JP4270264B2 - 画像補正装置、プロジェクションシステム、画像補正方法、画像補正プログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のプロジェクションシステムでは、入射した光束を反射して投影する反射型のスクリーンを採用し、複合投射画像を観賞する観賞者と同じ側に各プロジェクタを配設するフロント投影型を採用している。
そして、プロジェクタおよび投射面間の投射光路上に障害物が侵入した場合には、拡大投射された画像の一部が障害物により遮られ、複合投射画像の一部に影が生成されてしまう、という問題がある。
画像補正装置を構成する補正制御装置における複数の影部領域判定手段、および複数の影部補正パラメータ生成手段のうち、所定のプロジェクタを補正対象とする影部領域判定手段および影部補正パラメータ生成手段を前記プロジェクタ内部の制御構造に組み込む。すなわち、各プロジェクタ内部の制御構造に、それぞれ、影部領域判定手段および影部補正パラメータ生成手段を組み込む。
なお、以下では、説明を簡略化するために、プロジェクションシステムが2台のプロジェクタを用い、一方のプロジェクタおよび投射面間の投射光路上に人等の障害物が侵入し、前記一方のプロジェクタからの画像の一部が障害物により遮られ、複合投射画像に影が生成されているものとする。また、他方のプロジェクタからの画像は、障害物により遮られないものとする。さらに、参照画像用撮像装置におけるカメラ視線上に障害物が存在しないものとする。
先ず、影部領域判定手段は、前記他方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像、および参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に基づいて、前記一方のプロジェクタから拡大投射され投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する(影部領域判定ステップ)。
次に、影部補正パラメータ生成手段は、影部領域と影部領域を除く非影部領域とに重み付けを実施して重み度に応じて前記他方のプロジェクタに画像における影部領域および非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する(影部補正パラメータ生成ステップ)。
そして、前記他方のプロジェクタは、影部補正パラメータに基づいて、形成する画像の輝度を補正して、例えば、影部領域に対応する領域の輝度を非影部領域に対応する領域の輝度よりも高くする影部補正処理を実施する。
以上のように、画像補正装置が影部補正パラメータを生成し、影部補正パラメータに基づいて前記他方のプロジェクタに輝度を補正させることで、前記他方のプロジェクタから拡大投射された投射画像により、前記一方のプロジェクタから拡大投射され投射面に表示された投射画像に生成される影を目立たなくし、影による複合投射画像の劣化を抑制できる。
先ず、影部領域判定手段は、前記一方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像、および参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に基づいて、前記他方のプロジェクタから拡大投射され投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する(影部領域判定ステップ)。この際、上述したように、前記他方のプロジェクタからの画像は、障害物により遮られないため、影部領域判定手段は、影部領域が存在しないものとして判定する。
次に、影部補正パラメータ生成手段は、影部領域と影部領域を除く非影部領域とに重み付けを実施して重み度に応じて前記一方のプロジェクタに画像における影部領域および非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する(影部補正パラメータ生成ステップ)。この際、上述したように、影部領域が存在しないものとして影部領域判定手段に判定されているため、影部補正パラメータ生成手段は、全領域(非影部領域)に所定の重み度を設定した輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する。
そして、前記一方のプロジェクタは、影部補正パラメータに基づいて、形成する画像において、全領域の輝度を重み度に応じて補正する影部補正処理を実施する。
本発明では、影部領域判定手段は、主たる観賞位置に配設される参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像、および補正対象プロジェクタ(上記の場合には、前記一方のプロジェクタ)近傍に配設される検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像の双方に基づいて影部領域を判定している。すなわち、前記「偽の影部領域」は検出画像に存在しているが、検出画像用撮像装置とは異なる位置に配設された参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像には存在しないため、検出画像および参照画像の双方に基づいて影部領域を判定することで、前記「偽の影部領域」を影部領域と判定することを防止できる。したがって、影部補正パラメータ生成手段が高精度な影部補正パラメータを生成でき、前記一方のプロジェクタに不要な影部補正処理を実施させることがない。
ここで、前記一方のプロジェクタからの画像の一部が障害物に遮られることにより投射面に生成される「真の影部領域」は、参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像、および前記他方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像の双方のそれぞれ対応する同一位置に存在することとなる。そして、前記他方のプロジェクタを補正対象とする影部領域判定手段は、参照画像二値化データ生成部、検出画像二値化データ生成部、および領域判定部を備えているので、参照画像を二値化した参照画像二値化データ、および検出画像を二値化した検出画像二値化データを対応する画素毎に論理和または論理積をとることで、判定用画像データに基づく判定用画像において、前記「真の影部領域」を残し、影部領域を良好に判定できる。
また、前記「偽の影部領域」は、前記一方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像に存在し、検出画像用撮像装置とは異なる位置に配設された参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に存在しないこととなる。そして、前記一方のプロジェクタを補正対象とする影部領域判定手段は、参照画像二値化データ生成部、検出画像二値化データ生成部、および領域判定部を備えているので、参照画像を二値化した参照画像二値化データ、および検出画像を二値化した検出画像二値化データを対応する画素毎に論理和または論理積をとることで、判定用画像データに基づく判定用画像において、前記「偽の影部領域」を消去でき、影部領域が存在しない旨を良好に判定できる。
したがって、影部領域判定手段は、簡単にかつ迅速に、前記「真の影部領域」および前記「偽の影部領域」を区別し、前記「真の影部領域」のみを影部領域として判定できる。
ところで、影部補正パラメータ生成手段が例えば、影部領域および影部領域を除く他の領域のみに重み度を設定した輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成し、該影部補正パラメータに基づいて補正対象プロジェクタに影部補正処理を実施させた場合には、影部領域に対応する領域の輝度と影部領域を除く他の領域に対応する領域の輝度とが異なり各領域の境界が目立つこととなり、複合投射画像の劣化を良好に抑制することが難しい。
本発明では、影部補正パラメータ生成手段は、影部領域、補正影部領域、非影部領域毎に重み度を設定し、補正影部領域の重み度を、影部領域から非影部領域に向かうにしたがって影部領域の重み度から非影部領域の重み度に段階的に変化させた輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する。このことにより、前記他方のプロジェクタに前記影部補正パラメータに基づいて影部補正処理を実施させることで、影部領域に対応する領域と非影部領域に対応する領域との境界の輝度を緩やかに変化させることができ、前記境界が目立つことがなく、複合投射画像の劣化を良好に抑制できる。
ここで、前記他方のプロジェクタを補正対象とする影部領域判定手段が判定した影部領域としては、前記一方のプロジェクタからの画像が障害物により遮られる領域に相当するものである。そして、本発明では、影部補正パラメータ生成手段は、輝度補正重み情報生成部と、輝度相補重み情報生成部と、重み情報合成部とを備える。前記一方のプロジェクタを補正対象とする影部補正パラメータ生成手段においては、輝度補正重み情報生成部にて生成された輝度補正重み情報と、前記他方のプロジェクタを補正対象とする影部補正パラメータ生成手段の輝度相補重み情報生成部にて生成された輝度相補重み情報、すなわち、影部領域に対応する領域の輝度を非影部領域に対応する領域の輝度よりも低くする重み付けが施された情報とを合成することで影部補正パラメータを生成する。このことにより、前記影部補正パラメータに基づいて前記一方のプロジェクタに影部補正処理を実施させることで、影部領域に対応する領域、すなわち、前記一方のプロジェクタからの画像のうち障害物に照射される領域の輝度を他の領域の輝度よりも低くさせることができる。このため、前記一方のプロジェクタからの画像の一部の障害物への映り込みを抑制することができるとともに、障害物が人であった場合に該人が前記一方のプロジェクタ側を向いても眩しく感じることがない。
