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JP4288556B2 - 電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は電気自動車等に用いられる大型のリチウムイオン二次電池の発電要素と端子との接続構造を示す組み立て斜視図である。
【0003】
このリチウムイオン二次電池は、長円筒形の発電要素1を4個密着して並べ並列接続したものである。上記4個の発電要素1は、長円筒形の平坦な側面同士が接するようにして密着して並べられ、これらの発電要素1の両端面部にそれぞれ集電接続体2の発電要素接続部2aが配置される。これらの集電接続体2は、矩形状の水平に配置された金属板であり、この1縁部から下方に向けて8本の細長い発電要素接続部2aが突設されている。
【0004】
上記集電接続体2は、4個の発電要素1の両端部の上方にそれぞれ配置され、発電要素接続部2aがこれらの発電要素1の端面部に配置されるようにする。また、発電要素接続部2aは、各発電要素1の端面に2本ずつ配置される。
【0005】
ここで、各発電要素1の端面には、正負極の金属箔1aが巻回された状態で長円筒形にはみ出している。そして、各発電要素1毎に配置された2本の発電要素接続部2aは、これら左右に分かれた金属箔の束の外側にそれぞれ配置される。
【0006】
このようにして集電接続体2の発電要素接続部2aが配置されると、図3に示すように、挟持板4によって、各発電要素接続部2aと共に、正極1aや負極1bの金属箔の束を挟み込む。挟持板4は、短冊状の金属板を長手方向に沿って二つ折りにしたものである。そして、これらの挟持板4の両側から超音波溶接を行なうことにより、それぞれの挟持板4の間に挟み込んだ集電接続体2の発電要素接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔の束とを溶着させる。
【0007】
発電要素1の両端部の上方に配置された正負の集電接続体2の矩形状の部分は、図3に示すように、絶縁封止材5を介して矩形の蓋板6の下面の両側に取り付けられる。蓋板6は、金属版からなり、上面の両側には、端子3が別の絶縁封止材7を介して配置される。
【0008】
これらの端子3は、下端部が蓋板6を貫通してそれぞれの集電接続体2の矩形状の端部付近にも設けた端子挿通用孔10に通し、かしめによって接続固定される。また、これらの端子3の上端部は、絶縁封止材7上に配置された外部端子9を係止する接続導体8にかしめによって接続固定される。絶縁封止材5、7は、蓋板6の上下に配置されて、集電接続体2や端子3、接続導体8、外部端子9と蓋板6との間を絶縁封止する樹脂成形板である。
【0009】
尚、外部端子9としてはボルト状のものが一般的であるが、必ずしもボルト状に限られるものではない。また、外部端子9や接続導体8を用いず、端子3の電池容器外部に位置する部分を外部機器との接続用端子として用いる場合もある。
【0010】
上記4個の発電要素1は、図示しない金属製の電池容器本体に収納され、蓋板6がこの電池容器本体の上端開口部に嵌め込まれ溶接によって固着される。そして、この電池容器本体の内部に非水電解液が充填されることによりリチウムイオン二次電池となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような端子部構成の電池においては、端子3から発電要素1(又は発電要素1から端子3)への電流は、集電接続体の端子3と発電要素接続部2aとの間の最短経路で流れるため、図4に示す集電接続体の端子挿通用孔10の両側の三角状縁部2cは集電機能を果さないばかりか、この部分が存在することにより電池重量が増加し電池の重量エネルギー密度が低下するという問題があった。
【0012】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、重量エネルギー密度が高く、かつ信頼性が高い発電要素と端子との接続構造を有する電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電池は、電池容器と発電要素と集電接続体と端子とを備え、集電接続体は略二等辺三角形状部と略二等辺三角形状の頂部に形成された端子挿通用孔と略二等辺三角形状部の底辺部に形成された発電要素接続部とを有するものであり、端子は、一端が電池容器内部において端子挿通用孔に通用固定されるとともに、他端が電池容器外部に導出されたものであることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、集電接続体の集電機能に不要な部分が切除されているので重量低減が図れ、集電機能を損なうことなく、重量エネルギー密度の高い電池が提供される。
