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JP4282882B2 - 支出管理システム、支出管理方法及び記憶媒体 - Google Patents

支出管理システム、支出管理方法及び記憶媒体 Download PDF

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JP4282882B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、料金の自動振替サービスに応じて経費計上及び取り崩しや組織内部での振替などの会計及び経理処理に関する管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、銀行などの金融機関における口座引き落としにより、公共料金や定期的に購入する商品(定期購読している刊行物など)の代金の自動支払いを行う自動振替サービスが広く普及している。この種の振替サービスでは、取引先(料金の支払先)である公的機関などにおいて料金に関する明細データが作成され、支払い主体に提供されるが、一般に、この明細金額は支払金額1本となっている。これに対し、日本国では一般の消費に対して5パーセントの消費税が課せられるため、明細データから消費税を把握するためには、支払金額に5/105という値を掛けることにより消費税額を算出していた。
【0003】
また、企業などの比較的複雑な組織においては、コンピュータを用いた経理システムにより組織内での仕訳などを含む会計処理や財務管理を行うことが一般化している。この場合、組織内において経費の取り扱いを管理するためのマスターデータを作成し、自動振替サービスにおける取引先からの明細データとマスターデータとを照会した上で、経理システムで利用できる仕訳データの作成や会計処理などが行われる。
【0004】
図7は、自動振替サービスを管理する従来の経理システムの構成例を示す図である。同図は電話料金の自動振替を行う例を示している。
図7において、まず組織100における電話の使用に応じて、電話会社200において使用データが発生する。これと共に、組織100においても同じ使用に応じてマスターデータが作成され、マスターデータベース110に蓄積される。
【0005】
次に、電話会社200から使用データに基づいて通話明細データ201が作成され、組織100に提供される。組織100は、通話明細データ201を受領し、データ照会部120において、通話明細データ201とマスターデータベース110に蓄積されたマスターデータ101とを、電話番号を照会キーとして照会する。
【0006】
この照会によって得られる経費計上及び取り崩し仕訳用の経費計上/取り崩し仕訳(振替)データ102が、現金出納帳データベース130及び総勘定元帳データベース140に格納される。
そして、銀行などの金融機関300において電話料金の口座引き落としが行われた後、財務・資金管理部150において、組織100の口座残高の記録データと、現金出納帳データベース130及び総勘定元帳データベース140のデータとが比較されて、自動振替の正誤が確認される。
【0007】
以上のようなシステムにて自動振替サービスを管理する場合、マスターデータを経費の計上及び取り崩し用に一括で作成する方法と、組織の部門間での振替を考慮してサービスの利用や商品の購買の単位(以下、利用単位)ごとに作成する方法とがある。規模の大きな組織においては、組織内での仕訳の都合上、利用単位ごとにマスターデータを作成するのが一般的である。図7に示した例では、1回の通話ごとにマスターデータ101が作成され、通話明細データ201との照会が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の自動振替サービスにて作成される料金の明細データから消費税を把握する場合、この明細データにおいて提示される支払金額に5/105という値を掛けることによって消費税額が算出されていた。
しかし、このように一律な計算により消費税額を計算することは、問題が生じる場合があった。
例えば、電話料金の支払いに自動振替サービスを適用する場合、国内電話に関しては、5パーセントの消費税が課せられているので、上記の計算で消費税額を算出することが可能である。しかし、国際電話に関しては、消費税が課せられていないので、明細データの支払金額に対して上記の計算を行うことはできない。同様に、国際間での取引を含む明細データに基づいて上述した一律の計算により算出される消費税額は、実際の支払金額に課せられるべき消費税額とは一致しない。
【0009】
また、企業などの組織でコンピュータを用いた経理システムにより自動振替サービスの管理を行う場合、上述したように従来は、一般に利用単位ごとに経費の取り扱いを管理するためのマスターデータを作成し、取引先からの明細データとの照会を行っている。
これは、大きな組織では、組織全体で一括して料金を支払うのではなく、部門ごとに料金の支払いを行う場合が多く、この場合、自動振替サービスによって支払われた料金を部門ごとに振り分ける必要がある。したがって、部門間での振替を行い、料金の支払いを行う部門を特定するために、マスターデータが利用単位ごとに作成されている必要があるからである。
