JP4292435B2 - 屈伸位置調節可能な介護用ベッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベッドの技術分野に属し、特に使用者の体格にあわせて膝等の屈伸位置を調節することが可能な介護用ベッドの技術分野に属する。なお、本明細書中では、介護用ベッドとは、病人、老人、障害者等の使用者を介護するためのベッドだけに限定されるものではなく、膝曲げやリクライニング等の屈伸機能をもったベッドを広く指すものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来の屈伸位置調節可能な介護用ベッドとしては、たとえば、特開平9−84836号公報(従来技術1)、特開平9−313544号公報(従来技術2)および実開平8−1059号公報(従来技術3)に開示されたものがある。そして、これらの従来技術では、所定の曲率で湾曲することができる湾曲ボトム部材を屈伸部に使用していた。
【0003】
すなわち、従来技術1および従来技術2では、長手方向(使用者の身長方向)に延在する第一フレームおよび第二フレームを長手方向に互いに連結するのに、ピボット周りに屈伸可能なヒンジ部材を使用していた。そして、使用者の体格に合わせてベッドのボトム(上面部)のうち屈伸する部分の位置を調整するために、従来技術1では、ヒンジ部材と両フレームとの結合位置は、長手方向に調整可能に設計されていた。一方、従来技術2では、長手方向に所定間隔をおいて二つのピボットをもつヒンジ部材を採用して、両ピボットのうち一方を固定することにより、屈伸する部分の位置を長手方向に二段階で調節することができるようになっていた。
【0004】
さらに、ヒンジ部材を覆い床面(ボトムの上面)の一部を形成するボトム部材には、所定の曲率で湾曲することができる湾曲ボトム部材が使用されていた。また、屈曲した状態で湾曲ボトム部材を支えるヒンジ部材は、湾曲ボトム部材の底面に沿って曲面を形成することができるように、ピボットに近い部分の上面が適当な曲率をもって形成されていた。
【0005】
ここで、湾曲ボトム部材は、従来技術3によれば、複数の逆台形の短冊状ボトム部材がその上面で互いに屈曲可能につながって構成されている。すなわち、複数の短冊状ボトム部材は、上面側で互いに一体的につながっており、下面側では適当なギャップを空けている。それゆえ、短冊状ボトム部材が上に凸に湾曲した際に、短冊状ボトム部材の上面側の連結部分が撓むともに、下面側ではギャップがつぶれて湾曲する曲率の範囲が適正に限定されている。すなわち、各従来技術に使用される湾曲ボトム部材は、中空状の熱可塑性樹脂からなり可撓性のある一体部材である。
【0006】
なお、従来技術1および従来技術2においては、ヒンジ部材の延伸時にこのような湾曲ボトム部材が逆方向に撓んでしまわないようにする必要がある。たとえば、湾曲ボトム部材のギャップ側に逆湾曲規制部材を設けるとか、湾曲ボトム部材が配設されているヒンジ部材の脇に直線状の支持部材を設けておくなどの対策が必須である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の各従来技術の湾曲ボトム部材では、複数の短冊状のボトムが上面側で一体的につながっているので断面形状が大きく、下面側では適正なギャップが各短冊状ボトムの間に形成されていなければならない。それゆえ、湾曲ボトム部材の寸法が大きく形状が複雑であることから、湾曲ボトム部材を製造するための成形型も大きく複雑になり、成形型の製造コストがかなりかかってしまうので、いきおい湾曲ボトム部材の価格も高くついてしまう。また、このような湾曲ボトム部材を成型するためには、湾曲ボトム部材の長手方向の幅寸法が大きいので押し出し成形によって製造するのは困難であり、射出成形によって製造せざるを得なかった。その結果、湾曲ボトム部材の製造費用がなお高くなり、湾曲ボトム部材の価格の高騰が、屈伸位置調節可能な介護用ベッドを安価に提供する上での妨げになっていた。
【0008】
