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JP4286383B2 - 止水シート用逆止弁 - Google Patents

止水シート用逆止弁 Download PDF

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JP4286383B2
JP4286383B2 JP14587699A JP14587699A JP4286383B2 JP 4286383 B2 JP4286383 B2 JP 4286383B2 JP 14587699 A JP14587699 A JP 14587699A JP 14587699 A JP14587699 A JP 14587699A JP 4286383 B2 JP4286383 B2 JP 4286383B2
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雅之 大内
亘 柿野
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株式会社サンブレス
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は護岸や堤防の止水工事に利用される止水シートに取り付けられる逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
海岸や湖沼の周囲の護岸、河川の堤防などには水が地山にしみ込み地山が軟弱化するのを防ぐために地山の表面に止水シートが施工される。一方、降雨などで地山側の地下水位が上昇したときには、やはり地山の軟弱化を防ぐために地山側の水が表面側に排水されることが求められる。このため、止水シートには、表面側から背面の地山方向へは水を通さず、反対に背面の地山側から表面側へは水を通す逆止弁が取り付けられる。
【0003】
この種の従来の逆止弁は、例えば実開平3−44278号、実開平3−44279号、特開平3−172407号公報などに開示されている。従来のこの種の逆止弁は、止水シートの背面側に設けられる背面板材と表面側に設けられる表面板材とで止水シートを挟んで結合するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種の逆止弁は次のような問題点を有していた。
▲1▼ 逆止弁の内部に土砂が侵入し目詰まりを起こしやすい。
従来の逆止弁は、正面板部の中心付近、又は、正面板部の上部に水を通す通水路を有していたので、これら通水路から土砂が逆止弁内部に侵入し、目詰まりを起こして排水機能を低下させていた。
▲2▼ 弁膜体の取り付けが面倒であった。
逆止弁には弁膜体が取り付けられるが、従来はボルトなどの固定手段を用いて弁膜体を取り付けなければならなかったので、組み立てが面倒であった。ボルトなどで弁膜体の一部を固定しない場合には、弁膜体の作用が不完全で、表面側から背面側に水を通してしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、目詰まりを起こさず、弁膜体の取り付けが簡単で、かつ、弁膜体の機能が安定していて表面側から背面側に水を通してしまうことがない逆止弁を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、止水シートの背面側に設けられる背面板材と、表面側に設けられる表面板材と、内部に設けられる弁膜体とを有し、背面板材と表面板材とを止水シートを挟んで結合することで止水シートに取り付ける逆止弁において、背面板材2は中央部分の通水孔3有する通水部4と、その周囲を取り囲んで表側に突出するように形成されその内側に可撓性の弁膜体19が装着される環状凸部5と、その周囲の鍔部7とを有し、表面板材10は、正面形状において背面板材2とほぼ同じ外形及び大きさを有し、外周の鍔部11と、その内側にあって背面側に突出し前記背面板材2との結合状態において環状凸部5の外側に係合する環状突条12と、表面板材10の中央部分と下部において前記鍔部11よりも表面側に膨出する膨出部15と、環状突条12の内側の空間から鍔部11下部の表面側と膨出部15下部との間の空間を経て表面側外部に連通する通水路13と、環状突条12の内側にあって前記弁膜体19に背面から水圧がかかったときに弁膜体19の一部が表面側に変位するのを制限するように表面側に突出する突出部14とを有し、止水シート20を挟んだときに背面板材2と表面板材10の鍔部7、11で止水シート20を挟持して止水シート20に固定され、表面側から水圧がかかったときには前記弁膜体19が水圧により通水部4に圧接して水が背面側に流れるのを防止し、背面側から水圧がかかったときには弁膜体19の一部が通水部4から離れるように変形して水が前記通水部4から通水路13を経て表側に流れることを特徴とする止水シート用逆止弁である。
【0007】
本発明の逆止弁は、表面側の通水路13が逆止弁の下部に設けられ、下向きの開口となっているから、ここから逆止弁内部に土砂が侵入することがなく、逆止弁が目詰まりを起こして排水機能を低下させることがない。
【0008】
また、本発明の逆止弁においては、環状突条12の内側にあって、弁膜体19に背面から水圧がかかったときに弁膜体19の一部が表面側に変位するのを制限するように表面側に突出する突出部14を設けたので、弁膜体を取り付けるときにボルトで固定する必要がないから弁の組み立てが簡単であり、しかも、これにより確実に弁膜体の一部が変位するのを制限するから、弁膜体19の機能が不完全となることがなく、表面側から水圧がかかったときに確実に水の通過が遮断される。
