JP4268780B2 - 積層強化リボンを有する板紙カートンおよびその製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の背景）
（１．発明の分野）
本発明は、一般に商品の梱包に関し、より詳細には、輸送および販売のために複数の商品を梱包することができる板紙カートン（paperboard carton）の製造に関する。
【０００２】
（２．関連技術の説明）
梱包産業では、缶入り飲料や瓶詰め飲料、食品、洗剤など多種多様な商品の梱包に、様々な設計および構造の板紙カートンが長い間使用されてきた。概して、板紙カートンは、板紙が大きいロールから漸進的に引き出されるにつれ、板紙の長いウェブから打ち抜くかロータリカットした板紙素材を、組み立てるか加工したものである。素材に折り線の刻み目を入れて、カートンの様々なパネルを画定し、素材をその最終的なカートン形状に加工（変換：conversion）する補助とする。ビールまたはソフトドリンクのパッケージなど、場合によっては、素材を予め接着し、ほぼ平坦なノックダウンスリーブ（flat knocked down sleeve:つぶされて平らにされたスリーブ）の形態で梱包業者に提供し、これを梱包機で、商品を受けるために開口式カートンに組み立てる。つまり、素材は完全に平坦な形状で提供され、この場合は素材は通常、商品のグループの周囲で折り曲げ、梱包機で接着される。いずれの場合も、素材の加工は通常、大きい連続梱包機の部分である専用加工ステーションで梱包する時に実行される。この方法で、平坦な板紙素材、または予め接着してノックダウンした板紙素材を、パレットに載せるスタックの状態で梱包業者へと経済的に出荷することができる。
【０００３】
板紙のウェブ（web）から板紙カートンの素材を製造する場合は、通常、板紙原料であるより幅の広いウェブから、ウェブを指定された所定の幅に予め切断する。ある幅へのウェブの予備切断は、通常、製紙工場で実施される。ウェブの幅は、各ケースで、そのウェブから製造するカートンのサイズおよび形状によって決定され、カートンの製造業者から製紙工場に指定される。例えば、板紙原料のウェブは、６４インチ（１６２．６ｃｍ）の幅を有し、特定のカートン素材は、４８インチ（１２１．９ｃｍ）の幅を必要とすることがある。このような例では、通常、製紙工場で幅１６インチ（４０．６ｃｍ）の細片（または幅の合計が１６インチ（４０．６ｃｍ）の細片２本）を板紙原料のウェブから切断して、必要な４８インチ（１２１．９ｃｍ）幅のウェブを形成する。これらの細片は、産業では「トリム」と呼ばれ、伝統的に価値が低下し、場合によっては衣料産業で使用されるシャツカラー補強材の製造など、２次使用のために低コストで販売される。概して、板紙ウェブの製造プロセスでトリムを生成することは、長い間、板紙製造業者の問題であった。
【０００４】
時折、板紙製造業者の誤りの結果、板紙ウェブのロールが様々な理由で標準以下になり、したがって板紙カートンの製造に使用できなくなる。特定の顧客用に製造された板紙ウェブが、仕様に適合せず、したがって容易に使用できない場合もある。このような標準以下および仕様外の板紙は、産業では「カル（ｃｕｌｌ）」と呼ばれ、これも価値が低下し、新しい紙を製造するためにパルプに再構成されることもある。概して、板紙カートン製造産業では、トリムおよびカルの用途はほとんどなかった。
【０００５】
多くの梱包用途で、商品を梱包するカートンは、商品を確実に含むため、少なくとも選択された領域で促進された強度を呈さなければならない。これは、商品が比較的重く、出荷および販売のためにカートン内で相互に積み重ねる場合に、特に当てはまる。例えば、缶入りおよび瓶詰め飲料は、通常は６、１２または２４本のグループで梱包することができ、本来比較的重く、通常は小売店に出荷するため、パレット上にカートン数個の高さで積み重ねる。したがって、これらの飲料を梱包するカートンは、缶または瓶のグループをまとめて確実に保持し、数層積み重ねたカートンの非常な重さでも引き裂けたり「破裂」したりしないために十分強力でなければならない。例えば箱入りフルーツドリンクのカートンなど、他の用途では、カートンの層を相互に積み重ねた場合に、圧潰しないために必要な強度および剛性の少なくとも一部を、カートン自体が提供しなければならない。これは、個々の飲料容器には、瓶または缶の剛性がないため、それ自体がカートン入りフルーツドリンクの積み重ねの全重量に耐えられないからである。
【０００６】
このような用途では、伝統的な板紙カートンは、必要な強度および剛性を提供するのに不十分であることが時々判明している。その結果、多くの梱包業者は、産業界でマイクロフルートと呼ばれているカートン材料に注意を向け、これは段ボール紙製品である。概して、マイクロフルートは、対面する平坦な紙の間に多数の比較的小さい波を挟んだ状態で、紙材料の芯から製造する。マイクロフルートは、多くの包装用途で必要とされる強度および剛性を提供する傾向があるが、板紙と比較すると一般に価格が高いなど、固有の重大な問題および欠点も有する。また、マイクロフルートで製造したカートン素材は、より厚いために標準サイズのパレットに積み重ねることができる素材の数が制限されるので、重さによっては、板紙素材より出荷の費用がかかることがある。さらに、素材をカートンに加工（変換）するために専用の加工（変換）機械が必要な場合があり、梱包プロセスのコストが増加する。最後に、マイクロフルートに高品質のグラフィクスを印刷するのは、困難であることが判明することがある。したがって、マイクロフルートは、カートンの強度および剛性の向上を必要とする梱包用途のカートン製造材料として、完全に満足な解決策を提供していない。
【０００７】
強度および剛性の増加が必要とされる場合、実行可能なマイクロフルートの代替品を提供するため、板紙カートンの強度および剛性を改善する試みがなされてきた。これらの試みには、標準的厚さの板紙のウェブまたはシートを２枚以上積層して、より厚い多層板紙を生成することがあり、ここからカートン素材を切断することができる。しかし、この方法は、結果として生じるカートンの強度および剛性を向上させるが、基本的に、カートン当たり必要とされる板紙が２倍になり、その結果、材料費および出荷費用がかさむ。さらに、多層の板紙カートンに折り線を形成し、これを折り曲げることは、折り曲げるべき板紙の厚みが増加しているため、問題を生じる。以上およびその他の理由から、このような多層積層板紙は、マイクロフルートの許容可能な代替品であるとは証明されていない。
