JP4292020B2 - Designable coating film, designable coating film forming method and designable coating composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠性塗膜、この塗膜を得るために用いられる意匠性塗膜形成方法および意匠性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属工芸分野においては「燻し」とよばれる伝統的な手法が存在する。すなわち、金属表面に粗面を成した後、藁を燻すことにより、落ち着いた風合いと色調を有する表面が得られるというものである。この「燻し」については、「金工の着色技法」(長野裕、井尾建二著、理工学社刊)に記載されている。(非特許文献1参照。)
【0003】
一方、実際に「燻し」が行われている訳ではないが、これらの風合い、色調を呈するものが「燻し銀調」と呼ばれ、銀そのものを用いた装飾品、工芸品の他に、これを屋根瓦、床および壁タイル等へ適用した例が知られている。
【0004】
特開平5−138629号公報には、2層状にプレス成形する本体の下層部の材質を、釉薬瓦、タイル等に使用される原料を粉体状とする母材原料と成し、一方、本体の上層部の材質を、燻し瓦に適した原料を粉体状とする補助原料、例えば銀色釉、銀黒釉等に使用される顔料を添加して粉体状とする補助原料と成し、この本体を乾燥、焼成、燻化処理したことを特徴とする銀色光沢を呈する乾式プレス成形による窯業建材が記載されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
また、特開平11−130514号公報には、少なくとも粘土分を10重量%含有し、残部が珪酸を含む原料である原料配合物に、珪酸アルカリ系成分、アルカリ土類金属の塩化物、および低融点金属系成分を配合した粘土瓦素地組成物を成形し、これを燻化処理すると同時に焼結する燻し瓦の製造方法が記載されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0006】
これらは、燻し感を発現するために、燻化処理を施している。また、燻し感を発現する補助原料として、TiO2、Cr2O3、Fe2O3、Al2O3、SiO2等の銀色釉、銀黒釉等に使用される顔料を用いている。
【0007】
しかしながら、これらの記載では、燻し銀または燻し瓦を標榜しているものの、色域の範囲は不明確で、いわゆる銀黒色全般を示しているものであり、部分的金属光沢感を有する燻し銀調の意匠性を発現するには至っていない。
【0008】
一方、自動車のトップコートには、金属粉や雲母等の光輝性顔料を含んだメタリック塗料が適用されることが多く、例えば、特開平10−298458号公報に記載されているように、さらにアルミナフレークなどの異なる光輝剤を加え、新しい意匠を生み出す試みが多くなされている。しかし、これらのメタリック塗料では、部分的金属光沢感を有する燻し銀調を有する塗膜を得ることはできない。(例えば、特許文献3参照。)
【0009】
【非特許文献1】
「金工の着色技法」(長野裕、井尾建二著、理工学社刊、第2頁〜第4頁)
【特許文献1】
特開平5−138629号公報
【特許文献2】
特開平11−130514号公報
【特許文献3】
特開平10−298458号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、部分的金属光沢感を有する燻し銀調の意匠性を発現する意匠性塗膜、意匠性塗膜形成方法および意匠性塗料組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
1. (1)JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度が10〜70、(2)表面粗さRaが1.5〜3.5、および(3)マンセル色相環の表示系における色相Hが5YR〜10YR〜5Y、マンセル表示系における彩度Cが0.15〜0.6、明度Vが5〜7である意匠性塗膜。
【0012】
2. (A)ビヒクル、(B)金属系顔料および(C)着色顔料を含有する上記の意匠性塗膜。
【0013】
3. 上記金属系顔料が、金属顔料および/または金属光沢を有する非金属体を含有する上記の意匠性塗膜。
【0014】
4. 上記金属顔料が、アルミニウムフレーク顔料、銀粉末顔料およびステンレス鋼粉末顔料より選ばれた少なくとも1種の顔料を含有する上記の意匠性塗膜。
【0015】
5. 上記非金属体が、金属で被覆されたガラスフレークおよび金属で被覆された後に裁断されたポリマーフィルムより選ばれた少なくとも1種の顔料を含有する上記の意匠性塗膜。
【0016】
6. 上記着色顔料が黒系着色顔料、黄系着色顔料又は白系着色顔料を含有する上記の意匠性塗膜。
【0017】
7. 上記金属系顔料の意匠性塗膜中の固形分含有量が、0.1〜30質量%である上記の意匠性塗膜。
【0018】
8. 上記着色顔料が黒系着色顔料、黄系着色顔料及び白系着色顔料を含有し、上記金属系顔料/上記黒系着色顔料/上記黄系着色顔料/上記白系着色顔料の固形分含有比率が、1/0.01〜1/0.02〜2/0.01〜2である上記の意匠性塗膜。
【0019】
9. さらにマイカ顔料および/またはガラス系顔料を含有する上記の意匠性塗膜。
【0020】
10. 基材上の少なくとも一部に、上記の意匠性塗膜を形成する意匠性塗膜形成方法。
【0021】
11. 上記意匠性塗膜の上に、さらに艶消しトップクリヤーコートを形成する上記の意匠性塗膜形成方法。
【0022】
12. (A)ビヒクル、(B)金属系顔料および(C)着色顔料を含有する意匠性塗料組成物であって、
(1)JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度が10〜70、(2)表面粗さRaが1.5〜3.5、および(3)マンセル色相環の表示系における色相Hが5YR〜10YR〜5Y、マンセル表示系における彩度Cが0.15〜0.6、明度Vが5〜7である意匠性塗膜を形成することができる意匠性塗料組成物。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0024】
[意匠性塗膜]
本発明の意匠性塗膜は、塗料により部分的金属光沢感を形成するものである。この「部分的金属光沢感」とは、金属光沢は有するものの、金属特有のぎらぎらした感じが抑えられたものであり、燻し銀調と呼ばれるものである。
【0025】
さらに、本発明の意匠性塗膜は、好ましくは、(1)JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度が10〜70、(2)表面粗さRaが1.5〜3.5、および(3)マンセル色相環の表示系における色相Hが5YR〜10YR〜5Y、マンセル表示系における彩度Cが0.15〜0.6、明度Vが5〜7のものと規定することができる。
【0026】
上記60度鏡面光沢度が、10未満では、反射による金属光沢が乏しく金属感が得られない恐れがあり、70を越えると、金属光沢が強くなり、燻し銀調の風合いが得られない恐れがある。より好ましくは、20〜50である。上記60度鏡面光沢度の測定は鏡面光沢度測定器、例えば、商品名「micro−TRI−GLOSS」(BYK CHEMIE社製)で測定することができる。
【0027】
図1で、入射角θに対して、試料面からの鏡面反射光束ψsを測定する。但し、同一条件における屈折率n=1.567のガラス表面の鏡面反射光束ψosを基準として、その比で表わす。60°鏡面光沢度は、下記の数式にて、入射角θおよび受光角ψが60°の場合の値をいう。
【0028】
【数1】
Gs(θ)=(ψs/ψos)x100 (%)
【0029】
図1で、光源Iから光が放出され、スリットS1を通過し、レンズL1を通り、入射角θで試料面に入射する。そして、試料面にて受光角ψで反射した光がレンズL2を通り、スリットS2を通過し、受光面Cに入射する。
【0030】
上記表面粗さRaが、1.5未満では、表面が滑らかすぎるために光沢感が強調され、燻し銀調の風合いを損なう恐れがあり、3.5を越えると、表面のざらつきにより艶消し感が強調され、鋳物調の風合いを与える恐れがある。より好ましくは2.0〜3.0である。上記表面粗さRaの測定は、表面粗度計、例えば、商品名「サーフテスト211」(ミツトヨ社製)を用いて行う。
【0031】
上記色相Hが、5YR〜10YR〜5Yの範囲を外れると、金属に燻しを行うことにより特徴的に見られる、主として藁などに含まれる硫黄成分の酸化によると推定される、やや黄味がかった黄白色の色相が得られない恐れがある。
【0032】
上記マンセル表示系における彩度Cが、0.15未満では、単調な黒味感が強調され燻しによる独特の色味感が薄れる恐れがあり、0.6を越えると、逆に色味感が強調されるあまり燻しによる煤けて黒味がかった風合い感が損なわれる恐れがある。
【0033】
また、上記マンセル表示系における明度Vが、5未満では、部分的金属光沢感が損なわれる恐れがあり、7を越えると、金属光沢感が強調されて燻し感が損なわれる恐れがある。上記マンセル表示系における色相H、彩度C、明度Vの測定は、変角分光光度計、例えば、商品名[GSP−2型](村上色彩技術研究所製)を用いて行う。
【0034】
本発明の意匠性塗膜は、(A)ビヒクル、(B)金属系顔料および(C)着色顔料を含有するものである。(A)のビヒクルについては、後述する本発明の意匠性塗膜を形成するのに用いられる意匠性塗料組成物のところで説明を行うので、ここでは、(B)金属系顔料および(C)着色顔料について説明を行う。
【0035】
上記(B)金属系顔料としては、一般的な金属顔料に加えて、金属光沢を有する非金属体を挙げることができる。これらは、それぞれの単独種または複数種がそれぞれ混合されていてよい。
【0036】
ここで、金属光沢を有する非金属体とは、そのもの自体は金属ではないが、金属処理などを施すことにより、表面に金属光沢を有するものを意味する。
【0037】
上記金属顔料としては、アルミニウムフレーク顔料、銀粉末顔料およびステンレス鋼粉末顔料より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これら以外にも、銀色および銀が通常の暴露条件により呈する色相に類似した色相を有する金属、あるいはニッケル、チタンあるいはそれらと他の異種金属、例えば銅や亜鉛などとの合金、いわゆる金属光沢を有するものの顔料も使用できる。これらの金属顔料を含むことにより、金属光沢が付与されることになる。
【0038】
上記アルミニウムフレーク顔料、銀粉末顔料およびステンレス鋼粉末顔料は、原料金属をボールミルで粉砕処理する通常の方法によって調製される。原料金属はアルミニウムの場合にはフレーク状であり、銀およびステンレス鋼の場合には箔状である。アルミニウムフレークを用いる場合、リーフィング、セミリーフィングまたはノンリーフィング系のアルミニウムフレークであってよく、通常、ステアリン酸のような脂肪酸とともに粉砕処理が行われる。これらの好ましい平均粒径は、3〜100μmの範囲である。なお、本発明での平均粒径は、長径の平均粒径を意味する。上記平均粒径が、3μm未満では、必要とする金属光沢感が得られない恐れがあり、100μmを越えると、顔料が表面へ突き出すことにより光沢や触感が低下する恐れがある。より好ましくは、10〜50μmである。