【0016】
また、略二等辺三角形状部は、頂部を完全に尖らせるよりも、端子挿通孔の直径より長い稜を有する山形にするのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態は、従来例と同様に、電気自動車等に用いられる大型のリチウムイオン二次電池について説明する。このリチウムイオン二次電池は、図5に示すように、長円筒形の発電要素1を4個密着して並べ並列接続したものである。各発電要素1は、長円筒形の一方の端面からは正極1aの側端部のアルミニウム箔がはみ出すと共に、他方の端面からは負極1bの側端部の銅箔がはみ出すようになっている。
【0019】
上記4個の発電要素1は、長円筒形の平坦な側面同士が接するようにして密着して並べられ、これらの発電要素1の両端面部にそれぞれ集電接続体2の発電要素接続部2aが配置される。集電接続体2は、発電要素1の一方の端面側に配置するものはアルミニウム合金板からなり、他方の端面側に配置するものは銅合金板からなる。また、これらの集電接続体2は、高率放電時の大きな電流も十分に流せるようにある程度板厚の厚い金属板が用いられる。この例ではいずれも1.7mm厚である。
【0020】
これらの集電接続体2は、やや扁平状の略二等辺三角形状の水平に配置された金属板であり、この三角形状の底辺部から下方に向けて8本の細長い発電要素接続部2aが突設されている。これらの発電要素接続部2aは、集電接続体2の金属板をプレス加工によって細長い金属板状に抜き加工したものであり、下方に向けて屈曲させると共に、90°のひねりを加えている。また、これらの発電要素接続部2aには、図2に示すように、金属板の一方の表面側に突出する複数の凸部2bが形成されている。
【0021】
上記集電接続体2は、4個の発電要素1の両端部の上方にそれぞれ配置され、発電要素接続部2aがこれらの発電要素1の端面部に配置されるようにする。即ち、発電要素1の正極1aのアルミニウム箔がはみ出す側の端面部には、アルミニウム合金板からなる集電接続体2が配置され、負極1bの銅箔がはみ出す側の端面部には、銅合金板からなる集電接続体2が配置される。また、発電要素接続部2aは、各発電要素1の端面に2本ずつ配置される。
【0022】
ここで、各発電要素1の端面には、正極1aのアルミニウム箔か負極1bの銅箔が巻回された状態で長円筒形にはみ出しているので、これらの金属箔が直線状に束となった部分は、巻回軸を中心にして左右に分かれている。そして、各発電要素1ごとに配置された2本の発電要素接続部2aは、これら左右に分かれた金属箔の束の外側にそれぞれ配置される。また、これら2本の発電要素接続部2aは、図2に示すように、凸部2bの突出する側の面が内側、つまり金属箔の束側を向くように、互いに逆方向に90°のひねりが加えられている。
【0023】
このようにして集電接続体2の発電要素接続部2aが配置されると、挟持板4によって、各発電要素接続部2aと共に、正極1aや負極1bの金属箔の束を挟み込む。挟持板4は、短冊状の金属板を長手方向に沿って二つ折りにしたものであり、正極1a側の発電要素接続部2aの場合にはアルミニウム合金板が用いられ、負極1b側の発電要素接続部2aの場合には銅合金板が用いられる。
【0024】
そして、これらの挟持板4の両側から超音波溶接を行なうことにより、それぞれの挟持板4の間に挟み込んだ集電接続体2の発電要素接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔の束とを溶着させる。
【0025】
この際、挟持板4は、発電要素接続部2aと金属箔の束とを溶着して接続固定するためだけに用いられるので、最適な超音波溶接が可能となるようなある程度薄い金属板を用いることができる。また、発電要素接続部2aには、正極1aや負極1bの金属箔の束と重なり合う面に凸部2bが形成されているので、これらの金属箔の束が凸部2bで集中的に超音波のエネルギーを受けて確実に溶着するようになる。
【0026】
発電要素1の両端部の上方に配置された正負の集電接続体2のほぼ二等辺三角形状の部分は、図6に示すように、絶縁封止材5を介して矩形の蓋板6の下面の両側に取り付けられる。蓋板6は、ステンレス鋼版からなり、上面の両側には、正負の端子3が別の絶縁封止材7を介して配置される。これらの端子3は、下端部が蓋板6を貫通してそれぞれの集電接続体2のほぼ二等辺三角形状の頂点部付近に設けた端子挿通用孔10に通し、かしめによって接続固定される。
【0027】