本発明では、画像補正装置は、複数の非可視光照射装置を備える。そして、参照画像用撮像装置および複数の検出画像用撮像装置は、非可視光照射装置から照射され投射面にて反射した光束を検出する。すなわち、例えば、前記一方のプロジェクタ近傍に配設される非可視光照射装置から非可視光を照射させ、参照画像用撮像装置、および前記他方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置に非可視光を検出させることで、前記一方のプロジェクタから投射面に投射された投射画像を、主たる観賞位置に配設された参照画像用撮像装置、および前記他方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置に仮想的に撮像させることができる。また、逆に、前記他方のプロジェクタ近傍に配設される非可視光照射装置から非可視光を照射させ、参照画像用撮像装置、および前記一方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置に非可視光を検出させることで、前記他方のプロジェクタから投射面に投射された投射画像を、主たる観賞位置に配設された参照画像用撮像装置、および前記一方のプロジェクタ近傍に配設される検出画像用撮像装置に仮想的に撮像させることができる。したがって、補正制御装置は、影部領域判定手段による影部領域の判定処理のために、各プロジェクタに所定の投射画像(例えば、全画素が同一の階調値(輝度値)を有する投射画像)を表示させるように各プロジェクタを制御する必要がなく、制御構造の簡素化が図れる。また、各非可視光照射装置を用いることで、各プロジェクタが投射画像(観賞用の投射画像)を表示している際においても、影部領域判定ステップ、影部補正パラメータ生成ステップを実行できる。
ところで、プロジェクタを、光源としてのLED(Light Emitting Diode)のオン/オフや、光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)におけるマイクロミラーの傾きを変える(オン/オフ)を利用して時分割形式で各色の画像を表示するプロジェクタとした場合には、一般的に、LEDのオン/オフや、DMDのオン/オフがPWM(パルス幅変調)制御により実施されるため、単色表示期間において、画像が表示される期間と画像が表示されない期間とが混在することとなる。すなわち、参照画像分離部や検出画像分離部は、単色表示期間内の前記画像が表示されない期間で撮像された参照画像や検出画像を取得する可能性がある。
本発明では、影部領域判定手段は、参照画像積算部および検出画像積算部を備えているので、単色表示期間内において、前記画像が表示される期間と前記画像が表示されない期間とで撮像された各画像を積算でき、参照画像分離部や検出画像分離部は、単色表示期間内の前記画像が表示される期間で撮像された参照画像や検出画像を確実に取得できる。
本発明によれば、プロジェクションシステムは、上述した画像補正装置を備えているので、上述した画像補正装置と同様の作用および効果を享受できる。
本発明の画像補正方法は、上述した画像補正装置を利用したものであるため、上述した画像補正装置と同様の作用および効果を享受できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクションシステムの全体構成〕
図1は、プロジェクションシステム1の構成を示す図である。
プロジェクションシステム1は、複数のプロジェクタからスクリーンSc上に拡大投射される各投射画像を重ね合わせることで、高輝度、高解像度および大画面の画像(複合投射画像)を表示するシステムである。
本実施形態では、スクリーンScは、具体的な図示は省略するが、本実施形態では、入射した光束を反射して投影する反射型スクリーンを採用している。なお、スクリーンScとしては、入射した光束を透過して投影する透過型スクリーンで構成しても構わない。
このプロジェクションシステム1は、図1に示すように、参照画像用撮像装置2と、複数の検出画像用撮像装置3(本実施形態では、プロジェクタ5の数に応じて検出画像用撮像装置3A,3Bの2台)と、複数の非可視光照射装置4(本実施形態では、プロジェクタ5の数に応じて非可視光照射装置4A,4Bの2台)と、複数のプロジェクタ5(本実施形態では、横方向にプロジェクタ5A,5Bの2台)とで構成される。
各プロジェクタ5は、具体的な図示は省略するが、信号線を介して互いに接続され、情報を送受信可能に構成されている。また、プロジェクタ5Aは、具体的な図示は省略するが、信号線を介して参照画像用撮像装置2、検出画像用撮像装置3A、および非可視光照射装置4Aとそれぞれ接続され、各手段2,3A,4Aを駆動制御可能とするとともに、各手段2,3Aから出力される電気信号を入力可能に構成されている。プロジェクタ5Bも同様に、具体的な図示は省略するが、信号線を介して参照画像用撮像装置2、検出画像用撮像装置3B、および非可視光照射装置4Bとそれぞれ接続され、各手段2,3B,4Bを駆動制御可能とするとともに、各手段2,3Bから出力される電気信号を入力可能に構成されている。
なお、本実施形態では、各プロジェクタ5A,5Bの構成は同一の構成とし、以下では、1つのみのプロジェクタ5を説明する。
このプロジェクタ5は、図2に示すように、画像投射部51と、制御装置52とで大略構成されている。
光源装置511は、制御装置52による制御の下、光束を液晶ライトバルブ512に向けて射出する。この光源装置511は、図2に示すように、光源ランプ5111と、光源駆動部5112とを備える。
光源駆動部5112は、制御装置52による制御の下、所定の駆動電圧で光源ランプ5111を駆動する。
投射光学系513は、液晶ライトバルブ512から射出された画像光をスクリーンScに向けて射出する。
そして、本実施形態では、前記レンズシフト機構を利用することで、図1に示すように、スクリーンScの投射面Ssの右側部分(観賞者側から見て右側部分)および左側部分(観賞者側から見て左側部分)にそれぞれ対向するようにプロジェクタ5A,5Bを互いに離間した状態(互いの投射方向が異なる状態)で配設し、プロジェクタ5Aからの投射画像の位置を左方向に移動させ、プロジェクタ5Bからの投射画像の位置を右方向に移動させ、各投射画像の全領域を重ねて複合投射画像を構成している。
信号処理部521は、外部機器から入力した画像信号を、表示制御部523にて読み取り可能な信号(デジタル信号)に変換して出力する。
送受信部522は、図示しない信号線を介して他のプロジェクタ5と接続し、他のプロジェクタ5との間でそれぞれ情報を送受信可能とする部分である。この送受信部522は、前記信号線に対応した規格(例えば、前記信号線がUSB(Universal Serial Bus)ケーブルであれば、USB規格)で情報の送受信を実施する信号変換回路である。
また、画像データ処理部5231は、デジタル画像データに対して輝度調整処理を実施する際、パラメータ生成部524にて生成された影部補正パラメータを用いて、デジタル画像データの画素毎の各輝度値を補正する影部補正処理を実施する。
影部領域判定手段5242は、参照画像用撮像装置2にて撮像された参照画像、および検出画像用撮像装置3(プロジェクタ5Aでは検出画像用撮像装置3A、プロジェクタ5Bでは検出画像用撮像装置3B)にて撮像された検出画像に基づいて、自身のプロジェクタ5(補正対象プロジェクタ)とは別の他のプロジェクタ5から投射面Ssに投射された投射画像に生成される影部領域を判定する。この影部領域判定手段5242は、図2に示すように、参照画像二値化データ生成部5242Aと、検出画像二値化データ生成部5242Bと、領域判定部5242Cとを備える。
輝度補正重み情報生成部5243Aは、領域判定部5242Cにて判定された影部領域を含む所定の補正領域を設定し、設定した補正領域を除く他の領域を非影部領域に設定する。そして、輝度補正重み情報生成部5243Aは、影部領域の各画素を重み度「1」とし、非影部領域の各画素を重み度「0」とする。また、輝度補正重み情報生成部5243Aは、補正領域における影部領域を除く他の領域(以下、補正影部領域)の各画素の重み度を、影部領域から非影部領域に向かうにしたがって影部領域の各画素の重み度から非影部領域の各画素の重み度に段階的に変化させた重み度とする。以上のように、輝度補正重み情報生成部5243Aは、画素毎に重み度に関する情報を含んだ輝度補正重み情報を生成する。
重み情報合成部5243Cは、輝度補正重み情報生成部5243Aにて生成された輝度補正重み情報、および、送受信部522を介して他のプロジェクタ5から送信された輝度相補重み情報を、対応する画素毎に合成するとともに(和をとり)、合成した情報を所定の数式を用いて変換することで、画素毎に重み度に関する情報を含んだ影部補正パラメータを生成する。
図3は、プロジェクションシステム1の動作(画像補正方法)を説明するフローチャートである。
図4は、プロジェクションシステム1の動作(画像補正方法)を説明するための一例を示す図である。
次に、上述したプロジェクションシステム1の動作について図面を参照して説明する。
なお、以下では、プロジェクションシステム1の動作として、影部補正パラメータを生成し影部補正パラメータに基づいて影部補正処理を実施する動作(画像補正方法)を主に説明し、その他の動作については説明を省略する。また、参照画像用撮像装置2、各検出画像用撮像装置3、各非可視光照射装置4、および各プロジェクタ5は、上述したように各信号線によりそれぞれ接続されているものとする。さらに、各プロジェクタ5は、図1に示すように、各投射画像の全領域が重なり合うように調整されて配設されているものとする。さらにまた、各プロジェクタ5は、通常モードに設定され、図1に示すように、投射面Ss上に各投射画像が表示され複合投射画像が構成されているものとする。また、図4に示すように、プロジェクタ5Bおよび投射面Ss間の投射光路上に人等の障害物Oが存在し、プロジェクタ5Bからの画像光が障害物Oにより遮られることで、複合投射画像に影Shが生成されているものとする。また、図4に示すように、プロジェクタ5Aからの画像光は、障害物Oにより遮られないものとする。さらに、図4に示すように、参照画像用撮像装置2におけるカメラ視線上に障害物Oが存在しないものとする。また、説明を簡略化するために、以下では、障害物Oの形状を球体として説明する。