【0039】
一方、上記金属光沢を有する非金属体としては、箔、フィルムおよびフレークなどの形態を有するものが挙げられ、例えば、金属で被覆されたガラスフレークおよび金属で被覆された後に裁断されたポリマーフィルムなどが挙げられる。
【0040】
上記金属で被覆されたガラスフレーク顔料の好ましい平均粒径は、3〜100μmであり、より好ましくは、10〜50μmである。平均粒径が3μm未満では、必要とする金属光沢感が得られない恐れがあり、100μmを越えると、塗膜の平滑性が不十分となる。上記金属被覆の金属として、通常、金、銀、ニッケル、白金、銅、パラジウム、コバルト、チタニウム等の金属が挙げられる。これらの中でも金またはニッケルは、被覆により特に耐酸性、耐アルカリ性、耐候性、耐水性および耐塩水性に優れた金属層を形成するので好ましい。また、銀を被覆したものについては、さらに所定の表面酸化防止処理(たとえば、二酸化ケイ素のコーティング処理など)が施されていれば、通常よりも高い耐候性を示すので好ましい。商品名「メタシャイン」(日本板硝子社製)は、このような金属で被覆されたガラスフレーク顔料として市販されている顔料の1つである。
【0041】
一方、金属で被覆された後に裁断されたポリマーフィルムとしては、ポリエステルなどの有機系フィルムに蒸着を施し、所望の大きさ、形状に裁断したものが、商品名「エルジー」(尾池工業社製)として市販されている。
【0042】
上記意匠性塗膜における、金属系顔料の意匠性塗膜中の固形分含有量は、0.1〜30質量%であることが好ましい。上記含有量が、0.1質量%未満では、必要とする部分的金属光沢感が得られない恐れがあり、30質量%を越えると、金属光沢感が過剰となり好ましくない。より好ましくは、1〜20質量%である。
【0043】
次に、上記(C)着色顔料としては、黒系着色顔料、黄系着色顔料および/又は白系着色顔料を含有することが好ましい。上記黒系着色顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色系マイカ顔料の黒色系着色顔料を、また、黄系着色顔料としてはクロモフタル系、インダンスロン系など有機系のもの、および酸化鉄系、黄鉛系などの無機系の黄色系着色顔料をそれぞれ挙げることができる。一方、白系着色顔料としては、酸化チタンが挙げられるが、必要により、微粒子のものであってよい。
【0044】
上記黒系着色顔料として用いるグラファイト顔料は、鱗片状のグラファイトであり、酸素含有雰囲気下での加熱による酸化処理及び/または水溶性酸化剤による酸化処理が施されたグラファイトフレーク表面に、二酸化チタンが均一に被覆されたものが、好適に用いられる。このような鱗片状グラファイトは、大きさが平均粒子経で1〜30μm、厚みが1μm以下で、分散性の良好なものが好ましい。更に好ましくは、平均粒子経1〜10μm、厚み0.01〜0.5μmのものである。このような鱗片状グラファイトとしては、商品名「グラフィタン7525」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
【0045】
上記着色顔料として、黒系着色顔料、黄系着色顔料および白系着色顔料を含有する場合において、着色顔料の固形分含有比率は、金属系顔料を基準として、金属系顔料/黒系着色顔料/黄系着色顔料/白系着色顔料が、1/0.01〜1/0.02〜2/0.01〜2であることが好ましい。上記範囲を外れると、目的とする部分金属光沢感が得られない恐れがある。
【0046】
また、本発明の意匠性塗膜は、さらにマイカ顔料および/またはガラス系顔料を含有していることが好ましい。これらの顔料を含有する場合には、金属系顔料の含有量と同量以下であることが好ましい。これを越えると、部分金属光沢感を損なう恐れがある。より好ましくは、意匠性塗膜中の固形分含有量が、30質量%以下である。
【0047】
上記マイカ顔料としては、天然の白雲母や合成雲母の表面に、着色顔料を薄片状にコーティングしたマイカ顔料であることが好ましい。このような着色マイカ顔料としては、粒径範囲が3〜50μm、好ましくは5〜20μmの、鱗片状のものを用いることができる。上記着色マイカ顔料の色は、コーティングする着色顔料の種類・量(被覆厚)を調整することで、所望の干渉色を得ることができる。
【0048】
上記ガラス系顔料としては、ガラスチップまたはガラスビーズを挙げることができる。ガラスチップとして、幾何学的に不揃いで不定形、D10〜D90の粒径が約1〜30μm(すなわちD10≧1μm、かつD90≦30μm)、好ましくは約1〜16μm(すなわちD10≧1μm、かつD90≦16μm)、より好ましくは約2〜12μm(すなわちD10≧2μm、かつD90≦12μm)、および平均最大片長さ/平均最小片長さの比率が約1〜10、平均長さが約1〜30μmおよびD90における平均アスペクト比率が約1〜4のものを好ましく用いることができる。なお、本発明でのD10は、長径の粒子径分布において、相対累積粒子径分布曲線における累積量が10%のときの粒子径を意味し、D90は、長径の粒子径分布において、相対累積粒子径分布曲線における累積量が90%のときの粒子径を意味する。特に環境保護の観点から、幾何学的に不揃いのリサイクルガラスの微粉片であることがより好ましい。
【0049】
なお、本発明の意匠性塗膜は、基材上に塗布された状態で存在するものだけでなく、独立したフィルムの形状を有するものであってもよい。フィルムの厚さとしては20〜100μmが好ましく、30〜80μmがより好ましい。
【0050】
[意匠性塗膜の形成に用いられる意匠性塗料組成物]
上記意匠性塗膜の形成に用いられる本発明の意匠性塗料組成物は、上記金属系顔料および着色顔料をビヒクル中に分散したものである。
【0051】
本発明の意匠性塗料組成物に含まれる(1)ビヒクルは、塗膜形成用樹脂を含んでいる。この塗膜形成用樹脂として、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、好ましくはアクリル樹脂またはポリエステル樹脂である。
【0052】
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類などがある。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
【0053】
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和多塩基酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール等が挙げられる。
【0054】
上記(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させることによって得られたアルキド樹脂を用いることができる。
【0055】
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
【0056】
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)等が挙げられ、また、これらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
【0057】
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−MDI)、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート(2,4'−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
【0058】
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂が挙げられる。また、上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、または、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂が挙げられる。
【0059】
また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常、硬化性を有するタイプのものが使用される。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。硬化性を有するタイプの場合には、上記ビヒクルは、通常、上記塗膜形成用樹脂以外に加熱または常温で硬化反応を進行させる架橋剤を含む。架橋剤の例として、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、イミダゾール類、イミダゾリン類、多価カルボン酸等挙げることができる。
【0060】
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%であり、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、意匠性塗料の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。また、硬化反応が紫外線硬化または電子線硬化による場合は上記樹脂に該反応に預かる反応性不飽和基を導入されたものを用いることができる。
【0061】
本発明の意匠性塗料組成物に含まれる(B)金属系顔料および(C)着色顔料についての説明は、上述した意匠性塗膜のところで説明した。また、その量についても、意匠性塗膜中で規定された含有量になるよう配合される。
【0062】
本発明の意匠性塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、意匠性塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0063】
また、重ね塗りにより意匠性塗膜を得る場合、各層を形成するためのいずれかの塗料組成物に、意匠性塗膜のところで述べなかったその他の着色顔料を加えることもできる。
【0064】
上記意匠性塗料組成物は、上記構成成分を、通常、有機溶剤および/または水に、溶解または分散させて得ることができる。有機溶剤としては、塗料分野において常用されているものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。また、上記意匠性塗料組成物は粉体塗料の形態を取っていてもよい。
【0065】
[意匠性塗膜形成方法]
本発明の意匠性塗膜形成方法は、基材上の少なくとも一部に、上記意匠性塗料組成物を用いて意匠性塗膜を形成する。上記基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられる。
【0066】
本発明の意匠性塗膜形成方法では、必要に応じて、脱脂や化成処理による下地処理を施された上記基材に対し、直接または下地塗膜を介して、意匠性塗膜を形成する。塗膜を形成する方法は特に限定されないが、意匠性塗料が液状である場合にはスプレー法、ロールコーター法などの通常の塗装方法が適用可能であり、一方、粉体である場合には、流動浸漬法や静電霧化法を用いることができる。加熱は塗料および基材などの性質に応じて行われ、例えば、80〜160℃で所定時間加熱することにより、目的とする意匠性塗膜を得ることができる。
【0067】
