JP4283572B2 - 画像形成方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は画像形成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電潜像担持体に形成されたネガ潜像を反転現像してポジのトナー画像を得、このトナー画像を転写紙等のシート状記録媒体上に転写・定着する画像形成方式は、電子複写装置や光プリンタ等の各種画像形成装置に広く実施されている。
【0003】
近来、カラー画像形成等が広く実用化され、1以上の静電潜像担持体に形成される複数のネガ潜像を別個に反転現像し、各トナー画像を中間転写ベルト等の中間転写媒体上に1次転写して互いに重ね合せてトナー画像の合成を行い、合成されたトナー画像をシート状記録媒体上に2次転写して定着する画像形成方法が行われている。
【0004】
トナー画像の転写に関連して従来から「トナー散り」の問題が知られている。トナー散りは、シート状記録媒体に最終的に担持された画像における「本来画像で無い部分」にトナーが「散らされた」ように付着する現象であり、形成された画像の画質を損う。この現象は、トナー画像が転写領域に進入する際に、トナー画像と転写材(中間転写方式では中間転写媒体)との間隔が狭まった状態において、トナー画像を構成するトナー粒子の一部が、転写材表面に向って飛翔して付着する所謂「プレ転写」によるものと考えられている。
【0005】
また、上記の如く、複数のトナー画像を中間転写媒体上で合成する場合、中間転写媒体に対しトナー画像の転写(1次転写)が繰り返されることになるが、1次転写における2回目以降の転写が行われる際に、それ以前に中間転写媒体上に転写されたトナー画像のトナー粒子が、潜像担持体に飛翔転移し、さらに中間転写媒体に転写される現象(「逆転写」と呼ばれる)が生じる。逆転写がおきた場合にも、形成される画像には前述の「トナー散り」と同様の画像劣化が生じる。
【0006】
前記トナー散りに関しては、これを防止もしくは軽減する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2)が、上記「逆転写」に対しては、現在、その対策が模索されている状態である。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−166728号公報
【特許文献2】
特開平10−186878号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記トナー散りの問題とともに逆転写の問題を有効に解消もしくは軽減できる画像形成方法および装置の実現を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像形成方法は「1以上の静電潜像担持体にN(≧2)個のネガ潜像を形成し、これらネガ潜像をそれぞれ反転現像してN個のポジのトナー画像を得、これらトナー画像を中間転写媒体の表面上に逐次に1次転写して互いに重ね合せ、次いで、中間転写媒体上からシート状記録媒体上に2次転写する画像形成方法」である。
【0010】
「静電潜像担持体」は、所望の静電潜像を形成される媒体である。静電潜像担持体として最も一般的なものは「光導電性の感光体」であり、この場合、静電潜像は感光体の均一帯電と露光により行われる。
【0011】
静電潜像担持体はまた、誘電性の表面を持ち、その表面に電荷の分布として静電潜像を保持できるものであることもできる。この場合、静電潜像は他の静電潜像担持体に形成された静電潜像を転写することにより、あるいは当該静電潜像担持体を均一に帯電した後に、針電極等により位置選択的に除電するなどして形成することができる。
【0012】
「ネガ潜像」は、画像となるべき部分(トナーが付着する部分)の電位を減衰させた静電潜像であり、静電潜像電荷と同極性のトナーを用いる反転現像によりポジのトナー画像として可視化される。静電潜像担持体が、例えば、光導電性の感光体である場合であれば、感光体を均一帯電させた後、光走査等の光書き込みで画像部の電位を光減衰させたり、あるいは原稿のネガ画像を光像として照射することにより形成することができる。
【0013】
N個の静電潜像は、互いに形成方法が異なっていても良い。例えば、2つのネガ潜像を形成する場合、一方を光走査により形成し、他方を原稿のネガ画像を光像として照射して形成しても良い。
【0014】
2以上のネガ潜像は「同一色のトナー」で可視化しても良いし、異色のトナーで可視化しても良い。異色のトナーでの可視化を行う場合には、各トナー画像の合成により2色画像や多色画像、あるいはカラー画像を形成することができる。
【0015】
静電潜像担持体は、形態としてはドラム状もしくはベルト状である。
中間転写媒体はベルト状であり、以下「中間転写ベルト」という。静電潜像担持体と中間転写ベルトの形態上の組合せとしては、ドラム状とベルト状、ベルト状とベルト状の組合せが可能である。
【0016】
このような形態上の組合せでは、1次転写部においてドラム状もしくはベルト状の静電潜像担持体とベルト状の中間転写ベルトが接触して「ニップ部」を形成する。
即ち、転写ローラが、静電潜像担持体とともに中間転写ベルトを挟み、1次転写部としての上記ニップ部を形成する。即ち、転写ローラが中間転写ベルトに当接するのは、中間転写ベルトの裏面側である。
【0017】
請求項1記載の画像形成装置は以下のごとき特徴を有する。
即ち、1次転写の際、1次転写部の上流側近傍において、中間転写ベルトにカウンタバイアス:Vtを印加し、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、M−1回の1次転写により「中間転写ベルトに先に形成されているトナー画像部の電位」が、M番目のトナー画像を有する静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と略同電位となるように設定する。
カウンタバイアスの印加は、1次転写部の上流側近傍において、中間転写ベルトの裏面にカウンタバイアスローラを当接させて行う。
【0018】
上記「M−1回の1次転写により先に中間転写ベルトに形成されているトナー画像部の電位」は、基準パターンの露光・現像により形成されるトナー画像を中間転写媒体へ1次転写し、転写後のトナー画像部の電位を表面電位計で測定することにより、予め知ることができる。この画像部電位を「カウンタバイアス:Vtでシフトさせて、静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と略同電位となるように、カウンタバイアスによるシフト量を設定する」のである。
【0019】
「M番目のトナー画像の画像部」の電位は、静電潜像の形成条件と現像条件とにより予め知ることができる。