ステップS3の後、プロジェクタ5Bにおいて、パラメータ生成部524は、送受信部522を介して、プロジェクタ5Aからモード移行信号を受信し(ステップS4)、通常モードから影部補正モードに移行する(ステップS5)。
なお、ステップS2,S5において、通常モードから影部補正モードに移行した状態では、通常モード時と同様に、各プロジェクタ5から画像光が拡大投射され投射面Ssに各投射画像が表示され複合投射画像が構成されているものである。
図5は、影部領域の判定処理を説明するフローチャートである。
図6および図7は、影部領域の判定処理を説明するための図である。
先ず、プロジェクタ5Bは、以下に示すように動作する(ステップS6A,S6B)。
すなわち、カメラ照明制御手段5241は、非可視光照射装置4Bを駆動し、非可視光照射装置4Bから赤外線を照射させる(ステップS6A)。
ステップS6Aの後、カメラ照明制御手段5241は、送受信部522を介して、「非可視光照射装置4Bの点灯を開始した」旨の点灯開始信号をプロジェクタ5Aに送信する(ステップS6B)。
すなわち、カメラ照明制御手段5241は、送受信部522を介して、プロジェクタ5Bから点灯開始信号を受信し(ステップS6C)、参照画像用撮像装置2、および検出画像用撮像装置3Aを駆動させて各手段2,3Aに投射面Ssを撮像させる(ステップS6D)。
以上のように、ステップS6A,S6Dにおいて、非可視光照射装置4Bを点灯させ、非可視光照射装置4Bから射出され投射面Ssにて反射した赤外線を参照画像用撮像装置2にて検出させることで、参照画像用撮像装置2は、プロジェクタ5Bから投射面Ssに投射された投射画像を主たる観賞位置から仮想的に撮像していることとなる。
以上のように、ステップS6A,S6Dにおいて、非可視光照射装置4Bを点灯させ、非可視光照射装置4Bから射出され投射面Ssにて反射した赤外線を検出画像用撮像装置3Aにて検出させることで、検出画像用撮像装置3Aは、プロジェクタ5Bから投射面Ssに投射された投射画像をプロジェクタ5Aの設置位置から仮想的に撮像していることとなる。
ステップS6Fの後、領域判定部5242Cは、判定用画像データに基づいて、「0」とした各画素の領域Saを影部領域と判定する(ステップS6G)。
ステップS6Hの後、カメラ照明制御手段5241は、送受信部522を介して、「非可視光照射装置4Aの点灯を開始した」旨の点灯開始信号をプロジェクタ5Bに送信する(ステップS6I)。
すなわち、カメラ照明制御手段5241は、送受信部522を介して、プロジェクタ5Aから点灯開始信号を受信し(ステップS6J)、非可視光照射装置4Bの駆動を停止して消灯する(ステップS6K)。
ステップS6Kの後、カメラ照明制御手段5241は、参照画像用撮像装置2、および検出画像用撮像装置3Bを駆動させて各手段2,3Bに投射面Ssを撮像させる(ステップS6L)。
以上のように、ステップS6H,S6Lにおいて、非可視光照射装置4Aを点灯させ、非可視光照射装置4Aから射出され投射面Ssにて反射した赤外線を参照画像用撮像装置2にて検出させることで、参照画像用撮像装置2は、プロジェクタ5Aから投射面Ssに投射された投射画像を主たる観賞位置から仮想的に撮像していることとなる。
以上のように、ステップS6H,S6Lにおいて、非可視光照射装置4Aを点灯させ、非可視光照射装置4Aから射出され投射面Ssにて反射した赤外線を検出画像用撮像装置3Bにて検出させることで、検出画像用撮像装置3Bは、プロジェクタ5Aから投射面Ssに投射された投射画像をプロジェクタ5Bの設置位置から仮想的に撮像していることとなる。
ステップS6Fの後、領域判定部5242Cは、判定用画像データに基づいて、「0」とした各画素の領域、すなわち、影部領域が存在しないものと判定する(ステップS6O)。
図8は、影部補正パラメータの生成処理を説明するフローチャートである。
図9および図10は、影部補正パラメータの生成処理を説明するための図である。具体的に、図9において、図9(B)〜図9(D)のグラフは、横軸が各判定用画像FA,FBの水平ラインL上での位置を示し、縦軸が重み度を示している。また、図10では、重み度をグレースケールとし(重み度「1」が白、重み度「0」が黒)、影部補正パラメータPA,PBを二次元的に表した図である。
先ず、輝度補正重み情報生成部5243Aは、判定用画像FA,FBにおいて、ステップS6にて判定した影部領域に基づいて、補正領域および非影部領域を設定する(ステップS7A)。
また、プロジェクタ5Bにおいては、輝度補正重み情報生成部5243Aは、図9(A)に示すように、判定用画像FBにおいて、ステップS6Oにて影部領域が存在しないものと判定したため、補正領域の設定を実施せず、全ての領域を非影部領域Sanに設定する。
具体的に、プロジェクタ5Aにおいては、輝度補正重み情報生成部5243Aは、以下に示すように、輝度補正重み情報を生成する。
すなわち、輝度補正重み情報生成部5243Aは、判定用画像FAにおいて、図9(B)に示すように、影部領域Saの各画素を重み度「1」とし、非影部領域Sanの各画素を重み度「0」とする。また、輝度補正重み情報生成部5243Aは、判定用画像FAにおいて、図9(B)に示すように、補正領域Caにおける影部領域Saを除く他の領域CSa(以下、補正影部領域)の各画素の重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0」に段階的に変化させた重み度とする。
すなわち、輝度補正重み情報生成部5243Aは、判定用画像FBにおいて、全ての領域が非影部領域Sanであるため、図9(B)に示すように、全ての領域の各画素の重み度を「0」とする。
具体的に、プロジェクタ5Aにおいては、輝度相補重み情報生成部5243Bは、以下に示すように、輝度相補重み情報を生成する。
すなわち、輝度相補重み情報生成部5243Bは、輝度補正重み情報に基づく画素毎の重み度を、「0」を基準として反転させることで、判定用画像FAにおいて、図9(C)に示すように、影部領域Saの各画素を重み度「−1」とし、非影部領域Sanの各画素を重み度「0」とする。また、輝度相補重み情報生成部5243Bは、判定用画像FAにおいて、図9(C)に示すように、補正影部領域CSaの各画素の重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「−1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0」に段階的に変化させた重み度とする。
すなわち、輝度相補重み情報生成部5243Bは、輝度補正重み情報に基づく画素毎の重み度を、「0」を基準として反転させることで、判定用画像FBにおいて、図9(C)に示すように、輝度補正重み情報に基づく各画素の重み度が全て「0」であるため、輝度補正重み情報と同一の輝度相補重み情報を生成する。
PA,PB=0.5×(輝度補正重み情報+輝度相補重み情報)+0.5・・・(1)
すなわち、重み情報合成部5243Cは、上記式(1)を用いることで、判定用画像FAにおいて、図9(D)、図10に示すように、影部領域Saの各画素を重み度「1」とし、非影部領域Sanの各画素を重み度「0.5」とする。また、重み情報合成部5243Cは、判定用画像FAにおいて、図9(D)、図10に示すように、補正影部領域CSaの各画素の重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。
すなわち、重み情報合成部5243Cは、上記式(1)を用いることで、判定用画像FBにおいて、図9(D)、図10に示すように、判定用画像FAにおける影部領域Saに対応する領域Sa´の各画素を重み度「0」とし、判定用画像FAにおける非影部領域Sanに対応する領域San´の各画素を重み度「0.5」とする。また、重み情報合成部5243Cは、判定用画像FBにおいて、図9(D)、図10に示すように、判定用画像FAにおける補正影部領域CSaに対応する領域CSa´の各画素の重み度を、領域Sa´から領域San´に向かうにしたがって領域Sa´の各画素の重み度「0」から領域San´の各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。
具体的に、プロジェクタ5Aは、以下に示すように、影部補正処理を実施する。
すなわち、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPAの画素毎の重み度で、信号処理部521から出力されたデジタル画像データの対応する各画素の輝度値に重み付けを実施し、デジタル画像データの画素毎の各輝度値を補正する影部補正処理を実施する。より具体的に、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPAにおける影部領域Saの各画素の重み度が「1」であるため、デジタル画像データにおける影部領域Saに対応する各画素の輝度値を、複合投射画像の全輝度を有する輝度値に補正する。また、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPAにおける非影部領域Sanの各画素の重み度が「0.5」であるため、デジタル画像データにおける非影部領域Sanに対応する各画素の輝度値を、複合投射画像の全輝度の半分の輝度を有する輝度値に補正する。さらに、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPAにおける補正影部領域CSaの各画素の重み度が影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度であるため、デジタル画像データにおける補正影部領域CSaに対応する各画素の輝度値を、複合投射画像の全輝度を有する輝度値から全輝度の半分の輝度を有する輝度値に段階的に変化させた輝度値に補正する。