また、本発明の意匠性塗膜形成方法で紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂をビヒクルとした意匠性塗料組成物を用いる場合には、まず高分子フィルム上にこの意匠性塗料組成物を塗布したシートを作成し、これを基材の上に載せて貼付し、紫外線または電子線を照射して硬化させた後に高分子フィルムを除去する転写フィルム法も利用可能である。
【0068】
本発明の意匠性塗膜形成方法で得られる意匠性塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましい。10μm未満では、下地を隠蔽し難く、100μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは15〜60μmである。
【0069】
本発明の意匠性塗膜形成方法では、このようにして得られた意匠性塗膜の上に、さらに艶消しトップクリヤーコートを形成する。上記艶消しトップクリヤーコートの形成には、クリヤー塗料に艶消し剤を含有させた艶消しクリヤー塗料が一般的に用いられる。上記艶消し剤としては、樹脂微粒子または無機微粒子が挙げられる。上記樹脂微粒子としては、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられる。樹脂微粒子の粒径は2〜20μmが好ましい。2μm未満であると艶消し効果が不十分であり、触感が滑らかになり過ぎる。また20μmを越えるとザラザラ感が強調され、燻し銀調の風合いを損なう恐れがある。
【0070】
一方、無機微粒子としてはシリカ微粉末、クレー、タルク、雲母等が挙げられる。無機微粒子の粒径は樹脂微粒子の場合と同様2〜20μmが好ましい。2μm未満であると艶消し効果が不十分であり、また20μmを越えるとザラザラ感が強調される恐れがある。
【0071】
上記樹脂微粒子、無機微粒子は併用してもよいし、単独で使用してもよい。艶消し剤全体の添加量は、塗料固形分に対して、固形分基準で5〜40質量%が好ましい。添加量が5質量%未満であると、艶消し効果が得られず、また40質量%を越えると、塗膜の強度が不十分となる。なお、上記艶消しクリヤー塗料に含まれるビヒクルは、上記意匠性塗料組成物のところで説明したものを用いることができる。
【0072】
上記艶消しクリヤー塗料においては、透明性を損なわない範囲で、上記の黒色系または黄色系の着色顔料を含有することができる。また炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどの各種体質顔料等を併用することができる。
【0073】
上記艶消しクリヤー塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶剤型および水性塗料は、一液型であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0074】
上記意匠性塗膜形成方法では、上記意匠性塗膜を形成した後、焼き付けを行わない場合にはウェットオンウェット法により、艶消しクリヤー塗膜を形成することもできる。上記艶消しクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましい。10μm未満では、艶消し効果を発現し難く、100μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは20〜60μmである。
【0075】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのないかぎり質量部を表す。
【0076】
[実施例1〜12、比較例1〜4]
[基材AおよびBの調製]
プラスチック基材(材質:ポリカーボネート板、長さ150mm、幅70mmおよび厚さ3mm)に対して脱脂を行い、基材Aとした。
【0077】
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(商品名「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた後、中塗り塗料(商品名「オルガS−90」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて、基材Bとした。
【0078】
[意匠性塗料組成物1Aの調製]
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、メラミン樹脂(商品名「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60重量%)とを80:20の固形分重量比で配合して得たビヒクルに対して、表1に示す種類および割合で配合した顔料を用いた。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、同様に意匠性塗料組成物1Aを調製した。
【0079】
[意匠性塗料組成物1Bの調整]
アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名「NAXマイティラックG-IIクリヤー」、日本ペイント社製、固形分33%)と、ジイソシアネート硬化剤(商品名「NAXマイティラック硬化剤」、日本ペイント社製)とを当量比で1:1になるように配合して得たビヒクルに対して、表1に示す種類および割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、同様に意匠性塗料組成物1Bを調製した。
【0080】
[艶消しクリヤー塗料の調整]
艶消しクリヤー塗料は、下記2種類のクリヤー塗料中へ、艶消し剤としてアクリル樹脂粒子(艶消し剤E1という)またはシリカ微粉末(艶消し剤E2という)を配合した。配合量については表1に示した。艶消しクリヤー塗料2Aは、アクリル・メラミン樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名「スーパーラックO−150クリヤー」、日本ペイント社製)を使用した。艶消しクリヤー塗料2Bは、アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名「NAXマイティラックG-IIクリヤー」、日本ペイント社製)、とジイソシアネート硬化剤(商品名「NAXマイティラック硬化剤」、日本ペイント社製)とを当量比で1:1になるように配合した溶剤型クリヤー塗料を使用した。
【0081】
[意匠性塗膜形成方法]
上記基材AまたはBに、乾燥膜厚が30〜35μmとなるように意匠性塗料組成物を表1に示す組み合わせでエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて意匠性塗膜を形成した。必要により意匠性塗膜の上に、表1に示す艶消しクリヤー塗料を塗り重ねる場合には、意匠性塗膜を塗装後3分間セッティングし、艶消しクリヤー塗料を乾燥膜厚が35〜40μmとなるようにエアースプレー塗装し、塗装後3分間セッティングし、艶消しクリヤー塗料を140℃の温度で30分間焼き付けた。
【0082】
得られた塗膜の金属光沢、60度鏡面光沢度、表面粗さRa、マンセル色相環の表示系における色相H・彩度C・明度Vおよび燻し銀調の発現効果を下記評価方法で評価し結果を表1に示した。
【0083】
[評価方法]
金属光沢は、上記で得られた各塗膜のキラキラ感を目視で評価した。
【0084】
2・・・キラキラ感あり。
1・・・キラキラ感なし。
【0085】
60度鏡面光沢度は、鏡面光沢度測定器(商品名「micro−TRI−GLOSS」BYK CHEMIE社製)にて測定した。
【0086】
表面粗さRaは、表面粗度計(商品名「サーフテスト211」ミツトヨ社製)にて測定した。
【0087】
マンセル色相環の表示系における色相H・彩度C・明度Vは、変角分光光度計(商品名「GSP−2型」村上色彩技術研究所製)にて測定した。
【0088】
燻し銀調は、上記で得られた各塗膜の見え方を目視で評価した。
【0089】
3・・・色味感と部分的金属光沢感による独特の風合いにより燻し銀調が十分に発現している。
2・・・金属光沢感はあるものの色味感、風合いとも燻し銀調を発現している。
1・・・金属光沢が高すぎるか金属光沢感が殆ど無く、色味感、風合いともに燻し銀調とかけ離れている。
【0090】
【表1】
【0091】
表1の結果から明らかのように、本実施例は、本発明の意匠性塗膜形成方法により塗膜を形成したもので、部分的金属光沢感を発現する意匠性塗膜が得られた。一方、比較例では、部分的金属光沢感が得られない結果となった。
【0092】
【発明の効果】
本発明の意匠性塗膜は、部分的金属光沢感を有し、燻し銀調を発現することができる。これは、本発明者らが燻された金属の表面をつぶさに観察して得られたミクロな状態を、種々の塗膜形成成分を用いて再現することができていると考えられる。すなわち、燻された金属の表面では、凹凸形状が光を乱反射しており、燻し工程によると思われる生成物が部分的に存在していることを発見し、これらが合わさって落ち着いた風合いと色調が発現していると考えた。そこで、金属系顔料により、金属光沢を付与するとともに表面に凹凸形状を生じさせる一方、着色顔料により、藁の燻しによる着色効果を与えることで、燻された金属の表面状態を有した塗膜の形成をはじめて可能にした。また、さらに部分的金属光沢感に、特定の領域の色相を加えることにより、燻し銀調を表現し得ることを見出した。
【0093】
なお、本発明により得られる塗膜は、燻し銀調を呈するため、通信製品、家電製品、自動車、二輪車等の乗物外板、自動車部品(ホイール、バンパー等)、容器外面、コイルコーティングの意匠性が要求される塗膜において好ましく使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鏡面光沢度測定器の概略図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a designable coating film, a designable coating film forming method used for obtaining this coating film, and a designable coating composition.
[0002]
[Prior art]
In the field of metal crafts, there is a traditional technique called “bushi”. That is, after forming a rough surface on the metal surface, a surface having a calm texture and color tone can be obtained by wrinkling the wrinkles. This “boshi” is described in “Metallic Coloring Technique” (Hiroshi Nagano, Kenji Io, published by Rigaku Corporation). (See Non-Patent Document 1.)
[0003]