【0009】
本発明の逆止弁には、背面板材2の環状凸部5の下部に、通水部4から内部に進入した水を表面板材10の通水路1に導く導水溝6を設けることができる。導水溝6を設けると、通水部4から進入した水を効率よく通水路13に導くことができる。
【0010】
上記のように導水溝6を設けた場合、背面板材2の環状凸部5の外周に突起8を設けると共に、前記表面板材10の環状突条12に切欠部17を設け、背面板材2と表面板材10とを結合したときにこの突起8と切欠部17とが係合して位置決めされるように構成することが望ましい。これにより、背面板材2と表面板材10を結合するときに、導水溝6及び通水路13が所定の位置関係(双方とも逆止弁の下部に位置しなければならない)となることが保証される。
【0011】
本発明逆止弁には、表面板材10の環状突条12の内側部分に微小な空気孔18を設けることができる。空気孔18を設けると、水位が上昇したときに、逆止弁内部の空気が空気孔18から外に逃げることができるから、浮力により逆止弁が止水シートから離脱するのを防止することができる。空気孔18は、弁内部に土砂が侵入しない程度の微小なものとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を表した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は表面板材10の表面側から見た正面図、図2は図1におけるAA線断面図、図3は表面板材10の背面図、図4は表面板材10の下面図、図5は表面板材10の側面図、図6は図5におけるBB線断面図、図7は背面板材2の背面側から見た背面図、図8は背面板材の正面図、図9は図8におけるCC線断面図、図10は逆止弁1の取り付け状態の断面図である。
【0013】
実施例の逆止弁1は、図10に示されるように、表面板材2、背面板材10及び可撓性の弁膜体19からなる。
【0014】
背面板材2は、プラスチックで一体成形されたもので、図7〜9に示すように、中央部分が多数の通水孔3を有する通水部4となっている。その周囲を取り囲んで表側に突出するように環状凸部5が形成されている。その内側には、図10に示すように、可撓性の弁膜体19(軟質プラスチック製)が装着される。環状凸部5の下部には、通水部4から内部に進入した水を表面板材10の通水路1に導く導水溝6が形成されている。また、環状突条5には、3個のボルト穴9が形成されている。ボルト穴9は内部に螺条が形成されており、表面板材10と結合したときに双方の板材2、10を固定するボルト21を螺着するためのものである。環状凸部5の周囲は鍔部7となっている。環状凸部5の外周部には1個の突起8が形成されている。
【0015】
表面板材10は、プラスチックで一体成形されたもので、正面形状において背面板材2とほぼ同じ外形及び大きさを有する。図1〜6に示すように、外周は鍔部11となっており、その内側には背面側に突出する環状突条12が形成されている。図10に示すように、環状突条12は背面板材2との結合状態において環状凸部5の外側に係合する。また、環状突条12には1個の切欠部17が形成されており、背面板材2との結合状態において、環状凸部5の突起8が切欠部17に係合するので、背面板材2と表面板材10との結合が常に正しい位置関係で行われる。表面板材10の中央部分と下部は鍔部11よりも表面側に膨出する膨出部15となっており、その分内部の空間が表面側に広く形成されている。膨出部15の下部と鍔部11の下部で挟まれた空間が通水路13となっており、通水路13は環状突条12の内側の空間から鍔部11下部の表面側(と膨出部15下部との間の空間)を経て外部に連通する。環状突条12の内側の部分から表面側に突出して突出部14が形成されている。環状突条12は、弁膜体19に背面から水圧がかかったときに弁膜体19の一部が表面側に変位するのを制限するものである。また、環状突条12の内側には3カ所のボルト孔16が貫通している。
【0016】
背面板材2と表面板材10とは、図10に示すように、止水シート20の両側から結合される。止水シート20には、環状突条12が入る穴が開けられており、この穴に背面側から背面板材2の環状凸部5を入れ、表面側から表面板材10の環状突条12を入れ、環状凸部の外側に環状突条12を係合する。その後、ボルト21をボルト孔16から差し込み、ボルト穴9に螺着して双方の板材2、10を固定する。双方の板材2、10で止水シート20を挟んだときに双方の板材のの鍔部7、11が止水シート20を挟持するので、逆止弁1は止水シート20に固定される。
【0017】
弁膜体19は、図10に示すように、環状凸部5の内側に装着され、突出部14によって一部が表面側に変位するのを制限されている。表面側から水圧が作用すると、水は通水路から逆止弁1の内側に入り込み、表面側から背面側に向かって弁膜体19を押圧するので、弁膜体19は通水部4に押しつけられる。したがって、通水部4の通水孔3は弁膜体19によって塞がれ、水が背面側に漏れることがない。背面側から水圧が作用すると、弁膜体19は、図10に破線で示すように、その周囲部分が表面側方向に変形し、通水孔3から水が逆止弁1内に進入する。進入した水は、導水溝6から通水路13を経て表面側の外部に流れ出る。
【0018】
弁膜体19の一部は、突出部14により常に背面側に位置しているので、常に逆止弁1の内部の所定の位置に留まり、弁としての機能を確実に果たすことができる。
【0019】
