域から切り出してなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラムカラーフィルター。
- 前記微小ホログラムの配列周期が、入射面に垂直な方向の隣接微小ホログラム同志が入射面に平行な方向にずれていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のホログラムカラーフィルター。
- 前記微小ホログラムは、入射面に対して傾いた方向にのみ収束性を有するホログラムからなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のホログラムカラーフィルター。
- 照明光源と、その照明光源から斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムを2次元的にアレー状に配置してなるホログラムカラーフィルターと、その集光面近傍に配置された反射層と、前記ホログラムカラーフィルターと前記反射層の間に配置された透過型空間光変調器とからなることを特徴とするホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置。
- 前記入射面に垂直な方向において、前記透過型空間光変調器の画素の配列周期が前記ホログラムカラーフィルターの微小ホログラムの配列周期に対して少なくとも半画素分ずれて配列されていることを特徴とする請求項6記載のホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置。
- 前記透過型空間光変調器として、電圧の印加、解除によって白濁状態と透明状態を制御する高分子分散型液晶表示素子を用いたことを特徴とする請求項6又は7記載のホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置。
- 照明光源と、その照明光源から斜め入射の照明光の入射面方向で集光機能と分光機能を有し、その入射面に垂直な方向では偏向機能を有する同じ特性の微小ホログラムを2次元的にアレー状に配置してなるホログラムカラーフィルターと、その集光面近傍に配置された外部からの信号により各々独立に傾き角が制御可能な微小ミラーの2次元配列体からなるデジタルマイクロミラーデバイス型表示素子とからなることを特徴とするホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置。
- 反射光を投影光学系によって拡大投影するようになっていることを特徴とする請求項6から9の何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた画像表示装置。
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