JP4291858B2 - 傾斜位置センサ、傾斜位置センサの製造方法 - Google Patents
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Description
このような電子機器として、例えば、カメラの縦横位置を認識するため、縦横位置検出部品が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この縦横検出部品について、図7を用いて説明する。
図7は、カメラを正面から見た図である。カメラボディ300内には、フィルム面と垂直に設けられたシャフト301を軸として、回転可能なバー302が取り付けられている。バー302は絶縁体であり、ストッパー303と、ストッパーを兼用する電気接点304と、の間において回転できるようなっている。なお、バー302には電気接点304と接する側に、電気接点305が取り付けられている。
そして、カメラボディ300が通常の位置、すなわち、横位置である場合、図7(A)に示すようなAの状態となり、電気接点304と電気接点305が接触する。一方、カメラボディ300が縦位置である場合、図7(B)に示すようなBの状態となり、電気接点304と電気接点305とは非接触となる。
よって、電気接点304及び電気接点305に取り付けられたリード線をCPU203の入力ポートに接続しておけば、電気接点304と電気接点305とが接触した時にその出力信号により、カメラボディ300が横位置であることを検出することができる。以上のように、CPU203はカメラが縦位置か、又は横位置か、を検出することができる。
図8(A)は、前記傾斜位置センサ400の断面図であり、図8(B)は、前記傾斜位置センサ400の分解斜視図である。図8(B)から明らかなように、前記傾斜位置センサは、種々の部品により構成されている。
また、図7で示した縦横検出部品300、及び図8で示した傾斜位置センサ400は、単なる機械的要素を組み合わせた部品であり、小型化、軽量化、生産効率化等の種々の問題点があった。
即ち、本発明の目的は、量産性が向上し、長寿命化し、且つ電極が根元から破損しても導電性球体が複数の電極で囲まれる領域の外に出ない傾斜位置センサ、及びその製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の傾斜位置センサによると、電極が円柱状であり側面が円弧を有するため、角形状と比較して導電性球体との接触時に加わる衝撃を抑えることができ、破損し難くなることにより、耐衝撃性を向上させることができる。また、絶縁性膜の表面から囲いの上部内面までの高さが電極の直径より小さいため、電極が根元から破損しても導電性球体が複数の電極で囲まれる領域の外に出ない。
請求項2に記載の傾斜位置センサによると、前記電極形状が円柱状であり円弧を有することにより衝撃を緩和することに加え、囲いで覆われた導電性球体の可動領域に絶縁性液体を封入することにより、絶縁性液体がダンパーの役割を果たすため、導電性球体により電極に加えられる衝撃を抑えることができ、導電性球体の衝突による破損や磨耗を抑制し、耐衝撃性を向上させることができる。
請求項3に記載傾斜位置センサの製造方法によると、アセンブリプロセス(ウエハレベルCSP技術)にて傾斜位置センサを形成することができるため、量産性が向上する。また、この製造方法で製造された傾斜位置センサは、電極が円柱状であり形成された凸部の側面が円弧形状を有しているので、角形状を有する場合と比較して、導電性球体との接触時に加わる衝撃を抑えることができ、破損し難くなるため、耐衝撃性を向上させることができる。また、絶縁性膜の表面から囲いの上部内面までの高さが電極の直径より小さいため、電極が根元から破損しても導電性球体が複数の電極で囲まれる領域の外に出ない。
発明が理解できる程度に各構成成分の形状、大きさ及び配置関係が概略的に示されている
にすぎず、これによりこの発明が特に限定されるものではない。以下の説明において、特定の材料、条件及び数値条件等を用いることがあるが、これは好適例の一つにすぎず、従って、何らこれらに限定されない。
この傾斜位置センサは、アセンブリプロセスにより製造することができ、アセンブリプロセスにより製造した実施形態1の傾斜位置センサについて、以下に詳述する。
[実施形態1の傾斜位置センサ]
図1(A)は、後述する図3に記載の製造工程を用いて製造した本発明の傾斜位置センサ100の上面図である。図1(B)は、本発明の傾斜位置センサ100の図1(A)におけるA−A断面図である。図1(C)は、電極が破損した時の状態を示す傾斜位置センサの断面図である。なお、図1(A)は、傾斜位置センサ100の内部構造を明瞭にするため、囲い45を半透明にしたときの上面図である。