すなわち、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPBの画素毎の重み度で信号処理部521から出力されたデジタル画像データの対応する各画素の輝度値に重み付けを実施し、デジタル画像データの画素毎の各輝度値を補正する影部補正処理を実施する。より具体的に、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPBにおける領域Sa´の各画素の重み度が「0」であるため、デジタル画像データにおける領域Sa´に対応する各画素の輝度値を0に補正する。また、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPBにおける領域San´の各画素の重み度が「0.5」であるため、デジタル画像データにおける領域San´に対応する各画素の輝度値を、複合投射画像の全輝度の半分の輝度を有する輝度値に補正する。さらに、画像データ処理部5231は、影部補正パラメータPBにおける領域CSa´の各画素の重み度が領域Sa´から領域San´に向かうにしたがって領域Sa´の各画素の重み度「0」から領域San´の各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度であるため、デジタル画像データにおける領域CSa´に対応する各画素の輝度値を、0から複合投射画像の全輝度の半分の輝度を有する輝度値に段階的に変化させた輝度値に補正する。
本実施形態では、プロジェクションシステム1は、参照画像用撮像装置2、2台の検出画像用撮像装置3、2台の非可視光照射装置4、および2台のプロジェクタ5を備える。そして、2台のプロジェクタ5のうち、プロジェクタ5Aは、表示制御部523と、影部領域判定手段5242および影部補正パラメータ生成手段5243を有するパラメータ生成部524とを備える。このことにより、影部領域判定手段5242および影部補正パラメータ生成手段5243が影部領域判定ステップS6および影部補正パラメータ生成ステップS7を実施して影部補正パラメータを生成し、表示制御部523がステップS8において影部補正処理を実施することで、プロジェクタ5Aから拡大投射された投射画像により、プロジェクタ5Bから拡大投射され投射面Ssに表示された投射画像に生成される影Shを目立たなくし、影Shによる複合投射画像の劣化を抑制できる。
本実施形態では、プロジェクタ5Bにおいて、影部領域判定手段5242は、主たる観賞位置に配設される参照画像用撮像装置2にて撮像された参照画像FrB、およびプロジェクタ5B近傍に配設される検出画像用撮像装置3Bにて撮像された検出画像FdBの双方に基づいて影部領域を判定している。すなわち、影部候補領域Sa3は検出画像FdBに存在しているが、検出画像用撮像装置3Bとは異なる位置に配設された参照画像用撮像装置2にて撮像された参照画像FrBには存在しないため、検出画像FdBおよび参照画像FrBの双方に基づいて影部領域を判定することで、影部候補領域Sa3を影部領域と判定することを防止できる。したがって、影部補正パラメータ生成手段5243が高精度な影部補正パラメータを生成でき、表示制御部523に不要な影部補正処理を実施させることがない。
また、偽の影部領域である影部候補領域Sa3は、プロジェクタ5B近傍に配設される検出画像用撮像装置3Bにて撮像された検出画像FdBに存在し、検出画像用撮像装置3Bとは異なる位置に配設された参照画像用撮像装置2にて撮像された参照画像FrBには存在しないこととなる。そして、プロジェクタ5Bにおいて、影部領域判定手段5242は、参照画像二値化データ生成部5242A、検出画像二値化データ生成部5242B、および領域判定部5242Cを備えているので、参照画像FrBを二値化した参照画像二値化データ、および検出画像FdBを二値化した検出画像二値化データを対応する画素毎に論理和をとることで、判定用画像データに基づく判定用画像FBにおいて、影部候補領域Sa3を消去でき、影部領域が存在しない旨を良好に判定できる。
したがって、影部領域判定手段5242は、簡単にかつ迅速に、真の影部領域および偽の影部領域を区別し、真の影部領域のみを影部領域として判定できる。
本実施形態では、プロジェクタ5Aにおいて、影部補正パラメータ生成手段5243は、影部領域Sa、補正影部領域CSa、非影部領域San毎に重み度を設定し、補正影部領域CSaの重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの重み度から非影部領域Sanの重み度に段階的に変化させた影部補正パラメータを生成する。このことにより、表示制御部523に影部補正パラメータに基づいて影部補正処理を実施させることで、影部領域Saに対応する領域と非影部領域Sanに対応する領域との境界の輝度を緩やかに変化させることができ、境界が目立つことがなく、複合投射画像の劣化を良好に抑制できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図11は、第2実施形態におけるプロジェクションシステム10の構成を示す図である。
図12は、第2実施形態におけるプロジェクタ50(50A,50B)の構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、各非可視光照射装置4から射出される赤外線を参照画像用撮像装置2および各検出画像用撮像装置3が検出することで各プロジェクタ5から投射面Ssに投射された各投射画像を仮想的に撮像し、撮像した画像データに基づいて、複合投射画像に生成される影Shの影部領域Saを判定している。また、前記第1実施形態では、3つの液晶ライトバルブ512を用いて、各液晶ライトバルブ512から射出される各色光を合成することでカラー画像を形成している。
これに対して第2実施形態では、投射面Ssに表示される複合投射画像を参照画像用撮像装置2および各検出画像用撮像装置3に直接、撮像させ、撮像した画像データに基づいて、複合投射画像に生成される影Shの影部領域Saを判定する。すなわち、第2実施形態では、前記第1実施形態に対して、図11または図12に示すように、非可視光照射装置4が省略され、パラメータ生成部5240の構成が異なる。また、第2実施形態では、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の画像を切り替えて時分割形式で各色の画像を表示することでカラー画像を形成する。すなわち、第2実施形態では、前記第1実施形態に対して、画像投射部510の構成、および画像投射部510の制御構造(制御装置520の構成)が異なる。その他の構成については、前記第1実施形態と同様のものとする。
また、本実施形態においては、参照画像用撮像装置2、および各検出画像用撮像装置3は、前記第1実施形態で説明した非可視光透過フィルタが省略され、可視領域の光束を検出するものである。
カラーホイール514は、光源ランプ5111から射出された光束を赤、緑、青の波長領域の光束(以下、赤色光、緑色光、青色光)に変換する。このカラーホイール514は、図12に示すように、ホイール本体5141と、ホイール駆動部5142とを備える。
ホイール本体5141は、具体的な図示は省略するが、平面視円盤形状を有し平面視中心位置を回転軸として回転可能に構成され、回転軸が光源ランプ5111からの光束の照明光軸からずれた位置に配設されている。そして、ホイール本体5141は、円盤状の輪帯部分にそれぞれ、赤色光を透過するカラーフィルタ、緑色光を透過するカラーフィルタ、および青色光を透過するカラーフィルタが設けられ、回転軸を中心として回転することで、3つのカラーフィルタを順次、切り替えて、光源ランプ5111から射出される光束を赤色光、緑色光、青色光に順次、変換する。
ホイール駆動部5142は、一般的なモータ等で構成され、制御装置520による制御の下、回転軸を中心として所定の周波数でホイール本体5141を回転させる。
例えば、このDMD515は、CMOSウェハープロセスを基にマイクロマシン技術により半導体チップ上に多数の可動マイクロミラーを集積して構成される。この可動マイクロミラーは、対角軸を中心に回転し、2つの所定角度(±θ)に傾斜した双安定状態をとる。この2つの状態間で4θの大きな光偏向角が得られ、S/N比の良好な光スイッチングを実施することができる。
そして、DMD515に入射する光束のうち、+2θ方向に偏向される光束(可動マイクロミラーがオン状態の時)は、投射光学系513により画像光として投射され、−2θ方向に偏向される光束(可動マイクロミラーがオフ状態の時)は、不要光として、図示しない光吸収部材により吸収される。
なお、このDMD515は、例えば、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)を採用できる。
表示制御部5230は、ホイール駆動部5142およびDMD515の動作制御を実施する。例えば、表示制御部5230は、信号処理部521を介して入力する画像信号の同期信号に同期してホイール本体5141を一定周波数で回転するようにホイール駆動部5142を駆動制御する。このことにより、ホイール本体5141に入射した光束は、時間的に順次、赤色光、緑色光、青色光として透過する。さらに、表示制御部5230は、信号処理部521から出力されるデジタル画像データに対して、前記第1実施形態で説明した画像データ処理と同様の画像データ処理を実施し、処理済画像データから駆動信号を生成して該駆動信号をDMD515に出力し、ホイール本体5141を回転させる周波数に同期して、赤、緑、青の各画素に対応した可動マイクロミラーのオン/オフを実施する。結果として、DMD515から赤、緑、青の画像光が射出され、これら各画像光が時間的に混合されてカラー画像が得られる(所謂、フィールドシーケンシャルカラー方式)。
また、表示制御部5230は、デジタル画像データに対して輝度調整処理を実施する際には、PWM制御により、可動マイクロミラーのオン/オフのデューティ比を変更することで、投射光学系513により画像光として投射される時間(画像を表示する時間)、および不要光として図示しない光吸収部材に吸収される時間(画像を表示しない時間)を変更し、輝度を調整するものである。
そして、表示制御部5230は、影部補正処理を実施する場合も同様に、パラメータ生成部5240にて生成された影部補正パラメータに基づいて、PWM制御により、可動マイクロミラーのオン/オフのデューティ比を変更することで、輝度を補正する。
