しかしながら、上述したような剥離装置に関しては、以下の問題が生じる。すなわち、定着手段および感光体において、シート部材上のトナーが剥離装置に付着してしまう可能性がある。具体的には、定着手段において、シート部材に定着しきれなかったトナーも多少は存在する。このトナーは、定着手段(ローラ部材)に付着してしまう可能性がある。このような定着手段のローラ部材に付着してしまったトナーを一般的にオフセットという。
このオフセットにより定着手段のローラが汚れ、それにより、定着手段のローラ部材に接触して設けられている剥離装置にもオフセットしたトナーが付着する。また、同じくシートに定着されるトナーも剥離時にシート部材から剥離装置に付着する。
これは感光体についても同様のことが言える。感光体においてシート部材に転写しきれなかったトナーが感光体に付着したままとなり、シート部材の剥離時に剥離装置に付着する。また、シート部材に転写されたトナーも剥離時にシート部材から剥離装置に付着する。
剥離装置へ付着したトナーは、徐々に剥離装置上で堆積していく。限度を越えた堆積量になると、シート部材を剥離するときに逆にシート部材にトナーが付着してしまい、線状のトナー汚れを引き起してしまう可能性がある。これにより、画像品質を著しく低下させてしまう問題がある。
そこで、この剥離装置に付着するトナーを清掃することができる定着装置の開発が行われた。
特許文献1には、剥離爪を超音波振動させるための超音波振動手段、または上記剥離爪の表層に形成された光触媒手段、あるいは導電性の剥離爪にトナーとは同極性のバイアスを印加するバイアス印加手段を備えることにより、定着装置に備えた剥離爪に付着したトナーを清掃する定着装置が開示されている。
また、特許文献2には、円周部が感光体に接離自在な円板状の剥離爪と、該円板状の剥離爪が感光体から離れているときに該円板状の剥離爪を回転させる回転機構と、該円板状の剥離爪の円周部下側に接触するクリーニングブレードと、該円板状の剥離爪の円周部上側に接触するクリーニングブラシとを備えた回転式剥離装置について開示されている。ここで、上記円板状の剥離爪の円周部とは、上記剥離爪の円板面における外周に近い領域を示す。すなわち、特許文献2に記載の回転式剥離装置は、上記剥離爪の円周部の一部を感光体に押し当てることで上記感光体の表面から転写用紙の先端部を剥離した後、上記円板状の剥離爪を感光体から離間させて回転させることで、上記剥離爪を、上記クリーニングブレードおよびクリーニングブラシを用いて清掃する構成となっている。
しかしながら、特許文献1の技術は、剥離爪に付着したトナーを除くためだけに設けられる構成としては、大規模なものであり、画像形成装置に備えられる場合に非常に大きなスペースが必要となる。そのため、装置の小型化を目指す近年の傾向に反するものである。また、特許文献2の技術に関しても、クリーニングブレードおよびクリーニングブラシという清掃手段が、剥離爪の清掃のためだけに別途備えられた構成となっている。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート剥離装置に付着したトナー等(紙粉やゴミ等も含む)をシート剥離装置のための清掃手段を設けることなく清掃することができるシート剥離装置および、それを備えた画像形成装置並びに定着装置を提供することにある。
本発明に係るシート剥離装置は、上述した課題を解決するために、表面にトナー像が形成されたシートを担持するシート担持体の表面に接触する接触部を備え、該接触部が、上記シート担持体の表面に担持されたシートに当接することで、該シートを上記シート担持体から剥離するシート剥離装置であって、上記接触部は、その一部が上記シート担持体の表面に接触するように設けられているとともに、上記シート担持体との接触位置を可変するように上記シート担持体の表面を転動することを特徴としている。
上記の構成とすることにより、本発明に係るシート剥離装置は、該シート剥離装置に備えられた接触部が、その一部にて上記シート担持体の表面と接触するように設けられており、かつ、接触する位置を可変することができるので、上記接触部の特定の箇所にトナーが堆積することがない。したがって、シート剥離装置の特定箇所に限度を越えたトナーが堆積することによって生じていた上述したようなシートの汚れの問題を解消することができる。
すなわち、シート表面のトナーが該シート剥離時に上記接触部に付着しても、上記接触部が、上記シート担持体の表面との接触位置を可変するように上記シート担持体の表面を転動するため、上記接触部に付着したトナーをシート担持体の表面に転移させることができる。このため、上記接触部にトナーが堆積していくことを防ぐことができる。すなわち、本発明のシート剥離装置は、シート剥離装置自体の、具体的にはシート剥離装置の接触部自体のクリーニング手段を設ける必要がない。
さらに、本発明によれば、上記シートを剥離しながら上記接触部を転動させることが可能であり、このようにシート剥離時に上記接触位置を可変させることで、接触部の特定箇所へのトナーの集中的な付着を抑制することができるとともに、シートの剥離と上記接触部のクリーニングを並行して行うことができる。よって、本発明によれば、接触部の清掃のための清掃手段を別途設けることなく、良好な剥離処理を行うことができるという効果を奏する。
また、上述した構成とすることにより、シート剥離装置に付着するオフセットトナーを清掃する構成とした場合であっても、従来の装置とは異なり、清掃するための手段を別途設ける必要がないため、該清掃するための手段のため占有スペースを装置内に必要とせず、シート剥離装置に付着するオフセットトナーを清掃することが可能となる。したがって、従来の装置と比較して、装置自体および、該装置を備える他の装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部が、無端の連続面を有し、該連続面の一部が上記シート担持体の表面に接触すると共に、該連続面における上記シート担持体との接触位置を可変するように上記シート担持体の表面を転動することが好ましい。
上記の構成とすることにより、上記接触部における上記シート担持体との接触位置を容易に可変することができる。
すなわち、上記シート剥離装置に備えられた上記接触部が、その無端の連続面において上記シート担持体と当接する構成となっているため、上記接触部を同一方向に転動させたとしても上記接触部を無限に転動(回転)させることができるので、上記シート担持体との接触位置を無限にずらすことができる。このため、上記接触部に付着したトナーをシート担持体の表面に転移させることができる。すなわち、本発明のシート剥離装置は、シート剥離装置自体の、具体的にはシート剥離装置の接触部自体のクリーニング手段を設ける必要がない。したがって、そのような手段(部材)を別途設ける必要があった従来の装置と比較して、装置の構造の簡略化が可能となり、コストの低減が可能となる。
また、上記接触部の連続面が転動(回転)することにより、シートを剥離する際にトナーが上記連続面に付着した場合であっても、次のシートを剥離する際のシート担持体に付着する次のトナーは、連続面に付着した先のトナーの付着位置とは異なる。すなわち、上述した構成とすることによって、接触部の連続面における特定の箇所にトナーが付着することを防止することができるという効果を併せて奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部が、円錐形状を有し、その側面の一部が上記シート担持体の表面に接触すると共に頂点が上記シートの先端に当接するように、上記頂点を通る軸を中心に回転可能に支持されていることが好ましい。
