JP4267811B2 - アンテナダイバーシチ受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナダイバーシチ受信装置に関し、特に、スペクトラム拡散方式を用いた移動無線通信端末装置等におけるマルチパス合成を行うアンテナダイバーシチ受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に従来のアンテナダイバーシチ受信装置の信号合成部を示す。該受信装置において、二つのアンテナ11−10,11−20に入力された無線信号に対して、それぞれアンテナ毎の無線部11−11,11−21により低雑音増幅及び直交復調等を行い、アナログ/ディジタル(A/D)変換器11−12,11−22によりディジタル信号に変換し、各パス(パス#0〜パス#N−1)毎に逆拡散した後、各パス毎の逆拡散信号を合成部11−4により合成して復調信号を出力する。このように、スペクトラム拡散方式の受信装置では、マルチパス信号をパス毎に分離して逆拡散した後に合成するレイク(Rake)合成という操作を行って復調信号の精度を高めている。
【0003】
上記のようなスペクトラム拡散方式の受信装置において、二つのアンテナを使用してアンテナダイバーシチ受信を行う場合、両アンテナからのアナログ/ディジタル(A/D)変換後の信号(以下「A/D変換信号」という。)を用い、サーチャ11−3によりパスを検出し、該パスの検出タイミングを基に逆拡散タイミングを決定する。
【0004】
そして、各パス毎に該逆拡散タイミングを基準タイミングとして、各アンテナ毎のデータ用逆拡散部11−13,11−23により、受信データ信号の逆拡散を行う。なお、図11の構成例は、両アンテナからの信号に対して共通の逆拡散タイミングで逆拡散を行っているが、各アンテナからの信号に対して各アンテナ毎に逆拡散タイミングを決定して逆拡散を行う構成のものもある。
【0005】
両アンテナからのA/D変換信号は、データ用逆拡散部11−13,11−23による逆拡散と共に、各アンテナ毎のチャネル推定用逆拡散部11−14,11−24により、それぞれパイロットパターン信号に対して逆拡散を行い、該逆拡散信号をそれぞれの重み係数算出部11−15,11−25に出力する。
【0006】
重み係数算出部11−15,11−25は、以下に説明する重み係数を算出し、該重み係数算出部11−15,11−25で算出された重み係数を、データ用逆拡散部11−13,11−23で逆拡散された受信データ信号に乗じて重み付けを行い、該重み付けを行ったアンテナ毎及びパス毎の逆拡散受信データ信号を、合成部11−4により合成して復調信号を出力する。
【0007】
重み係数算出部11−15,11−25では、一般に、各パス毎の希望信号の大きさ、又は希望信号の大きさと干渉電力の逆数との積を重み係数として算出する。希望信号の大きさと干渉電力の逆数との積を重み係数として重み付けを行って合成する方法は、最大比合成と呼ばれ、各パス及び各アンテナ間の干渉成分に相関が無い場合、最大比合成した信号の信号電力対干渉電力比(SIR)は最大となる。
【0008】
図12に従来の重み係数算出部の構成例を示す。重み係数算出部は、前述のチャネル推定用逆拡散部からパイロットパターン信号の逆拡散信号(複素数)を入力し、パイロットパターンキャンセル部12−1により、パイロットパターンを例えば全て“1”のパターン等に変換してパイロットパターンをキャンセルし、平均化部12−2によりその一定シンボル数の平均値(チャネル推定平均値)を算出し、2乗演算部12−3により該平均値の2乗を算出する。
【0009】
また、チャネル推定用逆拡散部からの各パイロットパターン信号の逆拡散信号(複素数)を、2乗演算部12−4によりその二乗値を求め、該二乗値(各シンボルの電力)を平均化部12−5によりその一定シンボル数の平均(各シンボルの電力平均)を算出し、該電力平均から前述のチャネル推定平均値の2乗を減算することにより、信号の分散(干渉電力)を求める。
【0010】
