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JP4284779B2 - Non-aqueous electrolyte battery - Google Patents

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JP4284779B2
JP4284779B2 JP26403799A JP26403799A JP4284779B2 JP 4284779 B2 JP4284779 B2 JP 4284779B2 JP 26403799 A JP26403799 A JP 26403799A JP 26403799 A JP26403799 A JP 26403799A JP 4284779 B2 JP4284779 B2 JP 4284779B2
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JP
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aqueous electrolyte
lithium
battery
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negative electrode
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Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムイオンの出入りにより起電力を得る非水電解質電池に関するものであり、いわゆるレドックスシャトルによる過充電防止技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池(非水電解質二次電池)において、安全性確保は最も重要な課題のひとつであり、中でも過充電保護は重要である。
【0003】
例えば、ニッケル−カドミウム電池においては、充電電圧が上がると水の化学反応による充電エネルギーの消費により過充電防止機構が働くが、非水系であるリチウム二次電池では別の機構が必要になる。
【0004】
リチウム二次電池における過充電防止機構としては、化学反応による方法と電子回路による方法が提案され、実用的には後者が主に採用されている。
【0005】
しかしながら、電子回路による方法では、コスト高になるばかりか、商品設計上、種々の制約が生ずることになる。
【0006】
そこで、化学反応により過充電を防止する技術の開発が進められており、化学的過充電保護手段として、非水系においては適当な酸化還元試薬を電解液に添加する方法が試みられている。酸化還元試薬の反応の可逆性がよい場合には、試薬が正負極間を往復して過充電電流を消費する保護機構が成立する。
【0007】
このような酸化還元試薬はレドックスシャトル等と呼ばれている。レドックスシャトルによってリチウム二次電池の安全装置を簡略化することは、電子回路式より低コストであり、また安全装置による電池のエネルギー密度の低下がないなどの利点がある。
【0008】
上記レドックスシャトルのリチウム二次電池への適応の可能性は、3V級の電池である場合にはフェロセン類が有用であることが報告されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フェロセン類は酸化還元電位が対リチウムで3.1〜3.5Vであるから、電池電圧がさらに大きい電池には適用できない。例えば、4V級の電池であるカーボン−LiCoO2型のリチウムイオン電池に対しては、対リチウムで4.0〜4.5V程度の酸化還元電位を示す化合物が必要になる。
【0010】
そこで、さらに検討が進められ、例えばFe(5−Cl−1,10−phenanthroline)32、Ru(phenanthroline)32(但し、式中のXはアニオン性分子である。)等の金属錯体やCe(NH42(NO35等のセリウム塩が、酸化還元電位が高く、電気化学的にも安定であり、上記4V級のリチウムイオン二次電池にも適用可能な酸化還元試薬として提案されている(特願平5−129493号明細書)。これらの中心金属であるFe,Ru,Ce等の遷移金属は、d軌道あるいはf軌道の状態により複数の安定な酸化還元状態をとり、適当な配位子を配位させたり、溶媒和分子とすることで酸化還元電位が制御され、レドックスシャトルとして好適なものとなる。
【0011】
ところが、金属錯体やセリウム塩は、このように大型の原子団が中心金属の軌道を取り囲む構造であることから、分子量及び一分子当たりの体積が大きい。
【0012】
このため、これを電解液に溶解する場合、その濃度や拡散速度が限定され、しばしば過充電防止効果が十分に働かないといった問題が生じる。
【0013】
例えば、過充電状態での反応が主としてリチウムイオンの反応である場合には、リチウムイオンは、通常、約1mol/lなる濃度で電解液中に溶解していることから、酸化還元試薬もこれに匹敵するモル濃度で電解液中に溶解させることが望ましい。
【0014】
しかし、分子量の大きい金属錯体やセリウム塩を電解液中に溶解させると、これらが電解液中で大きな体積を占め、電解液の粘度等の溶解物性に影響を及ぼす。その結果、リチウムイオン伝導度の低下を招来することからその濃度は自ずと制限される。
【0015】
しかも、上記金属錯体の中には、1モルの占める体積が1リットルに達するものもあり、このような金属錯体ではそもそも1mol/lの溶液とすることは不可能である。
【0016】
さらに、金属錯体やセリウム塩のような体積の大きな分子は、一般に拡散速度が遅い。このように電解液中での濃度がリチウムイオンよりも低く、加えて拡散速度がリチウムイオンより遅い酸化還元試薬では、リチウムイオンの過充電反応を十分に防止することは難しいといえる。
【0017】
そこで、本発明者は、適正な酸化還元電位を有し、酸化種並びに還元種がともに化学的に安定であり、かつ電池系統内での副反応によって電池性能を低下させることがなく、さらに電解液への溶解性が良好な酸化還元試薬として、ベンゼン環に2つのメトキシ基と、1つのハロゲン基が置換されたような化合物を提案し(特開平9−17447号公報)、これにより安全性に優れエネルギー密度の高い非水電解液二次電池を提供することができた。
【0018】
しかし、現状では、レドックスシャトルの運び得る過充電電流の上限、すなわち限界電流は、コイン型セルで約150μAであり、過充電制御用としては十分なものとはいえなかった。
【0019】
本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、適正な酸化還元電位を有し、酸化種並びに還元種がともに化学的に安定であり、かつ電池系内での副反応によって電池性能を低下させることがなく、さらに電解液への溶解性が良好な酸化還元試薬を提供し、これにより、安全性に優れエネルギー密度の高い非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の非水電解質電池は、リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を含有する正極と、上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを備え、上記非水電解質は、化3で表される有機化合物を含有することを特徴とする。
【0021】
【化3】

Figure 0004284779
(但し、式中、R 、R は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R 及びR が共に炭素数1の場合を除く。また、Xは、ハロゲンを表す。)
【0022】
この化3で表される、ベンゼン環に2つのアルコキシ基とハロゲン基が導入された構造の化合物は、アルコキシ基が酸化還元基として作用する酸化還元試薬であり、4V級電池のレドックスシャトルとして適当な酸化還元電位を有している。また、酸化種、還元種が化学的に安定である。しかも、この化合物は、基本骨格であるベンゼン環の分子量が78であり、例えばメタロセン類、ポリピリジン錯体等の金属錯体やセリウム塩等に比べて分子量が小さく、分子体積も小さい。このことは、電解液中における占有体積が小さく拡散速度が速いことを意味しており、電解液の溶液物性に与える影響が小さく、また電解液中での動態も良好である。
【0023】
したがって、このような化合物が非水電解液に含有された非水電解液二次電池では、過充電状態になった場合でもこの化合物によって過充電電流が効果的に消費され、過度な電圧上昇から電池が保護されることになる。
【0024】
また、本発明の非水電解質電池は、リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を含有する正極と、上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを備え、上記非水電解質は、化4で表される有機化合物を含有することを特徴とする。
【0025】
【化4】
Figure 0004284779
(但し、式中、R 及び/又はR は、C (2n+1―m) を表し、nは1〜5であり、1<m≦2n+1を満たすものである。X、Yは、ハロゲンを表す。R 又はR の一方が、C (2n+1―m) の場合、他方は、アルコキシ基である。)
【0026】
この化4で表される、ベンゼン環に2つの、一部がハロゲン置換されたアルコキシ基とハロゲン基が導入された構造の化合物は、一部がハロゲン置換されたアルコキシ基が酸化還元基として作用する酸化還元試薬であり、4V級電池のレドックスシャトルとして適当な酸化還元電位を有している。また、酸化種、還元種が化学的に安定である。しかも、この化合物は、基本骨格であるベンゼン環の分子量が78であり、例えばメタロセン類、ポリピリジン錯体等の金属錯体やセリウム塩等に比べて分子量が小さく、分子体積も小さい。このことは、電解液中における占有体積が小さく拡散速度が速いことを意味しており、電解液の溶液物性に与える影響が小さく、また電解液中での動態も良好である。
【0027】
したがって、このような化合物が非水電解液に含有された非水電解液二次電池では、過充電状態になった場合でもこの化合物によって過充電電流が効果的に消費され、過度な電圧上昇から電池が保護されることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明を適用した非水電解質電池の一構成例を図1に示す。この非水電解質電池1は、負極2と、負極2を収容する負極缶3と、正極4と、正極4を収容する正極缶5と、正極4と負極2との間に配されたセパレータ6と、絶縁ガスケット7とを備え、負極缶3及び正極缶5内に非水電解液が充填されてなる。
【0029】
負極2は、負極活物質である例えば金属リチウム箔からなる。また、負極2は、負極集電体上に、リチウムをドープ、脱ドープ可能な材料からなる負極活物質を含有する負極活物質層が形成された構成であってもよい。負極集電体としては、例えばニッケル箔等が用いられる。
