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JP4281126B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像データの処理、特に文字画像のエッジ処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置は、原稿を読み取って得られたデジタル画像データを処理し、印字用のデジタル印字データを出力する。画像は、デジタル印字データに基づいて再現される。
画像処理装置は、原稿の画像をよりよく再現するため、原稿の画像を読み取ったデジタル画像データについて、種々の処理をおこなう。文字原稿については、文字画像の再現のため、文字のエッジを強調することが望ましい。このため、種々のエッジ判定手法や、エッジ判定結果に基づくデータ強調手法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
文字画像に特に斜め方向にあるエッジを含む場合、そのようなエッジを強調すると、得られた画像はぎざぎざになる。このため、原画像に比べて、再現画像の品位が悪くなる。これは、画像が画素単位で読み取られ再現されるためである。しかし、文字のエッジ部は滑らかに再現されることが望ましい。
【0004】
本発明の目的は、文字エッジ部をより滑らかに再現できる画像処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理装置は、多値画像データに基づいて、画素を主走査方向に複数のサブ領域に分割しサブ領域の単位で画像を形成するためのデジタル画像データを出力する画像処理装置である。この画像処理装置は、多値画像データに基づいて、注目画素とその周辺画素の濃度レベルの差の組み合わせから、主走査方向に関して、エッジが注目画素の右側にあることを識別するエッジ方向として右寄せ信号を、エッジが注目画素の左側にあることを識別するエッジ方向として左寄せ信号を、エッジが注目画素の左右にあることを識別するエッジ方向として細線エッジ信号を、それぞれ出力するエッジ判定手段と、上記エッジ判定手段により出力された注目画素の右寄せ信号および左寄せ信号とその周辺画素の右寄せ信号および左寄せ信号から、右寄せ信号または左寄せ信号が連続して存在する場合には、より後に出力された右寄せ信号または左寄せ信号のみを出力するように補正して、注目画素のエッジ方向を判定したエッジ判定信号を出力するエッジ判定補正手段と、上記エッジ判定補正手段によって出力された注目画素のエッジ判定信号にしたがって、エッジ判定信号ごとに記憶されている濃度レベル設定用パラメータをサブ領域ごとに読み出し、注目画素の濃度レベルとサブ領域ごとの前記濃度レベル設定用パラメータとに基づいて、注目画素内の複数のサブ領域ごとの濃度レベルを、上記エッジ判定信号が右寄せ信号である場合には左側のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定し、上記エッジ判定信号が左寄せ信号である場合には右側のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定し、上記エッジ判定信号が細線エッジ信号である場合には注目画素内の複数のサブ領域のうちの中央のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定して、各注目画素内の濃度分布を変化させる濃度制御手段とを備える。これによって注目画素の解像度を向上させ、文字エッジ部を滑らかに再現する。また、前記注目画素内のサブ領域ごとの濃度レベルは、たとえば、注目画素の濃度レベルと前記濃度レベル設定用パラメータとを1次演算して得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の画像処理装置について説明する。なお、図面において同一の参照記号は、同一または同等のものをさす。
図1は、本発明の画像処理装置の1実施形態を示す。画像処理装置は、原稿読取装置、コンピュータなどから入力されるデジタル画像データに基づいて、感光体を露光することにより感光体上に画像を形成するためのデジタル画像データを生成し、プリンタに出力する。ここで、注目画素とその周辺の画素との階調差を求め、その階調差の組合わせによって主走査方向でのエッジ方向を識別する。そして、識別されたエッジ方向にしたがって注目画素内の濃度分布の重心を変化して、エッジを滑らかに再現する。ここで、注目画素の濃度分布の重心を変化させるため、画像読取の単位である1画素を、画像形成における主走査方向に複数のサブ画素に分割して、注目画素に与える濃度をサブ画素の単位で変化させて注目画素の濃度分布を制御する。