上記接触部が、円錐形状を有しており、その頂点をシートの末端に当接するように、側面の一部にてシート担持体に接触していることから、上述した効果に加えて、上記接触部が上記シートをシート担持体から容易に剥離することができる。すなわち、円錐の頂点がシート担持体に担持されているシートに接触することによって、シート担持体に担持されているシートが、該頂点によって接触部に効率的に誘導される。
したがって、本発明に係るシート剥離装置は、シートが剥離される際に円錐形状を有した接触部の側面に付着したトナーを、シート担持体に転移させることができるため、接触部に付着したトナーを清掃するための手段を別途設けなくても、上記側面にトナーが堆積することがなく、さらに、シートをシート担持体から容易に剥離することが可能となるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部を支持する支持軸に連結して設けられ、上記接触部を回転させるギヤ伝達手段を備えていることが好ましい。
上述した構成によれば、上記ギヤ伝達手段による動力伝達によって上記接触部の転動(回転)動作を、上記支持軸を介して確実に上記接触部に伝達することができるので、上記接触部を上記シート担持体の表面において容易に転動させることが可能となるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記ギヤ伝達手段が、ウォームギヤを備えていることが好ましい。
上記ギヤ伝達手段がウォームギヤを備えていることにより、上記接触部に対する動力伝達方向を直交させることができ、上記ウォームギヤにおけるウォームの軸を中心に回転する回転方向と、上記ウォームに歯合するギヤの軸を中心に回転する回転方向と、2方向への回転が可能となる。
よって、例えば、上記ウォームの軸方向に複数のギヤを設けることで、上記ウォームの軸方向に沿って、各々別々の接触部を支持する複数の支持軸を設けることができるので、例えば一つの駆動源を用いて複数の上記接触部を転動(回転)させることが可能となるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部の転動を制御する制御手段を備えていることが好ましい。
上述した構成とすることにより、上記接触部の転動(回転)を制御することができる。すなわち、上述した構成とすることにより、上記接触部の転動(回転)を所定の期間のみ行うように制御することができ、また、転動(回転)速度を制御することもできる。所定の期間のみ転動(回転)を行うことができるようにすることによって、シート担持体が動作していない場合は、上記接触部の転動(回転)を停止することができる。上記接触部と上記シート担持体とは互いに接触した構成となっていることから、シート担持体が停止している場合に、上記接触部のみが転動(回転)していると、若干ではあるが、接触部およびシート担持体が磨耗してしまう可能性がある。したがって、上記接触部が所定の期間のみ転動(回転)を行うように制御できることによって、接触部およびシート担持体の耐久性の向上に貢献することができるという効果を奏する。
また、転動(回転)速度を制御することができることにより、例えば多量の枚数のシートを連続して処理したい場合には、転動(回転)速度を上げることができ、断続的に、すなわちシートと次のシートとの間に間隔が空く場合には、転動(回転)速度を下げることができる。したがって、転動(回転)速度を調整することができることによって上記接触部(シート剥離装置)を駆動するための動力を極力抑えて駆動することが可能となり、該接触部に要する消費エネルギーの低減に貢献することができるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部を上記シート担持体に向けて付勢する付勢手段を備えていることが好ましい。
上記接触部が、付勢手段によって付勢していることで、シート担持体の表面の転動(回転)動作に沿って常に該接触部をシート担持体に確実に接触させることができるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部が複数設けられていると共に、上記接触部を上記シート担持体に向けて付勢する付勢手段が、上記接触部毎に設けられていることが好ましい。
複数の上記接触部が設けられていることにより、より剥離処理を確実に行うことが可能となり、かつ、複数の接触部が設けられていても、上記付勢手段が各々の接触部に対して設けられていることから、複数の接触部の各々がシート担持体に良好に付勢することができるため、良好な剥離機能を得ることができるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部を支持する支持軸は回転部材であり、該支持軸に沿って、該支持軸に付着したトナーを掻き取る掻き取り手段が設けられていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、シートに担持されたトナーが支持軸に付着した場合であっても、該支持軸に沿って掻き取り手段が設けられていることにより、該掻き取り手段によって該トナーは掻き取られる。したがって、上記接触部と同じく、トナーの付着が解消されるため、シート部材への汚れが発生することなく、良好な剥離処理を完了することができる。
また、上記接触部の場合と同じく、上記支持軸に付着したトナーを除去するためだけに、別途の手段(装置)を設ける必要がなく、簡単な構成である掻き取り手段を設けることにより上述したような効果を奏するため、そのような手段を別途設ける必要がある従来の装置と比較して、装置の構造の簡略化が可能となり、コストの低減が可能となるという効果を奏する。
また本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部における上記シート担持体との接触表面に平滑処理が施されていることが好ましい。
平滑処理が施されていることから、上述したように付勢手段により上記接触部がシート担持体に付勢される場合において、シート担持体表面を傷つけることなく、シートの剥離を行うことができ、さらに。シート担持体表面の磨耗を軽減することができるという効果を奏する。
このような効果は、特に、接触部が円錐形状であり、かつ、その頂点がシートの末端に当接することによってシートをシート担持体から剥離するような構成である場合に、その頂点を含む接触部におけるシート担持体との接触領域が平滑処理されていることによって、上記頂点を含む接触部によってシート担持体の表面が傷つくことなく、シート担持体の耐久性を損なうことなく、良好な剥離処理を完了することができる。なお、頂点に対する平滑処理とは、上記頂点を、例えば直径1mm以内の平面状に処理してもよく、球面や曲面状に処理してもよい。
また本発明に係る画像形成装置は、表面にトナー像が形成されたシートを担持するシート担持体と、上記シート担持体の表面に担持された上記シートに当接することで、該シートを上記シート担持体から剥離するシート剥離装置とを備えた画像形成装置において、上記シート剥離装置が、上述したような構成であることが好ましい。
上述した構成のシート剥離装置を、画像形成装置に備えることにより、シート剥離時における上記接触部からシートへのトナーの付着を防止することができ、高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
