JP4277528B2 - ハンドルコラム用軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングコラムのシャフト挿入孔の内周面とこのシャフト挿入孔に挿入されたステアリングシャフトの外周面との間に圧入されてステアリングシャフトを支持するハンドルコラム用軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンドルとユニバーサルジョイントとの間にステアリングシャフトが連結された構造の自動車用ステアリング機構において、軸受業者としてはステアリングコラムのシャフト挿入孔内でステアリングシャフトをころ軸受で支持する場合、どのステアリング機構でもステアリングシャフトを支持するのに同じ仕様のころ軸受を使用したいという要望がある。しかしながら、ステアリングシャフトは、自動車の製造メーカーにおいてほぼその外径は統一化されているのに対し、ステアリングコラムの内径は製造メーカ毎に異なっている。そのために、ステアリングコラムのシャフト挿入孔内周面とステアリングシャフトの外周面との間の径方向隙間は一定しない。したがって、このようなステアリングシャフトをステアリングコラムのシャフト挿入孔内でころ軸受けで支持するには、その径方向隙間をゼロに調整するためのスペーサリングが必要とされる。
【0003】
このようなスペーサリングを備えたハンドルコラム用軸受装置として、ころ軸受の外輪の外周面に弾性を有するスペーサリングを装着したものがある(特許文献1参照。)。このハンドルコラム用軸受装置に備えるころ軸受は、スペーサリングと外輪と保持器と複数のころからなり、前記スペーサリングの弾性予圧によりステアリングシャフトところ軸受との径方向隙間をゼロ以下にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−50268号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ハンドルコラム用軸受装置の場合、スペーサリングの弾性予圧によりステアリングシャフトところ軸受との径方向隙間をゼロ以下にしているから、ころ軸受のころはステアリングシャフトに対して締め代をもって接触している。そのため、例えば、砂利道などのオフロードのように車体に加わる振動が激しいような走行では、ステアリングシャフトがころに対して摺動接触してステアリングシャフトがころにより摺動摩耗されるおそれがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングコラムのシャフト挿入孔の内周面とこのシャフト挿入孔に挿入されたステアリングシャフトの外周面との間に圧入した転がり軸受により当該ステアリングシャフトを支持するハンドルコラム用軸受装置であって、前記転がり軸受の外輪の外周面に弾性を有するスペーサリングを設け、前記圧入で前記スペーサリングを弾性圧縮することにより得られる当該スペーサリングの弾性復元力で前記転がり軸受に弾性予圧を与えてステアリングシャフトとの径方向隙間をゼロ以下にする一方、前記転がり軸受は、外輪と、ステアリングシャフトの外周面に直接転接する複数の玉と、この玉を保持する保持器とを備え、前記玉は、軸方向に複数個並んだ状態で前記保持器のポケット内に配置されており、前記保持器のポケットの軸方向長から前記玉が占める軸方向長を引いた当該ポケット内における隙間(ポケット隙間)の大きさを前記玉の軸方向遊び量とし、前記玉の軸方向遊び量を前記ステアリングシャフトの軸方向摺動量以上に設定していることを特徴とする。
本発明においては、玉の軸方向遊び量は、ステアリングシャフトの軸方向摺動距離以上であるため、玉はステアリングシャフトの軸方向摺動に伴ないほぼ連れ動きするようになってステアリングシャフトが玉により摩耗されるおそれがなくなるか、または、軽減されるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、参考例について図1、図2を参照して詳細に説明する。図1は、ハンドルコラム用軸受装置を備えた自動車の操舵機構の概略構成を示しており、図2は、図1の要部の拡大側面図である。
【0009】