しかし、利用単位ごとにマスターデータを作成し自動振替サービスの管理を行う場合、金融機関における口座引き落としも利用単位ごとに行われることとなる。このため、引き落としに伴う口座残高の記録データが膨大になり会計処理が煩雑となっていた。
【0010】
そこで、本発明は、消費税の取り扱いを正確に行うことができる支出管理システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、経費計上及び取り崩し用のマスターデータと組織内での振替用のマスターデータとを作成して多面的な管理を行うことができる支出管理システムを提供することを他の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、料金の自動振替サービスに対応して支出管理を行う支出管理システムにおいて、この料金に関する明細データを入力する明細データ入力部と、明細データ入力部にて入力されたこの明細データを格納する仕訳前明細データベースと、この明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いるマスターデータを格納するマスターデータベースと、仕訳前明細データベースに格納されたこの明細データとマスターデータベースに格納されたこのマスターデータとを照会し、仕訳データを作成するデータ照会・仕訳部と、このデータ照会・仕訳部にて作成されたこの仕訳データを格納する仕訳データベースとを備え、このデータ照会・仕訳部は、支出管理における処理の内容に応じて複数種類の仕訳データを作成し、このマスターデータベースは、このデータ照会・仕訳部による複数種類の仕訳データに応じて複数種類のマスターデータを格納することを特徴とする。
ここで、支出管理における処理としては、例えば所定の組織において自動振替サービスを利用する場合において、組織全体で一括して経費計上及び取り崩しを行う処理や、組織内部の部門間で振替を行う処理などがある。
【0013】
また、この支出管理システムは、明細データ入力部にて入力された明細データを統一されたデータフォーマットに変換するデータフォーマット変換部をさらに備える構成とし、このデータフォーマット変換部にて変換された明細データを仕訳前明細データベースに格納することを特徴とすることができる。
これにより、取引先(料金の支払先)において作成される明細データのデータフォーマットが各取引先に固有であったとしても、共通のデータフォーマットにて統一的に扱うことができる。
【0014】
ここで、このデータフォーマット変換部にて変換される統一されたデータフォーマットは、少なくとも、振替キーと、振替キーごとの金額と、前記データ照会・仕訳部による仕訳に応じて分類されたデータの種類を示す識別データとを含むものとすることができる。
【0015】
さらに、このマスターデータベースは、支出管理における処理として経費計上及び取り崩しを行うために用いる、明細データにおける料金のうち消費税を含まない本体価格の合計額を管理する第1のマスターデータと、支出管理における処理として振替を行うために用いる、明細データにおける振替キーごとの金額を管理する第2のマスターデータとを格納することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の支出管理システムは、上記の構成に代えて、この料金に関する明細データを格納する明細データ格納手段と、この明細データを仕訳する仕訳手段とを備え、明細データ格納手段は、この明細データを、振替キーごとのデータと、消費税を含まない本体価格全体の合計額に関するデータと、全体の消費税額に関するデータとに分類して格納し、仕訳手段は、この明細データとの照会を行って仕訳を行うために仕訳の内容に応じて用意されるマスターデータと、この明細データのうちのこの仕訳に必要なデータとを照会し、仕訳を行うことを特徴とする。
【0017】
ここで、さらに詳しくは、この明細データにおける振替キーごとのデータを、消費税の課税対象金額と、非課税金額とに分類する構成とすることができる。
【0018】
また、この仕訳手段は、明細データ格納手段に格納されているこの本体価格全体の合計額に関するデータ及び消費税額に関するデータと、この本体価格全体の合計額に関するデータに対応するマスターデータとを照会して、経費計上及び取り崩しのための仕訳を行うことを特徴とする。
【0019】
さらに、この仕訳手段は、明細データ格納手段に格納されているこの振替キーごとのデータと、この振替キーごとのデータに対応するマスターデータとを照会して、振替のための仕訳を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、料金の自動振替サービスに対応して支出管理を行う支出管理方法において、料金に関する明細データを取得するステップと、この明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いるマスターデータを、仕訳の内容に応じて複数作成するステップと、この明細データとこのマスターデータとを照会し、支出管理における処理の内容に応じて複数種類の仕訳データを作成するステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