また本発明に係る画像形成装置は、上記シート担持体が、上記シートの表面に形成されたトナー像を加熱溶融させて上記シート上に定着させる定着手段であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記定着手段におけるオフセットトナーや、上記定着手段の表面に担持されたシートを上記定着手段から剥離する際に上記シートから上記接着部に付着するトナーが、上記接着部を介して上記シートに付着し、画像品質を低下させることを防止することができる。このため、上記の構成によれば、良好な定着処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
また本発明に係る画像形成装置は、上記シート担持体が、上記シートの表面にトナー像を形成する感光体であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記感光体表面の残留トナーや、上記感光体表面に担持されたシートを上記感光体から剥離する際に上記シートから上記接着部に付着するトナーが、上記接着部を介して上記シートに付着し、画像品質を低下させることを防止することができる。このため、上記の構成によれば、上記感光体による上記シートへの良好な転写を行うことが可能となるという効果を奏する。なお、上記感光体は感光体ローラであっても感光体ベルトであってもよい。
また、本発明に係る定着装置は、表面にトナー像が形成されたシートを担持し、該シートの表面に形成されたトナー像を加熱溶融させて上記シート上に定着させるシート担持体と、上記シート担持体の表面に担持された上記シートに当接することで、該シートを上記シート担持体から剥離するシート剥離装置とを備えた定着装置において、上記シート剥離装置が、上述した構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記定着手段におけるオフセットトナーや、上記定着手段の表面に担持されたシートを上記定着手段から剥離する際に上記シートから上記接着部に付着するトナーが、上記接着部を介して上記シートに付着し、画像品質を低下させることを防止することができる。このため、上記の構成によれば、良好な定着処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート剥離方法は、上述した構成を備えたシート剥離装置を用いたシート剥離方法であって、上記シート担持体の表面に担持されたシートを、上記該シート担持体から剥離する剥離工程と、上記剥離工程において上記接触部に付着したトナーを清掃する清掃工程とを含み、上記清掃工程は、上記接触部を上記シート担持体の表面で転動させることにより、上記剥離工程で上記接触部に付着したトナーを上記シート担持体に転移させることによって行われることを特徴としている。
上述した構成を備えたシート剥離装置の接触部を、転動させることによって、該接触部に付着したトナーをシート担持体に転移して清掃することができるため、従来技術のようにシート担持体に接触する接触部に付着したトナーを除去するためだけの手段を別途設けることなく、接触部に付着したトナーを清掃することができる。したがって、上記接触部の特定箇所にトナーが限度を越えて堆積することによって生じる上述したようなシートへの汚れが発生することなく、良好な剥離処理を完了することができるという効果を奏する。
さらに、本発明によれば、上記シートを剥離しながら上記接触部を転動させることが可能であり、このようにシート剥離時に上記接触位置を可変させることで、接触部の特定箇所へのトナーの集中的な付着を抑制することができるとともに、シートの剥離と上記接触部のクリーニングを並行して行うことができる。よって、本発明によれば、接触部の清掃のための清掃手段を別途設けることなく、良好な剥離処理を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート剥離方法は、上記剥離工程と上記清掃工程とがこの順に行われることが好ましく、上記清掃工程において、上記接触部は少なくとも1回転することが好ましい。
上記清掃工程は、上記剥離工程において接触部に付着したトナーを清掃するための工程であるため、上記剥離工程と、上記清掃工程とをこの順に行うことによって、上記接触部に付着したトナーを該シート担持体に転移させ、接触部を清掃することができるという効果を奏する。また、上記接触部が少なくとも1回転することによって、上記接触部に付着したトナーを略完全にシート担持体に転移させることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート剥離方法は、上記清掃工程が、上記剥離工程と並行して行われることが好ましい。
上記清掃工程を、上記剥離工程と並行して行うことにより、例えば多量の枚数のシートをシート担持体にて処理する場合に、上記剥離工程と、上記清掃工程とを順次行う場合と比較して、短時間で処理を完了することが可能となると共に、連続した処理が可能になるという効果を奏する。
なお、上記清掃工程が上記剥離工程と並行して行われるとは、シート剥離装置がシート担持体からシートを剥離している間に、上記接触部が上記シート担持体の表面で転動している状態のことである。
本発明に係るシート剥離装置は、以上のように、表面にトナー像が形成されたシートを担持するシート担持体の表面に接触する接触部を備え、該接触部が、上記シート担持体の表面に担持されたシートに当接することで、該シートを上記シート担持体から剥離するシート剥離装置であって、上記接触部は、その一部が上記シート担持体の表面に接触するように設けられているとともに、上記シート担持体との接触位置を可変するように上記シート担持体の表面を転動することを特徴としており、本発明に係るシート剥離方法は、上述した構成を備えたシート剥離装置を用いたシート剥離方法であって、上記シート担持体の表面に担持されたシートを、上記該シート担持体から剥離する剥離工程と、上記剥離工程において上記接触部に付着したトナーを清掃する清掃工程とを含み、上記清掃工程は、上記接触部を上記シート担持体の表面で転動させることにより、上記剥離工程で上記接触部に付着したトナーを上記シート担持体に転移させることによって行われることを特徴としている。
上記の構成とすることにより、本発明に係るシート剥離装置は、該シート剥離装置に備えられた接触部が、その一部にて上記シート担持体の表面と接触するように設けられており、かつ、接触する位置を可変することができるので、上記接触部の特定の箇所にトナーが堆積することがない。したがって、シート剥離装置の特定箇所に限度を越えたトナーが堆積することによって生じていた上述したようなシートの汚れの問題を解消することができる。
また、シート表面のトナーが該シート剥離時に上記接触部に付着しても、該接触部が、上記シート担持体の表面を転動するため、上記接触部に付着したトナーをシート担持体の表面に転移させることができる。
したがって、本発明に係るシート剥離装置は、上記接触部に、トナーが限界を超えて堆積することがなく、上述したようなシートが汚れるという問題を解消することができ、良好な剥離処理を行うことができる。
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下の実施の形態では、本発明に係る画像形成装置に備えられた定着手段を挙げて説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図2は、定着手段(シート担持体)およびシート剥離装置の概略断面図を示す。図2に示す定着手段1は、例えば電子写真方式の画像形成装置に備えられ、記録用紙(シート)P上の未定着のトナーからなる未定着トナー像Tを溶融して、記録用紙P上へのトナー像の加熱加圧定着を行い、トナー像を定着させた記録用紙Pの剥離を行っている。具体的には、上記定着手段1は、定着ローラ4の内部に発熱体5を備えている。発熱体5によって一定温度まで加熱された定着ローラ4は、加圧ローラ6との圧接部(ニップ部)Nの間に未定着のトナー像Tを有する記録用紙Pを通過させることで、上記トナー像Tを記録用紙Pに定着させる。トナー像Tが定着した記録用紙Pは、シート剥離装置14により定着ローラ4から剥離される。
