JP4285671B2 - Photoelectric conversion device, photoelectrochemical cell, and metal complex dye - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は長波長域にも高い光吸収能を有する金属錯体色素、かかる金属錯体色素により増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子、ならびにそれからなる光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光発電に使用する太陽電池として単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、またはテルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の化合物からなる太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象となっているが、家庭用電源等に広く普及させる上では、製造コストが高いこと、原材料の確保が困難であること、エネルギーペイバックタイムが長いこと等の問題点があり、これらを克服する必要がある。一方、大面積化や低価格化を目的として、有機材料を用いた太陽電池も多く提案されてきたが、一般に変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があった。
【0003】
このような状況下で、Nature(第353巻,第737〜740頁,1991年)、および米国特許4927721号、WO 94/04497号等に、ルテニウム錯体色素により分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式光電変換素子および太陽電池、ならびにこれを作製するための材料および製造技術が提案された。この湿式光電変換素子の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の利点は用いる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できることである。
【0004】
しかしながら公知のルテニウム錯体色素は可視光を吸収するものの、700nmより長波長の赤外光はほとんど吸収しないため、赤外域での光電変換能が低いという問題がある。したがってさらに変換効率を上げるためには、可視光〜赤外域にわたる広い波長領域で吸収能を有し、高い光電変換能を示す色素の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可視光域のみならず赤外域にも高い光吸収能を有し、かつ半導体微粒子を効率良く増感し得る長波長域対応の金属錯体色素、およびかかる金属錯体色素を用いることにより高い光電変換効率を有する光電変換素子ならびにそれからなる光電気化学電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、金属原子に対して窒素原子で2座配位できる特定の配位子と、必要に応じて、5または6員環を完成するのに必要な非金属原子を有し窒素原子で2座または3座配位できる配位子およびチオシアネート基等で配位する1座または2座の配位子を配位させてなる金属錯体色素は、長波長域にも優れた光吸収能を有すること、およびかかる金属錯体色素により増感した半導体微粒子は、光電変換素子として好適な高い光電変換効率を示し、良好な光電気化学電池となることを発見し、本発明に想到した。
【0007】
すなわち、本発明の光電変換素子は、下記一般式(I):
M(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI・・・(I)
(ただし、Mは金属原子を表し、LL1は下記一般式(II):
【化6】
(ただし、R1およびR2はそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に置換基を表し、a1およびa2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a1とa2の和が1〜4であり、b1は0〜3の整数を表し、b2は0〜5の整数を表す。a1が2以上のときR1は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR2は同じでも異なっていてもよく、b1が2以上のときR3は同じでも異なっていてもよく互いに連結して環を形成していてもよく、b2が2以上のときR4は同じでも異なっていてもよく互いに連結して環を形成していてもよい。b1およびb2が共に1以上のときR3とR4が連結して環を形成してもよい。)により表される2座の配位子を表し、LL2は下記一般式(III):
【化7】
(ただし、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に5または6員環を形成しうる非金属原子群を表し、cは0または1を表す。)により表される2座または3座の配位子を表し、Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3-ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオウレアまたはイソチオウレアからなる1座または2座の配位子を表し、m1は1〜3の整数を表し、m1が2または3のときLL1は同じでも異なっていてもよく、m2は0〜2の整数を表し、m2が2のときLL2は同じでも異なっていてもよく、m3は0〜3の整数を表し、m3が2または3のときXは同じでも異なっていてもよく、またX同士が連結していてもよく、CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。)により表される金属錯体色素により増感された半導体微粒子を含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明の光電気化学電池は、上記光電変換素子を用いることを特徴とする。
【0009】
本発明はまた下記条件を満たすことにより、長波長域において一層優れた光吸収能を有する金属錯体色素により増感した半導体微粒子を含む光電変換素子および光電気化学電池が得られる。
【0010】
(1)一般式(I)中のMはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnまたはZnであるのが好ましく、Ru、Fe、OsまたはCuであるのがより好ましく、Ruであるのが特に好ましい。
【0012】
(3)一般式(II)中のa1は0または1を表すのが好ましく、a2は1または2を表すのが好ましい。
【0013】
(4)一般式(II)中のR1およびR2はそれぞれ独立にカルボキシル基またはホスホニル基であるのが好ましい。
【0014】
(5)一般式(II)中のb1は0〜2の整数であるのが好ましく、b2は1〜4の整数であるのが好ましい。
【0015】
(6)一般式(II)中のb1とb2の和が1〜6の整数であり、R3およびR4はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であるのが好ましい。
【0016】
(7)一般式(III)中のZa、ZbおよびZcによって形成される5または6員環はピリジン環またはイミダゾール環であるのが好ましい。これらの環は単環でも縮環していてもよい。
【0017】
(8)一般式(III)中のcは0であるのが好ましい。すなわちLL2は2座配位子であるのが好ましい。
【0018】
(9)一般式(I)中のm1は1または2、m2は0または1、m3は0〜2の整数であるのが好ましく、特に、m1が1のときはm2は1かつm3は1または2であるのが好ましく、m1が2のときはm2は0かつm3は1または2であるのが好ましい。
【0019】
(10)一般式(I)中のLL2は下記一般式(IV-1)〜(IV-8):
【化8】
(ただし、R11〜R18はそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基を表し、R19〜R26はそれぞれ独立に置換基を表し、R27〜R31はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R11〜R26は環上のどの位置に結合していてもよく、d1〜d8、d13、d14およびd16はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、d9〜d12およびd15はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、d1〜d8が2以上のときR11〜R18は同じでも異なっていてもよく、d9〜d16が2以上のときR19〜R26は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。)のいずれかにより表されるのが好ましく、一般式(IV-1)、(IV-2)、(IV-4)または(IV-6)により表されるのがより好ましく、一般式(IV-1)または(IV-2)により表されるのが特に好ましい。
【0020】
(11)一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR11〜R18はそれぞれ独立にカルボキシル基またはホスホニル基であるのが好ましい。
【0021】
(12)一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR19〜R26はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、シアノ基またはハロゲン原子であるのが好ましい。
【0022】
(13)半導体微粒子は酸化チタン微粒子であるのが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施例による金属錯体色素においては、一般式(I)中のMはRuであり、
LL1は上記一般式(II)により表される2座の配位子であり、
LL2は上記一般式(IV-1)〜(IV-8)のいずれかにより表される2座または3座の配位子であり、
Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3-ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオウレアまたはイソチオウレアからなる1座または2座の配位子を表し、
m1は1または2であり、m1が2のときLL1は同じでも異なっていてもよく、
m2は0または1であり、
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のときXは同じでも異なっていてもよく、またX同士が連結していてもよく、
m2とm3は同時に0とはならず、
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンである。
【0024】
この好ましい実施例による金属錯体色素においては、一般式(II)中のb1とb2の和が1〜6の整数であり、R3およびR4はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であるのが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔1〕金属錯体色素
本発明の光電変換素子に使用する金属錯体色素は、下記一般式(I):
M(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI ・・・(I)
により表される。以下各構成成分について詳述する。
【0026】
(A)金属原子M
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnまたはZnであり、特に好ましくはRu、Fe、OsまたはCuであり、最も好ましくはRuである。
【0027】
(B)配位子LL1
LL1は2座の配位子を表す。LL1の数を表すm1は1〜3の整数であり、1または2であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。m1が2または3のときLL1は同じでも異なっていてもよい。
【0028】
配位子LL1は、下記一般式(II):
【化9】
により表される。
【0029】
一般式(II)中のR1およびR2はそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えば-CONHOH、-CONCH3OH等)、ホスホリル基(例えば-OP(O)(OH)2等)およびホスホニル基(例えば-P(O)(OH)2等)のいずれかを表し、好ましくはカルボキシル基、ホスホリル基またはホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基またはホスホニル基であり、最も好ましくはカルボキシル基である。
【0030】
一般式(II)中のR3およびR4はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、1-エチルペンチル基、ベンジル基、2-エトキシエチル基、1-カルボキシメチル基等)、
アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、例えばビニル基、アリル基、オレイル基等)、
アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、例えばエチニル基、ブタジイニル基、フェニルエチニル基等)、
シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基等)、
ヒドロキシル基、
アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26、例えばフェニル基、1-ナフチル基、4-メトキシフェニル基、2-クロロフェニル基、3-メチルフェニル基等)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20、例えば4-ピリジル基、1-イミダゾリル基、2-ベンゾイミダゾリル基、2-チアゾリル基、2-オキサゾリル基等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ベンジルオキシ基等)、
アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26、例えばフェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、3-メチルフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基等)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、例えばエトキシカルボニル基、2-エチルヘキシルオキシカルボニル基等)、
アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、例えばアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-エチルアミノ基、アニリノ基等)、
アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、
スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20、例えばN,N-ジメチルスルホンアミド基、N-フェニルスルホンアミド基等)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばN,N-ジメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基等)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、
シアノ基、または
ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)である。
【0031】
一般式(II)中、R3およびR4はより好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であり、特に好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはアミノ基である。
【0032】
なお、LL1がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また、LL1がアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
【0033】
一般式(II)中のa1およびa2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a1が2以上のときR1は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR2は同じでも異なっていてもよい。R1はピリジン環上のどの炭素原子に置換してもよく、R2はキノリン環上のどの炭素原子に置換してもよい。好ましくはa1は0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。a2は好ましくは1または2である。a1とa2の和は1〜4であるのが好ましく、より好ましくは1または2である。
【0034】
一般式(II)中のb1は0〜3の整数を表し、b2は0〜5の整数を表す。b1が2以上のときR3は同じでも異なっていてもよく互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR4は同じでも異なっていてもよく互いに連結して環を形成してもよい。b1およびb2が共に1以上のとき、R3とR4が連結して環を形成してもよく、形成する環はベンゼン環、シクロヘキサン環またはシクロペンタン環であるのが好ましい。R3はピリジン環上のどの炭素原子に置換してもよく、R4はキノリン環上のどの炭素に置換してもよい。
【0035】
b1は0〜2の整数を表すのが好ましく、0または1であるのがより好ましい。また、b2は1〜4の整数を表すのが好ましく、1または2であるのがより好ましい。b1とb2の和は1〜6であるのが好ましく、1〜3であるのがより好ましい。
【0036】
本発明の一般式(I)中のLL1の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
(C)配位子LL2
LL2は2座または3座の配位子を表す。LL2の数を表すm2は0〜2の整数であり、0または1であるのが好ましい。m2が2のときLL2は同じでも異なっていてもよい。
【0043】
配位子LL2は、下記一般式(III):
【化15】
により表される。
【0044】
一般式(III)中のZa、ZbおよびZcはそれぞれ独立に5または6員環を形成しうる非金属原子群を表し、形成される5または6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、ZbおよびZcは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子および/またはハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環またはトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはピラジン環等を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環またはピリジン環を形成するのがより好ましい。
【0045】
一般式(III)中のcは0または1を表す。cは0であるのが好ましく、すなわちLL2は2座配位子であるのが好ましい。
【0046】
配位子LL2は、下記一般式(IV-1)〜(IV-8):
【化16】
のいずれかにより表されるのが好ましい。
【0047】
一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR11〜R18はそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えば-CONHOH、-CONCH3OH等)、ホスホリル基(例えば-OP(O)(OH)2等)およびホスホニル基(例えば-P(O)(OH)2等)のいずれかを表し、好ましくはカルボキシル基、ホスホリル基またはホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基またはホスホニル基であり、最も好ましくはカルボキシル基である。
【0048】
一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR19〜R26はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、シアノ基またはハロゲン原子(以上、好ましい例は上記R3およびR4の場合と同じ)を表し、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、アミノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基またはアミノ基である。
【0049】
一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR27〜R31はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基またはアリール基(以上、好ましい例はR3およびR4と同じ)を表し、アルキル基またはカルボキシル基が置換したアルキル基であるのが好ましい。なお、LL2がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また、LL2がアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
【0050】
一般式(IV-1)〜(IV-8)中のR11〜R26は環上のどの位置に結合していてもよく、d1〜d6はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表し、d7およびd8はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは0〜3の整数を表す。d9〜d12およびd15はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、d13、d14およびd16はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、d9〜d16は好ましくは0〜3の整数を表す。
【0051】
d1〜d8が2以上のときR11〜R18は同じでも異なっていてもよく、d9〜d16が2以上のときR19〜R26は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。特にd10が2以上のときはR10同士がピリジン環上で連結してさらにピリジン環を形成することが好ましい。
【0052】
配位子LL2は、一般式(IV-1)、(IV-2)、(IV-4)または(IV-6)により表されるのがより好ましく、一般式(IV-1)または(IV-2)により表されるのが特に好ましい。
【0053】
本発明の配位子LL2の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
(D)配位子X
一般式(I)中、Xは1座または2座の配位子を表し、配位子Xの数を表すm3は0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2であり、より好ましくは1または2である。特に、Xが1座配位子のときはm3は2であるのが好ましく、Xが2座配位子のときはm3は1であるのが好ましい。m3が2または3のとき、Xは同じでも異なっていてもよくX同士が連結してもよい。
【0070】
配位子Xは、
アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、サリチル酸基、グリシル基、N,N-ジメチルグリシル基、オキザリレン基(-OC(O)C(O)O-)等)、
アシルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチルチオ基、ベンゾイルチオ基等)、
チオアシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばチオアセチルオキシ基(CH3C(S)O-)等)、
チオアシルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばチオアセチルチオ基(CH3C(S)S-)、チオベンゾイルチオ基(PhC(S)S-)等)、
アシルアミノオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばN-メチルベンゾイルアミノオキシ基(PhC(O)N(CH3)O-)、アセチルアミノオキシ基(CH3C(O)NHO-)等)、
チオカルバメート基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばN,N-ジエチルチオカルバメート基等)、
ジチオカルバメート基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばN-フェニルジチオカルバメート基、N,N-ジメチルジチオカルバメート基、N,N-ジエチルジチオカルバメート基、N,N-ジベンジルジチオカルバメート基等)、
チオカルボネート基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばエチルチオカルボネート基等)、
ジチオカルボネート基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばエチルジチオカルボネート基(C2H5OC(S)S-)等)、
トリチオカルボネート基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばエチルトリチオカルボネート基(C2H5SC(S)S-)等)、
アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、
チオシアネート基、
イソチオシアネート基、
シアネート基、
イソシアネート基、
シアノ基、
アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばメタンチオ基、エチレンジチオ基等)、
アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、例えばベンゼンチオ基、1,2-フェニレンジチオ基等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばメトキシ基等)および
アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、例えばフェノキシ基、キノリン-8-ヒドロキシル基等)からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あるいは
ハロゲン原子(好ましくは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)、
カルボニル(…CO)、
ジアルキルケトン(好ましくは炭素原子数3〜20、例えばアセトン((CH3)2CO…)(…は配位結合を表す)等)、
1,3-ジケトン(好ましくは炭素原子数3〜20、例えばアセチルアセトン(CH3C(O-)CH=C(O…)CH3)、トリフルオロアセチルアセトン(CF3C(O-)CH=C(O…)CH3)、ジピバロイルメタン(t-C4H9C(O-)CH=C(O…)-t-C4H9)、ジベンゾイルメタン(PhC(O-)CH=C(O…)Ph)、3-クロロアセチルアセトン(CH3C(O-)CCl=C(O…)CH3)等)
カルボンアミド(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばCH3N=C(CH3)O-、-OC(=NH)-C(=NH)O-等)、
チオカルボンアミド(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばCH3N=C(CH3)S-等)、
チオウレア(好ましくは炭素原子数1〜20、例えば…NH2-C(S…)NH2、…N(CH3)2-C(S…)N(CH3)2等)、または
イソチオウレア(好ましくは炭素原子数1〜20、例えば…NH=C(S-)NH2、…N(CH3)=C(S-)NHCH3等)からなる配位子を表す。
【0071】
配位子Xは好ましくはアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3-ジケトンまたはチオウレアからなる配位子であり、より好ましくはアシルオキシ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基およびアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、1,3-ジケトンまたはチオウレアからなる配位子であり、さらに好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子または1,3-ジケトンからなる配位子であり、特に好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基およびイソチオシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3-ジケトンからなる配位子である。なお配位子Xがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
【0072】
一般式(I)中、Xが2座配位子のとき、Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3-ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドまたはチオウレアからなる配位子であるのが好ましい。Xが1座配位子のとき、Xはチオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基およびアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3-ジケトンまたはチオウレアからなる配位子であるのが好ましい。
【0073】
以下に本発明の配位子Xの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なおここに示す構造式は幾つも取りうる共鳴構造のうちの1つの極限構造にすぎず、共有結合(-で表す)と配位結合(…で表す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】
【化35】
【0078】
【化36】
【0079】
【化37】
【0080】
一般式(I)中のMがCu、Pd、Pt等、4配位を好む金属の場合、m1は1または2でm2は0であるのが好ましい。この場合、m1が1のときはm3は1または2であるのが好ましく、m1が2のときはm3は0であるのが好ましい。
Mが6配位を好む金属の場合、m1は1または2であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。この場合、m1が1のときはm2は1または2であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。ここでm2が1のときはm3は1または2であるのが好ましく、m2が2のときはm3は0であるのが好ましい。また、m1が2のときはm2は0または1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。ここでm2が0のときはm3は1または2であるのが好ましく、m2が1のときはm3は0であるのが好ましい。またm1が3のときはm2、m3ともに0であるのが好ましい。
【0081】
(E)対イオンCI
一般式(I)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。色素が陽イオンまたは陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持ってもよく、この場合にも分子全体の電荷はCIにより中和される。
【0082】
典型的な正の対イオンは無機または有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオンおよびプロトンである。一方、負の対イオンは無機陰イオンおよび有機陰イオンのいずれでもよく、例えばハロゲン陰イオン、(例えばフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp-トルエンスルホン酸イオン、p-クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3-ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5-ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6-ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよいし、金属錯イオン(例えばビスベンゼン-1,2-ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
【0083】
(F)結合基
