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JP4289170B2 - ノイズ量測定装置および映像受像機 - Google Patents

ノイズ量測定装置および映像受像機 Download PDF

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Description

本発明は、映像信号中のノイズに関し、特にそのノイズ量の測定および巡回型ノイズ低減装置に関するものである。
従来、この種の映像信号中のノイズ量検出は、既知のレベルの信号を映像の一部に定め、この信号に対して、既知のレベルとの差分をとりノイズ量を算出していた。つまり、本当の意味での映像に含まれるノイズ量の評価ではなく、その映像が経てきた系で被るノイズ量を検出していた。あるいは、フレーム間で差分をとり、その差分からノイズ量を算出していた。すなわち、この差分が大きいとノイズ量も多いと判断していた。しかし、この場合、動きのある画像に対しても差分は大きくなり、差分が大きくなるのはノイズに起因するのか、動きに起因するのか判断することは難しく、正確なノイズ量を測定することは困難であった。また、巡回型ノイズ低減装置を実現するにもノイズ量の測定誤りによって、ノイズの少ない映像に対してもノイズ低減効果が働き、映像として見苦しいものとなっていた。
特開平8−201464号公報
前記のように、従来この種の映像信号中のノイズ量の検出には、既知のレベルの信号を映像の一部に定める必要があったり、つまりその映像が経てきた系で被るノイズ量の検出で真の意味での映像に含まれるノイズ量の評価ではなかったり、また、動きのない映像のみに限定したノイズ量の測定しか可能でないという問題点があった。そこでこの発明の目的は、上述の問題点を解決し、前後のフレームで相関性の高い領域を探索することによって、動きのある実映像中のノイズ量を推定することの可能な映像信号のノイズ量測定装置および巡回型ノイズ低減受像機を提供せんとするものである。
この目的を達成するために本発明のノイズ量測定装置は、映像信号を入力するための第1及び第2の入力端子と、前記第2の入力端子から入力された映像信号を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の入力端子から入力された第1の映像信号と前記第1の記憶手段から読み出された第2の映像信号との差分を算出する第1の演算手段と、前記第1の演算手段の出力である差分信号を任意の第1の領域に亘って積分する第1の積分手段と、異なる前記第1の領域についての前記第1の積分手段の出力である積分結果を記憶する複数の第2の記憶手段と、前記複数の第2の記憶手段の出力である複数の前記積分結果の最小値を求める比較手段と、前記比較手段の出力である最小値を任意の第2の領域に亘って積分する第2の積分手段と、一定の連続する複数フレームについて前記第2の積分手段の出力をあらかじめ時間軸方向にローパスフィルタをかけた後に、中央値を算出する、または平均値を算出する、またはヒストグラムの最も頻度の高い範囲に存在する信号の平均値を算出する第2の演算手段とを備えた構成を有している。
また、本発明の映像受像機は、前記ノイズ量測定装置を備えた構成を有している。
以上のように本発明は、ノイズ測定精度が向上したノイズ量測定装置および画質の向上した映像受像機を提供することができるという優れた効果が得られる。
以下本発明の実施の形態について、図1〜図5を使用して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に本願第1の発明におけるノイズ量測定装置のブロック図の一例を示す。本願第1の発明では、図2に示すように、まず、入力端子1から入力された第1の映像信号から第1の領域(例えば10×10、以下、領域Aとする)を抽出する。そして、第1の領域(領域A)内の任意の画素を中心として近接する画素の集合である、第2の領域(例えば5×5、以下、領域Bとする)を基準画像として抽出する。そして、前記第1の映像信号より少なくとも1フレーム前の、任意の第2の映像信号と基準画像との相関性の高い領域を探索する。この第2の映像信号は、入力端子2に前記第1の信号を入力し、101に示す記憶手段1で記憶させておくことによって生成する。
なお、相関性の高い領域の具体的な探索方法としては、まず、前記領域Bと前記第2の映像信号について、前記領域Bとその位置にある第2の映像信号との画素ごとの差分を算出し、その差分の和を求める。この差分の和を相関値と呼ぶことにする。次に前記領域Bを左右上下に1画素あるいは複数画素を動かし、同様にその位置における相関値を求める。そして前記相関値が最小になるまである範囲で領域Bを動かし相関値を算出することで、相関性の高い領域が探索できる。なお、この相関値の最小値を最小相関値と呼ぶことにする。