On the other hand, although “blossoming” is not actually performed, those that exhibit the texture and color tone are called “blushing silvery tone”. In addition to ornaments and crafts using silver itself, An example is known in which is applied to roof tiles, floors and wall tiles.
[0004]
In JP-A-5-138629, the material of the lower layer part of the main body that is press-molded into two layers is formed as a base material raw material in which the raw material used for glaze tiles, tiles, etc. is in powder form, The material of the upper layer portion is made into an auxiliary raw material that is made into a powder form by adding a material suitable for glazed roof tiles, for example, a silver cocoon, a silver black cocoon, etc. A ceramic building material by dry press molding exhibiting silvery luster characterized by drying, baking and hatching the main body is described. (For example, refer to Patent Document 1.)
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-130514 discloses that a raw material blend containing at least 10% by weight of a clay and the balance containing silicic acid is mixed with an alkali silicate component, an alkaline earth metal chloride, and a low content. There is described a method for producing a glazed tile in which a clay tile base composition containing a melting point metal component is molded and then hatched and sintered. (For example, see Patent Document 2.)
[0006]
These are subjected to a hatching treatment in order to develop a feeling of hazyness. In addition, as an auxiliary material that expresses a feeling of harshness, TiO 2 , Cr 2 O Three , Fe 2 O Three , Al 2 O Three , SiO 2 The pigments used for silver candy, silver black candy, etc. are used.
[0007]
However, in these descriptions, although glazed silver or glazed roof tiles are advocated, the range of the color gamut is unclear, indicating so-called silver black in general, and glazed silver-tone with a partial metallic luster feeling. It has not yet achieved the design properties of.
[0008]
On the other hand, metallic paints containing bright pigments such as metal powder and mica are often applied to the top coat of automobiles. For example, as described in JP-A-10-298458, alumina is further added. There have been many attempts to create new designs by adding different brightening agents such as flakes. However, with these metallic paints, it is not possible to obtain a paint film having a tan silver tone having a partial metallic luster. (For example, refer to Patent Document 3.)
[0009]
[Non-Patent Document 1]
"Coloring technique of metalwork" (Hiroshi Nagano, Kenji Io, published by Science and Engineering, pages 2-4)
[Patent Document 1]
JP-A-5-138629
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-130514
[Patent Document 3]
JP-A-10-298458
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a design coating film, a design coating film forming method, and a design coating composition that exhibit a tanned silver-tone design with a partial metallic luster.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
1. (1) 60 degree specular gloss specified by JIS K5400 is 10 to 70, (2) surface roughness Ra is 1.5 to 3.5, and (3) hue H in the display system of Munsell hue ring is 5 YR. 10YR to 5Y, a design coating film having a chroma C of 0.15 to 0.6 and a lightness V of 5 to 7 in the Munsell display system.
[0012]
2. The above-mentioned design coating film containing (A) a vehicle, (B) a metallic pigment, and (C) a colored pigment.
[0013]
3. The design coating film as described above, wherein the metallic pigment contains a metallic pigment and / or a nonmetallic body having metallic luster.
[0014]
4). Said design coating film in which said metallic pigment contains at least 1 sort (s) of pigment chosen from aluminum flake pigment, silver powder pigment, and stainless steel powder pigment.
[0015]
5. The above-mentioned design coating film, wherein the non-metallic body contains at least one pigment selected from glass flakes coated with a metal and a polymer film cut after being coated with a metal.
[0016]
6). The design coating film as described above, wherein the color pigment contains a black color pigment, a yellow color pigment, or a white color pigment.
[0017]
7). Said designable coating film whose solid content in the designable coating film of the said metallic pigment is 0.1-30 mass%.
[0018]
8). The color pigment contains a black color pigment, a yellow color pigment, and a white color pigment, and the solid content ratio of the metal pigment / the black color pigment / the yellow color pigment / the white color pigment is 1 The above-mentioned design coating film which is /0.01 to 1 / 0.02 to 2 / 0.01 to 2.
[0019]
9. Furthermore, the above-mentioned design coating film containing a mica pigment and / or a glass-based pigment.
[0020]
10. The designable coating-film formation method which forms said designable coating film in at least one part on a base material.
[0021]
11. The method for forming a designable coating film as described above, wherein a matte top clear coat is further formed on the designable coating film.