一般式(I)により表される色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ有するが、1〜6個有することが好ましく、1〜4個有することがより好ましい。好ましい結合基は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば-CONHOH等)、ホスホリル基(例えば-OP(O)(OH)2等)、ホスホニル基(例えば-P(O)(OH)2等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)である。
【0084】
上記酸性基は、一般式(I)中のLL1は少なくとも1個以上有するが、LL2も少なくとも1個以上有するのが好ましい。
【0085】
(G)金属錯体色素の具体例
上記金属錯体色素のうち、特に好ましいものは下記一般式(V):
Ru(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI ・・・(V)
(ただし、LL1は上記一般式(II)により表される2座の配位子を表し、
LL2は上記一般式(IV-1)〜(IV-8)のいずれかにより表される2座または3座の配位子を表し、
Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3-ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオウレアまたはイソチオウレアからなる1座または2座の配位子を表し、
m1は1または2であり、m1が2のときLL1は同じでも異なっていてもよく、
m2は0または1であり、
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のときXは同じでも異なっていてもよく、またX同士が連結していてもよく、
m2とm3は同時に0とはならず、
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。)により表されるルテニウム錯体色素である。
【0086】
本発明の金属錯体色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
【化38】
【0088】
【化39】
【0089】
【化40】
【0090】
【化41】
【0091】
【化42】
【0092】
【化43】
【0093】
【化44】
【0094】
【化45】
【0095】
【化46】
【0096】
【化47】
【0097】
【化48】
【0098】
【化49】
【0099】
【化50】
【0100】
【化51】
【0101】
【化52】
【0102】
【化53】
【0103】
【化54】
【0104】
【化55】
【0105】
本発明の一般式(I)により表される金属錯体色素の合成はChem. Phys. Lett., 85, 309 (1982) 、Chem. Phys. Lett., 71, 220 (1980) 、J. Am. Chem. Soc., 115, 6382 (1993) 等の文献および文献中に引用された方法を参考にして行うことができる。また、各配位子はSynth. Commun., 27, 2165 (1997)、Aust. J. Chem., 25, 1631 (1972) 等の文献に記載された方法を参考に合成できる。
【0106】
〔2〕光電変換素子
本発明の光電変換素子は、感光層に上記金属錯体色素によって増感された半導体微粒子を有するものである。好ましくは図1に示すように、導電層10、感光層20、電荷移動層30、対極導電層40の順に積層し、前記感光層20を本発明の金属錯体色素22によって増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空隙に充填された電荷輸送材料23とから構成する。電荷輸送材料23は、電荷移動層30に用いる材料と同じ成分からなる。また光電変換素子に強度を付与するため、導電層10側および/または対極導電層40側に、基板50を設けてもよい。以下本発明では、導電層10および任意で設ける基板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電層40および任意で設ける基板50からなる層を「対極」と呼ぶ。この光電変換素子を外部回路に接続して仕事をさせるようにしたものが光電気化学電池である。なお、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50は、それぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明基板50aであってもよい。
【0107】
図1に示す本発明の光電変換素子において、金属錯体色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。このとき色素22等の分子は酸化体となっている。光電気化学電池においては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極導電層40および電荷移動層30を経て色素22等の酸化体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として働く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20との境界、感光層20と電荷移動層30との境界、電荷移動層30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。以下各層について詳細に説明する。
【0108】
(A)導電性支持体
導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導電層および基板の2層からなる。強度や密封性が十分に保たれるような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必要でない。
【0109】
(1)の場合、導電層として金属のように十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0110】
(2)の場合、感光層側に導電剤を含む、導電層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0111】
導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0112】
導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が特に好ましい。
【0113】
透明導電性支持体としては、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したものが好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好ましい。また低コストでフレキシブルな光電変換素子または太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルムの材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0114】
透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好ましく、特にアルミニウムおよび銀が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜からなる透明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電層を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0115】
(B)感光層
本発明の金属錯体色素により増感された半導体微粒子を含む感光層において、半導体微粒子はいわゆる感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感された半導体微粒子では、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素において起こり、半導体微粒子はこの電子を受け取り、伝達する役割を担う。
【0116】
(1)半導体微粒子
半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、またはペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。
【0117】
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブまたはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。
【0118】
本発明に用いる半導体の好ましい具体例は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等であり、さらに好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくは、TiO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO2である。
【0119】
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましい。
【0120】
半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜100μmが好ましい。
【0121】
粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度の半導体粒子を混合してもよい。
【0122】
半導体微粒子の作製法としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)等に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0123】
半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻、第12号、3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーンサイドらのケミカル・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0124】
(2)半導体微粒子層
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法が代表的である。
【0125】
半導体微粒子の分散液を作製する方法としては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法等が挙げられる。
【0126】
分散媒としては、水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。
【0127】
塗布方法としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0128】
半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャスト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にすることが可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよい。
【0129】
半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもできる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクストルージョン法またはスライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布してもよく、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用できる。
【0130】
一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは0.1〜100μmである。光電気化学電池に用いる場合、半導体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5〜400gが好ましく、5〜100gがより好ましい。
【0131】
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは100℃以上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点からもできる限り低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱処理等により可能となる。
【0132】
加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0133】
半導体微粒子は多くの色素を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。このため半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0134】
(3)半導体微粒子への金属錯体色素の吸着
半導体微粒子に金属錯体色素を吸着させるには、金属錯体色素の溶液中によく乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸漬するか、金属錯体色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。なお浸漬法の場合、金属錯体色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7-249790号に記載されているように加熱還流して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等があり、印刷方法としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷等がある。溶媒は、金属錯体色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)、水やこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0135】
金属錯体色素の溶液の粘度についても、半導体微粒子層の形成時と同様に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法の他に各種印刷法が適当であり、また低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン法が適当であり、いずれも均一な膜にすることが可能である。
【0136】
このように金属錯体色素の塗布液の粘度、塗布量、導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素の吸着方法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0137】
未吸着の金属錯体色素の存在は素子性能の外乱になるため、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好ましい。また色素の吸着量を増大させるため、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。
【0138】
金属錯体色素の全使用量は、導電性支持体の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような金属錯体色素の吸着量とすることにより、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。
【0139】
光電変換の波長域をできるだけ広くするとともに変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することもできる。この場合、光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素およびその割合を選ぶのが好ましい。具体的には、本発明の金属錯体色素を2種以上併用したり、本発明の金属錯体色素と従来の金属錯体色素および/またはポリメチン色素とを併用することが可能である。
【0140】
会合のような金属錯体色素同士の相互作用を低減する目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用することもできる。
【0141】
余分な金属錯体色素の除去を促進する目的で、金属錯体色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0142】
(C)電荷移動層
電荷移動層は金属錯体色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層である。電荷移動層に用いることのできる代表的な材料として、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体(電解液)、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩等が挙げられる。さらに固体電解質や正孔(ホール)輸送材料を用いることもできる。
【0143】
本発明で使用する電解液は電解質、溶媒および添加物からなるのが好ましい。電解質としては、(a)I2とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、またはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩等)との組み合わせ、(b)Br2と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2等の金属臭化物、またはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物の臭素塩等)との組み合わせ、(c)フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、(d)ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等の硫黄化合物、(e)ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等を用いることができる。なかでも、I2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。上記電解質は混合して用いてもよい。また電解質はEP718288、WO95/18456、J. Electrochem. Soc., Vol.143, No.10, 3099 (1996)、Inorg. Chem., 35, 1168〜1178 (1996) に記載された室温で溶融状態の塩(溶融塩)を使用することもできる。溶融塩を電解質として使用する場合、溶媒は使用しなくても構わない。
【0144】
好ましい電解質濃度は0.1〜15Mであり、さらに好ましくは0.2〜10Mである。また電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01〜0.5Mである。
【0145】
電解質用溶媒としては、低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度が高めるか、あるいはその両方であるために、優れたイオン伝導性を発現できる化合物を使用するのが望ましい。このような溶媒の例として、例えば下記のものが挙げられる。
【0146】
(a)炭酸エステル類
例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等が好ましい。
【0147】
(b)ラクトン類
例えばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプリロラクトン、クロトラクトン、γ-カプロラクトン、δ-バレロラクトン等が好ましい。
【0148】
(c)エーテル類
例えばエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン等が好ましい。
【0149】
(d)アルコール類
例えばメタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が好ましい。
【0150】
(e)グリコール類
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が好ましい。
【0151】
(f)グリコールエーテル類
例えばエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等が好ましい。
【0152】
(g)テトラヒドロフラン類
例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等が好ましい。
【0153】
(h)ニトリル類
例えばアセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリル等が好ましい。
【0154】
(i)カルボン酸エステル類
例えばギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等が好ましい。
【0155】
(j)リン酸トリエステル類
例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が好ましい。
【0156】
(k)複素環化合物類
例えばN-メチルピロリドン、4-メチル-1,3-ジオキサン、2-メチル-1,3-ジオキソラン、3-メチル-2-オキサゾリジノン、1,3-プロパンサルトン、スルホラン等が好ましい。
【0157】
(l)その他
ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒、水等が好ましい。
【0158】
これらの中では、炭酸エステル系、ニトリル系、複素環化合物系の溶媒が好ましい。これらの溶媒は必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
【0159】
また本発明では、J. Am. Ceram. Soc., 80 (12), 3157〜3171 (1997) に記載されているようなt-ブチルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2Mである。
【0160】
電解質はポリマーやオイルゲル化剤の添加、共存する多官能モノマー類の重合、ポリマーとの架橋反応等の方法により、ゲル化(固体化)させて使用することもできる。ポリマーの添加によりゲル化させる場合は、"Polymer Electrolyte Reviews-1,2"(J. R. MacCaLLumとC. A. Vincentの共編、ELSEIVER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを使用するのが好ましい。オイルゲル化剤の添加によりゲル化させる場合は、J. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Sec., 46, 779 (1943)、J. Am. Chem. Soc., 111, 5542 (1989)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993, 390、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35, 1949 (1996)、Chem. Lett., 1996, 885、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 545 (1997) 等に記載されている化合物を使用することができる。なかでも好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
【0161】
電解質に共存させた多官能モノマー類の重合によりゲル電解質を形成する場合、多官能モノマー類、重合開始剤、電解質および溶媒から溶液を調製し、キャスト法、塗布法、浸漬法、含浸法等の方法により色素増感半導体微粒子層(感光層20)上に塗布する。図1に示すように、色素増感半導体微粒子21間の空隙にゾル状電解質を充填するとともに、感光層20上にゾル状電解質層を形成し、その後ラジカル重合することによりゲル化させる方法が好ましい。
【0162】
多官能性モノマーはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であるのが好ましく、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が好ましい。
【0163】
ゲル電解質は、上記多官能性モノマー以外に単官能モノマーを含んでいてもよい。単官能モノマーとしては、アクリル酸またはα-アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸等)類から誘導されるエステル類またはアミド類(例えばN-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、N-プロピルアクリレート、N-ブチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル等)、有機酸塩類(例えばマレイン酸、フマル酸またはp-スチレンスルホン酸のナトリウム塩等)、ニトリル類(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン等)、芳香族ビニル化合物類(例えばスチレン、p-クロルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等)、含窒素複素環を有するビニル化合物類、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物類、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル等)、オレフィン類(エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等)、N-フェニルマレイミド等が好ましい。モノマー全量に対する多官能性モノマーの割合は0.5〜70重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは1.0〜50重量%である。
【0164】
上記ゲル電解質用モノマーは、大津隆行・木下雅悦共著の「高分子合成の実験法」(化学同人)や、大津隆行著の「講座重合反応論1ラジカル重合(I)」(化学同人)等に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル重合法により重合することができる。ゲル電解質用モノマーのラジカル重合は加熱、光、紫外線、電子線等により、または電気化学的に行うことができるが、特に加熱によりラジカル重合させるのが好ましい。
【0165】
加熱により架橋高分子を形成する場合、好ましい重合開始剤は、例えば2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系開始剤等である。重合開始剤の好ましい添加量は、モノマー総量に対して0.01〜20重量%であり、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
【0166】
ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成範囲は0.5〜70重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは1.0〜50重量%である。
【0167】
ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋性反応基を有するポリマーおよび架橋剤を併用するのが望ましい。好ましい架橋性反応基は、含窒素複素環(例えばピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等)であり、また好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能性以上の試薬(例えばハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネート等)である。
【0168】
電解質の代りに有機および/または無機の正孔輸送材料を使用することもできる。本発明に好ましく用いることのできる有機正孔輸送材料としては、以下のものが挙げられる。
【0169】
(a)芳香族アミン類
N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(4-メトキシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン(J. Hagen et al., Synthetic Metal, 89, 2153〜220, (1997) )、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)9,9'-スピロビフルオレン(Nature, Vol.395, 8 Oct. 1998, pp.583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサンの3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開昭59-194393号)、4,4'-ビス[(N-1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルのように、2個以上の3級アミンを含み、2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に結合した芳香族アミン(特開平5-234681号)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4923774号、特開平4-308688号)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン(米国特許第4764625号)、α,α,α',α'-テトラメチル-α,α'-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル]-p-キシレン(特開平3-269084号)、p-フェニレンジアミン誘導体、分子全体が立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体(特開平4-129271号)、ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4-175395号)、エチレン基で3級芳香族アミン単位を連結した芳香族ジアミン(特開平4-264189号)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4-290851号)、ベンジルフェニル化合物(特開平4-364153号)、フルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5-25473号)、トリアミン化合物(特開平5-239455号)、ビス(ジピリジルアミノ)ビフェニル(特開平5-320634号)、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開平6-1972号)、フェノキザジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7-138562号)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7-252474号)等。
【0170】
(b)オリゴチオフェン化合物
α-オクチルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オクチルチオフェン(Adv. Mater., Vol.9, No.7, 5578 (1997))、ヘキサドデシルドデシチオフェン(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 34, No.3, 303-307 (1995))、2,8-ジヘキシルアンスラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS, Vol.120, No.4, 664〜672 (1998))等。
【0171】
(c)導電性高分子
ポリピロール(K. Murakoshi et al., Chem. Lett., 1997, p.471)、およびポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニレン)およびその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、およびポリトルイジンおよびその誘導体等(それぞれ「Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers」, Vol.1〜4(NALWA著、WILEY出版)に記載されている)。
【0172】
有機正孔(ホール)輸送材料に、Nature, Vol.395, 8 Oct. 583〜585 (1998)に記載されているように、ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加してもよい。
【0173】
有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができる。また正孔輸送材料を電解液の替わりに使用するときは、短絡防止のためElectorochim. Acta, 40, 643〜652 (1995) に記載されているスプレーパイロリシス等の手法を用いて、二酸化チタン薄層を下塗り層として塗設するのが好ましい。
【0174】