図1(A)より、8個の電極34、及び導電性球体35を覆うように囲い45が形成されていることがわかる。各電極34の間隔は、導電性球体35が任意の二つの電極34と同時に接触することができる間隔に設定されている。
また、動作原理としては、例えば、図1(A)に示すように、傾斜位置センサ100が45°方向に傾いた場合、導電性球体35は電極34a、及び電極34cに接する。このとき、導電性球体35は、導電性を有するため、電極34a、及び電極34cとは電気的に接続される。この電気接続状態を端子33a、及び端子33cに接続する外部検出回路(不図示)により判別することにより、傾斜角度センサ100が315°の方向、つまり、電極34a、及び電極34cを下にした状態であることを検出することができる。
このように、図1(A)で示した傾斜位置センサ100は、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°の8つの各傾きを検出することができる。
絶縁性膜32の表面から囲い45の上部内面までの高さ41は、導電性球体35が電極34で囲まれる領域で自由に移動することができるようにするため、導電性球体35の直径より大きいことが必要である。
電極34a、及び電極34bの上面から囲い45の上部内面までの高さ42は、傾斜位置センサ100がどの位置にあっても導電性球体35が複数の電極34で囲まれた領域から出ないような高さにする必要がある。つまり、高さ42は、導電性球体35の直径より小さく、0以上であることが必要とされる。より好ましい態様としては、導電性球体35の直径の0%以上40%以下であることが挙げられる。また、図1(C)に示すように、電極34が導電性球体35の衝撃により根元から破損しても、導電性球体35が、複数の電極34で囲まれる領域の外に出ないようにするため、高さ41は電極34の幅46より小さく設定されている。
また、図1(B)の絶縁性膜32の表面から電極34a、及び電極34bの上面までの高さ43(前記高さ41−前記高さ42)は、導電性球体35の半径より大きいことが好ましい。導電性球体35の直径以下の場合、導電性球体35は電極34の上面端部と接触することになるため、電極の耐衝撃性に問題が生じる。
以下に、本発明の傾斜位置センサ100の各構成部位について詳述する。
[電極]
本発明における電極34は、円柱状であり、即ち円弧形状を有する。ここで、「円弧」とは、円周の一部を表し、導電性球体35と接触する位置が円弧傾向である。
例えば、図1(A)では、電極34自体が円柱であるため、導電性球体35と接触する箇所は円弧形状を有することになる。図1(A)のように、電極34の形状が円柱状であることにより、電極34が角形状である場合と比べて、衝撃が局所的に集中することを防ぐことができ、これによって耐衝撃性が向上する。
ここで、本発明の範囲には含まれないが、電極34の参考例の態様について説明する。電極34の参考例の態様としては、例えば図2(A)のように、導電性球体35との接触面積を大きくするため、導電性球体35との接触部分を導電性球体35に対応した円弧51を有することが好ましい。例えば、電極34を上面から見た場合、図2(A)に示すような電極34の形状であることが好ましい。このように、導電性球体35と電極34との接触面積を増加させることにより、耐衝撃性をさらに向上させることができる。
図2(B)は、参考例の態様としての導電性球体35が電極34と接触している状態を表す図である。図2(B)に示すように、電極34と導電性球体35との接点48間の距離47が導電性球体35の直径49より小さいことが必要である。さらに、これに加え、接点48が、電極34と導電性球体35との接点48を結んだ直線と平行になるように引いた導電性球体48の直径49を境界として、電極34の反対側の円弧50のいずれかの位置にないことが必要である。この条件を満たさないと、導電性球体35が電極34に形成された円弧51と導電性球体35の表面とが接することができなく、導電性球体35と電極34とが接点48にて点接触になり、耐衝撃性が劣化することになる。
また、電極34間の距離52は、導電性球体35と二つの電極34とが同時に接するようにするため、導電性球体35の直径49より小さい。
電極34の材質は、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、形成のし易さ等の製造工程、及びコストを考慮し、銅であることが好ましい。
また、耐衝撃性をさらに向上させるためには、後述する導電性球体35が電極に衝突する際に生じる衝撃を緩和するため、例えば参考例の態様として、図2(B)の接点48に面取り部を設けることが挙げられる。従って、この面取り部は、円弧形状を有することが好ましい態様として挙げられる。