そこで本発明は、より安価な屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長手方向に延在する第一フレームおよび第二フレームと、両該フレームを長手方向に互いに連結し屈伸可能であるとともに両該フレームとの結合位置が長手方向に調整可能であるヒンジ部材と、両該フレームおよび該ヒンジ部材を覆い床面を形成するボトム部材とを有する屈伸位置調節可能な介護用ベッドにおいて、前記ボトム部材のうち前記ヒンジ部材を覆っているものは、互いに別体で複数の短冊状ボトム部材であることを特徴とする屈伸位置調節可能な介護用ベッドである。
【0010】
すなわち、本発明の屈伸位置調節可能な介護用ベッドでは、前述の各従来技術の湾曲ボトム部材に当たる部分は、互いに別体の複数の短冊状ボトム部材から構成されている。それゆえ、各短冊状ボトム部材は、別体に成型されるので、一体成型された大きな湾曲ボトム部材を成型する場合よりも、本発明での短冊状ボトム部材を成型する場合の方が、成形型がずっと小さくてすむ。その結果、成形型の制作費用が従来技術よりもずっと安価になり、一つのベッドに必要な数の短冊状ボトム部材をより安価に製造することが可能になり、ひいてはより安価に屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することができるようになる。
【0011】
この場合において、複数の短冊状ボトム部材は互いに同一な形状であることが望ましい。このように各短冊状ボトム部材が同一形状であれば、これらは単一の規格品となるので複数の成形型を用意する必要がなくなり、よりいっそう安価に短冊状ボトム部材を製造することができるようになる。
また、本発明の屈伸位置調節可能な介護用ベッドでは、ボトム部材に可撓性が要求されず、膝部分等の屈伸部を曲げる際にもボトム部材の大きな変形はない。すなわち、本発明では、ボトム部材の変形がほとんどないので、長期間にわたって使用してもボトム部材にひびが入ったりすることが防止されており、ボトム部材の寿命が長く長期間にわたって維持費が低く抑えられている。
【0012】
したがって、本発明によれば、屈伸位置調節可能な介護用ベッドをより安価に提供することができるばかりではなく、同ベッドの維持費をも減らすことができるという効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、ヒンジ部材を覆っているボトム部材は互いに別体で複数の短冊状ボトム部材であることを特徴としているが、これらの複数の短冊状ボトム部材は同一形状であってもよく、さらに、他の部分を覆っているボトム部材もこれらと同じ短冊状ボトム部材であってもよい。このような構成にすれば、全てのボトム部材が単一の規格品からなるので、複数の成形型を用意する必要がなくなり、よりいっそう安価に屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することができるようになる。さらに、各短冊状ボトム部材の間に適正な隙間を設ければ、これらの隙間を通してボトムの上下間で通気性が良好になり、ボトムの上に載せられたマットや布団の湿気が抜けやすくなるので、本発明のベッドの使用感がより快適になる。
【0014】
ここで、前記短冊状ボトム部材は、断面形状が一定の押し出し成型品からなることが望ましい。このような構成にすれば、短冊状ボトム部材は安価な熱可塑性樹脂等を押し出し成形することにより、よりいっそう安価に製造することができるので、屈伸位置調節可能な介護用ベッドをよりいっそう安価に提供することが可能になる。
【0015】
さらに、前記ヒンジ部材は、各前記短冊状ボトム部材毎に、上方に突出したT字状のヘッドをもつボルトまたはピンを少なくとも左右一対もち、各該短冊状ボトム部材は、該ヘッドと係合する断面T字状の係合溝をもつ構成とすると、なお望ましい。すなわち、押し出し成型品からなる短冊状ボトム部材の係合溝に左右一対のボルトまたはピンなどの係止部材のヘッドが挿入されるように、ベッドの横方向から短冊状ボトム部材を差し込むだけで、短冊状ボトム部材はベッドに固定される。すると、本発明のベッドへの各短冊状ボトム部材の挿置がきわめて容易になる。また、ボルトやピンのような係止部材は、取付け取り外しが容易であるから、その位置を適正に配置し直すことが簡単になり、屈伸位置の調節がより簡単になるという効果がある。