無機固体化合物を電解質の代わりに使用する場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys., 31, 1492〜1496 (1998))、チオシアン化銅(Thin Solid Films, 261 (1995), 307〜310、J. Appl. Phys., 80(8), 15 October 1996, 4749〜4754、Chem. Mater., 1998, 10, 1501〜1509、SemiCond. Sci. Technol., 10, 1689〜1693)等を、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解メッキ法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0175】
電荷移動層を形成するには以下の2通りの方法を利用できる。1つは、色素増感した半導体微粒子層の上にスペーサーを介して対極を貼り合わせておき、両者の開放端を電解質溶液に浸漬することにより、半導体微粒子層内および半導体微粒子層と対極との空隙に電解質溶液を浸透させる方法である。もう1つは、半導体微粒子層に電解質溶液を塗布することにより、半導体微粒子層内に電解質溶液を浸透させるとともに、半導体微粒子層上に電荷移動層を形成し、最後に対極を設ける方法である。
【0176】
前者の場合、半導体微粒子層と対極との空隙に電解質溶液を浸透させる方法として、毛管現象を利用する常圧法と、半導体微粒子層と対極との上部開放端(電解質溶液に浸漬していない方の開放端)から吸い上げる減圧法がある。
【0177】
後者の場合、湿式の電荷移動層のときには未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質の場合には、湿式で塗布して重合等の方法により固体化した後に対極を設けてもよいし、対極を設けた後に固体化してもよい。電解液の他に湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質の層を形成する方法としては、半導体微粒子層の形成や色素吸着の場合と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアーナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー法、ワイヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト法、各種印刷法等を利用できる。固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極を設けてもよい。
【0178】
固体化できない電解液や湿式の正孔輸送材料の場合には塗布後速やかにエッジ部分を封止するのが好ましく、また固体化可能な正孔輸送材料の場合には湿式付与により正孔輸送層を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方法により固体化するのが好ましい。このように膜付与方式は電解液物性や工程条件により適宜選択すればよい。
【0179】
なお、電荷移動層中の水分量は10,000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以下である。
【0180】
(D)対極
対極は、光電変換素子を光電気化学電池としたとき、光電気化学電池の正極として作用するものである。対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)等が挙げられる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスおよびプラスチックであり、これに上記の導電材を塗布または蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属製である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは5nm〜3μmの範囲である。
【0181】
導電性支持体と対極のいずれか一方または両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは、導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質を有するのが好ましい。このような対極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0182】
対極支持体を設ける手順としては、(イ)電荷移動層を形成した後でその上に設ける場合と、(ロ)色素増感半導体微粒子の層の上にスペーサーを介して対極を配置した後でその空隙に電解質溶液を充填する場合の2通りある。(イ)の場合、電荷移動層上に直接導電材を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付ける。また(ロ)の場合、色素増感半導体微粒子層の上にスペーサーを介して対極を組み立てて固定し、得られた組立体の開放端を電解質溶液に浸漬し、毛細管現象または減圧を利用して色素増感半導体微粒子層と対極との空隙に電解質溶液を浸透させる。なお、このとき電解質が高分子電解質の場合等は必要に応じて加熱等により架橋させる。また、導電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体の場合と同じである。
【0183】
(E)その他の層
電極として作用する導電性支持体および対極の一方または両方に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けてもよい。このような機能性層を多層に形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用できるが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。同時多層塗布法では、生産性および塗膜の均一性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が適している。これらの機能性層の形成には、その材質に応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0184】
(F)光電変換素子の内部構造の具体例
上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用できる光電変換素子の内部構造を例示する。
【0185】
図2は、透明導電層10aと透明対極導電層40aとの間に、感光層20と、電荷移動層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造となっている。図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、電荷移動層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射する構造となっている。図4は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30と透明対極導電層40aとを設け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属リード11側を内側にして配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図5は、2つの透明基板50a上にそれぞれ金属リード11を設け、各々透明導電層10aまたは透明対極導電層40aを設けたものの間に下塗り層60と感光層20と電荷移動層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造である。図6は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30および対極導電層40を設け、この上に支持基板50を配置したものであり導電層側から光が入射する構造である。図7は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図8は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、両面から光が入射する構造となっている。図9は、支持基板50上に導電層10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに固体の電荷移動層30を設け、この上に一部対極導電層40または金属リード11を有するものであり、対極側から光が入射する構造となっている。
【0186】
〔3〕光電気化学電池
本発明の光電気化学電池は、上記光電変換素子に外部回路で仕事をさせるようにしたものである。光電気化学電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体および対極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のものでよい。
【0187】
〔4〕色素増感型太陽電池
本発明の光電変換素子をいわゆる太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。以下、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池のモジュール構造について説明する。
【0188】
本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
【0189】
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュールは、片側または両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リードまたはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力を外部に取り出される構造となっている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、または上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームの間は封止材料で密封シールする。また、セルそのものや支持基板、充填材料および封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
【0190】
スーパーストレートタイプの太陽電池モジュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上にセルを封止材料−セル間接続用リード線、背面封止材料等と共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを乗せ、外縁部にフレームをセットして作製することができる。
【0191】
一方、サブストレートタイプの場合、基板供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線、封止材料等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗せ、周縁部にフレームをセットして作製することができる。
【0192】
本発明の光電変換素子を基板一体型モジュール化した構造の一例を図10に示す。図10は、透明な基板50aの一方の面上に透明な導電層10aを有し、この上にさらに色素吸着TiO2を含有した感光層20、固体の電荷移動層30および金属対極導電層40を設けたセルがモジュール化されており、基板50aの他方の面には反射防止層70が設けられている構造を表す。このような構造とする場合、入射光の利用効率を高めるために、感光層20の面積比率(光の入射面である基板50a側から見たときの面積比率)を大きくした方が好ましい。
【0193】
図10に示した構造のモジュールの場合、基板上に透明導電層、感光層、電荷移動層、対極等が立体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ、選択エッチング、CVD、PVD等の半導体プロセス技術、あるいはパターン塗布または広幅塗布後のレーザースクライビング、プラズマCVM(Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p373-381等に記載)、研削等の機械的手法等によりパターニングすることで所望のモジュール構造を得ることができる。
【0194】
以下にその他の部材や工程について詳述する。
【0195】
封止材料としては、耐候性付与、電気絶縁性付与、集光効率向上、セル保護性(耐衝撃性)向上等の目的に応じ液状EVA(エチレンビニルアセテート)、フィルム状EVA、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹脂の混合物等、様々な材料が使用可能である。モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの間は、耐候性および防湿性が高い封止材料を用いるのが好ましい。また、透明フィラーを封止材料に混入して強度や光透過率を上げることができる。
【0196】
封止材料をセル上に固定するときは、材料の物性に合った方法を用いる。フィルム状の材料の場合はロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等、液またはペースト状の材料の場合はロールコート、バーコート、スプレーコート、スクリーン印刷等の様々な方法が可能である。
【0197】
支持基板としてPET、PEN等の可撓性素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してその上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層を積層することができ、生産性が高い。
【0198】
発電効率を上げるために、モジュールの光取り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反射防止処理が施される。反射防止処理方法としては、反射防止膜をラミネートする方法、反射防止層をコーティングする方法等がある。
【0199】
また、セルの表面をグルービング、テクスチャリング等の方法で処理することによって、入射した光の利用効率を高めることが可能である。
【0200】
発電効率を上げるためには、光を損失なくモジュール内に取り込むことが最重要であるが、光電変換層を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変換層側に効率良く戻すことも重要である。光の反射率を高める方法としては、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着またはメッキする方法、セルの最下層にAl-Mg、Al-Ti等の合金層を反射層として設ける方法、アニール処理によって最下層にテクスチャー構造を作る方法等がある。
【0201】
また、発電効率を上げるためにはセル間接続抵抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重要である。セル同士を接続する方法としては、ワイヤーボンディング、導電性フレキシブルシートによる接続が一般的であるが、導電性粘着テープや導電性接着剤を用いてセルを固定すると同時に電気的に接続する方法、導電性ホットメルトを所望の位置にパターン塗布する方法等もある。
【0202】
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら前述の方法によって順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
【0203】
以上詳述したように、使用目的や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池を製作することができる。
【0204】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0205】
1.金属錯体色素の合成
以下、本発明の金属錯体色素D-8、D-75、D-1、D-71、D-3およびD-73の合成方法を示す。
【0206】
【化56】
【0207】
【化57】
【0208】
【化58】
【0209】
(A) D-8の合成
24.6g(0.2mol)のp-アニシジン1および濃塩酸20mlを水150mlに溶解し、これに39.7g(0.24mol)の抱水クロラール2および250gの硫酸ナトリウムを水850mlに溶解してなる水溶液を加え、さらに49.7g(0.71mol)の塩酸ヒドロキシルアミンを水600mlに溶解した水溶液を加え、10分間還流した。この水溶液を冷却し、結晶をろ別、水洗してオキシム3の茶色結晶33.7gを得た(収率87%)。
【0210】
17.5g(90mmol)のオキシム3を90%硫酸100mlに溶解し、80℃にて10分間加熱撹拌した。冷却後、水2リットルにあけて撹拌し、生じた結晶をろ別、水洗してメトキシイサチン4の結晶5.0gを得た(収率31%)。
【0211】
1.95g(11mmol)のメトキシイサチン4と1.21g(10mmol)のアセチルピリジン5の混合物に5.5gのNaOH33%水溶液を5℃にて滴下し、5℃で1時間、60℃で1時間撹拌した。これに氷水10mlを加えてろ別し、氷水およびアセトンにて洗浄し、ピリジルキノリン6の結晶1.12gを得た(収率31%)。
【0212】
0.60g(2mmol)のピリジルキノリン6および塩化ルテニウム・3水和物0.26g(1mmol)を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、窒素雰囲気下、暗所にて8時間還流した。減圧濃縮後アセトニトリルに分散してろ別し、ルテニウム錯体7の結晶0.77gを得た(収率99%)。
【0213】
0.143g(0.2mmol)のルテニウム錯体7、チオシアン酸ナトリウム0.18g(2.2mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド10ml/水3mlの混合溶媒に溶解し、窒素雰囲気下、暗所にて6時間還流した。減圧濃縮後水に溶解し、希硝酸を加えて結晶を析出させ、ろ別、水洗し、セファデックスカラムLH-20(展開溶媒:メタノール)により精製して0.072gの金属錯体色素D-8を得た(収率50%)。なお、構造はNMRスペクトルにて確認した。
【0214】
(B) D-75の合成
J. Chem. Soc., Dalton, 1973, 204に記載の方法を参考に合成した0.12g(0.2mmol)のルテニウム錯体8およびチオシアン酸ナトリウム0.032g(2.4mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド30ml/水10mlの混合溶媒に溶解し、窒素雰囲気下、暗所にて2時間還流した。これに0.06g(0.2mmol)のピリジルキノリン6を加え6時間還流し、さらにトリエチルアミン15mlを加えて6時間還流した。反応液を濃縮し、メタノールに溶解してセファデックスカラムLH-20(展開溶媒:メタノール)により精製し、濃縮後水に溶解し、希硝酸を加えて結晶を析出させ、ろ別して0.060gの金属錯体色素D-75を得た(収率41%)。なお、構造はNMRスペクトルにて確認した。
【0215】
(C) D-1およびD-71の合成
上記メトキシイサチン4に換えて市販品のイサチン9を等モル用いる以外は上記ピリジルキノリン6の合成と同様にして、ピリジルキノリン10を合成した。ピリジルキノリン6に換えてこのピリジルキノリン10を用いて、上記D-8およびD-75の合成と全く同様の方法で金属錯体色素D-1およびD-71をそれぞれ合成した。なお、構造はNMRスペクトルにて確認した。
【0216】
(D) D-3およびD-73の合成
チオシアン酸ナトリウムに換えて1/2モルのジチオカルバミン酸ナトリウム11を用いる以外は上記D-1およびD-71の合成と全く同様に、金属錯体色素D-3およびD-73をそれぞれ合成した。なお、構造はNMRスペクトルにて確認した。
【0217】
(E) 他の色素の合成
以下の実施例に用いた他の金属錯体色素も、各配位子の具体例を適宜組み合わせることにより、上記合成例と同様に合成することができる。なお、各配位子は、市販品を容易に入手可能であるか、またはSynth. Commun., 27, 2165 (1997)、Aust. J. Chem., 25, 1631 (1972) 等の文献もしくはこれらの引用文献を参考に合成することができる。
【0218】
2.吸収スペクトルの測定
D-1、D-3、D-8、D-71、D-73、D-75および比較色素1について、メタノール中での吸収スペクトルを測定した。吸収極大波長及び長波長端を表1に示す。
【0219】
【表1】
【0220】
表1より明らかなように、本発明の金属錯体色素の吸収極大波長は、いずれも比較色素1より長波長化かつブロード化していた。従って、本発明の金属錯体色素を光電気化学電池に用いると、より長波長の光まで分光増感して光電流に変換できるため大変好ましい。
【0221】
3.二酸化チタン分散液の調製
内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステンレス製容器に二酸化チタン(日本アエロジル(株)製、Degussa P-25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmで2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニアビーズをろ過により除去した。得られた分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒径は2.5μmであった。なお粒径はMALVERN社製のマスターサイザーにて測定した。
【0222】
4.色素を吸着したTiO2電極の作製
フッ素をドープした酸化スズ層を有する導電性ガラス(旭硝子(株)製TCOガラス-Uを20mm×20mmの大きさに切断加工したもの、表面抵抗約30Ω/□)の導電面側にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した(半導体微粒子の塗布量20g/m2)。その際、導電面側の一部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ずつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこのガラスを電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP-32型)に入れ、450℃にて30分間焼成し、TiO2電極を得た。この電極を取り出し冷却した後、本発明の金属錯体色素および比較色素1それぞれのメタノール溶液(いずれも3×10-4mol/l)に15時間浸漬した。色素の染着したTiO2電極を4-t-ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥した。得られた感光層の厚さは10μmであった。
【0223】
5.光電気化学電池の作製
上述のようにして作製した色素増感TiO2電極基板(20mm×20mm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液(3-メトキシプロピオニトリルに電解質として1-メチル-3-ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩(0.65mol/l)およびヨウ素(0.05mol/l)を加えたもの)をしみこませ、TiO2電極中に導入し、光電気化学電池を得た。本実施例により、図1に示す、導電性ガラスからなる導電性支持体層(ガラスの透明基板50a上に導電層10aが設層されたもの)、色素増感TiO2の感光層20、上記電解液からなる電荷移動層30、白金からなる対極導電層40およびガラスの透明基板50aを順に積層しエポキシ系封止剤で封止された光電気化学電池が作製された。
【0224】
6.光電変換波長と光電変換効率の測定
得られた光電変換素子の800nmにおける光電変換効率をオプテル社製のIPCE(Incident Photon to Current Conversion Efficiency)測定装置によって測定した。それぞれの金属錯体色素を用いた光電気化学電池の光電変換効率を表2に示す。
【0225】
【表2】
【0226】
表2より、800nmの光に対して比較色素は吸収能を有さないために光電変換能を示さないのに対し、本発明の金属錯体色素は良好な光電変換能を示すことがわかる。このように本発明の色素は、いずれも可視光のみならず赤外域においても高い光電変換能を有する。
【0227】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の金属錯体色素は可視光〜赤外域にわたる広い波長域において良好な光吸収能を有するために、かかる金属錯体色素を吸着した半導体微粒子を含む光電変換素子は、可視光〜赤外域にわたって高い光電変換特性を有する。かかる光電変換素子からなる光電気化学電池は太陽電池として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図10】 本発明の金属錯体色素を用いた基板一体型太陽電池モジュールの構造の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・導電層
10a ・・・透明導電層
11・・・金属リード
20・・・感光層
21・・・半導体微粒子
22・・・金属錯体色素
23・・・電荷輸送材料
30・・・電荷移動層
40・・・対極導電層
40a ・・・透明対極導電層
50・・・基板
50a ・・・透明基板
60・・・下塗り層
70・・・反射防止層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a metal complex dye having a high light absorption ability even in a long wavelength region, a photoelectric conversion element using semiconductor fine particles sensitized with the metal complex dye, and a photoelectrochemical cell comprising the same.
[0002]
[Prior art]
Solar cells made of single crystal silicon, polycrystalline silicon, amorphous silicon, or compounds such as cadmium telluride and indium copper selenide have been put into practical use or have been the subject of major research and development as solar cells used for photovoltaic power generation. However, in widespread use in household power sources and the like, there are problems such as high manufacturing costs, difficulty in securing raw materials, and long energy payback time, which need to be overcome. On the other hand, many solar cells using organic materials have been proposed for the purpose of increasing the area and reducing the price, but generally have a problem that conversion efficiency is low and durability is poor.
[0003]
Under such circumstances, porous titanium dioxide spectrally sensitized with a ruthenium complex dye in Nature (Vol. 353, 737-740, 1991), and US Pat. No. 4,927,721, WO 94/04497, etc. Wet photoelectric conversion elements and solar cells using a thin film as a working electrode, and materials and manufacturing techniques for producing the same have been proposed. The first advantage of this wet type photoelectric conversion element is that an inexpensive oxide semiconductor such as titanium dioxide can be used without being purified to a high purity, so that an inexpensive photoelectric conversion element can be provided. Is that the absorption of the dye used is broad, so that light in almost all wavelength regions of visible light can be converted into electricity.
[0004]
However, a known ruthenium complex dye absorbs visible light, but hardly absorbs infrared light having a wavelength longer than 700 nm, and thus has a problem of low photoelectric conversion ability in the infrared region. Therefore, in order to further increase the conversion efficiency, it is desired to develop a dye having absorption ability in a wide wavelength range from visible light to infrared region and exhibiting high photoelectric conversion ability.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to use a metal complex dye having a high light absorption ability not only in the visible light region but also in the infrared region and capable of efficiently sensitizing semiconductor fine particles, and such a metal complex dye. It is providing the photoelectric conversion element which has high photoelectric conversion efficiency by this, and the photoelectrochemical cell which consists of it.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research in view of the above-mentioned purpose, a specific ligand capable of bidentate coordination with a nitrogen atom with respect to a metal atom and, if necessary, a non-metal atom necessary to complete a 5- or 6-membered ring A metal complex dye formed by coordinating a ligand having bidentate or tridentate coordination with a nitrogen atom and a monodentate or bidentate ligand coordinated with a thiocyanate group or the like is excellent also in a long wavelength region It has been discovered that the semiconductor fine particles having a high light absorption ability and the semiconductor fine particles sensitized by such a metal complex dye exhibit high photoelectric conversion efficiency suitable as a photoelectric conversion element and can be a good photoelectrochemical cell. I came up with it.
