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JP4287636B2 - 化粧料用顔料分散液 - Google Patents

化粧料用顔料分散液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にペン型容器に充填して用いる黒色化粧料として好適な顔料分散液及びこれを用いたアイライナー等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より化粧品用途に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、黒酸化鉄およびチタンブラック等が一般的に知られている。これら黒色顔料は、例えば水系媒体に分散されて、円筒型の収納部分に充填された化粧料を筆型のペン先で塗布するペン型タイプのアイライナー用途などに用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの黒色顔料のうちカーボンブラック、チタンブラックは化粧品用の色材として認可のおりている国もあれば、認可のおりていない国もあり、世界的に使用することは困難である。
【0004】
一方、黒酸化鉄は、磁性を有するため凝集しやすく、分散が困難である。また、酸化されて赤褐色に変色したりするといった不具合も生じていた。特に、化粧品用途では皮膚への安全性等の面から分散媒が限定されており、水系タイプの化粧品の場合には、黒酸化鉄の安定な分散は一層困難であった。このように顔料成分の微分散が困難であり粗大粒子が多く存在してしまうために、アイライナー等のペン型タイプの化粧品に使用した場合には、ペン先へインクが充分に供給されず、かすれが生じやすいという問題があった。また上記した変色の問題の解決、分散安定性向上のために、黒酸化鉄、べんがら、コンジョウ、黄酸化鉄等、各種の顔料をブレンドして黒色の化粧料を調製することも行われているが、分散が粗末なために、分散が粗末でも筆記できるような構造の部材での使用に制限されてしまうことになる。このような部材は一般にインキ流量が安定せず、ペン先からボタ落ちするなど、化粧用具としての品質が安定しない等の問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記課題を解決すべく、化粧品用途として汎用可能な黒酸化鉄を黒色顔料として用い、分散性に優れペン型タイプの化粧料としても好適に用いることのできる化粧料用顔料分散液を提供すべく鋭意検討を重ねた。その結果、顔料組成として特定の三成分を併用することにより色相にも優れ、かつ分散安定性に優れた黒色分散液を得ることに成功した。すなわち本発明は、
【0006】
(1)黒酸化鉄、べんがら及び紺青を含有する化粧料用顔料分散液、
(2)アニオン系分散剤とノニオン系分散剤とを含有することを特徴とする上記(1)記載の化粧料用顔料分散液、
(3)粘度が20mPa・s以下である上記(1)又は(2)記載の化粧料用顔料分散液、
(4)アニオン系分散剤がポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体及びスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びこれらの塩のうち1種以上を含むものであり、ノニオン系分散剤がHLB15〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むものである上記(2)記載の化粧料用顔料分散液、
【0007】
(5)水系アイライナー用途である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧料用顔料分散液、
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧料用顔料分散液を、ペン型容器に充填してなるアイライナー、
に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、顔料として黒酸化鉄、べんがら、紺青の3成分を必須とする。黒酸化鉄のみだと、分散が困難で十分な分散安定化は不可能である。べんがらと紺青のみでは色相的に望ましいものを得るのは困難である。また、黒酸化鉄とべんがらのみでは色相が望ましいものを得るのが困難である。よって上記3成分は安定な混色黒の分散液をつくる上で必須であることを本発明者らは見出したのである。
【0009】
これら三成分の配合比としては重量比で、黒酸化鉄:べんがら=3:0.5〜3:5、特に好ましくは3:1〜3:3、黒酸化鉄:紺青=3:0.3〜3:5、特に好ましくは3:0.5〜3:3、黒酸化鉄:べんがら:紺青=3:1:0.5〜3:2:5が好ましく、中でも3:2:1〜3:2:3が最も色相的に黒に近づく上に分散安定性も優れている。べんがらの配合量が上記の範囲より少ないと、分散安定性が低下する。一方、上記の範囲より多いと色相の面で黒から外れてしまう。また、紺青の配合量が上記の範囲より少ないと色相の面で黒から外れてしまう。一方、上記の範囲より多いと色相も変わってしまい良好な黒色を得るのが困難となる。また分散性が低下しゲル化、分離を生じやすい。なお、これら三成分の顔料を用いて黒色以外の、例えば褐色等の化粧料として使用することも勿論差し支えない。
【0010】
本発明で用いる顔料の粒径は特に限定されないが、黒酸化鉄の1次粒子径としては通常0.15〜0.5μm、好ましくは0.15〜0.3μm、べんがらの1次粒子径としては通常、0.02〜0.7μm、好ましくは0.09〜0.4μm、紺青の1次粒子径としては通常、0.05〜0.2μm、好ましくは0.08〜0.15μmである。
これら顔料の形状も特に制限されず、針状、球状等、いずれの形状のものも用いることができる。
【0011】
分散液中の顔料の濃度は、1〜40重量%が良く、さらに好ましくは、10〜30重量%が良い。
本発明の化粧料用顔料分散液は、水系の化粧品用途に好適である。ここで水系とは、分散媒が水を40重量%以上含むものをいう。水以外の分散媒は限定されないが、通常、水溶性のアルコールおよび多価アルコール類を含むことができる。本発明の顔料分散液には、分散剤を含有させることにより分散安定性を向上させるのが望ましい。ここで、分散剤としてアニオン系分散剤とノニオン系分散剤とを併用するのが極めて好ましい。
【0012】