また、図1に示すブロック図におけるこの最小相関値の求め方は、102に示す演算手段1により前記領域Bと前記第2の映像信号との差分を求め、103に示す積分手段1により相関値を求める。そして、前記領域Bの位置をずらして同様に相関値を求め、そのずらした位置ごとの相関値を104に示す記憶手段2にそれぞれ記憶する。105に示す比較手段1により最小となる相関値を求める。
この最小相関値を算出後、領域A内の全ての画素において同様に相関最小値を求め、106に示す積分手段2により領域A内のそれぞれの画素で算出した相関最小値の和を求める。前記積分手段2で求められた相関最小値の和をVnと呼ぶこととする。前記Vnは動きのない映像はもちろんのこと、動きのある映像に対してもノイズ量を反映していると言える。しかし、被写体の動きがあまりにも早く、相関の高い領域の探索に追いつけない映像や、あるいは、シーンチェンジ等による急激に変化する画像に対しては、前記Vn値は極端に大きくなる。しかし、適切な閾値TH1とTH2(TH1<TH2)を用いて、Vn<TH1であればノイズの少ない映像、TH1<Vn<TH2であればノイズの多い映像、TH2<Vnであれば動きの早い映像であると判断できる。したがって、前記Vnはノイズ量を測定する上で有効な値となる。
(実施の形態2)
また、本願第2の発明においては、さらに、図3に示す308の演算手段2を用いて、フレームごとに算出されるVnをデータとして統計処理を行うことにより、ノイズ量測定の精度が向上する。統計処理として、ヒストグラムを用いる方法、中央値を算出する方法、平均値を算出する方法が考えられる。
ヒストグラムを用いる方法は、現フレームを含むある連続する一定の複数フレームにおいて算出された複数のノイズ量データに対してヒストグラムを算出する。前記ヒストグラムから最も頻度の高い範囲に存在するVn値を抽出する。この前記抽出されたVn値に対して、例えば平均値Vn1を算出する。前記Vn1を現フレームにおけるノイズ測定量とすることで、動きの早い映像によって突然Vn値が大きくなっても安定してノイズ量を測定することが可能となり、ノイズ量測定の精度が大幅に向上するという効果がある。
また、これにより、現フレームを含むある一定の連続する複数フレームにおいて算出された複数のノイズ量データの中央値Vnmを算出し、前記Vnmを現フレームにおけるノイズ測定量とするものである。中央値を算出する方法は、簡単なハード設計が実現できる上、ノイズ測定値の精度が向上するという効果がある。また、平均値を算出する方法は、現フレームをある一定の連続する複数フレームにおいて算出された複数のノイズ量の平均値Vnaを算出し、前記Vnaを現フレームにおけるノイズ量とするものである。これにより、簡単なハード設計が実現できる上、ノイズ測定値の精度が向上するという効果がある。
さらに、前記本願第2の発明において統計処理を行う前に、あらかじめフレームごとに算出されるVnデータに対して、フレーム軸方向にローパスフィルタをかけることでVnのばらつきが小さくなり、この状態で統計処理を行うことで、さらにノイズ量測定の精度が向上するという効果がある。
なお、相関性の高い領域を探索するにあたって、領域Bを垂直方向に1画素、水平方向に数画素(例えば5画素)の長方形とすることにより、主にテレビジョンの受像方式である、ラスタスキャン方式に適合し、メモリ資源を節約することが可能となる。
また、前記Vn値を算出する際に、領域Aに加えて一つ以上の同じような領域を設けて同様にそれぞれの領域で最小相関値を求め、算出した複数の最小相関値の最小値を前記Vnの値としてもよい。複数の領域を設けて最小相関値の和を算出することにより、あるフレームおいて動きの早い被写体が存在していても被写体を含まない領域が存在し、動きによるVn値の増大を防ぐことができる。
(実施の形態3)
また、本願第3、4の発明は、前記ノイズ量測定装置と巡回型ノイズ低減装置を備えた装置において、ノイズ測定装置で測定された前記Vnの値に応じてノイズ軽減効果を調節する映像受像機である。
図4にこの装置のブロック線図を示す。この装置は、デジタル映像信号が入力される入力端子401と、入力映像信号に係数1―Kを乗算する第1の乗算器402と、フレームメモリ406により1フレーム遅延した映像信号に帰還係数Kを乗算する第2の乗算器403と、係数K(ここで0≦K≦1)を発生する係数発生器404と、乗算器402及び403の出力を加算して加算信号をフレームメモリ406に供給する一方出力端子407に出力する加算器405と、加算器405からの加算信号を新たな映像信号として1フレーム分格納するフレームメモリ406に加えて、前記ノイズ量測定装置408を具備している。なお、乗算器402,403、加算器405、及びフレームメモリ406は、フレーム巡回型フィルタを構成している。
