JP4260317B2 - 画像形成装置の転写部材及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ,プリンタ等の電子写真装置又は静電記録装置等において使用される画像形成装置の転写部材、及びこの部材を装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置の転写用に供される部材として、ポリウレタンフォーム部材が注目されており、転写ローラ等の弾性を有するローラなどの形態で用いられている。転写部材は、感光体や中間転写材等の画像担持体から普通紙等の記録媒体に、トナー等の現像剤を転写するための部材であり、所定の硬度や電気特性を有することが求められるので、電解質やカーボンブラック等の導電性粒子を含有するポリウレタンフォームを充当することが好ましい。
ポリウレタンは、液状ポリイソシアネート成分と液状ポリオール成分とを反応硬化させることにより製造される。ポリウレタンをフォーム体とする方法としては、この反応硬化時に窒素ガス等の気体を吹き込みながら機械的攪拌により気体を巻き込む方法(メカニカルフロス法)、ポリオール成分に水を添加し、水とポリイソシアネート成分との反応により炭酸ガスを発生させる方法(水発泡法)、フロン類や低沸点炭化水素類等の低沸点の液体をポリオール成分に添加し、反応硬化時の温度上昇によりこの低沸点の液体を気化させる方法(発泡剤フロス法)等の方法がある。
メカニカルフロス法により、ポリウレタンフォームからなるローラなどの転写部材を製造するには、あらかじめ金属製のシャフトなどを配置し、予熱した内面が円筒状の金属モールドに、機械的攪拌により発泡させたポリウレタン原料を注型し、反応硬化させればよい。また、金属モールドにポリウレタン原料を注型し、機械的攪拌を加えながら反応硬化させてもよい。水発泡法により、ポリウレタンフォームからなるローラなどの転写部材を製造するには、まず、例えば内寸が1m×1m×1mの型枠にポリウレタン原料を高さ0.1mほど注ぎ、この原料が発泡すると共に膨張し、硬化することにより、1m×1m×1m程度のポリウレタンフォームブロックが得られる。次に、得られたブロックを所定のサイズに裁断し、穴を開け、シャフトを圧入し、切削又は研磨などの工程を経てローラなどの転写部材が製造される。
なお、フロン類を用いる発泡剤フロス法は、オゾン層を保護する観点から、また、低沸点炭化水素類を用いる発泡剤フロス法は、製造所における危険物管理の観点から、いずれも転写部材のポリウレタンフォームの製造には用いられていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにして作製された転写部材を画像形成装置に装着して使用した場合、感光体や中間転写体等の画像担持体上に転写されずに残存しているトナー等の現像剤が転写部材の表面に付着し、付着した現像剤が転写部材を長期間使用する間に変質して画像担持体表面を汚染し、このため画像不良が引き起こされるという問題があった。この問題を解決する方法として、画像担持体をクリーニングするための部材を画像形成装置に装着する方法、転写部材自体をクリーニングするための部材を画像形成装置に装着する方法、あるいは画像形成装置の運転プロセスに転写部材をクリーニングするプロセスを組み込む方法などが提案されているが、転写部材自体のクリーニング性を更に向上させる方法の開発が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ポリウレタンフォームからなる転写部材の特性である、所定の硬度において所定の電気特性を有するという特性を保持しつつ、ポリウレタンフォームからなるクリーニング性の向上した転写部材を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリオールとポリイソシアネートを主原料として生成されるポリウレタンフォームからなる画像形成装置の転写部材に、ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料を塗装して転写部材の表面タック性を低下させることにより、上記目的を効果的に達成できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネートを主原料として生成されるポリウレタンフォームからなる部材に、ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料を塗装したことを特徴とする画像形成装置の転写部材、及びこの転写部材を装着してなる画像形成装置を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置の転写部材は、ポリオールとポリイソシアネートを主原料として生成されるポリウレタンフォームからなるものである。ポリウレタン原料を構成するポリイソシアネートとしては、芳香族イソシアネート又はその誘導体、脂肪族イソシアネート又はその誘導体、脂環族イソシアネート又はその誘導体が用いられる。これらの中で芳香族イソシアネート又はその誘導体が好ましく、特にトリレンジイソシアネート又はその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート又その誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネート又はその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネート,2,6−トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物,これらのウレア変性物,ビュレット変性物,カルボジイミド変性物,ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。
ジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体としては、例えばジアミノジフェニルメタン又はその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。またこれらのジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体を変性して得られた誘導体、例えばポリオール等で変性したウレタン変性物,ウレチジオン形成による二量体,イソシアヌレート変性物,カルボジイミド/ウレトンイミン変性物,アロハネート変性物,ウレア変性物,ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
【0006】
ポリウレタン原料を構成するポリオール成分としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール,ポリテトラメチレンエーテルグリコール,酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール,カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール,ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールは、例えば、水,プロピレングリコール,エチレングリコール,グリセリン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオール,トリエタノールアミン,ジグリセリン,ペンタエリスリトール,エチレンジアミン,メチルグルコジット,芳香族ジアミン,ソルビトール,ショ糖,リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水,プロピレングリコール,エチレングリコール,グリセリン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が2〜95重量%が好ましく、より好ましくは5〜90重量%である。そして末端にエチレンオサイドが付加しているものが好ましく用いられる。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの配列は、ランダムであるのが好ましい。
このポリエーテルポリオールの分子量は、水,プロピレングリコール,エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、特に400〜3000の範囲のものが好ましい。また、グリセリン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、特に1500〜6000の範囲のものが好ましい。また、2官能のポリオールと3官能のポリオールを適宜ブレンドして用いることもできる。
【0007】
ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えばテトラヒドロフランのカチオン重合によって得られ、重量平均分子量が400〜4000のもの、特に650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。更に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましく、この場合、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとの比率が重量比で95:5〜20:80の範囲になるように用いるのが好ましく、特に90:10〜50:50の範囲になるように用いるのが好ましい。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やそれらの誘導体を併用することができる。
【0008】
ポリオールをポリイソシアネートによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとポリイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとポリイシソシアナートの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30重量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15重量%である。イソシアネートの含有率が4重量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30重量%を超えると、プレポリマー化されていないポリイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。
ポリオールをあらかじめポリイソシアネートによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
【0009】
ポリウレタン原料には、電解質等の導電剤、カーボンブラック等の導電材、カーボンブラックや無機炭酸塩等の充填材、フェノールやフェニルアミン等の酸化防止剤、低摩擦化剤、電荷調整剤などを添加することができる。
ポリウレタン原料の硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン,ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン,テトラメチルプロパンジアミン,テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン,ペンタメチルジプロピレントリアミン,テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン,ジメチルピペラジン,メチルエチルピペラジン,メチルモルホリン,ジメチルアミノエチルモルホリン,ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール,ジメチルアミノエトキシエタノール,トリメチルアミノエチルエタノールアミン,メチルヒドロキシエチルピペラジン,ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル,エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート,ジブチル錫ジアセテート,ジブチル錫ジラウレート,ジブチル錫マーカプチド,ジブチル錫チオカルボキシレート,ジブチル錫ジマレエート,ジオクチル錫マーカプチド,ジオクチル錫チオカルボキシレート,フェニル水銀プロピオン酸塩,オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