【0030】
リチウムをドープ、脱ドープ可能な負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムがドープされた導電性高分子、層状化合物(炭素材料や金属酸化物など)が用いられる。
【0031】
負極活物質層に含有される結合剤としては、この種の非水電解質電池の負極活物質層の結合剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。
【0032】
負極缶3は、負極2を収容するものであり、また、非水電解質電池1の外部負極となる。
【0033】
正極4は、正極活物質であるLiCoO2からなる。また、正極4は、正極集電体上に、上述したような正極活物質を含有する正極活物質層が形成された構成であってもよい。正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等が用いられる。
【0034】
正極活物質としては、例えばLixMO2の一般式で表されるリチウム複合酸化物等が挙げられる。なお、Mは一種以上の遷移金属であり、xは通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。
【0035】
上記リチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、コバルト(Co),ニッケル,(Ni)、マンガン(Mn)又は鉄(Fe)のうち少なくとも1種であることが好ましい。リチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2,LiNiO2,LixNiyCo1-y2(xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0<x<1、0.7<y<1.0である。)あるいはLiMn24などが挙げられる。
【0036】
正極活物質層に含有される結合剤としては、この種の非水電解質電池の正極活物質層の結合剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。
【0037】
正極缶5は、正極4を収容するものであり、また、非水電解質電池1の外部正極となる。
【0038】
セパレータ6は、正極4と、負極2とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池のセパレータとして通常用いられている公知の材料を用いることができ、例えばポリプロピレンなどの高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータの厚みはできるだけ薄いことが必要である。具体的には、セパレータの厚みは例えば50μm以下が適当である。
【0039】
絶縁ガスケット7は、負極缶3に組み込まれ一体化されている。この絶縁ガスケット7は、負極缶3及び正極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止するためのものである。
【0040】
非水電解液としては、非プロトン性非水溶媒に電解質を溶解させた溶液が用いられる。
【0041】
非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等を使用することができる。特に、電圧安定性の点からは、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好ましい。また、このような非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0042】
また、非水溶媒に溶解させる電解質としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22等のリチウム塩を使用することができる。これらのリチウム塩の中でも、LiPF6、LiBF4を使用することが好ましい。
【0043】
上述したような、負極にリチウムを主体とする金属またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を用い、正極にリチウムと遷移金属の複合酸化物を用いてなる非水電解質電池1は、4V以上の高い電池電圧を有している。
【0044】
そして、本発明に係る非水電解質電池1では、非水電解液に化5で表される化合物が含有されている。
【0045】
【化5】
Figure 0004284779
(但し、式中、R 、R は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R 及びR が共に炭素数1の場合を除く。また、Xは、ハロゲンを表す。)
【0046】
この非水電解液に含有させる化合物はその酸化還元反応によって過充電電流を化学的に消費する,レドックスシャトルとして機能させるものである。
【0047】
まず、ベンゼン環に2つのメトキシ基とハロゲン基とを有する有機化合物は、酸化還元電位が適当な高さにあり、また、レドックスシャトルに要求される他の性能にも優れていることが確認されている(特開平9−17447号公報)。
【0048】
すなわち、非水電解液への溶解度が良好であり酸化種並びに還元種が共に化学的に安定であって、しかも電池系統内での副反応で電池性能を低下させることがない。コイン型セルに150μAの過充電電流を与えると、これら添加剤を含有しないセルの電圧は満充電である4.2Vを越えても上昇し続けるのに対し、これら添加剤を添加したセルの電圧は、4.2Vを僅かに越えた時点で一定となる。
【0049】
しかしながら、限界電流は150μAとなっており、過充電制御剤としては、十分なものとは言えない。これらの化合物のサイクリックボルタモグラムを見ると、可逆な酸化還元反応は、満充電時の正極の電位である4.2Vより僅かに貴な電位に開始している。また、それと重なるような酸化反応も見られる。これら酸化電位を、これまでよりさらに貴な電位にシフトさせることにより、化合物の耐酸化性はより向上し、限界電流が向上(例えば、副反応をなくす、添加量を大幅に増やす)、さらには、電池設計の自由度が増す(例えば、充電電圧を向上させる、負極電圧の高い材料を用いることができる、等)ことが考えられる。
【0050】
このような点を考慮すると、ベンゼン環にハロゲン基と2つのメトキシ基を有する有機化合物の耐酸化性をさらに向上させることが重要になる。
【0051】
そこで、本発明では、ベンゼン環にハロゲン基と2つのメトキシ基を有する有機化合物において、メトキシ基をエトキシ基、プロポキシル基、ブトキシ基又はペンチル基等のアルコキシ基に変えた化合物、すなわち上記化5で表される化合物が非水電解液中に含有させている。以下にこの化合物の特性を詳述する。
【0052】
このレドックスシャトルとして用いる有機化合物はベンゼン環に2つのアルコキシ基とハロゲン基が導入された構造を有しており、この2つのアルコキシ基が酸化還元基として作用する。
【0053】
まず、このようにベンゼン環を基本骨格とし、アルコキシ基を有する化合物は、4V級電池のレドックスシャトルとして適当な酸化還元電位を有するとともに、酸化種ならびに還元種がともに化学的に安定である。
【0054】
すなわち、有機化合物の二原子間の共有結合は原則として対をなした二原子によってひとつの一重結合を形成する。したがって、有機化合物を酸化あるいは還元して結合の電子系より1電子を取り去るか加えるかすると、有機化合物内に不対電子を生じる。この不対電子は化合物の分解か、他の分子と新たな結合を形成することにより安定化されるが、有機化合物においてこの不対電子を有する状態は原則として不安定である。
【0055】
しかしながら、不対電子が芳香族のπ軌道のような非局在化した軌道に存在し、分子内で二個以上の原子上に広がっている場合には、不対電子を有していても有機化合物は比較的安定に存在し得る。ただし、この場合、酸化還元電位は不対電子の広がり程度と軌道の対称性によりおよそ決まり、軌道の広がりが大きすぎると、酸化還元電位が不適当となる。このような点を考慮するとベンゼン環のような比較的分子量の小さい芳香環を基本骨格とする有機化合物がレドックスシャトルとして適している。
【0056】
そして、さらに、このアルコキシ基を有するベンゼン環にハロゲン基が導入されていると以下のような効果がある。
【0057】
すなわち、化合物の酸化還元電位は分子の基本骨格によって大まかに決定されるが、これに置換基が導入されていると、多くの場合、電子吸引性の置換基は酸化還元電位を上げ、電子供与性の置換基は酸化還元電位を下げるように作用する。そして、複数の置換基の効果はしばしば加成性が成り立つことが知られている。
【0058】
ここで、ベンゼン環に置換基としてハロゲン基が導入されていると、ハロゲン基が酸化還元電位を上昇させる。実際の電池系では電解液の種類によって電位が数百mV程度上下するが、ハロゲン基が導入されているベンゼン環では、このようなハロゲン基の作用によって酸化還元電位が微調整される。したがって、電解液の種類に依らず適当な電位で酸化還元し、レドックスシャトルとして十分な機能を発揮することになる。
【0059】
なお、ベンゼン環に導入されるアルコキシ基は、1分子あたり2つ導入されていることが必要である。1つのみでは酸化還元基としての効果が小さく、当該化合物の必要使用量が増大してしまう。
【0060】
以上のようにベンゼン環に2つのアルコキシ基とハロゲン基が導入された構造の有機化合物は、酸化還元電位が4V級電池のレドックスシャトルとして適当であり且つ酸化種並びに還元種が化学的に安定であり、副反応によって電池性能を劣化させることがない。しかも、この化合物は、基本骨格であるベンゼン環の分子量が78であり、例えばメタロセン類、ポリピリジン錯体等の金属錯体やセリウム塩等に比べて分子量が小さく、分子体積も小さい。このことは、電解液中における占有体積が小さく拡散速度が速いことを意味しており、電解液の溶媒特性に与える影響が小さく、また電解液中での動態も良好である。
【0061】
このような有機化合物を具体的に例示すると、1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼン、1,2−ジプロポキシ−4−ブロモベンゼン、1−ブトキシ−2−メトキシ−4−ブロモベンゼン、1,2−ジプロポキシ−4−フルオロベンゼン等が挙げられる。
【0062】
また、ベンゼン環に導入されているアルコキシ基の一部を、ハロゲン置換することも、化合物の耐酸化性を高める上で効果的である。
【0063】
すなわち、本発明に係る非水電解質電池1では、非水電解液に化6で表される化合物が含有されていてもよい。アルコキシ基の水素の一部をハロゲンで置換することにより、化合物の耐酸化性が高まる。そして、このような化合物はレドックスシャトルとして特に適したものとなり、非水電解質電池1の限界電流を向上させて、信頼性をより高めることができる。