このフレーム巡回型フィルタにより、入力映像信号を1―K倍した信号(これは帰還係数K分だけ入力映像信号を小さくした信号と言える)と、1フレーム遅延した映像信号をK倍した信号とを加算することにより、結果としてフレーム間の差信号(フレーム相関が強い映像信号の場合は、この差信号は主にノイズ成分と言える)に係数Kを乗算したものを入力映像信号から減算することになり、ノイズを除去している。ここで、入力映像信号をS1、フレームメモリ406から出力される1フレーム遅延の映像信号をS2とすると、出力端子407には
(1―K)S1+KS2=S1―K(S1―S2)
が出力される。
即ち、現在の入力映像信号S1からノイズ成分に相当するK(S1―S2)を減算することにより、ノイズ除去が図られる。
さて、この装置において、前記係数値Kは、前記ノイズ量測定装置によって測定されたノイズ測定値に基づいて係数発生器404で決定される。例えば、係数発生器404は、ノイズ測定値に対して係数Kを図5のような特性をもって発生するとする。すなわち、ノイズ測定値が0以上Nth1以下のときは動きのない映像と考え、ノイズ測定値の増加に対して係数Kを単調増加させ、ノイズ測定値がNth1以上のときは動きの早い映像と考え、ノイズ測定値の増加に対して係数Kを単調減少させ、ノイズ測定値がNth2以上のときは係数Kを0にする。
すると、係数Kの大きい場合は該当の画素が時間の経過とともにはノイズが多い部分であるとして、相関の高い映像信号を時系列的に加算・平均化することになり、ノイズ低減ができる。係数Kの小さい場合は該当の画素がノイズの少ない部分であるか、時間の経過とともに変化して動いている部分であるとして、入力映像信号をそのまま出力するようになり、相関の低い動いた部分の映像信号を加算して尾を引いたような残像の発生を防ぐことが可能となる。したがって、これにより、映像信号中のノイズ量に応じた巡回型ノイズ低減装置が実現可能となる。
以上述べた本発明はここに記載した実施の形態に限定されることなく、発明の要旨内で各種の変形、変更の可能なことは自明である。
本発明に係る映像信号のノイズ量測定装置および測定方法は、映像領域内でのノイズ量測定を可能とし、さらに相関性を考慮せずに測定した場合に比べ、動きによる誤測定を防止できるため、ノイズ測定精度が向上する効果があり、さらに、ノイズ低減効果の調節も適切に行うことが可能となり、画質の向上した映像受像機を実現可能とする効果も有し、ノイズ測定および巡回型ノイズ低減装置並びにそれを用いた映像受像機などに有用である。
本願第1の発明によるノイズ量測定装置のブロック図 本願第1の発明による第1の領域と第2の領域を示した図 本願第2の発明によるノイズ量測定装置のブロック図 本願第3及び4の発明による巡回型ノイズ低減装置のブロック図 本願第3及び4の発明による巡回型ノイズ低減装置における係数発生回路における係数Kの出力特性を示した図
符号の説明
101 記憶手段1
102 演算手段1
103 積分手段1
104 記憶手段2
105 比較手段1
106 積分手段2
107 制御

Claims (2)

  1. 映像信号を入力するための第1及び第2の入力端子と、
    前記第2の入力端子から入力された映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の入力端子から入力された第1の映像信号と前記第1の記憶手段から読み出された第2の映像信号との差分を算出する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段の出力である差分信号を任意の第1の領域に亘って積分する第1の積分手段と
    異なる前記第1の領域についての前記第1の積分手段の出力である積分結果を記憶する複数の第2の記憶手段と、
    前記複数の第2の記憶手段の出力である複数の前記積分結果の最小値を求める比較手段と、
    前記比較手段の出力である最小値を任意の第2の領域に亘って積分する第2の積分手段と、
    一定の連続する複数フレームについて前記第2の積分手段の出力をあらかじめ時間軸方向にローパスフィルタをかけた後に、中央値を算出する、または平均値を算出する、またはヒストグラムの最も頻度の高い範囲に存在する信号の平均値を算出する第2の演算手段と、
    を有するノイズ量測定装置。
  2. 請求項1記載のノイズ量測定装置を有する映像受像機。
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