本発明においては、ポリウレタン原料にシリコーン整泡剤や各種界面活性剤を配合することが、フォーム材のセルを安定させるために好ましい。シリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合物等が好適に用いられ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分からなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,両性等のイオン系界面活性剤や各種ポリエーテル,各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリウレタン材料100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることが更に好ましい。
シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリウレタン原料100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることが更に好ましい。
【0011】
本発明で用いるポリウレタンフォームは、密度が0.2〜0.8g/cm3 であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.6g/cm3 である。また、ポリウレタンフォームのアスカーC硬度は20〜65°が好ましく、より好ましくは25〜45°である。
本発明において、ポリウレタン原料をあらかじめ発泡させる方法としては、従来から用いられているメカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法等の方法を用いることができるが、密度0.2〜0.8g/cm3 、アスカーC硬度20〜65°のポリウレタンフォームを得る点から、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌発泡させるメカニカルフロス法が好ましい。ここで、メカニカルフロス法において用いる不活性ガスは、ポリウレタン反応において不活性なガスであればよく、ヘリウム,アルゴン,キセノン,ラドン,クリプトン等の狭義の不活性ガスの他、窒素,二酸化炭素,乾燥空気等のポリウレタン原料と反応しない気体が挙げられる。
発泡させたポリウレタン原料を金属モールド等に注型し、硬化させることにより、金属モールドに接した部分に自己スキン層(薄い層状の皮膜)が形成されたポリウレタンフォームを得ることができる。その際、金属モールドの内面をフッ素樹脂等でコーティングする等の方法により、金属モールドに離型性を付与することができる。
【0012】
本発明で用いるポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料は、ポリウレタン微粒子を水に懸濁させたものである。ポリウレタン微粒子の粒子径は0.1〜0.8μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3μmであり、ポリウレタン微粒子の使用量は、不揮発分の割合が3〜70重量%となる量が好ましく、より好ましくは8〜50重量%となる量である。懸濁させる方法としては、ポリウレタンの分子構造を最適化することにより自己乳化性を持たせる方法や、界面活性剤等の乳化剤を添加する方法などが挙げられるが、自己乳化による方法が最も好ましい。
【0013】
ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料は、耐湿性を持たせるために架橋することが好ましく、架橋法としては、自己乳化型ポリイネシアネートやブロックイソシアネートにより架橋する方法、メラミンにより架橋する方法、シランカップリグ剤により架橋する方法などが挙げられが、製造プロセスにおける架橋剤原料のポットライフの点から、シランカップリング剤により架橋する方法が最も好ましい。シランカップリング剤による架橋方法は、ポリウレタン鎖の末端や側鎖がシランカップリング剤によりシリル化反応し、更にシランカップリング剤同士の反応により架橋構造を形成するものと考えられている。本発明で用いることができるシランカップリング剤は、その構造が、アミノシラン,イソシアネートシラン,メタクリルシラン,メルカプトシラン等のものであり、ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料に用いられるポリウレタン微粒子の分子構造に水酸基が残存する場合はイソシアネートシラン構造のものが好ましく、イソシアネート基が残存する場合はアミノシラン構造のものが好ましい。
【0014】
ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料には、塗膜表面の摩擦係数を低下させるためにフッ素微粒子を配合することが好ましい。このフッ素微粒子の粒子径は0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。フッ素微粒子の配合量は、樹脂(ポリウレタン微粒子)重量比で0.1〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%である。