本発明の傾斜位置センサ100は、導電性球体35を有する。本発明における導電性球体35は、導電性であれば特に限定されないが、例えば、Au、Cu等の純金属ボール、Sn−Ag合金、Au−Sn合金等の鉛フリー半田ボール、銅コア半田鍍金等の複合ボール等が挙げられる。
導電性球体35の粒径は、傾斜センサの小型化の観点から、40μm〜400μmであることが好ましく、50μm〜100μmであることが特に好ましい。
複合ボールを用いる場合、半田のコート層厚は50μm以下であることが好ましいが、粒径の10%〜20%であることが特に好ましい。
導電性球体35の形状は、転動可能な形状であれば特に限定されないが、球状であることが好ましい。
本発明の傾斜位置センサ100は、図1に示すように、前述した導電性球体35を前述した電極34で囲まれる領域に留めておくため、囲い45を有する。
この囲い45はウエハ上に形成され、基板31と接着する際、接着部には低融点ガラス等が予め設けられており、所定の位置に前記ウエハを載せ、リフロー工程を経ることにより基板31と接着する。この工程を経ることにより、囲い45をこの部品として取り扱う場合と比較して、量産性が向上する。
囲い45の材質は、基板の材質に依存するものであり、ガラス、シリカ、シリコン等が挙げられ、金属であってもよい。
囲い45の大きさは、電極34、及び導電性球体35を覆うことができれば特に限定されるものではない。
囲い45と基板31との接着位置は、電極34と端子33との間であることが挙げられ、例えば、図1(B)のような形態を表す。
前記接着部には、低融点ガラスの他、An−Sn半田、等を用いることもできる。
基板31、酸化膜39、絶縁性膜32、及び配線40は、公知の材料を用いることができ、例えば、基板31としてはシリコン基板、酸化膜39としてはシリコン酸化膜、絶縁性膜32としてはポリイミド、配線としては、Cu、Al等が挙げられる。
本発明の傾斜位置センサにおいて、好適に用いることができる基板としては、電極の中央部が突出している形状が挙げられる。これは、基板が突出部を有することにより、傾斜位置センサが傾いていない状態であっても、前述した導電性球体が常に電極と接することになるため、傾斜位置センサの傾きの初期値を瞬時に検出することができ、センサの感度が向上する。
図3は、従来の半導体製造技術であるウエハレベルCSP技術(以下、適宜、「アセンブリプロセス」と称する)を用いて本発明の傾斜位置センサを製造した工程断面図である。
図3(A)では、基板31の表面に、酸化膜39、及び金属膜を順に成膜し、リソグラフィ技術により、配線40を形成し、図3(B)では、配線40、及び酸化膜39を覆うように絶縁性膜32を成膜する。図3(C)では、リソグラフィ技術により、配線40上の絶縁性膜32に電極形成用のパターンを設け、シード層36を形成する。図3(D)では、シード層36上にメッキ技術により外部へ電気信号を取り出すための端子33、及び導電性球体35の動きを制御するための電極34を形成する。図3(E)では、導電性球体35を、電極34で囲まれた領域に配置する。図3(F)では、電極34、及び導電性球体35を覆うための囲いが形成されているキャップウエハ37を配置し、図3(G)では、不要な部分を除去し、囲い45を設ける。次いで、図示しないが、ウエハをダイシングして各傾斜位置センサ100が完成する。
このように、本発明の傾斜位置センサは、アセンブリプロセスにより一枚のウエハ上に同時に複数の傾斜位置センサ100を形成することができるため、量産性に優れ、センサのコストダウンが可能となる。
[参考例1の傾斜位置センサ]
次いで、本発明の範囲には含まれないが、パッケージプロセスにより製造される参考例1の態様について説明する。
図4(A)は、図4のようにして製造した参考例1の傾斜位置センサ200の上面図である。図4(B)は、参考例1の傾斜位置センサ200の図4(A)におけるA−A断面図である。図4(C)は、傾斜角度センサ200を縦方向に傾斜させたときの上面図である。なお、図4(A)、及び図4(C)は、傾斜位置センサ200の内部構造を明瞭にするため、蓋71を半透明にしたときの上面図である。
図4(A)より、基板60、65、67からなるヘッダー75の内部には、8個の電極69が形成され、各電極とその各電極間を含めて、導電性球体70の円周に合わせて円弧形状を有し、各電極の間隔は、導電性球体70が任意の二つの電極と同時に接触することができる間隔に設定されている。
