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JP4258239B2 - Method for manufacturing organic EL element and method for manufacturing organic EL panel - Google Patents

Method for manufacturing organic EL element and method for manufacturing organic EL panel Download PDF

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JP4258239B2
JP4258239B2 JP2003079700A JP2003079700A JP4258239B2 JP 4258239 B2 JP4258239 B2 JP 4258239B2 JP 2003079700 A JP2003079700 A JP 2003079700A JP 2003079700 A JP2003079700 A JP 2003079700A JP 4258239 B2 JP4258239 B2 JP 4258239B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネセンス)素子の製造方法、複数の有機EL素子が基板上に配列されてなる有機ELパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子はアノード、EL層、カソードの順に積層された積層構造を為しており、アノードとカソードの間に正バイアス電圧が印加されるとEL層において発光する。このような有機EL素子を画素として基板上にマトリクス状に配列して、各有機EL素子を所定の階調輝度で発光することによって画像表示を行う有機EL表示パネルが実現化されている。
【0003】
特許文献1には、有機EL素子の製造方法について記載されている。この文献に記載された製造方法では、アノード上に光触媒含有層を形成した後、この光触媒含有層をパターン状に露光することによって濡れ性の相違によるパターンを形成し、光触媒含有層に有機化合物含有液を湿式塗布することによってEL層を形成し、EL層上にカソードを形成する。この方法では、光触媒含有層の露光された部分は濡れ性が向上し、露光されていない部分は濡れ性が低いから、露光された部分にEL層が形成される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−237069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光触媒含有層を露光して、露光部分の濡れ性が向上したものとしても、まだ濡れ性が十分に高いとは言えない。従って、露光部分全体に有機化合物含有液が滲まないことがあり、有機化合物含有液が乾燥して形成されたEL層は、露光部分の中央で厚くなり、周辺で薄くなってしまい、EL層の成膜不良が発生する。
そこで、本発明の目的は、有機化合物含有液をより濡れやすくし、EL層を確実に成膜することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図2に示すように、
基板(例えば、透明基板17)上に第一電極(例えば、アノード13)、少なくとも一層以上のEL層(例えば、EL層15)、第二電極(例えば、カソード16)の順に積層してなる有機EL素子(例えば、有機EL素子11)を製造する有機EL素子の製造方法において、
表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下となる前記第一電極を前記基板上に形成する第一電極形成工程と、
前記EL層の材料を含有した有機化合物含有液に対してなじむ親液性膜(例えば、パターン膜14の親液性領域14a)を前記第一電極上に形成する工程と、前記親液性膜上に前記有機化合物含有液を塗布することによって前記EL層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の有機EL素子の製造方法において、前記第一電極形成工程には、EB蒸着法によって表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下の前記第一電極を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の有機EL素子の製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極にソフトエッチングを施すことによって前記第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の有機EL素子の製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極に対してブラスト法を行うことによって前記第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の有機EL素子の製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極上に膜厚10〜20Åの無機物層を成膜する工程と、前記無機物層をマスクとして前記第一電極にエッチングを施す工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、例えば図1〜図2に示すように、
複数の有機EL素子(例えば、有機EL素子11,11,…)が基板(例えば、透明基板17)上に配列されてなる有機ELパネル(例えば、有機EL表示パネル10)を製造する有機ELパネルの製造方法において、