上記の顔料組成で、アニオン系分散剤のみだと、系の安定性が低く増粘およびゲル化また、チキソトロピー性がありインク筆記が不良といった不具合を生じやすい。ノニオン系分散剤のみだと、分散不足になり顔料の色分離を起こし、ペンの上向き、下向きの濃度差が大きくなるといった不具合を生じることがある。アニオン系分散剤およびノニオン系分散剤を併用することにより、ペンの上向き、下向きとの濃度差、色相の変化のない優れた化粧料を得ることができる。
【0013】
アニオン系分散剤としては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体及びスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体並びにこれらの塩から選ばれる一種又は二種以上、すなわち、アニオン系分散剤としては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体及びスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のうち一種以上、もしくはこれらの塩のうち一種以上、のいずれかを少なくとも含んでいればよい。
これらの塩の種類としては限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ塩、アンモニウム塩や、モノ、ジ−、トリエタノールアミン、トリイソプロパノ−ルアミン等のアルカノ−ルアミン塩が挙げられる。
上記したアニオン系分散剤の例のうち特に、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体及びスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体並びにこれらの塩、のうち少なくとも1種以上を用いるのが、分散安定性が特に優れており好ましい。
顔料分散液の分散性及び色調とその安定性等の物性の観点からは、アニオン系分散剤の分子量としては1000〜20000が好ましくさらには2000〜13000が特に好ましい。
特に、アニオン系分散剤としてポリアスパラギン酸及び/又はその塩を用いると、他のアニオン系分散剤を用いた場合と比較して、分散系の粘度が著しく低下するため、高顔料濃度でも良好な分散が可能となり、従ってインクの筆記濃度が上がるという利点がある。
【0014】
ノニオン系分散剤としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル等のポリオキシエチレン系ノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらのうち特に、HLB15〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテルを少なくとも用いれば、分散安定性が優れており好ましい。
もちろん、アニオン系分散剤の2種類以上の併用、ノニオン系分散剤の2種類以上の併用をしても良い。
【0015】
これら分散剤の配合量としては、顔料全体として100重量部に対しアニオン系分散剤は1〜60重量部、特に5〜35重量部を配合するのが望ましい。ノニオン系分散剤は顔料全体として100重量部に対し1〜60重量部、特に5〜35重量部を配合するのが望ましい。これらの範囲で特に、顔料の分散性および分散安定性を高めることができる。
アニオン系分散剤とノニオン系分散剤の配合比率としては、重量比で100:50〜100:200、特に100:70〜100:180が望ましい。
【0016】
本発明の分散液は、さらに保湿剤、防腐剤、pH調整剤等の添加物を含有してもよい。保湿剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1.3ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビット、ソルビット液、マルチトール、マルチトール液、キシリットが挙げられる。
【0017】
防腐剤としては、クロロブタノ―ル、クロルクレゾール、パラクロルメタキシレノール、クレゾール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンゼトニウム液、塩化セチルピリジニウム、チアントール、フェノール、パラフェノールスルホン酸ナトリウム(二水和物)、パラフェノールスルホン酸亜鉛、レゾルシン、感光素101号、感光素201号、感光素301号、感光素401号、ヒノキオール、l−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル類、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル等が挙げられる。
【0018】
pH調整剤としてはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン。ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1.3−プロパンジオール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、強アンモニア水が挙げられる。本発明の化粧料用顔料分散液には、本発明の効果を損なわない程度に、上記成分の他に、水系化粧料用アイテムに一般に使用されている成分、例えば、キレート剤、消泡剤を適宜配合できる。
【0019】
顔料成分としては、上述した必須の3成分以外に、例えばマット感を得る等の目的で、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、タルク、セリサイト、マイカ等の体質顔料を入れても差し支えない。望ましい黒の色相を得るという面からは、顔料全体に対して20重量%以下、好ましくは10重量%以下に抑えるのが望ましい。
【0020】
また、本発明の顔料分散液にはポリマーエマルジョンを含有させることができる。ポリマーエマルジョンとしては代表的にはアクリル樹脂系、スチレン/アクリル酸樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、スチレン/ブタジエン樹脂系、ポリウレタン系、オレフィン樹脂系、アルキッド樹脂系等の各種水溶性ポリマーエマルジョンが挙げられる。増粘剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カゼイン、グァーガム、ローカストビーンガム、ベントナイト系増粘剤、が挙げられる。
【0021】