「転写部の上流側」は、中間転写ベルトに1次転写されるトナー画像が転写部に進入する側である。
【0020】
上記のようにカウンタバイアス:Vtが印加されると、中間転写ベルトに1次転写されるM番目のトナー画像が1次転写部へ進入する際に、静電潜像担持体表面と中間転写ベルト表面とが近接しても、静電潜像担持体上のトナー画像(M番目に1次転写されるトナー画像)を構成するトナーには、これを中間転写ベルト側へ飛翔させる大きな電気力は作用せず、中間転写ベルト上に形成されているトナー画像(1〜M−1番目に1次転写されたトナー画像により形成されている)を構成するトナーにも、これを静電潜像担持体側へ逆転写させる大きな電気力は作用しない。
従って、プレ転写と逆転写とを良好に防止もしくは軽減させることができる。
【0021】
上記請求項1記載の画像形成方法において、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtは「最初の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位と、最初の1次転写前の表面電位との差;ΔVに基づき推定して設定」することもできるし(請求項2)、N番目の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位に基づき推定して設定することもできる(請求項3)。
【0022】
例えば、N=4の場合、4個の静電潜像がイエロー・マゼンタ・シアン・黒の4色のトナーで可視化され、上記順序で中間転写ベルト上に1次転写される場合であると、基準パターンに応じて得られたイエロートナー画像を中間転写ベルト上に1次転写したのち、そのトナー画像部の表面電位を計測して得られる電位に対してカウンタバイアスをかけて上記電位をシフトさせ、転写部の上流側近傍において、上記イエロートナー画像部の表面電位が「マゼンタトナー画像を有する潜像担持体のマゼンタトナー画像部の表面電位」と略等しくなるようにする。
【0023】
中間転写ベルトへの各色トナー画像の転写の条件は予め知られているので、上記の如くして中間転写ベルト媒体上のイエロートナー画像(最初に1次転写された画像)の電位が分かれば、以後の各色トナー画像の1次転写による中間転写ベルト上の画像部電位は(予備的な実験により)経験的に推定できるので、このような推定値に基づきカウンタバイアス:Vtを設定することができる。
【0024】
請求項3の場合のように、イエロートナー画像から黒トナー画像まで、4色のトナー画像(何れも基準パターンにより形成される)を1次転写した状態における中間転写ベルト上の画像部の表面電位を計測し、この値から逆に各トナー画像の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを推定して決定しても良い。請求項3の場合は、4色のトナー画像全ての1次転写後におけるトナー画像部の表面電位と、イエロートナー画像転写後のトナー画像部の表面電位とをもとに、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー画像を1次転写する際のカウンタバイアスの推定を行ってもよい。
【0025】
請求項1〜3の任意の1に記載の画像形成方法において、中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位として、電位最大値を用いることができる(請求項4)。即ち、この場合には、中間転写ベルトに形成されているトナー画像の表面電位の最大値をシフトさせて、静電潜像担持体上のトナー画像部の電位と略等しくする。
【0026】
請求項1〜4の任意の1に記載の画像形成方法において、中間転写ベルト表面の電位を検出する表面電位検出手段により検出される出力電圧に基づきトナー画像部の表面電位を決定することができる。このように画像部の電位を決定すると同時にカウンタバイアス:Vtが決定されることになる。
また上記請求項1記載の画像形成方法において、1次転写前の中間転写ベルトの表面電位:Vb、1番目の転写後のトナー画像部の表面電位:V1を検出し、これら電位の差:|Vb−V1|が所定の閾値:Thrより大きい値であるとき、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:VtをVb+(V1−Vb)×(M−1)に設定し、上記差:|Vb−V1|が所定の閾値:Thr以下の値であるとき、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:VtをV1に設定することができる(請求項5)。
【0027】
請求項1〜5の任意の1に記載の画像形成方法は、N=3または4とし、異なる静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色もしくは、これらに黒を加えた4色のトナーで現像することができる(請求項6)。この場合、異なる静電潜像を「同一の静電潜像担持体に順次に形成」することもできるが、「2以上の静電潜像担持体に分けて形成」することができる(請求項7)。
【0028】
この発明の画像形成装置は「1以上の静電潜像担持体にN(≧2)個のネガ潜像を形成し、これらネガ潜像をそれぞれ反転現像してN個のポジのトナー画像を得、これらトナー画像を中間転写ベルト表面上に逐次に1次転写して互いに重ね合せ、次いで中間転写ベルト上からシート状記録媒体上に2次転写する画像形成装置」である。
【0029】
請求項8記載の画像形成装置は以下のごとき特徴を有する。
【0030】
即ち、1次転写を行う1次転写手段が、1次転写部に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、1次転写部の上流側近傍において、カウンタバイアス:Vtを中間転写媒体に印加する「カウンタバイアス手段」を有する。
「転写バイアス手段」は、静電潜像担持体とともに中間転写ベルトを挟持して挟持部を1次転写部とする転写ローラを有する。
「カウンタバイアス手段」は、1次転写部の上流側近傍において中間転写ベルトの裏面側に当接するカウンタバイアスローラを有する。
【0031】
そして、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、M−1回の1次転写により先に中間転写ベルトに形成されているトナー画像部の表面電位と略同電位に設定する「カウンタバイアス設定部」を有する。
【0032】
