JP4270036B2 - 電磁超音波センサ - Google Patents
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Description
印はそれぞれ紙面に対して手前側と奥側に向かって流れるコイル2a内の電流の向きを表している。コイル2aに接続した電源から図2(a)に示したような向きに交流電流をコイル2a内に流すと、送信用のコイル2aに近接する被検査体である金属製構造物3内にコイル電流と逆向きの渦電流Iが生じる。送信用のコイル2aの上には磁束の発生手段として永久磁石4aが置かれており、金属製構造物3内には矢印の向きに磁束密度Bの磁場が形成される。
印はそれぞれ紙面に対して手前側と奥側に向かって生じるローレンツ力の向きを表している。このローレンツ力の発生する範囲を音源と呼ぶ。図2内に示した一般的な電磁超音波センサ5aにおいて、渦電流Iは金属製構造物3の表面のコイル2aの直下に流れる。すなわち、渦電流はコイル内の電流の向きとは逆であるが、渦電流の生じる範囲はコイル
2aの寸法(コイル2aと永久磁石4aの下端磁極面との重なり合う範囲)と等しい。金属製構造物3の表面を透過する永久磁石の磁束の範囲も永久磁石の寸法とほぼ等しくなる。これは、永久磁石4aが金属製構造物3の表面に近づけて配置されるためである。図4に永久磁石4の磁束分布の概念図を示す。点線で描かれたものが永久磁石4の磁束を表している。永久磁石4の磁束はN極からS極に向かってループを形成し、N極とS極の表面では磁極表面に垂直となる。これらのことから、永久磁石4の下全体にコイル2が敷詰められている場合、音源は永久磁石4の寸法に等しくなる。
4bの長さLは約5.2mmとなる。
(磁極面に垂直な方向)に伝播する超音波振幅が増大する。電磁超音波センサの場合、前述より音源の寸法は永久磁石4a,4bの長さLに依存する。上述の例では永久磁石の長さL(=5.2mm )が大きいため、電磁超音波センサの送信波は金属製構造物3の厚み方向に拡がりやすくなる。その一例を図5に示す。点線は送信波の波面を表す。図5のように送信波が金属製構造物3の厚み方向に拡がると、表面欠陥からの反射波は小さくなる。このように、従来の電磁超音波センサは、金属製構造物の厚み方向への超音波の拡散が大きいため、遠距離探傷には不向きである。従って、金属製構造物の表面に水平な方向に伝播する超音波振幅を高めることが可能な構造を持つ電磁超音波センサが必要である。
実施例1の電磁超音波センサ6の構成は次の内容を備える。即ち、図1(a)に示すように、アルミニューム製のケースで代表される金属製のケース20内には、異なる極性が隣接するようにして複数のアーチ型永久磁石1が磁束の発生手段として2列4行の配置で配列されている。その複数の永久磁石1はケース20内に充填された樹脂25によってそのケース20内に固定されて設けられている。そのアーチ型永久磁石1の真下には、例えばエナメル線製のコイル2が配置されている。このコイル2は極薄の保護フイルム21によって包み込まれて保護されている。その保護フイルム21は止ネジ22でケース20に固定されている。コイル2を形成しているエナメル線の延長線がコイル2のリード線23としてコネクタ24に接続されている。このコネクタ24はケース20に設置され、ケース20外の電磁超音波計測装置への電気的接続手段として利用される。
12は受信信号増幅器であり、全て市販品が利用できる。13は受信用マッチング回路であり、市販のインピーダンス素子を組み合わせて受信回路の整合をとることができる。
14は受信用の電磁超音波センサである。送信用の電磁超音波センサ6は送信用マッチング回路7,電力増幅器8を介してパルサレシーバ9と接続されている。受信用の電磁超音波センサ14は受信用マッチング回路13と受信信号増幅器12を介して、パルサレシーバ9に接続されている。受信用の電磁超音波センサ14からの信号及びパルサレシーバ9からの制御信号はコンピュータ10を介してモニタ11により観測できる。
印を囲っている矩形の図形部分)は図8に示したようにアーチ型永久磁石の長さLよりも短くなる。音源のサイズと超音波の指向特性の関係は、弾性波素子技術ハンドブック(日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編)P131より式1で表される。
実施例1の実施形態にあっては、コイルに対向する磁極面がアーチ型のアーチ型永久磁石1を備えた送信用の電磁超音波センサ6と受信用の電磁超音波センサ14を用いた電磁超音波計測装置について説明したが、永久磁石自身の磁極端面をアーチ型に成型する代わりに、図11のように、一端面が平坦で、他端面がアーチ型の曲面を有するアーチ型磁極片15を用意し、そのアーチ型磁極片15の一端面を磁極面が平坦な永久磁石4のコイル2寄りの磁極面に磁気的に吸着させるようにしても良い。この永久磁石4とアーチ型磁極片15の下にコイル2を配置した。そのアーチ型磁極片15の材質は透磁率がアーチ型磁極片15の周囲の雰囲気のそれよりも高い材質で構成されている。その他の構成や作用は実施例1と同様である。
更には、実施例2のアーチ型磁極片15の代わりに、一端面が永久磁石4のコイル2寄りの磁極面の面積と同じく、他端面がその磁極面の面積よりも狭い面積とされた磁極片
16を用意し、その磁極片16の一端面を、図12のように、永久磁石4のコイル2寄りの磁極面に過不足無く対面させて磁気的に吸着して設ける。その磁極片16の下方にはコイル2が配置されている。その磁極片16の材質は透磁率が磁極片の周囲の雰囲気のそれよりも高い材質で構成されている。その他の構成は実施例1と同じである。
Claims (3)
- 磁束の発生手段と、前記磁束と交差するように配置され、通電されるコイルとを備えた
電磁超音波センサにおいて、
前記磁束の発生手段に、前記磁束を集束する手段を備え、
前記磁束の発生手段は永久磁石であり、
前記磁束を集束する手段は前記永久磁石の前記コイルに対向する面を前記永久磁石の中央部で凹んだアーチ型に成型して構成されていることを特徴とする電磁超音波センサ。 - 磁束の発生手段と、前記磁束と交差するように配置され、通電されるコイルとを備えた
電磁超音波センサにおいて、
前記磁束の発生手段に、前記磁束を集束する手段を備え、
前記磁束の発生手段は永久磁石であり、
前記磁束を集束する手段は、前記永久磁石の前記コイル側の磁極面に装着され、中央部が凹んだアーチ型の磁極片であることを特徴とする電磁超音波センサ。 - 磁束の発生手段と、前記磁束と交差するように配置され、通電されるコイルとを備えた
電磁超音波センサにおいて、
前記磁束の発生手段に、前記磁束を集束する手段を備え、
前記磁束の発生手段は永久磁石であり、
前記磁束を集束する手段は、前記永久磁石の前記コイル側の磁極面に装着され、前記コイル側の面が前記磁極面よりも狭く形成された磁極片であることを特徴とする電磁超音波センサ。
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