該信号の分散(干渉電力)はスムージング部12−6により、過去の情報を使って平均化され、該平均化した干渉電力を逆数変換部12−7により逆数に変換し、該逆数を前述のチャネル推定平均値に乗じることにより、重み係数(複素数)を算出する。そして、該重み係数(複素数)の複素共役を、前述の逆拡散受信データ信号に乗じ、チャネル伝搬路の影響を除去する。
【0011】
このように、希望信号の大きさと干渉電力の逆数との積を重み係数として重み付けを行って逆拡散信号を合成した信号は、干渉成分に相関が無い場合、信号電力対干渉電力比(SIR)は最大となるが、干渉成分に相関を生じることがあり、その場合は信号電力対干渉電力比(SIR)が最大とならない。
【0012】
例えば、図13の(a)に示すように、基地局13−3から移動無線通信端末装置(移動機)のダイバーシチアンテナ13−1,13−2ヘ、それぞれ二つのパス(アンテナ13−1へはパス11とパス12、アンテナ13−2へはパス21とパス22)から信号が到達する伝搬環境について考察する。
【0013】
ここで、パス11は伝搬路係数α1 ,遅延時間τ1 、パス12は伝搬路係数α2 ,遅延時間τ2 、パス21は伝搬路係数β1 ,遅延時間τ1 、パス22は伝搬路係数β2 ,遅延時間τ2 であるとする。アンテナ13−1において、パス12はパス11に対してτ2 −τ1 遅延し、同様にアンテナ13−2において、パス22はパス21に対してτ2 −τ1 遅延する。
【0014】
図13の(b)はこのような伝搬環境における逆拡散のタイミング関係を示す。(b−1)は逆拡散符号列、(b−2)はパス11の受信信号、(b−3)はパス12の受信信号、(b−4)はパス21の受信信号、(b−5)はパス22の受信信号、のそれぞれのタイミングを示す。
【0015】
そして、パス11及びパス12によるアンテナ13−1の受信信号を、パス11の逆拡散タイミングで逆拡散した場合、及びパス21及びパス22によるアンテナ13−2の受信信号を、パス21の逆拡散タイミングで逆拡散した場合、パス12及びパス22の受信信号を逆拡散した信号v2 はどちらも、以下の(式1)となる。
【0016】
【数1】
但し、vT,k は送信信号、pk は逆拡散符号を表し、正しいタイミングで逆拡散すると希望信号が復元される。
【0017】
干渉信号は上記の(式1)による逆拡散信号v2 に伝搬路の係数を掛けた信号成分と雑音との和となる。従って、パス12の雑音をvN,1 、パス22の雑音をvN,2 とすると、アンテナ13−1の干渉信号vI,1 及びアンテナ13−2の干渉信号vI,2 は、
vI,1 =α2 v2 +vN,1 、
vI,2 =β2 v2 +vN,2
となり、雑音成分vN,1 ,vN,2 を除くと、パス12の伝搬路係数α2 及びパス22の伝搬路係数β2 によって、両アンテナ間の干渉信号の相関が決定される。
【0018】
即ち、両アンテナからの信号間で同じ逆拡散タイミングで逆拡散する場合、干渉成分については、伝搬路の影響が無ければ全く同じになり、伝搬路の影響のみで両アンテナ間の干渉成分の相関が決まる。そのため、伝搬路のフェージング変化が速い場合、両アンテナ間の干渉成分の相関は、伝搬路条件の変化により減少するが、フェージング変化が遅い場合、長い時間に亙って同じ伝搬路の状態が続くため、即ち伝搬路係数α2 ,β2 に変動が無いため、両アンテナ間の干渉信号の相関が大きいものとなる。
【特許文献1】
特開平7−240708号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
スペクトラム拡散方式の直交符号を用いた移動通信システムの移動無線通信端末装置等において、下りチャネル信号を2つのアンテナでダイバーシチ受信する場合、両アンテナのマルチパス信号を同じタイミングで逆拡散して合成する際に、上述したように両アンテナ間の干渉信号に相関を生じることがあり、該両アンテナからの受信信号を単純に最大比合成したのでは、信号電力対干渉電力比(SIR)が最大とならないことがある。
【0020】
合成される信号の干渉成分に相関が無い場合、お互いの干渉成分を用いて干渉成分をキャンセルすることができない。しかし、アンテナダイバーシチ受信を行い、2つのアンテナからの信号に対して同じ逆拡散タイミングで逆拡散する場合、干渉成分間の相関を利用して干渉成分をキャンセルすることができる。