また、動作原理としては、例えば、図4(C)に示すように、傾斜位置センサ200を縦方向に傾いた場合、導電性球体70は電極69a、及び電極69bと接する。このとき、導電性球体70は、導電性を有するため、電極69a、及び電極69bとは電気的に接続される。この電気接続状態を電極69と電気的に接続されているビア導体64、及びビア導体66からなる内部配線76、及び内部配線76と電気的に接続されている導体膜63を経由して、外部検出回路(不図示)にて検出する。これにより、傾斜位置センサ200が縦方向、つまり、電極69a、及び電極69bを下にして置かれていることを検出することができる。
このように、参考例1の傾斜位置センサ200は、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°の8つの各傾きを検出することができる。
ここで、蓋71の底面と電極69との距離73、及び基板65の膜厚と電極69の膜厚との合計の高さ74、の関係は、実施形態1の図1(B)で説明した、絶縁性膜32の表面から囲い45の上部内面までの高さ41、及び、電極34a及び電極34bの上面から囲い45の上部内面までの高さ42と同様の関係を有する。
以下に、参考例1の傾斜位置センサ200の各構成部位について詳述する。
[電極]
参考例1における電極69は、円弧形状を有する。ここで、「円弧」とは、実施形態1と同義である。
例えば、図4(A)にように、導電性球体35と電極69との接触面積を大きくするため、電極69を導電性球体70で抉った形状を有することが好ましい。例えば、電極34を上面から見た場合、図4(A)に示すような電極34の形状であることが好ましい。このように、導電性球体35と電極34との接触面積を増加させることにより、耐衝撃性をさらに向上させることができる。
図5は、導電性球体70が電極69と接触している状態を表す図である。図5に示すように、電極69a、及び電極69bと導電性球体70との接点79間の距離78が導電性球体70の直径80より小さいことが必要である。さらに、これに加え、電極69a、及び電極69bと導電性球体70との接点79を結んだ直線と平行になるように引いた導電性球体70の直径80を境界として、電極69a、及び電極69bの反対側の円弧81のいずれかの位置にないことが必要である。この条件を満たさないと、導電性球体70が電極69a、及び電極69bに形成された円弧82と導電性球体70の表面とが接することができないため、導電性球体70と電極69a、及び電極69bとが点79で点接触になり、耐衝撃性が劣化することになる。
耐衝撃性をさらに向上させるためには、後述する導電性球体35が電極に衝突する際に生じる衝撃を緩和するため、例えば、図5の接点79に面取り部を設けることが挙げられる。従って、この面取り部は、円弧形状を有することが好ましい態様として挙げられる。
また、電極69a、及び電極69b間の距離77は、導電性球体70と、電極69a、及び電極69bとが同時に接するようにするため、導電性球体70の直径80より小さい。
電極69の材質は、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、電極形成のし易さ等の製造工程、及びコストを考慮し、銅であることが好ましい。
電極の材質は、例えば、Ag、Cu等が挙げられる。
基板60、65、及び67は、絶縁性を有する基板であり、耐衝撃性、多層積層性等の観点から、低温焼成セラミックス基板(LTCC)であることが好ましい。
積層前の基板の膜厚としては、加工性の観点から、100μm〜300μmであることが好ましい。
材質としては、公知のものを使用することができ、例えば、アルミナとホウケイ酸ガラスとを組み合わせた結晶化ガラス等を用いることができる。
基板の積層条件としては、例えば、900℃以下の低温で焼成することができ、配線としてAg、Cuを用いた場合には、配線と基板とを同時に焼成することができる。
参考例1の傾斜位置センサにおいて、好適に用いることができる基板としては、前述した電極の中央部が突出している形状が挙げられる。これは、基板が突出部を有することにより、傾斜位置センサが傾いていない状態であっても、前述した導電性球体が常に電極と接することになるため、傾斜位置センサの傾きの初期値を瞬時に検出することができ、センサの感度が向上する。
参考例1の傾斜位置センサ200における蓋71は、導電性球体70が空間部72にて可動することができるために設けたものである。
蓋71の材質は、特に限定されないが、前述した基板と同一の酸化物、金属、ガラス等であってもよい。
蓋71とヘッダー75とを接着させるためには、蓋71とヘッダー75との接触面に、低融点ガラス、An−Su半田等の接着剤を予め設けておき、所定の位置に載せた後、リフロー工程により接着させることができる。
導体膜63、内部配線76、導電性球体70は、実施形態1に記載した、電極、導電性球体と同様の材質、形状である。
図6は、基板積層技術(以下、適宜、「パッケージプロセス」と称する)を用いて参考例1の傾斜位置センサを製造した工程断面図である。