上記定着手段1には、定着ローラ4と、発熱体5と、加圧ローラ6と、清掃手段7と、定着ローラ用温度検出器8と、加圧ローラ用温度検出器9とを備えている。さらに、図2には、シート剥離装置14と、定着手段用駆動手段10と、制御手段11と、シート剥離装置用駆動手段12と、付勢手段13とを備えている。
上記定着ローラ4は、記録用紙P上のトナーを溶融するとともに、該定着ローラ4と加圧ローラ6との加圧によって、記録用紙P上にトナー像を定着させる。定着ローラ4は定着手段用駆動手段10からの動力を受けて、図2中の矢印R1の方向に、回転駆動される。上記定着ローラ4は、芯金4aと、離型層4bとを備えている。上記定着ローラ4は、芯金4a上に離型層4bが順次形成されている。
上記芯金4aは、アルミニウム、鉄もしくはステンレス等の金属からなる。このうち、誘導加熱による発熱を防止するためや、熱伝達性が優れる点でアルミニウムがより望ましい。
また上記離型層4bは、上記芯金4a表面(外周面)を被覆し、ニップ部(圧接部)での定着処理により、粘度が低下したトナーが定着ローラ4表面に付着することを防止する。離型層4bは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)等のフッ素樹脂、あるいは、シリコンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコンゴム等の弾性体、もしくは、これらが複数積層されてなる。特に、上記定着手段1が、カラー印刷用のトナーの定着処理を行う場合には、上記離型層4bとして、弾性を有するゴム系材料を用いることが好ましい。
上記発熱体5は、定着ローラ4を加熱するために、該定着ローラ4の中空状の芯金4aの内部に配設されている。上記発熱体5としては、例えば、ハロゲンランプやセラミックヒータ等のヒータランプ等を用いることができる。上記発熱体5から発せられる赤外線により、定着ローラ4全体が均一に加熱される。
上記シート剥離装置14は、定着ローラ4に接触する接触部16を有しており、該接触部16によって、定着ローラ4と加圧ローラ6とで形成されたニップ部Nを通過した記録用紙Pを定着ローラ4から剥離する。以下に、図1に基づいて上記シート剥離装置14の構成についてより詳細に説明する。
図1は、上記シート剥離装置14の拡大断面図である。上記シート剥離装置14は、上記支持部材15および上記接触部16から構成されている。
上記接触部16は、支持部材15に支持されており、さらに、付勢手段13によって所定の圧力で、定着ローラ4における記録用紙Pの排出側、すなわち、ニップ部Nの下流の定着ローラ4表面に当接するように構成されている。
上記接触部16は、円錐形状であって、上記該接触部16の無端の連続面(以下、単に無端面と呼ぶ)が定着ローラ4に接触するように配置されている。
また、円錐形状である上記接触部16は、その頂点が、平滑処理され、1mm以内の平面状、または球面や曲面状であることが好ましい。
上記支持部材15は、図1に示すように、支持軸17と、ギヤ18およびウォーム19(ギヤ伝達手段,ウォームギヤ)と、支持体20とから構成されている。なお、上記接触部16と、支持軸17と、ギヤ18とは全て同軸上に構成されている。
なお、本実施の形態では、支持部材15に複数の接触部16が設けられている。上記付勢手段13は、図3に示すように複数の接触部16の各々を付勢するように設けられることが好ましい。上記付勢手段13は、弾性部材を用いることができ、例えば、板バネ、コイルバネ、図示したような引張コイルバネ等のバネ部材を用いることができる。
上記支持軸17は、上記接触部16と同軸上に位置している。上記ギヤ18も、上記接触部16および上記支持軸17と同軸上に位置しており、接触部16が軸を中心に回転できるように、ウォーム19と連結している。
図1に示すように、シート剥離装置14は、ギヤ18およびウォーム19のギヤ伝達手段によって上記接触部16を回転させていることから、図3に示すように、複数の接触部16が構成されている場合であっても、一つのウォーム19の回転によって複数の接触部16を回転させることが可能となる。
上記支持体20は、支持軸17を介して接触部16を支持するように配置されている。図4には、上記支持体20付近の構成を示している。図4に示すように、上記支持体20には、ダストクラッシャー(掻き取り手段)21が設けられている。上記ダストクラッシャー21は、支持軸17の軸に沿うように配置され、該支持軸17表面に付着したトナーを掻き落とす。本実施の形態では、支持軸17はギヤ18の回転に伴い、上記接触部16とともに、その軸を回転軸として回転する構成となっている。したがって、上記ダストクラッシャー21は、支持軸17が回転することによって支持軸17表面に付着したトナーを掻き落とす。上記ダストクラッシャー21は、フッ素ゴムやフェルト等を用いることができる。また、図1および図3に示すように、上記ウォーム19は、ギヤ18と連結している。上記ウォーム19は、図2に示すようにシート剥離装置用駆動手段12によって駆動されることで、動力をギヤ18に伝達し、支持軸17とともに接触部16を回転させる。
上記接触部16および支持軸17は、例えば、PPS(ポリエチレンサルファイト)、PAI(ポリアミドイミド)、PEEK(ピーク)等の非耐熱性で低コストの樹脂材料を用いることができる。しかしながら、材質はこれに限定されるものではなく、金属やセラミック等を用いてもよい。また、上記シート剥離装置用駆動手段12にはモータを用いることができ、例えば、ラチェットなどの間欠伝達手段とソレノイド等の間欠駆動手段を用いることができる。
上記ウォーム19に、図2に示す上記シート剥離装置用駆動手段12から動力を供給することにより、ギヤ18に動力を伝達する。具体的には、上記ウォーム19が上記シート剥離装置用駆動手段12からの動力を受けて回転することにより、ギヤ18を回転させ、上記接触部16は、支持軸17とともに、その中心軸を中心として回転する。
また、上記加圧ローラ6は、図2に示すように、上記定着ローラ4に圧接し、該加圧ローラ6と定着ローラ4との間にて、未定着トナー像Tを担持する記録用紙Pを挟持して搬送し、記録用紙P上にトナー像を固着させる。上記加圧ローラ6は、図示しない加圧バネ等の付勢手段によって、所定の押圧力(当接圧)で定着ローラ4に圧接している。加圧ローラ6は、定着ローラ4の回転に伴って、図2中、矢印R2方向に従動回転する。
上記加圧ローラ6は、加圧ローラ側芯金6aと、加圧ローラ側離型層6bとを備えている。上記加圧ローラ6は、加圧ローラ側芯金6a上に加圧ローラ側離型層6bが形成されている。上記加圧ローラ側芯金6aは、鉄・ステンレスもしくはアルミニウムで形成されている。上記加圧ローラ側離型層6bは、トナーや紙粉の付着を防ぐために形成されている。上記加圧ローラ側離型層6bの材料としては、例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂材料、あるいは、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等のゴム材料を用いることができる。
なお、本実施の形態における上記加圧ローラ6は、上記発熱体5のような発熱手段を設けない構成として説明しているが、本発明に係る定着手段は、これに限定されるものではなく、上記発熱体5と同様の構成を上記定着ローラ4と同様に加圧ローラ6の内部に設けた構成としてもよい。