これら各成分を配合して本発明の顔料分散液を得ることができる。配合方法は特に限定されず、各成分の配合順序も限定されない。公知の諸法を適宜用いればよい。複数の顔料成分を予めブレンドしてから分散媒、分散剤等と配合してもよいし、各顔料成分を予め分散液としておき、それらを互いに混合してもよい。分散装置も限定されず、ボールミル、サンドミル、ロールミルなどのメディアミル、ホモミキサー、アトライターなど公知の分散機を適宜利用して混合すれば良い。以上説明した本発明の顔料分散液は、色相に優れた黒色を呈することができ、色分かれもなく、また顔料の粗大粒子が抑えられ一次粒径に近い分散径で経時安定性も良く優れた分散性を有するものである。このため、特にペン型化粧料に好適に用いることができる。
【0022】
また本発明の顔料分散液の粘度も特に限定されないが、上記のように分散が良いため低粘度の分散液にすることができ、例えば粘度20mPa・s以下、さらには10mPa・s以下におさえることができる。粘度が20mPa・sを超えるとペン型容器に充填した際にインクがペンから出にくく、書き味が悪くなってしまう。このため、本発明の顔料分散液はペン型容器に充填してアイライナー等の化粧料として用いた場合には、ペンから出やすく、書き味が良いという利点を有する。また、取扱や他の化粧品成分との混合も容易である。より高粘度とする場合は適宜増粘剤等の成分の添加により調整すればよい。
【0023】
また、本発明の化粧料用顔料分散液は、有機溶剤を含まない顔料分散液とすることができるため、生体への有害性、引火性、溶剤臭などに気を使わなくても良い水系アイライナー等の製品を提供できるという利点もある。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例により更に具体的に説明する。なお、特に記載のない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
【0025】
(粘度測定方法)
各実施例、比較例中、粘度は、以下の方法で測定した。
試料を均一に攪拌後、1.2ccをシリンジでとり、その後、25℃において、E型粘度計(ELD形)用い、50rpmで1分間後の粘度を測定する。測定ローターは試料粘度に応じて、適宜選択する。
【0026】
(実施例1)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0027】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 7.5部
べんがら 5.0部
コンジョウ 4.0部
スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体 6.3部
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.、HLB17.0)4.0部
1,3−ブチレングリコール 3.5部
フェノキシエタノール 0.5部
パラオキシ安息香酸メチル 0.2部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.1部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
強アンモニア水 1.6部
精製水 67.1部
【0028】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、6.7mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は青味黒の良好なものであった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置した後も、ペンの上向き、下向きで、ともにインクの吐き出し良好であり、濃度差および色相差は見られなかった。
【0029】
(実施例2)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0030】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 10.0部
べんがら 6.8部
コンジョウ 7.2部
ポリアスパラギン酸ナトリウム 1.5部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(21E.O.、HLB19.0)2.4部
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 9.0部
1,3−ブチレングリコール 4.0部
フェノキシエタノール 0.8部
パラオキシ安息香酸メチル 0.3部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
精製水 57.6部
【0031】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、9.0mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は赤味黒の良好なものであった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置した後も、ペンの上向き、下向きで、ともにインクの吐き出し良好であり、濃度差および色相差は見られなかった。
【0032】
(実施例3)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、焦げ茶化粧料用顔料分散液を得た。
【0033】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 8.8部
べんがら 12.0部
コンジョウ 2.4部
ポリアスパラギン酸ナトリウム 1.2部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(21E.O.、HLB19.0)2.0部
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 9.0部
1,3−ブチレングリコール 4.0部
フェノキシエタノール 0.8部
パラオキシ安息香酸メチル 0.3部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
精製水 59.1部
【0034】
上記のこげ茶化粧料用顔料分散液の粘度は、7.7mPa・sであった。
上記のこげ茶化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相はこげ茶の良好なものであった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置した後も、ペンの上向き、下向きで、ともにインクの吐き出し良好であり、濃度差および色相差は見られなかった。