【0016】
また、前記短冊状ボトム部材は、左右に連通して形成された肉抜き孔をもつようにすると、なお望ましい。なぜならば、このような構成の短冊状ボトム部材であれば、肉抜き孔の分だけ材料費が節減されるとともに重量も軽減され、さらに保温性も向上するからである。
なお、以上は短冊状ボトム部材の特徴に注目して説明したが、短冊状ボトム部材を採用することにより、ヒンジ部材の構成も従来技術とは変えてより安価に製造することができるようになる。すなわち、本発明のベッドにおいて、前記ヒンジ部材のうち、各前記短冊状ボトム部材を保持し前記第一フレームまたは前記第二フレームに結合される連結部分は、直線状部材から構成されるようにすると、なお良い。
【0017】
なぜならば、湾曲ボトム部材を採用せず短冊状ボトム部材を採用しているので、従来技術1や従来技術2のように連結部分が曲線で形成された部材からなっていると不都合である。すなわち、ヒンジ部材が屈曲しているときは適当な湾曲をもってボトムが形成されるのでよいが、逆にヒンジ部材が伸展しているときには、短冊状ボトム部材がヒンジ部材の連結部分に沿って落ち込んでしまったりすると不都合である。それゆえ、ヒンジ部材の両連結部分が直線状部材から形成されていれば、このような機能上の不都合がなくなる。そればかりではなく、ヒンジ部材の製造費用が節減され、なおいっそうのコストダウンが可能になるという効果がある。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の屈伸位置調節可能な介護用ベッドの実施例を図面を参照して示し、当業者が容易に実施できるよう具体的に説明する。
[実施例1]
(実施例1の構成)
本発明の実施例1としての屈伸位置調節可能な介護用ベッドは、図1および図2に示すように、脚93に支持されたヘッドボード91およびフットボード92と、両ボードの間に配設された左右一対のサイドビーム5とをもつ。両サイドビーム5の間には、長手方向に延在する第一フレーム1および第二フレーム2と、両フレーム1,2を長手方向に互いに連結するヒンジ部材3と、第二フレーム2に屈伸可能に連結された背当てフレーム4とが配設されている。そして、第一フレーム1および第二フレーム2とヒンジ部材3と背当てフレーム4との上には、これらを覆い床面(ボトムの上面)を形成するボトム部材6,6’,7が、複数のボルト40によって装着されている。
【0019】
これらのボトム部材6,6’,7のうち、ボトム部材6,6’はそれぞれ互いに同一規格で細身の短冊状ボトム部材であり、ボトム部材7はそれぞれ互いに同一規格で幅広のボトム部材である。ボトム部材7の(ベッドの長手方向の)幅は、短冊状ボトム部材6,6’の幅の四倍程度である。また、各ボルト40は、互いに同一規格のボルトであり、各フレーム1,2,4およびヒンジ部材3の上面に所定距離だけヘッドを出して鉛直に立てられている。
【0020】
ここで、ヒンジ部材3は、長手方向中央部のピボット部33で屈伸可能であるとともに、ピボット部33で互いに連結された二つの連結部分において、第一フレーム1および第二フレーム2との結合位置が長手方向に調整可能である。また、ヒンジ部材3のうち、各短冊状ボトム部材6,6’を保持しそれぞれ第一フレーム1および第二フレーム2に結合される連結部分31,32は、直線状部材から構成されている。
【0021】
各フレーム1,2,4およびヒンジ部材3の下には、サイドビーム5とともに各フレーム1,2,4およびヒンジ部材3を上下方向に平行移動させる昇降機構81が装置されている。また、図3に示すように、各フレーム1,2,4の下には、背当てフレーム4を立てることにより使用者の背を起こす背当て起倒機構82が装置されている。さらに、図4に示すように、フレーム2,4およびヒンジ部材3の下には、背当て起倒機構82と連動して使用者の膝を曲げてやや起こす膝立機構83が装置されている。