[0022]
12 A design paint composition containing (A) a vehicle, (B) a metallic pigment, and (C) a colored pigment,
(1) 60 degree specular gloss specified by JIS K5400 is 10 to 70, (2) surface roughness Ra is 1.5 to 3.5, and (3) hue H in the display system of Munsell hue ring is 5 YR. A design coating composition capable of forming a design coating film having a color saturation C of 0.15 to 0.6 and a lightness V of 5 to 7 in a Munsell display system.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail.
[0024]
[Designable coating film]
The designable coating film of the present invention forms a partial metallic luster with a paint. This “partial metallic luster” is the one which has a metallic luster but suppresses the glaring feeling peculiar to the metal, and is called tan silver tone.
[0025]
Furthermore, the designable coating film of the present invention preferably has (1) a 60-degree specular gloss specified by JIS K5400 of 10-70, (2) a surface roughness Ra of 1.5-3.5, and (3) It can be defined that the hue H in the Munsell hue ring display system is 5YR to 10YR to 5Y, the saturation C in the Munsell display system is 0.15 to 0.6, and the lightness V is 5 to 7.
[0026]
If the 60-degree specular gloss is less than 10, the metallic luster due to reflection may be poor and a metal feeling may not be obtained. is there. More preferably, it is 20-50. The 60-degree specular gloss can be measured with a specular gloss measuring instrument, for example, a trade name “micro-TRI-GLOSS” (manufactured by BYK CHEMIE).
[0027]
In FIG. 1, the specular reflected light beam ψs from the sample surface is measured with respect to the incident angle θ. However, the ratio is expressed by the ratio with respect to the specular reflection light beam ψos on the glass surface having the refractive index n = 1.567 under the same conditions. The 60 ° specular glossiness is a value when the incident angle θ and the light receiving angle ψ are 60 ° in the following mathematical formula.
[0028]
[Expression 1]
Gs (θ) = (ψs / ψos) × 100 (%)
[0029]
In FIG. 1, light is emitted from the light source I and the slit S 1 Through the lens L 1 And enters the sample surface at an incident angle θ. Then, the light reflected from the sample surface at the light receiving angle ψ is reflected by the lens L. 2 Through the slit S 2 And enters the light receiving surface C.
[0030]
When the surface roughness Ra is less than 1.5, the surface is too smooth and the glossiness is emphasized, and there is a risk of damaging the silvery texture. May be emphasized, giving a cast-like texture. More preferably, it is 2.0-3.0. The surface roughness Ra is measured using a surface roughness meter, for example, a trade name “Surf Test 211” (manufactured by Mitutoyo Corporation).
[0031]
When the hue H is out of the range of 5YR to 10YR to 5Y, it is presumably due to oxidation of sulfur components contained mainly in the cocoon, which is characteristically obtained by tanning the metal, and is slightly yellowish A yellowish white hue may not be obtained.
[0032]
If the saturation C in the Munsell display system is less than 0.15, the monotonous blackness may be emphasized and the unique color may be faded. There is a risk that the emphasis on darkness and the darkness of the texture will be lost.
[0033]
If the brightness V in the Munsell display system is less than 5, the partial metallic gloss may be impaired, and if it exceeds 7, the metallic gloss may be emphasized and the harsh feeling may be impaired. The hue H, saturation C, and brightness V in the Munsell display system are measured using a variable angle spectrophotometer, for example, a trade name [GSP-2 type] (manufactured by Murakami Color Research Laboratory).
[0034]
The designable coating film of the present invention contains (A) a vehicle, (B) a metallic pigment, and (C) a colored pigment. The vehicle (A) will be described in the description of the designable coating composition used to form the designable coating film of the present invention, which will be described later. Here, (B) a metal pigment and (C) coloring. The pigment will be described.
[0035]
Examples of the (B) metallic pigment include nonmetallic bodies having metallic luster in addition to general metallic pigments. Each of these may be a single species or a mixture of plural species.
[0036]
Here, the non-metallic body having metallic luster means that the surface itself has metallic luster by performing metal treatment or the like, although it is not itself a metal.
[0037]
The metal pigment is preferably at least one selected from aluminum flake pigment, silver powder pigment, and stainless steel powder pigment. In addition to these, silver and silver have a hue similar to that exhibited by normal exposure conditions, or nickel, titanium or alloys thereof with other dissimilar metals such as copper and zinc, so-called metallic luster Mono pigments can also be used. By including these metal pigments, a metallic luster is imparted.
[0038]
The aluminum flake pigment, silver powder pigment, and stainless steel powder pigment are prepared by an ordinary method in which a raw metal is pulverized with a ball mill. The raw metal is in the form of flakes in the case of aluminum, and in the form of foils in the case of silver and stainless steel. When aluminum flakes are used, they may be leafing, semi-leafing or non-leafing type aluminum flakes, and are usually pulverized with a fatty acid such as stearic acid. These preferred average particle sizes are in the range of 3-100 μm. In addition, the average particle diameter in this invention means the average particle diameter of a major axis. If the average particle size is less than 3 μm, the required metallic gloss may not be obtained. If the average particle size exceeds 100 μm, the pigment may protrude to the surface, which may reduce gloss and feel. More preferably, it is 10-50 micrometers.
[0039]
On the other hand, examples of the non-metallic body having a metallic luster include those having forms such as foil, film, and flakes, such as glass flakes coated with metal and polymer films cut after being coated with metal. Is mentioned.
[0040]
The preferable average particle diameter of the glass flake pigment coated with the metal is 3 to 100 μm, and more preferably 10 to 50 μm. If the average particle size is less than 3 μm, the required metallic gloss may not be obtained, and if it exceeds 100 μm, the smoothness of the coating film becomes insufficient. Examples of the metal of the metal coating include metals such as gold, silver, nickel, platinum, copper, palladium, cobalt, and titanium. Among these, gold or nickel is preferable because it forms a metal layer excellent in acid resistance, alkali resistance, weather resistance, water resistance and salt water resistance by coating. Further, for silver-coated ones, it is preferable that a predetermined surface oxidation prevention treatment (for example, silicon dioxide coating treatment) is performed because the weather resistance is higher than usual. The trade name “Metashine” (manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd.) is one of the commercially available pigments as a glass flake pigment coated with such a metal.
[0041]
On the other hand, as a polymer film cut after being coated with a metal, an organic film such as polyester is vapor-deposited and cut into a desired size and shape, the product name “ELG” (manufactured by Oike Kogyo Co., Ltd.) ).
[0042]
The solid content in the design coating film of the metal pigment in the design coating film is preferably 0.1 to 30% by mass. If the content is less than 0.1% by mass, the required partial metallic luster may not be obtained, and if it exceeds 30% by mass, the metallic luster is excessive, which is not preferable. More preferably, it is 1-20 mass%.
[0043]
Next, the (C) color pigment preferably contains a black color pigment, a yellow color pigment, and / or a white color pigment. As the black coloring pigment, black coloring pigments such as carbon black, graphite and black mica pigments, and as yellow coloring pigments, organic pigments such as chromophthalic and indanthrone, iron oxides, Examples thereof include inorganic yellow color pigments such as yellow lead. On the other hand, examples of white color pigments include titanium oxide, but they may be fine particles if necessary.
[0044]
The graphite pigment used as the black colored pigment is scaly graphite, and titanium dioxide is formed on the surface of the graphite flake that has been subjected to oxidation treatment by heating in an oxygen-containing atmosphere and / or oxidation treatment with a water-soluble oxidant. Those uniformly coated are preferably used. Such scaly graphite preferably has an average particle size of 1 to 30 μm, a thickness of 1 μm or less, and good dispersibility. More preferably, the average particle diameter is 1 to 10 μm and the thickness is 0.01 to 0.5 μm. As such scaly graphite, a trade name “GRAPHITAN 7525” (manufactured by Ciba Specialty Chemicals) can be mentioned.
[0045]
In the case where a black color pigment, a yellow color pigment, and a white color pigment are contained as the color pigment, the solid content ratio of the color pigment is based on the metal pigment, and the metal pigment / black color pigment / yellow It is preferable that the color pigment / white color pigment is 1 / 0.01 to 1 / 0.02 to 2 / 0.01 to 2. If it is out of the above range, the intended partial metallic luster may not be obtained.