上記清掃手段7は、上記定着ローラ4表面に付着したオフセットトナーを除去するために設けられ、具体的な配置位置としては、定着ローラ4におけるニップ部とは反対側の、上記シート剥離装置14の接触部16が当接した位置よりもさらに回転した位置に、定着ローラ4に対向して配置されている。上記清掃手段7は、フェルト等よりなるクリーニングローラ方式または、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)繊維同士を溶融したポリエステル繊維で結着した繊維状部材等のウエブ方式の清掃手段を用いることができる。コンパクトに装置を構成する場合にはクリーニングローラ方式を用い、長期にわたる確実なクリーニング性を得るためにはウエブ方式のクリーニング手段を用いることが好ましい。
上記定着ローラ用温度検出器8は、定着ローラ4の表面温度を検出するために設けられている。上記定着ローラ用温度検出器8は、ニップ部の記録用紙Pの搬送方向の下流側の近傍にて、定着ローラ4表面に対向するように設けられている。
上記加圧ローラ用温度検出器9は、加圧ローラ6の表面温度を検出するために設けられている。上記加圧ローラ用温度検出器9は、ニップ部の記録用紙Pの搬送方向の下流側の近傍にて、加圧ローラ6表面に対向するように設けられている。上記定着ローラ用温度検出器8および加圧ローラ用温度検出器9は、温度ヒューズを用いることもできる。
上記制御手段11は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、定着手段1およびシート剥離装置14の動作を制御する。すなわち、制御手段11がモータおよびモータドライバを有する定着手段用駆動手段10を制御して定着ローラ4を回転駆動する。また、上記シート剥離装置用駆動手段12を制御して上記接触部16を回転駆動する。上記定着ローラ用温度検出器8および加圧ローラ用温度検出器9の検知信号に基づいて、図示しないドライバー回路と励磁回路とを制御して、それぞれ定着ローラおよび加圧ローラの温度を制御する。
上記の構成を備えた定着手段1およびシート剥離装置14は、付勢手段13によって所定の圧力で、シート剥離装置14の接触部16の無端面が、定着ローラ表面に当接して配置される。具体的には、該接触部16の頂点がニップ部から排出される記録用紙Pの末端に当接するように、上記接触部16の無端面が定着ローラ4表面に当接する。これにより、ニップ部において加熱圧接されてトナー像が定着した記録用紙Pが図5に示すように剥離されることになる。
上記の構成では、記録用紙P上への未定着トナー像Tの定着処理および、定着処理に続く記録用紙Pの剥離処理を行う場合、次の動作が行われる。図7は、一連の定着および剥離動作の流れを示す図である。すなわち、ステップ1(S1)において図2に図示しない電源から通電が開始されると、ステップ2(S2)として、所定の制御温度まで上昇させるウォームアップが開始される。ステップ3(S3)として、制御手段11の制御によって、定着手段用駆動手段10が定着ローラ4を回転駆動させ、加圧ローラ6が従動回転する。ステップ3にて定着ローラ4および加圧ローラ6が回転を開始すると、ステップ4(S4)にて制御手段11の制御によって、シート剥離装置用駆動手段12がウォーム19を回転駆動させ、ギヤ18に動力を伝達することで、接触部16が回転する。ここで、接触部16は少なくとも1回転したところで、回転を停止する。接触部16は、少なくとも1回転することによって、接触部16表面に付着していたトナーを略完全に定着ローラ4に転移させることができる。
次に、ステップ5(S5)において、定着手段1を定着動作可能な状態、すなわち定着ローラ4および加圧ローラ6が所定の制御温度まで上昇すると、ウォームアップを完了し、定着処理が要求されるまで、すなわちスタート信号が入力される(ステップ7(S7))まで、待機状態に移行する(ステップ6(S6))。ここで、ステップ5(S5)において、定着ローラ4および加圧ローラ6が所定の制御温度まで上昇していない場合は、制御温度に達するまでウォームアップを継続する。待機状態の定着手段1に、ステップ7においてスタート信号が入力されると、ステップ8(S8)において定着動作が行われ、続いて、該定着動作によりトナー像が定着した記録用紙の剥離動作(剥離工程)を行う。定着動作が終了すると、ステップ9(S9)において、制御手段11の制御によりシート剥離装置用駆動手段12がウォーム19を回転駆動させ、該ウォーム19と連結しているギヤ18に動力を伝達することで、接触部16が回転する(清掃工程)。
なお、上記のステップ8において、例えば複数の枚数を定着処理するように要求される場合がある。このような場合には、接触部16を回転させるタイミングを、制御手段11において設定することができる。このタイミングとは、例えば通電後のウォームアップ時やウォームアッ終了後、定着動作中、定着動作開始前、定着動作終了後に接触部16を回転させるような条件であってもよく、あるいは、定着動作および剥離動作が行われた記録用紙の枚数をカウントし、所定の枚数になれば接触部16を回転させるような条件であってもよく、定着動作および剥離動作が開始してから所定の時間を過ぎてもまだ定着動作および剥離動作が継続されている場合に、接触部16を回転させるような条件であってもよく、シート剥離装置に堆積したトナー量がある程度に達した時に(許容量以上になる前に)回転動作を行うような条件であってもよい。
上述したような複数の枚数を定着処理するように要求された場合における一連の動作を図8に示す。なお、図7におけるステップ1(S1)からステップ6(S6)の間の定着手段1の動作は図8においても同一であるため、図8では説明の便宜上、これらのステップについては図示せず、また説明を省略する。
図8に示すように、定着ローラ4および加圧ローラ6(図2)が所定の制御温度に達すると、定着手段1は待機状態となる(ステップ11(S11))。次に、待機状態の定着手段1に、ステップ12(S12)において複数の記録用紙Pへの定着処理を要求するスタート信号が入力されると、ステップ13(S13)において定着動作および、該定着動作によりトナー像が定着した記録用紙Pの剥離動作(剥離工程)を行う。複数の定着処理を要求するスタート信号が入力される場合に備えて、上述したような条件は、予め制御手段11に設定しておくことが好ましい。ここでは、所定の枚数(複数)が定着動作および剥離動作を完了すると接触部16を回転させるという条件を設定しておく。これにより、ステップ14(S14)において、所定の枚数の定着動作および剥離動作が完了したか否かが判断される。上記ステップ14において、設定された所定の枚数の定着動作および剥離動作が完了していない場合は、ステップ15(S15)にて所定の枚数の定着動作および剥離動作が完了するまで、定着動作および剥離動作を継続する。ステップ14およびステップ15において、設定された所定の枚数の定着動作および剥離動作が完了したと判断されると、それぞれステップ16(S16)において、制御手段11の制御によりシート剥離装置用駆動手段12がウォーム19を回転駆動させ、該ウォーム19と連結しているギヤ18に動力を伝達することで、接触部16が少なくとも1回転する(清掃工程)。上述したように、接触部16は、少なくとも1回転することによって、接触部16表面に付着したトナーを略完全に定着ローラ4に転移させることができる。