表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下となる複数の第一電極(例えば、アノード13,13,…)を前記基板上に間隔を空けて形成する第一電極形成工程と、
活性光線の被照射によって有機化合物含有液に対する濡れ性が向上する濡れ性可変層(例えば、濡れ性可変層14’)を、前記複数の第一電極をまとめて被覆するように形成する工程と、
前記濡れ性可変層のうちそれぞれの前記第一電極に重なった領域に、前記濡れ性可変層を変性するための活性光線を照射する工程と、
前記濡れ性可変層のうちそれぞれの前記第一電極に重なった領域に有機化合物含有液を塗布することでそれぞれの前記第一電極上に、前記表面粗さRaの二倍以上の厚さで少なくとも一層以上のEL層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法において、前記第一電極形成工程には、EB蒸着法によって表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下の前記複数の第一電極を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極にソフトエッチングを施すことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極に対してブラスト法を行うことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法において、前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極上に膜厚10〜20Åの無機物層を成膜する工程と、前記無機物層をマスクとして前記複数の第一電極にエッチングを施すことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項1〜10に記載の発明では、第一電極の表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下であるため、第一電極上に形成されるとともに活性光線に照射された部分又は第一電極上に形成された親液性膜が接触角25°以下となり、より有機化合物含有液に対してなじみやすく、有機化合物含有液がより良く濡れる。そのため、有機化合物含有液が親液性膜又は露光された部分全体に滲み、EL層の成膜不良を抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、『平面視して』とは、『透明基板12(後述)に対して垂直な方向に見て』という意味である。
【0023】
図1は、本発明が適用された製造方法により製造された有機EL表示パネル10の平面図であり、図2は、図1に示された切断線S1−S2で破断して示した断面図である。
【0024】
有機EL表示パネル10は、画素が平面視してマトリクス状に配列されており、アクティブマトリクス駆動方式によりマトリクス表示を行うものである。この有機EL表示パネル10では、一つの画素につき一つの有機EL素子11と一つの画素回路が設けられている。画素回路は、周辺ドライバ(図示略)から信号線51及び走査線52を介して信号を入力し、入力した信号に従って有機EL素子11に流れる電流をオン・オフしたり、有機EL素子11の発光期間中に電流値を保持することで有機EL素子11の発光輝度を一定に保ったりするように設けられている。画素回路は、一つにつき少なくとも一つ以上のトランジスタから構成され、適宜コンデンサも付加されることもあるが、図1においては一例として画素回路が二つのトランジスタ21,21から構成されたものとする。
【0025】
有機EL表示パネル10は平板状の透明基板12を有しており、透明基板12の表面12a上には、横方向に延在した複数の走査線52,52,…が形成されている。走査線52,52,…は、平面視して、ほぼ等間隔となって互いに平行に配列されている。走査線52,52,…は、導電性を有しており、透明基板12の表面12a一面に成膜されたゲート絶縁膜23によって被膜されている。このゲート絶縁膜23上には、縦方向に延在した複数の信号線51,51,…が形成されており、平面視して信号線51,51,…は走査線52,52,…に対して直交している。信号線51,51,…も、平面視して、ほぼ等間隔となって互いに平行に配列されている。
【0026】
透明基板12の表面12aには、複数のトランジスタ21,21,…が形成されている。各トランジスタ21は、ゲート電極22、ゲート絶縁膜23、半導体膜24、不純物半導体膜25,26、ドレイン電極27、ソース電極28から構成されており、これらが積層されてなるMOS型電界効果薄膜トランジスタである。ゲート絶縁膜23は、透明基板12の表面12a一面に成膜されており、全てのトランジスタ21,21,…に共通した層となっている。
【0027】
トランジスタ21,21,…は保護絶縁膜18によって被覆されている。平面視して、保護絶縁膜18は、信号線51,51,…及び走査線52,52,…に重なるようにして網目状に形成されている。平面視して、保護絶縁膜18が網目状に形成されることで、保護絶縁膜18によって囲繞された複数の囲繞領域19,19,…が透明基板12上にマトリクス状に配列されたように形成される。保護絶縁膜18は、酸化シリコン(SiO2)及び窒化シリコン(SiN)といった無機珪素化物で形成されている。
【0028】
次に、有機EL素子11について説明する。有機EL素子11は、透明基板12側から第一電極であるアノード13、有機化合物からなるEL層15、第二電極であるカソード16の順に積層した積層構造となっている。アノード13は、可視光に対して透過性を有するとともに導電性を有し、比較的仕事関数の高いものである。アノード13は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
【0029】