【0064】
【化6】
Figure 0004284779
(但し、式中、R 及び/又はR は、C (2n+1―m) を表し、nは1〜5であり、1<m≦2n+1を満たすものである。X、Yは、ハロゲンを表す。R 又はR の一方が、C (2n+1―m) の場合、他方は、アルコキシ基である。)
【0065】
ここで、上記化6で表される化合物の炭素数nは、1〜5であるとする。このような有機化合物を具体的に例示すると、1,2−ジ(モノフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼン、1,2−ジ(ジフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼン、1,2−ジ(トリフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼン、1−トリフルオロ−2−メトキシ−4−ブロモベンゼン等が挙げられる。
【0066】
そして、上記化5又は上記化6で表される有機化合物は、上記非水電解液中に、0.2mmol/l以上、1.0mol/l未満の範囲で含有されていることが好ましい。
【0067】
有機化合物の含有量が0.2mmol/lよりも少ないと、レドックスシャトルとしても機能を十分に果たすことが出来ない。また、有機化合物の含有量が1.0mol/l以上であると、却って非水電解質電池1の容量を低下させてしまう。従って、有機化合物の含有量を、0.2mmol/l以上、1.0mol/l未満の範囲とすることで、容量を低下させることなく、レドックスシャトルとしても機能を十分に発揮することが出来る。
【0068】
以上のように構成される本発明に係る非水電解質電池1は、過充電保護を低コストで、しかもエネルギー密度を低下させる保護装置なしに実現することができ、軽量にして高容量かつ長寿命の二次電池となる。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、非水電解質電池1として、非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を用いた非水電解液電池を例に挙げて説明したが、本発明は、マトリクスポリマと非水電解液とを含有するゲル状の固体電解質を用いた電池や、溶液系を含まない完全固体電解質を用いた電池についても適用可能である。
【0070】
また、上述した実施の形態では、二次電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一次電池についても適用可能である。また、本発明の電池は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等、その形状については特に限定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
【0071】
【実施例】
本発明の効果を確認すべく、上述したような構成の非水電解質電池を作製し、その特性を評価した。
【0072】
以下に示す実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2では、アルコキシ基の側鎖を長くした場合の効果について調べた。
【0073】
〈実施例1〉
まず、金属リチウムを円盤状に打ち抜き、これを負極とした。
【0074】
また、LiCoO2を円盤状に圧縮成型し、これを正極とした。
【0075】
また、炭酸プロピレンと炭酸ジメチルとを1:1なる体積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/lで、1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させて非水電解液を調製した。
【0076】
そして、負極2を負極缶3に収容し、正極4を正極缶5に収容し、負極2と正極4との間に、ポリプロピレン製多孔質膜等からなるセパレータ6を配した。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、絶縁ガスケット7を介して負極缶3と正極缶5とをかしめて固定することにより、直径20mm、高さ2.5mmのコイン型非水電解液電池を完成した。
【0077】
〈実施例2〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジプロポキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0078】
〈実施例3〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1−ブトキシ−2−メトキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0079】
〈実施例4〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジプロポキシ−4−フルオロベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0080】
〈比較例1〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジメトキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0081】
〈比較例2〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジメトキシ−4−フルオロベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0082】
以上のようにして作製された実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2で作製された電池について、過充電条件で充電を行い、その電圧変化を調べた。
【0083】
なお、充放電は、はじめに電流150μA又は300μAで、閉回路での電池電圧が4.95Vになるまで定電流充電を行った後、4.95Vの定電圧で引き続き定電圧充電を一定時間行うといったプロセスで行った。
【0084】
実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2の電池について、150μAで充放電を行った場合の電圧変化を図2に示す。また、実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例2の電池について、300μAで充放電を行った場合の電圧変化を図3に示す。
【0085】
図2において、充電プロセスにおける電圧変化を見ると、実施例1〜実施例4のシャトル電圧、すなわちレドックスシャトルが働いたことにより一定に保たれる電圧は、比較例1及び比較例2の電池電圧に比べて高くなっていることがわかる。これは、アルコキシ基の側鎖を長くすることにより、化合物の耐酸化性が向上しているためと考えられる。
【0086】
また、図3において、充電プロセスにおける電圧変化を見ると、比較例1及び比較例2の電池は、300μA充電では、限界電流を上回り、電圧を一定に保つことが出来ていないことがわかる。これに対し、実施例1〜実施例4の電池では、300μAの電流でも、電圧が一定に保たれ、限界電流が向上していることがわかる。これは、アルコキシ基の側鎖を長くすることにより、化合物の耐酸化性が向上しているためと考えられる。
【0087】
以上のような効果は、ベンゼン環に直接置換されるアルコキシ基の位置、ハロゲン基の種類や位置が異なっても、同様に得られるものと考えられる。
【0088】
以下に示す実施例5〜実施例8、比較例3及び比較例4では、アルコキシ基の一部をハロゲン置換した場合の効果について調べた。
【0089】
〈実施例5〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジ(モノフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0090】
〈実施例6〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジ(ジフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0091】
〈実施例7〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジ(トリフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0092】
〈実施例8〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1−トリフルオロ−2−メトキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0093】
〈比較例3〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジメトキシ−4−ブロモベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0094】
〈比較例4〉
1,2−ジエトキシ−4−ブロモベンゼンに代えて、非水電解液中に1,2−ジメトキシ−4−フルオロベンゼンを200mmol/lで溶解させたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を完成した。
【0095】
以上のようにして作製された実施例5〜実施例8、比較例3及び比較例4で作製された電池について、過充電条件で充電を行い、その電圧変化を調べた。
【0096】
なお、充放電は、はじめに電流150μA又は300μAで、閉回路での電池電圧が4.95Vになるまで定電流充電を行った後、4.95Vの定電圧で引き続き定電圧充電を一定時間行うといったプロセスで行った。
【0097】
実施例5〜実施例8、比較例3及び比較例4の電池について、150μAで充放電を行った場合の電圧変化を図4に示す。また、実施例5〜実施例8、比較例3〜比較例4の電池について、300μAで充放電を行った場合の電圧変化を図5に示す。
【0098】
図4において、充電プロセスにおける電圧変化を見ると、実施例5〜実施例8のシャトル電圧、すなわちレドックスシャトルが働いたことにより一定に保たれる電圧は、比較例3及び比較例4の電池電圧に比べて高くなっていることがわかる。これは、アルコキシ基の一部をハロゲン置換することにより、化合物の耐酸化性が向上しているためと考えられる。
【0099】
また、図5において、充電プロセスにおける電圧変化を見ると、比較例3及び比較例4の電池は、300μA充電では、限界電流を上回り、電圧を一定に保つことが出来ていないことがわかる。これに対し、実施例5〜実施例8の電池では、300μAの電流でも、電圧が一定に保たれ、限界電流が向上していることがわかる。これは、アルコキシ基の一部をハロゲン置換することにより、化合物の耐酸化性が向上しているためと考えられる。