上記カウンタバイアス設定部は「M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、最初の1次転写により中間転写ベルトに形成された画像部の電位に基づき推定して設定する」こともできるし(請求項9)、「M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、N番目の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位に基づき推定して設定する」こともできる(請求項10)。
【0033】
上記請求項8〜10の任意の1に記載の画像形成装置において、カウンタバイアス設定部がカウンタバイアスの設定に用いるトナー画像部の表面電位として、中間転写ベルトに形成された画像部の電位最大値を用いることができる(請求項11)。
【0034】
上記請求項8〜11の任意の1に記載の画像形成装置は「1次転写後の中間転写ベルト上のトナー画像部の表面電位を検出する表面電位検出手段を有し、カウンタバイアス設定部が、上記表面電位検出手段による検出電位に基づきトナー画像部の表面電位を決定し、この表面電位に基づいて1次転写における2番目以降の転写におけるカウンタバイアスの設定を行う」ことができる(請求項12)。
【0035】
請求項8〜12の任意の1に記載の画像形成装置は、N=3または4とし、異なる静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色もしくはこれらに黒を加えた4色のトナーで現像するように構成できる(請求項13)。この場合、異なる静電潜像が同一の静電潜像担持体に順次に形成されるようにしてもよいが、異なる静電潜像が、2以上の静電潜像担持体に分けて形成され、各静電潜像担持体から中間転写媒体へ1次転写されるように構成することもできる(請求項14)。
【0036】
請求項14記載の画像形成装置においては「3もしくは4個の静電潜像担持体を中間転写ベルトの表面の走行方向に配列したタンデム式の画像形成装置」として構成することができる(請求項15)。
【0037】
若干付言すると、この発明において、1画像の画像形成に供せられるトナー画像の数:Nは、上の説明のようにN=2あるいは3もしくは4であることができるが、これに限らず、5以上のNの場合にもこの発明の実施が可能である。例えば、カラー画像を形成する場合、通常はN=4で、4個の静電潜像をイエロー・マゼンタ・シアン・黒の4色のトナーで可視化するが、さらに合成する色を増やすことにより、形成された画像においてより精緻なカラー表現が可能となる。
【0038】
ここで、発明の作用を説明する。
図1は、静電潜像担持体から中間転写ベルトへのトナー画像の1次転写の様子を模式的に示している。静電潜像担持体はドラム状に形成された光導電性の感光体PCで矢印方向へ回転する。中間転写媒体は無端ベルト状に形成された中間転写ベルトBLで図の右方へ走行する。
【0039】
符号R1で示す「転写ローラ」は、電源D1から転写電圧を印加される。符号R2はカウンタバイアスローラを示す。カウンタバイアスローラR2には電源D2からカウンタバイアス:Vtが印加される。カウンタバイアスローラR2と電源D2とは「カウンタバイアス手段」を構成する。
【0040】
感光体PCの回転方向、中間転写ベルトBLの走行方向が上記の如くであるので、カウンタバイアスローラR2によるカウンタバイアス:Vtは、「転写部」である転写ローラR1の位置よりも上流側で中間転写ベルトBLの裏面側から印加される。
【0041】
図1に示すのは、イエロートナーTYにより形成されたイエロートナー画像が転写される状態であり、ここでは、イエロートナー画像が最初に1次転写されるものとする。
【0042】
イエロートナー画像は感光体PCの矢印方向の回転に伴ない、図の左方から転写部へ進入し、転写ローラR1により印加される転写電圧により中間転写ベルトBL上に転写される。
【0043】
説明の具体性のため、以下の説明において、静電潜像は負極性の電位分布により形成されたネガ潜像(非画像部が一様に負極性の電位を有し、画像部では、露光により表面電位が光減衰している)であるとする。イエロートナーTYは静電潜像と同極性の負極正に帯電し、反転現像によりネガ潜像の電位減衰した画像部に捕獲されてイエロートナー画像を構成する。従って、このイエロートナー画像を中間転写ベルトBLに転写するために、転写ローラR1は正極性の電位を転写部に印加する。
【0044】
図2(a)は、感光体PC上におけるイエロートナー画像部と非画像部の電位関係を模式的に示している。電位は縦方向に変化し、図の上方が正電位の増加する向きであり、GNDは接地レベルを示している。感光体PCの表面は、均一な負電位:V0に帯電され、ネガ潜像の部分では、光減衰により潜像電位:VLとなっており、この部分に負極性のイエロートナーTYが捕らえられている。
【0045】
潜像電位:VLは、光減衰が理想的に行われれば0Vとなるが、現実には、−100〜―150V程度の電位が残留している。転写ローラR1による転写電圧は、転写部に「中間転写ベルトBLから感光体PCへ向う電界」を形成し、イエロートナーTYは上記電界の作用により中間転写ベルトBL上へ転写される。 即ち、イエロートナーTYは負極性であるので、電位の高い側(電位が正の向きに増大する側、即ち、図2(a)で上方)へ移動する。
【0046】
ここで前述の「プレ転写」を考えて見ると、仮にカウンタバイアスローラR2によるカウンタバイアス:Vtを0とした場合、図2(a)に示す静電潜像の画像部電位:VLが理想値:0Vであれば、転写部の上流側近傍で、感光体PCの表面と中間転写ベルトBLの表面が近接した場合でも、両者の間隙部においては「イエロートナーTYを中間転写ベルトBL側へ飛翔させる電界」は実質的に発生せず、プレ転写は生じない。
【0047】
しかしながら、前述したように現実には画像部電位:VLは0ではなく有限の負電位であるため、上記カウンタバイアス:Vtを0とすると、上記間隙部に感光体PCから中間転写ベルトBLへ向う電界が発生し、この電界の作用によりイエロートナーTYが中間転写ベルトBLへ向って飛翔しプレ転写による「トナー散り」を発生させる。
【0048】
このようなプレ転写を防止するには、カウンタバイアス:Vtとして「絶対値が少なくとも潜像電位:VLよりも大きい負の電位」を印加すれば良く、このようにすれば、転写部上流側近傍における感光体PCと中間転写ベルトBLの間隙部には、イエロートナーTYを中間転写ベルトBLから反発させる電界が発生し、プレ転写は有効に防止される。
【0049】
図2(b)は、イエロートナーTYによるイエロートナー画像を転写された中間転写ベルトBL上における電位の状態を模式的に示している。中間転写ベルト上にイエロートナー画像が転写された状態において中間転写ベルトBLの表面電位は、図のように接地レベルGNDよりも正極性になる。これは、転写の際に転写ローラR1から正電荷が中間転写ベルトに与えられることによる。
【0050】