[0007]
That is, the photoelectric conversion element of the present invention has the following general formula (I):
M (LL1) m1 (LL2) m2 (X) m3 ・ CI ・ ・ ・ (I)
(However, M represents a metal atom, LL1Is the following general formula (II):
[Chemical 6]
(However, R1And R2Each independently represents a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, a hydroxamic acid group, a phosphoryl group or a phosphonyl group;ThreeAnd RFourEach independently represents a substituent, a1 and a2 each independently represent an integer of 0 to 4,the sum of a1 and a2 is 1-4,b1 represents an integer of 0 to 3, and b2 represents an integer of 0 to 5. R when a1 is 2 or more1May be the same or different, and when a2 is 2 or more, R2May be the same or different, and when b1 is 2 or more, RThreeMay be the same or different and may be connected to each other to form a ring. When b2 is 2 or more, RFourMay be the same or different and may be connected to each other to form a ring. R when b1 and b2 are both 1 or moreThreeAnd RFourMay be linked to form a ring. ) Represents a bidentate ligand represented by2Is the following general formula (III):
[Chemical 7]
(Wherein Za, Zb and Zc each independently represents a group of non-metallic atoms capable of forming a 5- or 6-membered ring, and c represents 0 or 1). X represents an acyloxy group, an acylthio group, a thioacyloxy group, a thioacylthio group, an acylaminooxy group, a thiocarbamate group, a dithiocarbamate group, a thiocarbonate group, a dithiocarbonate group, a trithiocarbonate group, an acyl group, A monodentate or bidentate ligand coordinated by a group selected from the group consisting of thiocyanate group, isothiocyanate group, cyanate group, isocyanate group, cyano group, alkylthio group, arylthio group, alkoxy group and aryloxy group, Or halogen atom, carbonyl, dialkyl ketone, 1,3-diketone, carbonamide, thiocarbonamide Represents thiourea or 1 locus or bidentate consisting isothiourea ligand, m1 represents an integer of 1 to 3, when m1 is 2 or 3 LL1May be the same or different, m2 represents an integer from 0 to 2, and when m2 is 2, LL2May be the same or different, m3 represents an integer of 0 to 3, and when m3 is 2 or 3, X may be the same or different, X may be linked together, and CI is a charge Represents a counter ion when a counter ion is required to neutralize the. And a semiconductor fine particle sensitized by a metal complex dye represented by the formula:
[0008]
Moreover, the photoelectrochemical cell of the present invention is characterized by using the above photoelectric conversion element.
[0009]
By satisfying the following conditions, the present invention also provides a photoelectric conversion element and a photoelectrochemical cell including semiconductor fine particles sensitized with a metal complex dye having a more excellent light absorption ability in a long wavelength region.
[0010]
(1) M in the general formula (I) is preferably Ru, Fe, Os, Cu, W, Cr, Mo, Ni, Pd, Pt, Co, Ir, Rh, Re, Mn or Zn. Fe, Os or Cu is more preferable, and Ru is particularly preferable.
[0012]
(3) a1 in the general formula (II) preferably represents 0 or 1, and a2 preferably represents 1 or 2.
[0013]
(4) R in general formula (II)1And R2Are preferably each independently a carboxyl group or a phosphonyl group.
[0014]
(5) b1 in the general formula (II) is preferably an integer of 0 to 2, and b2 is preferably an integer of 1 to 4.
[0015]
(6) The sum of b1 and b2 in the general formula (II) is an integer of 1 to 6, RThreeAnd RFourAre preferably each independently an alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, cycloalkyl group, hydroxyl group, alkoxy group, aryloxy group, amino group or acylamino group.
[0016]
(7) The 5- or 6-membered ring formed by Za, Zb and Zc in the general formula (III) is preferably a pyridine ring or an imidazole ring. These rings may be monocyclic or condensed.
[0017]
(8) c in the general formula (III) is preferably 0. Ie LL2Is preferably a bidentate ligand.
[0018]
(9) In general formula (I), m1 is preferably 1 or 2, m2 is 0 or 1, and m3 is preferably an integer of 0 to 2. Particularly when m1 is 1, m2 is 1 and m3 is 1. Alternatively, it is preferably 2. When m1 is 2, m2 is preferably 0 and m3 is preferably 1 or 2.
[0019]
(10) LL in general formula (I)2Are the following general formulas (IV-1) to (IV-8):
[Chemical 8]
(However, R11~ R18Each independently represents a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, a hydroxamic acid group, a phosphoryl group or a phosphonyl group;19~ R26Each independently represents a substituent, R27~ R31Each independently represents hydrogen, an alkyl group, an alkenyl group or an aryl group, and R11~ R26May be bonded to any position on the ring, d1 to d8, d13, d14 and d16 each independently represents an integer of 0 to 4, d9 to d12 and d15 each independently represents an integer of 0 to 6; R, when d1 to d8 are 2 or more11~ R18May be the same or different, and when d9 to d16 are 2 or more, R19~ R26May be the same or different and may be connected to each other to form a ring. And is more preferably represented by the general formula (IV-1), (IV-2), (IV-4) or (IV-6). -1) or (IV-2) is particularly preferred.
[0020]
(11) R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)11~ R18Are preferably each independently a carboxyl group or a phosphonyl group.
[0021]
(12) R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)19~ R26Each independently represents an alkyl group, alkenyl group, cycloalkyl group, aryl group, heterocyclic group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, acylamino group, amino group, acyl group, sulfonamide group , A cyano group or a halogen atom is preferred.
[0022]
(13) The semiconductor fine particles are preferably titanium oxide fine particles.
[0023]
In the metal complex dye according to a preferred embodiment of the present invention, M in the general formula (I) is Ru,
LL1Is a bidentate ligand represented by the above general formula (II),
LL2Is a bidentate or tridentate ligand represented by any one of the general formulas (IV-1) to (IV-8),
X is an acyloxy group, acylthio group, thioacyloxy group, thioacylthio group, acylaminooxy group, thiocarbamate group, dithiocarbamate group, thiocarbonate group, dithiocarbonate group, trithiocarbonate group, acyl group, thiocyanate group, A monodentate or bidentate ligand coordinated by a group selected from the group consisting of an isothiocyanate group, a cyanate group, an isocyanate group, a cyano group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkoxy group and an aryloxy group, or a halogen atom Represents a monodentate or bidentate ligand consisting of carbonyl, dialkyl ketone, 1,3-diketone, carbonamide, thiocarbonamide, thiourea or isothiourea,
m1 is 1 or 2, and when m1 is 2, LL1Can be the same or different,
m2 is 0 or 1,
m3 represents an integer of 0 to 2, and when m3 is 2, X may be the same or different, and X may be linked together,
m2 and m3 are not 0 at the same time,
CI is a counter ion when a counter ion is required to neutralize the charge.
[0024]
In the metal complex dye according to this preferred embodimentIn general formula (II)The sum of b1 and b2 is an integer of 1 to 6, and R3 and R4 are each independently an alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, cycloalkyl group, hydroxyl group, alkoxy group, aryloxy group, amino group or acylamino group. Preferably there is.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[1] Metal complex dye
The metal complex dye used for the photoelectric conversion element of the present invention has the following general formula (I):
M (LL1)m1(LL2)m2(X)m3・ CI (I)
It is represented by Each component will be described in detail below.
[0026]
(A) Metal atom M
M represents a metal atom. M is preferably a metal capable of tetracoordination or hexacoordination, and more preferably Ru, Fe, Os, Cu, W, Cr, Mo, Ni, Pd, Pt, Co, Ir, Rh, Re, Mn Or Zn, particularly preferably Ru, Fe, Os or Cu, and most preferably Ru.
[0027]
(B) Ligand LL1
LL1Represents a bidentate ligand. LL1M1 representing the number of is an integer of 1 to 3, preferably 1 or 2, and more preferably 2. LL when m1 is 2 or 31May be the same or different.
[0028]
Ligand LL1Is the following general formula (II):
[Chemical 9]
It is represented by
[0029]
R in general formula (II)1And R2Are each independently a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, or a hydroxamic acid group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as -CONHOH, -CONCHThreeOH, etc.), phosphoryl group (eg -OP (O) (OH)2Etc.) and phosphonyl groups (eg -P (O) (OH)2Etc.), preferably a carboxyl group, a phosphoryl group or a phosphonyl group, more preferably a carboxyl group or a phosphonyl group, and most preferably a carboxyl group.
[0030]
R in general formula (II)ThreeAnd RFourEach independently represents a substituent, preferably an alkyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as methyl, ethyl, isopropyl, t-butyl, pentyl, heptyl, 1-ethylpentyl, Benzyl group, 2-ethoxyethyl group, 1-carboxymethyl group, etc.)
An alkenyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, such as vinyl, allyl, oleyl, etc.),
An alkynyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, such as an ethynyl group, a butadiynyl group, a phenylethynyl group, etc.),
A cycloalkyl group (preferably having 3 to 20 carbon atoms, such as a cyclopropyl group, a cyclopentyl group, a cyclohexyl group, a 4-methylcyclohexyl group, etc.),
Hydroxyl group,
An aryl group (preferably having 6 to 26 carbon atoms, such as a phenyl group, 1-naphthyl group, 4-methoxyphenyl group, 2-chlorophenyl group, 3-methylphenyl group, etc.),
A heterocyclic group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, such as 4-pyridyl group, 1-imidazolyl group, 2-benzimidazolyl group, 2-thiazolyl group, 2-oxazolyl group),
An alkoxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as methoxy group, ethoxy group, isopropyloxy group, benzyloxy group, etc.),
Aryloxy groups (preferably having 6 to 26 carbon atoms, such as phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 3-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, etc.),
An alkoxycarbonyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, such as an ethoxycarbonyl group, 2-ethylhexyloxycarbonyl group, etc.),
An amino group (preferably having 0 to 20 carbon atoms, such as an amino group, N, N-dimethylamino group, N, N-diethylamino group, N-ethylamino group, anilino group, etc.),
An acyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as an acetyl group or a benzoyl group),
A sulfonamide group (preferably having 0 to 20 carbon atoms, such as N, N-dimethylsulfonamide group, N-phenylsulfonamide group, etc.),
An acyloxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as acetyloxy group, benzoyloxy group, etc.),
A carbamoyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as N, N-dimethylcarbamoyl group, N-phenylcarbamoyl group),
An acylamino group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as an acetylamino group, a benzoylamino group, etc.),
A cyano group, or
A halogen atom (for example, fluorine atom, chlorine atom, bromine atom, iodine atom, etc.);
[0031]
In general formula (II), RThreeAnd RFourIs more preferably an alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, cycloalkyl group, hydroxyl group, alkoxy group, aryloxy group, amino group or acylamino group, more preferably an alkyl group, alkenyl group, alkoxy group, amino group or An acylamino group, particularly preferably an alkyl group, an alkoxy group or an amino group.
[0032]
LL1When includes an alkyl group, an alkenyl group or the like, they may be linear or branched and may be substituted or unsubstituted. LL1When includes an aryl group, a heterocyclic group and the like, they may be monocyclic or condensed, and may be substituted or unsubstituted.
[0033]
A1 and a2 in the general formula (II) each independently represent an integer of 0 to 4, and when a1 is 2 or more, R1May be the same or different, and when a2 is 2 or more, R2May be the same or different. R1May be substituted on any carbon atom on the pyridine ring, R2May be substituted at any carbon atom on the quinoline ring. Preferably a1 represents the integer of 0-2, More preferably, it represents 0 or 1. a2 is preferably 1 or 2. The sum of a1 and a2 is preferably 1 to 4, more preferably 1 or 2.
[0034]
B1 in the general formula (II) represents an integer of 0 to 3, and b2 represents an integer of 0 to 5. R when b1 is 2 or moreThreeMay be the same or different and may be linked to each other to form a ring. When b2 is 2 or more, RFourMay be the same or different and may be linked together to form a ring. R when b1 and b2 are both 1 or moreThreeAnd RFourMay be linked to form a ring, and the formed ring is preferably a benzene ring, a cyclohexane ring or a cyclopentane ring. RThreeMay be substituted on any carbon atom on the pyridine ring, RFourMay be substituted on any carbon on the quinoline ring.
[0035]
b1 preferably represents an integer of 0 to 2, and more preferably 0 or 1. B2 preferably represents an integer of 1 to 4, more preferably 1 or 2. The sum of b1 and b2 is preferably from 1 to 6, and more preferably from 1 to 3.
[0036]
LL in the general formula (I) of the present invention1Specific examples of these are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0037]
[Chemical Formula 10]
[0038]
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[0039]
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[0040]
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[0041]
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[0042]
(C) Ligand LL2
LL2Represents a bidentate or tridentate ligand. LL2M2 representing the number of is an integer of 0 to 2, preferably 0 or 1. LL when m2 is 22May be the same or different.
[0043]
Ligand LL2Is represented by the following general formula (III):
Embedded image
It is represented by
[0044]
Za, Zb and Zc in the general formula (III) each independently represent a nonmetallic atom group capable of forming a 5- or 6-membered ring, and the formed 5- or 6-membered ring may be substituted or unsubstituted. These may be monocyclic or condensed. Za, Zb and Zc are preferably composed of a carbon atom, a hydrogen atom, a nitrogen atom, an oxygen atom, a sulfur atom, a phosphorus atom and / or a halogen atom, and preferably form an aromatic ring. In the case of a 5-membered ring, an imidazole ring, an oxazole ring, a thiazole ring or a triazole ring is preferably formed. In the case of a 6-membered ring, a pyridine ring, a pyrimidine ring, a pyridazine ring or a pyrazine ring is preferably formed. Among these, it is more preferable to form an imidazole ring or a pyridine ring.
[0045]
C in the general formula (III) represents 0 or 1. c is preferably 0, ie LL2Is preferably a bidentate ligand.
[0046]
Ligand LL2Are the following general formulas (IV-1) to (IV-8):
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Is preferably represented by any of the following.
[0047]
R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)11~ R18Are each independently a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, or a hydroxamic acid group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as -CONHOH, -CONCHThreeOH, etc.), phosphoryl group (eg -OP (O) (OH)2Etc.) and phosphonyl groups (eg -P (O) (OH)2Etc.), preferably a carboxyl group, a phosphoryl group or a phosphonyl group, more preferably a carboxyl group or a phosphonyl group, and most preferably a carboxyl group.
[0048]
R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)19~ R26Each independently represents a substituent, preferably an alkyl group, alkenyl group, cycloalkyl group, aryl group, heterocyclic group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, acylamino group, amino group , Acyl group, sulfonamide group, cyano group or halogen atom (above, preferred examples are the above RThreeAnd RFourAnd more preferably an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an alkoxy group, an alkoxycarbonyl group, an acylamino group, an amino group or a halogen atom, particularly preferably an alkyl group or an alkenyl group. , An alkoxy group, an alkoxycarbonyl group, an acylamino group or an amino group.
[0049]
R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)27~ R31Each independently represents hydrogen, an alkyl group, an alkenyl group or an aryl group (above, preferred examples are RThreeAnd RFourIt is preferably an alkyl group substituted with an alkyl group or a carboxyl group. LL2When includes an alkyl group, an alkenyl group or the like, they may be linear or branched and may be substituted or unsubstituted. LL2When includes an aryl group, a heterocyclic group and the like, they may be monocyclic or condensed, and may be substituted or unsubstituted.
[0050]
R in the general formulas (IV-1) to (IV-8)11~ R26May be bonded to any position on the ring, d1 to d6 each independently represents an integer of 0 to 4, preferably 0 to 2, and d7 and d8 each independently represents an integer of 0 to 4. Represents an integer, preferably an integer of 0 to 3. d9 to d12 and d15 each independently represent an integer of 0 to 6, d13, d14 and d16 each independently represent an integer of 0 to 4, and d9 to d16 preferably represent an integer of 0 to 3.
[0051]
R when d1 to d8 is 2 or more11~ R18May be the same or different, and when d9 to d16 are 2 or more, R19~ R26May be the same or different and may be connected to each other to form a ring. Especially when d10 is 2 or more, RTenIt is preferable that they are connected to each other on a pyridine ring to further form a pyridine ring.
[0052]
Ligand LL2Is more preferably represented by the general formula (IV-1), (IV-2), (IV-4) or (IV-6), according to the general formula (IV-1) or (IV-2) It is particularly preferred that
[0053]
Ligand LL of the present invention2Specific examples of these are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0054]
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[0055]
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[0056]
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[0057]
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[0067]
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[0068]
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[0069]
(D) Ligand X
In general formula (I), X represents a monodentate or bidentate ligand, m3 representing the number of ligands X represents an integer of 0 to 3, preferably 0 to 2, and more preferably. 1 or 2. In particular, when X is a monodentate ligand, m3 is preferably 2. When X is a bidentate ligand, m3 is preferably 1. When m3 is 2 or 3, X may be the same or different, and X may be linked together.
[0070]
Ligand X is
An acyloxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as acetyloxy group, benzoyloxy group, salicylic acid group, glycyl group, N, N-dimethylglycyl group, oxalylene group (—OC (O) C (O) O— )etc),
An acylthio group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as an acetylthio group or a benzoylthio group),
A thioacyloxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as a thioacetyloxy group (CHThreeC (S) O-)),
Thioacylthio group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as thioacetylthio group (CHThreeC (S) S-), thiobenzoylthio group (PhC (S) S-) etc.),
An acylaminooxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as N-methylbenzoylaminooxy group (PhC (O) N (CHThree) O-), acetylaminooxy group (CHThreeC (O) NHO-)),
A thiocarbamate group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as N, N-diethylthiocarbamate group),
Dithiocarbamate group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as N-phenyldithiocarbamate group, N, N-dimethyldithiocarbamate group, N, N-diethyldithiocarbamate group, N, N-dibenzyldithiocarbamate group, etc.) ,
A thiocarbonate group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as an ethylthiocarbonate group),
Dithiocarbonate groups (preferably having 1 to 20 carbon atoms, eg ethyl dithiocarbonate groups (C2HFiveOC (S) S-))
A trithiocarbonate group (preferably having 1 to 20 carbon atoms such as an ethyltrithiocarbonate group (C2HFiveSC (S) S-) etc.),
An acyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as an acetyl group or a benzoyl group),
Thiocyanate group,
An isothiocyanate group,
Cyanate groups,
Isocyanate groups,
A cyano group,
An alkylthio group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as methanethio group, ethylenedithio group, etc.),
An arylthio group (preferably having 6 to 20 carbon atoms such as benzenethio group, 1,2-phenylenedithio group, etc.),
An alkoxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, such as a methoxy group) and
A monodentate or bidentate ligand coordinated with a group selected from the group consisting of aryloxy groups (preferably having 6 to 20 carbon atoms, such as phenoxy group, quinoline-8-hydroxyl group, etc.), or
A halogen atom (preferably a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom),
Carbonyl (... CO),
Dialkyl ketones (preferably having 3 to 20 carbon atoms such as acetone ((CHThree)2CO ...) (... represents a coordination bond)),
1,3-diketone (preferably having 3 to 20 carbon atoms such as acetylacetone (CHThreeC (O-) CH = C (O…) CHThree), Trifluoroacetylacetone (CFThreeC (O-) CH = C (O…) CHThree), Dipivaloylmethane (t-CFourH9C (O-) CH = C (O…) -t-CFourH9), Dibenzoylmethane (PhC (O-) CH = C (O ...) Ph), 3-chloroacetylacetone (CHThreeC (O-) CCl = C (O…) CHThree)etc)
Carbonamide (preferably having 1 to 20 carbon atoms, eg CHThreeN = C (CHThree) O-, -OC (= NH) -C (= NH) O- etc.),
Thiocarbonamide (preferably having 1 to 20 carbon atoms, eg CHThreeN = C (CHThree) S-etc),
Thiourea (preferably having 1 to 20 carbon atoms, eg NH2-C (S…) NH2,… N (CHThree)2-C (S ...) N (CHThree)2Etc.), or
Isothiourea (preferably having 1 to 20 carbon atoms, eg NH = C (S-) NH2,… N (CHThree) = C (S-) NHCHThreeEtc.).