【0007】
具体的に説明すると、画像データ出力装置10は、ここでは図示されていない原稿読取装置、コンピュータなどから入力されるデジタル画像データを出力する。ここでは、画像データを、1画素あたり8ビットの階調データとして出力する。エッジ判定部12は、画像データ出力装置10から出力される階調データを用いて、注目画素とその周辺の画素との階調差を求め、その階調差の組合わせによって主走査方向でのエッジ方向を識別する。さらに、エッジ判定補正部14は、エッジ判定部12によるエッジ方向が不適切な場合は、適切なエッジ方向に補正する。エッジ判定補正部14の出力結果を基に、濃度レベル制御部16は、画素内の濃度重心を制御するためのパラメータ信号を、注目画素を主走査方向に分割したサブ画素の単位で生成する。一方、ガンマ補正部18は、階調データの非線形変換をし、プリント部24の階調性の非線形ひずみを補正する。次に、濃度レベル設定部20は、ガンマ補正部18により補正されたデータについて、濃度レベル制御部16により生成された濃度制御パラメータ信号を用いて濃度レベルを制御して、画素内の濃度重心を変化させる。D/A変換器22は、濃度レベル設定部20により得られたデジタル階調データをアナログ信号に変換し、プリント部24のレーザー駆動回路に出力する。プリント部24は、入力データに基づいてレーザービームの強度をサブ画素の単位で変調し、中間調画像をラスター走査で記録媒体上に形成する。
【0008】
エッジ判定部12は、注目画素の主走査方向でのエッジ方向を次の4つの場合に区分して判定する。この判定結果に基づいてエッジをどの方向に寄せるかが判断される。ここでは、主走査方向を左右方向とする。「右エッジ」とは、文字の右側にあるエッジ、すなわち、注目画素の左側に文字部がある場合のエッジをいう。「左エッジ」とは、文字の左側にあるエッジ、すなわち、注目画素の右側に文字部がある場合のエッジをいう。また、「細線エッジ」とは、注目画素の中央に文字部がある場合、すなわち、1つの注目画素内に右エッジと左エッジがある場合のエッジをいう。なお、以上のいずれにも該当しない場合は、「非エッジ部」である。
【0009】
図2は、エッジ判定部12のブロック図である。エッジは、たとえば3×3の画素マトリクスを用いて判定される。まず、注目画素とその周辺の8画素との階調差を計算し、注目画素より濃度の高い画素と濃度の低い画素に分ける。図3に示すように、3×3の画素マトリクスにおいて、V33は注目画素の階調データを表し、V22,V23,V24,V32,V34,V42,V43,V44は注目画素に隣接する8個の画素の階調データを表す。図2に示すエッジ判定部12において、8個の階調差信号発生回路120は、注目画素の階調データV33とその周辺の8画素の階調データV22,V23,V24,V32,V34,V42,V43,V44を入力し、周辺画素と注目画素との階調データの差(階調差信号)を求める。組合せ判定回路122は、注目画素と周辺画素との階調差を入力し、その階調差の組合わせによってエッジ方向を判別する。すなわち、注目画素とその周辺の8画素との階調差を計算し、注目画素より濃度の高い画素と濃度の低い画素に分ける。そして、注目画素と周囲画素との濃度値の関係からエッジ方向を識別する。具体的には、組合せ判定回路122は、これらの8つの階調差信号の組合わせによって主走査方向でのエッジ方向(右エッジ、左エッジなど)を判別し、右寄せ信号MARKRと左寄せ信号MARKLを生成する。右寄せ信号MARKRは、右エッジが存在することを示し、左寄せ信号MARKLは左エッジが存在することを示す。そして、NANDゲート、2個のANDゲートおよび3個のセレクタ(S=LでAを選択する)からなる論理回路124は、これらの右寄せ信号MARKRと左寄せ信号MARKLからエッジ方向を判断し、エッジ方向信号EDGを出力する。すなわち、MARKRとMARKLがともに出力されていれば、EDG="01"(細線エッジ)が出力され、MARKRまたはMARKLが出力されていれば、EDG="03"(右エッジ)またはEDG="02"(左エッジ)が出力され、MARKRとMARKLがいずれも出力されていなければ、EDG="00"(非エッジ部)が出力される。
【0010】