中間転写ベルト表面の電位は一様でなく、イエロートナーTYが付着した「イエロートナー画像部」での表面電位は非画像部の表面電位よりも高い。これは、転写が行われる際、非画像部に「感光体PC上の非画像部を構成していた負電荷が剥離放電により転写」され、画像部よりも電位をマイナス側に偏倚させるためである。
【0051】
図2(c)〜(e)は、イエロートナーTYによるイエロートナー画像が転写されている中間転写ベルト上に、マゼンタトナーTMによるマゼンタトナー画像を転写するときの電位関係を説明図として示している。
【0052】
図2(c)の状態は、マゼンタトナー画像の転写部の上流側近傍において「カウンタバイアス:Vtの負極正が不充分」で、中間転写ベルトBL上の表面電位が静電潜像の画像部電位:VLよりも高い場合である。この場合には、感光体上にあるマゼンタトナー画像を構成する負極性のマゼンタトナーTMに、感光体PCの側へ向う電気力:F1が作用するので、マゼンタトナーYMのプレ転写によるトナー散りが発生する。
【0053】
図2(c)の状態は逆に、カウンタバイアス:Vtの負極性が大きすぎて、転写部上流側近傍において、中間転写ベルトの表面電位が感光体表面電位より低い状態を示している。この場合には、近接した感光体表面と中間転写ベルト表面との間に、感光体から中間転写ベルトへ向う電界が生じ、中間転写ベルト上に転写されているイエロートナーTYを感光体側へ向わせる電気力:F2が生じ、この電気力:F2の作用により、イエロートナーTYの「逆転写」が発生する。
【0054】
図2(e)は、適正なカウンタバランス:Vtにより、中間転写ベルトに形成されているイエロートナー画像の「画像部の電位」が、感光体上のマゼンタトナー画像の画像部電位と等しくなっている場合である。この場合には、中間転写ベルト上のイエロートナーを逆転写させる力も、感光体上のマゼンタトナーをプレ転写させる力も作用せず、プレ転写・逆転写の無い状態で、マゼンタトナー画像を中間転写媒体上に転写することができる。
【0055】
以下、シアントナー画像、黒トナー画像を中間転写ベルト上に1次転写する場合にも、カウンタバイアス:Vtを適正に設定して、中間転写ベルト上のトナー画像の画像部電位が感光体上のトナー画像の画像部電位と略等しくなるようにすることにより、各トナー画像を適正に1次転写することができる。
【0056】
即ち、一般に、1次転写を行うトナー画像がN個ある場合に、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、M−1回の1次転写により先に中間転写ベルトに形成されているトナー画像部の表面電位が、M番目のトナー画像を有する静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と略同電位となるように設定する(請求項1)ことにより適正な1次転写を行うことができる。
【0057】
図2(e)に即して説明したのは、マゼンタトナー画像の1次転写の際にその画像部の電位が「中間転写ベルト上のイエロートナー画像の画像部の基準電位と等しくなる」ようにカウンタバイアス:Vtの設定を行った場合であるが、現実には、上記両電位を「等しく」することは難しい。
【0058】
しかし、これら電位が完全に一致しなくても「両電位の差がある程度小さ」ければ、トナー飛翔によるプレ転写・逆転写は生じない。即ち、中間転写ベルト上のトナー画像部の電位と感光体上のトナー画像の画像部電位との電位差が「200V程度」であれば「プレ転写・逆転写」の問題は発生しないという結果が実験的に得られた。
【0059】
従って、「中間転写ベルトに形成されているトナー画像部の表面電位が、新たに1次転写されるトナー画像を有する静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と略同電位」であるとは、これらの電位の差が200V程度より小さいことを意味する。
【0060】
また、中間転写ベルト上の「トナー画像の画像部の表面電位」と、感光体上のトナー画像の画像部表面電位との電位差を「同一電位差」として比較した場合、中間転写ベルトから感光体への飛翔(逆転写)の方が、感光体から中間転写ベルトへの飛翔(プレ転写)よりも起こり難いことが確認された。
【0061】
これは、感光体上の画像がネガ・ポジ像であるのに対し、中間転写ベルト上のトナー画像はポジ・ポジ像であり、中間転写ベルトには「トナーを静電的に引きつける電荷が存在する」ためと考えられる。
【0062】
転写部の上流部近傍での静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位:VLと中間転写ベルト媒体上のトナー画像部の表面電位:VtLとから、カウンタバイアス:Vtを求めるには、関係:VL=VtL+Vtを利用すれば良く、中間転写ベルト上の表面電位:VtLが既知の場合、即ち、予め実験によりデータとして求められている場合であれば、演算:Vt=VL−VtLにより求めることができる。
【0063】
実際には、あらかじめ実験的に得られたデータに基づきテーブルを構成し、参照することでカウンタバイアス:Vtを設定するのが好ましい。
【0064】
このように、VL値を「予めテーブルに記憶させた値」として設定するようにできるが、画像形成枚数から予測される「経時劣化変化分」を加えるか、あるいは静電潜像の画像部における残留電位を測定可能な手段を設け、その出力により値を決定することは好ましい。
【0065】
図2には、イエロートナー画像が1次転写されている中間転写ベルト上にマゼンタトナー画像を転写する場合を説明した。上に説明したように、イエロートナー画像を転写された後の中間転写ベルトの表面電位は、全体として正極性であり、画像部の電位が非画像部の電位よりも高い。
【0066】
図3において、縦軸は中間転写ベルト表面の電位を表す。符号3−1で示すのは、前述の如くして最初にイエロートナーTYによるイエロートナー画像を1次転写したときの中間転写ベルト上の表面電位を示す。符号3−2で示すのは、イエロートナー画像が1次転写されている中間転写ベルト上に、マゼンタトナーTMによるマゼンタトナー画像を1次転写した後の中間転写ベルト上の表面電位を示す。
【0067】
表面電位部:Aは、イエロートナー画像・マゼンタトナー画像ともに非画像部である部分、表面電位部:Bは、イエロートナー画像が画像部でマゼンタトナー画像が非画像部である部分、表面電位部:Cはイエロートナー画像・マゼンタトナー画像ともに画像部である部分、表面電位部:Dは、イエロートナー画像が非画像部でマゼンタトナー画像が画像部である部分をそれぞれ示している。
【0068】
各表面電位部とも、イエロートナー画像の1次転写後よりも電位が負の側(図の下方)へシフトしている。マゼンタトナー画像の転写によるマゼンタトナーTMの負電荷分の増加および「転写の際の剥離放電」の影響である。
