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JP4285457B2 - 音場測定装置及び音場測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばマルチチャンネルオーディオシステムを構成する出力手段としてのスピーカの実空間における位置関係を求めることができる音場測定装置及び音場測定方法に関する。
ビデオデータ、音楽データ等の再生装置において臨場感や音質は、ユーザにとって善し悪しが比較的判断しやすい。例えば、ユーザがオーケストラ曲を聴くとき、仮想音場のなかで個々の楽器の位置が鮮明に感じられ、本物のオーケストラが眼前で演奏しているかのようなイメージが想起される音場が生成できることが好ましい。
例えば、再生音場の音像が虚音像として最適な場所に定位するようにL信号とR信号からなる2チャンネルステレオ信号の各信号チャンネルの音量バランスを調整し2つのスピーカから出力する2チャンネルステレオ方式、左右の2チャンネルスピーカの中央にセンタースピーカを加えた3チャンネルステレオ方式、そして更に後方スピーカを加えた5.1チャンネルステレオ方式等が存在する。
例えば、5.1チャンネルステレオ方式のようなマルチチャンネルのオーディオシステムでは、各スピーカから出力される音声信号は、現実的な音場を再現できるように各スピーカから出力される音声信号のパラメータが決定されているが、例えば、聴取者が聴取する位置での再生音声の音量バランスや音質は、リスニングルームの構造、スピーカに対する聴取者の位置等をはじめとする、いわゆるリスニング環境に応じて変化するため、聴取者が実際に感じる音場(音響)が録音時に構成された理想的な再生音場と異なることがあるという問題点があった。
この問題は、例えば、小部屋、自動車内のような小空間で顕著になる。自動車の室内では、聴取者の位置は、座席位置にほぼ限定されるため、スピーカと聴取位置の距離の偏りが大きくなる。そのため、スピーカから出力された音声信号の到達時間の時間差が生じて音場のバランスが大きく乱れる。特に、自動車の室内は、ほぼ密閉された状態にあるために反射音等が複雑に合成されて聴取者に到達し、聴取位置における再生音場を乱す要因にもなる。更に、小部屋や車内は、スピーカの取付位置も制限されるため、スピーカからの出力音が聴取者の耳に直接到達するようなスピーカ配置が実現できないときには、スピーカ配置による音質の変化も再現音場の劣化に大きく影響する。
そのため、聴取者が実際にオーディオシステムを使用するリスニング環境に応じて可能な限り本来の音場に近い再生音場がつくりだされるように出力音声信号に対して適切な音響補正を行うことが知られている。先ず、リスニング環境における音響特性を測定し、測定結果に基づいてオーディオセットの音声出力系に対して音響補正を施す信号処理のパラメータを設定する。そして、ここで設定されたパラメータにしたがって信号処理された音声信号をスピーカから出力することによって、リスニング環境に適合して補正された良好な音場が再現されるわけである。この音響補正としては、例えば、各チャンネルの信号がスピーカから出力されて音声信号が聴取者の聴取位置(耳の位置)にほぼ同時に到達するようにスピーカから聴取位置までの到達時間に応じて音声信号に与える遅延時間を補正すればよい。
音響特性の測定と、この測定結果に基づいた音響補正の一例としては、特許文献1にも開示されているような、音響補正装置を用いた次の手法が知られている。
先ず、オーディオセットを使用する空間、つまりリスニング空間において聴取者の耳の位置(リスニングポジション)に測定用マイクロフォンを配置する。そして、音響補正装置によってスピーカから測定音を出力し、この測定音をマイクロフォンで集音し、集音された音声信号の特性から各スピーカと聴取位置(マイクロフォンの設置位置、すなわち集音位置)との間の距離情報を算出する。距離情報に基づいて、各スピーカから聴取位置までの空間における音声の到達時間が得られるので、音響補正装置は、各スピーカの到達時間の情報を利用して各スピーカから放出された音声が聴取位置に到達するタイミングが一致するように、各スピーカに対応するチャンネルの音声信号の遅延時間を設定することができる。このように、聴取地点までの音声信号の到達時間、位相ずれを補正することを、一般にタイムアライメント調整ともいう。
特開2000−261900号公報
上述した音場測定を行う際、1つのマイクロフォンであれば、リスニング環境における再生音声信号の周波数の局所的な状態(ピークやディップ)や、周波数の特性変化に対して特異的なパラメータの補正値を選択することができるが、複数のマイクロフォンを用いて同等の測定を行って、算出値を平均化等すれば、より柔軟な対応ができることは自明である。
上述したタイムアラインメントの調整方法では、リスニング環境における実際の再生音場を複数のマイクロフォンを使用してリスニング環境内の複数箇所で測定している。しかし、リスニング環境内の複数箇所で測定する場合、マイクロフォンの数が増えると測定が大がかりになるとともに、タイムアラインメントの基準をどこにするかを聴取者が選択しなければならないなど、聴取者にとってタイムアラインメントの調整操作は、煩雑で手間であった。
また上述の理由から、より少ない数のマイクロフォンでリスニング環境内の再生音場を測定したいという要求があるが、例えば2つのマイクロフォンを用いた場合、スピーカとマイクロフォンとの距離が既知なだけでは集音点に対するスピーカ位置が定まらない。
集音点に対するスピーカ位置の候補は、2つの集音点からそれぞれ等距離にある点が全て該当する。すなわち集音点を頂点とする円錐底面の外周上が全てスピーカ位置の候補になり得る。そのため、スピーカと2つの集音点を含む2次元平面に限定したとしても、該当箇所が必ず2箇所算出されてしまう。演算数値上では、この両者の位置関係を区別できないために、スピーカ位置を正確に特定することが困難であった。
そこで本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、通常、2つのマイクロフォンでは特定できないスピーカ位置を特定できる音場測定装置及び音場測定方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る音場測定装置は、所定間隔をあけて配設される第1、第2のマイクロフォンで構成され、第1、第2のスピーカから出力される音声信号を集音するマイクロフォンセットと、第1、第2のマイクロフォンで集音された音声信号に基づいて上記第1、第2のスピーカと上記第1、第2のマイクロフォンとのそれぞれの距離を測定する測定部と、測定された上記それぞれの距離に基づいて第1のスピーカを基準位置とする第1、第2のマイクロフォンの位置及び第2のスピーカの位置を算出する位置算出部とを備え、上記位置算出部は、上記第1のスピーカに対して上記測定部で測定されたマイクロフォン−スピーカ間距離に基づいて、上記第1のスピーカが上記マイクロフォンセットの正方向領域に位置するとして算出するとともに、上記第2のスピーカから出力され、第1の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補と、上記第2のスピーカから出力され、第2の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補とを比較して、上記マイクロフォンセットに対する上記第2のスピーカの位置を上記第1のスピーカを基準位置として特定することにより、再生環境内に配置された第1、第2のスピーカの位置を算出する。
また、本発明に係る音場測定方法は、第1、第2のスピーカから出力される音声信号を、所定間隔をあけて配設される第1、第2のマイクロフォンで構成されるマイクロフォンセットで集音する集音工程と、上記第1、第2のマイクロフォンで集音された音声信号に基づいて上記第1、第2のスピーカと上記第1、第2のマイクロフォンとのそれぞれの距離を測定する測定工程と、測定された上記それぞれの距離に基づいて上記第1のスピーカを基準位置とする上記第1、第2のマイクロフォンの位置及び上記第2のスピーカの位置を算出する位置算出工程とを備え、上記位置算出工程では、上記第1のスピーカに対して上記測定工程で測定されたマイクロフォン−スピーカ間距離に基づいて、上記第1のスピーカが上記マイクロフォンセットの正方向領域に位置するとして算出するとともに、上記第2のスピーカから出力され、第1の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補と、上記第2のスピーカから出力され、第2の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補とを比較して、上記マイクロフォンセットに対する上記第2のスピーカの位置を上記第1のスピーカを基準位置として特定することにより、再生環境内に配置された第1、第2のスピーカの位置を算出する。
2の置と1の置とは、第1、第2のマイクロフォンを結ぶ線上にないことが重要であり、1の置と2の置は、第1のスピーカと第1のマイクロフォンとの距離および第1のスピーカと第2のマイクロフォンとの距離が略等しい配置でもよい。