また、これらの端子3の上端部は、絶縁封止材7上に配置された外部端子9を係止する接続導体8にかしめによって接続固定される。これらの端子3は、アルミニウム合金板からなる集電接続体2にはアルミニウム合金製のものが用いられ、銅合金板からなる集電接続体2には銅合金製のものが用いられる。
【0028】
しかし、接続導体8や外部端子9は、電解液に触れることがないので、これらアルミニウム合金や銅合金等よりも強度が高い鋼や鉄の合金等が用いられる。絶縁封止材5,7は、蓋板6の上下に配置されて、集電接続体2や端子3、接続導体8、外部端子9と蓋板6との間を絶縁封止する樹脂成形板である。
【0029】
上記4個の発電要素1は、図示しない金属製の電池容器本体に収納され、蓋板6がこの電池容器本体の上端開口部に嵌め込まれ溶接によって固着される。そして、この電池容器本体の内部に非水電解液が充填されることによりリチウムイオン二次電池となる。なお、この発明では、電池容器とは電池容器本体と蓋板との総称である。
【0030】
この電池によれば、集電接続体の集電機能に不要な部分が切除されているので重量低減が図れ、集電機能を損なうことなく、重量エネルギー密度の高い電池が提供される。
【0031】
また、略二等辺三角形状部は、頂部を完全に尖らせるよりも、端子挿通孔の直径より長い稜を有する山形にするのが好ましい。
【0032】
また、上記構成のリチウムイオン二次電池によれば、各発電要素1の正極1aや負極1bと端子3との間の充放電電流は、もっぱら厚い金属板で構成される集電接続体2の発電要素接続部2aを通して流れるので、十分に大きな充放電電流を流すことができるようになる。しかも、各発電要素1の正極1aや負極1bの金属箔の束は、ある程度薄い金属板からなる挟持板4を介して発電要素接続部2aに超音波溶接されるので、溶着が確実に行なわれ金属箔が剥がれ易くなるようなことがなくなる。
【0033】
また、この超音波溶接によるエネルギーを発電要素接続部2aの凸部2bに集中させることができるので、金属箔の束をさらに確実強固に発電要素接続部2aに溶着することができるようになる。
【0034】
さらに、各発電要素接続部2aは、発電要素1の端面からはみ出した正極1aや負極1bの金属箔の束の側部に配置され、これらの発電要素接続部2aと金属箔の束を順に挟持板4の間に挟み込んで行けばよいので、従来のように、これらの金属箔の束を集電接続体2の波板状の各凹部に挿入する作業に比べて、容易に組み立て作業を行なうことができるようになる。
【0035】
また、上記リチウムイオン二次電池によれば、アルミニウム合金製や銅合金製の端子3が鋼や鉄の合金等からなる接続導体8に接続固定され、外部回路との接続はこの接続導体8に係止された外部端子9を介して行なうので、強度の弱いアルミニウム合金製や銅合金製の端子3に直接ねじ止めして接続を行なう必要がなくなり、このねじ止めの締め付けによって端子3が破損したり、この端子3が振動や衝撃を受けて変形したりするようなおそれもなくなる。
【0036】
なお、上記実施形態では、超音波溶接によって挟持板4の間に発電要素接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔とを溶着する場合について説明したが、スポット溶接等の他の溶接により溶着を行なうこともできる。また、このような溶接に代えて、挟持板4の外側から強い力で圧迫することにより、発電要素接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔とを圧着することもできる。この場合、挟持板4は、溶接の場合とは異なり、ある程度板厚の厚い金属板を用いて、この間に発電要素接続部2aと金属箔とを確実に圧着保持できるようにする必要がある。
【0037】
さらに、上記実施形態では、発電要素接続部2aに凸部2bを形成する場合について説明したが、同様の凸部を挟持板4に形成することもできる。もっとも、このような凸部2bを全く形成しない場合にも、金属箔を確実に溶着又は圧着することはできる。
【0038】
また、上記実施形態では、発電要素接続部2aの片側にだけ正極1aや負極1bの金属箔を配置する場合について説明したが、両側に金属箔を配置して、これを挟持板4の間に挟み込むようにすることもできる。さらに、上記実施形態では、各発電要素1の片方の端面に2本の発電要素接続部2aを配置したが、この発電要素接続部2aの配置本数も限定されない。例えば、各発電要素1の片方の端面に1本ずつの発電要素接続部2aを配置してもよいし、この1本の発電要素接続部2aに隣接する2個の発電要素1の端面からはみ出した金属箔を共通して溶着又は圧着することもできる。
【0039】