この実施例は本発明の1例であって、特許請求の範囲に記載されていない各部の形状などは変更することができる。例えば、板材2、10の正面形状は必ずしも円形状でなくても良く四辺形や多角形などとすることができるし、通水孔の形状や数は実施例に限るものではなく、突出部14は複数個設けるなどしても良い。また、鍔部7、11は必ずしも板材の全周に設けられている必要はない。
【0020】
【発明の効果】
本発明の逆止弁は、簡単な構造で、組み立てや止水シートへの取り付けも容易である。内部に土砂が侵入しないので目詰まりを起こすことがなく、確実に背面側の水を排水できる。また、弁膜体が安定して機能するので、表面側の水が背面側に漏れることがない。さらに、表面板材に空気孔を設けることで、浮力の発生を防止し、浮力による止水シートからの脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面板材10の表面側から見た正面図である。
【図2】図1におけるAA線断面図である。
【図3】表面板材10の背面図である。
【図4】表面板材10の下面図である。
【図5】表面板材10の側面図である。
【図6】図5におけるBB線断面図である。
【図7】背面板材2の背面側から見た背面図である。
【図8】背面板材の正面図である。
【図9】図8におけるCC線断面図である。
【図10】逆止弁1の止水シート20への取り付け状態の断面図である。
【符号の説明】
1 逆止弁
2 背面板材
3 通水孔
4 通水部
5 環状凸部
6 導水溝
7 鍔部
8 突起
9 ボルト穴
10 表面板材
11 鍔部
12 環状突条
13 通水路
14 突出部
15 膨出部
16 ボルト孔
17 切欠部
18 空気孔
19 弁膜体
20 止水シート

Claims (4)

  1. 止水シート20の背面側に設けられる背面板材と、表面側に設けられる表面板材10と、内部に設けられる弁膜体19とを有し、背面板材と表面板材10とを止水シート20を挟んで結合することで止水シート20に取り付ける逆止弁において、
    背面板材は中央部分の通水孔)を有する通水部と、その周囲を取り囲んで表側に突出するように形成されその内側に可撓性の弁膜体19が装着される環状凸部と、その周囲の鍔部とを有し、
    表面板材10は、正面形状において背面板材とほぼ同じ外形及び大きさを有し、外周の鍔部11と、その内側にあって背面側に突出し前記背面板材との結合状態において環状凸部の外側に係合する環状突条12と、表面板材(10)の中央部分と下部において前記鍔部(11)よりも表面側に膨出する膨出部(15)と、環状突条12の内側の空間から鍔部11下部の表面側と膨出部(15)下部との間の空間を経て表面側外部に連通する通水路13と、環状突条12の内側にあって前記弁膜体19に背面から水圧がかかったときに弁膜体19の一部が表面側に変位するのを制限するように表面側に突出する突出部14とを有し、
    止水シート20を挟んだときに背面板材と表面板材10の鍔部11で止水シート20を挟持して止水シート20に固定され、
    表面側から水圧がかかったときには前記弁膜体19が水圧により通水部に圧接して水が背面側に流れるのを防止し、背面側から水圧がかかったときには弁膜体19の一部が通水部から離れるように変形して水が前記通水部から通水路13を経て表側に流れることを特徴とする止水シート用逆止弁
  2. 請求項1の逆止弁において、前記背面板材の環状凸部の下部に、通水部から内部に進入した水を前記表面板材10の通水路3)に導く導水溝を設けたことを特徴とする逆止弁
  3. 請求項2の逆止弁において、前記背面板材の環状凸部の外周に突起を設けると共に、前記表面板材10の環状突条12に切欠部17を設け、背面板材と表面板材10とを結合したときにこの突起と切欠部17とが係合して位置決めされることを特徴とする止水シート用逆止弁
  4. 止水シート(20)の背面側に設けられる背面板材(2)と、表面側に設けられる表面板材(10)と、内部に設けられる弁膜体(19)とを有し、背面板材(2)と表面板材(10)とを止水シート(20)を挟んで結合することで止水シート(20)に取り付ける逆止弁において、
    背面板材(2)は中央部分の通水孔(3)を有する通水部(4)と、その周囲を取り囲んで表側に突出するように形成されその内側に可撓性の弁膜体(19)が装着される環状凸部(5)と、その周囲の鍔部(7)とを有し、
    表面板材(10)は、正面形状において背面板材(2)とほぼ同じ外形及び大きさを有し、外周の鍔部(11)と、その内側にあって背面側に突出し前記背面板材(2)との結合状態において環状凸部(5)の外側に係合する環状突条(12)と、環状突条(12)の内側の空間から鍔部(11)下部の表面側を経て表面側外部に連通する通水路(13)と、環状突条(12)の内側にあって前記弁膜体(19)に背面から水圧がかかったときに弁膜体(19)の一部が表面側に変位するのを制限するように表面側に突出する突出部(14)と、環状突条12の内側部分に設けられた微小な空気孔18とを有し、
    止水シート(20)を挟んだときに背面板材(2)と表面板材(10)の鍔部(7)、(11)で止水シート(20)を挟持して止水シート(20)に固定され、
    表面側から水圧がかかったときには前記弁膜体(19)が水圧により通水部(4)に圧接して水が背面側に流れるのを防止し、背面側から水圧がかかったときには弁膜体(19)の一部が通水部(4)から離れるように変形して水が前記通水部(4)から通水路(13)を経て表側に流れることを特徴とする止水シート用逆止弁
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