[0071]
The ligand X is preferably an acyloxy group, a thioacylthio group, an acylaminooxy group, a dithiocarbamate group, a dithiocarbonate group, a trithiocarbonate group, a thiocyanate group, an isothiocyanate group, a cyanate group, an isocyanate group, a cyano group, an alkylthio group. A ligand coordinated by a group selected from the group consisting of a group, an arylthio group, an alkoxy group and an aryloxy group, or a ligand consisting of a halogen atom, carbonyl, 1,3-diketone or thiourea, more preferably Is a ligand coordinated by a group selected from the group consisting of acyloxy group, acylaminooxy group, dithiocarbamate group, thiocyanate group, isothiocyanate group, cyanate group, isocyanate group, cyano group and arylthio group, or halogen atom 1,3-diketone Is a ligand composed of thiourea, more preferably a ligand coordinated with a group selected from the group consisting of a dithiocarbamate group, a thiocyanate group, an isothiocyanate group, a cyanate group and an isocyanate group, or a halogen atom or 1 , 3-diketones, particularly preferably ligands coordinated with a group selected from the group consisting of dithiocarbamate groups, thiocyanate groups and isothiocyanate groups, or ligands composed of 1,3-diketones. It is a rank. In addition, when the ligand X contains an alkyl group, an alkenyl group, an alkynyl group, an alkylene group or the like, these may be linear or branched, and may be substituted or unsubstituted. Moreover, when an aryl group, a heterocyclic group, a cycloalkyl group and the like are included, they may be substituted or unsubstituted, and may be monocyclic or condensed.
[0072]
In the general formula (I), when X is a bidentate ligand, X is an acyloxy group, an acylthio group, a thioacyloxy group, a thioacylthio group, an acylaminooxy group, a thiocarbamate group, a dithiocarbamate group, a thiocarbonate group, A ligand coordinated by a group selected from the group consisting of dithiocarbonate groups, trithiocarbonate groups, acyl groups, alkylthio groups, arylthio groups, alkoxy groups and aryloxy groups, or 1,3-diketones, A ligand consisting of amide, thiocarbonamide or thiourea is preferred. When X is a monodentate ligand, X is a ligand coordinated with a group selected from the group consisting of a thiocyanate group, an isothiocyanate group, a cyanate group, an isocyanate group, a cyano group, an alkylthio group, and an arylthio group, or A ligand comprising a halogen atom, carbonyl, 1,3-diketone or thiourea is preferred.
[0073]
Specific examples of the ligand X of the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto. The structural formula shown here is just one of the many possible resonance structures, and the distinction between covalent bonds (represented by-) and coordinate bonds (represented by ...) is also formal. It does not represent a distinction.
[0074]
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[0075]
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[0076]
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[0077]
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[0078]
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[0079]
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[0080]
When M in the general formula (I) is a metal that prefers 4-coordination, such as Cu, Pd, and Pt, m1 is preferably 1 or 2 and m2 is preferably 0. In this case, when m1 is 1, m3 is preferably 1 or 2, and when m1 is 2, m3 is preferably 0.
When M is a metal that prefers 6-coordination, m1 is preferably 1 or 2, and more preferably 2. In this case, when m1 is 1, m2 is preferably 1 or 2, and more preferably 1. Here, when m2 is 1, m3 is preferably 1 or 2, and when m2 is 2, m3 is preferably 0. When m1 is 2, m2 is preferably 0 or 1, and more preferably 0. Here, when m2 is 0, m3 is preferably 1 or 2, and when m2 is 1, m3 is preferably 0. When m1 is 3, both m2 and m3 are preferably 0.
[0081]
(E) Counter ion CI
CI in the general formula (I) represents a counter ion when a counter ion is required to neutralize the charge. Whether the dye is a cation or an anion or has a net ionic charge depends on the metal, ligand and substituent in the dye. When the substituent has a dissociable group, it may be dissociated to have a negative charge, and in this case as well, the charge of the entire molecule is neutralized by CI.
[0082]
Typical positive counterions are inorganic or organic ammonium ions (eg tetraalkylammonium ions, pyridinium ions, etc.), alkali metal ions and protons. On the other hand, the negative counter ion may be either an inorganic anion or an organic anion, such as a halogen anion (for example, fluoride ion, chloride ion, bromide ion, iodide ion, etc.), substituted arylsulfonate ion (for example, p-toluenesulfonate ion, p-chlorobenzenesulfonate ion, etc.), aryl disulfonate ion (eg 1,3-benzenedisulfonate ion, 1,5-naphthalenedisulfonate ion, 2,6-naphthalenedisulfonate ion, etc.) Alkyl sulfate ions (eg methyl sulfate ions), sulfate ions, thiocyanate ions, perchlorate ions, tetrafluoroborate ions, hexafluorophosphate ions, picrate ions, acetate ions, trifluoromethanesulfonate ions, etc. It is done. Furthermore, an ionic polymer or another dye having a charge opposite to that of the dye may be used as the charge balance counter ion, or a metal complex ion (for example, bisbenzene-1,2-dithiolatonickel (III)) can be used. It is.
[0083]
(F) Bonding group
The dye represented by the general formula (I) has at least one suitable interlocking group for the surface of the semiconductor fine particles, preferably 1 to 6, and more preferably 1 to 4. . Preferred linking groups include a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, a hydroxamic acid group (eg, —CONHOH), a phosphoryl group (eg, —OP (O) (OH)2Etc.), phosphonyl groups (eg -P (O) (OH)2Etc.) acidic group (substituent having a dissociative proton).
[0084]
The acidic group is LL in the general formula (I)1Has at least one, but LL2It is preferable to have at least one or more.
[0085]
(G) Specific examples of metal complex dyes
Among the metal complex dyes, particularly preferred are the following general formula (V):
Ru (LL1)m1(LL2)m2(X)m3・ CI ・ ・ ・ (V)
(However, LL1Represents a bidentate ligand represented by the general formula (II),
LL2Represents a bidentate or tridentate ligand represented by any one of the general formulas (IV-1) to (IV-8),
X is an acyloxy group, acylthio group, thioacyloxy group, thioacylthio group, acylaminooxy group, thiocarbamate group, dithiocarbamate group, thiocarbonate group, dithiocarbonate group, trithiocarbonate group, acyl group, thiocyanate group, A monodentate or bidentate ligand coordinated by a group selected from the group consisting of an isothiocyanate group, a cyanate group, an isocyanate group, a cyano group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkoxy group and an aryloxy group, or a halogen atom Represents a monodentate or bidentate ligand consisting of carbonyl, dialkyl ketone, 1,3-diketone, carbonamide, thiocarbonamide, thiourea or isothiourea,
m1 is 1 or 2, and when m1 is 2, LL1Can be the same or different,
m2 is 0 or 1,
m3 represents an integer of 0 to 2, and when m3 is 2, X may be the same or different, and X may be linked together,
m2 and m3 are not 0 at the same time,
CI represents a counter ion when a counter ion is required to neutralize the charge. Is a ruthenium complex dye represented by
[0086]
Specific examples of the metal complex dye of the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0087]
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[0088]
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[0089]
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[0090]
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[0091]
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[0092]
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[0093]
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[0096]
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[0097]
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[0098]
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[0099]
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[0100]
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[0101]
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[0102]
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[0103]
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[0104]
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[0105]
The synthesis of the metal complex dye represented by the general formula (I) of the present invention is described in Chem. Phys. Lett., 85, 309 (1982), Chem. Phys. Lett., 71, 220 (1980), J. Am. Chem. Soc., 115, 6382 (1993) and the like and methods cited in the literature can be referred to. Each ligand can be synthesized with reference to methods described in literatures such as Synth. Commun., 27, 2165 (1997) and Aust. J. Chem., 25, 1631 (1972).
[0106]
[2] Photoelectric conversion element
The photoelectric conversion element of the present invention has semiconductor fine particles sensitized with the metal complex dye in the photosensitive layer. Preferably, as shown in FIG. 1, a semiconductor fine particle in which a conductive layer 10, a photosensitive layer 20, a charge transfer layer 30 and a counter electrode conductive layer 40 are laminated in this order, and the photosensitive layer 20 is sensitized by the metal complex dye 22 of the present invention. 21 and a charge transport material 23 filled in a gap between the semiconductor fine particles 21. The charge transport material 23 is composed of the same components as the material used for the charge transfer layer 30. In order to give strength to the photoelectric conversion element, the substrate 50 may be provided on the conductive layer 10 side and / or the counter electrode conductive layer 40 side. Hereinafter, in the present invention, the layer composed of the conductive layer 10 and the optionally provided substrate 50 is referred to as “conductive support”, and the layer composed of the counter electrode conductive layer 40 and the optionally provided substrate 50 is referred to as “counter electrode”. A photoelectrochemical cell is one in which this photoelectric conversion element is connected to an external circuit for work. Note that the conductive layer 10, the counter electrode conductive layer 40, and the substrate 50 in FIG. 1 may be the transparent conductive layer 10a, the transparent counter electrode conductive layer 40a, and the transparent substrate 50a, respectively.
[0107]
In the photoelectric conversion element of the present invention shown in FIG. 1, the light incident on the photosensitive layer 20 containing the semiconductor fine particles 21 sensitized by the metal complex dye 22 excites the dye 22 and the like, and the light in the excited dye 22 and the like is high. The energy electrons are transferred to the conduction band of the semiconductor fine particles 21, and further reach the conductive layer 10 by diffusion. At this time, the molecule such as the dye 22 is an oxidant. In the photoelectrochemical cell, electrons in the conductive layer 10 return to an oxidant such as the dye 22 through the counter electrode conductive layer 40 and the charge transfer layer 30 while working in an external circuit, and the dye 22 is regenerated. The photosensitive layer 20 functions as a negative electrode. At the boundary of each layer (for example, the boundary between the conductive layer 10 and the photosensitive layer 20, the boundary between the photosensitive layer 20 and the charge transfer layer 30, the boundary between the charge transfer layer 30 and the counter electrode conductive layer 40, etc.) They may be diffusively mixed with each other. Each layer will be described in detail below.
[0108]
(A) Conductive support
The conductive support is composed of (1) a single layer of a conductive layer, or (2) two layers of a conductive layer and a substrate. If a conductive layer that can maintain sufficient strength and sealing properties is used, a substrate is not always necessary.
[0109]
In the case of (1), a conductive layer having sufficient strength as metal and having conductivity is used.
[0110]
In the case of (2), a substrate having a conductive layer containing a conductive agent on the photosensitive layer side can be used. Preferred conductive agents are metals (eg, platinum, gold, silver, copper, aluminum, rhodium, indium, etc.), carbon, or conductive metal oxides (indium-tin composite oxide, tin oxide doped with fluorine, etc.) Is mentioned. The thickness of the conductive layer is preferably about 0.02 to 10 μm.
[0111]
The lower the surface resistance of the conductive support, the better. The range of the surface resistance is preferably 100Ω / □ or less, more preferably 40Ω / □ or less. The lower limit of the surface resistance is not particularly limited, but is usually about 0.1Ω / □.
[0112]
When irradiating light from the conductive support side, the conductive support is preferably substantially transparent. “Substantially transparent” means that the light transmittance is 10% or more, preferably 50% or more, and particularly preferably 70% or more.
[0113]
The transparent conductive support is preferably formed by applying or vapor-depositing a transparent conductive layer made of a conductive metal oxide on the surface of a transparent substrate such as glass or plastic. In particular, conductive glass in which a conductive layer made of tin dioxide doped with fluorine is deposited on a transparent substrate made of low-cost soda-lime float glass is preferable. In order to obtain a flexible photoelectric conversion element or solar cell at low cost, it is preferable to use a transparent polymer film provided with a conductive layer. Transparent polymer film materials include tetraacetylcellulose (TAC), polyethylene terephthalate (PET), polyethylene naphthalate (PEN), syndioctane polysterene (SPS), polyphenylene sulfide (PPS), polycarbonate (PC), and polyarylate. (PAr), polysulfone (PSF), polyester sulfone (PES), polyetherimide (PEI), cyclic polyolefin, brominated phenoxy and the like. In order to ensure sufficient transparency, the amount of conductive metal oxide applied is 1 m of glass or plastic support.2The amount is preferably 0.01 to 100 g.
[0114]
It is preferable to use a metal lead for the purpose of reducing the resistance of the transparent conductive support. The material of the metal lead is preferably a metal such as aluminum, copper, silver, gold, platinum, nickel, and particularly preferably aluminum and silver. The metal lead is preferably installed on a transparent substrate by vapor deposition, sputtering, or the like, and a transparent conductive layer made of tin oxide doped with fluorine or an ITO film is preferably provided thereon. Moreover, it is also preferable to install a metal lead on the transparent conductive layer after providing the transparent conductive layer on the transparent substrate. The decrease in the amount of incident light due to the installation of the metal lead is preferably within 10%, more preferably 1 to 5%.
[0115]
(B) Photosensitive layer
In the photosensitive layer containing the semiconductor fine particles sensitized by the metal complex dye of the present invention, the semiconductor fine particles act as a so-called photoconductor, absorb light and perform charge separation to generate electrons and holes. In the dye-sensitized semiconductor fine particles, light absorption and generation of electrons and holes thereby occur mainly in the dye, and the semiconductor fine particles play a role of receiving and transmitting the electrons.
[0116]
(1) Semiconductor fine particles
Semiconductor fine particles include simple semiconductors such as silicon and germanium, III-V compound semiconductors, metal chalcogenides (eg oxides, sulfides, selenides, etc.), or compounds having a perovskite structure (eg strontium titanate, titanium). Calcium oxide, sodium titanate, barium titanate, potassium niobate, etc.) can be used.
[0117]
Preferred metal chalcogenides include titanium, tin, zinc, iron, tungsten, zirconium, hafnium, strontium, indium, cerium, yttrium, lanthanum, vanadium, niobium or tantalum oxide, cadmium, zinc, lead, silver, antimony or bismuth. Sulfide, cadmium or lead selenide, cadmium telluride and the like. Examples of other compound semiconductors include phosphides such as zinc, gallium, indium, and cadmium, gallium-arsenic or copper-indium selenides, and copper-indium sulfides.
[0118]
Preferred specific examples of the semiconductor used in the present invention include Si and TiO.2, SnO2, Fe2OThree, WOThree, ZnO, Nb2OFive, CdS, ZnS, PbS, Bi2SThree, CdSe, CdTe, GaP, InP, GaAs, CuInS2, CuInSe2More preferably, TiO2, ZnO, SnO2, Fe2OThree, WOThree, Nb2OFive, CdS, PbS, CdSe, InP, GaAs, CuInS2Or CuInSe2And particularly preferably TiO2Or Nb2OFiveAnd most preferably TiO2It is.
[0119]
The semiconductor used in the present invention may be single crystal or polycrystalline. Single crystals are preferable from the viewpoint of conversion efficiency, but polycrystals are preferable from the viewpoints of manufacturing cost, securing raw materials, energy payback time, and the like.
[0120]
The particle size of the semiconductor fine particles is generally on the order of nm to μm, but the average particle size of the primary particles obtained from the diameter when the projected area is converted into a circle is preferably 5 to 200 nm, more preferably 8 to 100 nm. preferable. The average particle size of the semiconductor fine particles (secondary particles) in the dispersion is preferably 0.01 to 100 μm.
[0121]
Two or more kinds of fine particles having different particle size distributions may be mixed. In this case, the average size of the small particles is preferably 5 nm or less. For the purpose of improving the light capture rate by scattering incident light, semiconductor particles having a large particle diameter, for example, about 300 nm may be mixed.
[0122]
Semiconductor fine particles are prepared by Sakuo Sakuo's "Sol-gel Method Science" Agne Jofusha (1998), Technical Information Association "Sol-gel Method Thin Film Coating Technology" (1995), etc. The sol-gel method described, Tadao Sugimoto's "Synthesis of monodisperse particles by the new synthesis gel-sol method and size morphology control", Materia, Vol. 35, No. 9, pp. 1012-1018 (1996) Etc. are preferred. Also preferred is a method developed by Degussa to produce an oxide by high-temperature hydrolysis of chloride in an oxyhydrogen salt.