なお、本実施形態においては、カメラ照明制御手段5241は、影部補正モード時において、参照画像用撮像装置2、および検出画像用撮像装置3(プロジェクタ50Aでは検出画像用撮像装置3A、プロジェクタ50Bでは検出画像用撮像装置3B)を駆動制御するものである。
影部領域判定手段52420は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明した参照画像二値化データ生成部5242A、検出画像二値化データ生成部5242B、および領域判定部5242Cの他、入力値積算部5242Dと、画像分離部5242Eと、差分画像生成部5242Fとを備える。
参照画像積算部5242D1は、参照画像用撮像装置2から出力される電気信号を順次、入力してデジタル信号に変換し、画素毎に所定輝度の画素値(輝度値)に関する情報を含んだ参照画像(参照画像データ)を順次、取得し、対応する画素毎に各輝度値を積算する。
検出画像積算部5242D2は、検出画像用撮像装置3(プロジェクタ50Aでは検出画像用撮像装置3A、プロジェクタ50Bでは検出画像用撮像装置3B)から出力される電気信号を順次、入力してデジタル信号に変換し、画素毎に所定輝度の画素値(輝度値)に関する情報を含んだ検出画像(検出画像データ)を順次、取得し、対応する画素毎に各輝度値を積算する。
参照画像分離部5242E1は、表示制御部5230によりホイール本体5141を回転させる周波数に同期して1フレームの1/3周期(単色表示期間)毎に参照画像積算部5242D1にて積算された参照画像データを分離し、参照画像分離データを生成する。
検出画像分離部5242E2は、表示制御部5230によりホイール本体5141を回転させる周波数に同期して1フレームの1/3周期(単色表示期間)毎に検出画像積算部5242D2にて積算された検出画像データを分離し、検出画像分離データを生成する。
参照差分画像生成部5242F1は、参照画像分離部5242E1にて分離した3つの参照画像分離データと、信号処理部521から出力され3つの参照画像分離データに対応した1フレームのデジタル画像データ(表示中のデジタル画像データ)において、参照画像分離データを分離した際での自身のプロジェクタ50の表示色の色成分の画像データとの差分をとり、単色の各参照差分画像データをそれぞれ生成する。また、参照差分画像生成部5242F1は、生成した各参照差分画像データを、対応する画素毎に各輝度値を積算する。
検出差分画像生成部5242F2は、検出画像分離部5242E2にて分離した3つの検出画像分離データと、信号処理部521から出力され3つの検出画像分離データに対応した1フレームのデジタル画像データ(表示中のデジタル画像データ)において、検出画像分離データを分離した際での自身のプロジェクタ50の表示色の色成分の画像データとの差分をとり、単色の各検出差分画像データをそれぞれ生成する。また、検出差分画像生成部5242F2は、生成した各検出差分画像データを、対応する画素毎に各輝度値を積算する。
また、検出画像二値化データ生成部5242Bは、検出差分画像生成部5242F2にて生成され積算された各検出差分画像データに基づいて、前記第1実施形態と同様に、画素毎に輝度値の大小により二値化した検出画像二値化データを生成するものである。
なお、本実施形態においては、前記第1実施形態で説明した画像補正方法(図3、図5、図8)において、図5の影部領域の判定処理(S6)が異なるのみであり、以下では、影部領域の判定処理(S6)のみを説明する。また、各プロジェクタ50において、影部領域の判定処理は、同様の処理であるため、以下では、1つのプロジェクタ50の処理のみを説明する。また、以下の影部領域の判定処理を実施する際には、前記第1実施形態と同様に、影部補正モードに移行した状態であり、通常モード時と同様に、各プロジェクタ50から画像光が拡大投射され投射面Ssに各投射画像が表示され複合投射画像が構成されているものである。さらに、以下では、障害物Oの位置および形状は、前記第1実施形態(図4)と同様のものとする。
図14は、影部領域の判定処理を説明するための図である。
先ず、カメラ照明制御手段5241は、所定期間(投射画像の所定の1フレームを表示する期間T(図14中、測定フレームの表示期間T)と同一期間、あるいは、表示期間Tよりも長い期間)、参照画像用撮像装置2、および各検出画像用撮像装置3を駆動させて、各手段2,3に各単色表示期間T1,T2,T3(図14)よりも短い周期で、投射面Ss(複合投射画像)を順次、撮像させる(ステップS60A)。
また、ステップS60Bの後、検出画像分離部5242E2は、表示制御部5230によりホイール本体5141を回転させる周波数に同期して測定フレームの1/3周期(単色表示期間T1,T2,T3)毎にステップS60Bにて積算された検出画像データを分離し、検出画像分離データを生成する(ステップS60C)。すなわち、検出画像分離部5242E2は、単色表示期間T1での「R+B」の色成分を含んだ検出画像分離データ(以下、第1の検出画像分離データ)、単色表示期間T2での「G+R」の色成分を含んだ検出画像分離データ(以下、第2の検出画像分離データ)、単色表示期間T3での「B+G」の色成分を含んだ検出画像分離データ(以下、第3の検出画像分離データ)をそれぞれ生成する。
具体的に、プロジェクタ50Aでは、以下に示すように、参照差分画像データを生成する。
参照差分画像生成部5242F1は、第1の参照画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T1での表示色(R)の色成分の画像データとの差分をとり、単色表示期間T1での参照差分画像データ(以下、第1の参照差分画像データ)を生成する。ここで、第1の参照差分画像データは、「R+B」の色成分を含んだ第1の参照画像分離データと、「R」の色成分の画像データとの差分をとることで生成されているため、「B」の色成分の画像データ、すなわち、プロジェクタ50Bから単色表示期間T1で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(B))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データとなる。また、参照差分画像生成部5242F1は、第2の参照画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T2での表示色(G)の色成分の画像データとの差分をとり、「R」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Bから単色表示期間T2で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(R))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる単色表示期間T2での参照差分画像データ(以下、第2の参照差分画像データ)を生成する。さらに、参照差分画像生成部5242F1は、第3の参照画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T3での表示色(B)の色成分の画像データとの差分をとり、「G」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Bから単色表示期間T3で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(G))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる単色表示期間T3での参照差分画像データ(以下、第3の参照差分画像データ)を生成する。
そして、参照差分画像生成部5242F1は、輝度の大小を良好に判別し二値化可能とするために、生成した各参照差分画像データ(第1の参照差分画像データ、第2の参照差分画像データ、および第3の参照差分画像データ)を対応する画素毎に各輝度値を積算する。
上述したように各参照差分画像データがプロジェクタ50Bから投射面Ssに投射された投射画像を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データとなるため、各参照差分画像データを積算した画像データに基づく画像は、前記第1実施形態で説明した参照画像FrA(図6)と略同様のものとなる。
具体的に、参照差分画像生成部5242F1は、「R」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T1で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(R))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第1の参照差分画像データと、「G」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T2で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(G))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第2の参照差分画像データと、「B」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T3で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(B))を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第3の参照差分画像データとを生成する。
そして、参照差分画像生成部5242F1は、輝度の大小を良好に判別し二値化可能とするために、生成した各参照差分画像データ(第1の参照差分画像データ、第2の参照差分画像データ、および第3の参照差分画像データ)を、対応する画素毎に各輝度値を積算する。
上述したように各参照差分画像データがプロジェクタ50Aから投射面Ssに投射された投射画像を主たる観賞位置から撮像した画像データと略同一の画像データとなるため、各参照差分画像データを積算した画像データに基づく画像は、前記第1実施形態で説明した参照画像FrB(図7)と略同様のものとなる。