また、上記の支出管理方法は、明細データを取得するステップの後に、取得した明細データを統一されたデータフォーマットに変換するステップをさらに含む構成とすることができる。
【0022】
さらに、上記の支出管理方法は、明細データを取得するステップの後に、取得した明細データを振替キーごとのデータと消費税を含まない本体価格全体の合計額に関するデータと全体の消費税額に関するデータとに分類するステップをさらに含む構成とすることができる。
【0023】
ここで、さらに詳しくは、この明細データを分類するステップは、前記明細データにおける振替キーごとのデータのうち、消費税の課税対象分における本体価格の合計額に対して消費税率に相当する値を乗ずることにより、この消費税額に関するデータの消費税額を算出するステップを含むことを特徴とする。
【0024】
さらにまた、上述したマスターデータを作成するステップは、この明細データにおける料金のうち消費税を含まない本体価格の合計額を管理する第1のマスターデータを作成するステップと、この明細データにおける振替キーごとの金額を管理する第2のマスターデータを作成するステップとを含み、仕訳データを作成するステップは、この明細データとこの第1のマスターデータとを照会して、経費計上及び取り崩しを行うための仕訳データを作成するステップと、この明細データとこの第2のマスターデータとを照会して、振替を行うための仕訳データを作成するステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、次のように構成されたことを特徴とするコンピュータプログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。すなわち、このコンピュータプログラムは、料金に関する明細データを取得する処理と、仕訳の内容に応じて複数用意された、この明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いるマスターデータを取得する処理と、この明細データとこのマスターデータとを照会し、支出管理における処理の内容に応じて複数種類の仕訳データを作成する処理とを前記コンピュータに実行させる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における支出管理システムの全体構成を説明する図である。
図1において、符号10は明細データ入力部であり、取引先から発行される明細データを入力する。符号20はデータフォーマット変換部であり、明細データ入力部10にて受け付けた明細データを共通のデータフォーマットに変換する。符号30は仕訳前明細データベースであり、データフォーマット変換部20により変換された明細データにIDを付して格納する。符号40はマスターデータベースであり、自動振替サービスを受けている組織における経費の取り扱いを管理するためのマスターデータを格納する。符号50はデータ照会・仕訳部であり、仕訳前明細データベース30に格納されている明細データとマスターデータベース40に格納されているマスターデータとを照会する。そして、照会後のデータの仕訳を行う。符号60は経費計上データベースであり、データ照会・仕訳部50にて照会されたデータを経費計上及び取り崩し用のデータとして格納する。符号70は振替仕訳データベースであり、データ照会・仕訳部50にて照会されたデータを組織内の部門間における振替用のデータとして格納する。
【0027】
上記の構成において、明細データ入力部10は、電話、電気、水道、ガスなどの使用に対して発生する公共料金やその他、金融機関における口座引き落としによる自動振替サービスにて支払いを行う料金の明細データの入力を行う。明細データは、MO(magnetic optical disk)やCD−ROMなどの種々の記憶媒体に格納されたり通信ネットワークを介して明細データ入力部10に入力される。したがって、明細データ入力部10は、各種の記憶媒体のドライブ装置や、通信用のインタフェースにて実現される。
【0028】
データフォーマット変換部20は、例えばプログラム制御されたCPUで実現され、明細データ入力部10にて受け付けた明細データを決まったデータフォーマットに変換する。明細データは、通常、当該明細データを発行する公的機関や企業などに応じてデータフォーマットが異なっている。そこで、これらのデータを統一されたデータフォーマットに変換する。