【0069】
以下、シアントナー画像、黒トナー画像を1次転写した場合の中間転写ベルト上の電位分布は、図3の場合と同様に変化し、一般に、1次転写の回数の増加と伴に、負の側ヘシフトする。
【0070】
各色トナーの帯電量、適正付着量等の条件を略同じにする場合「1色転写することによる中間転写ベルト上の画像部の電位変化」は推定が可能である。
【0071】
1次転写開始以前の中間転写ベルトの表面電位と1色目(上記説明例ではイエロートナー画像)の転写後の表面電位との差をΔV(この値は、予め実験的に求める)とすると、このΔVをもって「1色転写することによるトナー画像部の電位変化」として推定でき、このΔVに基づいてカウンタバイアス:Vtを設定することができる(請求項2)。
【0072】
上記の如く、各色トナーの帯電量・適正付着量等の条件を略同じに設定すれば、1色転写(1つの色のトナー画像の1次転写)することによる画像部の電位変化は推定が可能であるが、これとは別の方法として、中間転写ベルト上にイエロートナー画像〜黒トナー画像を「全て1次転写した後」の中間転写ベルトの画像部の電位を考え、1次転写開始前と4色転写後との表面電位の差:Vを実験的に決定すると、1色転写する毎の電位変化:ΔVはV/4として推定でき、このV/4に基づいてカウンタバイアス:Vtを設定することができる(請求項3)
再び図3を参照すると、マゼンタトナー画像の1次転写後における中間転写ベルト上の表面電位分布3−2は、イエロートナー画像とマゼンタトナー画像の画像部の重なり具合により段階的に変化する。このような場合、次ぎのシアントナー画像の1次転写の際に、カウンタバイアス:Vtによる表面電位のシフト量をどのように定めるかが問題となる。
【0073】
請求項4記載の方法ではこの場合、マゼンタトナー画像の1次転写後の電位3−2における電位最大値:V1を用い、これをカウンタバイアス:Vtによりシフトさせて感光体上におけるシアントナー画像の画像部電位と略等しくする。即ち、図3における表面電位部:Cの電位がカウンタバイアスにより負極性側にシフトされて「静電潜像担持体上のシアントナー画像部の電位」と等しくされる。
【0074】
この場合、図3の表面電位部:A、B、C、Dとも、シアントナーは静電潜像担持体から中間転写ベルト上へは移動(プレ転写)しない電位状態(転写部上流側近傍で静電潜像担持体と中間転写ベルトとの近接部における電界が、静電潜像担持体から中間転写ベルトヘ向う)となる。
【0075】
この電位状態では、イエロートナーやマゼンタトナーが中間転写ベルトから静電潜像担持体上への移動が電位的には可能であるが、前述したように、中間転写ベルトから静電潜像担持体へはトナーの飛翔が生じ難いので、上記の如くすることにより、プレ転写を防止しつつ、逆転写を有効に防止もしくは低減させてシアントナー画像の1次転写を実行できる。
【0076】
同様に、最後の黒トナー画像を1次転写する際には、中間転写ベルト上におけるイエロー・マゼンタ・シアントナー画像による画像部電位の最大電位値をカウンタバイアス:Vtによりシフトさせた基準電位が、静電潜像担持体上における黒トナー画像の画像部電位と略等しくなるようにすれば良い。
【0077】
なお、静電潜像担持体上に形成される静電潜像の極性が正極性で、正帯電したトナーを用いて反転現像を行う場合には、上記の「最大電位値」は「負極性の電位の絶対値の最大値」を意味する。
【0078】
上に説明した、カウンタバイアス:Vtの設定方法は「各色トナー画像の1次転写後の中間転写ベルトの画像部の電位」を個別的に検出する必要が無く、個別的な表面電位計測手段が不要となるので省スペース化・低コスト化を実現できる。
【0079】
実際の画像形成装置の運転状況においては、カウンターバイアス:Vtの印加部を中間転写媒体が通過するとき、中間転写ベルト表面の電位状態は、2次転写の影響、中間転写ベルト除電の程度、中間転写ベルト上のトナーの有無等で変化する可能性があり、カウンタバイアス印加部を通過するときの電位状態によりカウンタバイアスの効果は異なる。
【0080】
このような観点からすると、各転写部の上流側に、中間転写ベルト表面の電位を検知する表面電位検出手段を設け、この表面電位検出手段が検出する「中間転写ベルトのトナー画像部の表面電位」を基にしてカウンタバイアス:Vtの設定を行うことが好ましいと言える。
【0081】
なお、プレ転写の発生は、静電潜像担持体と中間転写ベルトとの空隙が「数百μm以下の領域」であると考えられ、転写電圧とカウンタバイアスとのバランスを考えると、カウンタバイアス:Vtを印加する位置は、転写部の上流側で転写部に「きるだけ近い部分」であることが好ましい。
【0082】
例えば、図1に示した場合において、感光体PCの直径を40mm、感光体PCと中間転写ベルトBLとの接触幅(ニップ幅)を約10mmとした場合、カウンタバイアスローラR2によりカウンタバイアス:Vtを印加する位置は、感光体PCと中間転写媒体BLとが接触するニップ部分の上流側に5mm程度離れた位置が好適である。
【0083】
なお、転写電圧やカウンタバイアスを印加する手段は必ずしも「ローラ状」である必要は無いが、転写ローラやカウンタバイアスローラは、これらを中間転写媒体の裏面側に接触させて転写電圧・カウンタバイアスの印加を行うことができる。
【0084】
【発明の実施の形態】
図4、図5を参照して、この発明を実施した画像形成装置の実施の1形態を説明する。図4は装置の全体図であり、図5は発明の特徴部分を説明するための部分図である。図4を参照して、画像形成プロセスのあらましを先ず説明する。
【0085】
図4(a)に示す画像形成装置900は「タンデム型のカラー画像形成装置」である。カラー原稿は読取部901で赤・緑・青に色分解して読取られ、これら読取情報に基づき黒(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対する画像データが生成される。かかる読取り部の構成は従来から広く知られている。
【0086】
これら画像データは光書込装置902により作像ステーション903B、903Y、903M、903Cで光書込みに供される。作像ステーション903B〜903Cは構造的には同じであるので、作像ステーション903Bを例にとって説明する。
【0087】
図4(b)に示すように、作像ステーション903Bは、反時計方向に回転駆動されるドラム状に形成された光導電性の感光体(静電潜像担持体)91Bの回りに、帯電チャージャ92、現像装置93、転写手段94、クリーニング装置95が配設された構成となっている。
【0088】
転写手段94は、転写ローラ94A、カウンタバイアスローラ94Bおよびこれらに所定の電圧を印加する手段(図示されず)により構成されている。