【0022】
ここで、使用者の大腿部が長い場合には、図3のA部を図5(a)に拡大して示すように、使用者の体格に合わせて、中央部のピボット部33で折れ曲がるヒンジ部材3が両フレーム1,2に対し足下方向(図中左側)へずらして固定される。逆に、使用者の大腿部が短い場合には、図4のB部を図5(b)に拡大して示すように、使用者の体格に合わせて、ヒンジ部材3が両フレーム1,2に対し腰部方向(図中右側)へずらして固定される。
【0023】
両フレーム1,2に対する長手方向の位置をずらしてヒンジ部材3を両フレーム1,2に固定するには、先ず、使用者の膝関節の真下の位置にヒンジ部材3のピボット部33がくるように、両フレーム1,2に対するヒンジ部材3の位置を調整する。ここで、ヒンジ部材3の直線状部材31,32の側面には、左右方向に貫通して複数組の固定ピン孔30が形成されており、一方、両フレーム1,2の側面には、それぞれ対応する一組の固定ピン孔10,20が形成されている。それゆえ、ヒンジ部材3をずらして位置調整する際には、両フレーム1,2に形成されている固定ピン孔10,20と、ヒンジ部材3の両直線状部材31,32に形成されている複数組の固定ピン孔30のうちいずれかとが対面するように、位置調整する。すなわち、両フレーム1,2に対するヒンジ部材3の位置調整は、固定ピン孔30の形成されているピッチで段階的に行うことができる。
【0024】
そして、両フレーム1,2およびヒンジ部材3の側面に左右方向に貫通して開けられた複数の固定ピン孔30に固定ピン(図略)を挿入し、ヒンジ部材3の直線状の直線状部材31,32と両フレーム1,2とを結合する。この際、短冊状ボトム部材6’のうち、直線状部材31,32と両フレーム1,2との結合の邪魔になるものは、左右いずれかの方向に引き抜いてヒンジ部材3から取り外しておく。
【0025】
すると、ヒンジ部材3を両フレーム1,2に対してずらしたことにより、ヒンジ部材3の連結部分31,32のうち一方に開いた部分が生じる。そこで、直線状部材31,32のうち短冊状ボトム部材6’を取り外した方と反対側へ、すなわち、ヒンジ部材3をずらした方とは反対側の直線状部材(31または32)へ取り外した短冊状ボトム部材6’を移設する。その結果、移設された短冊状ボトム部材6’はベッドのボトムを形成するに至るので、移設された短冊状ボトム部材6’をボルト40により固定する。
【0026】
なお、ヒンジ部材3の一方の連結部分31と第一フレーム1とは、断面形状が互いに係合してスライド可能になっている。同様に、ヒンジ部材3の他方の連結部分32と第二フレーム2の連結部分21とは、断面形状が互いに係合してスライド可能になっている。
また前述のように、本実施例では、ヒンジ部材3の側面に複数組の固定ピン孔を形成し、両フレーム1,2のそれぞれの側面に対応する一組の固定ピン孔を形成している。しかし、これとは逆に、ヒンジ部材3の直線状部材31,32の側面にそれぞれ一組の固定ピン孔を形成し、両フレーム1,2のそれぞれの側面に対応する複数組の固定ピン孔を形成した構成としても良い。あるいは、ヒンジ部材3および両フレームのいずれも側面にも複数組の固定ピン孔を形成した構成としても良い。
【0027】
図5(a)〜(b)に示すように、ヒンジ部材3を覆っている五本の短冊状ボトム部材6,6’は、互いに別体で同一形状の同一規格品であり、互いに隣り合う短冊状ボトム部材6,6’の間には、同じだけの適当な間隔が開けてある。すなわち、各短冊状ボトム部材6,6’は、長手方向に所定のピッチで等間隔に配設されている。ヒンジ部材3には、各短冊状ボトム部材6,6’毎に、上方に所定の距離だけ突出したT字状のヘッドをもつボルト40が左右一対(図2参照)ねじ込まれている。
【0028】