図6(A)では、基板60の所定の位置に、公知のスクリーニング技術によりビア導体64を形成する。一方、熱可塑性樹脂62を貼り付けた高分子フィルム61上に、メッキ法により導体膜63を形成したものを準備する。図6(B)では、導体膜63とビア導体64とが電気的に接続するように基板60上に転写する。図6(C)では、ビア導体66が形成された基板65のビア導体66との間を穴開け加工し、導体膜63が形成された基板65を、ビア導体64とビア導体66とが電気的に接続するように積層する。図6(D)では、基板67を穴開け加工し、後述する傾斜位置センサ200のヘッダーを形成することができるように、基板65上に基板67を積層する。図6(E)では、基板65の表面が露出している部分に、ビア導体66と電気的に接続するように電極69を形成し、導電性球体70を配置した後、蓋71を基板67と接着剤等で接着する。次いで、図示しないが、基板をダイシングして各傾斜位置センサ200が完成する。
このように、参考例1の傾斜位置センサは、パッケージプロセスにより一枚の基板上に同時に複数の傾斜位置センサを形成することができるため、量産性に優れ、センサのコストダウンが可能となる。
本発明の実施形態2は、前述した実施形態1、及び参考例1に記載の傾斜位置センサの囲いで覆われた領域に絶縁性液体を封入した構成となっている。
絶縁性の液体を封入することにより、ダンピング効果により導電性球体が電極に接触した時の衝撃を緩和することができる。
導電性球体の可動領域に封入される絶縁性の液体としては、腐食性を有し、導電性球体の速度を抑制することができる程度の粘性を有していることが必要とされる。
粘性としては、ボールの質量、速度等により適宜選択することができるが、10mm2/s〜100mm2/sであることが好ましい。このような絶縁性の液体としては、例えば、シリコーンオイルが挙げられる。
このような絶縁性の液体の封入方法としては、実施形態1においては、オイル注入用の穴を上面の一部に開けた囲い45を接着し、その穴からオイルをディスペンサーで注入し、ポッティング材にてその穴を封止する工程を順次行うことが挙げられる。また、参考例1においては、蓋をヘッダーに接着する直前にオイルをディスペンサーで空間部に注入し、接着剤付きの蓋を被せ、リフローで蓋をヘッダーに接着する工程を順次行うことが挙げられる。
なお、本実施形態は、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
32 絶縁性膜
33、33a、33b、33c 端子
34、34a、34b、34c 電極
35、70、401 導電性球体
36 シード層
37 キャップウエハ
40 配線
41 絶縁性膜の表面から囲いの上部内面までの高さ
42 絶縁性膜の表面から電極の上面までの高さ
45 囲い
46 電極の幅
47、78 電極と導電性球体との接点間の距離
48、79 電極と導電性球体との接点
49、80 導電性球体の直径
50、51、81、82 円弧
52 電極間の距離
61 高分子フィルム
62 熱可塑性樹脂
63 導体膜
64、66 ビア導体
69、69a、69b、69c 電極
71 蓋
72 空間部
75 ヘッダー
76 内部配線
77 電極間の距離
79 電極と導電性球体との接点間の距離
100、200、400 傾斜位置センサ
300 カメラボディ
203 CPU
301 シャフト
302 バー
303 ストッパー
304、305 電気接点
Claims (3)
- 配線が形成された基板上に前記配線と電気的に接続された複数の円柱状の電極が設けられ、前記基板上の前記電極が設けられていない領域に絶縁性膜が設けられ、前記複数の電極で囲まれる領域に前記複数の電極の少なくとも2つ同時に接することができる導電性球体が配置され、前記複数の電極及び前記導電性球体を覆い且つ前記電極と接しないような囲いが設けられており、前記絶縁性膜の表面から前記囲いの上部内面までの高さが前記電極の直径より小さいことを特徴とする傾斜位置センサ。
- 前記囲いで覆われた領域に絶縁性液体を封入することを特徴とする請求項1に記載の傾斜位置センサ。
- 基板上に酸化膜、及び金属膜を順に成膜し、配線を形成する工程と、
前記配線、及び前記酸化膜を覆うように絶縁性膜を形成する工程と、
前記配線上に円柱状の電極を形成する工程と、
前記電極で囲まれた領域に、前記電極の少なくとも二つと電気的に接続することができる導電性球体を設ける工程と、
前記複数の電極及び前記導電性球体を覆い、且つ前記絶縁性膜の表面から上部内面までの高さが前記電極の直径より小さい囲いを設ける工程と、
を有することを特徴とする傾斜位置センサの製造方法。
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