【0089】
感光体91Bと、転写ローラ94A・カウンタバイアスローラ94Bとの間を、図4(a)に示すように、中間転写媒体としての中間転写ベルト9041が矢印方向へ走行するようになっている。感光体91Bは、反時計回りに回転しつつ帯電チャージャ92により均一帯電され、黒色画像に対応するB画像データをレーザ光束LBBにより書込まれ、B潜像(ネガ潜像)を形成される。
【0090】
B潜像は現像装置93で反転現像され、黒色トナーによる「黒トナー画像」となり、黒トナー画像は転写ローラ94Aにより中間転写ベルト9041上に1次転写される。その際、カウンタバイアスローラ94Bによりカウンタバイアス:Vtが印加されてプレ転写が防止される。
【0091】
トナー画像転写後の感光体91Bはクリーニング装置95によりクリーニングされる。
【0092】
同様にして、図4(a)に示す作像ステーション903Y、903M、903Cでは、イエロー、マゼンタ、シアンの各色トナー画像が形成され、これら各色トナー画像は中間転写ベルト9041上に「黒トナー画像と重なり合う」ように転写される。このようにして中間転写ベルト9041上に形成された黒・イエロー・マゼンタ・シアントナー画像によるカラー画像は「シート状記録媒体」としての転写紙S上に2次転写される。
【0093】
転写紙Sは、画像形成装置本体下部のカセット906から給紙され、あるいは手差し部907から手差しで配紙され、レジストローラ909により「2次転写部」即ち、中間転写ベルト9041と2次転写ベルト905との接触部へ、カラー画像の移動にタイミングを取って送り込まれ、図示されないバイアス印加手段から2次転写ベルト905に印加される2次転写バイアスの作用により、カラー画像を転写される。2次転写ベルト905と図示されないバイアス印加手段とは「2次転写手段」を構成する。
【0094】
カラー画像を転写された転写紙Sは2次転写ベルト905により搬送され、図示されない除電チャージャで除電されて2次転写ベルト905から分離し、定着装置910でカラー画像を定着され、搬送ローラ911で搬送され排出ローラ912により装置外へ排出される。
【0095】
2次転写後における中間転写ベルト9041、2次転写ベルト905はそれぞれ、図示されないベルトクリーニング装置により外周面をクリーニングされる。
【0096】
転写紙Sの両面に画像形成を行う「両面画像形成モード」の場合は、片面にカラー画像を定着された転写紙Sの搬送路を切り換え爪915で切り換えて、搬送ローラ911と図示されないガイドとにより反転部913へ搬送し、反転部913において表裏を反転し「カラー画像が形成された面を上向き」にしてスタッカ914にスタックし、再度、レジストローラ909の位置へ搬送し、上記と同様にしてカラー画像を裏面に転写する。その後、裏面のカラー画像を定着装置910で定着し、搬送ローラ911で搬送し、排出ローラ912により装置外へ排出する。
【0097】
図5は図4に示した画像形成装置における転写部を説明するための図である。図5(a)において、符号91B〜91Cはそれぞれ、光導電性の感光体を示し、黒トナー画像は感光体91Bに、イエロートナー画像は感光体91Yに、マゼンタトナー画像は感光体91Mに、シアントナー画像は感光体91Cにそれぞれ形成される。符号94BK〜94Cは各感光体に対して1次転写を行う「1次転写手段」を示し、図には転写ローラとその上流側近傍に設けられるカウンタバイアスローラを示している。
【0098】
各1次転写部で行われる1次転写については先に図1〜図3に即して説明した通りであり、各1次転写部におけるカウンタバイアスローラにカウンタバイアス:Vtが印加されることにより、プレ転写・逆転写を有効に防止もしくは軽減して1次転写が行われる。
【0099】
なお、中間転写ベルトの電気抵抗が低いと、各転写部でカウンターバイアスローラと転写ローラとの間に中間転写ベルトを介して大きな電流が流れるため、中間転写ベルトの体積抵抗値はある程度高いことが必要で、具体的には108〜1010Ωm程度が使用可能であるが好ましくは1×109Ωmが良い。
【0100】
中間転写ベルトの体積抵抗値が高過ぎると、中間転写ベルトの自己除電性が低下するため専用の除電装置により除電する必要が生じる。自己除電は、中間転写ベルトのバルクを電荷が流れることにより行われるので、カウンターバイアスローラと中間転写ローラの間には電流を流さず、中間転写ベルトのバルクは電流を流しやすい構造とすることが好ましい。
【0101】
例えば、中間転写ベルトを3層構造として、カウンタバイアスローラが接触する側(裏面側)から第1、第2、第3層の体積抵抗率:ρ1、ρ2、ρ3を、ρ1>ρ2>ρ3もしくはρ1>ρ2<ρ3とし、全体の抵抗値を前記108〜1010Ωmとなるように構成すれば良い。
【0102】
図5(b)を参照すると、符号194B、194Y、194M、194Cはそれぞれ、転写部94BK〜94Cにおけるカウンタバイアスローラを示しており、これらはカウンタバイアス設定部CBS(マイクロコンピュータ等により構成される)により「各カウンタバイアスローラごとに設定されるカウンタバイアス:Vt」を、電源BDB、BDY、BDM、BDCから印加される。
【0103】
図5(a)において、符号9042は中間転写ベルト9041の表面電位を検出する電位検出手段を示している。
【0104】
図4、図5の画像形成装置において、請求項2記載の方法を実現する場合であれば、転写部における最下流側の感光体91Cに、基準パターンのネガ潜像を作成し、これを反転現像して得られるシアントナー画像を中間転写ベルト9041上へ転写する。このとき、カウンタバイアスは印加しないで良い。
【0105】
中間転写ベルト9041上に転写されたシアントナー画像の画像部電位を電位検出手段9042により検出し、前述の如くして2色目以降の1次転写のカウンタバイアス値を推定して設定する。図5(b)のカウンタバイアス設定部CBSは上記電位検出手段9042の検出電位に従い、上記推定と設定を行う。
【0106】
請求項3記載の方法を実現する場合であれば、転写部における各感光体91BK〜91Cに基準パターンのネガ潜像を作成し、これらを反転現像して得られる各色トナー画像を中間転写ベルト9041上へ逐次転写する。このときも、カウンタバイアスは印加しない。
【0107】
このようにして中間転写ベルト上に得られたカラー画像の画像部電位を電位検出手段9042により検出し、前述の如くして各色トナー画像の1次転写に対するカウンタバイアス値を、カウンタバイアス設定部CBSにおいて推定して設定する。上記何れの場合も、第1番目のトナー画像の1次転写に先立ち、中間転写ベルトの表面電位:Vbを検出しておく。
【0108】
【実施例】