【0100】
以上のような効果は、ベンゼン環に直接置換されるアルコキシ基の位置、ハロゲン基の種類や位置が異なっても、同様に得られるものと考えられる。
【0101】
以上の結果より、非水電解液中に、上記化5又は上記化6で表される化合物を含有させることで、レドックスシャトル性能を更に向上させることができることがわかった。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、エネルギー密度の高い4V以上の電圧のリチウム二次電池(非水電解液二次電池)の過充電保護を低コストで、しかもエネルギー密度を低下させる保護装置なしに提供することができる。したがって、軽量にして高容量かつ長寿命の二次電池を安価に供給することができ、しかも電池の安全性や信頼性に優れていることから、広く二次電池を必要とするポータブル機器、自動車用バッテリー、電気自動車、ロードレベリングなどの用途に使用することができ、その効果は非常に大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の一構成例を示す断面図である。
【図2】実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2で作製した電池について、150μAで充放電を行った場合の電圧変化を示す図である。
【図3】実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2で作製した電池について、300μAで充放電を行った場合の電圧変化を示す図である。
【図4】実施例5〜実施例8、比較例3及び比較例4で作製した電池について、150μAで充放電を行った場合の電圧変化を示す図である。
【図5】実施例5〜実施例8、比較例3及び比較例4で作製した電池について、300μAで充放電を行った場合の電圧変化を示す図である。
【符号の説明】
1 非水電解質電池、 2 負極、 3 負極缶、 4 正極、 5 正極缶、 6 セパレータ、 7 絶縁ガスケット[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a non-aqueous electrolyte battery that obtains an electromotive force when lithium ions enter and exit, and to an overcharge prevention technique using a so-called redox shuttle.
[0002]
[Prior art]
In a lithium secondary battery (non-aqueous electrolyte secondary battery), ensuring safety is one of the most important issues, and overcharge protection is particularly important.
[0003]
For example, in a nickel-cadmium battery, when a charging voltage increases, an overcharge prevention mechanism works due to consumption of charging energy due to a chemical reaction of water, but a non-aqueous lithium secondary battery requires another mechanism.
[0004]
As a mechanism for preventing overcharge in a lithium secondary battery, a method using a chemical reaction and a method using an electronic circuit have been proposed, and the latter is mainly used practically.
[0005]
However, the method using an electronic circuit not only increases the cost, but also causes various restrictions in product design.
[0006]
Therefore, development of a technique for preventing overcharge by a chemical reaction has been advanced, and as a method for protecting chemical overcharge, a method of adding an appropriate redox reagent to an electrolyte in a non-aqueous system has been attempted. When the reversibility of the oxidation-reduction reagent is good, a protection mechanism is established in which the reagent reciprocates between the positive and negative electrodes to consume an overcharge current.
[0007]
Such a redox reagent is called a redox shuttle or the like. Simplifying the safety device of the lithium secondary battery by the redox shuttle is advantageous in that the cost is lower than that of the electronic circuit type and the energy density of the battery is not reduced by the safety device.
[0008]
The possibility of adapting the redox shuttle to a lithium secondary battery has been reported that ferrocenes are useful in the case of a 3V class battery.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, since ferrocenes have an oxidation-reduction potential of 3.1 to 3.5 V with respect to lithium, they cannot be applied to a battery having a higher battery voltage. For example, carbon-LiCoO which is a 4V class battery2For a lithium ion battery of the type, a compound showing a redox potential of about 4.0 to 4.5 V with respect to lithium is required.
[0010]
Therefore, further studies have been made, for example, Fe (5-Cl-1,10-phenanthhroline).ThreeX2, Ru (phenanthhroline)ThreeX2(Wherein X is an anionic molecule) and Ce (NHFour)2(NOThree)FiveHas been proposed as an oxidation-reduction reagent that has a high oxidation-reduction potential, is electrochemically stable, and can also be applied to the 4V-class lithium ion secondary battery (Japanese Patent Application No. 5-129493). Issue description). These transition metals such as Fe, Ru, and Ce, which are central metals, take a plurality of stable redox states depending on the d orbital or forbital state, coordinate appropriate ligands, By doing so, the redox potential is controlled, and the redox shuttle is suitable.
[0011]
However, metal complexes and cerium salts have a large molecular weight and a large volume per molecule because such a large atomic group surrounds the orbit of the central metal.
[0012]
For this reason, when this is melt | dissolved in electrolyte solution, the density | concentration and a diffusion rate are limited, and the problem that an overcharge prevention effect does not fully work often arises.
[0013]
For example, when the reaction in the overcharged state is mainly a reaction of lithium ions, the lithium ions are usually dissolved in the electrolyte solution at a concentration of about 1 mol / l. It is desirable to dissolve in the electrolyte at a comparable molar concentration.