また、ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料には、転写部材の電気特性を調整するために導電性微粒子を配合することが好ましい。導電性微粒子としては、ガスブラック,オイルファーネスブラック等のカーボンブラックや導電性亜鉛華等の導電性金属酸化物を用いることができ、カーボンブラックが最も好ましい。カーボンブックとしては、窒素ガス吸着法により測定した比表面積が8〜1500m2 /g、ジブチルフタレート吸油量が25〜500ミリリットル/100gのものが好ましく、比表面積はより好ましくは20〜900m2 /g、ジブチルフタレート吸油量はより好ましくは27〜370ミリリットル/100gである。なお、ジブチルフタレート吸油量は、JIS K6221に準拠して測定した値である。
ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料をポリウレタンフォームからなる転写部材に塗装する方法としては、スプレー塗装、ロール塗装、ディップ塗装などの方法が挙げらる。塗装膜の厚さは8〜400μmが好ましく、10〜250μmがより好ましい。
【0015】
本発明の転写部材は、転写ローラなどの形態で用いることができる。転写ローラの構造としては、硫黄快削鋼にニッケルメッキ又は亜鉛メッキ等を施したシャフト等の金属製シャフトを、ポリウレタンフォームで被覆したものなどが例示される。
図1は、本発明の転写部材を転写ローラとして装着した電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図であって、現像剤供給部材(トナー供給用ローラ)3と潜電潜像を保持した画像形成体1との間に現像剤担持体(現像ローラ)2がその外周面を画像形成体1の表面に近接させた状態で配設され、かつ画像形成体1に紙などの記録媒体8を介して、転写部材(転写ローラ)5を当接させた構造を示している。現像剤供給部材3,現像剤担持体2および画像形成体1を矢印方向に回転させることにより、現像剤(トナー)が現像剤供給部材3により、現像剤担持体2の表面に供給され、現像剤層形成ブレード4によって均一な薄層に整えられたのち、画像形成体1上の潜像に付着し、該潜像が可視化される。そして画像形成体1と転写部材(転写ローラ)5との間に電界を発生させることにより、画像形成体1上の現像剤(トナー)画像を記録媒体8に転写させる。また、6はクリーニング部材(クリーニングローラ)であり、このクリーニング部材6により、転写後に画像形成体1表面に残留する現像剤が除去される。なお、7は帯電部材(帯電ローラ)である。
画像形成装置として具体的には、普通紙複写機、普通紙ファクシミリ機、レーザビームプリンタ、トナージェットプリンタなどが例示される。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ジフェニルメタンジイソシアネートとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとグリコール変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物であり、イソシアネート含有率が26.2重量%であるイソシアネート成分24.6重量部と、グリセリンを出発物質としてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合した重量平均分子量5000のポリエーテルポリオール60重量部、分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール40重量部、水酸基価が56mgKOH/gである反応性シリコーン整泡剤4重量部、黒色顔料2.5重量部、電解質としてエチル硫酸変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム0.4重量部及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01重量部からなるポリオール成分を混合し、ポリウレタン原料を調製した。このポリウレタン原料にミキサーにより機械的に攪拌して乾燥空気を混入し、発泡させた。この発泡ポリウレタン原料を、内径17.0mm、長さ210.0mm、端部にシャフトを貫通させるための穴が設けられ、かつシャフトを支持するための金属製キャップが設置されている金属製円筒状割りモールドに注型した。このモールドの内部には、硫黄快削鋼に亜鉛メッキを施した外径6.0mm、長さ240mmのシャフトに接着剤を塗布して配置されている。
次いで、発泡ポリウレタン原料が注型されたモールドを90℃に調整した熱風オーブン中に4時間放置し、発泡ポリウレタン原料を硬化させた。硬化したポリウレタンフォームをモールドから取り外し、外径が16.5mmとなるように砥石で研磨し、次いで両端部を裁断してフォーム部分の全長を210mmとし、ポリウレタンフォーム製の転写ローラを製造した。ポリウレタンフォームの密度は0.50g/cm3 、アスカーC硬度は40°であった。
次にこのローラを100℃に調整した熱風オーブン中で30分間予熱し、室温23℃、相対湿度50%の環境下で、窒素ガス吸着法により測定した比表面積が61m2 /gで、かつジブチルフタレート吸油量が125ミリリットル/100gであるカーボンブラックを含む水性ポリウレタン自己乳化型塗料(不揮発分40重量%)とイソシアネートシラン型シランカップリング剤とを重量比95:5で混合した懸濁液をローラ表面にスプレー塗装した。次いで、室温23℃、相対湿度50%の環境下で、1時間乾燥させた後、100℃の熱風オーブン中で30分間乾燥させ、転写ローラを作製した。塗装膜の厚さは25μmであった。
この転写ローラの電気抵抗(ローラ抵抗)は室温23℃、相対湿度50%において、測定電圧1000Vで108.0 Ωであった。なお、ローラ抵抗の測定は、ローラの両端に各500gの荷重を掛けて銅板上に押し付け、抵抗率計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、1000Vの電圧を印加することにより行った。