図3〜図5に即して説明した画像形成装置を用いて画像形成を行った。中間転写ベルト媒体への1次転写の順位は、カラー画像形成の場合であれば黒・イエロー・マゼンタ・シアントナー画像の順であるが、評価の容易性に鑑みイエロートナー画像とマゼンタトナー画像の2色の画像で画像形成して評価を行った。
【0109】
先ず、感光体91Y上にイエロートナー画像を形成した。イエロートナー画像の画像部は、静電潜像の画像部電位が略−100Vで、イエロートナーが付着した状態で−200V程度である。
【0110】
このイエロートナー画像を「カウンタバイアスを印加せず」に転写された中間転写ベルト9041上の表面電位を電位検出手段9042により測定した。このときの画像部電位は+500Vであった。この電位は2次転写の際のバイアス条件により変化する。2次転写のバイアス条件は環境変化等に応じて変化させる制御を行っている。この制御は、環境による「転写紙の抵抗値変動」に起因する2次転写の効率変化を補正するのが主たる目的である。
【0111】
1色目のイエロートナー画像を1次転写する際、中間転写ベルト上には先に転写されているトナー画像がないので、カウンタバイアス:Vtとして充分に絶対値の大きいマイナス電位を印加する。
【0112】
実施例ではvt=−700Vとした。イエロートナー画像の転写後、2色目のマゼンタトナー画像の転写を行った。感光体91M上におけるマゼンタトナー画像の画像部の潜像電位は−100V、トナーが付着した状態で−200V程度である。マゼンタトナー画像を転写する前の中間転写ベルト上におけるイエロートナー画像の画像部電位を測定したところ+430Vであった。
【0113】
この状態でカウンタバイアスの値を種々に変化させ、マゼンタトナー画像の1次転写を行った後に装置を停止し、感光体91M上における逆転写によるイエロートナーの付着の有無と、中間転写ベルト上におけるプレ転写によるマゼンタトナーの散り状況を観察したところ以下の如き結果が得られた。
【0114】
「○」印は付着もしくは散りが全く見られなかったもの、「×」印は付着もしくは散りが多く観察されたもの、「△」印はごく少量の散りが見られたものである。
【0115】
図5に示す電位検出手段9042を用い、前述のようにして請求項2記載の方法により「カウンタバイアス:Vtの決定」を行った。図6にフロー図を示す。このフロー図における「Thr」は、1色転写による電位変化量の上限であり、1色の電位変化量がこの値以上である場合、3色目以降における1次転写前の中間転写ベルト上の画像部電位をV1とすると、4色目を1次転写する際の転写部上流側での電位差が大きくなり、トナーの飛翔が生じた。Thr以下であれば画像部電位をV1として問題は生じなかった。
【0116】
「Thr」は50〜70V程度であるが実施例では70Vとした。おおよそ決定した中間転写ベルト上の画像部電位に基づき以下のテーブルを参照して、カウンタバイアス値を決める。このテーブルはシステムで固定したものを予め記憶させたものである。画像形成はフルカラーの画像形成を行い、1色転写後、2色転写後、3色転写後、4色転写後のそれぞれのタイミングで装置を停止し、感光体上と中間転写ベルト上のトナーの散り(プレ転写)とトナー付着(逆転写)を観察した。
【0117】
【0118】
カウンタバイアスを印加しない場合と比較し、転写チリの少ない良好な画像が得られた。画像部電位の検出に際しては、前述の如く「専用のパターン」による作像を行った。
【0119】
図5に示す電位検出手段9042を用い、前述のようにして請求項3記載の方法により「カウンタバイアス:Vtの決定」を行った。
図7に示すフロー図に従い、中間転写体ベルト上の画像部の電位を推定し、上記テーブルを参照してカウンタバイアスを決定した。
【0120】
感光体上画像部への逆転写による他色の混入、プレ転写による中間転写体ベルト上のトナー散りもなく、良好な画像が得られた。
【0121】
なお、各静電潜像担持体上のトナー画像の画像部電位と、中間転写媒体の各転写部の上流側での画像部電位とを各々電位検出して、これら電位を合致させるように各転写部におけるカウンタバイアスを定め得ることは勿論である。
【0122】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な画像形成方法および装置を実現できる。この発明の画像形成方法によれば上記の如く、複数のトナー画像を中間転写ベルト媒体上に1次転写する際のプレ転写・逆転写を有効に防止もしくは低減できる。従って、この発明の画像形成方法を実施する画像形成装置は、プレ転写や逆転写に起因する像質劣化を良好に防止もしくは低減して高品質の画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カウンタバイアスを説明するための図である。
【図2】カウンタバイアスを説明するための図である。
【図3】1次転写後の中間転写媒体上の画像部電位を説明するための図である。
【図4】画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図5】図5の画像形成装置における転写部を説明するための図である。
【図6】実施例の画像部電位推定のフロー図である。
【図7】実施例の画像部電位推定の別のフロー図である。
【符号の説明】
PC 静電潜像担持体(光導電性の感光体)
BL 中間転写ベルト
R1 転写ローラ
R2 カウンタバイアスローラ
TY イエロートナー
Claims (15)
- 1以上の静電潜像担持体にN(≧2)個のネガ潜像を形成し、これらネガ潜像をそれぞれ反転現像して、N個のポジのトナー画像を得、これらトナー画像を中間転写ベルトの表面上に逐次に1次転写して互いに重ね合せ、次いで、上記中間転写ベルト上からシート状記録媒体上に2次転写する画像形成方法において、
転写ローラと静電潜像担持体により中間転写ベルトを挟持して挟持部を1次転写の転写部とし、
1次転写の際、上記1次転写の転写部の上流側近傍において、上記中間転写ベルトの裏面側にカウンタバイアスローラを当接させて、上記中間転写媒体にカウンタバイアス:Vtを印加し、
M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、M−1回の1次転写により先に中間転写ベルトに形成されているトナー画像による画像部の表面電位が、上記カウンタバイアスローラの上記中間転写ベルトへの当接部において、M番目のトナー画像を有する静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と、略同電位となるように設定することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1記載の画像形成方法において、