上記ステップ8(図7)およびステップ13(図8)における定着動作では、以下の動作が行われる。上記ステップ6(図7)およびステップ11(図8)にて定着ローラ4および加圧ローラ6を制御温度に保った状態で待機している定着手段に、スタート信号が入力され(上記ステップ7(図7)およびステップ12(図8))、図2に示すように、未定着トナー像Tが保持されている記録用紙Pを定着ローラ4および加圧ローラ6のニップ部Nに搬送する。ニップ部Nにて、定着ローラ4と加圧ローラ6とによって挟持されて上記記録用紙Pが搬送されると、記録用紙P上のトナーが溶融して圧着される。これにより、定着動作が完了する。
次に、上記ステップ8(図7)およびステップ13(図8)における剥離動作では、以下の動作が行われる。上述したように定着動作によってトナーが圧着した記録用紙Pは、定着ローラ4と加圧ローラ6との回転によってさらに搬送され、ニップ部から搬出される。ニップ部から搬出された記録用紙Pは、定着ローラ4に付着した状態となる場合が多い。そのため、定着ローラ4に付着したままの記録用紙Pは、該シート剥離装置14の接触部16に接触する。接触部16に接触した記録用紙Pは、定着ローラ4の回転に伴って、接触部16の無端面における定着ローラ4との当接箇所とは略反対側の領域に徐々に記録用紙Pが移動していくことによって、記録用紙Pは定着ローラ4から剥離され、剥離動作を完了する(上記ステップ8(図7)およびステップ13(図8)の完了)。なお、上記では、記録用紙Pがニップ部から完全に搬出された後にシート剥離装置14による剥離動作が行われるように説明したが、本発明に係る定着装置はこれに限定されるものではなく、シート剥離装置14の配置位置によっては、記録用紙Pがまだニップ部から完全に搬出されていない状態でシート剥離装置14による剥離動作が進行する構成であってもよい。
なおまた、本実施の形態では、図7および図8に示したように接触部16の回転は、定着ローラ4が定着動作を完了し、さらにシート剥離装置14、具体的にはシート剥離装置14の接触部16によって剥離動作が完了した後、開始しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、定着ローラ4および加圧ローラ6が待機状態(ステップ6およびステップ11)から回転を開始した段階で、接触部16も回転を開始し、定着動作および剥離動作中も回転しているように制御手段11によって制御される構成であってもよい。すなわち、定着動作および剥離動作と並行して接触部16の回転を行ってもよい。このような構成とすることにより、例えば多量の枚数の記録用紙を定着工程および剥離工程において定着および剥離する場合に、上記定着動作と、上記剥離動作と、接触部16の回転とを順次行う場合と比較して、短時間で処理を完了することが可能となる。
このように、上記シート剥離装置14を用いれば、接触部16を回転させることで、シート剥離装置14の接触部16における定着ローラ4との接触(当接)位置を移動することができることから、定着手段1によってトナーが定着した記録用紙Pを接触部16によって剥離する際に接触部16に付着したオフセットトナーは、接触部16の回転によって移動する。そのため、定着手段1から排出された次の記録用紙が剥離される際には、上記接触部16に付着する新たなトナーは、先に付着したトナーの付着位置とは異なる位置に付着する。したがって、トナーが接触部16の特定箇所のみに限度を越えて堆積することがなくなる。これにより、トナーがシート剥離装置14の接触部16表面の特定箇所のみに限度を越えて堆積することによって生じる記録用紙Pへの汚れが発生することなく、良好な処理を完了することができる。
さらに、上記シート剥離装置14を用いることにより、該シート剥離装置14に備えられた接触部16の無端面が、上記定着ローラ4に当接しながら回転する構成であることによって、接触部16の無端面に付着したトナーを、該定着ローラ4との当接位置において定着ローラ4に転移させることが可能となる。すなわち、上記接触部16の無端面が上記定着ローラ4と当接した状態で回転することにより該接触部16の無端面に付着したオフセットトナーを定着ローラ4に転移できることから、回転によって接触部16の無端面は清掃されることになる。したがって、上記シート剥離装置14、具体的には該シート剥離装置14の接触部16の無端面に付着したトナーを清掃するための手段を別途設ける必要がないことから、そのような手段を別途設ける必要がある従来の装置と比較して、装置の構造の簡略化が可能となり、コストの低減が可能となる。
また、シート剥離装置14(接触部16)に付着するトナー(オフセットトナー)を清掃する構成とした場合であっても、従来とは異なり、清掃するための手段(部材)を別途設ける必要がないため、該清掃するための手段のため占有スペースを装置内に必要とせず、付着したトナーを清掃することが可能となる。したがって、従来の装置と比較して、装置自体および、該装置を備える他の装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
また上述したように、上記支持部材15の支持体20には、上記支持軸17の長さ方向に沿ったダストクラッシャー(掻き取り手段)21を備えていることが好ましい。上記ダストクラッシャー21を備えていることにより、たとえ上記支持軸17にトナーが付着した場合であっても、上記ダストクラッシャー21によって、上記円柱部分17に付着したオフセットトナーを掻き落とすことが可能となる。すなわち上記支持軸17も、上記接触部16と同じく、上記支持軸17の表面を清掃することができるため、記録用紙Pへの汚れを生じさせることなく、良好な剥離機能を完了することができる。
また、上記接触部16の場合と同じく、上記支持軸17に付着したトナーを除去するためだけに、別途の清掃手段を設ける必要がなく、簡単な構成であるダストクラッシャー21を設けることにより上述したような効果を奏するため、そのような手段を別途設ける必要がある従来の装置と比較して、装置の構造の簡略化が可能となり、コストの低減が可能となる。
また上記シート剥離装置14は、上記支持部材15にギヤ18およびウォーム19からなるギヤ伝達手段を備えていることから、上記接触部16に対する動力伝達方向を直交させることができ、ウォーム19の軸を中心に回転する回転方向と、上記ウォーム19に歯合するギヤ18の軸を中心に回転する回転方向と、2方向への回転が可能となる。上記ウォーム19が上記シート剥離装置用駆動手段12からの動力を受けて回転することにより、上記接触部16に、支持軸17とともに、その中心軸を中心として回転する。すなわち、シート剥離装置14の接続部16の回転動作は、このギヤ伝達手段(ウォームギヤ)を介して確実に伝達することができる。
また、上記ギヤ伝達手段をウォームギヤとすることにより、図3に示すように、複数の接触部16が構成されている場合であっても、一つのウォーム19の回転によって、すなわち一つの駆動源を用いて、複数の上記接触部16を回転させるが可能となる。
さらに、図7および図8において説明したような一連の動作を実行するために、上記接触部16の回転を制御することができる制御手段11が備えられていることが好ましい。これにより、上記接触部16の回転を制御することができる。
上記接触部16の回転を制御することによって、上記接触部16表面を清掃したいときにのみ、上記ギヤ伝達手段を介して上記接触部16を回転させることができる。また、定着動作が作動していない場合は、上記接触部16の回転も停止することが出来る。上記接触部16と上記定着ローラ4とは互いに当接した構成となっていることから、定着動作が停止している場合に、接触部16のみが回転していると、若干ではあるが、接触部16および定着ローラ4が磨耗してしまう可能性がある。したがって、上記接触部16の回転を所望の期間のみ実行するように調節できることによって、接触部16および定着手段1の耐久性の向上に貢献することができる。