【0021】
本発明は、上記スペクトラム拡散方式の移動通信システムにおける移動無線通信端末装置等において、ダイバーシティ受信用アンテナ間の干渉成分の相関を考慮して合成することにより、信号電力対干渉電力比(SIR)を最大とすることができるアンテナダイバーシチ受信装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のアンテナダイバーシチ受信装置は、(1)スペクトラム拡散信号を2つの受信アンテナで受信し、該2つのアンテナで受信した各マルチパス信号を、各パスに対応する各逆拡散タイミングで逆拡散してから合成するアンテナダイバーシチ受信装置において、該各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に、該各パスについて該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出する変換係数算出手段と、前記各逆拡散タイミングにおける各逆拡散後の信号に該変換係数を乗じて干渉信号の相関が低減された前記2つのアンテナに対応する信号に変換する変換手段と、該変換手段により変換された後の信号を合成する合成手段と、を備えたものである。
【0023】
また、(2)該各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出する変換係数算出手段と、両アンテナの受信信号及びチャネル推定用逆拡散信号から、周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び干渉電力を算出する算出手段と、該変換係数、雑音電力及び干渉電力を基に、合成後の信号対干渉電力比が最大となる重み係数を算出する重み係数算出手段と、該重み係数を前記逆拡散後の信号に乗じて重み付けを行った信号を合成する合成手段と、を備えたものである。
【0024】
また、(3)変換係数算出手段は、最も大きなパスのチャネル推定値を基に、該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、移動無線通信端末装置等に用いられる本発明のアンテナダイバーシチ受信装置の主要構成部を示す。同図は2つのアンテナのマルチパス信号を同じ逆拡散タイミングで逆拡散して合成するアンテナダイバーシチ受信装置の構成を示す。
【0026】
該アンテナダイバーシチ受信装置において、第1及び第2のアンテナ1−1,1−2に入力された無線信号に対して、それぞれ無線受信部1−11,1−21により低雑音増幅及び直交復調等を行い、アナログ/ディジタル(A/D)変換器1−12,1−22によりディジタル信号に変換し、該両アンテナの受信信号のA/D変換信号を用い、サーチャ1−3によりパスを検出し、該パスの検出タイミングを基に逆拡散タイミングを決定する。
【0027】
そして、各パス毎の逆拡散部1−4により上記の逆拡散タイミングを基準タイミングとして、各アンテナの受信信号の逆拡散を行う。逆拡散部1−4は、パイロットパターン信号等のチャネル推定用信号を逆拡散した信号を変換係数・重み係数生成部1−5に出力し、データ信号を逆拡散した信号を信号変換・合成部1−6へ出力する。
【0028】
変換係数・重み係数生成部1−5は、チャネル推定値を基に、干渉成分の相関が除去されるように変換係数・重み係数を算出し、該係数を信号変換・合成部1−6へ送出する。信号変換・合成部1−6は、干渉相関が除去されるよう、変換係数・重み係数生成部1−5から生成される係数を、データ信号の拡散信号に掛け合わせ、各アンテナ及び各パスの信号を合成し、該合成信号を信号処理部1−7へ出力する。
【0029】
信号処理部1−7は、信号変換・合成部1−6から出力された合成信号の符号を復号化する処理等を行って、その出力信号をディスプレイ装置又はスピーカ等へ送出する。また、キーボード又はマイク等からの信号は送信部1−8で直交変調及び電力増幅等が行われた後、アンテナ共用器1−9を介してアンテナ1−2から送信される。
【0030】