本発明によれば、リスニング環境における実際の再生音場を2つのマイクロフォンを使用して測定するとき、リスニング環境におけるスピーカ位置を正確に特定することができる。
以下、本発明の具体例として示す音場測定装置について図面を用いて詳細に説明する。具体例として示す音場測定装置は、複数のスピーカが接続され各スピーカから出力される音声信号により録音時の音場をより現実的に再現することができる、いわゆるマルチチャンネル方式に対応したオーディオセットに搭載され、より現実的な音場を生成するために元の音声信号に対して与える音場パラメータ等の解析に必要な各スピーカの位置情報を正確に測定できるようにしたものである。
図1は、本発明に係る音場測定装置を適用したオーディオセット全体の構成例を示している。
図1に示すオーディオセット1は、記録媒体(以下、メディアという。)に記録された音楽コンテンツのデータを読み出すメディア再生部2と、再生された元のマルチチャンネルオーディオ信号の特性を変更する音場補正機能及びマイクロフォン6a、6bが集音した信号を測定する機能を有する音場補正ユニット3と、補正されたマルチチャンネルオーディオ信号のそれぞれを増幅して各種スピーカ51〜5nに供給するパワーアンプ部4とを備え、更に各スピーカから出力された音声信号でつくられる音場を測定する2つのマイクロフォン6a、6bを備えることを特徴とする。また、オーディオセット1は、メモリ部8を備え、音場補正ユニット3において音場を補正する処理、及びスピーカからの出力信号をマイクロフォン6a、6bの集音信号により測定する処理を実行するプログラム、またその処理に必要な情報が格納されている。メモリ部8としては、例えば、フラッシュメモリ等をはじめとした不揮発性かつ書換可能なメモリ素子が適用できる。上述した各部は、制御部7により統括制御されている。
メディア再生部2は、メディアに記録された音声コンテンツのデータを読み出す。メディア再生部2で再生可能なメディアの種別、記録フォーマット等については特に限定されないが、一例としてCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)をあげることができる。
現状のDVDフォーマットでは、オーディオデータは、DVD規格に準拠したDVD Audio、AC3(Audio Code Number 3)等の方式にしたがって圧縮符号化されている。したがって、メディア再生部2は、圧縮符号化されたオーディオデータをデコード処理するデコーダも含まれる。
なお、メディア再生部2は、DVDとオーディオCDの両者が再生可能な、いわゆるコンボドライブであってもよい。また、オーディオ信号の入力先は、メディア再生部2で再生可能なメディアのみならず、テレビジョン放送等を受信復調してビデオ信号及びオーディオ信号を出力するテレビジョンチューナであってもよい。また、有線LAN及び無線LAN、ネットワーク、またこのようなネットワークが互いに接続されてなる、いわゆるインターネット等の大規模ネットワークを介してオーディオ信号を供給するサーバ装置であってもよい。更には、ハードディスク等の大容量記録媒体であってもよい。更に、メディア再生部2は、上述したメディア再生のための構成、テレビジョンチューナ、ネットワーク接続のための構成、HDD等を併せもっていてもよい。
メディア再生部2がマルチオーディオチャンネルに対応する場合、このメディア再生部2によって読み出されたオーディオ信号は、オーディオチャンネル毎に対応した複数系統の信号ラインで出力される。本具体例では、オーディオセット1は、5.1チャンネルサラウンド方式に対応しており、メディア再生部2は、最大で、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(FL)、フロント右チャンネル(FR)、左サラウンドチャンネル(BL)、右サラウンドチャンネル(BR)及びサブウーファチャンネル(SW)に対応するスピーカに対して6系統のオーディオ信号を出力する。メディア再生部2で再生されたオーディオ信号は、音場補正ユニット3の測定機能部と音場補正機能部とで音響特性が補正された信号としてパワーアンプ部4に対して入力される。音場補正ユニット3の詳細については後述する。
パワーアンプ部4は、入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカを駆動するためのドライブ信号を出力する。ここではパワーアンプ部4は、オーディオセット1が対応するチャンネル構成に応じた数の回路系を備え、オーディオ信号を各増幅回路によってチャンネル毎に増幅し、例えば、上述したようなリスニング環境においてしかるべき位置に配置されたセンターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(FL)、フロント右チャンネル(FR)、左サラウンドチャンネル(BL)、右サラウンドチャンネル(BR)、サブウーファチャンネル(SW)に対応するスピーカにドライブ信号を出力する。このマルチチャンネル構成によって、オーディオセット1は、音楽コンテンツが録音されたときのレコーディング環境を現在のリスニング環境に再現することができる。
スピーカ5は、チャンネル数に対応した数だけ接続することができ、本具体例では5.1チャンネルサラウンド方式であるので、チャンネル毎に合計6つのスピーカが接続される。また、7.1チャンネルサラウンド方式に対応していれば、各チャンネルに対応する8つのスピーカが接続可能である。オーディオセット1におけるスピーカ及びマイクロフォンの配置について図2を用いて説明する。
図2は、5.1チャンネルサラウンド方式に対応したオーディオセットにおける典型的なスピーカ配置を示している。本具体例では、説明の便宜上、スピーカの発音中心とマイクロフォンの集音中心とが同じ高さ(同一平面上)に設置されているものとし、2次元平面における配置位置の特定手法として説明するが、3次元空間においても同様の手法でスピーカ位置を特定することが可能であり、これも本発明に含まれるとする。3次元空間に適用する場合は後段で説明する。
図2に示すスピーカ51はセンターチャンネル(C)、スピーカ52はフロント左チャンネル(FL)、スピーカ53はフロント右チャンネル(FR)、スピーカ54は左サラウンドチャンネル(BL)、スピーカ55は右サラウンドチャンネル(BR)に、それぞれ対応している。また、オーディオセット1は、図2に示さないサブウーファチャンネル(SW)用のスピーカを備えており、メディア再生部2は、これら6チャンネルに対応する6系統のオーディオ信号を出力する。
図2のように配置されたスピーカから出力された音声信号により、スピーカに囲まれる領域に音場が生成される。このオーディオセット1を使用するリスニング環境としては、例えば、自動車内、小室内等があげられる。
マイクロフォン6a、6bは、リスニング環境に生成される音場を測定する際、所定の測定音を集音する手段であって、マイクロフォン6aとマイクロフォン6bは、複数のスピーカのうちの1スピーカを基準としたとき、基準としたスピーカから略等距離に設置されることが好ましい。本具体例では、マイクロフォン6aとマイクロフォン6bは、リスニング環境内で両者の設置位置による特性差が現れない程度の間隔、例えば20cmの間隔をあけて互いに固定され、マイクセット60とされている。マイクロフォン6a、6bで集音された音声信号は、音場補正ユニット3に入力される。
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備え、図1に示すオーディオセット1を構成する各部、或いは各種機能部位に対する制御並びに各種処理を実行している。また、制御部7は、ユーザからの操作選択を受け付けるためのユーザインターフェイス部9が接続されていてもよい。
続いて、図3を用いて音場補正ユニット3の内部構成について詳細に説明する。
音場補正ユニット3は、音場を補正する機能とスピーカの出力音声を測定する機能とを備えた音場補正/測定機能部31を備えている。音場補正/測定機能部31は、元の音声信号の特性を補正する処理を行う音場補正処理ブロック32と、より現実的な音場を生成するために元の音声信号に対して与えるパラメータ等の解析に必要な音声特性情報を測定する測定処理ブロック33とを備えている。
また、音場補正/測定機能部31は、マイクロフォン6aから入力された音声信号を増幅するマイクロフォンアンプ34aと、マイクロフォン6bから入力された音声信号を増幅するマイクロフォンアンプ34bとを備え、マイクロフォンアンプ34a、34bで増幅された測定信号は、測定処理ブロック33に送られて測定処理が行われる。
音場補正処理ブロック32は、測定結果に基づいて音場補正のための処理を行い所定のパラメータ値を変更する。スイッチ35は、測定モードと音場補正モードとを切り換えるために設けられている。このスイッチ35は、端子Tm1に対して端子Tm2又はTm3が択一的に接続されるようにして切り換えが行われる。切り換えは、制御部7によって制御されている。