[0123]
When the semiconductor fine particles are titanium oxide, the above sol-gel method, gel-sol method, and high-temperature hydrolysis method in oxyhydrogen salt of chloride are preferred, but Kiyoshi Manabu's “Titanium oxide properties and applied technology” The sulfuric acid method and the chlorine method described in Gihodo Publishing (1997) can also be used. Further, as the sol-gel method, the method described in Journal of American Ceramic Society of Barb et al., Vol. 80, No. 12, pp. 3157-3171 (1997), and Chemical Materials of Burnside et al. , Vol. 9, No. 9, pages 2419-2425 are also preferred.
[0124]
(2) Semiconductor fine particle layer
In order to apply the semiconductor fine particles on the conductive support, in addition to the method of applying a dispersion or colloidal solution of the semiconductor fine particles on the conductive support, the above-described sol-gel method or the like can also be used. In consideration of mass production of photoelectric conversion elements, physical properties of semiconductor fine particle liquid, flexibility of conductive support, etc., a wet film forming method is relatively advantageous. As a wet film forming method, a coating method and a printing method are typical.
[0125]
In addition to the sol-gel method described above, a method for producing a dispersion of semiconductor fine particles includes a method of grinding with a mortar, a method of dispersing while grinding using a mill, or a fine particle in a solvent when synthesizing a semiconductor. The method of depositing and using as it is is mentioned.
[0126]
Examples of the dispersion medium include water or various organic solvents (for example, methanol, ethanol, isopropyl alcohol, dichloromethane, acetone, acetonitrile, ethyl acetate, and the like). During dispersion, a polymer, surfactant, acid, chelating agent, or the like may be used as a dispersion aid as necessary.
[0127]
The application method is disclosed in Japanese Patent Publication No. 58-4589 as a roller method, a dip method as an application system, an air knife method, a blade method, etc. as a metering system, and the application and metering can be made the same part. The wire bar method, the slide hopper method, the extrusion method, the curtain method and the like described in US Pat. Nos. 2681294, 2761419, 2761791 and the like are preferable. Moreover, a spin method and a spray method are also preferable as a general purpose machine. As the wet printing method, intaglio, rubber plate, screen printing and the like are preferred, including the three major printing methods of letterpress, offset and gravure. From these, a preferred film forming method is selected according to the liquid viscosity and the wet thickness.
[0128]
The viscosity of the dispersion of semiconductor fine particles greatly depends on the type and dispersibility of the semiconductor fine particles, the type of solvent used, and additives such as surfactants and binders. For a high viscosity liquid (for example, 0.01 to 500 Poise), an extrusion method, a casting method, a screen printing method, or the like is preferable. For low-viscosity liquids (for example, 0.1 Poise or less), the slide hopper method, wire bar method, or spin method is preferable, and a uniform film can be obtained. If there is a certain amount of coating, coating by the extrusion method is possible even in the case of a low viscosity liquid. Thus, a wet film forming method may be selected as appropriate according to the viscosity of the coating solution, the coating amount, the support, the coating speed, and the like.
[0129]
The semiconductor fine particle layer is not limited to a single layer, but a multi-layer coating of a dispersion of semiconductor fine particles having different particle diameters, or a multi-layer coating of a coating layer containing different types of semiconductor fine particles (or different binders and additives) You can also Multi-layer coating is also effective when the film thickness is insufficient with a single coating. For multilayer coating, an extrusion method or a slide hopper method is suitable. In the case of applying multiple layers, the multiple layers may be applied at the same time, or may be successively applied several times to several dozen times. Further, screen printing can be preferably used as long as it is sequentially overcoated.
[0130]
In general, as the thickness of the semiconductor fine particle layer (same as the thickness of the photosensitive layer) increases, the amount of supported dye increases per unit projected area, and thus the light capture rate increases. Loss due to coupling also increases. Therefore, the preferable thickness of the semiconductor fine particle layer is 0.1 to 100 μm. When used in a photoelectrochemical cell, the thickness of the semiconductor fine particle layer is preferably 1 to 30 μm, and more preferably 2 to 25 μm. Semiconductor fine particle support 1m2The hit application amount is preferably 0.5 to 400 g, more preferably 5 to 100 g.
[0131]
After the semiconductor fine particles are applied on the conductive support, the semiconductor fine particles are preferably brought into contact with each other electronically, and heat treatment is preferably performed in order to improve the coating strength and the adhesion to the support. A preferable heating temperature range is 40 ° C. or higher and lower than 700 ° C., and more preferably 100 ° C. or higher and 600 ° C. or lower. The heating time is about 10 minutes to 10 hours. When using a support having a low melting point or softening point such as a polymer film, high temperature treatment is not preferable because it causes deterioration of the support. Moreover, it is preferable that it is as low as possible also from a viewpoint of cost. The temperature can be lowered by using a combination of small semiconductor fine particles of 5 nm or less as described above, heat treatment in the presence of a mineral acid, or the like.
[0132]
In order to increase the surface area of the semiconductor fine particles after heat treatment, increase the purity near the semiconductor fine particles, and increase the efficiency of electron injection from the dye to the semiconductor particles, for example, chemical plating using a titanium tetrachloride aqueous solution or a titanium trichloride aqueous solution is used. The electrochemical plating process used may be performed.
[0133]
The semiconductor fine particles preferably have a large surface area so that many dyes can be adsorbed. For this reason, the surface area of the semiconductor fine particle layer coated on the support is preferably 10 times or more, more preferably 100 times or more the projected area. The upper limit is not particularly limited, but is usually about 1000 times.
[0134]
(3) Adsorption of metal complex dye on semiconductor fine particles
In order to adsorb the metal complex dye to the semiconductor fine particles, a method of immersing a conductive support having a well-dried semiconductor fine particle layer in a solution of the metal complex dye or applying a solution of the metal complex dye to the semiconductor fine particle layer. Can be used. In the former case, an immersion method, a dip method, a roller method, an air knife method or the like can be used. In the immersion method, the adsorption of the metal complex dye may be performed at room temperature, or may be performed by heating and refluxing as described in JP-A-7-249790. Examples of the latter application method include a wire bar method, a slide hopper method, an extrusion method, a curtain method, a spin method, a spray method, and the like. Printing methods include letterpress, offset, gravure, and screen printing. The solvent can be appropriately selected according to the solubility of the metal complex dye. For example, alcohols (methanol, ethanol, t-butanol, benzyl alcohol, etc.), nitriles (acetonitrile, propionitrile, 3-methoxypropionitrile, etc.), nitromethane, halogenated hydrocarbons (dichloromethane, dichloroethane, chloroform, chlorobenzene) Etc.), ethers (diethyl ether, tetrahydrofuran, etc.), dimethyl sulfoxide, amides (N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, etc.), N-methylpyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone , 3-methyloxazolidinone, esters (ethyl acetate, butyl acetate, etc.), carbonates (diethyl carbonate, ethylene carbonate, propylene carbonate, etc.), ketones (acetone, 2-butanone, cyclohexanone, etc.), hydrocarbons (hexane) , Petroleum ether, ben Zen, toluene, etc.), water, and mixed solvents thereof.
[0135]
As for the viscosity of the solution of the metal complex dye, as in the formation of the semiconductor fine particle layer, various printing methods other than the extrusion method are suitable for the high viscosity liquid (for example, 0.01 to 500 Poise), and the low viscosity liquid (for example, The slide hopper method, wire bar method, or spin method is suitable for 0.1 Poise or less), and any of them can form a uniform film.
[0136]
Thus, the dye adsorption method may be appropriately selected according to the viscosity of the metal complex dye coating solution, the coating amount, the conductive support, the coating speed, and the like. The time required for the dye adsorption after coating is preferably as short as possible when mass production is considered.
[0137]
Since the presence of the unadsorbed metal complex dye becomes a disturbance of device performance, it is preferably removed by washing immediately after the adsorption. It is preferable to use a wet cleaning tank and perform cleaning with a polar solvent such as acetonitrile or an organic solvent such as an alcohol solvent. In order to increase the adsorption amount of the dye, it is preferable to perform a heat treatment before the adsorption. In order to avoid water adsorbing on the surface of the semiconductor fine particles after the heat treatment, it is preferable to quickly adsorb the dye between 40 to 80 ° C. without returning to normal temperature.
[0138]
The total amount of metal complex dye used is the unit surface area of the conductive support (1 m2) Is preferably from 0.01 to 100 mmol. The amount of the dye adsorbed on the semiconductor fine particles is preferably 0.01 to 1 mmol per 1 g of the semiconductor fine particles. By using such an amount of adsorption of the metal complex dye, a sensitization effect in a semiconductor can be sufficiently obtained. On the other hand, if the amount of the dye is too small, the sensitizing effect becomes insufficient, and if the amount of the dye is too large, the dye not attached to the semiconductor floats, which causes a reduction in the sensitizing effect.
[0139]
Two or more kinds of dyes can be mixed in order to make the wavelength range of photoelectric conversion as wide as possible and increase the conversion efficiency. In this case, it is preferable to select the dye to be mixed and the ratio thereof so as to match the wavelength range and intensity distribution of the light source. Specifically, two or more metal complex dyes of the present invention can be used in combination, or a metal complex dye of the present invention and a conventional metal complex dye and / or a polymethine dye can be used in combination.
[0140]
For the purpose of reducing the interaction between metal complex dyes such as association, a colorless compound may be co-adsorbed on the semiconductor fine particles. Examples of the hydrophobic compound to be co-adsorbed include steroid compounds having a carboxyl group (for example, chenodeoxycholic acid). An ultraviolet absorber can also be used in combination.
[0141]
For the purpose of promoting the removal of excess metal complex dye, the surface of the semiconductor fine particles may be treated with amines after adsorbing the metal complex dye. Preferable amines include pyridine, 4-t-butylpyridine, polyvinylpyridine and the like. When these are liquids, they may be used as they are, or may be used after being dissolved in an organic solvent.
[0142]
(C) Charge transfer layer
The charge transfer layer is a layer having a function of replenishing electrons to the oxidized metal complex dye. Typical materials that can be used for the charge transfer layer include a liquid (electrolyte) in which a redox couple is dissolved in an organic solvent, a so-called gel electrolyte in which a polymer matrix is impregnated with a liquid in which a redox couple is dissolved in an organic solvent, and oxidation. Examples thereof include a molten salt containing a reducing pair. Furthermore, a solid electrolyte or a hole transport material can also be used.
[0143]
The electrolytic solution used in the present invention preferably comprises an electrolyte, a solvent and an additive. As electrolyte, (a) I2And iodide (LiI, NaI, KI, CsI, CaI2(B) Br in combination with a metal iodide such as tetraalkylammonium iodide, pyridinium iodide, quaternary ammonium compounds such as imidazolium iodide, etc.2And bromide (LiBr, NaBr, KBr, CsBr, CaBr2(C) Metal complexes such as ferrocyanate-ferricyanate and ferrocene-ferricinium ions, etc., in combination with metal bromides such as tetrabromonium bromide, pyridinium bromide, and the like. (D) Sulfur compounds such as sodium polysulfide and alkylthiol-alkyldisulfides, (e) viologen dyes, hydroquinone-quinones and the like can be used. Above all, I2An electrolyte in which LiI, a pyridinium iodide, an iodine salt of a quaternary ammonium compound such as imidazolium iodide is combined is preferable. The above electrolytes may be used as a mixture. The electrolyte was melted at room temperature as described in EP718288, WO95 / 18456, J. Electrochem. Soc., Vol.143, No. 10, 3099 (1996), Inorg. Chem., 35, 1168-1178 (1996). The salt (molten salt) can also be used. When using a molten salt as an electrolyte, the solvent may not be used.
[0144]
The preferable electrolyte concentration is 0.1 to 15M, more preferably 0.2 to 10M. Further, when iodine is added to the electrolyte, a preferable concentration of iodine is 0.01 to 0.5M.
[0145]
As the electrolyte solvent, it is desirable to use a compound that can exhibit excellent ionic conductivity because it has low viscosity and high ion mobility, or has a high dielectric constant and high effective carrier concentration, or both. . Examples of such solvents include the following.
[0146]
(A) Carbonates
For example, ethylene carbonate, propylene carbonate, vinylene carbonate, butylene carbonate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, methyl ethyl carbonate, dipropyl carbonate and the like are preferable.
[0147]
(B) Lactones
For example, γ-butyrolactone, γ-valerolactone, γ-caprolactone, crotolactone, γ-caprolactone, δ-valerolactone and the like are preferable.
[0148]
(C) Ethers
For example, ethyl ether, 1,2-dimethoxyethane, diethoxyethane, trimethoxymethane, ethylene glycol dimethyl ether, polyethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxolane, 1,4-dioxane and the like are preferable.
[0149]
(D) Alcohols
For example, methanol, ethanol, ethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, polyethylene glycol monoalkyl ether, polypropylene glycol monoalkyl ether and the like are preferable.
[0150]
(E) Glycols
For example, ethylene glycol, propylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, glycerin and the like are preferable.
[0151]
(F) Glycol ethers
For example, ethylene glycol dialkyl ether, propylene glycol dialkyl ether, polyethylene glycol dialkyl ether, polypropylene glycol dialkyl ether and the like are preferable.
[0152]
(G) Tetrahydrofurans
For example, tetrahydrofuran, 2-methyltetrahydrofuran and the like are preferable.
[0153]
(H) Nitriles
For example, acetonitrile, glutarodinitrile, propionitrile, methoxyacetonitrile, benzonitrile and the like are preferable.
[0154]
(I) Carboxylic acid esters
For example, methyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, methyl propionate and the like are preferable.
[0155]
(J) Phosphoric acid triesters
For example, trimethyl phosphate and triethyl phosphate are preferable.
[0156]
(K) Heterocyclic compounds
For example, N-methylpyrrolidone, 4-methyl-1,3-dioxane, 2-methyl-1,3-dioxolane, 3-methyl-2-oxazolidinone, 1,3-propane sultone, sulfolane and the like are preferable.
[0157]
(L) Other
Preferred are aprotic organic solvents such as dimethyl sulfoxide, formamide, N, N-dimethylformamide, nitromethane, and water.
[0158]
Of these, carbonate-based solvents, nitrile-based solvents, and heterocyclic compound-based solvents are preferable. These solvents may be used as a mixture of two or more if necessary.
[0159]
In the present invention, bases such as t-butylpyridine, 2-picoline, 2,6-lutidine and the like described in J. Am. Ceram. Soc., 80 (12), 3157-3171 (1997) Sexual compounds can also be added. A preferable concentration range when adding a basic compound is 0.05 to 2M.
[0160]
The electrolyte can be used after being gelled (solidified) by a method such as addition of a polymer or an oil gelling agent, polymerization of coexisting polyfunctional monomers, or a crosslinking reaction with the polymer. In the case of gelation by addition of a polymer, compounds described in “Polymer Electrolyte Reviews-1,2” (JR MacCaLLum and CA Vincent, ELSEIVER APPLIED SCIENCE) can be used, but in particular, polyacrylonitrile, polyfluoride. It is preferred to use vinylidene chloride. In the case of gelation by adding an oil gelling agent, J. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Sec., 46, 779 (1943), J. Am. Chem. Soc., 111, 5542 (1989), J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993, 390, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35, 1949 (1996), Chem. Lett., 1996, 885, J. Chem. Soc., Compounds described in Chem. Commun., 545 (1997) and the like can be used. Of these, preferred compounds are those having an amide structure in the molecular structure.
[0161]
When a gel electrolyte is formed by polymerization of polyfunctional monomers coexisting with the electrolyte, a solution is prepared from the polyfunctional monomers, polymerization initiator, electrolyte and solvent, and cast, coating, dipping, impregnation, etc. It is coated on the dye-sensitized semiconductor fine particle layer (photosensitive layer 20) by a method. As shown in FIG. 1, a method is preferred in which a gap between the dye-sensitized semiconductor fine particles 21 is filled with a sol-like electrolyte, a sol-like electrolyte layer is formed on the photosensitive layer 20, and then gelled by radical polymerization. .
[0162]
The polyfunctional monomer is preferably a compound having two or more ethylenically unsaturated groups, such as divinylbenzene, ethylene glycol dimethacrylate, ethylene glycol diacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, diethylene glycol diacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol. Ethylene glycol diacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, pentaerythritol triacrylate, trimethylolpropane triacrylate and the like are preferable.
[0163]
The gel electrolyte may contain a monofunctional monomer in addition to the polyfunctional monomer. Examples of the monofunctional monomer include esters or amides derived from acrylic acid or α-alkyl acrylic acid (for example, methacrylic acid) (for example, N-isopropylacrylamide, acrylamide, 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid, Derived from acrylamidopropyltrimethylammonium chloride, methyl acrylate, hydroxyethyl acrylate, N-propyl acrylate, N-butyl acrylate, 2-methoxyethyl acrylate, cyclohexyl acrylate, etc.), vinyl esters (eg vinyl acetate), maleic acid or fumaric acid Esters (eg dimethyl maleate, dibutyl maleate, diethyl fumarate, etc.), organic acid salts (eg sodium salt of maleic acid, fumaric acid or p-styrene sulfonic acid) ), Nitriles (acrylonitrile, methacrylonitrile, etc.), dienes (eg, butadiene, cyclopentadiene, isoprene, etc.), aromatic vinyl compounds (eg, styrene, p-chlorostyrene, sodium styrenesulfonate, etc.), nitrogen-containing complex Vinyl compounds having a ring, vinyl compounds having a quaternary ammonium salt, N-vinylformamide, N-vinyl-N-methylformamide, vinyl sulfonic acid, sodium vinyl sulfonate, vinylidene fluoride, vinylidene chloride, vinyl alkyl ether (For example, methyl vinyl ether), olefins (ethylene, propylene, 1-butene, isobutene, etc.), N-phenylmaleimide and the like are preferable. The ratio of the polyfunctional monomer to the total amount of the monomer is preferably 0.5 to 70% by weight, and more preferably 1.0 to 50% by weight.