図2に干渉成分のアンテナ間の相関を考慮して干渉を除去する簡単な具体例を示す。同図の(a)は第1のアンテナ#1で第1のパス11(伝搬路係数α1 )により希望信号が受信され、第2のパス12(伝搬路係数α2 )により干渉成分が受信された様子を示す。また、同図の(b)は第2のアンテナ#2で第1のパス21(伝搬路係数β1 )により希望信号が受信され、第2のパス22(伝搬路係数β2 )により干渉成分が受信された様子を示す。
【0031】
このような場合、アンテナ#1で受信した信号は同図(c)に示すようにそのままとし、アンテナ#2で受信した信号の干渉成分を、同図(d)に示すようにアンテナ#1の受信信号の干渉成分と打ち消し合うように回転させる。該回転は、アンテナ#2の受信信号に変換係数を乗じ、アンテナ#2の受信信号を変換することにより行う。そして、同図(c)及び(d)に示す信号を合成することにより、同図(e)に示すように干渉成分が除去された信号を合成することができる。
【0032】
図2の例のように干渉成分が零となる場合は、信号電力対干渉電力比(SIR)は無限大となる。雑音成分を含むような場合でも、両アンテナの干渉成分の相関を基に干渉成分が互いに打ち消し合う変換を行った後、適当な重み係数で合成することで、合成信号の信号対干渉電力比を最大とすることができる。
【0033】
図3は上記の干渉を無相関とする信号変換を行う本発明の実施形態を示す。同図において、第1及び第2のアンテナ1−1,1−2、無線部1−11,1−21、A/D変換器1−12,1−22、サーチャ1−3は前述の図1に同符号で示したものと同様である。前述の図1の逆拡散部1−4は、図3においてデータ用逆拡散部1−13,1−23及びチャネル推定用逆拡散部1−14,1−24に相当する。
【0034】
各アンテナ対応のA/D変換器1−12,1−22から出力されるA/D変換信号は、それぞれ、アンテナ対応の各データ用逆拡散部1−13,1−23及び各チャネル推定用逆拡散部1−14,1−24に入力され、各データ用逆拡散部1−13,1−23では、それぞれ対応するアンテナのA/D変換信号のデータ信号を逆変換する。
【0035】
また、チャネル推定用逆拡散部1−14,1−24は、パイロットパターン信号等のチャネル推定用信号の逆拡散を行い、パスサーチャ1−3で検出した全てのパスについてその伝搬路係数を推定し、該伝搬路係数(チャネル推定値)を変換係数生成部1−50へ入力する。
【0036】
変換係数生成部1−50では、チャネル推定値を用い、後述する演算を行って両アンテナ間の干渉信号の相関を無くす変換係数を求める。その変換係数は、データ用変数変換部1−6A及びチャネル推定用変数変換部1−6Bに入力され、データ用変数変換部1−6Aは該変換係数を用い、各アンテナ毎の逆拡散データ信号(変数)の変換を行う。
【0037】
また、同様に前述の変換係数を用い、チャネル推定用変数変換部1−6Bは、各アンテナ毎の逆拡散パイロットパターン信号(変数)の変換を行う。該変換された各アンテナ毎の逆拡散パイロットパターン信号は、それぞれ各アンテナ対応の重み係数算出部1−51,1−52に入力される。
【0038】
前述の変換係数生成部1−50における変換係数の生成について、まず、全てのパスを考慮した場合の変換係数の算出について説明する。この場合の変換係数の算出フローを図4に示す。変換係数生成部1−50には、各アンテナ対応にチャネル推定用信号の逆拡散信号が入力され、該逆拡散信号により各パスのチャネル推定値を求める(ステップ4−1)。ここで、αi ,βi は、各アンテナ1−1,1−2の、それぞれi番目のパスのチャネル推定値とする。
【0039】
変換係数生成部1−50は、チャネル推定値αi ,βi から、各アンテナのn番目のパスの逆拡散信号v1,n ,v2,n に対する変換係数bn,1,1 ,bn,1,2 ,bn,2,1 ,bn,2,2 を、以下の(式2)により算出する(ステップ4−2)。
【0040】
【数2】
【0041】
上記(式2)により算出される変換係数bn,1,1 ,bn,1,2 ,bn,2,1 ,bn,2,2 を、各アンテナのn番目のパスの逆拡散信号v1,n ,v2,n に、以下の(式3)のように乗じることによって、逆拡散信号v1,n ,v2,n は、干渉の相関の無い信号u1,n ,u2,n へと変換される。