ここで、統一されたデータフォーマットとしては、データ項目として、少なくともマスターデータとの照会を行うための振替キー、振替キーごとの金額、データの種類を示すデータIDを含む。ここで、振替キーは、例えば電話料金の明細データの場合、電話番号とすることができる。これにより、電話番号ごとに料金の明細データが作成されることとなる。また、データIDとは、後述する仕訳において明細データに記載されている料金を区分する必要がある場合に、その区分の内容に応じてデータに付される識別データである。例えば、自動振替サービスに対して支出の管理を行う上では、振替キーの金額に対して消費税が課せられるかどうかが計算上の重要な要素となる。したがって、課税金額か非課税金額かの別を示すデータIDを設定することができる。当然ながら、後述する仕訳の内容などに応じて他の分類でデータを区分けし、この区分を示すデータIDを設定することもできる。
データフォーマット変換部20にて統一されるデータフォーマットのデータ項目としては、この他、データの利用形態などに応じて、台帳を特定する台帳コードや取引先を特定する取引先コードなどを含むことができる。
【0029】
仕訳前明細データベース30は、磁気ディスク装置や半導体メモリなどの記憶装置にて実現され、データフォーマット変換部20にてデータフォーマットを統一された明細データを格納する。また、当該明細データに関して、合計額、消費税額、割引金額などの加工データを対応付けて格納する。
図2は、電話会社に対して支払う電話料金に関して仕訳前明細データベース30に格納されるデータの構成例を示す図である。
なお、仕訳前明細データベース30には、図示のように構成された仕訳前の明細データが取引先ごとに格納されているが、図示の例では取引先を特定する取引先コードは省略されている。
図2を参照すると、振替キーである電話番号ごとに本体価格、付記情報、データIDが記入されている。ここで、本体価格とは、課税金額については実際に支払われる料金のうち消費税を含まない本体のみの価格、非課税金額については実際に支払われるべき価格である。付記情報としては、消費税の課税の有無が記入されている。データIDとしては、課税対象であるデータには「A」、非課税のデータには「B」が割り当てられている。また、同一名称の振替キーに対して課税金額と非課税金額とが発生している場合(図中の「電話番号3」及び「電話番号4」の場合)は、それぞれ別の項目として記入されている。
【0030】
また、割引金額、料金の本体価格の総額、全体の消費税額の各科目が記入されている。全体の消費税額は、各振替キーの金額のうち、課税対象である料金の本体価格の合計に対する消費税額である。また、データIDは、消費税の課税対象とならない割引金額には非課税のデータと同じ「B」、本体価格の総額には「C」、消費税額には「D」が割り当てられている。
したがって、各振替キーの金額と本体価格の総額及び消費税額との間には、データIDで表すと、次のような関係が成り立つ。
C=(Aの合計)+(Bの合計)
D=(Aの合計)×5/100
なお、割引金額には、マイナス符号(−)が表記されている。
【0031】
以上のように、発生した料金を消費税の課税対象である料金と非課税の料金とに分類し、料金の合計を本体価格の合計額と消費税額とで表現することにより、発生したどの部分に消費税が課せられているのかが分かり易く、正確な取り扱いを行うことができる。
【0032】
マスターデータベース40は、磁気ディスク装置や半導体メモリなどの記憶装置にて実現され、経費の支払いを自動振替にて行うために必要な諸情報を含むマスターデータを格納する。マスターデータの構成は、システムにおける当該マスターデータの利用態様に応じて任意に設定できるが、仕訳前明細データベース30に格納されている明細データとの照会を行うために、少なくとも、明細データの振替キーに対応する照会キーと、データID、そして明細データに台帳コードや取引先コードが存在する場合はこれらのコードデータとが含まれる。また、後に仕訳を行うために必要な、勘定科目コードや実際に料金の支払いを行う賦課部門を特定する賦課部門コードが含まれる。
【0033】
さらに、本実施の形態では、仕訳前明細データベース30に格納された明細データから、経費計上及び取り崩し用の仕訳データと組織内の振替用の仕訳データとを作成する。したがって、後述するデータ照会において、これらの仕訳に応じた照会を行えるように、2種類のマスターデータを作成する。このため、マスターデータには、いずれの照会に用いるマスターデータかを識別するためのマスタータイプを示す情報が含まれる。
【0034】
マスターデータベース40へのマスターデータの登録は、例えばHTMLにて作成されたウェブページの入力フォーマットを入力用端末装置に表示し、この入力フォーマットに必要な情報を入力することにより行うことができる。
図3は、このような入力フォーマット(入力画面)の構成例を示す図である。図3を参照すると、入力フォーマットには、台帳コード(図ではLCと表記)、取引先コード、マスタータイプの識別データなどが指定されている。そして、マスターデータの管理情報の入力欄310として、申請者を特定する情報の入力欄311、管理者を特定する情報の入力欄312、承認者を特定する情報の入力欄313が設けられている。また、経理情報の入力欄320として、仕訳後の明細データにおける勘定科目を特定する勘定科目コードの入力欄321、賦課部門コードの入力欄322、照会キーの入力欄323が設けられている。勘定科目コードの入力欄321及び賦課部門コードの入力欄322は、消費税課税用と消費税非課税用の二つが設けられており、これにより、仕訳前明細データベース30の明細データにおけるデータIDに対応する情報が含まれることとなる。