【０００８】
マイクロフルートの代替品を提供する他の試みには、特注の強化インサートを別個に製造し、カートンをカートン素材から加工した後に個々のカートンに設置することがあった。このようなインサートは、例えば洗剤用カートンに使用して、積み重ねに対する追加の強度、および内部の防湿層を提供し、飲料用カートンではセパレータを提供する。しかし、インサートの設置には、高価な専用の機械が必要であり、材料費および梱包費が増加し、梱包プロセスが大幅に遅くなることがある。
【０００９】
マイクロフルートおよび板紙カートンを含め、一般的なカートンの問題は、折り曲げたパネルが合うカートンの特定の隅など、特に応力が高い区域で引き裂け、破損する傾向があることである。このような引き裂けは、いったん開始すると広がることが多く、その結果、カートンのパネルが分離し、最終的にカートンが破裂することがある。この問題に対応する試みは、カートンの素材に二重の折り曲げフラップおよび／または舌を設けて、隅を強化し、場合によってはカートンに特殊な隅の強化材を接着して引き裂きを防止することである。このような試みは、完全には成功していない。
【００１０】
状況によっては、製品の製造業者は、製品を梱包するカートンに、カートンの外側にロゴおよびグラフィクスを印刷するのに加え、内側にも印刷するよう指定することがある。例えば、製造業者は、コンテストの規則、製品の説明、特別な購買意欲刺激クーポンなどを製品カートンの内側に印刷したいと考える。これまで、このような内部の印刷では、比較的高価で時間がかかる両面印刷技術を使用し、カートン素材を切断するウェブの両側に印刷する必要があった。さらに、カートンの内面は、通常、印刷用にコーティングされていないので、カートンの内面で実行可能な印刷の品質および性質が制限されていた。
【００１１】
したがって、マルチフルートで製造したカートンの強度および剛性を、競争力のあるコストで提供する、改良された板紙カートンに対する要求が存在する。従来の板紙カートンの製造機械を使用し、製造プロセスに伴う材料費を大幅に増加させないような板紙カートンを製造する効率的で費用効果が高い方法に対して、関連する要求が存在する。さらに、補強材および仕切板などの板紙カートンのインサートを提供し、カートンの内面に見える高品質の印刷を、そのような印刷が望ましい箇所に提供する、より効率的な方法に対するさらなる要求が存在する。以上および他の要求に対応し、本発明が主として指向する先行技術の問題を克服するのは、板紙カートンを製造する方法、およびそれによるカートンを提供することである。
【００１２】
（発明の概要）
簡潔に述べると、本発明は、その好ましい実施形態では、強度および剛性が必要な選択領域で、マイクロフルートと同様の高い強度および剛性を有する、強化板紙カートンを製造する方法を含む。方法は、板紙のウェブを経路に沿って前進させるステップを含む。板紙のウェブは、製造するカートンのサイズによる所定の幅を有し、板紙の大きいロールから引き出すことが好ましい。用途ごとの要件により、板紙のウェブは、完成したカートンの外側になる側に、例えばロゴおよびグラフィクスを予め印刷しても、しなくてもよい。ウェブは、所望に応じて両側に印刷してもよい。
【００１３】
板紙のウェブが経路に沿って前進するにつれ、それぞれが板紙ウェブの幅より小さい幅を有する１本または複数の強化材料のリボンを、漸進的にウェブに適用する。各リボンには、完成したカートンの内側になるウェブの側に接着材を塗布し、ウェブの幅で所定の位置に配置することが好ましい。各リボンの位置は、例えばカートンの側壁など、強度および／または剛性の向上が必要な、完成カートンの特定の領域に、複数の層または積層の材料を設けるよう選択される。強化材料のリボンも板紙で形成することが好ましく、値が低下するような板紙のトリムまたはカルから所望の幅に予め切断するか、スリットを入れることが、最も好ましい。リボンを、予め配置してあるロールから引き出して、リボンをウェブ上に適切に配置し、ウェブの経路に沿って、その近傍を前進させ、片側に接着剤を供給し、前進する板紙ウェブに漸進的に係合させて、これに対して圧迫し、リボンをウェブに接着する。一実施形態では、１本または複数のリボンに、最終的に完成カートンの内側に露出する用途特有の印を、両側に予め印刷する。
【００１４】
強化リボンを前進するウェブに積層した後、ウェブを所定のサイズのシートに切断することができる。その後、シートは必要に応じて打ち抜くか、折り線で刻み目を入れ、最終的に完成カートンの壁になる様々なパネルおよびタブを画定するカートン素材を形成する。カートン素材は、パレットに載せて梱包業者に出荷し、そこで素材をカートンに加工し、例えば飲料容器または食品などの商品を梱包することができる。カートンに加工すると、予め配置して貼り付けた板紙強化用リボンが、構造的完全性の向上が必要な側部などの、カートンの選択された部分で板紙の多層または積層を形成する。適切に強化リボンを選択し、サイズを決定して配置することにより、マイクロフルートで製造したカートンで提供されるのと同等、またはそれより優れた強度および剛性を有する板紙カートンが獲得される。さらに、強化リボンの製造にトリムおよびカルを賢明に使用することにより、本発明の方法により製造した板紙カートンは、マイクロフルートで製造したカートンの経済的に採算がとれる代替品になることができる。
【００１５】
マイクロフルートのカートンの同等の強度である板紙カートンを提供するのに加え、本発明は、マイクロフルートでは獲得できない可能性を提供する。例えば、本発明の強化リボンは、完成カートンの内側に見える高品質の図案および印を片側に予め印刷することができ、全て両面印刷プロセスは必要ない。さらに、１本または複数のリボンの一部しか、板紙ウェブに接着しなくてよく、別の部分は、別個のライナーを挿入する必要なく、補強材および仕切材などの内部カートン構造を画定するよう、内側に折り曲げることができる。以下でさらに明白になるよう、追加の利点も提供される。
【００１６】