【0035】
(比較例1)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0036】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 20.0部
べんがら 5.0部
スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体 5.0部
1,3−ブチレングリコール 3.5部
フェノキシエタノール 0.5部
パラオキシ安息香酸メチル 0.2部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
強アンモニア水 1.3部
精製水 64.1部
【0037】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、6.0mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は、こげ茶であった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置した後も、ペンの上向き、下向きで、ともにインクの吐き出し良好であり、濃度差および色相差は見られなかった。
【0038】
(比較例2)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0039】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 24.0部
紺青 1.0部
スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体 6.3部
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.、HLB17.0)4.0部
1,3−ブチレングリコール 3.5部
フェノキシエタノール 0.5部
パラオキシ安息香酸メチル 0.2部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
強アンモニア水 1.6部
精製水 58.5部
【0040】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、7.0mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は、青味黒であった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置したところ、ペンの上向き、下向きで、ともにインクの吐き出し不良で、大きな濃度差、色相差が見られた。
【0041】
(比較例3)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0042】
〔配合処方〕
黒酸化鉄 25.0部
スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体 6.3部
1,3−ブチレングリコール 3.5部
フェノキシエタノール 0.5部
パラオキシ安息香酸メチル 0.2部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
強アンモニア水 1.6部
精製水 62.5部
【0043】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、7.0mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は、赤味黒であった。また、ペン先へのインク供給が不良で、筆記物は、かすれてしまった。
【0044】
(比較例4)
以下の各成分を配合し、メディアミルで混合して、黒色化粧料用顔料分散液を得た。
【0045】
〔配合処方〕
ベンガラ 14.0部
紺青 7.0部
スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体 2.5部
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.、HLB17.0)2.0部
1,3−ブチレングリコール 3.5部
フェノキシエタノール 0.5部
パラオキシ安息香酸メチル 0.2部
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1部
エデト酸ニナトリウム 0.1部
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.2部
強アンモニア水 0.6部
精製水 69.3部
【0046】
上記の黒色化粧料用顔料分散液の粘度は、4.0mPa・sであった。
上記の黒色化粧料用顔料分散液を筆ペン型容器に詰め、筆記を行った。筆記物を目視判定したところ、色相は、青味黒であった。
また、この筆ペン型容器中で、室温、50℃で1ヶ月放置したところ、ペンの上向き、下向きで大きな濃度差および色相差が見られた。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、黒の良好な色相を呈し、且つ分散安定性に優れペン型容器に充填してペン型化粧料として優れた顔料分散液を得ることができる。

Claims (4)

  1. 黒酸化鉄、べんがら及び紺青を含有し、かつアニオン系分散剤とノニオン系分散剤とを含有する化粧料用顔料分散液であって、アニオン系分散剤がポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体及びスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びこれらの塩のうち1種以上を含むものであり、ノニオン系分散剤がHLB15〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むものである化粧料用顔料分散液。
  2. 粘度が20mPa・s以下である請求項1記載の化粧料用顔料分散液。
  3. 水系アイライナー用途である請求項1又は2に記載の化粧料用顔料分散液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料用顔料分散液を、ペン型容器に充填してなるアイライナー。
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