検出差分画像生成部5242F2は、第1の検出画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T1での表示色(R)の色成分の画像データとの差分をとり、単色表示期間T1での検出差分画像データ(以下、第1の検出差分画像データ)を生成する。ここで、第1の検出差分画像データは、「R+B」の色成分を含んだ第1の検出画像分離データと、「R」の色成分の画像データとの差分をとることで生成されているため、「B」の色成分の画像データ、すなわち、プロジェクタ50Bから単色表示期間T1で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(B))をプロジェクタ50Aの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データとなる。また、検出差分画像生成部5242F2は、第2の検出画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T2での表示色(G)の色成分の画像データとの差分をとり、「R」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Bから単色表示期間T2で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(R))をプロジェクタ50Aの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる単色表示期間T2での検出差分画像データ(以下、第2の検出差分画像データ)を生成する。さらに、検出差分画像生成部5242F2は、第3の検出画像分離データと、自身のプロジェクタ50Aにおける表示中の測定フレームのデジタル画像データにおいて、単色表示期間T3での表示色(B)の色成分の画像データとの差分をとり、「G」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Bから単色表示期間T3で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(G))をプロジェクタ50Aの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる単色表示期間T3での検出差分画像データ(以下、第3の検出差分画像データ)を生成する。
そして、検出差分画像生成部5242F2は、輝度の大小を良好に判別し二値化可能とするために、生成した各検出差分画像データ(第1の検出差分画像データ、第2の検出差分画像データ、および第3の検出差分画像データ)を対応する画素毎に各輝度値を積算する。
上述したように各検出差分画像データがプロジェクタ50Bから投射面Ssに投射された投射画像をプロジェクタ50Aから撮像した画像データと略同一の画像データとなるため、各検出差分画像データを積算した画像データに基づく画像は、前記第1実施形態で説明した検出画像FdA(図6)と略同様のものとなる。
具体的に、検出差分画像生成部5242F2は、「B」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T1で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(B))をプロジェクタ50Bの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第1の検出差分画像データと、「R」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T2で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(R))をプロジェクタ50Bの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第2の検出差分画像データと、「G」の色成分の画像データ(プロジェクタ50Aから単色表示期間T3で投射面Ssに投射された投射画像(表示色(G))をプロジェクタ50Bの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データ)となる第3の検出差分画像データとを生成する。
そして、検出差分画像生成部5242F2は、輝度の大小を良好に判別し二値化可能とするために、生成した各検出差分画像データ(第1の検出差分画像データ、第2の検出差分画像データ、および第3の検出差分画像データ)を対応する画素毎に各輝度値を積算する。
上述したように各検出差分画像データがプロジェクタ50Aから投射面Ssに投射された投射画像をプロジェクタ50Bの設置位置から撮像した画像データと略同一の画像データとなるため、各検出差分画像データを積算した画像データに基づく画像は、前記第1実施形態で説明した検出画像FdB(図7)と略同様のものとなる。
具体的に、プロジェクタ50Aでは、以下に示すように、参照画像二値化データおよび検出画像二値化データを生成する。
参照画像二値化データ生成部5242Aは、各参照差分画像データが積算された画像データ(参照画像FrA(図6)に略同様の画像データ)に基づいて、前記第1実施形態で説明したステップS6Eと同様の処理を実行することで、前記第1実施形態と同様の参照画像二値化データを生成する。
検出画像二値化データ生成部5242Bは、各検出差分画像データが積算された画像データ(検出画像FdA(図6)に略同様の画像データ)に基づいて、前記第1実施形態で説明したステップS6Eと同様の処理を実行することで、前記第1実施形態と同様の検出画像二値化データを生成する。
参照画像二値化データ生成部5242Aは、各参照差分画像データが積算された画像データ(参照画像FrB(図7)に略同様の画像データ)に基づいて、前記第1実施形態で説明したステップS6Mと同様の処理を実行することで、前記第1実施形態と同様の参照画像二値化データを生成する。
検出画像二値化データ生成部5242Bは、各検出差分画像データが積算された画像データ(検出画像FdB(図7)に略同様の画像データ)に基づいて、前記第1実施形態で説明したステップS6Mと同様の処理を実行することで、前記第1実施形態と同様の検出画像二値化データを生成する。
そして、本実施形態では、ステップS8において、各プロジェクタ50の各表示制御部5230は、測定フレームの次のフレーム(図14中、補正表示フレーム)において、パラメータ生成部5240にて生成された前記第1実施形態と略同様の影部補正パラメータに基づいて、PWM制御により、可動マイクロミラーのオン/オフのデューティ比を変更することで輝度を補正する影部補正処理を実施する。
本実施形態では、各プロジェクタ50は、時分割形式で各色の画像を表示するプロジェクタであり、単色表示期間T1,T2,T3において、プロジェクタ50毎に異なる色の画像を表示するように構成されている。また、影部領域判定手段52420は、画像分離部5242Eと、差分画像生成部5242Fとを備える。すなわち、プロジェクタ50Aにおける影部領域判定手段52420において、参照差分画像生成部5242F1は、参照画像分離部5242E1にて分離された参照画像、すなわち、各単色表示期間T1,T2,T3内でプロジェクタ50Aの表示色、およびプロジェクタ50Bの表示色の双方の色を含む画像と、プロジェクタ50Aにて各単色表示期間T1,T2,T3内に表示された表示色に対応した画像との差分をとることで、プロジェクタ50Bの表示色のみを含む画像である参照差分画像を生成する。このため、生成された参照差分画像は、各単色表示期間T1,T2,T3においてプロジェクタ50Bから投射面Ssに投射された投射画像を参照画像用撮像装置2が撮像した画像と略同一の画像となる。同様に、検出差分画像生成部5242F2が生成した検出差分画像は、各単色表示期間T1,T2,T3においてプロジェクタ50Bから投射面Ssに投射された投射画像をプロジェクタ50A近傍に配設された検出画像用撮像装置3Aが撮像した画像と略同一の画像となる。このため、プロジェクタ50Aにおいて、影部領域判定手段52420は、参照差分画像および検出差分画像に基づいて、プロジェクタ50Bから投射面Ssに投射された投射画像に生成される影部領域Saを判定できる。また、同様に、プロジェクタ50Bにおける影部領域判定手段52420は、参照差分画像および検出差分画像に基づいて、プロジェクタ50Aから投射面Ssに投射された投射画像に生成される影部領域を判定できる(本実施形態では、影部領域が存在しないものと判定)。したがって、各プロジェクタ50から投射面Ssに投射された投射画像を直接、撮像し、撮像した画像に基づいて影部領域を判定できるので、前記第1実施形態で説明した非可視光照射装置4を用いる必要がなく、プロジェクションシステム10の構造の簡素化が図れる。
本実施形態では、影部領域判定手段52420は、入力値積算部5242Dを備えているので、各単色表示期間T1,T2,T3内において、前記画像が表示される期間と前記画像が表示されない期間とで撮像された各画像を積算でき、参照画像分離部5242E1や検出画像分離部5242E2は、各単色表示期間T1,T2,T3内の前記画像が表示される期間で撮像された参照画像や検出画像を確実に取得できる。
前記各実施形態では、画像補正装置100,200の一部である補正制御装置110,210(各パラメータ生成部524,5240)を各プロジェクタ5,50に組み込んだ構成としていたが、これに限らない。例えば、画像補正装置100,200を各プロジェクタ5,50とは別体とする構成、すなわち、補正制御装置110,210をパーソナルコンピュータ等で構成する。そして、補正制御装置110,210と各プロジェクタ5,50とを情報を送受信可能に接続して補正制御装置110,210から各影部補正パラメータをそれぞれ各プロジェクタ5,50に送信して各プロジェクタ5,50に各影部補正パラメータに基づいて影部補正処理を実施させる構成としても構わない。