したがって、先行技術の問題および欠点への対応に成功したユニークな強化した板紙カートンおよびその製造方法が提供される。カートンは、以前にマイクロフルートで製造したカートンと同等の構造的完全性を有するが、従来の板紙材料で製造され、梱包機械内で標準の加工機械でカートンに容易に加工される。カートンは、強化リボンの形成にトリムおよびカルをユニークに使用し、カートン素材の製造方法を既存の板紙製造機械で実践することができるので、経済的にはマイクロフルートで形成したカートンと同等である。本発明の以上およびその他の特徴、目的および利点は、以下の好ましい実施形態に関する詳細な説明を、簡単に説明される添付図面と組み合わせて考慮することにより、さらに明白になる。
【００１７】
（好ましい実施形態の詳細な説明）
上述したように、カートン素材は、これを使用する梱包作業のタイプに応じて、予め接着したノックダウンスリーブ、または完全に平坦なシートの形状で提供することができる。図３に示すカートン素材は前者のタイプであり、通常はカートンの製造場所で部分的に折り曲げて接着し、ノックダウンスリーブの形態で梱包業者に出荷する。次に、このスリーブを梱包機械で組み立てて、開口式カートンスリーブにし、これはカートンのスリーブを密封して閉じる前に製品を挿入する。このタイプのカートンは、通常、大部分のビールおよびソフトドリンクの瓶詰め工場で使用されている。これに対して、図８に示すカートンは、完全に平坦な状態で出荷され、梱包機械で製品の回りに折り曲げ、接着して閉じるカートン素材から形成される。この後者のタイプのカートン素材は、カートンを接着してスリーブを形成する作業が、カートン製造施設ではなく製品の生産および／または梱包施設で実施される点で、前者と異なる。本発明は、大部分が、図８のカートンを典型とする平坦なカートン素材の製造に関して説明する。しかし、本発明は、平坦なカートン素材の製造に制限されず、予め接着したノックダウンカートンスリーブ素材、さらに他のタイプのカートン素材の製造も含むことを理解されたい。
【００１８】
次に、図をさらに詳細に参照すると、同様の符号は幾つかの図で、適宜、同様の部品を指すが、図１は本発明の好ましい実施形態による強化板紙カートン素材の製造ライン１１を示す。明快さを期して、製造ライン１１に沿った様々なステーションを単純化した機能的形態で図示する。しかし、製造ラインおよびそれに沿った様々なステーションを構成する機械類は、板紙作製産業の標準的な機械類であり、当業者にはよく知られていることが理解される。さらに、本発明の完全な開示および理解のために、製造ラインを構成する機械類の詳細な説明は不必要である。したがって、この機械類については、本明細書では詳細に説明しない。
【００１９】
図１の製造ライン１１は、上流端１２および下流端１３、および本発明による板紙素材を、概してラインの上流端から下流端へと延在する方向で経路に沿って流すのに使用する様々な要素を有する。板紙ウェブ１７の大きいロール１４が、製造ライン１１の上流端に配置された１対のマンドレル１６に回転自在に装着される。本発明の方法を実行する際、上述したように必要な幅へと予め切断した板紙ウェブ１７を、ロール１７から引き出して、製造ラインの様々なステーションを通して延在する、概して矢印１５で示した経路に沿って前進させる。一実施形態では、板紙ウェブ１７は、用途に特有の図案、商標およびロゴなどの印を、図２３に示すように片側に予め印刷することができるが、このような予備印刷は、用途によっては望ましくなく、本発明の要件または制限とは見なされない。あるいは、ウェブの両側に印刷してもよくこれは用途によっては望ましい。
【００２０】
マンドレル１８は、そのうち３個を図１に示すが、製造ライン１１の上流端１２に隣接して、経路１５に沿って隔置された位置に配置される。それぞれが板紙ウェブ１７の幅より小さい幅を有する強化材料のリボン２１を、比較的狭いロール１９上に巻き付け、ロール１９をマンドレル１８に回転自在に装着する。強化材料のリボン２１は、ウェブ１７とともにローラ１９から漸進的に引き出され、最初にウェブ１７上に配置されて、経路１５に沿ってこれとともに移動する。マンドレル１８はそれぞれ、複数のリボン２１のロール１９を担持してよく、ロール１９はそれぞれ、マンドレルの幅の望ましい任意の位置に配置することができる。さらに、強化材料のリボン２１はそれぞれ、板紙ウェブ１７の幅より小さい望ましい幅に切断してもよい。
【００２１】
ウェブ１７およびリボン２１を個々のロールから引き出して、経路１５に沿って前進させるにつれ、リボンは、マンドレル１８上におけるそのロール１９の位置に従い、ウェブ１７の幅方向で所定の位置に配置される。例えば図１に示す形状では、ルール１９は、２層のリボン２１がウェブの対向する縁部分それぞれに隣接して配置され、１本のリボンがウェブの中心部分に配置されて、比較的狭い１対のリボンが、中心に配置されたリボンの各側に配置されるように位置決めされる。マンドレル１８上でロール１９を適切に位置決めすることにより、以下でさらに詳細に説明するように、強化材料のリボン２１のほぼあらゆる配置および形状を獲得することができる。
【００２２】
リボン２１を形成する強化材料は、例えば薄いプラスチック、ガラス繊維、織物または不織ウェブ、または発泡体など、様々な任意の材料のいずれかで形成することができ、以上およびその他の材料が本発明の範囲に入ると見なされる。しかし、リボンも板紙で製造することが好ましく、商業的価値がほとんど、または全くない板紙トリムまたはカルから切断するか、スリットにすることが最も好ましい。本発明は、以下では簡単かつ明快に理解されるよう、板紙強化用材料のリボンに関して説明する。しかし、本明細書の文脈で使用する「板紙」という用語は、必要な強化特性を提供するのに必要な物理的および機械的属性を有する任意の材料を含むよう意図されることを理解されたい。
【００２３】
板紙ウェブ１７およびリボン２１が経路１５に沿って前進するにつれ、これは従来のカール除去ステーション２２を通過し、ここでウェブおよびリボンの板紙が平坦にされ、板紙をロール１４および１９に巻き付けたことによって誘発されたカールが除去される。カール除去ステーション２２から、ウェブおよびリボンは、さらに経路１５に沿って刻み目付与ステーション２４へと前進し、これは１対のローラ２５を含み、これに沿って１つまたは複数の刻み目付与ホィール２６が配置される。刻み目付与ホィール２６は、ローラ２５の幅を横断して選択的に配置されて、縦方向に延在する折り線２７でウェブ１７に刻み目を入れ、本発明により製造したカートン素材は、最終的にカートンに加工する時に、これに沿って折り曲げられる。