このように所望の期間のみ回転を行うように制御する以外にも、上記制御手段11は、例えば回転速度を調整できる構成であってもよい。回転速度を調整することができることにより、例えば多量の枚数の記録用紙Pを連続して定着および剥離したい場合に、接触部16の回転速度を上げ、反対に、断続的に、すなわち記録用紙Pと次の記録用紙との間に間隔が空く場合に、回転速度を下げることができるような構成であってもよい。このように、回転速度を調整することができることによっても、上記接触部16を回転するための動力を抑えて駆動することが可能となり、接触部16の消費エネルギーの低減に貢献することができる。
また上記接触部16は、上記支持部材15に備えられた付勢手段13により上記定着手段1に向けて、具体的には上記定着ローラ4に向けて付勢されることによって、定着ローラ4の表面の回転動作に沿って常に接触部16の無端面を定着ローラ4の表面に当接させることができる。さらに上記支持部材15は、複数の上記接触部16を支持しており、各々の接触部16に対して付勢手段がそれぞれ設けられていることから、複数の接触部16の各々が定着ローラ4に良好に付勢することができるため、良好な剥離機能を得ることができる。したがって、定着手段において紙詰まりを起こす可能性がなくなる。
また上記シート剥離装置14を用いることにより、該シート剥離装置14の接触部16は平滑処理を施されていることから、該接触部16によって定着ローラ4が傷つくことなく、記録用紙の剥離を行うことができる。特に、本実施の形態の接触部16は、円錐形状であり、その頂点も平滑処理を施されている。これにより、定着ローラ4と接触する接触箇所に円錐形状の頂点が含まれていても、その頂点が鋭い構造ではないことから、定着ローラ4は傷つくことなく、良好な記録用紙の定着および剥離を行うことができる。
また上記シート剥離装置14を用いることにより、上記定着手段1は、少なくとも一方に発熱体5を備えた一対の回転部材であることから、加熱圧着を効率的に行うことができる。なお、本実施の形態においては、発熱体5を定着手段1(定着ローラ4)の内部に配置した構成としているが、本発明は、発熱手段(発熱体)を定着手段1(定着ローラ4)の外部に配置した構成であってもよい。なおまた、本実施の形態においては、発熱体5を定着手段1の定着ローラ側にのみ設けた構成としているが、本発明の係る定着装置は、これに限定されるものではなく、加圧ローラ6に設けた構成であってもよい。
また、本実施の形態においては、上記シート剥離装置14が、該一対の回転部材のうちの一方の回転部材である定着ローラ4側に設けられた構成を示しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、上記構成を備えたシート剥離装置14を加圧ローラ側に備えた構成であってもよく、さらには、定着ローラ4および加圧ローラ6の両方に設けた構成であってもよい。上記シート剥離装置14を定着ローラ4および加圧ローラ6の両方に設けることにより、定着処理を行った記録用紙が、一対の回転部材のどちらに密着した場合であっても、効率良く剥離することができる。
さらに上記定着ローラ4には、該定着ローラ4を清掃する清掃手段7が設けられていることから、上記シート剥離装置14の接触部16に付着したトナーを該接触部16の回転によって定着ローラ4に転移させた場合であっても、定着ローラ4表面に転移した、および、定着動作の際に付着したトナー(オフセットトナー)を上記清掃手段7によって清掃することができる。したがって、シート部材への汚れが発生することなく、良好な定着および剥離動作を完了することができる。
なお、本実施の形態においては、シート剥離装置は画像形成装置内の定着手段に適用された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する画像形成装置内の感光体ドラム104(図6)に適用されてもよく、これにより、該感光体ドラム104上に記録再現された画像が転写した記録用紙を感光体ドラム104から剥離することが可能である。なお、本実施の形態において説明する画像形成装置に備えられた感光体は感光体ドラムであるが、本発明に係る画像形成装置の感光体は、ドラム形状であってもベルト形状のものであってもよい。
さらに、本発明に係るシート剥離装置は、画像形成装置内に備えられた定着手段に適用されるだけではなく、シートに対して定着処理を行うあらゆる種類の定着装置に対して適用することが可能である。
次に、上述した定着手段を備えた画像形成装置について図6に基づいて説明する。図6は、本発明の定着装置が適用される画像形成装置100としてデジタル複写機を例に挙げ説明する。図6は、本発明に係る画像形成装置100の断面構成図である。
本実施の形態の画像形成装置100は、プリンタ部102と、プリンタ部102の下に配置された給紙ユニット部103とを備えている。プリンタ部102の略中央の位置には、感光体ドラム104を中心とする電子写真プロセス部が配置されている。
上記電子写真プロセス部には、すなわち感光体ドラム104を中心として、その周囲に、帯電ユニット105と、光走査ユニット106と、現像ユニット107と、転写ユニット108と、クリーニングユニット109とが配置されている。
帯電ユニット105は、感光体ドラム104の表面を均一に帯電させるものである。光走査ユニット106は、均一に帯電された感光体ドラム(シート担持体)104上に光像を走査して静電潜像を書き込むものである。現像ユニット107は、光走査ユニット106により書き込まれた静電潜像を現像剤により顕像化するものである。
転写ユニット108は、感光体ドラム104上に記録再現された画像を記録用紙上に転写するものである。クリーニングユニット109は、感光体ドラム104上に残留した現像剤を除去して、感光体ドラム104上に新たな画像を記録することができるようにするものである。
なお、このクリーニングユニット109により除去された残留現像剤は、現像ユニット107の現像剤供給部110に回収され、リサイクルされる。なお、本発明の画像形成装置は、このように残留現像剤をリサイクルするプロセスを備えているものに限定されるものではなく回収して廃棄する画像形成装置をも含むものである。
次に、上記給紙ユニット部103について説明する。上記給紙ユニット部103は、上記プリンタ部102の下側に互いに並列配置された第1の大容量給紙トレイ111および第2の大容量給紙トレイ112、さらにその下側に配置された第1の給紙トレイ113および第2の給紙トレイ114からなる。給紙トレイ111、112、113、114から供給搬送された用紙は、各給紙部共通の第1の搬送経路(縦パス)115または第2の搬送経路(横パス)116を介して転写部に向かって搬送される。図6から分かるように、この第1の搬送経路(縦パス)115と第2の搬送経路(横パス)116は、給紙ユニット部103のフレーム(構造枠対)117に沿う方向(縦方向と横方向)に伸びている(並行している)。これにより、給紙ユニット部103の空間の中において、複数の給紙トレイ111、112、113、114が効率よく配置され、プリンタ部102の下方においても最小限の設置スペース内に給紙トレイ111、112、113、114と複数の給紙トレイの共通搬送経路である第1の搬送経路115および第2の搬送経路116が収まっている。なお、給紙トレイ111、112、113、114に用紙をセットする場合は、画像形成装置100本体の前面側方向(図6では手前側)に目的の給紙トレイ111、112、113、114を引き出して用紙の補給を行う。なお、給紙トレイ111と112については1つのトレイ上に2つの給紙トレイ111、112が搭載されており、トレイの出し入れにより2つの給紙部が同時に移動する構成となっている。