【0042】
【数3】
但し、「* 」は複素共役を表す。
【0043】
次に、最も大きなパスの干渉の相関のみを考慮した場合の変換係数の算出について説明する。この場合の変換係数の算出フローを図5に示す。変換係数生成部1−50には、各チャネルのチャネル推定用の逆拡散信号が入力され、該逆拡散信号により各パスのチャネル推定値を求める(ステップ5−1)。
【0044】
次に、変換係数生成部1−50でチャネル推定値の電力(両アンテナの合計電力)が最も大きくなるパスを探し出す(ステップ5−2)。ここで、最も大きなチャネル推定値の電力となったパスがk番目のパスであったとする。そのパスの干渉の相関のみを考慮した変換係数bn,1,1 ,bn,1,2 ,bn,2,1 ,bn,2,2 は、以下の(式4)により生成する(ステップ5−3)。
【0045】
【数4】
【0046】
図6は上記(式2)又は(式4)によって算出される変換係数を使って上記(式3)による変数変換を行う変数変換部の構成を示す。変数変換部は、アンテナ#1の受信信号の逆拡散信号v1 と変換係数b1,1 の複素共役を乗じる乗算器6−1と、アンテナ#2の受信信号の逆拡散信号v2 と変換係数b1,2 の複素共役を乗じる乗算器6−2と、アンテナ#1の受信信号の逆拡散信号v1 と変換係数b2,1 の複素共役を乗じる乗算器6−3と、アンテナ#2の受信信号の逆拡散信号v2 と変換係数b2,2 の複素共役を乗じる乗算器6−4とを備える。
【0047】
また、乗算器6−1と乗算器6−2の出力を加算する加算器6−5と、乗算器6−3と乗算器6−4の出力を加算する加算器6−6とを備える。各加算器6−5,6−6から変換信号が出力される。
【0048】
上記(式3)による変換を行ったチャネル推定用変数変換部1−6Bからの出力信号は、図3に示す各アンテナ対応の重み係数算出部1−51,1−52に入力され、該重み係数算出部1−51,1−52では該入力信号を用い、例えば、前述の図12に示した構成により重み係数を算出する。
【0049】
そして、上記(式3)による変換を行ったデータ用変数変換部1−6Aからの各アンテナ対応の出力信号に、アンテナ対応の重み係数算出部1−51,1−52から出力される重み係数を乗じ、該重み付けを行った信号を合成部1−6Cに出力し、合成部1−6Cは各パス毎に同様の処理を行った信号の全てを加算して合成し、復調信号として出力する。
【0050】
重み係数の算出手法として、前述したようなパス毎に決定する手法の外に、全てのパスのチャネル推定値を求めると共に、周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び自セルの干渉電力を求め、両アンテナの相関を考慮して合成した後の信号対干渉電力比が最大となるように求めることもできる。
【0051】
図7は上記重み係数の算出を行って干渉を無相関とする本発明の実施形態を示し、図8に該重み係数の算出のフロー図を示す。図7に示すように、重み係数生成部7−1は、A/D変換後の信号と各パス毎のチャネル推定用逆拡散信号とを用いて、重み係数を生成し、該重み係数を各パス毎の各受信アンテナの逆拡散信号に掛けて重み付けを行い、該重み付けを行った逆拡散信号を合成部により合成し、信号を復調する。
【0052】
上記重み係数生成部7−1における重み係数の算出は、図8のフロー図に示す通り、各パスのチャネル推定用逆拡散信号を基に、各パスのチャネル推定値を求め(ステップ8−1)、また、該各パスのチャネル推定用逆拡散信号とA/D変換信号とを基に、周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び自セルからの干渉電力を求め(ステップ8−2)、以下の(式5)を用いて重み係数wn,1 ,wn,2 を算出する(ステップ8−3)。
【0053】
【数5】
【0054】
ここで、bn,1,1 ,bn,1,2 ,bn,2,1 ,bn,2,2 は、前述の(式2)で求めた値である。干渉電力2σI 2 Σ|αi |2 及び雑音電力2σN 2 を算出する手段の一例を図9に示す。該算出手段には、A/D変換信号及びチャネル推定用逆拡散信号が入力され、A/D変換信号の電力平均(9−1)、チャネル推定用逆拡散信号の電力平均(9−2)及びチャネル推定平均値の2乗(9−3)を算出する。