【００２４】
以下でさらに詳細に説明するように、折り線２７の幾つかは、強化リボン２１の縁に隣接して、またはそれに沿って配置することができる。このような場合は、リボンが折り線に沿った板紙の曲げに悪影響を与えたり、それに干渉したりすることがないよう、これらの折り線は、リボンの縁から所定の短い距離に慎重に配置することが好ましい。図１に示す刻み目付与ホィール２６は、板紙ウェブ１７の幅を横断してほぼ等間隔の折り線を設けるよう配置される。しかし、製造されるカートンに望ましい最終的形状およびサイズにより、任意の数の折り線を、ウェブを横断する任意の数の位置に設けるか、折り線を設けないことが可能であり、本発明の範囲に入る。
【００２５】
折り線２７を板紙ウェブ１７に付けた状態で、ウェブ１７は経路１５に沿って１対の案内ロール３１へと前進し、板紙強化リボン２１はウェブ１７から分岐して、接着剤を受けるために接着ステーション２８へと前進する。図示の実施形態では、接着ステーション２８は、列状の従来の接着剤アプリケータ２９を備え、それぞれは１対のニップローラ３２を有し、その間を１本または複数の板紙強化リボンが通過する。各アプリケータ２９の下部ニップローラ３２は、あふれるニップバス３３内に含まれる適切な液体接着剤に部分的に浸漬される。板紙強化リボン２１がニップローラ間を通過するにつれ、接着剤の層が各対の下部ニップローラから各リボン２１の（図１で見て）下側に移行する。図示の実施形態では、７本の板紙強化リボンに接着剤を塗布するため、図１では列状の３つの接着剤アプリケータ２９が図示されている。特定の用途に必要な強化リボンの数および形状により、必要に応じて３以外の数の接着剤アプリケータ２９を使用してよい。
【００２６】
リボンに接着剤を塗布するために、ニップローラおよびニップバス以外の手段を使用して、リボンに接着剤を塗布することができ、このような代替品には、接着剤スプレーがあり、これは板紙産業では一般的に使用されている。板紙産業で使用する接着剤噴霧機構は、市販され、例えばＮｏｒｄｓｏｎ Ｃｏｍｐａｎｙから入手することができる。いずれの場合も接着剤は連続コート、非連続コート、ステッチ接着パターン、撚線、その他の形態で強化リボン２１に塗布することができる。接着剤は、板紙間に十分な接着力を提供するのに必要な接着剤の量が最少になるような方法で塗布することが好ましい。本発明の一実施形態では、接着剤は、１本または複数のリボンの片側のみに沿って塗布され、以下でさらに詳細に説明するように、仕切材および補強材などの内側に折り曲げられる内部構造を有する完成カートンを生産する。
【００２７】
板紙ウェブ１７は、案内ロールから圧縮ステーション３４へと前進し、これは１対の主圧縮ローラ３６を有し、これは引張りローラとしても機能することができる。同様に、接着剤を載せた板紙リボン２１が、接着ステーション２８から圧縮ステーション３４へ、および板紙ウェブ１７へと前進する。圧縮ステーション３４で、板紙リボン２１および板紙ウェブ１７は、主圧縮ローラ３６間を通過する。圧縮ローラ３６は、強化リボン２１とウェブ１７とを相互に十分な圧力で圧迫して、接着剤を、したがってリボンをウェブに接着するか、複数のリボンの積層をウェブ１７に加える場合は、他の下にあるリボンに接着するよう設定される。この方法で、リボンは、マンドレル１８上のロール１９の配置によって決定されるような、ウェブの幅を横断する選択された位置で、前進する板紙のウェブに漸進的に貼り付けられる。
【００２８】
折り線２７および積層された板紙強化リボン２１を伴う板紙ウェブ１７は、圧縮ステーション３４から製造ライン１１の下流端１３に向かって、および切断ステーション３７に向かって進行する。図示の実施形態では、切断ステーション３７は従来の回転ナイフアセンブリ３８を含み、これは回転して、ウェブ１７をその幅に渡って所定のサイズの長方形シートに切断する。各シートは、板紙ウェブ１７の幅に等しい幅、および回転ナイフアセンブリ３８の設定および動作によって決定される長さを有する。例えば、横断ナイフアセンブリまたはプラテンカッタなど、回転ナイフ以外の手段を、図示の実施形態の回転ナイフと置換することができ、これらの手段およびウェブを切断する他の手段は、例示された回転ナイフアセンブリと同等と見なされる。
【００２９】
ウェブ１７がシート３９に切断されたら、シートを積み重ねて、打抜き機へと送出し、ここでシートは標準的なプラテン打抜き作業で切断され、本発明の原理および特徴を実現する板紙カートンを形成するのに必要な様々なタブおよびパネルを有するカートン素材を形成する。
【００３０】
ウェブ１７を切断してシート３９にし、その後にシート３９を打ち抜いて板紙素材を形成する代替方法として、図１の回転ナイフアセンブリ３３をプラテン打抜き機または回転インライン打抜き機で置換することができ、この場合、ウェブ１７は製造ライン１１の下流端で直接カートン素材に切断され、最初にウェブをシートに切断するステップが削除される。いずれの場合も、カートン素材は切断されると、パレットに載せて製品梱包業者に出荷され、ここで素材はカートンに加工され、通常の方法で商品を梱包する。
【００３１】
素材の加工時に、カートン素材に積層された強化用板紙のリボンは、カートンの選択部分で多層の板紙を形成し、したがってその部分でカートンを強化する。リボンの位置は、カートン素材をカートンに加工した場合に、リボンが、したがって強化材が、強度および／または剛性の追加が必要な側壁などのカートンの選択部分に提供されるよう、前もって慎重に決定する。本発明の方法で製造し、強化した板紙カートンは、マイクロフルートで製造したカートンと同等、またはそれより優れた強度および剛性を強化部分で呈することが判明している。
【００３２】