ここで、短冊状ボトム部材6,6’は、図6に示すように、ポリプロピレン樹脂(PP)を材料とする断面形状が一定の押し出し成型品からなり、短冊状ボトム部材6,6’の左右両端の開口部は、図示しないキャップによって封止されている。そして、各短冊状ボトム部材6,6’は、前述の各ボルト40のT字状のヘッドと係合する下方に開口した断面T字状の係合溝61を中央にもち、左右に連通して形成された一対の肉抜き孔60をもつ軸対称な断面形状をしている。また、製造が容易で作業者の手指やマットを傷つけないようにするために、短冊状ボトム部材6,6’の角部には適正なアールが付けられており、応力集中を防ぐために隅部にも適正なアールが付けられている。なお、短冊状ボトム部材6,6’の各部の肉厚はおおむね一定に形成されている。そして、係合溝61を形成する部分の最上部と上面を形成する天井部分とは、一対の肉抜き孔60を分断する壁肉で接合されており、上下方向の圧縮強度が高められている。
【0029】
なお、幅広のボトム部材7も、使用者の身長方向の幅が広いという点を除き、おおむね前述の短冊状ボトム部材6,6’と同様の材料で同様に構成されている。それゆえ、本実施例のボトム部材6,6’,7は、短冊状ボトム部材6,6’とボトム部材7との二種類の押し出し成型品からなり、これらの製造に必要な押し出し成形型には小型の二種類が要求されるにすぎない。
【0030】
(実施例1の作用効果)
本実施例の屈伸位置調節可能な介護用ベッドは、以上のように構成されているので、以下のような大きく分けて三つの作用効果を発揮する。
第一に、本実施例によれば、より安価に屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することが可能になるという効果がある。
【0031】
すなわち、本実施例の屈伸位置調節可能な介護用ベッドでは、前述の各従来技術の湾曲ボトム部材に当たる部分は、前述のように、互いに別体で同一形状の複数の短冊状ボトム部材6,6’から構成されている。それゆえ、各短冊状ボトム部材6,6’は、互いに同一規格であるうえに別体に成型されるので、一体成型された大きな湾曲ボトム部材を成型するよりも、本実施例での複数の細身の短冊状ボトム部材6,6’を成型するの方が、成形型がずっと小さくてすむ。
【0032】
また、短冊状ボトム部材6,6’は、断面形状が一定の押し出し成型品からなるので、安価なポリプロピレン樹脂を押し出し成形することにより、短冊状ボトム部材6,6’をよりいっそう安価に製造することができる。さらに、短冊状ボトム部材6,6’は、左右に連通して形成された肉抜き孔60をもつので、肉抜き孔60の分だけ材料費が節減されるとともに重量も軽減され、そのうえ保温性も良い。
【0033】
そればかりではなく、前述のように、ボトム部材6,6’,7は、短冊状ボトム部材6,6’とボトム部材7との二種類の押し出し成型品からなり、これらの製造に必要な押し出し成形型には小型の二種類が要求されるにすぎない。それゆえ、ボトム部材6,6’,7に必要な成形型の製造コストが安くすむので、ボトム部材6,6’,7をより安価に製造することができる。
【0034】
したがって、本実施例によれば、成形型の制作費用が従来技術よりもずっと安価になり、一つのベッドに必要な数の短冊状ボトム部材6,6’,7をより安価に製造することができる。その結果、より安価に屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することができるようになるという効果がある。
第二に、本実施例によれば、屈伸位置調節可能な介護用ベッドの維持費を減らすことができるという効果がある。
【0035】
すなわち、ボトム部材6,6’,7に可撓性が要求されず、膝部分のヒンジ部材3を曲げる際にも短冊状ボトム部材6,6’の変形は要求されない。すると、ボトム部材6,6’,7の変形がほとんどないので、長期間にわたって使用してもボトム部材6,6’,7にひびが入ったりすることが防止されている。その結果、ボトム部材6,6’,7の寿命が長く、本実施例の屈伸位置調節可能な介護用ベッドでは、長期間にわたって維持費が低く抑えられる。
【0036】
したがって、本実施例によれば、屈伸位置調節可能な介護用ベッドをより安価に提供することができるばかりではなく、同ベッドの維持費をも減らすことができるという効果がある。