また、この転写ローラの重量を測定した後、ローラ表面にスチレンアクリル樹脂系トナーをまぶし、次いで電気掃除機を用いてトナーを除去し、再度転写ローラの重量を測定することにより、残存トナー量を測定した。ポリウレタンフォーム部分の表面積で規格化した残存トナー量は0.74mg/cm2 であった。残存トナー量は、後述する比較例1の転写ローラと比べて半分以下であり、得られた転写ローラは、トナークリーニング性が改善されたものであることがわかる。
上記転写ローラを図1に示す画像形成装置に組み込み、温度23℃、相対湿度50%において48時間放置し、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、いずれも良好な画像が得られた。次いで画像形成装置の電源を入れたまま、温度23℃、相対湿度50%において2年間放置し、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、いずれも良好な画像が得られた。
【0017】
比較例1
ポリウレタンフォームからなるローラを水性ポリウレタン自己乳化型塗料で塗装しない以外は、実施例1と同様にして転写ローラを作製した。ポリウレタンフォームの密度は0.50g/cm3 、アスカーC硬度は40°、ローラ抵抗は室温23℃、相対湿度50%において、測定電圧1000Vで107.9 Ωであった。実施例1と同様にして測定した残存トナー量は1.75mg/cm2 であった。
実施例1と同様にして、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、いずれも良好な画像が得られた。次いで画像形成装置の電源を入れたまま、温度23℃、相対湿度50%において2年間放置し、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、グレースケール画像において、転写ローラが圧接していたと思われる位置で線状に画像不良が発生した。画像形成装置から感光体を取り出してローラ表面を観察したところ、転写ローラが圧接していたと思われる位置にトナーが固着していた。このトナーは、転写ローラ表面に残存していたトナーが感光体に固着したものと推定され、この固着により画像不良が引き起こされたものと思われる。
【0018】
実施例2
円筒形金属モールドとして内径が16.5mmのものを用いてポリウレタンフォーム製ローラを作製し、その表面を研磨しない以外は、塗装も含めて実施例1と同様にして転写ローラを作製した。この転写ローラは、ポリウレタンフォーム表面が研磨されていないので自己スキン層付きのものである。ポリウレタンフォームの密度は0.50g/cm3 、アスカーC硬度は43°、ローラ抵抗は室温23℃、相対湿度50%において、測定電圧1000Vで107.8 Ωであった。実施例1と同様にして測定した残存トナー量は0.06mg/cm2 であった。残存トナー量は、比較例1の転写ローラと比べて著しく低下しており、得られた転写ローラは、トナークリーニング性が顕著に改善されたものであることがわかる。
実施例1と同様にして、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、いずれも良好な画像が得られた。次いで画像形成装置の電源を入れたまま、温度23℃、相対湿度50%において2年間放置し、グレースケール、黒ベタ及び白ベタ画像を印刷させたところ、いずれも良好な画像が得られた。
【0019】
【発明の効果】
本発明の転写部材は、クリーニング性に優れるものであるため、感光体等の画像形成体を汚染することがなく、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において用いた場合、長期間にわたり良好な画像を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写部材を転写ローラとして装着した電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:画像形成体
2:現像剤担持体
3:現像剤供給部材
4:現像剤層形成ブレード
5:転写部材
6:クリーニング部材
7:帯電部材
8:記録媒体
Claims (10)
- ポリオールとポリイソシアネートを主原料として生成されるポリウレタンフォームからなる部材に、ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料であってシランカップリング剤により架橋された塗料を塗装したことを特徴とする画像形成装置の転写部材。
- ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料が、フッ素微粒子を含有するものである請求項1記載の転写部材。
- ポリウレタンの水性エマルジョンからなる塗料が、導電粒子を含有するものである請求項1又は2記載の転写部材。
- 導電性粒子がカーボンブラックである請求項3記載の転写部材。
- ポリウレタンフォームが、密度0.2〜0.8g/cm3のものである請求項1〜4のいずれかに記載の転写部材。
- ポリウレタンフォームが、アスカーC硬度20〜65°のものである請求項1〜5のいずれかに記載の転写部材。
- ポリウレタンフォームが、メカニカルフロス法により発泡されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の転写部材。
- ポリウレタンフォームが、自己スキン層を有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の転写部材。
- 転写部材が転写ローラである請求項1〜8のいずれかに記載の転写部材。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の転写部材を装着してなる画像形成装置。
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