以上の特定の例に留意すると、一実施形態では、本発明は、強化した板紙カートンを製造するユニークな方法であることが理解される。方法は、板紙のウェブを経路に沿って前進させるステップを含み、板紙のウェブはある幅を有する。板紙ウェブの幅より小さい幅を有する少なくとも１本の強化材料のリボンが、好ましくは接着剤付きで、前進するウェブに、その幅の横方向に所定の位置で漸進的に貼り付けられる。強化リボンを貼り付けたウェブは、切断されてカートン素材を形成し、カートン素材は、商品を受けるカートンに形成され、強化材料のリボンは、追加の強度が必要なカートンの選択部分で強化を提供する。
【００３３】
図２は、圧縮ステーション３４直後など、強化リボン２１をウェブに接着した後の姿での、図１のウェブ１７の断面図である。この特定の形状は、実際のカートンの形状に対応しても、対応しなくてもよいが、図１とともに、本発明の方法により獲得される強化リボン２１および折り線２７の様々な予想されるサイズおよび配置の幾つかを明白に示すため、提示される。図２では、強化リボン２１をウェブ１７の幅の横方向に所定の位置で貼り付け、したがって２層のリボンがウェブの各縁部分に隣接して配置され、１本のリボンがウェブの縁の中間に位置する。比較的薄いリボンを、中心に配置したリボンの各側に配置し、ウェブに刻み目を入れて、強化リボンの幾つかの縁から短い距離に隔置され縦方向に延在する折り線２７を形成する。
【００３４】
図３は、本発明の方法により形成することができる実際のカートン素材で予想される１つの形状を示す。カートン素材５１は、板紙材料のベースシート５５を有し、これは本発明による素材５１の製造に使用する板紙の連続ウェブの一部である。ベースシート５５は、製造ライン１１（図１）の刻み目付与ステーション２４で刻み目を入れ、縦方向に延在する折り線５３、および打抜きプロセス中に刻み目を入れ、横方向に延在する折り線５２を有する。折り線５２および５３は、頂部パネル５４、底部パネル５６、第１側部パネル５７、および側部パネルタブ５８および５９を画定し、これはカートン素材を加工したカートンの第２側部パネルを形成すると、相互に重なる。端部タブ６１が、縦方向に延在する折り線５３の外側に形成され、端部タブは、素材を加工してカートンの端部を形成する時に、折り線５３に沿って内側に折り曲げるよう形成される。
【００３５】
板紙強化リボン６２は、本発明の方法により、ベースシート５５に積層される。強化リボン５２は、端部タブ６１に沿って配置されて、その有効厚さを増加させ、端部タブを強化して、素材から加工されたカートンの端部分に強化された構造的完全性を提供する。素材５１をカートンに加工する間、素材の様々なパネルおよびタブを、矢印６０で示すような折り線５２および５３に沿って概して内側に折り曲げ、選択されたタブを接着剤または他の方法で相互に固定し、商品を梱包する長方形のカートンを形成する。カートンは、形成されると、端部タブ６１によって画定された端部を有し、これはカートンの端部に向上した強度、剛性、および引裂きまたは破裂抵抗を提供するため、積層された板紙強化リボン６２によって強化される。したがって、素材５１を加工すると、これはカートンの側部および端部を画定する複数のパネルを有する強化板紙カートンを形成し、強化用板紙材料の層が、選択されたパネルに貼り付けられ、強化パネルによって画定された選択領域でカートンを強化する。
【００３６】
図４および図５は、図３の隣接する折り線５３に対する強化用板紙リボン６２の好ましい配置を示して、追加したリボンの厚さが、加工中に折り線に沿ったカートン素材の折り曲げと干渉しないことを保証する。特に、板紙ベースシート５５は、縦方向に延在して、カートン素材の端部タブ６１を画定する折り線５３を有する。強化用板紙リボン６２は、本発明により、端部タブ６１の領域でベースシート５５に積層され、上述したように強化を提供する。リボン６２の内側縁６５は、折り線５３から所定の短い距離だけ隔置される。したがって、図５に示すように、カートンに加工中にシート５５を折り線５３に沿って折り曲げると、リボンの縁６５と折り線との間のスペースにより、リボンの縁が素材のパネルのいずれにも衝突せず、折り曲げプロセスに干渉しないことが保証される。
【００３７】
折り線と強化リボンの縁の間に、産業標準の板紙の厚さである約０．０３０インチ（０．７６ｍｍ）の距離があると、折り線に沿ってカートン素材を妨げられずに折り曲げられる一方、強化リボンによって提供される構造的強化にほとんど、または全く影響を与えないことが判明している。約０．０３０インチ（０．７６ｍｍ）の距離は、図１に示すような標準的な板紙作製機械で本発明の方法を実施する場合、容易に達成され、維持されることも判明している。言うまでもなく、用途に固有の要件に従って、好ましい距離以外の距離を選択してもよく、任意の適切な距離は本発明の範囲に入るものとする。さらに、用途によっては、強化リボンを、折り線に隣接する箇所以外で、板紙ウェブに貼り付けてもよい。これらの場合、リボンの縁と折り線との距離は、一般に重要ではない。
【００３８】
図６ａから図６ｈは、本発明の方法を使用して、強化リボンを板紙ウェブに貼り付けた多くの予想される形状の幾つかを例示するために提供される。これらの図はそれぞれ、強化リボンを貼り付けたウェブの断面図であり、縦方向に延在する折り線が一部の図に入っている。これらの図は、必ずしも実際のカートン素材に対応する形状を表すものではなく、強化リボンの多くの予想される形状を幾つか説明する上で、明快さを期して選択された、概して単純化した図であることを理解されたい。この点に関しても、板紙ウェブおよび強化リボンの厚さは、例示の明快さを期して、図６ａから図６ｈでは概して誇張されている。
【００３９】
図６ａでは、板紙ウェブは、自身に積層され、ベースシートの対向する端部分に沿って延在する強化用板紙リボン６７を有するベースシート６６を形成する。強化リボン６７の内側縁に沿い、これに隣接して延在する折り線６８をベースシートに刻み、カートンの形成時にベースシートの折り曲げを容易にする。図６ａと同様の強化リボンの形状は、例えば図３に示す素材５１などのカートン素材を形成する場合に選択することができる。
【００４０】
図６ｂは、図６ａと同様であるが、相互に積層された第１板紙シート７１および第２板紙シート７２から形成された二重の厚さの板紙ベースシート６９を有する、予想される形状を示す。強化リボン７３が、ベースシート６９の対向する端部分に沿って貼り付けられ、折り線７４は、折り曲げを容易にするためベースシートに刻まれる。図１を参照すると、図６ｂと同様の形状は、例えば板紙の全幅の第２ロールを、マンドレル１６のすぐ上流にあるマンドレル１８に装着することにより、本発明の方法で製造することができる。あるいは、厚さ２倍の積層ウェブのロールを、別個のプロセスで事前に製造し、マンドレル１６に装着してもよい。