測定処理ブロック33は、更に測定部331a、331bと、測定音処理部332と、スピーカ位置算出部333とを備えている。測定音処理部332は、測定用の音声信号を生成し出力する。以下では、測定用の音声信号を測定音信号という。測定音信号は、オーディオセット1の制御部7を構成するCPU(Central Processing Unit)、または図示しないDSP(Digital Signal Processor)等で作成された特殊な信号音である。そのため、マイクロフォン6a、6bで同時に集音された測定音信号の特性と、作成時の信号特性との特性差がDSP又はCPUで解析できる。なお、図3では、図示の便宜上、測定音処理部332からの信号出力ラインを1本として示しているが、現実にはチャンネル数に対応する数の測定音の信号出力ラインがある。また、予め作成された測定音信号をメモリ部8または測定音処理部332内の記憶メディアに記録しておき、測定時にその測定音信号を読み出すようにしてもよい。
測定処理ブロック33における測定音処理部332から出力された測定音信号は、スイッチ35(Tm2→Tm1)を経由してパワーアンプ部4に入力され、ここで増幅されてスピーカ51〜56から出力される。測定音処理部332が同時に複数のチャンネルに対して測定音(音素)の音声信号を出力しているときには、パワーアンプ部4は、これらのチャンネル毎に対する個々の測定音信号の各々を増幅し、対応するチャンネルのスピーカから出力させる。
スピーカから放音された所定の測定音信号は、マイクロフォン6a、6bで集音されてマイクロフォンアンプ34a、34bに入力される。マイクロフォン6a、6bは、そのリスニング環境において最も良好な補正音場を得たいとするリスニングポジション(補正位置)で集音できるように設置する。例えば、図2に示したように、リスニング環境の略中央であってもよいし、オーディオセット1が車載機器であった場合、ユーザが運転席で聴取しているときに最適な音場が得られるように、ユーザが運転席に着座したときの耳の位置にマイクロフォン6a、6bを設置し、この位置で集音される音声特性を解析すればよい。
測定音を含む周囲の環境音は、マイクロフォン6a、6bによって集音されてマイクロフォンアンプ34a、34bで増幅され、測定処理ブロック33の測定部331a、331bに入力される。測定部331a、331bは、入力された音声信号をA/D変換し、得られた信号について、スピーカからマイクロフォンまでの系のインパルス応答、FFTによる周波数解析処理等の各種信号処理を行う。これらの処理結果として、各チャンネルのスピーカからマイクロフォン6a、6bの設置位置までの距離等の情報のほか、音場生成に必要となる項目についての測定結果が得られる。
スピーカ位置算出部333は、測定部331a、331bで測定された測定結果からリスニング環境における各スピーカの位置座標を特定する処理を実行している。
ここで、測定処理ブロック33による測定処理の具体例として、オーディオセット1が、配置された各スピーカと聴取位置、すなわちマイクロフォン6a、6bとの距離を測定するための構成並びに動作について説明する。
オーディオセット1においてリスニング環境に配置されたスピーカと聴取位置との距離は、オーディオチャンネルに対応するスピーカ毎の聴取位置までの到達時間に基づく情報で表すことができる。つまり、スピーカから聴取位置までの距離情報は、音波の伝播速度(音速)を用いてその距離によって生じる時間差に換算することができ、この遅延時間情報を音場補正処理ブロック32のディレイ処理部321における係数として使用することができる。スピーカから聴取位置までの距離によって生じる到達時間差をスピーカからの発生時に与える時間遅延量で補正することをタイムアライメントということがある。リスニング環境における聴取点でより臨場感のある音場を生成するには、その点におけるタイムアラインメントを調整する必要がある。
各スピーカから聴取位置までの距離の測定方法としては、次のような方法があげられる。先ず、オーディオセット1に設けられた複数のスピーカのうち1スピーカ毎、順番に測定していく。スピーカ51から測定音信号が出力される。測定音信号としては、所定の周波数帯域特性を有するTSP(Time Stretched Pulse)信号を用いることができる。TSP信号は、測定音処理部332で生成されて、聴取位置(すなわち補正位置)に対応して設置されたマイクロフォン6a、6bで集音される。マイクロフォンアンプ34a、34bを介して測定部331に入力される。測定部331a、331bは、入力された音声信号の波形から所定のサンプル数単位で抽出したサンプリングデータを得る。このサンプリングデータをTSP信号によって周波数軸上で除算し、更に時間軸上に逆FFT演算したものが、いわゆるインパルス応答である。測定部331a、331bは、このインパルス応答に基づいて、所定の信号処理又は測定のための演算処理等を実行することにより、スピーカから聴取位置までの距離情報を得ることができる。
スピーカ位置算出部333は、マイクロフォン6aから入力した音声信号で求まるインパルス応答から得られる特性情報とマイクロフォン6bから入力した音声信号で求まるインパルス応答から得られる特性情報とからリスニング環境におけるスピーカの位置座標を特定する処理を行う。
スピーカ位置算出部333により、リスニング環境におけるスピーカの位置座標が特定された後は、特定された各スピーカの位置からスピーカとマイクロフォン6a、6bとの間のより厳密な距離情報と位置情報が得ることができ、より厳密な音場をリスニング環境内につくりだすための音声信号を生成することができる。
以下、スピーカからマイクロフォンまでの系のインパルス応答を用いたスピーカとマイクロフォンとの距離の測定ついて説明する。図4は、測定処理ブロック33の測定部331において、測定音処理部332で生成された測定音信号とマイクロフォン6a、6bからの音声信号から求められたインパルス応答を入力してスピーカとマイクロフォン(聴取位置)との距離を測定するための処理構成を示している。図4に示す構成による処理の流れについて、図5〜図8を参照して説明する。
測定部331a、331bには、マイクロフォンアンプ34a、34bを介してマイクロフォン音声信号が供給される。図4に示すように、供給されたマイクロフォン音声信号は、A/D変換器201でデジタル信号に変換され、インパルス応答演算部202に供給される。また、インパルス応答演算部202には、測定音処理部332で生成されて、ユーザの聴取位置に対応して設置されたマイクロフォン6a、6bで集音されたTSP信号が供給されている。インパルス応答演算部202は、供給された音声信号の波形から所定のサンプル数単位で抽出したサンプリングデータを得て、このサンプリングデータをTSP信号によって周波数軸上で除算し、更に時間軸上に逆FFT演算してインパルス応答を算出する。インパルス応答演算部202は、算出したインパルス応答を自乗処理部203及び周波数解析/フィルタ特性決定部204に供給する。
図5(a)には、測定部331a、331bに入力されたマイクロフォン6a、6bの音声信号から求められ、サンプリング波形データであるインパルス応答の原波形が示されている。図5(a)の横軸はサンプル数を示し、縦軸は振幅レベルを示す。また、インパルス応答原波形の周波数特性が図7に示されている。図5(a)に示されるインパルス応答の原波形は、4096サンプルによるサンプリング処理を行って得られた。サンプル数4096は、2の12乗で表されるもので、例えばFFT(Fast Fourier Transform)等による周波数解析処理に好適なサンプル数が2のべき乗であることを踏まえて設定されたものである。また、サンプリング周波数fs=48kHzとする。
また、マイクロフォンからの音声信号のサンプリングタイミングとして、サンプル開始時点、即ち、サンプルポイント0となるタイミングは、測定音処理部332から測定音信号を出力開始させた時点と一致させている。すなわち、マイクロフォン6a、6bで集音される音声信号、或いは集音される全ての音声信号のサンプリングタイミングは、スピーカからの音声出力を開始したとされる時点と一致させている。なお、インパルス応答は文字通りインパルス信号に対する系の時間応答であるので、インパルス応答の測定に使用する測定音信号を便宜上インパルス信号という場合がある。
図5(a)に示されるインパルス応答原波形の立ち上がり位置をサンプルポイント方向(横軸方向)に拡大した波形を図5(b)に示す。図5(a)、(b)に示されるインパルス応答の原波形のサンプルデータは、図4に示す自乗処理部203に対して入力されるとともに、分岐して周波数解析/フィルタ特性決定部204に対しても入力される。