1番目の1次転写開始以前における中間転写ベルトの表面電位と上記1番目の1次転写後のトナー画像部の表面電位との差をΔVとするとき、1色転写することによる上記中間転写ベルト上のトナー画像部の表面電位の変化を上記ΔVとして推定し、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを上記ΔVに基づいて設定することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1記載の画像形成方法において、
N番目の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位をVとするとき、1色転写することによるトナー画像部の表面電位の変化をV/Nとして推定し、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、上記V/Nに基づいて設定することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1〜3の任意の1に記載の画像形成方法において、
中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位として、電位最大値を用いることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1記載の画像形成方法において、
1次転写前の中間転写ベルトの表面電位:Vb、1番目の転写後のトナー画像部の表面電位:V1を検出し、これらの差:|Vb−V1|が所定の閾値:Thrより大きい値であるとき、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:VtをVb+(V1−Vb)×(M−1)に設定し、上記差:|Vb−V1|が所定の閾値:Thr以下の値であるとき、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:VtをV1に設定することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1〜5の任意の1に記載の画像形成方法において、
N=3または4であり、異なる静電潜像が、イエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色もしくは、これらに黒を加えた4色のトナーで現像されることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項6記載の画像形成方法において、
異なる静電潜像が、2以上の静電潜像担持体に分けて形成されることを特徴とする画像形成方法。 - 1以上の静電潜像担持体にN(≧2)個のネガ潜像を形成し、これらネガ潜像をそれぞれ反転現像して、N個のポジのトナー画像を得、これらトナー画像を中間転写ベルトの表面上に逐次に1次転写して互いに重ね合せ、次いで、上記中間転写ベルト上からシート状記録媒体上に2次転写する画像形成装置において、
1次転写を行う1次転写手段が、1次転写部に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、上記1次転写部の上流側近傍において、カウンタバイアス:Vtを上記中間転写媒体に印加するカウンタバイアス手段を有し、
上記転写バイアス手段は、静電潜像担持体とともに中間転写ベルトを挟持して挟持部を1次転写部とする転写ローラを有し、
上記カウンタバイアス手段は、上記1次転写部の上流側近傍において上記中間転写ベルトの裏面側に当接するカウンタバイアスローラを有し、
M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、M−1回の1次転写により先に中間転写ベルトに形成されているトナー画像部の表面電位が、M番目のトナー画像を有する静電潜像担持体上のトナー画像部の表面電位と略同電位となるように設定するカウンタバイアス設定部を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8記載の画像形成装置において、
カウンタバイアス設定部が、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、最初の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位に基づき推定して設定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8または9記載の画像形成装置において、
カウンタバイアス設定部が、M(=2〜N)番目の1次転写の際のカウンタバイアス:Vtを、N番目の1次転写により中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の表面電位に基づき推定して設定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8〜10の任意の1に記載の画像形成装置において、
カウンタバイアス設定部がカウンタバイアスの設定に用いるトナー画像部の表面電位として、中間転写ベルトに形成されたトナー画像部の電位最大値を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8〜11の任意の1に記載の画像形成装置において、
1次転写後の中間転写ベルト上のトナー画像部の表面電位を検出する表面電位検出手段を有し、カウンタバイアス設定部が、上記表面電位検出手段による検出電位に基づきトナー画像部の表面電位を決定し、この電位に基づいて、1次転写における2番目以降の転写におけるカウンタバイアスの設定を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8〜12の任意の1に記載の画像形成装置において、
N=3または4であり、異なる静電潜像が、イエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色もしくは、これらに黒を加えた4色のトナーで現像されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13記載の画像形成装置において、
異なる静電潜像が、2以上の静電潜像担持体に分けて形成され、各静電潜像担持体から中間転写ベルトへ1次転写されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
3もしくは4個の静電潜像担持体が、中間転写ベルトの表面の走行方向に配列されたタンデム式の画像形成装置であることを特徴とする画像形成装置。
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