図15ないし図19は、前記各実施形態の変形例を示す図である。具体的に、図15は、図4に対応した図であり、障害物Oの位置を示す図である。図16および図17は、前記各実施形態で説明した図6および図7に対応する図であり、影部領域の判定処理を説明するための図である。図18および図19は、前記各実施形態で説明した図9および図10に対応する図であり、影部補正パラメータの生成処理を説明するための図である。
なお、以下では、前記第1実施形態の構成を用いて説明するが、前記第2実施形態の構成でも同様である。
先ず、影部領域判定ステップS6において、ステップS6A〜S6Gを実施することで、プロジェクタ5Aは、以下に示すように、影部領域を判定する。
また、影部領域判定手段5242は、ステップS6Eにおいて、図16に示すように、検出画像データ(検出画像FdA)に基づいて、画素毎の輝度値を認識し、検出画像用撮像装置3Aにおけるカメラ視線上の障害物Oのために投射面Ssが遮られただけの偽の影部領域である影部候補領域Sa6内の画素(輝度値の小さい画素)と、非可視光照射装置4Bからの赤外線の一部が障害物Oに遮られることにより投射面Ssに生成される真の影部領域である影部候補領域Sa7内の画素(輝度値の小さい画素)とを「0」とし、各影部候補領域Sa6,Sa7を除く他の領域の画素(輝度値の大きい画素)を「1」として二値化した検出画像二値化データを生成する。
すなわち、影部領域判定手段5242は、ステップS6Mにおいて、図17に示すように、参照画像データ(参照画像FrB)に基づいて、画素毎の輝度値を認識し、参照画像用撮像装置2におけるカメラ視線上の障害物Oのために投射面Ssが遮られただけの偽の影部領域である影部候補領域Sa8内の画素(輝度値の小さい画素)と、非可視光照射装置4Aからの赤外線の一部が障害物Oに遮られることにより投射面Ssに生成される真の影部領域である影部候補領域Sa9内の画素(輝度値の小さい画素)とを「0」とし、各影部候補領域Sa8,Sa9を除く他の領域の画素(輝度値の大きい画素)を「1」として二値化した参照画像二値化データを生成する。
また、影部領域判定手段5242は、ステップS6Mにおいて、図17に示すように、検出画像データ(検出画像FdB)に基づいて、画素毎の輝度値を認識し、検出画像用撮像装置3Bにおけるカメラ視線上の障害物Oのために投射面Ssが遮られただけの偽の影部領域である影部候補領域Sa10内の画素(輝度値の小さい画素)と、非可視光照射装置4Aからの赤外線の一部が障害物Oに遮られることにより投射面Ssに生成される真の影領域である影部候補領域Sa11内の画素(輝度値の小さい画素)とを「0」とし、各影部候補領域Sa10,Sa11を除く他の領域の画素(輝度値の大きい画素)を「1」として二値化した検出画像二値化データを生成する。
すなわち、影部補正パラメータ生成手段5243は、判定用画像FAにおいて、図18または図19に示すように、影部領域Saの各画素を重み度「1」とし、非影部領域Sanの各画素を重み度「0.5」とし、補正影部領域CSaの各画素の重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。また、影部補正パラメータ生成手段5243は、判定用画像FAにおいて、図18または図19に示すように、判定用画像FBにおける影部領域Saに対応する領域Sa´の各画素を重み度「0」とし、判定用画像FBにおける補正影部領域CSaに対応する領域CSa´の各画素の重み度を、領域Sa´から非影部領域Sanに向かうにしたがって領域Sa´の各画素の重み度「0」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。以上のように、影部補正パラメータ生成手段5243は、画素毎に重み度に関する情報を含んだ影部補正パラメータを生成する。
すなわち、影部補正パラメータ生成手段5243は、判定用画像FBにおいて、図18または図19に示すように、影部領域Saの各画素を重み度「1」とし、非影部領域Sanの各画素を重み度「0.5」とし、補正影部領域CSaの各画素の重み度を、影部領域Saから非影部領域Sanに向かうにしたがって影部領域Saの各画素の重み度「1」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。また、影部補正パラメータ生成手段5243は、判定用画像FBにおいて、図18または図19に示すように、判定用画像FAにおける影部領域Saに対応する領域Sa´の各画素を重み度「0」とし、判定用画像FAにおける補正影部領域CSaに対応する領域CSa´の各画素の重み度を、領域Sa´から非影部領域Sanに向かうにしたがって領域Sa´の各画素の重み度「0」から非影部領域Sanの各画素の重み度「0.5」に段階的に変化させた重み度とする。以上のように、影部補正パラメータ生成手段5243は、画素毎に重み度に関する情報を含んだ影部補正パラメータを生成する。
図20および図21は、前記各実施形態の変形例を示す図である。
例えば、補正領域Caとして、図20に示すように、内部に影部領域Saを含む柱状の領域として設定しても構わない。
また、例えば、補正領域Caとして、図21に示すように、内部に影部領域Saを含む矩形状の領域として設定しても構わない。
なお、補正領域Caとしては、円形状、柱状、矩形状に限らず、その他の形状で設定しても構わない。
前記各実施形態では、各プロジェクタ5,50から投射面Ssに投射された各投射画像の全領域を重ね合わせることで複合投射画像を構成していたが、これに限らず、少なくとも一部の領域を重ね合わせることで複合投射画像を構成すればよい。
前記各実施形態では、各プロジェクタ5,50間(各送受信部522)を図示しない信号線で接続する構成としていたが、これに限らず、無線媒体(電波、音、赤外線等)を介して各プロジェクタ5,50間で情報を送受信する構成としても構わない。
前記各実施形態では、参照画像用撮像装置2、各検出画像用撮像装置3は、CCDを用いていた構成としていたが、これに限らず、その他のMOSセンサ等の撮像素子を用いた構成としてもよい。また、CCDを用いる構成とした場合には、単板のCCDを用いた構成としてもよく、赤色光を検出する赤色光用CCD、緑色光を検出する緑色光用CCD、および青色光を検出する青色光用CCDの3つのCCDを用いた構成としても構わない。
すなわち、影部領域判定手段は、輝度値の小さい画素を「1」とし、輝度値の大きい画素を「0」として二値化した参照画像二値化データおよび検出画像二値化データを生成する。また、影部領域判定手段は、参照画像二値化データおよび検出画像二値化データを、対応する画素毎に論理積をとることで、対応する各画素の両方が「1」であるときは「1」とし、対応する各画素のいずれか一方あるいは両方が「0」であるときは、「0」として二値化した判定用画像データを生成する。そして、影部領域判定手段は、判定用画像データに基づいて、「1」とした各画素の領域を影部領域と判定する。
前記第1実施形態では、透過型の液晶パネル(液晶ライトバルブ512)を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネルを採用してもよい。
前記第1実施形態では、液晶ライトバルブ512を3枚設けた構成としていたが、これに限らず、1枚のみの液晶ライトバルブ512を設ける構成、2枚の液晶ライトバルブ512を設ける構成、4枚以上の液晶ライトバルブ512を設ける構成としてもよい。
前記第2実施形態では、各プロジェクタ50は、カラーホイール514を用いていたが、例えば、光源装置511として、赤,緑、青の各色をそれぞれ射出する3つのLEDを用い、各LEDのオン/オフにより時分割形式で各色の画像を表示する構成としても構わない。
前記各実施形態では、プロジェクションシステム1,10は、スクリーンScとして反射型スクリーンを用い、観賞者と同じ側から画像光をスクリーンScに投射するフロント投影型の構成を採用していたが、これに限らず、スクリーンScとして透過型スクリーンを用い、観賞者と反対側(スクリーンScの裏面側)から画像光をスクリーンScに投射するリア投影型の構成を採用しても構わない。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (11)
- 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像を形成し拡大投射してスクリーンの投射面に投射画像を表示する複数のプロジェクタを有し、前記複数のプロジェクタから拡大投射された各投射画像を重ね合わせることで前記投射面に複合投射画像を表示するプロジェクションシステムに用いられ、前記プロジェクタに前記画像を補正させる画像補正装置であって、
前記複数のプロジェクタは、互いに離間した状態で配置され、
前記複合投射画像を観賞する主たる観賞位置に配設され、前記複合投射画像が表示される前記投射面を撮像して参照画像を出力する参照画像用撮像装置と、
前記複数のプロジェクタ近傍にそれぞれ配設され、各プロジェクタの画像の投射方向から前記投射面をそれぞれ撮像して検出画像を出力する複数の検出画像用撮像装置と、
前記参照画像用撮像装置および前記複数の検出画像用撮像装置を駆動制御する補正制御装置とを備え、
前記補正制御装置は、
前記複数のプロジェクタ毎にそれぞれ設けられ、前記複数のプロジェクタのうち前記画像の補正対象となる補正対象プロジェクタ近傍に配設される前記検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像、および前記参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に基づいて、前記複数のプロジェクタのうち前記補正対象プロジェクタを除く他の前記プロジェクタから拡大投射され前記投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する複数の影部領域判定手段と、
前記複数のプロジェクタ毎にそれぞれ設けられ、前記影部領域と前記影部領域を除く非影部領域とに重み付けを実施して重み度に応じて前記補正対象プロジェクタに前記画像における前記影部領域および前記非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する複数の影部補正パラメータ生成手段とを備えている