自乗処理部203は、インパルス応答の振幅値について自乗処理を行う。これにより、本来、正/負の両極の振幅値を有するインパルス応答の波形データは、図6(a)に示すように自乗され、負極の振幅値が反転して折り返され正極の振幅値になる。スピーカが逆相接続された場合、つまり正極の信号を与えたときにスピーカ振動板が引っ込むような動作をする場合や、マルチウェイ・スピーカにおいて低音スピーカと高音スピーカが逆相接続されている場合などでは、このインパルス応答の最初の立ち上がり部分が負極に向かっていることがある。このため、本実施例では自乗処理を行い、正相/逆相接続いずれであっても対応できるようにしている。これにより、この後の処理では負極の振幅値も正極の振幅値と同極性の振幅として扱えるようになり、後述するインパルス応答振幅値の計測を行う際に正極レベルを対象とする測定のみを実行すればよくなる。図6(a)に示すインパルス応答原波形の立ち上がり位置をサンプルポイント方向(横軸方向)に拡大した波形を図6(b)に示す。
このサンプルデータは、可変ローパスフィルタ205に送られる。可変ローパスフィルタ205は、自乗処理部203の出力である自乗系列によるインパルス応答のサンプルデータを受け取る。可変ローパスフィルタ205は、自乗処理されたインパルス応答のサンプルデータ(自乗波形)についてノイズとして扱うべき高域成分を除去して、測定対象に好適な包絡波形(エンベロープ)を得るために設けられる。但し、フィルタ特性によってはインパルス応答の立ち上がりも含めて包絡波形全体が平滑になり過ぎることがある。そのため、ここに設けるフィルタは、インパルス応答の周波数特性に適応的に変更可能な可変ローパスフィルタとする。
周波数解析/フィルタ特性決定部204は、入力されたインパルス応答の原波形のサンプリングデータを、例えばFFTにより周波数解析する。もちろん、インパルス応答を求める前段階として逆FFT演算を行っているので、逆FFT演算前のスペクトルデータをそのまま利用しても良い。そして、周波数解析により得られた周波数特性(周波数応答)に基づいて、中域周波数帯域と高域周波数帯域との振幅値のバランスを判定し、判定結果に応じて可変ローパスフィルタ205のフィルタ特性を適宜最適値に決定している。
可変ローパスフィルタ205を通過した信号波形を図8に示す。図8に示されたエンベロープのサンプルデータは、遅延サンプル数判定部206と閾値設定処理部207のそれぞれに入力される。閾値設定処理部207は、図8に示されるローパスフィルタ処理波形のサンプルデータから、ピークレベルPkを求め、このピークレベルPkに対する所定比率によって求まる振幅のレベル値を閾値thとして設定する。閾値設定処理部207は、設定した閾値thを遅延サンプル数判定部206に通知する。
遅延サンプル数判定部206は、図8に示したローパスフィルタで処理された信号波形のサンプルデータの振幅値と通知された閾値thとを比較して、サンプルポイント0を起点として最初にローパスフィルタ処理波形が閾値th以上となったサンプルポイントを検出する。図8には、この検出されたサンプルポイントが遅延サンプルポイントPDとして示されている。遅延サンプルポイントPDは、スピーカからのインパルス信号の音声出力開始時点に対応するサンプルポイント0を起点として、インパルス応答が立ち上がったとされる時点までの時間的遅延をサンプル数で表すものである。周波数解析/フィルタ特性決定部204の制御によって適切なフィルタ特性が設定された可変ローパスフィルタ205によって、誤差を生じることなく、高精度で遅延サンプルポイントPDが検出される。
上述のように遅延サンプル数判定部206により判定された遅延サンプルポイントPDの情報は、空間遅延サンプル数算出部208に通知される。遅延サンプルポイントPDは、スピーカからのインパルス信号の音声出力開始時点を起点として、このインパルス信号の音声をマイクロフォンにより集音して得られたインパルス応答が立ち上がったとされる時点までの時間的遅延をサンプル数により表現している。つまり、スピーカ−マイクロフォン間距離を時間的に表したものと捉えることができる。
しかしながら、現実にはスピーカからインパルス信号を出力させるための信号出力系と、マイクロフォンでスピーカから出力された音声を集音してインパルス応答原波形のサンプルデータを得るためのサンプリングを行うまでの信号入力系とでは、フィルタ遅延、A/D若しくはD/A変換処理等に起因する処理遅延等といった、いわゆるシステム遅延が存在する。そして、遅延サンプル数判定部206により判定された遅延サンプルポイントPDは、システム遅延等を要因とする誤差を含んでいる。これらの誤差要因となるシステム遅延は予め計測しておき、測定処理ブロック33が備える記憶メディアなどに記録しておく。そのため、空間遅延サンプル数算出部208は、遅延サンプルポイントPDからシステム遅延等を要因とする誤差を減算することでスピーカ−マイクロフォン(聴取位置)間距離に対応する真の遅延サンプル数(以下、空間遅延サンプル数という。)を得ている。空間遅延サンプル数算出部208で得られた空間遅延サンプル数の情報は、距離算出部209に通知される。
距離算出部209は、通知された空間遅延サンプル数を時間換算する。そして、この時間換算した空間遅延サンプル数の情報と音速を示す値等を利用し、所定の演算式を用いてスピーカ−マイクロフォン間距離を算出する。算出されたスピーカ−マイクロフォン間距離の情報は、測定対象であるスピーカと、このスピーカで出力されるチャンネルのオーディオチャンネルとの対応付けが行われたうえで制御部7に設けられた不揮発メモリ等に保持される。
制御部7は、各オーディオチャンネルのスピーカ−マイクロフォン間距離の差に基づいて、この距離差に応じた各オーディオチャンネルのスピーカから聴取位置までの空間的な音声到達時間差を判定する。そして、この判定結果に基づき、オーディオチャンネルに対応する各スピーカから聴取位置に到達する音声の時間差が解消されるように、ディレイ処理部321において、各オーディオチャンネルに所定の遅延定数を設定する制御を行っている。ディレイ処理部321は、制御部7によって設定された各オーディオ信号に対する遅延処理を実行する。その結果、しかるべき聴取位置においてスピーカと聴取位置の距離の差に起因する音声の到達時間のばらつきがキャンセルされた音場が生成される。すなわち、聴取位置においてタイムアライメントが適正に補正された音場が生成される。
続いて、以上説明した音場測定処理及び音場生成処理において、リスニング環境におけるスピーカ位置を特定する具体的な手法について図9〜図17を参照して説明する。図9及び図10は、マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係とを説明している。
本具体例のリスニング環境は、自動車内或いは小室内であって、マイクロフォン6aと6bとがスピーカからそれほど離れていない位置に設置される場合であるため、スピーカとマイクロフォンの位置関係に対して、例えば、壁による定在波や反射等といったリスニング環境内の状態による集音特性差は微小であると仮定できる。具体的には、スピーカから発音されたインパルス信号がマイクロフォンに到達し、その後、最初の反射音がマイクロフォンに入射する前にマイクロフォン信号の取り込みを終えるような時間長(上述例では4096ポイント)にサンプル数を設定すればよい。そして更にマイクロフォン6aとマイクロフォン6bは、リスニング環境内で設置位置による特性差が現れない程度の間隔をもって互いに固定されている。
マイクセット60の中心、つまりマイクロフォン6a、6bの中間点を座標原点(基準位置)としたとき、センターチャンネル(C)に対応するスピーカが設置される方向をマイクセット60の正方向とし、座標軸の正方向とする。例えば、上述した手法によってマイクロフォン6a、6bと各スピーカとの距離L0、L1が求められたとしても、実際は図9に示すように、設置されたスピーカ位置がマイクセット60の前方位置Pf、後方位置Pbの何れに配置されているかを特定することはできない。
また、図10に示すように、マイクセット60に対するスピーカの位置は、原点からの距離Lと角度φをもつベクトルで表現することができるが、マイクセット60に対するスピーカの方向は、全てのスピーカが同一の2次元平面上(例えば、水平面内)にあると仮定したとしても、条件に合致する箇所が必ず2箇所算出されるため、やはりこれらを特定することができない。
そこで、本発明の具体例として示すオーディオセット1では、複数のスピーカのうち何れか1つのスピーカに対して、マイクロフォンとこのスピーカとの間の距離の絶対値を、再生環境内におけるこのスピーカを原点としたとき、このスピーカに対するマイクロフォンセットのマイク中心の正方向座標を算出し、再生環境内におけるマイクロフォンセットに対する原点としたスピーカ(第1のスピーカ)とは別のスピーカ(第2のスピーカ)の位置候補を原点スピーカの座標系で算出することを特徴としている。
また、オーディオセット1は、複数スピーカのうち、第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内における任意位置/方位1の置)に設置されたマイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された第2のスピーカの位置座標候補と、第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内において任意位置とは異なる位置/方位2の置)に設置されたマイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された第2のスピーカの位置座標候補とを比較して第2のスピーカの位置座標を特定することを特徴としている。