[0046]
Moreover, it is preferable that the designable coating film of the present invention further contains a mica pigment and / or a glass pigment. When these pigments are contained, the content is preferably equal to or less than the content of the metal pigment. Beyond this, there is a risk of impairing the partial metallic luster. More preferably, solid content in a designable coating film is 30 mass% or less.
[0047]
The mica pigment is preferably a mica pigment obtained by coating a surface of natural muscovite or synthetic mica with a colored pigment in a flaky shape. As such a colored mica pigment, a scaly pigment having a particle size range of 3 to 50 μm, preferably 5 to 20 μm can be used. As the color of the colored mica pigment, a desired interference color can be obtained by adjusting the kind and amount (coating thickness) of the colored pigment to be coated.
[0048]
Examples of the glass pigment include glass chips or glass beads. As glass chip, geometrically irregular and irregular shape, D 10 ~ D 90 Particle size of about 1 to 30 μm (ie D 10 ≧ 1 μm and D 90 ≦ 30 μm), preferably about 1 to 16 μm (ie D 10 ≧ 1 μm and D 90 ≦ 16 μm), more preferably about 2 to 12 μm (ie D 10 ≧ 2 μm and D 90 ≦ 12 μm), and the ratio of average maximum piece length / average minimum piece length is about 1-10, average length is about 1-30 μm and D 90 Those having an average aspect ratio of about 1 to 4 can be preferably used. In the present invention, D 10 Means the particle size when the cumulative amount in the relative cumulative particle size distribution curve is 10% in the long particle size distribution, and D 90 Means the particle size when the cumulative amount in the relative cumulative particle size distribution curve is 90% in the long particle size distribution. In particular, from the viewpoint of environmental protection, it is more preferable to use fine pieces of recycled glass that are geometrically uneven.
[0049]
In addition, the designable coating film of this invention may have not only what exists in the state apply | coated on the base material but the shape of an independent film. The thickness of the film is preferably 20 to 100 μm, more preferably 30 to 80 μm.
[0050]
[Designable coating composition used for forming a designable coating film]
The designable coating composition of the present invention used for forming the designable coating film is obtained by dispersing the metal pigment and the color pigment in a vehicle.
[0051]
The (1) vehicle contained in the designable coating composition of the present invention contains a film-forming resin. As the resin for forming a coating film, (a) acrylic resin, (b) polyester resin, (c) alkyd resin, (d) fluororesin, (e) epoxy resin, (f) polyurethane resin, (g) polyether resin These may be used alone or in combination of two or more, and are preferably acrylic resins or polyester resins.
[0052]
As said (a) acrylic resin, the copolymer of an acryl-type monomer and another ethylenically unsaturated monomer can be mentioned. Acrylic monomers that can be used for the copolymerization include methyl, ethyl, propyl, n-butyl, i-butyl, t-butyl, 2-ethylhexyl, lauryl, phenyl, benzyl, 2-hydroxy of acrylic acid or methacrylic acid. Esterified compounds such as ethyl and 2-hydroxypropyl, ring-opening adducts of caprolactone of acrylic acid or 2-hydroxyethyl methacrylate, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, acrylamide, methacrylamide and N-methylol acrylamide, polyvalent There are (meth) acrylic acid esters of alcohol. Examples of the other ethylenically unsaturated monomers copolymerizable with these include styrene, α-methylstyrene, itaconic acid, maleic acid, and vinyl acetate.
[0053]
Examples of the polyester resin (b) include saturated polyester resins and unsaturated polyester resins, and examples thereof include condensates obtained by heat condensation of a polybasic acid and a polyhydric alcohol. Examples of the polybasic acid include saturated polybasic acids such as phthalic anhydride, terephthalic acid, and succinic acid, and unsaturated polybasic acids such as maleic acid, maleic anhydride, and fumaric acid. Examples of the polyhydric alcohol include dihydric alcohols such as ethylene glycol and diethylene glycol, and trihydric alcohols such as glycerin and trimethylolpropane.
[0054]
The above (c) alkyd resin includes modifiers such as the above-mentioned polybasic acids and polyhydric alcohols, oils and fats and fatty acids (soybean oil, linseed oil, coconut oil, stearic acid, etc.), natural resins (rosin, amber etc.) An alkyd resin obtained by reacting and modifying can be used.
[0055]
The (d) fluororesin comprises any one of vinylidene fluoride resin, tetrafluoroethylene resin or a mixture thereof, a polymerizable compound containing a fluoroolefin and a hydroxy group, and other copolymerizable vinyl compounds. Examples thereof include resins made of various fluorine-based copolymers obtained by copolymerizing monomers.
[0056]
As said (e) epoxy resin, resin etc. which are obtained by reaction of bisphenol and epichlorohydrin can be mentioned. Examples of bisphenol include bisphenol A and F. Examples of the bisphenol-type epoxy resin include Epicoat 828, Epicoat 1001, Epicoat 1004, Epicoat 1007, Epicoat 1009 (all trade names, manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), and the like. A chain-extended product can also be used.
[0057]
Examples of the polyurethane resin (f) include resins having a urethane bond obtained by reaction of various polyol components such as acrylic, polyester, polyether, and polycarbonate with a polyisocyanate compound. Examples of the polyisocyanate compound include 2,4-tolylene diisocyanate (2,4-TDI), 2,6-tolylene diisocyanate (2,6-TDI), and mixtures thereof (TDI), diphenylmethane-4,4 ′. Diisocyanate (4,4′-MDI), diphenylmethane-2,4′-diisocyanate (2,4′-MDI), and mixtures thereof (MDI), naphthalene-1,5-diisocyanate (NDI), 3,3 ′ -Dimethyl-4,4'-biphenylene diisocyanate (TODI), xylylene diisocyanate (XDI), dicyclohexylmethane diisocyanate (hydrogenated HDI), isophorone diisocyanate (IPDI), hexamethylene diisocyanate (HDI), hydrogenated xylylene diene Isocyanate (HXDI) etc. It can be mentioned.
[0058]
The (g) polyether resin is a polymer or copolymer having an ether bond, and is a polyoxyethylene polyether, polyoxypropylene polyether, polyoxybutylene polyether, bisphenol A or bisphenol. Examples thereof include polyether resins having at least two hydroxyl groups per molecule, such as polyethers derived from aromatic polyhydroxy compounds such as F. In addition, the above polyether resin reacts with polyvalent carboxylic acids such as succinic acid, adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, trimellitic acid, or reactive derivatives such as these acid anhydrides. Carboxy group-containing polyether resin obtained by causing the reaction to occur.
[0059]
In addition, the coating film-forming resin includes a curable type and a lacquer type. Usually, a curable type is used. It is also possible to use a lacquer-type resin for forming a coating film having no curability together with a type having curability. In the case of a curable type, the vehicle usually contains a crosslinking agent that causes the curing reaction to proceed at room temperature or at room temperature, in addition to the coating film-forming resin. Examples of the crosslinking agent include amino resins, (block) polyisocyanate compounds, amines, polyamides, imidazoles, imidazolines, polyvalent carboxylic acids and the like.
[0060]
When the vehicle includes a crosslinking agent, the ratio of the coating film-forming resin and the crosslinking agent is 90 to 50% by mass of the coating film-forming resin in terms of solid content, and the crosslinking agent is 10 to 50% by mass. Yes, preferably the film-forming resin is 85 to 60% by mass, and the crosslinking agent is 15 to 40% by mass. When the crosslinking agent is less than 10% by mass (when the coating film forming resin exceeds 90% by mass), crosslinking in the coating film is not sufficient. On the other hand, if the crosslinking agent exceeds 50% by mass (if the coating film-forming resin is less than 50% by mass), the storage stability of the design paint decreases and the curing rate increases, resulting in poor coating appearance. In addition, when the curing reaction is based on ultraviolet curing or electron beam curing, a resin obtained by introducing a reactive unsaturated group to be used in the reaction can be used.