さらに、上記実施形態では、外部端子9や接続導体8を用いているが、外部端子9や接続導体8を用いず、端子3の電池容器外部に位置する部分を外部機器との接続用端子として用いてもよい。
【0040】
上記実施形態では、リチウムイオン二次電池について説明したが、電池の種類は問わない。ちなみに、本発明にかかるリチウムイオン電池の基本構成としては下記のようにすることができる。
【0041】
まず、正極活物質には二硫化チタンをはじめとしてリチウムコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン酸化物、五酸化バナジウムおよび三酸化モリブデンなどの種々のものが利用可能であるが、なかでも、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)およびスピネル型リチウムマンガン酸化物(LiMn)は、4V(Li/Li)以上のきわめて貴な電位で充放電を行うため、正極として用いることで高い放電電圧を有する電池が実現できる。
【0042】
尚、正極は、集電体として10〜30μm厚のアルミニウム箔が公的であり、前記集体の両面に活物質層が塗着されるのが一般的であり、活物質層は、厚みが50〜150μm(片面当り)、密度が1.8〜3.0g/cc、多孔度が25〜45%のものが寿命性能及び充放電特性上好ましい。
【0043】
負極としては、金属リチウムをはじめとしてリチウムの吸蔵・放出が可能なLi−Al合金や炭素材料など種々のものが適用可能であるが、なかでも炭素材料は、安全性が高くかつサイクル寿命の長い電池が得られるという利点がある。
【0044】
この場合、集電体としては10〜20μ厚の銅箔が好適であり、活物質層は、厚みが45〜125μm(片面当り)、密度が1.15〜2.5g/cc、多孔度が25〜45%のものが寿命性能及び充放電特性上好ましい。
【0045】
また、電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、7−ブチロラクトン、スルホランなどの高誘電率溶媒に1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒を混合したものに、溶質としての過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化燐酸リチウムなどが添加されたものである。これら液系のものではなく、全固体式の電解質やゲル状電解質あるいはこれらと液系電解質との併用といったものもある。
【0046】
電極は、例えば活物質と結着剤と溶剤とを混合して調製したスラリーを金属箔上に塗布して製造できる。結着剤として、ポリフッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂が耐酸化還元性、耐電解液性の点で優れているが、なかでも有機溶剤に可溶なポリフッ化ビニリデンは容易にスラリーを調製できるため現在最も広く用いられている。その量としては、正極の場合は2〜6重量%、負極の場合には6〜10重量%とするのが好ましい。
【0047】
セパレータとしては、厚さ20〜60μmの多孔性の樹脂フィルムが好適であるが、ポリマー電解質膜を用いることもできる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池は、集電接続体の集電機能に不要な部分が切除されているので重量低減が図れ、集電機能を損なうことなく、重量エネルギー密度の高い電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムイオン二次電池の発電要素と端子との接続構造の従来例を示す組み立て斜視図である。
【図2】挟持板の間に挟み込んだ集電接続体の発電要素接続部と発電要素の正極や負極の金属箔とを示す横断面図である。
【図3】従来例を示す図である。
【図4】集電接続体の従来例を示す図である。
【図5】本発明の実施態様を示す組み立て斜視図である。
【図6】本発明の実施態様を示す組み立て斜視図である。
【符号の説明】
1 発電要素
1d アルミニウム箔
1e 銅箔
1f 絶縁材
2 集電接続体
2a 発電要素接続部
3 端子

Claims (1)

  1. 電池容器と発電要素と集電接続体と端子とを備え、集電接続体は略二等辺三角形状部と略二等辺三角形状部に形成された端子挿通用孔と略二等辺三角形状部の底辺部に形成された発電要素接続部とを有するものであり、端子は、一端が電池容器内部において端子挿通用孔に通用固定されるとともに、他端が電池容器外部に導出されたものであることを特徴とする電池。
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