これらの図を参照して、1はハンドル、2は自動車の車体に固定されたステアリングコラム、3はステアリングコラムのシャフト挿入孔内に挿入されてハンドルの操舵を車輪に伝達するステアリングシャフト、4はステアリングコラム2のシャフト挿入孔内周面とステアリングシャフト3の外周面との間の隙間において少なくとも軸方向2箇所に圧入されたハンドルコラム用軸受装置である。ステアリングシャフト3の素材にはJIS規格のSTKMの生材やアルミニウム材がある。
【0010】
ハンドルコラム用軸受装置4は、ステアリングコラム2のシャフト挿入孔内の保持爪5で保持されている。ハンドルコラム用軸受装置4は、環状のスペーサリング6と、転がり軸受としての針状のころ軸受7とを備える。ころ軸受7は、外輪8と、転動体としての複数の針状のころ9と、各ころ9それぞれを保持するポケット10aを有する保持器10とを備える。外輪8には不図示の周方向斜めのスリットが入れられており、これによって、外輪8は径方向に弾性変形可能になっている。
【0011】
スペーサリング6は、弾性素材例えばゴムまたは弾性樹脂で作られている。スペーサリング6は、径方向のほぼ中央部の外周面に周方向の凹部11を有し、この凹部11によってステアリングコラム2の保持爪5に係合可能とされている。凹部11は周方向に連続するから、ハンドルコラム用軸受装置4の外周面を構成するスペーサリング6の凹部11による保持爪5との係合に方向性は無い。この場合、凹部11が周方向に不連続であると、保持爪5との係合に方向性が要求される。そのため、スペーサリング6の端面に凹部11と保持爪5との係合位置を示す位置合わせマークを適宜に形成しても構わない。
【0012】
スペーサリング6は、軸方向の凹部11を有することによって、外周面全体が軸方向の凹凸部12を有した構造となっている。この凹凸部12は、シャフト挿入孔の内径に応じてその内周面から径方向に加わる作用力に応じて弾性圧縮変形する弾性変形部となる。この凹凸部12は軸方向の単一の凹部11を有する結果の凹凸部であるが、複数の凹部を有する結果の軸方向の凹凸部であっても構わない。
【0013】
スペーサリング6は、軸方向の貫通孔13を有する。スペーサリング6の貫通孔13の両端内周壁に環状シール14,15が形成されている。貫通孔13の軸方向中央側にはころ軸受収納部16が形成されている。スペーサリング6の素材は、ゴム材料例えばニトリルゴム(NBR)が挙げられる。この場合、そのスプリング硬さは、例えばHs70〜90の範囲にできる。Hs70未満のゴム材料の場合、柔らかくなりすぎて剛性に劣る一方、Hs90を越えるゴム材料の場合、剛性が高くなりすぎてハンドルコラム用軸受装置4への組み込みが困難となることが懸念される。なお、上記範囲中、好ましくは、Hs70〜90、より好ましくはHs70〜75の範囲である。
【0014】
スペーサリング6は、図2に示される圧入状態では径方向に弾性圧縮した状態となっており、これによって、スペーサリング6の弾性復元力でころ軸受4に弾性予圧を与えてころ軸受4とステアリングシャフト3との径方向隙間をゼロ以下にしている。
【0015】
上記構成においてこの実施形態のハンドルコラム用軸受装置においては、ころ9の軸方向遊び量W1をステアリングシャフト3の軸方向摺動量(摺動ストローク)W2以上に設定したことに特徴を備えている。具体数値の一例として、ステアリングシャフト3の軸方向摺動量W2が2mmであるとすると、ころ9の軸方向遊び量W1は2mm以上となる。
【0016】
すなわち、ころ9の軸方向遊び量W1を、保持器10のポケット10aの軸方向長W3から当該ころ9の軸方向長W4を引いたポケット10a内における隙間(ポケット隙間)の大きさとするとともに、そのポケット隙間をステアリングシャフト3の軸方向摺動量W2以上に設定している。
【0017】
このように設定した場合、ステアリングシャフト3の軸方向摺動に際して、ころ9はその摺動量全体にわたりほぼ連れ動きすることができるようになるから、結果として、ステアリングシャフト3は生材であっても、それよりも表面が硬いころ9により摩耗されるおそれが大きく軽減されるようになる。この場合、外輪8の内周面の軌道面に対してころ9は滑るが、外輪8の軌道面は、硬化処理されかつ摩擦係数が低くされているため、ころ9が前記軌道面上を滑っても該軌道面が摩耗されるおそれは低い。