[0014]
However, when a metal complex or cerium salt having a large molecular weight is dissolved in the electrolytic solution, these occupy a large volume in the electrolytic solution and affect dissolved physical properties such as the viscosity of the electrolytic solution. As a result, the lithium ion conductivity is lowered, so that the concentration is naturally limited.
[0015]
In addition, some of the above metal complexes can have a volume occupied by 1 mol reaching 1 liter, and such a metal complex cannot be made into a 1 mol / l solution in the first place.
[0016]
In addition, large-volume molecules such as metal complexes and cerium salts generally have a slow diffusion rate. Thus, it can be said that it is difficult to sufficiently prevent an overcharge reaction of lithium ions with a redox reagent whose concentration in the electrolytic solution is lower than that of lithium ions and in addition, the diffusion rate is slower than that of lithium ions.
[0017]
Therefore, the present inventor has an appropriate oxidation-reduction potential, both the oxidized species and the reduced species are chemically stable, and does not deteriorate the battery performance due to side reactions in the battery system. As a redox reagent having good solubility in the liquid, a compound in which two methoxy groups and one halogen group are substituted on the benzene ring is proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 9-17447). And a non-aqueous electrolyte secondary battery having a high energy density.
[0018]
However, at present, the upper limit of the overcharge current that can be carried by the redox shuttle, that is, the limit current is about 150 μA in the coin-type cell, which is not sufficient for overcharge control.
[0019]
The present invention has been proposed in view of such conventional circumstances, has an appropriate oxidation-reduction potential, both the oxidized species and the reduced species are chemically stable, and a side reaction in the battery system. An object of the present invention is to provide a redox reagent that does not deteriorate battery performance and has good solubility in an electrolyte, thereby providing a non-aqueous electrolyte battery that has excellent safety and high energy density. .
[0020]
[Means for Solving the Problems]
The nonaqueous electrolyte battery of the present invention includes a negative electrode containing a lithium metal, a lithium alloy or a material capable of doping and undoping lithium, a positive electrode containing a composite oxide of lithium and a transition metal, the positive electrode, and the negative electrode A non-aqueous electrolyte interposed between the non-aqueous electrolyte and the non-aqueous electrolyte containing an organic compound represented by Chemical formula 3.
[0021]
[Chemical 3]
Figure 0004284779
(However, in the formula, R 1 , R 2 Represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, R 1 And R 2 Except when both have 1 carbon atoms. X represents halogen. )
[0022]
A compound having a structure in which two alkoxy groups and a halogen group are introduced into the benzene ring represented by Chemical Formula 3 is a redox reagent in which an alkoxy group acts as a redox group, and is suitable as a redox shuttle for a 4V class battery. Have a good redox potential. In addition, oxidized species and reduced species are chemically stable. Moreover, this compound has a molecular weight of 78, which is the basic skeleton of the benzene ring, and has a lower molecular weight and a smaller molecular volume than, for example, metal complexes such as metallocenes and polypyridine complexes, and cerium salts. This means that the occupied volume in the electrolytic solution is small and the diffusion rate is fast, the influence on the solution physical properties of the electrolytic solution is small, and the kinetics in the electrolytic solution is also good.
[0023]
Therefore, in a non-aqueous electrolyte secondary battery in which such a compound is contained in a non-aqueous electrolyte, even when the compound is in an overcharged state, the overcharge current is effectively consumed by this compound, resulting in excessive voltage rise. The battery will be protected.
[0024]
Further, the nonaqueous electrolyte battery of the present invention includes a negative electrode containing a lithium metal, a lithium alloy or a material capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode containing a composite oxide of lithium and a transition metal, and the positive electrode. A non-aqueous electrolyte interposed between the negative electrode and the non-aqueous electrolyte, wherein the non-aqueous electrolyte contains an organic compound represented by Chemical Formula 4:
[0025]
[Formula 4]
Figure 0004284779
(However, in the formula, R 3 And / or R 4 Is C n Y m H (2n + 1-m) Where n is 1 to 5 and satisfies 1 <m ≦ 2n + 1. X and Y represent halogen. R 3 Or R 4 One of the C n Y m H (2n + 1-m) In this case, the other is an alkoxy group. )
[0026]
The compound having a structure in which two partially substituted halogen groups and a halogen group are introduced into the benzene ring represented by the chemical formula 4, the partially halogenated alkoxy group acts as a redox group. It has a redox potential suitable as a redox shuttle for 4V class batteries. In addition, oxidized species and reduced species are chemically stable. Moreover, this compound has a molecular weight of 78, which is the basic skeleton of the benzene ring, and has a lower molecular weight and a smaller molecular volume than, for example, metal complexes such as metallocenes and polypyridine complexes, and cerium salts. This means that the occupied volume in the electrolytic solution is small and the diffusion rate is fast, the influence on the solution physical properties of the electrolytic solution is small, and the kinetics in the electrolytic solution is also good.
[0027]
Therefore, in a non-aqueous electrolyte secondary battery in which such a compound is contained in a non-aqueous electrolyte, even when the compound is in an overcharged state, the overcharge current is effectively consumed by this compound, resulting in excessive voltage rise. The battery will be protected.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
One structural example of the nonaqueous electrolyte battery to which the present invention is applied is shown in FIG. The nonaqueous electrolyte battery 1 includes a negative electrode 2, a negative electrode can 3 that accommodates the negative electrode 2, a positive electrode 4, a positive electrode can 5 that accommodates the positive electrode 4, and a separator 6 disposed between the positive electrode 4 and the negative electrode 2. And an insulating gasket 7, and the negative electrode can 3 and the positive electrode can 5 are filled with a nonaqueous electrolytic solution.
[0029]
The negative electrode 2 is made of, for example, a metal lithium foil that is a negative electrode active material. Further, the negative electrode 2 may have a configuration in which a negative electrode active material layer containing a negative electrode active material made of a material that can be doped and dedoped with lithium is formed on a negative electrode current collector. For example, a nickel foil or the like is used as the negative electrode current collector.
[0030]
As the negative electrode active material that can be doped and dedoped with lithium, metallic lithium, a lithium alloy, a conductive polymer doped with lithium, a layered compound (such as a carbon material or a metal oxide) is used.
[0031]
As a binder contained in a negative electrode active material layer, the well-known resin material etc. which are normally used as a binder of the negative electrode active material layer of this kind of nonaqueous electrolyte battery can be used.
[0032]
The negative electrode can 3 accommodates the negative electrode 2 and serves as an external negative electrode of the nonaqueous electrolyte battery 1.
[0033]
The positive electrode 4 is LiCoO which is a positive electrode active material.2Consists of. The positive electrode 4 may have a configuration in which a positive electrode active material layer containing the positive electrode active material as described above is formed on a positive electrode current collector. For example, an aluminum foil or the like is used as the positive electrode current collector.
[0034]
As the positive electrode active material, for example, LixMO2And lithium composite oxides represented by the general formula: M is one or more transition metals, and x is usually a value in the range of 0.05 ≦ x ≦ 1.10.
[0035]
The transition metal M constituting the lithium composite oxide is preferably at least one of cobalt (Co), nickel, (Ni), manganese (Mn), and iron (Fe). As a specific example of the lithium composite oxide, LiCoO2, LiNiO2, LixNiyCo1-yO2(The values of x and y vary depending on the charge / discharge state of the battery, and usually 0 <x <1, 0.7 <y <1.0) or LiMn2OFourEtc.