【0035】
データ照会・仕訳部50は、例えばプログラム制御されたCPUで実現され、仕訳前明細データベース30に格納されている明細データとマスターデータベース40に格納されているマスターデータとを照会し、明細データの仕訳を行う。上述したように、仕訳データは、経費計上及び取り崩し用の経費計上仕訳データと、組織内の振替用の振替仕訳データとがある。したがって、データ照会・仕訳部50は、経費計上仕訳データを作成する動作と、振替仕訳データを作成する動作とを行う。原則として両方の動作を行い、2種類の仕訳データを作成するが、システムの稼働状態や、明細データの構成、支払形態などに応じて、いずれか一方の動作により1種類の仕訳データのみを作成することも可能である。
【0036】
図4は、データ照会・仕訳部50による経費計上仕訳データを作成する動作を示す図である。
図4を参照すると、まず、取引先コードなどにより処理対象の明細データを特定する(ステップ401)。そして、経費計上仕訳データを作成するために必要な明細データの種類をデータIDで特定し、照会対象とする(ステップ402)。本動作では、組織が取引先に対して支払う経費を計上する(または取り崩す)ための仕訳データを作成するので、照会対象は発生した経費の合計額であり、図2に示した例では、データIDが「C」のデータである。また、マスターデータにおいては、経費計上仕訳データの作成に用いることを示すマスタータイプのマスターデータが照会対象となる。
【0037】
次に、照会対象となった明細データとマスターデータとにおいて、台帳コード、取引先コード、振替キー(照会キー)、データIDを照会する。これらのデータが一致する場合は、データIDが「C」の明細データにおいて、借方にマスターデータの勘定科目コードと賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振る。また、データIDが「D」の明細データにおいて、借方に消費税勘定科目コードを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振る(ステップ403、404)。
【0038】
一方、照会データが一致しなかった場合は、データIDが「C」の明細データにおいて、借方にミスコード救済用の勘定科目コードと賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振る。また、データIDが「D」の明細データにおいて、借方に消費税勘定科目コードを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振る(ステップ403、405)。
【0039】
図5は、データ照会・仕訳部50による振替仕訳データを作成する動作を示す図である。
図5を参照すると、まず、取引先コードなどにより処理対象の明細データを特定する(ステップ501)。そして、振替仕訳データを作成するために必要な明細データの種類をデータIDで特定し、照会対象とする(ステップ502)。本動作では、組織内において振替を行うための仕訳データを作成するので、照会対象は振替キーごとの金額であり、図2に示した例では、データIDが「A」と「B」のデータである。また、マスターデータにおいては、振替仕訳データの作成に用いることを示すマスタータイプのマスターデータが照会対象となる。
【0040】
次に、照会対象となった明細データとマスターデータとにおいて、台帳コード、取引先コード、振替キー(照会キー)、データIDを照会する。これらのデータが一致する場合は、データIDが「A」、「B」の明細データにおいて、借方にマスターデータの勘定科目コードと賦課部門コードとを割り振り、貸方に振替対象の勘定科目コードを割り振る(ステップ503、504)。
【0041】
一方、照会データが一致しなかった場合は、データIDが「A」、「B」の明細データにおいて、借方にミスコード救済用の勘定科目コードと賦課部門コードとを割り振り、貸方に振替対象の勘定科目コードを割り振る(ステップ503、505)。
【0042】
経費計上データベース60は、磁気ディスク装置や半導体メモリなどの記憶装置にて実現され、データ照会・仕訳部50における図4に示した動作により作成された経費計上仕訳データを格納する。
振替仕訳データベース70は、磁気ディスク装置や半導体メモリなどの記憶装置にて実現され、データ照会・仕訳部50における図5に示した動作により作成された振替仕訳データを格納する。
経費計上データベース60に格納された経費計上仕訳データは、支払いデータとして料金の支払い処理において使用され、現金出納帳データベース130に格納される。また、振替仕訳データベース70に格納された振替仕訳データと共に、総勘定元帳データベース140に格納される。そして、現金出納帳データベース130及び総勘定元帳データベース140に格納された各データにより経理及び資金管理における処理が行われる。