【００４１】
図６ｃは、さらに向上した構造的完全性を必要とする区域に、さらに強化を提供するため、強化リボンの複数の積層を重ねて貼り付けられることを示す。この図では、３本の積み重ねた強化リボン７８を、ベースシート７６の対向する端部分に沿って貼り付け、複数積層の強化細片７７を形成する。このような形状は、強化リボンが個々のロールから引き出されるにつれ、相互に重なるよう、連続するマンドレル１８上で強化リボンのロール１９を相互に整列させることにより、図１に示す方法で形成することができる。あるいは、予め積層した多層強化リボンのロールを事前に製造し、同様の結果を獲得するために、所望に応じてマンドレル１８に装着してもよい。
【００４２】
図６ｄは、本発明の方法を使用して、板紙ウェブの幅を横断する選択位置に、複数の強化リボンを貼り付ける機能を示す。ここでは、３本の強化リボン８１を板紙ベースシート８２に貼り付け、２本はベースシートの対向する端部分に沿って、１本は端部分の中間に貼り付ける。図６ｄの強化リボン８１は、ほぼ同じ幅で図示されているが、完成した板紙カートンの望ましい形状および強化要件によって、各リボンが異なる幅を有し、ベースシートの幅を横断する望ましい位置に配置してよいことが理解される。強化リボンの選択的配置は、強化リボンのロール１９をマンドレル１８の幅の横方向に選択的に配置することにより、図１に示す方法で達成される。
【００４３】
図６ｅは、選択的に配置した多層強化リボンを板紙ベースシートに貼り付けられることを示す。多層の強化リボン８４をベースシート８２に相互に重ねて貼り付けて、強化細片８３を形成し、その１本はベースシートの対向する端部分それぞれに沿って延在し、１本は縁部分の中間に配置される。言うまでもなく、任意の数の細片８３を貼り付け、各リボン８４およびその結果生じる細片８３を所望の幅にし、細片をベースシート８２の幅を横断する所望の位置に貼り付けることができる。
【００４４】
図６ｆは、多層強化リボンで形成された複数の強化細片を、ベースシートの縁部分の中間にある選択位置に貼り付けられることを示す。それぞれが複数層の強化リボン８８で形成された複数の強化細片８７を、ベースシート８６の選択された位置で、その縁部分に沿っては延在しない位置に貼り付ける。
【００４５】
図６ｇは、ベースシート８９に貼り付けた１本または複数の強化細片９１が、多層の強化リボン９２および９３で形成され、強化リボン９３が強化リボン９２の幅より小さい幅を有する、本発明の方法で可能な形状を示す。用途に固有の要件により、この方法で、任意の数の層があるリボンを貼り付けて多層強化細片を形成し、細片の各リボンが細片の他のリボンの幅とは異なる幅を有することができる。図６ｇでは、比較的狭い強化リボン９４を、縁の中間にある選択位置でベースシート８９に貼り付ける。したがって、それぞれが異なる幅を有する複数の強化リボンを、本発明の方法で、ベースシートの幅を横断する所望の位置に貼り付けることができる。
【００４６】
図６ｈは、例えばＬ字ブラケット、補強材および仕切材など、カートンの内部構造を形成するため、本発明の方法のユニークな適用例を示す。リボン９７を、本発明の方法により、ベースシート９６に貼り付ける。しかし、この場合、方法は、リボンを板紙ウェブに接着する前に、リボンの片側のみに沿って接着剤を塗布することを含む。リボン９７は、自身内に刻んだ折り線１０１を有し、折り線はリボンを第１区画９８と第２区画９９に分離する。接着剤を第１区間９８に塗布し、これはベースシート９６に接着され、第２区間９９は矢印１０２で示すように、折り線１０１に沿って自由に折り曲げられ、ベースシート９６から離れる方向に突出する。
【００４７】
リボン９７の折り線１０１は、刻み目付与ステーション２４（図１）で刻むか、あるいはリボンをロール１９に巻き付ける前に、予め刻み目を入れてもよい。いずれの場合も、リボンの第２部分９９は、最終的カートンで内部に延在する構造として機能する。接着剤を図６ｈに示すように、リボン９７の一部のみに提供する方法は、板紙産業で知られ、例えばリボンが製造ライン１１（図１）に沿って前進するにつれ、選択された部分のリボンのマスキング技術および／または接着剤噴霧を含むことができる。
【００４８】
図７は、本発明の方法により製造することができるカートンの多くの予想される形状の１つを示す。カートン１０６は、例えばキャンディバーなどの食品の出荷および展示用容器もあるが、本発明により製造したカートン素材から加工し、前後の壁１０７、端壁１０８、および床１１０を有する。カートンの前後壁１０７は、壁１０７を形成するパネルの内側に加えた板紙強化用リボン１０９で構造的に強化される。したがって、カートン１０６の前後壁１０７は、強化リボンの結果として、向上した強度および剛性を呈する。これらの特性は、例えば製品を梱包した場合にカートンの積重ね可能性を強化したり、輸送中に破裂しないようにしたり、カートンの隅または高い応力がかかる位置に耐引裂き性を提供したりするために望ましい。
【００４９】
さらに、本発明によると、カートン１０６の後壁１０７にある強化リボン１０９は、カートンの内側に見える印が予め印刷されていることが分かる。したがって、本発明の方法は、カートンの内側に印を表示したい場合に、カートンのベースシートに両面印刷をする要件を削除することができる。図７では、印１０１は節約クーポンとして図示されているが、例えば説明、コンテストの規則、特殊な図案など、任意の形態の印を設けることができる。さらに、強化リボンが予め印刷されているので、コーティングまたは下塗りを施した印刷面を設けることができ、それによって強化リボンに高品質の図案を印刷することができる。これは、上述したように、使用可能な印刷品質が多少制限されていた以前の内部印刷より、経済的に改良されている。
【００５０】
印の印刷に加えて、またはその代わりに、強化リボンは、所望に応じて防湿または他のタイプのコーティングで予めコーティングしてもよい。このような場合、本発明の方法は、従来は別個の個々に挿入されたライナーを伴い供給されていた洗剤箱など、カートンの代替品として使用するため、効率的に生産したライナー付きカートンを製造するのに使用することができる。