第三に、本実施例の屈伸位置調節可能な介護用ベッドによれば、以上のように安価な構成でありながら、膝部分の屈伸位置の調節が容易であるという効果がある。
【0037】
すなわち、ヒンジ部材3は、各短冊状ボトム部材6,6’毎に、上方に突出したT字状のヘッドをもつボルト40を左右一対もち、各短冊状ボトム部材6,6’は、両ボルト40のヘッドと係合する断面T字状の係合溝61をもっている。すると、押し出し成型品からなる短冊状ボトム部材6,6’の係合溝61に左右一対のボルト40のヘッドが挿入されるように、ベッドの横方向から短冊状ボトム部材6,6’を差し込むだけで、短冊状ボトム部材6,6’はベッドに固定される。
【0038】
より詳しく説明すると、図5(a)と図5(b)とを互いに比較すると明らかなように、三つの短冊状ボトム部材6’を移動させることにより、両フレーム1,2に対してヒンジ部材3の長手方向の位置を移動させることができる。すなわち、ヒンジ部材3の連結部分31,32にボルト40で係止されている短冊状ボトム部材6,6’のうち三つの短冊状ボトム部材6’を移動させることにより、最も大腿部の短い使用者にも最も大腿部の長い使用者にも、膝関節の曲げ位置にヒンジ部材3のピボット部33を適合させることができる。当然のことながら、三つの短冊状ボトム部材6’のうち一つないし二つを移動させることにより、中間的な位置にヒンジ部材3のピボット部33を適合させることもできる。したがって、ヒンジ部材3のピボット部33の位置は、短冊状ボトム部材6’のピッチに対応する刻み幅で長手方向に調整可能である。
【0039】
その結果、本実施例のベッドへの各短冊状ボトム部材6’の挿置と、使用者の体格に合わせたヒンジ部材3のピボット部33の位置調整とが、きわめて容易になる。また、固定ピン孔10,20,30に装置される固定ピンやボルト40は取付け取り外しが容易であるから、それらの位置を適正に配置し直すことが簡単であり、屈伸位置の調節が容易であるという効果がある。
【0040】
なお、以上は短冊状ボトム部材6,6’およびボトム部材7の特徴に注目して説明したが、これらを採用することにより、ヒンジ部材3の構成も従来技術とは変えてより安価に製造することができるようになる。すなわち、本実施例において、ヒンジ部材3の両連結部分31,32は、前述のように直線状部材から構成されているから、湾曲した部材から構成するよりも安価に製造することができるようになり、この点でも従来技術に比べてコストダウンができる。したがって、ヒンジ部材3の両連結部分31,32の製造コストに関しても、コストダウンができるという効果がある。
【0041】
(実施例1の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、短冊状ボトム部材6,6’の断面形状を、図7に示すようにより単純な形状に改めた屈伸位置調節可能な介護用ベッドの実施が可能である。本変形態様によれば、短冊状ボトム部材6,6’の製造コストをより削減することができるので、屈伸位置調節可能な介護用ベッドをさらに安価に提供できるという効果がある。
【0042】
(実施例1の変形態様2)
本実施例の変形態様2として、図8に示すように、幅広のボトム部材7の使用を廃し、所定の間隔を開けて配設された同一規格の短冊状ボトム部材6だけでボトムの全ての部分が構成されている屈伸位置調節可能な介護用ベッドの実施が可能である。このような構成にすれば、全てのボトム部材が単一の規格品(短冊状ボトム部材6)からなるので、複数の成形型を用意する必要がなくなり、よりいっそう安価に屈伸位置調節可能な介護用ベッドを提供することができるようになる。さらに、各短冊状ボトム部材6の間に適正な隙間が設けられているので、これらの隙間を通してボトムの上下間で通気性が良好になり、ボトムの上に載せられたマットや布団の湿気が抜けやすくなる。したがって、本変形態様の屈伸位置調節可能な介護用ベッドによれば、製造コストがよりいっそう安くなるばかりではなく、使用感がより快適になるという効果がある。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の屈伸位置調節可能な介護用ベッドによれば、湾曲ボトム部材を使用せず安価な短冊状ボトム部材6,6’を採用しているので、前述の各従来技術よりもより安価になるという効果がある。そればかりではなく、膝の屈曲部でもボトムが長持ちするので、維持費をも減らすことができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての介護用ベッドの全体構成を示す側面図