【0043】
本実施の形態は、最も一般的な使用形態においては、上述した図4、図5の動作を順次行い、経費計上仕訳データ及び振替仕訳データの両方を作成する。しかしながら、システムの導入時や組織における経理及び資金管理の形態、料金の支払形態などによっては、これら2種類の仕訳データを必要としない場合がある。また、本実施の形態を他の経理システムなどと組み合わせて利用する場合、いずれか一方のデータのみを必要とする場合がある。例えば、他のシステムで経費計上及び取り崩しを行って、各部門への経費振替を行う場合、振替仕訳データのみがあれば良い。
そこで、図4または図5のいずれか一方の動作を行い、経費計上仕訳データまたは振替仕訳データの一方のみを作成して使用することも可能である。
【0044】
さらに、本実施に形態は、明細データを所定の基準で分類し、データIDを付して管理しているので、任意のアルゴリズム(ロジック)を用意することにより、所望のデータをデータ照会の対象とし、任意の仕訳データを作成することができる。例えば、データID「A」のデータとデータID「D」のデータとをデータ照会の対象として仕訳データを作成することにより、課税対象である料金のみの仕訳データを作成することができる。
【0045】
次に、具体的な処理の例を説明する。
図6は、統一フォーマットに変換された明細データとマスターデータとから経費計上仕訳データ及び振替仕訳データを生成した様子を示す図である。
図示の例では、電話番号(振替キー、照会キー)が「012-345-xxxx」である電話に関して発生した通話料金の自動振替サービスを行うための処理を示している。
明細データを参照すると、取引先が取引先コード「E00001」の電話会社であり、課税対象の通話料金(データID「A」)が1000円、非課税の通話料金(データID「B」)が500円、通話料金の合計(データID「C」)が1500円(=1000円+500円)、消費税額(データID「D」)が50円(=1000円×(5/100))となっている。
また、マスターデータを参照すると、振替仕訳データの作成用のマスタータイプを「マスタータイプ1」とし、経費計上仕訳データの作成用のマスタータイプを「マスタータイプ2」として、マスタータイプ1の課税対象の通話料金(データID「A」)に関して勘定科目コードが「02-626-7406」、賦課部門コードが「H25000」、マスタータイプ1の非課税の通話料金(データID「B」)に関して勘定科目コードが「02-626-7402」、賦課部門コードが「H25000」、マスタータイプ2の通話料金の合計(データID「C」)に関して勘定科目コードが「09-624-7400」、賦課部門コードが「571ED0」となっている。
【0046】
次に、経費計上仕訳データの作成において、明細データにおけるデータID「C」、「D」のデータとマスターデータにおけるマスタータイプ2のデータとが用いられる。そして、借方/貸方の仕訳において、図4のステップ404に示した通り、データID「C」のデータに関しては、借方にマスターデータの勘定科目コードと賦課部門コードとが割り振られ、貸方に買掛金勘定科目コードが割り振られる。また、データID「D」のデータに関しては、借方に消費税勘定科目コードが割り振られ、貸方に買掛金勘定科目コードが割り振られる。したがって、図6の経費計上仕訳データを参照すると、
09-624-7400 571ED0(全体の通話料金)/買掛金勘定 1500円
全体の消費税/買掛金勘定 50円
というデータが作成されている。また、取り崩し時には、
買掛金勘定/代金 1550円(=1500円+50円)
となる。
【0047】
次に、振替仕訳データの作成において、明細データにおけるデータID「A」、「B」のデータとマスターデータにおけるマスタータイプ2のデータとが用いられる。そして、借方/貸方の仕訳において、図5のステップ504に示した通り、借方にマスターデータの勘定科目コードと賦課部門コードとが割り振られ、貸方に買掛金勘定科目コードが割り振られる。したがって、図6の振替仕訳データを参照すると、
02-626-7406 H25000/09-624-7400 571ED0(全体の通話料金) 1000円
02-626-7402 H25000/09-624-7400 571ED0(全体の通話料金) 500円
というデータが作成されている。
【0048】
以上のようにして、本実施の形態により経費計上仕訳データ及び振替仕訳データを作成することにより、経費計上、取り崩し、組織内の部門間での振替といった全ての仕訳を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、消費税の取り扱いを正確に行うことができる支出管理システムを提供することができる。
【0050】
また、本発明によれば、経費計上及び取り崩し用のマスターデータと組織内での振替用のマスターデータとを作成して多面的な管理を行うことができる支出管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態における支出管理システムの全体構成を説明する図である。