[0036]
As a binder contained in a positive electrode active material layer, the well-known resin material etc. which are normally used as a binder of the positive electrode active material layer of this kind of nonaqueous electrolyte battery can be used.
[0037]
The positive electrode can 5 accommodates the positive electrode 4 and serves as an external positive electrode of the nonaqueous electrolyte battery 1.
[0038]
The separator 6 separates the positive electrode 4 and the negative electrode 2, and a known material that is usually used as a separator for this type of nonaqueous electrolyte battery can be used. For example, a polymer film such as polypropylene is used. Used. Moreover, the thickness of a separator needs to be as thin as possible from the relationship between lithium ion conductivity and energy density. Specifically, the thickness of the separator is suitably 50 μm or less, for example.
[0039]
The insulating gasket 7 is incorporated in and integrated with the negative electrode can 3. The insulating gasket 7 is for preventing leakage of the non-aqueous electrolyte filled in the negative electrode can 3 and the positive electrode can 5.
[0040]
As the non-aqueous electrolyte, a solution in which an electrolyte is dissolved in an aprotic non-aqueous solvent is used.
[0041]
Examples of the non-aqueous solvent include propylene carbonate, ethylene carbonate, butylene carbonate, vinylene carbonate, γ-butyl lactone, sulfolane, 1,2-dimethoxyethane, 1,2-diethoxyethane, 2-methyltetrahydrofuran, 3-methyl 1 , 3-dioxolane, methyl propionate, methyl butyrate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, dipropyl carbonate, and the like can be used. In particular, from the viewpoint of voltage stability, it is preferable to use cyclic carbonates such as propylene carbonate and vinylene carbonate, and chain carbonates such as dimethyl carbonate, diethyl carbonate, and dipropyl carbonate. Moreover, such a non-aqueous solvent may be used individually by 1 type, and 2 or more types may be mixed and used for it.
[0042]
Moreover, as an electrolyte dissolved in a non-aqueous solvent, for example, LiPF6LiClOFour, LiAsF6, LiBFFour, LiCFThreeSOThree, LiN (CFThreeSO2)2Lithium salts such as can be used. Among these lithium salts, LiPF6, LiBFFourIs preferably used.
[0043]
As described above, the non-aqueous electrolyte battery 1 using a metal mainly composed of lithium or a material capable of doping and undoping lithium as the negative electrode and using a composite oxide of lithium and transition metal as the positive electrode has a voltage of 4 V or more. Has a high battery voltage.
[0044]
And in the nonaqueous electrolyte battery 1 which concerns on this invention, the compound represented by Chemical formula 5 is contained in the nonaqueous electrolyte solution.
[0045]
[Chemical formula 5]
Figure 0004284779
(However, in the formula, R 1 , R 2 Represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, R 1 And R 2 Except when both have 1 carbon atoms. X represents halogen. )
[0046]
The compound contained in the non-aqueous electrolyte functions as a redox shuttle that chemically consumes an overcharge current by its oxidation-reduction reaction.
[0047]
First, it has been confirmed that an organic compound having two methoxy groups and a halogen group in the benzene ring has an appropriate redox potential and is excellent in other performances required for the redox shuttle. (Japanese Patent Laid-Open No. 9-17447).
[0048]
That is, the solubility in the non-aqueous electrolyte is good, both the oxidized species and the reduced species are chemically stable, and the battery performance does not deteriorate due to side reactions in the battery system. When an overcharge current of 150 μA is applied to a coin-type cell, the voltage of the cell not containing these additives continues to rise even when the voltage exceeds 4.2 V, which is fully charged, whereas the voltage of the cell to which these additives are added Becomes constant when the voltage slightly exceeds 4.2V.
[0049]
However, the limit current is 150 μA, which is not sufficient as an overcharge control agent. Looking at the cyclic voltammograms of these compounds, the reversible oxidation-reduction reaction starts at a potential slightly higher than 4.2 V, which is the potential of the positive electrode when fully charged. In addition, an oxidation reaction that overlaps with it is also observed. By shifting these oxidation potentials to a more noble potential than before, the oxidation resistance of the compound is further improved, the limiting current is improved (for example, the side reaction is eliminated, the addition amount is greatly increased), and further It is conceivable that the degree of freedom in battery design is increased (for example, a material having a high negative voltage can be used to improve the charging voltage).
[0050]
Considering such points, it is important to further improve the oxidation resistance of an organic compound having a halogen group and two methoxy groups in the benzene ring.
[0051]
Therefore, in the present invention, in an organic compound having a halogen group and two methoxy groups in the benzene ring, a compound in which the methoxy group is changed to an alkoxy group such as ethoxy group, propoxyl group, butoxy group or pentyl group, that is, Is contained in the non-aqueous electrolyte. The characteristics of this compound are described in detail below.
[0052]
The organic compound used as the redox shuttle has a structure in which two alkoxy groups and a halogen group are introduced into the benzene ring, and these two alkoxy groups act as redox groups.
[0053]
First, a compound having a benzene ring as a basic skeleton and an alkoxy group as described above has an appropriate redox potential as a redox shuttle for a 4V class battery, and both oxidized and reduced species are chemically stable.
[0054]
That is, a covalent bond between two atoms of an organic compound forms one single bond by a pair of two atoms in principle. Therefore, when an organic compound is oxidized or reduced to remove or add one electron from the bonded electron system, an unpaired electron is generated in the organic compound. This unpaired electron is stabilized by decomposing the compound or forming a new bond with another molecule, but the state having the unpaired electron in an organic compound is unstable in principle.
[0055]
However, if unpaired electrons exist in delocalized orbitals such as aromatic π orbitals and extend over two or more atoms in the molecule, they may have unpaired electrons. Organic compounds can exist relatively stably. However, in this case, the redox potential is determined approximately by the extent of unpaired electrons and the symmetry of the orbit, and if the orbital spread is too large, the redox potential becomes inappropriate. Considering such points, an organic compound having a basic skeleton of an aromatic ring having a relatively small molecular weight such as a benzene ring is suitable as a redox shuttle.
[0056]
Further, when a halogen group is introduced into the benzene ring having the alkoxy group, the following effects are obtained.
[0057]
In other words, the oxidation-reduction potential of a compound is roughly determined by the basic skeleton of the molecule, but when a substituent is introduced into this, in many cases, the electron-withdrawing substituent raises the oxidation-reduction potential, and electron donation. Sex substituents act to lower the redox potential. And it is known that the effect of a plurality of substituents often holds additivity.
[0058]
Here, when a halogen group is introduced as a substituent into the benzene ring, the halogen group increases the redox potential. In an actual battery system, the potential increases or decreases by about several hundred mV depending on the type of the electrolytic solution. However, in the benzene ring into which a halogen group is introduced, the redox potential is finely adjusted by the action of such a halogen group. Therefore, it is oxidized and reduced at an appropriate potential regardless of the type of the electrolyte, and exhibits a sufficient function as a redox shuttle.
[0059]
In addition, it is necessary that two alkoxy groups introduced into the benzene ring are introduced per molecule. If only one is used, the effect as a redox group is small, and the required amount of the compound used increases.