この構成において、第1の搬送経路(縦パス)115中に用紙が停滞した場合は、第1の搬送経路(縦パス)115を構成する一方の共通ガイド(斜線部115a)を給紙ユニット部103の奥側を支点として手前側(画像形成装置1本体の前面側)を開放(回動)させる。この操作は、第1の搬送経路(縦パス)115の左側に予め確保されている作業空間を用いて行う。
また、第2の搬送経路(横パス)116中に用紙が停滞した場合も、第2の搬送経路(横パス)116を構成する一方の共通ガイド(斜線部116a)を給紙ユニット部103の奥側を支点として手前側を開放(回動)させる。この操作により第2の搬送経路(横パス)116中に停滞した用紙を簡単に取り除くことができる。なお、この操作は、並列配置された第1および第2の大容量給紙トレイ111、112を手前側に引き出して第2の搬送経路(横パス)116の下方に作業空間を確保した上で行うこととなる。
なお、本実施の形態では、第1および第2の大容量給紙トレイ111、112が、ひとつのトレイとして引き出せる構造となっているが、それぞれ独立して引き出せる構造であってもよい。この場合には、第1の大容量給紙トレイ111を手前側に引き出して、第2の搬送経路(横パス)116の下方に作業空間を確保することも可能である。
また、第1の大容量給紙トレイ111は、第2の大容量給紙トレイ112よりもユニットとしての幅が大きく設定されている。これは、第1および第2の給紙トレイ111、112のそれぞれに収容される用紙のサイズの違いと、第2の搬送経路(横パス)116の開放作業空間を確保することとを考慮したものである。
つまり、第1の大容量給紙トレイ111の大きさ(幅)を大きく確保することにより、第2の大容量給紙トレイ112から転写部に向かって用紙を搬送供給する第2の搬送経路(横パス)116は、第1の大容量給紙トレイを越える形となり必然的に長くなる。そのために、第2の搬送経路(横パス)116に用紙が停滞したとしても、第2の搬送経路(横パス)116を広範囲にわたって開放することが可能となる。さらに、第2の大容量給紙トレイ112から送り出された用紙が第2の搬送経路(横パス)116において停滞したとしても、第2の搬送経路(横パス)116の開放幅が第2の大容量給紙トレイ12から送り出された用紙の長さよりも大きくなるので、開放された第2の搬送経路(横パス)116の範囲内において簡単に確認する(見つける)ことができる。
また、第1の大容量給紙トレイ111から転写部に至るまでの搬送経路には、第1の搬送経路(縦パス)115が利用される。これは、無理に第2の搬送経路(横パス)116を用いて転写部に至るような搬送経路を確保すると、転写部手前の合流搬送経路が複雑になり、その結果、第1の大容量給紙トレイ111からの給紙搬送供給が不安定になるためである。また、第2の搬送経路(横パス)116を用いる場合、搬送異常により停滞した用紙を取り除くためには、合流搬送経路付近を開放しながらの操作を行う必要が生じ、複雑な作業となる。(最悪の場合、用紙を取り出す際に用紙が破断して搬送経路116中に残ってトラブルの原因となる可能性がある。)これに対して、第1の搬送経路(縦パス)115を用いる場合には、搬送異常により停滞した用紙を取り除くために、第1の搬送経路(縦パス)115の一部(斜線部115a)を大きく開放させて、第1の搬送経路(縦パス)115中に停滞している用紙を簡単に取り除くことが可能となる。
また、第2の搬送経路(横パス)116の搬送経路下流側には、比較的少量の用紙がセットされる手差し給紙ユニット118が設けられている。
手差し給紙ユニット118には、特殊な用紙(材質あるいは形状などの特徴がさまざまな用紙)がセットされる場合が多く、手差し給紙ユニット118に対して手軽に用紙の交換あるいはセットができるようになっている。したがって、手差し給紙ユニット118にセットされる用紙は、他の給紙トレイ(給紙部)111、112、113、114にセットされる用紙よりも、給紙搬送状態が不安定となりやすい。特に、限度(推奨用紙範囲)を越えた用紙がセットされる場合には搬送異常につながる可能性が高い。
そこで、手差し給紙ユニット118は、図示はされていないが、画像形成装置100本体のフレームに設けられた案内レールなどにより用紙搬送方向に対して両端が水平にスライドできるように支持されており、画像形成装置100の右側面から右方向に引き出され、手差し給紙ユニット118から第2の搬送経路(横パス)116に至るまでの搬送路が大きく分離開放される構造となっている。そして、停滞している用紙を除去した後は、簡単にもとの動作可能な状態に復帰させることができるようになっている。
上記構成の画像形成装置100にて、印刷処理の動作は、以下のようにして行われる。すなわち、画像形成装置100に外部から画像データが入力されると、上記給紙ユニット部103に備えられた給紙トレイのうちの何れかの給紙トレイの端部に備えられたピックアップローラ160によって、給紙トレイ110に収容されている記録用紙を1枚ずつ分離して、用紙搬送路に送り出す。その後、レジストローラ114まで記録用紙を搬送し、記録用紙の先端がレジストローラ114に到達した状態で、記録用紙の搬送を一旦停止する。
上記給紙トレイからの記録用紙の給紙と並行して、上記プリンタ部102では、入力された画像データに基づいて、トナー像の形成を開始する。すなわち、画像形成装置100に画像データが入力されると、上記帯電ユニット105によって、上記感光体ドラム104表面が帯電される。その後、入力された画像データに応じて、上記光走査ユニット106により、上記感光体ドラム104表面に静電潜像が形成される。該静電潜像を現像するために、現像ユニット107からトナーを供給して、トナー像を形成する。トナー像が形成されると、トナー像の先端と記録用紙Pの画像形成範囲の先端とが整合するタイミングで、上記レジストローラ114から記録用紙の搬送が開始される。記録用紙が転写ユニット108を通過することにより、感光体ドラム104上に記録再現された画像を記録用紙上に転写する。なお、本発明に係る画像形成装置は、フルカラー印刷に対しても対応することができる。その場合には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応した4つの画像ステーションをプリンタ部に並設し、ブラック(K)のトナーを用いて画像形成を行い、シアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、マゼンタ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、イエロー(Y)のトナーを用いて記録用紙に画像の形成を行う。すなわち、フルカラー印刷に対応した画像形成装置である場合には、感光体ドラムと、帯電ユニットと、光走査ユニットと、現像ユニットと、転写ユニットと、クリーニングユニットとが4つの画像ステーションそれぞれに設けられ、各画像ステーションにて形成されたトナー像を記録用紙上に順次転写することでフルカラー印刷を行う。
その後、本発明に係る定着手段1にて、記録用紙上のトナー像が溶融・固着されて印刷された後、搬送ローラによって用紙搬送路を通り、図示しない排紙トレイ上に排出される。
また、本実施の形態では、上記画像形成装置100をデジタル複写機として説明したが、これに限定されるものではなく、プリンタ、ファックス、あるいは、プリンタ機能やコピー機能、ファックス機能等を備えたデジタル複合機等、電子写真方式で画像形成を行う各種画像形成装置に対して、上記定着手段1を適用することができる。