【図2】 本実施の形態において、電話会社に対して支払う電話料金に関して仕訳前明細データベースに格納されるデータの構成例を示す図である。
【図3】 本実施の形態のマスターデータベースにマスターデータを登録するための入力フォーマットの構成例を示す図である。
【図4】 本実施の形態のデータ照会・仕訳部による経費計上仕訳データを作成する動作を示す図である。
【図5】 本実施の形態のデータ照会・仕訳部による振替仕訳データを作成する動作を示す図である。
【図6】 本実施の形態において、統一フォーマットに変換された明細データとマスターデータとから経費計上仕訳データ及び振替仕訳データを生成した様子を示す図である。
【図7】 自動振替サービスを管理する従来の経理システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
10…明細データ入力部、20…データフォーマット変換部、30…仕訳前明細データベース、40…マスターデータベース、50…データ照会・仕訳部、60…経費計上データベース、70…振替仕訳データベース

Claims (3)

  1. 料金の自動振替サービスに対応して支出管理を行う支出管理システムにおいて、
    前記料金に関する明細データを入力する明細データ入力部と、
    前記明細データ入力部にて入力された明細データを、少なくとも、当該明細データにおける料金の振替の単位項目を表す振替キーと、当該振替キーごとの金額と、仕訳の種類に応じて分類された当該明細データの種類を示す識別データとをデータ項目として含む統一されたデータフォーマットに変換するデータフォーマット変換部と、
    前記データフォーマット変換部にて変換された前記明細データを格納する仕訳前明細データベースと、
    前記明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いられる、少なくとも、データフォーマットを統一した前記明細データの前記振替キーに対応する照会キーと、当該明細データの種類を示す識別データと、勘定科目を特定する勘定科目コードと、料金の支払いを行う賦課部門を特定する賦課部門コードとをデータ項目として含むマスターデータを格納するマスターデータベースと、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データのデータ項目と前記マスターデータベースに格納された前記マスターデータのデータ項目とを照会し、仕訳データを作成するデータ照会・仕訳部と、
    前記データ照会・仕訳部にて作成された前記仕訳データを格納する仕訳データベースとを備え、
    前記マスターデータベースは、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における課税額を含まない本体価格および非課税の料金に関して、前記データ項目の情報を登録した、第1のマスターデータと、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における前記本体価格および非課税の料金の合計額に関して、前記データ項目の情報を登録した、第2のマスターデータとを格納し、
    前記データ照会・仕訳部は、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが課税対象の料金における本体価格を示している場合または非課税の料金を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第1のマスターデータの情報を用い、借方にマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第1の仕訳データと、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが前記合計額を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第2のマスターデータの情報用い、借方に当該第2のマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第2の仕訳データのうち、少なくともいずれか一方を作成することを特徴とする支出管理システム。
  2. コンピュータを用いて、料金の自動振替サービスに対応して支出管理を行う支出管理方法において、
    前記コンピュータが、前記料金に関する明細データを取得し、取得した当該明細データを、少なくとも、当該明細データにおける料金の振替の単位項目を表す振替キーと、当該振替キーごとの金額と、仕訳の種類に応じて分類された当該明細データの種類を示す識別データとをデータ項目として含む統一されたデータフォーマットに変換して、仕訳前明細データベースに格納する第1のステップと、