上述したようにオーディオセット1は、5.1チャンネルサラウンド方式に対応しているので、チャンネル毎に用意されたスピーカ51,52,53,54,55(但し、サブウーファチャンネルは図示していない。)は、これらのマルチチャンネルスピーカで囲まれた内側に位置する聴取者に向けられ、通常はその振動面を聴取者に向けて配置されているものとする。スピーカによっては、その振動面が上方又は聴取者への向きとは異なる方向に向いているものもあるが、その向きについては限定されない。また、各スピーカは、後述する一連のスピーカ位置算出処理の間、固定され測定中に移動されないことを前提としている。
以下、図面を参照して、スピーカ位置算出処理について説明する。この具体例では、マイクセット60は、リスニング環境内においてセンタースピーカ51がある方向にその正方向が向くように配置する。つまりマイクロフォン6a、6bがセンタースピーカ51に対しておおよそ等距離になるように配置する。マイクセット60に対して、図2で示すセンターチャンネル(C)を出力するセンタースピーカ51が設置された方向を前方向(正方向)とし、センタースピーカ51の位置座標をリスニング環境内における原点座標S0(0,0)とすると、はじめに任意の位置に配置されたマイクセット60の位置座標は、センタースピーカ51を基準として一意に求めることができる。
スピーカ位置算出部333は、制御部7からの指示に応じて複数のスピーカのうち、センタースピーカ51に対して距離算出部209で算出されたマイクロフォン−スピーカ間距離の絶対値を求める。このときスピーカ位置算出部333は、マイクセット60の位置座標を、センタースピーカ51を原点とした正方向座標(正方向領域)として算出する。このとき、図11に示すように、センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm1(Pmx1,Pmy1)が算出される。つまり、センタースピーカ51とマイクロフォン6a、6bとの距離が測定されると、図9、図10のように2ヶ所の候補点が算出されるが、マイクセット60の正方向領域にセンタースピーカ51があるように設置しているので、2ヶ所の候補点のうち正方向領域に存在する候補点にセンタースピーカ51が配置されていると判断する。なお、図11などにおける座標平面中の四角枠は、リスニング環境の範囲を示しており、例えば、部屋の壁を示している。
続いて、制御部7は、リスニング環境内においてマイクセット60に対する第2のスピーカの位置候補を、センタースピーカ51を原点とする座標系で算出する。測定部331及びスピーカ位置算出部333は、複数スピーカのうち第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内における座標Sm1(Pmx1,Pmy1)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa1f(Plx1f,Ply1f)、Sa1b(Plx1b,Ply1b)が算出される。
続いて、最初に配置された任意位置とは異なる位置にマイクセット60を移動する。移動後のマイクセット60の位置座標は、上述の場合と同様にセンタースピーカ51を基準として一意に求められる。すなわち、スピーカ位置算出部333は、制御部7からの指示に応じてセンタースピーカ51に対して距離算出部209で算出されたマイクロフォン−スピーカ間距離の絶対値を求める。このときスピーカ位置算出部333は、マイクセット60の位置座標を、センタースピーカ51を原点とした正方向座標として算出する。このとき、図12に示すように、センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm2(Pmx2,Pmy2)が算出される。
制御部7は、リスニング環境内においてマイクセット60に対する第2のスピーカの位置候補を、センタースピーカ51を原点とする座標系で算出する。すなわち、測定部331及びスピーカ位置算出部333は、複数スピーカのうち第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内における座標Sm2(Pmx2,Pmy2)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa2f(Plx2f,Ply2f)、Sa2b(Plx2b,Ply2b)が算出される。
そして、制御部7は、マイクセット60の中心座標Sm2(Pmx2,Pmy2)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補と、中心座標Sm1(Pmx1,Pmy1)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とを比較して第2のスピーカの位置座標を特定する。スピーカが図2に示す配置になっていた場合、Sa1f(Plx1f,Ply1f)=Sa2f(Plx2f,Ply2f)となる。したがって、マイクセット60の位置を移動させて2カ所で測定を行った結果、一致した座標をそのスピーカの位置座標と特定することができる。基本的には、マイクセット60を位置変更してリスニング環境内において少なくとも2カ所で同様の測定を行えば、1つのスピーカの位置座標が特定可能である。
実際は、スピーカの指向特性やスピーカ近傍の反射壁面の存在、環境雑音などの要因により、算出されたスピーカ位置座標には多少の誤差を含むが、制御部7は、誤差も含めてSa1f(Plx1f,Ply1f)とSa2f(Plx2f,Ply2f)とが“十分近い値”であることを確認し、なおかつSa1b(Plx1b,Ply1b)とSa2b(Plx2b,Ply2b)とが“十分近くない”ことを確認すれば、第2のスピーカの位置を決定する。この閾値は、オーディオセット1を使用するリスニング環境、またリスニング環境に応じて要求される精度等により選択可能である。
また、1つのスピーカの位置座標を特定する処理で、マイクセット60を1の位置(図11)から2の位置(図12)へ移動するとき、スピーカ51,52,53,54,55で囲まれるリスニング環境内であれば、その移動先は任意の位置でよいが、例えば、移動後のマイクセット60の位置と最初の位置との差が大きいことが好ましい。また、移動後のマイクセット60の位置と最初の位置とがマイクロフォン6a、6bを結ぶ線上にないことが好ましい。
この例を図13に示す。マイクセット60の位置を座標Sm1(Pmx1,Pmy1)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出した後、マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸に沿って移動してしまうと、例えば、図13に示すように、移動後のマイクセット60の位置がマイクロフォン6a、6bを結ぶ軸上のSm3(Pmx3,Pmy3)であったとき、マイクセット60が座標Sm1(Pmx1,Pmy1)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補Sa1f(Plx1f,Ply1f)及びSa1b(Plx1b,Ply1b)と、座標Sm3(Pmx3,Pmy3)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補Sa3f(Plx3f,Ply3f)及びSa3b(Plx3b,Ply3b)とが正方向、負方向ともに同一値になるため、特定できない。また、移動後のマイクセット60の位置と最初の位置との差が小さいときに、算出されるスピーカ位置座標候補が誤差範囲に含まれてしまうような場合にも有効でない。
但し、スピーカ位置精度を向上する目的でリスニング環境内の2カ所以上の複数箇所で音響距離測定をする場合には、冗長なデータとして破棄できるため、移動後のマイクセット60の位置と最初の位置との差が小さい場合、及びマイクセット60が2つのマイクロフォンを結ぶ軸に沿って移動する場合が含まれてもよい。
第1の方法では、上述のように順番にスピーカ位置座標を決定することができる。各スピーカの位置を算出する順番は、スピーカ毎に逐一座標決定の処理を実行してもよいし、一括して決定してもよい。マイクセット60をリスニング環境内のはじめの位置/方位1の置)に設置して、全スピーカに対して1の置に対するスピーカの位置座標候補を求めた後、ユーザにマイクセット60の位置を移動するよう提示し、マイクセット60を2の置に移動した後、同様に全スピーカに対して2の置に対するスピーカの位置座標候補を求め、最終的に1の置におけるスピーカ位置座標候補と2の置におけるスピーカ位置座標候補を比較して各スピーカの位置座標を特定してもよい。なお、第2のスピーカが図2に示すフロント左チャンネル(FL)用のスピーカ52かどうかは、全スピーカの位置座標を算出した後で全スピーカの位置関係から対応付けしてもよいし、センタースピーカ51の次にフロント左チャンネルスピーカ52のみから出力して位置座標決定処理を行い、続いてフロント右チャンネルスピーカ53のみから出力して位置座標決定処理を行い、というように位置座標を決定する対象となるスピーカがオーディオセット1によって指定され、その指定されたスピーカ毎に位置座標算出が行われてもよい。