【図2】 実施例1としての介護用ベッドの全体構成を示す平面図
【図3】 実施例1での背当て起倒機構の作用を示す要部側面図
【図4】 実施例1での膝立機構の作用を示す要部側面図
【図5】 実施例1としての介護用ベッドの要部構成を示す組図
(a)大腿部を長く調整した状態での要部構成を示す側面図
(b)大腿部を短く調整した状態での要部構成を示す側面図
【図6】 実施例1での短冊状ボトム部材の断面形状を示す断面図
【図7】 変形態様1での短冊状ボトム部材の断面形状を示す断面図
【図8】 変形態様2としての介護用ベッドの全体構成を示す側断面図
【符号の説明】
1:第一フレーム 10:固定ピン孔
2:第二フレーム 20:固定ピン孔
21:連結部分 22:直線部分 23,24:ピボット部
3:ヒンジ部材 30:固定ピン孔
31,32:連結部分(直線状部材からなる) 33:ピボット部
4:背当てフレーム
40:ボルト(T字状のヘッドをもつ)
5:サイドビーム
6,6’:短冊状ボトム部材(細身) 7:短冊状ボトム部材(幅広)
81:昇降機構 82:背当て起倒機構 83:膝立機構
91:ヘッドボード 92:フットボード 93:脚
M:マットレス
Claims (4)
- ベッドの長手方向に延在し、それぞれに長さ調節が可能な第一フレーム(1)および第二フレーム(2)と、
この長手方向に両該フレーム(1,2)を互いに連結し、両該フレーム(1,2)の長さ調節により両該フレーム(1,2)間の結合位置をこの長手方向に調整可能とするとともに、この結合位置にあるピボット部(33)で両該フレーム(1,2)間を屈曲可能にするヒンジ部材(3)と、
両該フレーム(1,2)および該ヒンジ部材(3)を覆い床面を形成するボトム部材(6,6’,7)と、
を有する屈伸位置調節可能な介護用ベッドにおいて、
前記ヒンジ部材(3)は、両前記フレーム(1,2)に対しそれぞれ位置調節可能に固定された直線状部材からなる一対の連結部分(31,32)と、両該連結部分(31,32)を屈曲可能に連結する前記ピボット部(33)とをもち、
前記ボトム部材(6,6’,7)のうち前記ヒンジ部材(3)の両該連結部分(31,32)を覆っているものは、互いに別体で複数の短冊状ボトム部材(6,6’)であるとともに、これらの短冊状ボトム部材(6,6’)は、当該ヒンジ部材(3)のピボット部(33)を挟んで配設されていることを特徴とする、
屈伸位置調節可能な介護用ベッド。 - 前記短冊状ボトム部材(6,6’)は、断面形状が一定の押し出し成型品からなり、左右に連通して形成された肉抜き孔(60)を一対に分断する肉壁をもつ、
請求項1記載の屈伸位置調節可能な介護用ベッド。 - 前記ヒンジ部材(3)の両前記連結部分(31,32)は、各前記短冊状ボトム部材(6,6’)毎に、上方に突出したT字状のヘッドをもつボルト(40)またはピンを少なくとも左右一対もち、
各該短冊状ボトム部材は、該ヘッドと係合する断面T字状の係合溝(61)をもち、
前記肉壁は、当該短冊状ボトム部材(6,6’)の上面を形成する天井部分と係合溝(61)を形成する部分の最上部とを接合している、
請求項2記載の屈伸位置調節可能な介護用ベッド。 - 前記ボトム部材の全てが、同一規格の短冊状ボトム部材(6,6’)であり、
各前記短冊状ボトム部材(6,6’)の間に所定の隙間が設けられている、
請求項1〜請求項3のうちいずれかに記載の屈伸位置調節可能な介護用ベッド。
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