[0164]
The above-mentioned monomers for gel electrolytes include “Experimental Methods for Polymer Synthesis” written by Takayuki Otsu and Masaaki Kinoshita (Chemical Doujin), “Lecture Polymerization Reaction Theory 1 Radical Polymerization (I)” (Chemical Doujinshi), etc. Can be polymerized by radical polymerization, which is a general polymer synthesis method described in 1). The radical polymerization of the gel electrolyte monomer can be carried out by heating, light, ultraviolet light, electron beam, or the like, or electrochemically, but it is particularly preferable to carry out radical polymerization by heating.
[0165]
When the crosslinked polymer is formed by heating, preferred polymerization initiators include, for example, 2,2′-azobis (isobutyronitrile), 2,2′-azobis (dimethylvaleronitrile), dimethyl 2,2′-azobis ( Azo initiators such as 2-methylpropionate) and peroxide initiators such as benzoyl peroxide. A preferable addition amount of the polymerization initiator is 0.01 to 20% by weight, more preferably 0.1 to 10% by weight, based on the total amount of monomers.
[0166]
The weight composition range of the monomers in the gel electrolyte is preferably 0.5 to 70% by weight, more preferably 1.0 to 50% by weight.
[0167]
When gelling an electrolyte by a polymer crosslinking reaction, it is desirable to use a polymer having a crosslinkable reactive group and a crosslinking agent in combination. Preferred crosslinkable reactive groups are nitrogen-containing heterocycles (eg, pyridine ring, imidazole ring, thiazole ring, oxazole ring, triazole ring, morpholine ring, piperidine ring, piperazine ring, etc.), and preferred crosslinkers are attached to the nitrogen atom. On the other hand, it is a bifunctional or higher functional reagent (for example, alkyl halide, halogenated aralkyl, sulfonate ester, acid anhydride, acid chloride, isocyanate, etc.) capable of electrophilic reaction.
[0168]
Organic and / or inorganic hole transport materials can also be used in place of the electrolyte. Examples of the organic hole transport material that can be preferably used in the present invention include the following.
[0169]
(A) Aromatic amines
N, N'-diphenyl-N, N'-bis (4-methoxyphenyl)-(1,1'-biphenyl) -4,4'-diamine (J. Hagen et al., Synthetic Metal, 89, 2153- 220, (1997)), 2,2 ', 7,7'-tetrakis (N, N-di-p-methoxyphenylamine) 9,9'-spirobifluorene (Nature, Vol.395, 8 Oct. 1998) , pp.583-585 and WO97 / 10617), an aromatic diamine compound in which a tertiary aromatic amine unit of 1,1-bis [4- (di-p-tolylamino) phenyl] cyclohexane is linked (Japanese Patent Laid-Open No. Sho 59- 194393), 4,4'-bis [(N-1-naphthyl) -N-phenylamino] biphenyl, which contains two or more tertiary amines and two or more condensed aromatic rings are nitrogen atoms Aromatic amines bonded to benzene (JP-A-5-34681), derivatives of triphenylbenzene having a starburst structure (US Pat. No. 4,923,774, JP-A-4-308688), N, N′-diphenyl -N, N'-bis (3-methylphenyl)-(1,1'-biphe ) Aromatic diamines such as 4,4′-diamine (US Pat. No. 4,764,625), α, α, α ′, α′-tetramethyl-α, α′-bis [4- (di-p-tolylamino) ) Phenyl] -p-xylene (Japanese Patent Laid-Open No. 3-269084), p-phenylenediamine derivative, triphenylamine derivative whose whole molecule is sterically asymmetric (Japanese Patent Laid-Open No. 4-129271), aromatic diamino group to pyrenyl group Are substituted compounds (Japanese Patent Laid-Open No. 4-175395), aromatic diamines having tertiary aromatic amine units linked with ethylene groups (Japanese Patent Laid-Open No. 4-264189), aromatic diamines having a styryl structure (Japanese Patent Laid-Open No. -290851), a benzylphenyl compound (JP-A-4-364153), a tertiary amine linked by a fluorene group (JP-A-554753), a triamine compound (JP-A-5-239455), bis (di Pyridylamino) biphenyl (JP-A-5-320634), N, N, N-triphenylamine derivatives (JP-A-6-1972) , Aromatic diamine (JP-A-7-138562) having a Fenokizajin structure, diaminophenyl phenanthridine derivatives (Japanese Patent Laid-Open No. 7-252474) or the like.
[0170]
(B) Oligothiophene compound
α-octylthiophene and α, ω-dihexyl-α-octylthiophene (Adv. Mater., Vol. 9, No. 7, 5578 (1997)), hexadodecyl dodecithiophene (Angew. Chem. Int. Ed. Engl , 34, No.3, 303-307 (1995)), 2,8-dihexylanthra [2,3-b: 6,7-b '] dithiophene (JACS, Vol.120, No.4, 664〜 672 (1998)).
[0171]
(C) Conductive polymer
Polypyrrole (K. Murakoshi et al., Chem. Lett., 1997, p.471), and polyacetylene and its derivatives, poly (p-phenylene) and its derivatives, poly (p-phenylenevinylene) and its derivatives, polythieny Lembinylene and its derivatives, polythiophene and its derivatives, polyaniline and its derivatives, and polytoluidine and its derivatives, etc. ("Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers", Vol.1-4 (by NALWA, published by WILEY) ing).
[0172]
In organic hole transport materials, tris (4-bromophenyl) aminium hexachloro is used to control the dopant level as described in Nature, Vol. 395, 8 Oct. 583-585 (1998). Li [(CF to add a compound containing a cation radical such as antimonate or to control the potential of the oxide semiconductor surface (compensation of the space charge layer)ThreeSO2)2A salt such as N] may be added.
[0173]
The organic hole transport material can be introduced into the electrode by a technique such as a vacuum deposition method, a casting method, a coating method, a spin coating method, a dipping method, an electrolytic polymerization method, or a photoelectrolytic polymerization method. When a hole transport material is used instead of an electrolytic solution, a titanium dioxide thin film is used by a technique such as spray pyrolysis described in Electorochim. Acta, 40, 643 to 652 (1995) to prevent short circuit. The layer is preferably applied as an undercoat layer.
[0174]
When an inorganic solid compound is used instead of the electrolyte, copper iodide (p-CuI) (J. Phys. D: Appl. Phys., 31, 1492-1496 (1998)), copper thiocyanide (Thin Solid Films, 261 (1995), 307-310, J. Appl. Phys., 80 (8), 15 October 1996, 4749-4754, Chem. Mater., 1998, 10, 1501-1509, SemiCond. Sci. Technol., 10 , 1689-1693) can be introduced into the electrode by techniques such as casting, coating, spin coating, dipping, and electrolytic plating.
[0175]
The following two methods can be used to form the charge transfer layer. One is that a counter electrode is bonded to a dye-sensitized semiconductor fine particle layer via a spacer, and the open end of both is immersed in an electrolyte solution, so that the inside of the semiconductor fine particle layer and between the semiconductor fine particle layer and the counter electrode are In this method, the electrolyte solution is infiltrated into the gap. The other is a method of applying an electrolyte solution to the semiconductor fine particle layer so that the electrolyte solution penetrates into the semiconductor fine particle layer, forming a charge transfer layer on the semiconductor fine particle layer, and finally providing a counter electrode.
[0176]
In the former case, as a method of infiltrating the electrolyte solution into the gap between the semiconductor fine particle layer and the counter electrode, the atmospheric pressure method using capillary action and the upper open end of the semiconductor fine particle layer and the counter electrode (the one not immersed in the electrolyte solution) There is a decompression method that sucks up from the open end.
[0177]
In the latter case, a counter electrode is applied to the wet charge transfer layer without being dried, and measures for preventing liquid leakage at the edge portion are taken. In the case of a gel electrolyte, the counter electrode may be provided after being applied wet and solidified by a method such as polymerization, or may be solidified after providing the counter electrode. As a method of forming a layer of a wet organic hole transport material or a gel electrolyte in addition to the electrolytic solution, as in the case of the formation of a semiconductor fine particle layer and dye adsorption, a dipping method, a roller method, a dip method, an air knife method, The extrusion method, slide hopper method, wire bar method, spin method, spray method, casting method, various printing methods, etc. can be used. In the case of a solid electrolyte or a solid hole transport material, a charge transfer layer may be formed by a dry film forming process such as a vacuum deposition method or a CVD method, and then a counter electrode may be provided.
[0178]
In the case of an electrolyte solution or a wet hole transport material that cannot be solidified, it is preferable to seal the edge portion immediately after coating. In the case of a hole transport material that can be solidified, a hole transport layer is formed by wet application. After the film is formed, it is preferably solidified by a method such as photopolymerization or thermal radical polymerization. As described above, the film application method may be appropriately selected depending on the properties of the electrolytic solution and the process conditions.
[0179]
The water content in the charge transfer layer is preferably 10,000 ppm or less, more preferably 2,000 ppm or less, and particularly preferably 100 ppm or less.
[0180]
(D) Counter electrode
The counter electrode acts as a positive electrode of the photoelectrochemical cell when the photoelectric conversion element is a photoelectrochemical cell. Similar to the conductive support described above, the counter electrode may have a single-layer structure of a counter electrode conductive layer made of a conductive material, or may be composed of a counter electrode conductive layer and a support substrate. As a conductive material used for the counter electrode conductive layer, metals (for example, platinum, gold, silver, copper, aluminum, rhodium, indium, etc.), carbon, conductive metal oxide (indium-tin composite oxide, tin oxide doped with fluorine) Etc.). Examples of a preferable support substrate for the counter electrode are glass and plastic, and the above conductive material is applied or vapor-deposited thereon. The thickness of the counter electrode conductive layer is not particularly limited, but is preferably 3 nm to 10 μm. When the counter electrode conductive layer is made of metal, the thickness is preferably 5 μm or less, and more preferably in the range of 5 nm to 3 μm.
[0181]
Since light may be irradiated from either or both of the conductive support and the counter electrode, in order for light to reach the photosensitive layer, at least one of the conductive support and the counter electrode may be substantially transparent. . From the viewpoint of improving the power generation efficiency, it is preferable to make the conductive support transparent so that light is incident from the conductive support side. In this case, the counter electrode preferably has a property of reflecting light. As such a counter electrode, glass or plastic on which a metal or a conductive oxide is deposited, or a metal thin film can be used.
[0182]
The procedure for providing the counter electrode support is as follows: (b) after forming the charge transfer layer and (b) after disposing the counter electrode on the dye-sensitized semiconductor fine particle layer via a spacer. There are two ways to fill the gap with the electrolyte solution. In the case of (a), a conductive material is directly applied, plated or vapor deposited (PVD, CVD) on the charge transfer layer, or the conductive layer side of the substrate having the conductive layer is attached. In the case of (b), the counter electrode is assembled and fixed on the dye-sensitized semiconductor fine particle layer via a spacer, and the open end of the obtained assembly is immersed in an electrolyte solution, utilizing capillary action or reduced pressure. The electrolyte solution is infiltrated into the gap between the dye-sensitized semiconductor fine particle layer and the counter electrode. At this time, when the electrolyte is a polymer electrolyte, it is crosslinked by heating or the like as necessary. Further, as in the case of the conductive support, it is preferable to use a metal lead for the purpose of reducing the resistance of the counter electrode, particularly when the counter electrode is transparent. The preferable metal lead material and installation method, the reduction in the amount of incident light due to the metal lead installation, and the like are the same as those for the conductive support.
[0183]
(E) Other layers
A functional layer such as a protective layer or an antireflection layer may be provided on one or both of the conductive support and the counter electrode acting as an electrode. When such a functional layer is formed in multiple layers, a simultaneous multilayer coating method or a sequential coating method can be used, but the simultaneous multilayer coating method is preferable from the viewpoint of productivity. In the simultaneous multilayer coating method, the slide hopper method and the extrusion method are suitable in view of productivity and coating film uniformity. For forming these functional layers, an evaporation method, a bonding method, or the like can be used depending on the material.
[0184]
(F) Specific example of internal structure of photoelectric conversion element
As described above, the internal structure of the photoelectric conversion element can take various forms depending on the purpose. If roughly divided into two, a structure that allows light to enter from both sides and a structure that allows only one side are possible. 2 to 9 illustrate the internal structure of a photoelectric conversion element that can be preferably applied to the present invention.
[0185]
In FIG. 2, a photosensitive layer 20 and a charge transfer layer 30 are interposed between a transparent conductive layer 10a and a transparent counter electrode conductive layer 40a, and light is incident from both sides. In FIG. 3, a part of the metal lead 11 is provided on the transparent substrate 50a, the transparent conductive layer 10a is further provided, the undercoat layer 60, the photosensitive layer 20, the charge transfer layer 30 and the counter electrode conductive layer 40 are provided in this order and further supported. A substrate 50 is disposed, and light is incident from the conductive layer side. In FIG. 4, a conductive layer 10 is provided on a support substrate 50, a photosensitive layer 20 is provided via an undercoat layer 60, a charge transfer layer 30 and a transparent counter electrode conductive layer 40a are provided, and a metal lead 11 is provided in part. The provided transparent substrate 50a is disposed with the metal lead 11 side inward, and has a structure in which light enters from the counter electrode side. In FIG. 5, the metal lead 11 is provided on each of the two transparent substrates 50a, and the undercoat layer 60, the photosensitive layer 20, and the charge transfer layer 30 are interposed between the transparent conductive layer 10a or the transparent counter electrode conductive layer 40a. In this structure, light enters from both sides. In FIG. 6, a transparent conductive layer 10a is provided on a transparent substrate 50a, a photosensitive layer 20 is provided via an undercoat layer 60, a charge transfer layer 30 and a counter electrode conductive layer 40 are provided, and a support substrate 50 is disposed thereon. In this structure, light enters from the conductive layer side. In FIG. 7, the conductive layer 10 is provided on the support substrate 50, the photosensitive layer 20 is provided via the undercoat layer 60, the charge transfer layer 30 and the transparent counter electrode conductive layer 40a are provided, and the transparent substrate 50a is disposed thereon. In this structure, light is incident from the counter electrode side. In FIG. 8, a transparent conductive layer 10a is provided on a transparent substrate 50a, a photosensitive layer 20 is provided via an undercoat layer 60, a charge transfer layer 30 and a transparent counter electrode conductive layer 40a are provided, and a transparent substrate 50a is provided thereon. It is arranged and has a structure in which light enters from both sides. In FIG. 9, a conductive layer 10 is provided on a support substrate 50, a photosensitive layer 20 is provided via an undercoat layer 60, a solid charge transfer layer 30 is further provided, and a partially counter electrode conductive layer 40 or a metal lead 11 is provided thereon. It has a structure in which light is incident from the counter electrode side.
[0186]
[3] Photoelectrochemical cell
The photoelectrochemical cell of the present invention is one in which the photoelectric conversion element is caused to work in an external circuit. In order to prevent deterioration of components and volatilization of the contents of the photoelectrochemical cell, it is preferable to seal the side surface with a polymer or an adhesive. The external circuit itself connected to the conductive support and the counter electrode via a lead may be a known one.
[0187]
[4] Dye-sensitized solar cell
When the photoelectric conversion element of the present invention is applied to a so-called solar battery, the structure inside the cell is basically the same as the structure of the photoelectric conversion element described above. Hereinafter, a module structure of a solar cell using the photoelectric conversion element of the present invention will be described.
[0188]
The dye-sensitized solar cell of the present invention can basically have the same module structure as a conventional solar cell module. The solar cell module generally has a structure in which cells are formed on a support substrate such as metal or ceramic, and the cell is covered with a filling resin or protective glass, and light is taken in from the opposite side of the support substrate. It is also possible to use a transparent material such as tempered glass for the support substrate, configure a cell thereon, and take in light from the transparent support substrate side. Specifically, a module structure called a super straight type, a substrate type, and a potting type, a substrate integrated module structure used in an amorphous silicon solar cell, and the like are known. The module structure of the dye-sensitized solar cell of the present invention can be appropriately selected depending on the purpose of use, the place of use and the environment.
[0189]
In a typical super straight type or substrate type module, cells are arranged at regular intervals between support substrates that are transparent on one or both sides and treated with antireflection, and adjacent cells are connected by metal leads or flexible wiring. The current collector electrode is connected to the outer edge portion, and the generated power is taken out to the outside. Various types of plastic materials such as ethylene vinyl acetate (EVA) may be used between the substrate and the cell in the form of a film or a filling resin depending on the purpose in order to protect the cell and improve the current collection efficiency. Also, when used in places where there is no need to cover the surface with a hard material, such as where there is little impact from the outside, the surface protective layer is made of a transparent plastic film, or the protective function is achieved by curing the filling resin. It is possible to eliminate the supporting substrate on one side. The periphery of the support substrate is fixed in a sandwich shape with a metal frame in order to ensure internal sealing and module rigidity, and a sealing material is hermetically sealed between the support substrate and the frame. Further, if a flexible material is used for the cell itself, the support substrate, the filling material, and the sealing material, a solar cell can be formed on the curved surface.