次に、リスニング環境におけるスピーカ位置を特定する第2の方法について、図14及び図15を用いて説明する。第1の方法では、センタースピーカ51がマイクセット60のおおよそ正方向に配置され、マイクセット60の軸方向に移動させて測定した場合について説明したが、マイクセット60を構成するマイクロフォン6a、6bとセンタースピーカ51の中心との距離がおおよそ等しくなるように配置するという条件下でリスニング環境内の複数箇所において音響距離測定を行うことによってもスピーカ位置を特定することが可能である。すなわち、図14及び図15に示すように、1の位置(図14 Sm4)に対する2の位置(図15 Sm5)が、センタースピーカ51の音響中心とマイクロフォン6aとの距離及びセンタースピーカ51の音響中心とマイクロフォン6bとの距離を半径とする円周上にある。
第1の具体例と同様、マイクセット60に対して、センターチャンネル(C)を出力する図2に示したセンタースピーカ51が設置された方向を前方向(正方向)とし、センタースピーカ51の位置座標をリスニング環境内における原点座標S0(0,0)とする。このとき、はじめに任意の位置に配置されたマイクセット60の位置座標は、センタースピーカ51を基準として一意に求めることができる。
スピーカ位置算出部333は、制御部7からの指示に応じて複数のスピーカのうち、センタースピーカ51に対して距離算出部209で算出されたマイクロフォン−スピーカ間距離の絶対値を求める。このときスピーカ位置算出部333は、マイクセット60の位置座標を、センタースピーカ51を原点とした正方向座標として算出する。このとき、図14に示すように、センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm4(Rmx1,Rmy1)が算出される。
続いて、制御部7は、リスニング環境内においてマイクセット60に対する第2のスピーカの位置候補を、センタースピーカ51を原点とする座標系で算出する。測定部331及びスピーカ位置算出部333は、複数スピーカのうち第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内における座標Sm4(Rmx1,Rmy1)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa4f(Rlx1f,Rly1f)、Sa4b(Rlx1b,Rly1b)が算出される。
続いて、オーディオセット1は、センタースピーカ51の音響中心とマイクロフォン6aとの距離及びセンタースピーカ51中心とマイクロフォン6bとの距離を半径とする円周上であって、最初に配置された任意位置とは異なる位置にマイクセット60を移動するようユーザに提示する。つまり、マイクセット60の正方向にセンタースピーカ51の音響中心がくるように移動させる。このとき、より厳密にこの円周上の点に配置できるように距離算出部209によりセンタースピーカ51との距離を算出して最適な位置に移動できているかをユーザに提示してもよい。ただし、後述するように、このセンタースピーカ51とマイクロフォン6a、6bとの距離は厳密に設定する必要はなく、実用上ラフに設定してよい。
移動された後のマイクセット60の位置座標は、上述の場合と同様にセンタースピーカ51を基準として一意に求められる。すなわち、スピーカ位置算出部333は、制御部7からの指示に応じてセンタースピーカ51に対して距離算出部209で算出されたマイクロフォン−スピーカ間距離の絶対値を求める。このときスピーカ位置算出部333は、マイクセット60の位置座標を、センタースピーカ51を原点とした正方向座標として算出する。このとき、図15に示すように、センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm5(Rmx2,Rmy2)が算出される。
制御部7は、リスニング環境内においてマイクセット60に対する第2のスピーカの位置候補を、センタースピーカ51を原点とする座標系で算出する。測定部331及びスピーカ位置算出部333は、複数スピーカのうち第2のスピーカから出力される音声信号をリスニング環境内における座標Sm5(Rmx2,Rmy2)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa5f(Rlx2f,Rly2f)、Sa5b(Rlx2b,Rly2b)が算出される。
そして、制御部7は、マイクセット60の中心座標Sm5(Rmx2,Rmy2)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離と、中心座標Sm4(Rmx1,Rmy1)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離を比較して第2のスピーカの位置座標を特定する。スピーカが図2に示す配置になっていた場合、(S0とSa4fとの距離)=(S0とSa5fとの距離)となる。このとき、S0とSa4bとの距離とS0とSa5bとの距離は、大きく異なる。
したがって、マイクセット60の位置をセンタースピーカ51中心とマイクロフォン6aとの距離及びセンタースピーカ51中心とマイクロフォン6bとの距離を半径とする円周上で移動させて少なくとも2カ所で測定を行い、一致した座標をそのスピーカの位置座標と特定できる。第2の方法は、オーディオセット1のように、スピーカ数が多数に及ぶほど、マイクセット60の位置に対する該当候補のマッチングがとりやすくなり、最終的なスピーカの位置決定が容易になる。
ところで、この第2の具体例では、説明を容易にするため、センタースピーカ51とマイクロフォン6a、6bとの距離を一定に保ってマイクセット60を回転移動させたが、スピーカについて算出される2つの位置座標候補は、マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸を中心とした線対称の位置となるので、この第2の具体例の変形例として、センタースピーカ51とマイクロフォン6a、6bとの距離は、移動前と移動後とで異なってもよいことになる。第2の具体例の変形例は、センタースピーカ51の音響中心とマイクセット60(マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸)との距離が1の位置と異なる位置を2の位置とする例である。
図16に、移動前と移動後とで、センタースピーカ51とマイクロフォン6a、6bとの距離が異なる具体例を示す。センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm4(Rmx1,Rmy1)が算出されることは、図14を用いて説明した通りである。これに対しマイクセット60を、マイクセット60の中心位置が、座標原点S0と座標Sm4延長上になるように移動したとする。
移動された後のマイクセット60の位置座標は、上述の場合と同様にセンタースピーカ51を基準として一意に求められ、このとき、マイクセット60の中心位置の座標Sm6(Rmx3,Rmy3)が算出される。制御部7は、座標Sm6(Rmx3,Rmy3)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa6f(Rlx3f,Rly3f)、Sa6b(Rlx3b,Rly3b)が算出される。制御部7は、Sm6(Rmx2,Rmy2)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離と、中心座標Sm4(Rmx1,Rmy1)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離を比較することで、第2のスピーカの位置座標を特定することができる。
一方、第2の具体例の変形例では、1の位置(図14 Sm4)、2の位置(図16 Sm6)において、センタースピーカ51の音響中心とマイクロフォン6a、6bを結んだ軸との位置関係が、正対していればよく、2の位置が原点座標と座標Sm4を結ぶ線の延長上になくてもよい。
すなわち、図16に示すように、マイクセット60の移動後の位置がSm7であったとする。このとき、移動後のマイクセット60の位置座標は、上述の場合と同様にセンタースピーカ51を基準として一意に求められ、Sm7(Rmx4,Rmy4)が算出される。制御部7は、座標Sm7(Rmx4,Rmy4)に位置するマイクセット60で集音された音声信号から第2のスピーカ位置座標候補を算出する。このとき、第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa7f(Rlx4f,Rly4f)、Sa7b(Rlx4b,Rly4b)が算出される。制御部7は、Sm7(Rmx,Rmy)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離と、中心座標Sm4(Rmx1,Rmy1)に位置するときに算出された第2のスピーカの位置座標候補とセンタースピーカ51との距離を比較することで、第2のスピーカの位置座標を特定することができる。