図4は、エッジ判定補正部14のブロック図である。エッジ判定補正部14では、まず、2個のシフトレジスタ130と132は、エッジ判定部12で出力された主走査方向における右寄せ信号MARKRと左寄せ信号MARKLを、それぞれ順次入力する。ANDゲート134は、注目画素で寄せ信号MARKLが出力されるが、その後の画素で寄せ信号MARKLが出力されない場合に、新たな寄せ信号MARKL2を発生する。同様に、ANDゲート136は、注目画素で寄せ信号MARKRが出力されるが、その前の画素で寄せ信号MARKRが出力されない場合に、新たな寄せ信号MARKR2を発生する。これにより、右寄せ信号と左寄せ信号それぞれを独立で連続して発生することを防止する。さらに、必ず外側のエッジをとるようにする。この結果得られた新たな右寄せ信号MARKR2と左寄せ信号MARKL2から、論理ゲート124と同じ論理回路134により、同様にエッジ判定信号EDGを生成し出力する。
【0011】
図5は、濃度レベル制御部1のブロック図である。エッジ判定補正部1の出力であるエッジ方向信号EDGをアドレス信号として入力し、8個のパラメータRAM140に記憶されたテーブルより8個の濃度制御パラメータ信号A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4を得る。得られた濃度制御パラメータは、濃度レベル設定部18に送られる。
【0012】
図6は、濃度レベル設定部18のブロック図である。4個の濃度レベル演算部180では、ガンマ補正部12で非線形変換された階調データVGに対し、濃度制御パラメータ信号の4種の組合せA1とB1、A2とB2、A3とB3、A4とB4を用いて、それぞれ、ブロック内に示されるような1次演算(VH=A*(VG−B))を行う。この結果、VGから4つの階調信号VH1,VH2,VH3,VH4が得られる。次に、セレクタ182は、画素クロックCLKと画素クロックの倍の周波数を持つ倍速クロックXCLKとを用いて、濃度レベル演算部180において1次演算で得られた4つの階調信号VH1,VH2,VH3,VH4を1画素内でサブ画素ごとに切り換えて、濃度レベル信号VDを生成する。これにより、1画素を4サブ画素に分割し、サブ画素ごとに濃度レベル信号VDを出力する。
【0013】
図7から図10は、エッジ判定部12で判定されたエッジ種類のそれぞれについて、1画素内の濃度がどのように変化するかを示したものである。ガンマ補正部16で非線形変換された階調データの階調が増加するにつれ、1画素内の4つのサブ画素に与えられるデジタル階調データがそれぞれそのように変化していくかを示す。図において、各サブ画素における黒部分の高さは、濃度レベルを表す。
図7は、右エッジの場合の変化を示す。ここで濃度制御パラメータ信号は、次のとおりである。A1=A2=A3=A4=4。B1=0。B2=64。B3=128。B4=192。図には、階調レベルが0、32、64、96、128、160、192、224、255の場合を示す。図において明らかなように、右エッジであるので、濃度は左側のサブ画素から順に増加される。こうして、画素の濃度の重心は左から順次中央に移動していく。
【0014】
図8は、左エッジの場合の変化を示す。これは、図7の右エッジの場合と左右対称である。ここで濃度制御パラメータ信号は、次の通りである。A1=A2=A3=A4=4。B1=192。B2=128。B3=64。B4=0。図は、階調レベルが0、32、64、96、128、160、192、224、255の場合を示す。図において明らかなように、左エッジであるので、濃度は右側のサブ画素から順に増加される。こうして、画素の濃度の重心は右から順次中央に移動していく。
【0015】
図9は、非エッジの場合の変化を示す。ここで濃度制御パラメータ信号は、次の通りである。A1=A2=A3=A4=1。B1=B2=B3=B4=0。図は、階調レベルが0、32、64、96、128、160、192、224、255の場合を示す。図において明らかなように、エッジが存在しないので、4個のサブ画素はいずれも同じ濃度とし、したがって、画素の濃度の重心は常に中央にある。濃度は、階調レベルに対応して増加する。
【0016】
図10は、細線エッジの場合の変化を示す。ここで濃度制御パラメータ信号は、次の通りである。A1=A2=A3=A4=2。B1=128、B2=B3=0。B4=128。図は、階調レベルが0、32、64、96、128、160、192、224、255の場合を示す。右エッジと左エッジが同時に存在する細線エッジであるので、図において明らかなように、まず中央の2個のサブ画素の濃度が、階調レベルに対応して増加する。画素の濃度の重心は常に中央にある。次に、両側の2個のサブ画素の濃度が階調レベルに対応して増加する。画素の濃度の重心は常に中央にあるが、濃度分布は、階調レベル128を越えると、しだいに左右に広がっていく。図7〜図10では、主に濃度の重心の変化について説明したが、図10に示すように、注目画素内において濃度は端から増加させていくとは限らない。また、変化させるのは重心だけではなく、濃度分布である。