【0018】
本発明の実施形態では、ころ9に代える転動体として、図3で示すように、複数の玉9aを保持器10のポケット10a内に収納したハンドルコラム用軸受装置4に適用している。図3の場合も、複数の玉9a全体の軸方向遊び量W1をステアリングシャフト3の軸方向摺動量W2以上に設定している。この場合の具体数値の一例として、ステアリングシャフト3の軸方向摺動量W2が2mmであるとすると、複数の玉9a全体の軸方向遊び量W1は2mm以上となる。転動体がころ9の場合は、ころ9はステアリングシャフト3の全摺動量に対して該ステアリングシャフト3に連れ動いて滑らなくなる一方、玉9aの場合では、ステアリングシャフト3の全摺動量に対して玉9aは外輪8とステアリングシャフト3との間を転動して滑らなくなる。これによって、転動体がころ9の場合も、玉9aの場合も、ステアリングシャフト3はそれら転動体により摩耗されるおそれは大きく軽減されるようになる。
【0019】
なお、実施形態では保持器10を固定とし、その保持器10のポケット10a内におけるころ9の遊び量としたが、保持器10そのものの軸方向遊び量をステアリングシャフト3の軸方向摺動量W2以上に設定してもよい。ただし、この場合、保持器10の軸方向の移動に伴ない、ころ9も軸方向に移動させるように設定するとよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は転動体である玉の軸方向遊び量をステアリングシャフトの軸方向摺動距離以上としているから、玉はステアリングシャフトの軸方向摺動に伴ない連れ動きすることができるようになって、ステアリングシャフトは玉により摩耗されるおそれが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例に係るハンドルコラム用軸受装置を備えた自動車の操舵機構の概略構成を示す図
【図2】上記参考例に係るハンドルコラム用軸受装置の拡大側面図
【図3】本発明の実施形態に係るハンドルコラム用軸受装置の拡大側面図
【符号の説明】
1 ハンドル
2 ステアリングコラム
3 ステアリングシャフト
4 ハンドルコラム用軸受装置
5 保持爪
6 スペーサリング
7 ころ軸受
8 外輪
9 ころ
10 保持器
Claims (1)
- ステアリングコラムのシャフト挿入孔の内周面とこのシャフト挿入孔に挿入されたステアリングシャフトの外周面との間に圧入した転がり軸受により当該ステアリングシャフトを支持するハンドルコラム用軸受装置であって、
前記転がり軸受の外輪の外周面に弾性を有するスペーサリングを設け、前記圧入で前記スペーサリングを弾性圧縮することにより得られる当該スペーサリングの弾性復元力で前記転がり軸受に弾性予圧を与えてステアリングシャフトとの径方向隙間をゼロ以下にする一方、前記転がり軸受は、外輪と、ステアリングシャフトの外周面に直接転接する複数の玉と、この玉を保持する保持器とを備え、前記玉は、軸方向に複数個並んだ状態で前記保持器のポケット内に配置されており、前記保持器のポケットの軸方向長から前記玉が占める軸方向長を引いた当該ポケット内における隙間(ポケット隙間)の大きさを前記玉の軸方向遊び量とし、前記玉の軸方向遊び量を前記ステアリングシャフトの軸方向摺動量以上に設定している、ことを特徴とするハンドルコラム用軸受装置。
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JP2003005448A JP4277528B2 (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | ハンドルコラム用軸受装置 |
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- 2003-01-14 JP JP2003005448A patent/JP4277528B2/ja not_active Expired - Fee Related
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