次に、リスニング環境におけるスピーカ位置を特定する第3の方法について説明する。図11に示すように、センタースピーカ51、すなわち座標原点に対するマイクセット60の中心位置の座標Sm1(Pmx1,Pmy1)が算出されることは上述の第1の具体例に示した通りである。これに対し、マイクセット60の中心位置は座標Sm1(Pmx1,Pmy1)のままとし、マイクセット60を所定角度(例えば30°)回転させる。この状態で第2のスピーカの位置座標候補を算出すると一方の位置座標Sa1f(Plx1f,Ply1f)は変化せず、他方の位置座標Sa1b(Plx1b,Ply1b)は大きく変化する。この変化しない位置座標Sa1f(Plx1f,Ply1f)を第2のスピーカの位置座標として選択するようにすればよい。
図17に、マイクセット60を移動前と同じ位置で所定角度回転させて2の置とし、第2のスピーカの位置座標候補を算出する場合について示す。例えば、上述のように30°回転させたとき、制御部7は、回転後のマイクセット60位置で第2のスピーカの位置座標候補として、座標Sa8f(Rlx5f,Rly5f)、Sa8b(Rlx5b,Rly5b)を算出する。制御部7は、位置座標Sa1f、Sa1b、Sa8f、Sa8bを比較し、何れかの座標のうち一致する座標があれば、これを第2のスピーカの位置座標として特定する。
この第3の具体例の変形例として、マイクセット60の回転中心を、マイクロフォン6aまたは6bの位置として所定角度回転させてもよい。また、同様に、その回転中心を、マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸上のいずれの点でもよく、更にはこの軸上にない点としてもよいことも明らかである。
なお、上述の第1の具体例、第2の具体例及び第3の具体例では、座標軸中心を暫定的にセンタースピーカ51に決めたが、スピーカの位置座標を特定する一連の処理中、固定されていればよく、何れのスピーカを座標軸中心としてもよい。また、リスニング環境を含む任意の空間内のどこに座標原点をとってもよい。
また、上述の第1の具体例では、マイクセット60の正方向または軸方向の向きを固定したまま移動(平行移動)させ、第2の具体例では、マイクセット60と基準とするスピーカ(センタースピーカ51)との距離を保ちマイクセット60の正方向をそのスピーカに向けたまま移動(回転移動)させ、第3の具体例では、マイクセット60をその位置で回転させたが、これらを組み合わせた移動形態でも測定できることは明らかである。つまり、図11の状態から図13の状態のように、マイクセット60をその軸方向に沿って移動させるという特異な場合を除いてほとんど自由に移動させても測定できる。まとめれば、マイクセット60の移動前、移動後において、マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸が同一線上に並ばないという条件のもと、マイクロフォン6a、6bの少なくとも一方が移動することで本発明の配置位置の測定方法は実現できる。
以上説明したように、本発明の具体例として示す音場測定装置を装備したオーディオセット1によれば、2つのマイクデバイスをもつマイクセットにおいて、オーディオセットを構成する各スピーカの設置位置を決定できる。リスニング環境におけるスピーカの設置位置及び互いの位置関係が明らかになると、ユーザによるスピーカ設置のミスを指摘できるほか、仮想音像を再現するときの実音源のパラメータを厳密に設定することができ、より臨場感のある音場を生成することができる。
上述した2つの例では、各スピーカが同一平面上に配置されている場合を仮定したものであるが、3次元空間に立体的に配置されている場合も同様の手法によってスピーカの位置座標を特定することができる。3次元空間内では、マイクロフォン6a,マイクロフォン6bから特定スピーカへの距離L0、L1に該当する座標は、図18に示すように、マイクロフォン6a,マイクロフォン6bを頂点とし距離L0、L1を斜辺とする円錐の底面円周上に分布している。円錐底面の中心は、マイクロフォン6a、6bを結ぶ軸上延長線上にある。
スピーカの位置座標候補は円状になるが、リスニング環境内のランダムな位置にマイクセット60を設置して上述した音響距離測定を続けることにより、その候補円同士の交点から各スピーカの3次元的位置を推定することができる。図19に、候補円同士が重複する様子を示す。円Caは、マイクセット60の測定位置SAにおけるスピーカの位置座標候補を示し、円Cbは、マイクセット60の測定位置SBにおけるスピーカの位置座標候補を示し、円Ccは、マイクセット60の測定位置SCにおけるスピーカの位置座標候補を示している。これらの候補のなかからもっとも近い位置座標をそのスピーカの位置座標として選択する。
以上説明したように、リスニング環境内におけるマイクセット60の位置毎にスピーカ位置座標を算出し、これらを比較することによってマルチチャンネル方式に対応したスピーカシステムの各スピーカ位置を決定することができることがわかった。ところで、本具体例に示すオーディオセット1のようなマルチチャンネルオーディオシステムでは、リスニング環境内におけるタイムアライメント調整が重要であり、リスニング環境における各スピーカ位置座標が明確になっていれば、タイムアラインメント調整が精度よく行える。但し、タイムアラインメント補正は、リスニング環境内におけるある1点においてその位置と各スピーカとの距離に応じて音場生成パラメータを補正するものであり、数カ所においてこれらを全て満足するようにタイムアライメントを一致させることは原理上不可能である。したがって、ユーザが測定した位置のどこか1点をタイムアライメント調整位置とする。この1カ所は、通常、リスニング環境内においてユーザが最も使用する聴取位置とすることが好ましい。
以下では、リスニング環境内からタイムアライメント調整に最適な位置の決定方法の一例について説明する。上述したインパルス応答による音響距離測定等によりマイクセット60と各スピーカとの距離、座標を含めた位置関係は、完全に把握できていることを前提とする。
オーディオセット1では、ユーザは、通常、マルチチャンネルに対応した各スピーカ51,52,53,54,55で囲まれる空間内側の中心部分に近い場所で聴取することが自然である。そのため、スピーカで囲まれる空間内側にマイクセット60を設置し、各スピーカからマイクロフォン60までの距離のバラツキを分散又は標準偏差として計算し、距離のバラツキが一番小さくなる位置をタイムアラインメント調整位置として好適な場所として決定し、ここで決定された好適位置に対して各スピーカからのタイムアライメントを調整する。
マイクセット60の位置を適宜変更しながらタイムアラインメント調整位置を探索する処理を図20及び図21に示す。図20及び図21において、スピーカ52とマイクセット60との距離をR0とし、スピーカ51とマイクセット60との距離をR1とし、スピーカ53とマイクセット60との距離をR2とし、スピーカ55とマイクセット60との距離をR3とし、スピーカ54とマイクセット60との距離をR4とする。
例えば、図20と図21とでは、図20の設置位置の方が各スピーカとの距離のバラツキが少なくタイムアライメント設定に好適な位置と判断される。すなわち、何れのスピーカからも略等距離にある位置である。オーディオセット1における制御部7は、測定部331を制御してスピーカ毎にその位置における距離を測定し、距離のバラツキを計算する。制御部7は、ユーザに対して、現在のマイクセット60位置(すなわち測定位置)が最適が否かを提示する。距離のバラツキを数値化又は記号化することによりユーザに分かり易く提示してもよい。
また、最適なタイムアラインメント調整位置を決定するための別の例として、既にスピーカの相対的な位置関係が判明しているため、オーディオセット1におけるスピーカ配置を多角形としたときの中心位置をタイムアライメントの基準位置として決定する手法がある。例えば、オーディオセット1のスピーカの位置座標を特定する処理によって、5チャンネルのスピーカシステムが図22に示すように存在することが判明したときには、このスピーカ位置を規定の順番で結んでできる多角形の重心を求め、タイムアラインメントの基準位置とする。
多角形の重心には、幾何的重心と物理的重心があるが、本具体例では一例として物理的重心gによって好適位置を求める。図23に、特定されたスピーカ位置座標を結んでできる多角形の重心を算出する方法を示す。物理的重心gを算出する場合に習って、慣性質量miをマルチチャンネルにおける各チャンネルの重み付けとし、質点の位置ベクトルgiをスピーカの位置ベクトルとして下式(1)により計算する。
Figure 0004285457