【0055】
A/D変換信号は拡散された全ての成分を含み、逆拡散された信号の干渉成分は、拡散したパスの成分以外を含むことを利用して、A/D変換信号の電力平均(9−1)から逆拡散された信号の干渉成分の電力(9−4)を引くことにより、当該パスのチャネル推定値の電力倍された干渉電力(9−5)を求めることができる。
【0056】
次に、全パスのチャネル推定値の電力(9−6)に当該パスのチャネル推定値の電力(9−3)の逆数(9−7)を掛けた全パス対当該パスのチャネル推定値電力比(9−8)を、干渉電力(9−5)に掛けて干渉電力2σI 2 Σ|αi |2 を求め、A/D変換信号の電力平均(9−1)からこの干渉電力2σI 2 Σ|αi |2 を引くことで雑音電力2σN 2 を求める。
【0057】
また、前述の図7に示す実施形態において、図10に示す算出フローに従って最も大きなパスの干渉成分の相関のみを考慮して重み係数を算出する構成とすることができる。即ち、各チャネルのチャネル推定用の逆拡散信号から各パスのチャネル推定値を求め(ステップ10−1)、また、該チャネル推定用の逆拡散信号とA/D変換信号とから、周辺セルからの干渉を含む雑音電力と自セルからの干渉電力を求める(ステップ10−2)。
【0058】
次に、チャネル推定値の電力(両アンテナの合計電力)が最も大きくなるパスを探し出す(ステップ10−3)。そして、そのパス情報と上記ステップ10−2による周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び自セルからの干渉電力から、(式5)を用いて、重み係数を算出する(ステップ10−4)。この場合、(式5)におけるbn,1,1 ,bn,1,2 ,bn,2,1 ,bn,2,2 b,j,kは、(式4)により与えられる値である。
【0059】
(付記1) スペクトラム拡散信号を2つの受信アンテナで受信し、マルチパス信号を、同一逆拡散タイミングで逆拡散して合成するアンテナダイバーシチ受信装置において、各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に両アンテナ間の干渉信号の相関を無くす変換係数を算出する手段と、前記逆拡散後の信号に該変換係数を乗じて干渉信号の相関が無い信号に変換する手段と、該干渉信号の相関の無い信号に変換した後の信号を合成する合成手段と、を備えたこと特徴とするアンテナダイバーシチ受信装置。
(付記2) 前記干渉信号の相関の無い信号に変換したチャネル推定用信号の干渉電力を求め、該干渉電力で正規化したチャネル推定値より重み係数を算出する手段を備え、前記合成手段は、該重み係数を干渉信号の相関の無い信号に変換した信号に乗じて重み付けした信号を合成することを特徴とする付記1に記載のアンテナダイバーシチ受信装置。
(付記3) スペクトラム拡散信号を2つの受信アンテナで受信し、マルチパス信号を、同一逆拡散タイミングで逆拡散して合成するアンテナダイバーシチ受信装置において、各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に両アンテナ間の干渉信号の相関を無くす変換係数を算出する手段と、両アンテナの受信信号及びチャネル推定用逆拡散信号から、周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び干渉電力を算出する手段と、該変換係数、雑音電力及び干渉電力を基に、合成後の信号対干渉電力比が最大となる重み係数を算出する手段と、該重み係数を前記逆拡散後の信号に乗じて重み付けを行った信号を合成する手段と、を備えたこと特徴とするアンテナダイバーシチ受信装置。