【0017】
図11は、比較のため、エッジ判定補正部14がない場合に実際の再現画像の1例を図式的に示す。左側の原画像を処理すると、右側の再現画像において、エッジ部が2重化する。これは、エッジ部でサブ画素単位で濃度レベルを設定して、濃度重心を右に寄せたためである。
図12は、エッジ判定補正部14を用いた場合に実際の画像の1例を図式的に示す。図11と同じ原画像を処理すると、右側の画像に示すように、図11で白抜けを生じていた画素においては、非エッジ部として取り扱い、サブ画素単位での濃度制御は行わない。これにより、白抜けによるエッジ部の2重化が防止される。
【0018】
【発明の効果】
画像処理装置において、注目画素内で濃度分布を変化させることにより文字エッジ部をより滑らかに再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像処理装置の1実施形態のブロック図。
【図2】 エッジ判定部のブロック図。
【図3】 エッジ判定用の9個の画素の信号の分布を示す図。
【図4】 エッジ判定補正部のブロック図。
【図5】 濃度レベル制御部のブロック図。
【図6】 濃度レベル設定部のブロック図。
【図7】 右エッジの場合の階調レベルに対する濃度の変化を示す図。
【図8】 左エッジの場合の階調レベルに対する濃度の変化を示す図。
【図9】 非エッジ部の場合の階調レベルに対する濃度の変化を示す図。
【図10】 細線エッジの場合の階調レベルに対する濃度の変化を示す図。
【図11】 エッジ判定補正部がない場合の処理後の実際の画像データを示す図。
【図12】 エッジ判定補正部を設けた場合の処理後の実際の画像データを示す図。
【符号の説明】
10 画像データ出力装置、 12 ガンマ補正部、 14 エッジ判定部、 16 エッジ判定補正部、 18 濃度レベル制御部、 20 濃度レベル設定部。

Claims (2)

  1. 多値画像データに基づいて、画素を主走査方向に複数のサブ領域に分割しサブ領域の単位で画像を形成するためのデジタル画像データを出力する画像処理装置であり、
    多値画像データに基づいて、注目画素とその周辺画素の濃度レベルの差の組み合わせから、主走査方向に関して、エッジが注目画素の右側にあることを識別するエッジ方向として右寄せ信号を、エッジが注目画素の左側にあることを識別するエッジ方向として左寄せ信号を、エッジが注目画素の左右にあることを識別するエッジ方向として細線エッジ信号を、それぞれ出力するエッジ判定手段と、
    上記エッジ判定手段により出力された注目画素の右寄せ信号および左寄せ信号とその周辺画素の右寄せ信号および左寄せ信号から、右寄せ信号または左寄せ信号が連続して存在する場合には、より後に出力された右寄せ信号または左寄せ信号のみを出力するように補正して、注目画素のエッジ方向を判定したエッジ判定信号を出力するエッジ判定補正手段と、
    上記エッジ判定補正手段によって出力された注目画素のエッジ判定信号にしたがって、エッジ判定信号ごとに記憶されている濃度レベル設定用パラメータをサブ領域ごとに読み出し、注目画素の濃度レベルとサブ領域ごとの前記濃度レベル設定用パラメータとに基づいて、注目画素内のサブ領域ごとの濃度レベルを、上記エッジ判定信号が右寄せ信号である場合には左側のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定し、上記エッジ判定信号が左寄せ信号である場合には右側のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定し、上記エッジ判定信号が細線エッジ信号である場合には注目画素内の複数のサブ領域のうちの中央のサブ領域から濃度レベルを増加させるように設定して、各注目画素内の濃度分布を変化させる濃度制御手段とを備える、画像処理装置。
  2. 前記注目画素内のサブ領域ごとの濃度レベルは、注目画素の濃度レベルと前記濃度レベル設定用パラメータとを1次演算して得られることを特徴とした請求項1に記載された画像処理装置。
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