[0060]
As described above, an organic compound having a structure in which two alkoxy groups and a halogen group are introduced into the benzene ring is suitable as a redox shuttle for a 4V class battery, and the oxidation species and the reduction species are chemically stable. Yes, battery performance is not degraded by side reactions. Moreover, this compound has a molecular weight of 78, which is the basic skeleton of the benzene ring, and has a lower molecular weight and a smaller molecular volume than, for example, metal complexes such as metallocenes and polypyridine complexes, and cerium salts. This means that the occupied volume in the electrolytic solution is small and the diffusion rate is fast, the influence on the solvent characteristics of the electrolytic solution is small, and the kinetics in the electrolytic solution is also good.
[0061]
Specific examples of such organic compounds include 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, 1,2-dipropoxy-4-bromobenzene, 1-butoxy-2-methoxy-4-bromobenzene, 1,2 -Dipropoxy-4-fluorobenzene etc. are mentioned.
[0062]
In addition, it is also effective in increasing the oxidation resistance of a compound to substitute a part of the alkoxy group introduced into the benzene ring with a halogen.
[0063]
That is, in the nonaqueous electrolyte battery 1 according to the present invention, the compound represented by Chemical Formula 6 may be contained in the nonaqueous electrolyte solution. Replacing a part of the hydrogen of the alkoxy group with halogen increases the oxidation resistance of the compound. Such a compound is particularly suitable as a redox shuttle, and can improve the limit current of the nonaqueous electrolyte battery 1 and further improve the reliability.
[0064]
[Chemical 6]
Figure 0004284779
(However, in the formula, R 3 And / or R 4 Is C n Y m H (2n + 1-m) Where n is 1 to 5 and satisfies 1 <m ≦ 2n + 1. X and Y represent halogen. R 3 Or R 4 One of the C n Y m H (2n + 1-m) In this case, the other is an alkoxy group. )
[0065]
Here, the carbon number n of the compound represented by the chemical formula 6 is 1 to 5. Specific examples of such organic compounds include 1,2-di (monofluoromethoxy) -4-bromobenzene, 1,2-di (difluoromethoxy) -4-bromobenzene, 1,2-di (tri Fluoromethoxy) -4-bromobenzene, 1-trifluoro-2-methoxy-4-bromobenzene and the like.
[0066]
The organic compound represented by Chemical Formula 5 or Chemical Formula 6 is preferably contained in the nonaqueous electrolytic solution in a range of 0.2 mmol / l or more and less than 1.0 mol / l.
[0067]
If the content of the organic compound is less than 0.2 mmol / l, the redox shuttle cannot sufficiently function. On the other hand, if the content of the organic compound is 1.0 mol / l or more, the capacity of the non-aqueous electrolyte battery 1 is decreased. Therefore, by setting the content of the organic compound in the range of 0.2 mmol / l or more and less than 1.0 mol / l, the function can be sufficiently exhibited as a redox shuttle without reducing the capacity.
[0068]
The nonaqueous electrolyte battery 1 according to the present invention configured as described above can realize overcharge protection at a low cost and without a protection device that lowers the energy density, and is lightweight and has a high capacity and a long life. Secondary battery.
[0069]
In the above-described embodiment, the nonaqueous electrolyte battery 1 has been described by taking a nonaqueous electrolyte battery using a nonaqueous electrolyte solution in which an electrolyte is dissolved in a nonaqueous solvent as an example. The present invention can also be applied to a battery using a gel-like solid electrolyte containing a matrix polymer and a non-aqueous electrolyte, or a battery using a complete solid electrolyte not containing a solution system.
[0070]
In the above-described embodiment, the secondary battery has been described as an example. However, the present invention is not limited to this, and can also be applied to a primary battery. The battery of the present invention is not particularly limited in shape, such as a cylindrical shape, a square shape, a coin shape, and a button shape, and can be various sizes such as a thin shape and a large size.
[0071]
【Example】
In order to confirm the effect of the present invention, a non-aqueous electrolyte battery having the above-described configuration was produced and its characteristics were evaluated.
[0072]
In Examples 1 to 4, Comparative Example 1 and Comparative Example 2 shown below, the effect of increasing the side chain of the alkoxy group was examined.
[0073]
<Example 1>
First, metallic lithium was punched into a disk shape, and this was used as a negative electrode.
[0074]
LiCoO2Was compression-molded into a disk shape and used as a positive electrode.
[0075]
Further, LiPF was mixed with a mixed solvent in which propylene carbonate and dimethyl carbonate were mixed at a volume ratio of 1: 1.6Was dissolved at a rate of 1.0 mol / l and 1,2-diethoxy-4-bromobenzene was dissolved at a rate of 200 mmol / l to prepare a non-aqueous electrolyte.
[0076]
Then, the negative electrode 2 was accommodated in the negative electrode can 3, the positive electrode 4 was accommodated in the positive electrode can 5, and a separator 6 made of a polypropylene porous film or the like was disposed between the negative electrode 2 and the positive electrode 4. A coin type having a diameter of 20 mm and a height of 2.5 mm is obtained by injecting a non-aqueous electrolyte into the negative electrode can 3 and the positive electrode can 5 and caulking and fixing the negative electrode can 3 and the positive electrode can 5 through the insulating gasket 7. A non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0077]
<Example 2>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dipropoxy-4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0078]
<Example 3>
Instead of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, the same procedure as in Example 1 was conducted except that 1-butoxy-2-methoxy-4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte. A coin-type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0079]
<Example 4>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dipropoxy-4-fluorobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0080]
<Comparative example 1>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was obtained in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dimethoxy-4-bromobenzene was dissolved in non-aqueous electrolyte at 200 mmol / l. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0081]
<Comparative example 2>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dimethoxy-4-fluorobenzene was dissolved in non-aqueous electrolyte at 200 mmol / l. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0082]
The batteries produced in Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 and 2 produced as described above were charged under overcharge conditions, and the voltage change was examined.
[0083]
In addition, charging / discharging is performed at a constant current of 150 μA or 300 μA at first until the battery voltage in a closed circuit reaches 4.95 V, and then at a constant voltage of 4.95 V, constant voltage charging is continued for a certain time. Made in the process.
[0084]
FIG. 2 shows changes in voltage when the batteries of Examples 1 to 4, Comparative Example 1 and Comparative Example 2 are charged and discharged at 150 μA. Moreover, about the battery of Example 1-Example 4 and Comparative Example 1-Comparative Example 2, the voltage change at the time of charging / discharging at 300 microamperes is shown in FIG.
[0085]
In FIG. 2, when the voltage change in the charging process is seen, the shuttle voltage of Example 1 to Example 4, that is, the voltage kept constant by the operation of the redox shuttle is the battery voltage of Comparative Example 1 and Comparative Example 2. It can be seen that it is higher than. This is presumably because the oxidation resistance of the compound is improved by lengthening the side chain of the alkoxy group.
[0086]
Further, in FIG. 3, when the voltage change in the charging process is seen, it can be seen that the batteries of Comparative Example 1 and Comparative Example 2 exceeded the limit current and could not keep the voltage constant at 300 μA charging. On the other hand, in the batteries of Examples 1 to 4, it can be seen that the voltage is kept constant even at a current of 300 μA, and the limit current is improved. This is presumably because the oxidation resistance of the compound is improved by lengthening the side chain of the alkoxy group.
[0087]
The above effects are considered to be obtained in the same manner even when the position of the alkoxy group directly substituted on the benzene ring and the type and position of the halogen group are different.