(付記4)前記変換係数を算出する手段は、最も大きなパスのチャネル推定値を基に、両アンテナ間の干渉信号の相関を無くす変換係数を算出することを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載のアンテナダイバーシチ受信装置。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スペクトラム拡散方式の移動通信システムにおける移動無線通信端末装置等において、ダイバーシティ受信用アンテナ間の干渉成分の相関を無くす変換又は重み付けを行って合成することにより、信号電力対干渉電力比(SIR)が最大となるアンテナダイバーシチ受信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナダイバーシチ受信装置の主要構成部を示す図である。
【図2】本発明の干渉成分のアンテナ間の相関を考慮して干渉を除去する具体例を示す図である。
【図3】干渉を無相関とする信号変換を行う本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明による全てのパスの干渉の相関を考慮した変換係数の算出フロー図である。
【図5】本発明による最も大きなパスの干渉の相関のみを考慮した変換係数の算出フロー図である。
【図6】本発明による変数変換部の構成を示す図である。
【図7】干渉を無相関とする重み付けを行う本発明の実施形態を示す図である。
【図8】本発明による全てのパスの干渉の相関を考慮した重み係数の算出のフロー図である。
【図9】本発明による重み係数算出に用いる干渉電力及び雑音電力導出部の構成を示す図である。
【図10】本発明による最も大きなパスの干渉の相関のみを考慮した重み係数の算出のフロー図である。
【図11】従来のアンテナダイバーシチ受信装置の信号合成部を示す図である。
【図12】従来の重み係数算出部の構成例を示す図である。
【図13】アンテナダイバーシチ受信の伝搬環境及び逆拡散タイミングの関係を示す図である。
【符号の説明】
1−1 第1のアンテナ
1−2 第2のアンテナ
1−11,1−21 無線受信部
1−12,1−22 アナログ/ディジタル(A/D)変換器
1−3 サーチャ
1−4 逆拡散部
1−5 変換係数・重み係数生成部
1−6 信号変換・合成部
1−7 信号処理部
1−8 送信部
1−9 アンテナ共用器
Claims (3)
- スペクトラム拡散信号を2つの受信アンテナで受信し、該2つのアンテナで受信した各マルチパス信号を、各パスに対応する各逆拡散タイミングで逆拡散してから合成するアンテナダイバーシチ受信装置において、
該各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に、該各パスについて該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出する変換係数算出手段と、
前記各逆拡散タイミングにおける各逆拡散後の信号に該変換係数を乗じて干渉信号の相関が低減された前記2つのアンテナに対応する信号に変換する変換手段と、
該変換手段により変換された後の信号を合成する合成手段と、
を備えたこと特徴とするアンテナダイバーシチ受信装置。 - スペクトラム拡散信号を2つの受信アンテナで受信し、該2つのアンテナで受信した各マルチパス信号を、各パスに対応する逆拡散タイミングで逆拡散してから合成するアンテナダイバーシチ受信装置において、
該各パスのチャネル推定値を求め、該チャネル推定値を基に該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出する変換係数算出手段と、
両アンテナの受信信号及びチャネル推定用逆拡散信号から、周辺セルからの干渉を含む雑音電力及び干渉電力を算出する算出手段と、
該変換係数、雑音電力及び干渉電力を基に、合成後の信号対干渉電力比が最大となる重み係数を算出する重み係数算出手段と、
該重み係数を前記逆拡散後の信号に乗じて重み付けを行った信号を合成する合成手段と、
を備えたこと特徴とするアンテナダイバーシチ受信装置。 - 前記変換係数算出手段は、最も大きなパスのチャネル推定値を基に、該2つの両アンテナ間の干渉信号の相関を小さくする変換係数を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナダイバーシチ受信装置。
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