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項1に記載の画像補正装置において、
前記影部領域判定手段は、
前記参照画像に基づいて、画素毎に輝度の大小により二値化した参照画像二値化データを生成する参照画像二値化データ生成部と、
前記検出画像に基づいて、画素毎に輝度の大小により二値化した検出画像二値化データを生成する検出画像二値化データ生成部と、
前記参照画像二値化データおよび前記検出画像二値化データを対応する画素毎に論理和または論理積をとって前記影部領域を判定するための判定用画像データを生成し、前記判定用画像データに基づいて前記影部領域を判定する領域判定部とを備えている
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像補正装置において、
前記影部補正パラメータ生成手段は、内部に前記影部領域を含む補正領域を設定し、前記補正領域を除く他の領域を前記非影部領域に設定し、前記補正領域における前記影部領域を除く補正影部領域の重み度を、前記影部領域から前記非影部領域に向かうにしたがって前記影部領域の重み度から前記非影部領域の重み度に段階的に変化させ、前記重み度に応じて前記補正対象プロジェクタに前記画像における前記影部領域、前記補正影部領域、および前記非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための前記輝度補正重み情報を含む前記影部補正パラメータを生成する
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像補正装置において、
前記影部補正パラメータ生成手段は、
前記輝度補正重み情報を生成する輝度補正重み情報生成部と、
前記輝度補正重み情報に基づいて、前記非影部領域の重み度を基準として反転させた輝度相補重み情報を生成する輝度相補重み情報生成部と、
他の前記影部補正パラメータ生成手段における前記輝度相補重み情報生成部にて生成された輝度相補重み情報、および前記輝度補正重み情報生成部にて生成された輝度補正重み情報を合成して前記影部補正パラメータを生成する重み情報合成部とを備えている
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像補正装置において、
前記複数のプロジェクタ近傍にそれぞれ配設され、各前記プロジェクタからの画像の投射方向に前記投射面に向けて非可視領域の光束を照射する複数の非可視光照射装置を備え、
前記参照画像用撮像装置および前記複数の検出画像用撮像装置は、前記非可視光照射装置から照射され前記投射面にて反射した光束を検出する
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像補正装置において、
前記複数のプロジェクタは、赤、緑、青の各色の画像を切り替えて時分割形式で各色の画像を表示するプロジェクタであり、単色の画像を表示する単色表示期間において、プロジェクタ毎に異なる色の画像を表示し、
前記影部領域判定手段は、
前記参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像のうち、前記プロジェクタにおける各色の表示タイミングに同期して前記単色表示期間内で撮像された参照画像を分離する参照画像分離部と、
前記参照画像分離部にて分離された参照画像と、前記補正対象プロジェクタにて前記参照画像が撮像された単色表示期間に表示された表示色に対応した画像との差分をとって参照差分画像を生成する参照差分画像生成部と、
前記補正対象プロジェクタ近傍に配設された前記検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像のうち、前記プロジェクタにおける各色の表示タイミングに同期して前記単色表示期間内で撮像された検出画像を分離する検出画像分離部と、
前記検出画像分離部にて分離された検出画像と、前記補正対象プロジェクタにて前記検出画像が撮像された単色表示期間に表示された表示色に対応した画像との差分をとって検出差分画像を生成する検出差分画像生成部とを備え、
前記参照差分画像および前記検出差分画像に基づいて、前記複数のプロジェクタのうち前記補正対象プロジェクタを除く他の前記プロジェクタから拡大投射され前記投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する
ことを特徴とする画像補正装置。 - 請求項6に記載の画像補正装置において、
前記影部領域判定手段は、
前記参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像を順次、取得し、取得した各参照画像を対応する画素毎に各画素値を積算する参照画像積算部と、
前記補正対象プロジェクタ近傍に配設された前記検出用撮像装置にて撮像された検出画像を順次、取得し、取得した各検出画像を対応する画素毎に各画素値を積算する検出画像積算部とを備え、
前記参照画像分離部は、前記参照画像積算部にて積算された参照画像から、前記プロジェクタにおける各色の表示タイミングに同期して前記単色表示期間内で積算された参照画像を分離し、
前記検出画像分離部は、前記検出画像積算部にて積算された検出画像から、前記プロジェクタにおける各色の表示タイミングに同期して前記単色表示期間内で積算された検出画像を分離する
ことを特徴とする画像補正装置。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像を形成し拡大投射してスクリーンの投射面に投射画像を表示する複数のプロジェクタを有し、前記複数のプロジェクタから拡大投射された各投射画像を重ね合わせることで前記投射面に複合投射画像を表示するプロジェクションシステムであって、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像補正装置を備えている
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像を形成し拡大投射してスクリーンの投射面に投射画像を表示する複数のプロジェクタを有し、前記複数のプロジェクタから拡大投射された各投射画像を重ね合わせることで前記投射面に複合投射画像を表示するプロジェクションシステムに用いられ、前記プロジェクタに前記画像を補正させる画像補正装置を利用した画像補正方法であって、
前記複数のプロジェクタは、互いに離間した状態で配置され、
前記画像補正装置は、
前記複合投射画像を観賞する主たる観賞位置に配設され、前記複合投射画像が表示される前記投射面を撮像して参照画像を出力する参照画像用撮像装置と、
前記複数のプロジェクタ近傍にそれぞれ配設され、各プロジェクタの画像の投射方向から前記投射面をそれぞれ撮像して検出画像を出力する複数の検出画像用撮像装置と、
前記参照画像用撮像装置および前記複数の検出画像用撮像装置を駆動制御する補正制御装置とを備え、
前記補正制御装置が、
前記複数のプロジェクタのうち前記画像の補正対象となる補正対象プロジェクタ近傍に配設される前記検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像、および前記参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に基づいて、前記複数のプロジェクタのうち前記補正対象プロジェクタを除く他の前記プロジェクタから拡大投射され前記投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する影部領域判定ステップと、
前記影部領域と前記影部領域を除く非影部領域とに重み付けを実施して重み度に応じて前記補正対象プロジェクタに前記画像における前記影部領域および前記非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する影部補正パラメータ生成ステップとを実行する
ことを特徴とする画像補正方法。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像を形成し拡大投射してスクリーンの投射面に投射画像を表示する複数のプロジェクタを有し、前記複数のプロジェクタから拡大投射された各投射画像を重ね合わせることで前記投射面に複合投射画像を表示するプロジェクションシステムに用いられ、前記プロジェクタに前記画像を補正させる画像補正装置の画像補正プログラムであって、
前記複数のプロジェクタは、互いに離間した状態で配置され、
前記画像補正装置は、
前記複合投射画像を観賞する主たる観賞位置に配設され、前記複合投射画像が表示される前記投射面を撮像して参照画像を出力する参照画像用撮像装置と、
前記複数のプロジェクタ近傍にそれぞれ配設され、各プロジェクタの画像の投射方向から前記投射面をそれぞれ撮像して検出画像を出力する複数の検出画像用撮像装置と、
前記参照画像用撮像装置および前記複数の検出画像用撮像装置を駆動制御する補正制御装置とを備え、
前記複数のプロジェクタのうち前記画像の補正対象となる補正対象プロジェクタ近傍に配設される前記検出画像用撮像装置にて撮像された検出画像、および前記参照画像用撮像装置にて撮像された参照画像に基づいて、前記複数のプロジェクタのうち前記補正対象プロジェクタを除く他の前記プロジェクタから拡大投射され前記投射面に表示された投射画像に生成される影部領域を判定する影部領域判定ステップと、
前記影部領域と前記影部領域を除く非影部領域とに重み付けを実施して重み度に応じて前記補正対象プロジェクタに前記画像における前記影部領域および前記非影部領域に対応する領域の輝度を補正させるための輝度補正重み情報を含む影部補正パラメータを生成する影部補正パラメータ生成ステップとを前記補正制御装置に実行させる
ことを特徴とする画像補正プログラム。 - 請求項10に記載の画像補正プログラムがコンピュータに読取可能に記録されていることを特徴とする画像補正プログラムを記録した記録媒体。
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