【００５１】
図８は、本発明の方法により製造した強化板紙カートンの別の形状を示す。カートンの端部を断面図で示し、カートンの内部の構造的構成要素をさらによく示す。カートン１１６は、フルーツ飲料を梱包するカートンとして図示され、概して長方形の形状で、折り線１２５に沿って折り曲げられて、側壁１１７、底壁１１８および上壁１１９を画定する。上壁１１９は、フラップ１２０と１２１を重ねることによって形成され、これは接着剤などの適切な手段で相互に固定され、所望に応じて取っ手を形成するために切取り部１２２を設けてもよい。側壁１１７は、個々のパネル１２４で形成された外面を有する。強化リボン１２３は、これも板紙で製造することが好ましく、本発明によるカートンの内側で側壁パネル１２４に貼り付けられ、側壁１１７の内面を形成する。前述したように、強化リボン１２３は、側壁１１７の構造的完全性を向上して、安定性およびカートンの耐破裂性のため、カートンの側部の強度および剛性を上げる。少なくとも１本の強化リボン１２３に、カートンの内側に露出し、製品をカートンから取り出すにつれて消費者に見えるようになる印１２７を印刷してあるのが見える。
【００５２】
板紙の仕切材および補強材１２６は、図６ｈに関して上述したように、カートン１１６の内側の下壁１１８および上壁１１９に貼り付けられる。仕切材および補強材はそれぞれ、本発明の方法により貼り付けた板紙のリボンから形成され、個々の壁に接着した第１部分１２９、およびカートンの内側に延在するよう折り曲げられる第２部分またはフラップ１２８を有する。フラップ１２８は、上下の壁に構造的剛性を提供するか、カートンに梱包される商品にスペーサまたは保護セパレータを提供する、あるいはその両方を提供するよう機能する。実際、以前は別個の高価なインサートによって提供されていた多種多様なカートンの内部構造を、本発明の方法を使用して経済的、効率的、およびほぼ自動的に製造することができる。
【００５３】
本発明を、本明細書では好ましい実施形態および方法について説明し、これは発明者に知られた本発明を実施する最適のモードを表す。しかし、請求の範囲で述べる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、好ましい実施形態に特に含まれない同等要素の多くの追加、削除、変形、および置換が行えることが、当業者には理解される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 好ましい形態で本発明の原理を実現する、強化された板紙カートン素材を製造する方法の斜視図である。
【図２】 図１に示す方法で製造したカートン素材の輪郭を示す断面図である。
【図３】 本発明の原理を実現する板紙カートン素材で可能な形状の斜視図である。
【図４】 本発明による強化板紙カートン素材の一部を示し、隣接する強化用リボンの縁に対する刻み目線の好ましい配置を示す断面図である。
【図５】 素材をカートンに加工した時の姿で、素材をその折り線に沿って折り曲げた状態の、図３の強化板紙カートン素材の一部の断面図である。
【図６ａ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｂ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｃ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｄ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｅ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｆ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｇ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図６ｈ】 強化用材料のリボンを板紙のベースシートに適用した予想される形状を示す、本発明の方法により製造したカートン素材の断面図である。
【図７】 本発明の一実施形態により、強化用材料のリボンに印を予め印刷した結果を示す、本発明の原理を実現するカートンの一形状の斜視図である。
【図８】 本発明の方法で形成したカートンで予想される別の形状を示し、本発明の様々な態様を示す斜視部分断面図である。

Claims (22)

1. 上壁と、底壁と、二つの側壁と、選択的に強化されたパネルとを有する板紙カートンを製造する方法であって、
   （ａ）段ボールではない板紙のウェブを経路に沿って前進させるステップを含み、段ボールではない板紙のウェブは、ある幅と、それぞれ複数のパネルとなる複数の長手方向に延在するパネル部分とを有し、長手方向に延在するパネル部分は、完成された板紙カートンにおいて折り線によって分けられ、さらに、
   （ｂ）強化材料の少なくとも第１リボン及び第２リボンを、前進する、段ボールではない板紙のウェブに漸進的に適用するとともに接着剤を塗布するステップを含み、第１リボン及び第２リボンはそれぞれ、段ボールではない板紙のウェブの幅より小さい幅を有するとともに、第１リボンは、ウェブの選択された長手方向に延在する第１パネル部分の略全面であって、かつ、当該第１パネル部分を越えない位置に接着され、第２リボンは、ウェブの選択された長手方向に延在する第２パネル部分の略全面であって、かつ、当該第２パネル部分を越えない位置に接着され、第１リボン及び第２リボンは、折り線とは交わらず、さらに、
   （ｃ）段ボールではない板紙のウェブを切断して、カートンの上壁、底壁及び二つの側壁に対応するパネルを有するカートン素材を形成するステップと、
   （ｄ）カートン素材を、商品を受けるカートンに形成するステップとを含み、カートンは内側及び外側を有し、第１リボン及び第２リボンが、カートンを強化すると共にカートンの内側に位置する方法。
2. ステップ（ｂ）で、第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも１本の強化材料のリボンが、段ボールではない板紙である、請求項１に記載の方法。