ここで算出された物理的重心位置をタイムアライメント好適の位置とし音場合成パラメータを設定することにより、ユーザにとって臨場感のある聴取環境を生成することができる。なお、タイムアラインメント調整位置は、上述した2例をはじめとする方法で決定してもよいが、例えばユーザが聴取する場所でタイムアラインメントが調整できるようになっていてもよい。また、タイムアラインメント調整位置は、ユーザによって直接入力できるようになっていてもよい。
このように、本発明に係る音場測定装置を搭載したオーディオセット1によれば、タイムアライメントを調整すべき最適位置を特定することができる。また、以上説明したように特定されたスピーカ位置とタイムアラインメント調整位置から生成された音声信号が各スピーカから発声されることでつくられる音場は、しかるべき聴取位置における臨場感が増し、現実性が向上する。
以上説明したように、オーディオセット1は、複数の異なる位置にマイクセット60を設置して測定を繰り返すことにより、2つのマイクロフォンでは通常特定できないスピーカ位置を特定することができ、更にスピーカ位置算出部333において算出されたスピーカ位置に応じて各チャンネルのオーディオ信号に対して最適な信号処理を施すとき、音声信号に対してより厳密な補正を行うことが可能になる。このようにして補正された音声信号によってリスニング環境内につくられる音場は、聴取者にとって、しかるべき聴取位置における臨場感が増し、現実性が向上する。
なお、上述した音場測定装置が適用されるオーディオセットとしては、オーディオ再生だけではなくビデオ再生も可能なAV(Audio video)システムであってもよい。この場合、オーディオセットは、映像データを表示する表示手段として液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等、また映像コンテンツのデータを再生可能な構成を備える。
更にまた、上述した説明では、補正情報がスピーカから聴取位置までの伝搬遅延時間であるとして説明し、また音場補正がタイムアライメント(信号遅延時間調整)の調整である例について説明したが、本発明に基づいた対象補正位置に対する音場補正としては、タイムアライメント以外に、例えば、図3のゲイン調整部323における音量補正等であってもよい。つまり、各スピーカから聴取点までの距離に応じた音圧レベルの減衰を補償するような音量補正を施してもよい。また、これら複数の補正要素を組み合わせて使用することもできる。
本発明に係る音場測定装置を適用したオーディオセットを説明する構成図である。 上記オーディオセットにおけるスピーカ及びマイクロフォンの配置を説明する概略図である。 上記オーディオセットにおける音場補正/測定機能部を説明する構成図である。 上記音場補正/測定機能部の測定処理ブロックにおいて測定音信号のインパルス応答を入力してスピーカとマイクロフォン(聴取位置)との距離を測定するための処理を説明する機能ブロック図である。 (a)は、インパルス応答の原波形を示す波形図であり、(b)は(a)に示されたインパルス応答原波形の立ち上がり位置を横軸方向に拡大して示す波形図である。 (a)は、正/負の両極の振幅値を有するインパルス応答の波形データを自乗した波形図であり、(b)は、(a)に示すインパルス応答原波形の立ち上がり位置を横軸方向に拡大して示す波形図である。 インパルス応答原波形の周波数特性を示す周波数特性図である。 上記音場補正/測定機能部の測定処理ブロックにおいて可変ローパスフィルタを通過した信号波形を示す波形図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。 座標Sm1(Pmx1,Pmy1)に位置するマイクセットで集音された音声信号から算出される第2のスピーカ位置座標候補を説明する概念図である。 座標Sm2(Pmx2,Pmy2)に位置するマイクセットで集音された音声信号から算出される第2のスピーカ位置座標候補を説明する概念図である。 座標Sm3(Pmx3,Pmy3)に位置するマイクセットで集音された音声信号から算出される第2のスピーカ位置座標候補を説明する概念図である。 座標Sm4(Rmx1,Rmy1)に位置するマイクセットで集音された音声信号から算出される第2のスピーカ位置座標候補を説明する概念図である。 座標Sm5(Rmx2,Rmy2)に位置するマイクセットで集音された音声信号から算出される第2のスピーカ位置座標候補を説明する概念図である。 移動前と移動後とでセンタースピーカと2つのマイクロフォンとの距離が異なる具体例を説明する概念図である。 マイクセットを移動前と同じ位置で所定角度回転させて2の置として第2のスピーカの位置座標候補算出する場合について説明する概略図である。 3次元空間においてマイクセット60で集音された音声信号から算出される第2のスピーカの位置座標候補を説明する概略図である。 3次元空間の任意の位置にマイクセット60を移動させて集音された音声信号から算出される第2のスピーカの位置座標候補を説明する概略図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。 マイクロフォンと音源であるスピーカとの間の距離と位置関係を説明する概略図である。
符号の説明
1 オーディオセット、 2 メディア再生部、 3 音場補正ユニット、 4 パワーアンプ部、 51,52,53,54,55 スピーカ、 6a,6b マイクロフォン、 7 制御部、 8 メモリ部、 9 ユーザインターフェイス部、 31 音場補正/測定機能部、 32 音場補正処理ブロック、 33 測定処理ブロック、 34a,34b マイクロフォンアンプ、 35 スイッチ、 331a,331b 測定部、 332 測定音処理部、 333 スピーカ位置算出部、 321 ディレイ処理部、 322 イコライザ部、 323 ゲイン調整部

Claims (5)

  1. 所定間隔をあけて配設される第1、第2のマイクロフォンで構成され、第1、第2のスピーカから出力される音声信号を集音するマイクロフォンセットと、
    上記第1、第2のマイクロフォンで集音された音声信号に基づいて上記第1、第2のスピーカと上記第1、第2のマイクロフォンとのそれぞれの距離を測定する測定部と、
    測定された上記それぞれの距離に基づいて上記第1のスピーカを基準位置とする上記第1、第2のマイクロフォンの位置及び上記第2のスピーカの位置を算出する位置算出部とを備え
    上記位置算出部は、上記第1のスピーカに対して上記測定部で測定されたマイクロフォン−スピーカ間距離に基づいて、上記第1のスピーカが上記マイクロフォンセットの正方向領域に位置するとして算出するとともに、上記第2のスピーカから出力され、第1の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補と、上記第2のスピーカから出力され、第2の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補とを比較して、上記マイクロフォンセットに対する上記第2のスピーカの位置を上記第1のスピーカを基準位置として特定する音場測定装置。
  2. 上記測定部は、
    上記集音された音声信号からスピーカ−マイクロフォン間のインパルス応答を求める演算部と、
    上記インパルス応答の先頭から立ち上がり部までの遅延時間を求める検出部と、
    求められた上記遅延時間から上記スピーカ−マイクロフォン間の距離を算出する算出部と
    を備える請求項1記載の音場測定装置。
  3. 上記第2の配置に設置された第1、第2のマイクロフォンは、上記第1の配置に設置された上記第1、第2のマイクロフォンを結ぶ線上にない請求項記載の音場測定装置。
  4. 上記第1の配置と上記第2の配置は、上記第1のスピーカと上記第1のマイクロフォンとの距離および上記第1のスピーカと第2のマイクロフォンとの距離が略等しい請求項記載の音場測定装置。
  5. 第1、第2のスピーカから出力される音声信号を、所定間隔をあけて配設される第1、第2のマイクロフォンで構成されるマイクロフォンセットで集音する集音工程と、
    上記第1、第2のマイクロフォンで集音された音声信号に基づいて上記第1、第2のスピーカと上記第1、第2のマイクロフォンとのそれぞれの距離を測定する測定工程と、
    測定された上記それぞれの距離に基づいて上記第1のスピーカを基準位置とする上記第1、第2のマイクロフォンの位置及び上記第2のスピーカの位置を算出する位置算出工程とを備え
    上記位置算出工程では、上記第1のスピーカに対して上記測定工程で測定されたマイクロフォン−スピーカ間距離に基づいて、上記第1のスピーカが上記マイクロフォンセットの正方向領域に位置するとして算出するとともに、上記第2のスピーカから出力され、第1の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補と、上記第2のスピーカから出力され、第2の配置に設置された上記マイクロフォンセットで集音された音声信号から算出された上記第2のスピーカの位置候補とを比較して、上記マイクロフォンセットに対する上記第2のスピーカの位置を上記第1のスピーカを基準位置として特定する音場測定方法。
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