[0061]
The description about the (B) metallic pigment and the (C) colored pigment contained in the designable coating composition of the present invention has been described in the above-described designable coating film. Moreover, it mix | blends also about the quantity so that it may become content prescribed | regulated in the designable coating film.
[0062]
In addition to the components described above, the designable coating composition of the present invention includes a polyamide wax which is a lubricating dispersion of an aliphatic amide, a polyethylene wax which is a colloidal dispersion mainly composed of oxidized polyethylene, an antisettling agent, a curing catalyst, Add UV absorbers, antioxidants, leveling agents, surface conditioners such as silicone and organic polymers, anti-sagging agents, thickeners, antifoaming agents, lubricants, crosslinkable polymer particles (microgel), etc. Can be contained. These additives are usually blended at a ratio of 15 parts by mass or less with respect to 100 parts by mass (based on solid content) of the vehicle, respectively, thereby improving the performance of the design paint or coating film. .
[0063]
Moreover, when obtaining a designable coating film by overcoating, the other coloring pigment which was not described in the designable coating film can also be added to any coating composition for forming each layer.
[0064]
The above-mentioned designable coating composition can be obtained by dissolving or dispersing the above-mentioned constituents usually in an organic solvent and / or water. Examples of the organic solvent include those commonly used in the paint field. Examples thereof include hydrocarbons such as toluene and xylene, ketones such as acetone and methyl ethyl ketone, esters such as ethyl acetate, cellosolve acetate and butyl cellosolve, alcohols and the like. Water is preferably used when the use of organic solvents is restricted from an environmental point of view. In this case, an appropriate amount of a hydrophilic organic solvent may be contained. Moreover, the said designable coating composition may take the form of the powder coating material.
[0065]
[Designable coating film forming method]
The designable coating film forming method of the present invention forms a designable coating film on at least a part of a substrate using the above-described designable coating composition. Examples of the base material include metals such as iron, aluminum, copper, and alloys thereof; inorganic materials such as glass, cement, and concrete; polyethylene resin, polypropylene resin, ethylene-vinyl acetate copolymer resin, polyamide resin, and acrylic resin. Resin such as vinylidene chloride resin, polycarbonate resin, polyurethane resin, epoxy resin and various plastic materials such as FRP; natural or synthetic materials such as wood and fiber materials (paper, cloth, etc.), and processed products thereof It is done.
[0066]
In the designable coating film forming method of the present invention, if necessary, a designable coating film is formed directly or via a base coating film on the base material that has been subjected to the base treatment by degreasing or chemical conversion treatment. The method of forming the coating film is not particularly limited, but when the design paint is liquid, a normal coating method such as a spray method or a roll coater method can be applied, whereas when it is a powder, A fluid immersion method or an electrostatic atomization method can be used. Heating is performed according to the properties of the paint and the base material. For example, by heating at a temperature of 80 to 160 ° C. for a predetermined time, a target design coating film can be obtained.
[0067]
In the case of using a designable paint composition using an ultraviolet curable resin or an electron beam curable resin as a vehicle in the designable coating film forming method of the present invention, first, this designable paint composition was applied onto a polymer film. It is also possible to use a transfer film method in which a sheet is prepared, placed on a base material and pasted, cured by irradiation with ultraviolet rays or an electron beam, and then the polymer film is removed.
[0068]
As for the dry film thickness of the designable coating film obtained by the designable coating film formation method of this invention, 10-100 micrometers is preferable. If the thickness is less than 10 μm, it is difficult to conceal the base. More preferably, it is 15-60 micrometers.
[0069]
In the design coating film forming method of the present invention, a matte top clear coat is further formed on the design coating film thus obtained. For the formation of the matte top clear coat, a matte clear paint containing a matting agent in the clear paint is generally used. Examples of the matting agent include resin fine particles and inorganic fine particles. Examples of the resin fine particles include acrylic resin, polyacrylonitrile, polyurethane, polyamide, and polyimide. The particle diameter of the resin fine particles is preferably 2 to 20 μm. If it is less than 2 μm, the matting effect is insufficient and the tactile feeling becomes too smooth. On the other hand, if it exceeds 20 μm, the rough feeling is emphasized, and there is a risk that the silvery texture will be lost.
[0070]
On the other hand, examples of inorganic fine particles include fine silica powder, clay, talc, and mica. The particle diameter of the inorganic fine particles is preferably 2 to 20 μm as in the case of the resin fine particles. If it is less than 2 μm, the matte effect is insufficient, and if it exceeds 20 μm, the rough feeling may be emphasized.
[0071]
The resin fine particles and inorganic fine particles may be used in combination or may be used alone. The addition amount of the entire matting agent is preferably 5 to 40% by mass based on the solid content with respect to the solid content of the paint. If the addition amount is less than 5% by mass, the matte effect cannot be obtained, and if it exceeds 40% by mass, the strength of the coating film becomes insufficient. As the vehicle contained in the matte clear paint, those described in the above-mentioned designable paint composition can be used.
[0072]
The matte clear paint can contain the black or yellow color pigment as long as the transparency is not impaired. Various extender pigments such as calcium carbonate, barium sulfate, clay and talc can be used in combination.
[0073]
The matte clear paint may be in the form of an organic solvent, water or powder. The organic solvent type and water-based paint may be a one-pack type or a two-pack type such as a two-pack type urethane resin paint.
[0074]
In the design coating film forming method, a matte clear coating film can be formed by a wet-on-wet method when baking is not performed after the design coating film is formed. The dry film thickness of the matte clear coating film is preferably 10 to 100 μm. If it is less than 10 μm, the matte effect is hardly exhibited, and if it exceeds 100 μm, the appearance of the coating film may be poor. More preferably, it is 20-60 micrometers.
[0075]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated more concretely, this invention is not limited only to these Examples. In addition, unless otherwise indicated, a compounding quantity represents a mass part.
[0076]
[Examples 1 to 12, Comparative Examples 1 to 4]
[Preparation of base materials A and B]
A plastic substrate (material: polycarbonate plate, length 150 mm, width 70 mm, and thickness 3 mm) was degreased to obtain substrate A.
[0077]
Dull steel plate (length 300 mm, width 100 mm and thickness 0.8 mm) was subjected to chemical conversion treatment using a zinc phosphate treating agent (trade name “Surfdyne SD2000”, manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.), and then a cationic electrodeposition paint (product) The name “Power Top U-50” (manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) was electrodeposited so that the dry film thickness was 25 μm. Next, after baking at 160 ° C. for 30 minutes, intermediate coating (trade name “Orga S-90”, manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) is applied by air spray so that the dry film thickness is 40 μm, and baking is performed at 140 ° C. for 30 minutes. Thus, a base material B was obtained.
[0078]
[Preparation of Designable Coating Composition 1A]
Acrylic resin (styrene / methyl methacrylate / ethyl methacrylate / hydroxyethyl methacrylate / methacrylic acid copolymer, number average molecular weight about 20,000, hydroxyl value 45, acid value 15, solid content 50% by weight) and melamine resin (trade name “ “Uban 20SE” (manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., 60 wt% solid content) was blended at a solid weight ratio of 80:20, and pigments blended in the types and proportions shown in Table 1 were used. . Subsequently, it stirs and mixes with an organic solvent (toluene / xylene / ethyl acetate / butyl acetate weight ratio = 70/15/10/5) so as to obtain an appropriate coating viscosity by a stirrer, and similarly prepares a design coating composition 1A. did.
[0079]
[Adjustment of Designable Coating Composition 1B]
Acrylic resin-based clear paint (trade name “NAX Mighty Lac G-II Clear”, manufactured by Nippon Paint Co., Ltd., solid content 33%) and diisocyanate curing agent (trade name “NAX Mighty Lac hardener”, manufactured by Nippon Paint Co., Ltd. ) And the vehicle obtained by blending so as to have an equivalent ratio of 1: 1. Subsequently, it stirs and mixes with an organic solvent (toluene / xylene / ethyl acetate / butyl acetate weight ratio = 70/15/10/5) with a stirrer so as to obtain an appropriate coating viscosity, and similarly prepares a design coating composition 1B. did.