[0190]
Super straight type solar cell module, for example, while transporting the front substrate sent out from the substrate supply device by a belt conveyor etc., the cell is placed on it together with the lead wire for sealing material-cell connection, the back surface sealing material, etc. After sequentially laminating, a back substrate or a back cover can be placed and a frame can be set on the outer edge.
[0191]
On the other hand, in the case of the substrate type, while the supporting substrate sent from the substrate supply device is conveyed by a belt conveyor or the like, the cells are sequentially laminated together with the inter-cell connection lead wires, the sealing material, etc. It can be made by placing and setting a frame on the peripheral edge.
[0192]
FIG. 10 shows an example of a structure in which the photoelectric conversion element of the present invention is integrated into a substrate. FIG. 10 has a transparent conductive layer 10a on one surface of a transparent substrate 50a, and further a dye adsorbing TiO2A cell having a photosensitive layer 20, containing a solid charge transfer layer 30, and a metal counter electrode conductive layer 40 is modularized, and the antireflection layer 70 is provided on the other surface of the substrate 50a. . In the case of such a structure, it is preferable to increase the area ratio of the photosensitive layer 20 (area ratio when viewed from the side of the substrate 50a that is the light incident surface) in order to increase the utilization efficiency of incident light.
[0193]
In the case of the module having the structure shown in FIG. 10, selective plating, selective etching, CVD, PVD, etc. so that a transparent conductive layer, a photosensitive layer, a charge transfer layer, a counter electrode, etc. are arranged on a substrate at three-dimensional intervals. Desired by patterning using semiconductor process technology, laser scribing after pattern coating or wide coating, plasma CVM (described in Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p373-381), grinding, etc. A modular structure can be obtained.
[0194]
Other members and processes will be described in detail below.
[0195]
Sealing materials include liquid EVA (ethylene vinyl acetate), film-like EVA, and vinylidene fluoride depending on the purpose such as weather resistance, electrical insulation, light collection efficiency, and cell protection (impact resistance). Various materials such as a mixture of a polymer and an acrylic resin can be used. It is preferable to use a sealing material having high weather resistance and moisture resistance between the outer edge of the module and the frame surrounding the periphery. Moreover, a transparent filler can be mixed in the sealing material to increase strength and light transmittance.
[0196]
When the sealing material is fixed on the cell, a method suitable for the physical properties of the material is used. In the case of film-like materials, various methods such as heat adhesion after roll pressurization, heat adhesion after vacuum pressurization, etc., in the case of liquid or paste-like materials, various methods such as roll coat, bar coat, spray coat, screen printing, etc. are possible. is there.
[0197]
When a flexible material such as PET or PEN is used as the support substrate, a roll-shaped support is drawn out to form a cell thereon, and then a sealing layer can be continuously laminated by the above method. High productivity.
[0198]
In order to increase the power generation efficiency, the surface of the substrate (generally tempered glass) on the light intake side of the module is subjected to antireflection treatment. Examples of the antireflection treatment method include a method of laminating an antireflection film and a method of coating an antireflection layer.
[0199]
In addition, it is possible to increase the utilization efficiency of incident light by processing the surface of the cell by a method such as grooving or texturing.
[0200]
In order to increase power generation efficiency, it is most important to capture light into the module without loss. However, light that has passed through the photoelectric conversion layer and reached the inside is reflected and returned efficiently to the photoelectric conversion layer side. It is also important. As a method for increasing the light reflectivity, the support substrate surface is mirror-polished and then Ag or Al is vapor deposited or plated. An alloy layer such as Al-Mg or Al-Ti is used as a reflective layer on the bottom layer of the cell. There are a method of providing, a method of forming a texture structure in the lowermost layer by annealing, and the like.
[0201]
In order to increase the power generation efficiency, it is important to reduce the inter-cell connection resistance in order to suppress the internal voltage drop. As a method for connecting cells, wire bonding and connection by a conductive flexible sheet are generally used, but a method of electrically connecting and fixing cells using a conductive adhesive tape or a conductive adhesive at the same time, conductive There is also a method of applying a pattern to the desired position of the hot melt.
[0202]
In the case of a solar cell using a flexible support such as a polymer film, cells are sequentially formed by the above-mentioned method while feeding out a roll-shaped support, cut into a desired size, and the periphery is flexible and moisture-proof. The battery body can be produced by sealing with a material. A module structure called “SCAF” described in Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391 can also be used. Furthermore, a solar cell using a flexible support can be used by being bonded and fixed to a curved glass or the like.
[0203]
As described above in detail, solar cells having various shapes and functions can be manufactured in accordance with the purpose of use and usage environment.
[0204]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to them.
[0205]
1. Synthesis of metal complex dyes
Hereinafter, methods for synthesizing the metal complex dyes D-8, D-75, D-1, D-71, D-3, and D-73 of the present invention will be described.
[0206]
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[0207]
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[0208]
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[0209]
(A) Synthesis of D-8
An aqueous solution prepared by dissolving 24.6 g (0.2 mol) of p-anisidine 1 and 20 ml of concentrated hydrochloric acid in 150 ml of water, and 39.7 g (0.24 mol) of chloral hydrate 2 and 250 g of sodium sulfate in 850 ml of water. In addition, an aqueous solution in which 49.7 g (0.71 mol) of hydroxylamine hydrochloride was dissolved in 600 ml of water was added, and the mixture was refluxed for 10 minutes. The aqueous solution was cooled, and the crystals were separated by filtration and washed with water to obtain 33.7 g of brown crystals of oxime 3 (yield 87%).
[0210]
17.5 g (90 mmol) of oxime 3 was dissolved in 100 ml of 90% sulfuric acid and heated and stirred at 80 ° C. for 10 minutes. After cooling, the mixture was poured into 2 liters of water and stirred, and the resulting crystals were collected by filtration and washed with water to obtain 5.0 g of methoxyisatin 4 crystals (yield 31%).
[0211]
To a mixture of 1.95 g (11 mmol) of methoxyisatin 4 and 1.21 g (10 mmol) of acetylpyridine 5, 5.5 g of NaOH 33% aqueous solution was dropped at 5 ° C., and the mixture was stirred at 5 ° C. for 1 hour and at 60 ° C. for 1 hour. . To this was added 10 ml of ice water, and the mixture was filtered and washed with ice water and acetone to obtain 1.12 g of crystals of pyridylquinoline 6 (yield 31%).
[0212]
0.60 g (2 mmol) of pyridylquinoline 6 and 0.26 g (1 mmol) of ruthenium chloride trihydrate were dissolved in 15 ml of dry N, N-dimethylformamide and refluxed in the dark for 8 hours under a nitrogen atmosphere. After concentration under reduced pressure, it was dispersed in acetonitrile and filtered to obtain 0.77 g of ruthenium complex 7 crystals (yield 99%).
[0213]
0.143 g (0.2 mmol) of ruthenium complex 7 and sodium thiocyanate 0.18 g (2.2 mmol) were dissolved in a mixed solvent of N, N-dimethylformamide 10 ml / water 3 ml and refluxed in the dark for 6 hours under a nitrogen atmosphere. . After concentration under reduced pressure, dissolve in water, add dilute nitric acid to precipitate crystals, filter, wash with water, and purify with Sephadex column LH-20 (developing solvent: methanol) to obtain 0.072 g of metal complex dye D-8. Obtained (yield 50%). The structure was confirmed by NMR spectrum.
[0214]
(B) Synthesis of D-75
0.12 g (0.2 mmol) of ruthenium complex 8 synthesized according to the method described in J. Chem. Soc., Dalton, 1973, 204 and 0.032 g (2.4 mmol) of sodium thiocyanate were added to 30 ml of N, N-dimethylformamide. The mixture was dissolved in a mixed solvent of 10 ml of water and refluxed in the dark for 2 hours under a nitrogen atmosphere. To this, 0.06 g (0.2 mmol) of pyridylquinoline 6 was added and refluxed for 6 hours, and further 15 ml of triethylamine was added and refluxed for 6 hours. Concentrate the reaction solution, dissolve in methanol and purify with Sephadex column LH-20 (developing solvent: methanol), concentrate and dissolve in water, add dilute nitric acid to precipitate crystals, filter and separate 0.060 g of metal Complex dye D-75 was obtained (yield 41%). The structure was confirmed by NMR spectrum.
[0215]
(C) Synthesis of D-1 and D-71
Pyridylquinoline 10 was synthesized in the same manner as the synthesis of pyridylquinoline 6 except that an equimolar amount of commercially available isatin 9 was used instead of methoxyisatin 4. Using this pyridylquinoline 10 in place of pyridylquinoline 6, metal complex dyes D-1 and D-71 were respectively synthesized in the same manner as the synthesis of D-8 and D-75. The structure was confirmed by NMR spectrum.
[0216]
(D) Synthesis of D-3 and D-73
Metal complex dyes D-3 and D-73 were respectively synthesized in the same manner as the synthesis of D-1 and D-71 except that 1/2 mole of sodium dithiocarbamate 11 was used instead of sodium thiocyanate. The structure was confirmed by NMR spectrum.
[0217]
(E) Synthesis of other dyes
Other metal complex dyes used in the following examples can be synthesized in the same manner as in the above synthesis examples by appropriately combining specific examples of each ligand. Each ligand can be easily obtained as a commercial product, or a literature such as Synth. Commun., 27, 2165 (1997), Aust. J. Chem., 25, 1631 (1972) or the like. Can be synthesized with reference to the cited references.
[0218]
2. Absorption spectrum measurement
Absorption spectra in methanol were measured for D-1, D-3, D-8, D-71, D-73, D-75 and Comparative Dye 1. Table 1 shows the absorption maximum wavelength and the long wavelength end.
[0219]
[Table 1]
[0220]
As is clear from Table 1, the absorption maximum wavelength of the metal complex dye of the present invention was longer and broader than that of the comparative dye 1. Therefore, it is very preferable to use the metal complex dye of the present invention for a photoelectrochemical cell because it can be spectrally sensitized to a longer wavelength light and converted into a photocurrent.
[0221]
3. Preparation of titanium dioxide dispersion
Inside a Teflon-coated stainless steel container with an inner volume of 200 ml, titanium dioxide (Nippon Aerosil Co., Ltd., Degussa P-25) 15 g, water 45 g, dispersant (Aldrich Triton X-100) 1 g, diameter 0.5 mm 30 g of zirconia beads (made by Nikkato Co., Ltd.) was added, and dispersion treatment was performed at 1500 rpm for 2 hours using a sand grinder mill (made by Imex Corporation). Zirconia beads were removed from the obtained dispersion by filtration. The average particle diameter of the titanium dioxide fine particles in the obtained dispersion was 2.5 μm. The particle size was measured with a master sizer manufactured by MALVERN.
[0222]
4). TiO with adsorbed dye2Electrode fabrication
A glass rod is placed on the conductive surface side of the conductive glass with a tin oxide layer doped with fluorine (TCO glass-U made by Asahi Glass Co., Ltd. cut to a size of 20mm x 20mm, surface resistance approx. 30Ω / □) Used to apply the above dispersion (semiconductor fine particle coating amount 20 g / m2). At that time, adhesive tape was stretched on a part of the conductive surface side (3 mm from the end) to form a spacer, and glass was lined up so that the adhesive tape came to both ends, and 8 sheets were applied at a time. After application, the adhesive tape was peeled off and air-dried at room temperature for 1 day. Next, this glass was put into an electric furnace (muffle furnace FP-32 type manufactured by Yamato Scientific Co., Ltd.) and baked at 450 ° C. for 30 minutes, and TiO2An electrode was obtained. After this electrode was taken out and cooled, methanol solutions of the metal complex dye and comparative dye 1 of the present invention (both 3 × 10-Fourmol / l) for 15 hours. TiO dyed2The electrode was immersed in 4-t-butylpyridine for 15 minutes, then washed with ethanol and air dried. The resulting photosensitive layer had a thickness of 10 μm.
[0223]
5). Production of photoelectrochemical cell
Dye-sensitized TiO prepared as described above2An electrode substrate (20 mm × 20 mm) was overlapped with platinum-deposited glass of the same size. Next, using a capillary phenomenon in the gap between the two glasses, an electrolytic solution (3-methoxypropionitrile as electrolyte with 1-methyl-3-hexylimidazolium iodine salt (0.65 mol / l) and iodine (0.05 mol / l) l) and soak in TiO2This was introduced into an electrode to obtain a photoelectrochemical cell. According to the present example, a conductive support layer (conducting a conductive layer 10a on a glass transparent substrate 50a), dye-sensitized TiO, as shown in FIG.2A photoelectrochemical cell in which the photosensitive layer 20, the charge transfer layer 30 made of the above electrolyte, the counter electrode conductive layer 40 made of platinum, and the transparent substrate 50a made of glass were sequentially laminated and sealed with an epoxy sealant. .
[0224]
6). Measurement of photoelectric conversion wavelength and photoelectric conversion efficiency
The photoelectric conversion efficiency at 800 nm of the obtained photoelectric conversion element was measured by an IPCE (Incident Photon to Current Conversion Efficiency) measuring apparatus manufactured by Optel. Table 2 shows the photoelectric conversion efficiency of the photoelectrochemical cell using each metal complex dye.
[0225]
[Table 2]
[0226]
From Table 2, it can be seen that the comparative dye does not exhibit photoelectric conversion ability with respect to light of 800 nm, whereas the metal complex dye of the present invention exhibits good photoelectric conversion ability. Thus, all of the dyes of the present invention have high photoelectric conversion ability not only in the visible light but also in the infrared region.
[0227]
【The invention's effect】
As described above in detail, since the metal complex dye of the present invention has a good light absorption ability in a wide wavelength range from visible light to infrared, a photoelectric conversion element including semiconductor fine particles adsorbing such metal complex dye is It has high photoelectric conversion characteristics from visible light to infrared region. A photoelectrochemical cell comprising such a photoelectric conversion element is extremely effective as a solar cell.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 2 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 4 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 5 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 6 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 7 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 8 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 9 is a partial cross-sectional view showing a structure of a preferable photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 10 is a partial cross-sectional view showing an example of the structure of a substrate integrated solar cell module using the metal complex dye of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 ... conductive layer
10a ... Transparent conductive layer
11 ... Metal lead
20 ... Photosensitive layer
21 ... Semiconductor fine particles
22 ... Metal complex dye
23 ... Charge transport material
30 ... Charge transfer layer
40 ... Counterelectrode conductive layer
40a ・ ・ ・ Transparent counter electrode conductive layer
50 ... Board
50a ... Transparent substrate
60 ... Undercoat layer
70 ・ ・ ・ Antireflection layer
Claims (4)
M(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI・・・(I)
(ただし、MはRuを表し、LL1は下記一般式(II):
M (LL 1 ) m1 (LL 2 ) m2 (X) m3 · CI (I)
(However, M represents Ru, and LL 1 represents the following general formula (II):
M(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI・・・(I)
(ただし、MはRuであり、LL1は下記一般式(II):
(ただし、R 11 はカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基を表し、R 19 は置換基を表し、R 11 及びR 19 は環上のどの位置に結合していてもよく、d1は0〜4の整数を表し、d9は0〜6の整数を表し、d1が2以上のときR 11 は同じでも異なっていてもよく、d9が2以上のときR 19 は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。)により表される2座の配位子を表し、Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3-ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオウレアまたはイソチオウレアからなる1座または2座の配位子を表し、m1は1または2であり、m1が2のときLL1は同じでも異なっていてもよく、m2は0または1であり、m3は0〜2の整数を表し、m3が2のときXは同じでも異なっていてもよく、またX同士が連結していてもよく、m2とm3は同時に0とはならず、CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。)により表されることを特徴とする金属錯体色素。The following general formula (I):
M (LL 1 ) m1 (LL 2 ) m2 (X) m3 · CI (I)
(However, M is Ru, and LL 1 is represented by the following general formula (II):
(However, R 11 represents a carboxyl group, a sulfonic acid group, a hydroxyl group, a hydroxamic acid group, a phosphoryl group or a phosphonyl group, R 19 represents a substituent, and R 11 and R 19 bind to any position on the ring. D1 represents an integer of 0 to 4, d9 represents an integer of 0 to 6, and when d1 is 2 or more, R 11 may be the same or different, and when d9 is 2 or more, R 19 May be the same or different and may be linked to each other to form a ring.) Represents a bidentate ligand represented by: X represents an acyloxy group, an acylthio group, a thioacyloxy group, a thioacylthio group , Acylaminooxy group, thiocarbamate group, dithiocarbamate group, thiocarbonate group, dithiocarbonate group, trithiocarbonate group, acyl group, thiocyanate group, isothiocyanate group, cyanate group, A monodentate or bidentate ligand coordinated by a group selected from the group consisting of a cyanate group, a cyano group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkoxy group and an aryloxy group, or a halogen atom, carbonyl, dialkyl ketone, 1 Represents a monodentate or bidentate ligand consisting of 1,3-diketone, carbonamide, thiocarbonamide, thiourea or isothiourea, m1 is 1 or 2, and when m1 is 2, LL 1 is the same or different M2 is 0 or 1, m3 represents an integer of 0 to 2, and when m3 is 2, X may be the same or different, and X may be connected to each other, m2 and m3 Are not simultaneously 0, and CI represents a counter ion when a counter ion is required to neutralize the charge. The metal complex pigment | dye characterized by these.
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