3. ステップ（ｂ）が、さらに、強化材料の第１リボン及び第２リボンを経路に沿って前進させるステップと、接着剤を前進する第１リボン及び第２リボンに塗布するステップと、第１リボン及び第２リボンを前進する、段ボールではない板紙のウェブに漸進的に係合させ、第１リボン及び第２リボンをウェブに接着するステップとを含む、請求項１に記載の方法。
4. 長手方向に延在するパネル部分が第１縁パネル部分及び第２縁パネル部分を含み、第１縁パネル部分及び第２縁パネル部分は、板紙のウェブの対向する縁部分に沿って延在し、少なくとも第１リボンが、当該第１縁パネル部分の略全面であって、かつ、当該第１縁パネル部分を越えない位置に配置される、請求項１に記載の方法。
5. ステップ（ｂ）が、さらに、強化材料の追加リボンを、強化材料の第１リボン又は第２リボンのいずれか一方の上に適用し、接着して、長手方向に延在するパネル部分に厚さ２倍の強化材料を形成することを含む、請求項１に記載の方法。
6. 段ボールではない板紙のウェブが、対向する縁と、当該対向する縁の中間にあり長手方向に延在する中間パネル部分とを有し、
   折り線は、第１折り線及び第２折り線を含み、
   長手方向に延在する中間パネル部分が、第１折り線及び第２折り線の間に延在し、
   第１リボンが、中間パネル部分の略全面であって、かつ、当該中間パネル部分を越えない位置に配置される、請求項１に記載の方法。
7. さらに、強化材料の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも１本に印を印刷するステップを含み、印がステップ（ｄ）において形成されたカートンの内部から視認できる、請求項１に記載の方法。
8. ステップ（ｂ）で、強化材料の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも１本に、段ボールではない板紙のウェブに適用、接着する前に印を印刷する、請求項７に記載の方法。
9. さらに、段ボールではない板紙のウェブの長手方向に延在するパネル部分を分ける折り線を刻むステップを含み、それに沿ってステップ（ｄ）でカートン素材を折り曲げ、カートンを形成する、請求項１に記載の方法。
10. 強化材料の第１リボン又は第２リボンが縁を有し、折り線を刻むステップが、第１リボン又は第２リボンの縁に隣接して少なくとも１本の折り線を形成することを含む、請求項９に記載の方法。
11. ステップ（ｂ）で、強化材料の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも１本が板紙のトリム（切断片）を備える、請求項１に記載の方法。
12. ステップ（ｂ）で、強化材料の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも１本が板紙のカル（仕様外品）を備える、請求項１に記載の方法。
13. 請求項１に記載の方法で製造した、強化された板紙カートン。
14. 上壁と、底壁と、二つの側壁と、内側と、外側とを有するカートンを形成するために折り畳まれる板紙カートン素材を製造する方法であって、
    （ａ）段ボールではない板紙のウェブを経路に沿って前進させるステップを含み、段ボールではない板紙のウェブは、カートンを作成するためにカートン素材を折り畳んだ時にカートンの内側に位置する第１表面と、ある幅とを有するとともに、それぞれ複数のパネルとなる複数の長手方向に延在するパネル部分を有し、長手方向に延在するパネル部分は、完成されたカートン素材の折り線によって分けられ、
    （ｂ）少なくとも強化材料の第１リボン及び第２リボンを、前進する、段ボールではない板紙のウェブの第１表面に積層するステップを含み、第１リボン及び第２リボンは、それぞれ段ボールではない板紙のウェブの幅より小さい幅を有し、第１リボンは、段ボールではない板紙のウェブの長手方向に延在する第１パネル部分の略全面であって、かつ、当該第１パネル部分を越えない位置に配置されて接着され、第２リボンは、段ボールではない板紙のウェブの長手方向に延在する第２パネル部分の略全面であって、かつ、当該第２パネル部分を越えない位置に配置されて接着され、第１リボン及び第２リボンは、折り線とは交わらず、さらに、
    （ｃ）段ボールではない板紙のウェブおよび積層された第１リボン及び第２リボンを、長さに亘って、カートンの上壁と、底壁と、二つの側壁とに対応するパネルを有するカートン素材に切断するステップを含み、第１リボン及び第２リボンが、カートンを形成するためにカートン素材を折り畳んだ時にカートンの内側に位置してカートン素材を補強する方法。
15. ステップ（ｂ）で、強化材料の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも一本が板紙である、請求項１４に記載の方法。
16. 板紙の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも一本が板紙トリム（切断片）である、請求項１５に記載の方法。
17. 板紙の第１リボン又は第２リボンのうち少なくとも一本が板紙のカル（仕様外品）である、請求項１５に記載の方法。
18. ステップ（ｂ）が、強化材料の第１リボン及び第２リボンを経路に沿って前進させるステップと、接着材を強化材料の第１リボン及び第２リボンに塗布するステップと、第１リボン及び第２リボンをウェブに接触させて第１リボン及び第２リボンをウェブに接着するステップとを含む、請求項１４に記載の方法。
19. 少なくとも第１縁パネル部分が、段ボールではない板紙のウェブの対向する縁に沿って延在し、強化材料の第１リボンが、第１縁パネル部分内に位置する、請求項１４に記載の方法。
20. 段ボールではない板紙のウェブが対向する縁を有し、第１パネル部分が当該対向する縁の中間にあるウェブに沿って延在し、強化材料の第１リボンが、第１パネル部分内に適用される、請求項１４に記載の方法。
21. 強化材料の追加リボンが、強化材料の第１リボン又は第２リボンの上に適用されて、長手方向に延在するパネル部分内に多層の強化材料を形成する、請求項１４に記載の方法。
22. 請求項１４に記載の方法によって製造する板紙カートン素材。

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