[0080]
[Adjustment of matte clear paint]
For the matte clear paint, acrylic resin particles (referred to as a matte agent E1) or silica fine powder (referred to as a matte agent E2) were blended in the following two types of clear paints. The blending amounts are shown in Table 1. As the matte clear paint 2A, an acrylic / melamine resin solvent-type clear paint (trade name “Superlac O-150 Clear”, manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) was used. Matte clear paint 2B consists of an acrylic resin solvent-type clear paint (trade name “NAX Mighty Lac G-II Clear” manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) and a diisocyanate curing agent (trade name “NAX Mighty Lac Hardener”, Nippon Paint. The solvent-type clear coating was used so that the equivalent ratio was 1: 1.
[0081]
[Designable coating film forming method]
The design coating composition was air spray coated with the combinations shown in Table 1 so that the dry film thickness was 30 to 35 μm on the substrate A or B, and baked at 140 ° C. for 30 minutes to form a design coating film. . If necessary, if the matte clear paint shown in Table 1 is to be applied on the design coating film, set the design paint film for 3 minutes after coating, and the matte clear paint has a dry film thickness of 35 to 40 μm. Air spray coating was performed, and the coating was set for 3 minutes after coating, and the matte clear coating was baked at a temperature of 140 ° C. for 30 minutes.
[0082]
The following evaluation methods were used to evaluate the effects of metallic gloss, 60-degree specular gloss, surface roughness Ra, hue H, chroma C, lightness V, and tan silver tone in the Munsell hue ring display system. The results are shown in Table 1.
[0083]
[Evaluation methods]
For the metallic luster, the glitter feeling of each coating film obtained above was visually evaluated.
[0084]
2 ... There is a feeling of glitter.
1 ... No glitter.
[0085]
The 60-degree specular gloss was measured with a specular gloss measuring instrument (trade name “micro-TRI-GLOSS” manufactured by BYK CHEMIE).
[0086]
The surface roughness Ra was measured with a surface roughness meter (trade name “Surf Test 211” manufactured by Mitutoyo Corporation).
[0087]
The hue H, saturation C, and brightness V in the Munsell hue ring display system were measured with a variable angle spectrophotometer (trade name “GSP-2”, manufactured by Murakami Color Research Laboratory).
[0088]
For the tanned silver tone, the appearance of each coating film obtained above was visually evaluated.
[0089]
3 ... A unique silver texture is fully expressed due to the unique texture of the color and partial metallic luster.
2 ... Although there is a metallic luster, the color tone and texture are both faint and a silver tone is expressed.
1 ... The metallic luster is too high or there is almost no metallic luster, and both the color and texture are slightly different from the silver tone.
[0090]
[Table 1]
[0091]
As is clear from the results in Table 1, in this example, the coating film was formed by the design coating film forming method of the present invention, and a design coating film expressing a partial metallic gloss was obtained. On the other hand, in the comparative example, a partial metallic luster was not obtained.
[0092]
【The invention's effect】
The designable coating film of the present invention has a partial metallic luster and can exhibit a tanned silver tone. This is considered to be able to reproduce the microscopic state obtained by observing the surface of the metal on which the inventors have been crushed using various coating film forming components. In other words, on the surface of the glazed metal, it was found that the uneven shape was irregularly reflecting the light, and there were some products that seemed to be due to the tanning process, and these were combined to create a calm texture and color tone. Was thought to be expressed. Therefore, the metallic pigment imparts a metallic luster and creates an uneven shape on the surface, while the colored pigment imparts a coloring effect due to the wrinkle of the wrinkle, thereby providing a coating film having the surface state of the wrinkled metal. Formation was made possible for the first time. Furthermore, it has been found that by adding a hue of a specific region to the partial metallic luster, it is possible to express a faint silver tone.
[0093]
In addition, since the coating film obtained by the present invention has a tanned silver tone, vehicle skins for communication products, home appliances, automobiles, motorcycles, automobile parts (wheels, bumpers, etc.), container outer surfaces, and coil coating design properties Is preferably used in coatings that require
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a specular gloss measuring device.
Claims (7)
前記金属系顔料の意匠性塗膜中の固形分含有量が、0.1〜30質量%であり、
前記着色顔料が黒系着色顔料、黄系着色顔料および白系着色顔料を含有し、前記金属系顔料/前記黒系着色顔料/前記黄系着色顔料/前記白系着色顔料の固形分含有比率が、1/0.01〜1/0.02〜2/0.01〜2であり、
前記マイカ顔料および/またはガラス系顔料の合計量が3.1〜30質量%で、さらに前記金属系顔料の含有量の同量以下の塗膜であり、
さらに、(1)JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度が10〜70、(2)表面粗さRaが1.5〜3.5、および(3)マンセル色相環の表示系における色相Hが5YR〜10YR〜5Y、マンセル表示系における彩度Cが0.15〜0.6、明度Vが5〜7である意匠性塗膜。 (A) a vehicle, (B) a metal pigment having an average particle diameter of 3 to 100 μm (C) a colored pigment and (D) a mica pigment and / or a glass pigment,
The solid content in the design coating film of the metal pigment is 0.1 to 30% by mass,
The color pigment contains a black color pigment, a yellow color pigment, and a white color pigment, and the solid content ratio of the metal pigment / the black color pigment / the yellow color pigment / the white color pigment is 1 /0.01 to 1 / 0.02 to 2 / 0.01 to 2,
The total amount of the mica pigment and / or the glass pigment is 3.1 to 30% by mass, and the coating is not more than the same amount as the content of the metal pigment,
Further, (1) 60 degree specular gloss specified by JIS K5400 is 10 to 70, (2) surface roughness Ra is 1.5 to 3.5, and (3) Hue H in the display system of Munsell hue ring. 5YR to 10YR to 5Y, a chroma paint C in the Munsell display system is 0.15 to 0.6, and a lightness V is 5 to 7.
前記金属系顔料の意匠性塗膜中の固形分含有量が、0.1〜30質量%であり、
前記着色顔料が黒系着色顔料、黄系着色顔料および白系着色顔料を含有し、前記金属系顔料/前記黒系着色顔料/前記黄系着色顔料/前記白系着色顔料の固形分含有比率が、1/0.01〜1/0.02〜2/0.01〜2であり、
前記マイカ顔料および/またはガラス系顔料の合計量が3.1〜30質量%で、さらに前記金属系顔料の含有量の同量以下の塗膜であり、
さらに、(1)JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度が10〜70、(2)表面粗さRaが1.5〜3.5、および(3)マンセル色相環の表示系における色相Hが5YR〜10YR〜5Y、マンセル表示系における彩度Cが0.15〜0.6、明度Vが5〜7である意匠性塗膜を形成することができる意匠性塗料組成物。(A) vehicle, containing (B) the average particle diameter 3~100μm metal-based Pigment (C) coloring pigments and (D) mica pigment and / or glass-based pigments,
The solid content in the design coating film of the metal pigment is 0.1 to 30% by mass,
The color pigment contains a black color pigment, a yellow color pigment, and a white color pigment, and the solid content ratio of the metal pigment / the black color pigment / the yellow color pigment / the white color pigment is 1 /0.01 to 1 / 0.02 to 2 / 0.01 to 2,
The total amount of the mica pigment and / or the glass pigment is 3.1 to 30% by mass, and the coating is not more than the same amount as the content of the metal pigment,
Further, (1) 60 degree specular gloss specified by JIS K5400 is 10 to 70, (2) surface roughness Ra is 1.5 to 3.5, and (3) Hue H in the display system of Munsell hue ring. 5YR to 10YR to 5Y, a designable coating composition capable of forming a designable coating film having a chroma C of 0.15 to 0.6 and a lightness V of 5 to 7 in the Munsell display system.
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