[0088]
In Examples 5 to 8, Comparative Example 3 and Comparative Example 4 shown below, the effects when a part of the alkoxy group was substituted with halogen were investigated.
[0089]
<Example 5>
Example 1 except that 1,2-di (monofluoromethoxy) -4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte instead of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene. In the same manner, a coin-type nonaqueous electrolyte battery was completed.
[0090]
<Example 6>
Example 1 except that 1,2-di (difluoromethoxy) -4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte instead of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene. Similarly, a coin-type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0091]
<Example 7>
Example 1 except that 1,2-di (trifluoromethoxy) -4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in a non-aqueous electrolyte instead of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene. In the same manner, a coin-type nonaqueous electrolyte battery was completed.
[0092]
<Example 8>
Instead of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, the same as Example 1 except that 1-trifluoro-2-methoxy-4-bromobenzene was dissolved at 200 mmol / l in the non-aqueous electrolyte. Thus, a coin-type nonaqueous electrolyte battery was completed.
[0093]
<Comparative Example 3>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was obtained in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dimethoxy-4-bromobenzene was dissolved in non-aqueous electrolyte at 200 mmol / l. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0094]
<Comparative example 4>
In place of 1,2-diethoxy-4-bromobenzene, a coin was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1,2-dimethoxy-4-fluorobenzene was dissolved in non-aqueous electrolyte at 200 mmol / l. Type non-aqueous electrolyte battery was completed.
[0095]
The batteries produced in Examples 5 to 8, Comparative Example 3 and Comparative Example 4 produced as described above were charged under overcharge conditions, and the voltage change was examined.
[0096]
In addition, charging / discharging is performed at a constant current of 150 μA or 300 μA at first until the battery voltage in a closed circuit reaches 4.95 V, and then at a constant voltage of 4.95 V, constant voltage charging is continued for a certain time. Made in the process.
[0097]
FIG. 4 shows changes in voltage when the batteries of Examples 5 to 8, Comparative Example 3 and Comparative Example 4 are charged and discharged at 150 μA. Moreover, about the battery of Example 5-Example 8 and Comparative Example 3-Comparative Example 4, the voltage change at the time of charging / discharging at 300 microamperes is shown in FIG.
[0098]
In FIG. 4, when the voltage change in the charging process is seen, the shuttle voltage of Examples 5 to 8, that is, the voltage that is kept constant by the operation of the redox shuttle, is the battery voltage of Comparative Example 3 and Comparative Example 4. It can be seen that it is higher than. This is considered to be because the oxidation resistance of the compound is improved by halogen substitution of a part of the alkoxy group.
[0099]
In addition, in FIG. 5, it can be seen that when the voltage change in the charging process is observed, the batteries of Comparative Example 3 and Comparative Example 4 exceeded the limit current and could not keep the voltage constant at 300 μA charging. On the other hand, in the batteries of Examples 5 to 8, it can be seen that the voltage is kept constant even at a current of 300 μA, and the limit current is improved. This is considered to be because the oxidation resistance of the compound is improved by halogen substitution of a part of the alkoxy group.
[0100]
The above effects are considered to be obtained in the same manner even when the position of the alkoxy group directly substituted on the benzene ring and the type and position of the halogen group are different.
[0101]
From the above results, it was found that the redox shuttle performance can be further improved by including the compound represented by Chemical Formula 5 or Chemical Formula 6 in the nonaqueous electrolytic solution.
[0102]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, overcharge protection of a lithium secondary battery (non-aqueous electrolyte secondary battery) having a high energy density of 4 V or more can be performed at low cost and with an energy density. Can be provided without a protective device. Therefore, lightweight, high-capacity and long-life secondary batteries can be supplied at low cost, and because the batteries are excellent in safety and reliability, portable devices and automobiles that require secondary batteries widely. It can be used for applications such as batteries, electric vehicles, and road leveling, and its effect is very large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration example of a nonaqueous electrolyte battery according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing voltage changes when charging and discharging are performed at 150 μA for the batteries manufactured in Examples 1 to 4, Comparative Example 1 and Comparative Example 2.
FIG. 3 is a diagram showing voltage changes when charging / discharging at 300 μA for the batteries produced in Examples 1 to 4, Comparative Example 1 and Comparative Example 2;
4 is a graph showing voltage changes when charging / discharging at 150 μA for the batteries produced in Examples 5 to 8, Comparative Example 3 and Comparative Example 4. FIG.
5 is a graph showing voltage changes when charging and discharging are performed at 300 μA for batteries manufactured in Examples 5 to 8, Comparative Example 3 and Comparative Example 4. FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Nonaqueous electrolyte battery, 2 Negative electrode, 3 Negative electrode can, 4 Positive electrode, 5 Positive electrode can, 6 Separator, 7 Insulation gasket

Claims (4)

リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する負極と、
リチウムと遷移金属との複合酸化物を含有する正極と、
上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを備え、
上記非水電解質は、化1で表される有機化合物を含有する非水電解質電池。
Figure 0004284779
(但し、式中、R 、R は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R 及びR が共に炭素数1の場合を除く。また、Xは、ハロゲンを表す。)
A negative electrode containing a lithium metal, a lithium alloy or a material capable of doping and dedoping lithium;
A positive electrode containing a composite oxide of lithium and a transition metal;
A non-aqueous electrolyte interposed between the positive electrode and the negative electrode,
The non-aqueous electrolyte, the nonaqueous electrolyte battery you containing organic compound represented by Formula 1.
Figure 0004284779
(However, in the formula, R 1 and R 2 represent an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and R 1 and R 2 both exclude the case of 1 carbon atom. X represents a halogen.)
上記有機化合物は、上記非水電解質中に、0.2mmol/l以上、1.0mol/l未満の範囲で含有されている請求項1記載の非水電解質電池。The non-aqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the organic compound is contained in the non-aqueous electrolyte in a range of 0.2 mmol / l or more and less than 1.0 mol / l. リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する負極と、
リチウムと遷移金属との複合酸化物を含有する正極と、
上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを備え、
上記非水電解質は、化2で表される有機化合物を含有する非水電解質電池。
Figure 0004284779
(但し、式中、R 及び/又はR は、C (2n+1―m) を表し、nは1〜5であり、1<m≦2n+1を満たすものである。X、Yは、ハロゲンを表す。R 又はR の一方が、C (2n+1―m) の場合、他方は、アルコキシ基である。)
A negative electrode containing a lithium metal, a lithium alloy or a material capable of doping and dedoping lithium;
A positive electrode containing a composite oxide of lithium and a transition metal;
A non-aqueous electrolyte interposed between the positive electrode and the negative electrode,
The non-aqueous electrolyte, the nonaqueous electrolyte battery you containing organic compound represented by Chemical Formula 2.
Figure 0004284779
(In the formula, R 3 and / or R 4 represents C n Y m H (2n + 1−m) , n is 1 to 5, and satisfies 1 <m ≦ 2n + 1. X, Y Represents halogen, and when one of R 3 or R 4 is C n Y m H (2n + 1-m) , the other is an alkoxy group.
上記有機化合物は、上記非水電解質中に、0.2mmol/l以上、1.0mol/l未満の範囲で含有されている請求項3記載の非水電解質電池。The non-aqueous electrolyte battery according to claim 3, wherein the organic compound is contained in the non-aqueous electrolyte in a range of 0.2 mmol / l or more and less than 1.0 mol / l.
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