    前記コンピュータが、前記明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いられる、少なくとも、データフォーマットを統一した前記明細データの前記振替キーに対応する照会キーと、当該明細データの種類を示す識別データと、勘定科目を特定する勘定科目コードと、料金の支払いを行う賦課部門を特定する賦課部門コードとをデータ項目として含むマスターデータを作成し、マスターデータベースに格納する第2のステップと、
    前記コンピュータのデータ照会・仕訳手段が、前記明細データのデータ項目と前記マスターデータのデータ項目とを照会し、仕訳データを作成する第3のステップとを含み、
    前記第2のステップでは、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における課税額を含まない本体価格および非課税の料金に関して、前記データ項目の情報を登録した、第1のマスターデータと、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における前記本体価格および非課税の料金の合計額に関して、前記データ項目の情報を登録した、第2のマスターデータとを作成し、
    前記第3のステップでは、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが課税対象の料金における本体価格を示している場合または非課税の料金を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第1のマスターデータの情報用い、借方にマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第1の仕訳データと、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが前記合計額を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第2のマスターデータの情報用い、借方に当該第2のマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第2の仕訳データのうち、少なくともいずれか一方を作成することを特徴とする支出管理方法。
  3. コンピュータに実行させるプログラムを当該コンピュータの入力手段が読取可能に記憶した記憶媒体において、
    前記プログラムは、
    料金に関する明細データを取得し、取得した当該明細データを、少なくとも、当該明細データにおける料金の振替の単位項目を表す振替キーと、当該振替キーごとの金額と、仕訳の種類に応じて分類された当該明細データの種類を示す識別データとをデータ項目として含む統一されたデータフォーマットに変換して、仕訳前明細データベースに格納する第1の処理と、
    前記明細データとの照会を行って仕訳を行うために用いられる、少なくとも、データフォーマットを統一した前記明細データの前記振替キーに対応する照会キーと、当該明細データの種類を示す識別データと、勘定科目を特定する勘定科目コードと、料金の支払いを行う賦課部門を特定する賦課部門コードとをデータ項目として含むマスターデータを作成し、マスターデータベースに格納する第2の処理と、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データのデータ項目と前記マスターデータベースに格納された前記マスターデータのデータ項目とを照会し、仕訳データを作成する第3の処理とを含み、
    前記第2の処理では、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における課税額を含まない本体価格および非課税の料金に関して、前記データ項目の情報を登録した、第1のマスターデータと、
    前記明細データにおける料金のうち、課税対象の料金における前記本体価格および非課税の料金の合計額に関して、前記データ項目の情報を登録した、第2のマスターデータとを作成し、
    前記第3の処理では、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが課税対象の料金における本体価格を示している場合または非課税の料金を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第1のマスターデータの情報用い、借方にマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第1の仕訳データと、
    前記仕訳前明細データベースに格納された前記明細データに含まれる前記識別データが前記合計額を示している場合には、前記振替キーと前記照会キーを照会して一致した前記第2のマスターデータの情報用い、借方に当該第2のマスターデータの前記勘定科目コードと前記賦課部門コードとを割り振り、貸方に買掛金勘定科目コードを割り振って得られる、第2の仕訳データのうち、少なくともいずれか一方を作成する処理とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする記憶媒体。
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