平面視して、アノード13,13,…は信号線51,51,…と走査線52,52,…に囲まれた領域にそれぞれ配設されており、アノード13、13,…が互いに間隔をあけて且つマトリクス状になってゲート絶縁膜23上に配列されている。
【0030】
また、平面視して、アノード13,13,…は囲繞領域19,19,…にそれぞれ対応して臨んでいる。平面視して、囲繞領域19の面積がアノード13の面積より小さく、囲繞領域19がアノード13内に配されており、アノード13の外周部は保護絶縁膜18に重なっている。この例では、アノード13がトランジスタ21のソース電極28に接続されているが、画素回路の回路構成によっては他のトランジスタやコンデンサにアノード13が接続されていても良い。
【0031】
アノード13,13,…上にはパターン膜14が全ての有機EL素子11,11,…に共通して成膜されており、パターン膜14が形成される前のアノード13,13,…それぞれの中心線平均粗さRaは0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下である(つまり、EL層15の厚さをt〔nm〕としたら、0.5≦中心線平均粗さRa≦t/2)。中心線平均粗さRaがEL層15の総厚の半分を超えると、アノード13の凸部でのEL層15の厚さがアノード13の凹部でのEL層15の厚さより極端に薄くなってしまい、電界が集中してアノード13とカソード16とがショートしてしまう恐れがある。パターン膜14は、透明基板12一面に形成されており、アノード13,13,…とともに保護絶縁膜18も被覆している。パターン膜14は、アノード13,13,…に重なっている領域において有機化合物含有液に対してなじんで有機化合物含有液が40°以下の接触角で濡れる性質(以下、「親液性」を示すという。)を備えた親液性領域14a,14a,…と、保護絶縁膜18に重なっている領域において有機化合物含有液をはじいて有機化合物含有液が50°以下の接触角で濡れる性質(以下、「撥液性」を示すという。)を備えた撥液性領域14bと、にパターン化されている。つまり、パターン膜14においては、撥液性領域14bが平面視して網目状に形成されており、親液性領域14a,14a,…が撥液性領域14bに囲繞されるようにマトリクス状に形成されている。平面視して、親液性領域14aの面積は囲繞領域19の面積よりも大きく、親液性領域14a内に囲繞領域19全体が含まれている。
【0032】
パターン膜14の親液性領域14aは非常に薄く、その厚さは0.0nmより厚く且つ1nm以下である。有機化合物含有液とは、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体を含有した液であり、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体が溶質として溶媒に溶けた溶液であっても良いし、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体が液体に分散した分散液であっても良い。このとき、有機化合物含有液は有機材のような親油性を示すものであっても水のような親水性を示すものであってもよい。
【0033】
平面視して、EL層15,15,…は、マトリクス状に配列されており、親液性領域14a,14a,…上にそれぞれ成膜されている。
【0034】
各EL層15は、有機化合物である発光材料で形成された層であって、アノード13から注入された正孔とカソード16から注入された電子を再結合させることで励起子を生成して発光する層である。また、各EL層15には、電子輸送性の物質が適宜混合されていても良いし、正孔輸送性の物質が適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送性の物質が適宜混合されていても良い。
【0035】
各EL層15は、アノード13から順に正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層となる三層構造であったり、アノード13から順に正孔輸送層、狭義の発光層となる二層構造であったり、狭義の発光層からなる一層構造であったり、これらの層構造において適切な層間に電子或いは正孔の注入層が介在した積層構造であったりする。EL層15は、有機化合物含有液を塗布すること(つまり、湿式塗布法)によって成膜される。EL層15の厚さは、アノード13の中心線平均粗さRaの二倍以上である。
【0036】
カソード16は、全てのEL層15,15,…を被覆するように透明基板12一面に連続して形成されている。カソード16は、少なくとも仕事関数の低い材料を含み、具体的にはマグネシウム、カルシウム、リチウム若しくはバリウムや希土類からなる単体又はこれらの単体を少なくとも一種を含む合金で形成されている。更に、カソード16が積層構造となっていても良く、例えば、上述のような低仕事関数材料で形成された膜上にアルミニウム、クロム等高仕事関数で且つ低抵抗率の材料で被膜した積層構造でも良い。また、カソード16は可視光に対して遮光性を有するのが望ましく、さらに、EL層15から発する可視光に対して高い反射性を有するのが望ましい。つまり、カソード16が可視光を反射する鏡面として作用することで、光の利用効率を向上することができる。
【0037】
以上のように、パターン膜14及びカソード16は、全ての有機EL素子11,11,…に共通した層となっており、アノード13及びEL層15が有機EL素子11ごとに独立して形成されている。
【0038】
次に、図3及び図4を用いて有機EL表示パネル10の製造方法について説明する。
まず、スパッタ法、PVD法及びCVD法等といった成膜工程、フォトリソグラフィー法等といったマスク工程、エッチング法等といった薄膜の形状加工工程を適宜行うことによって、信号線51,51,…及び走査線52,52,…をパターニング形成するとともに、画素ごとにアノード13及びトランジスタ21,21を透明基板12の表面12a上にパターニング形成する(図3(a))。ここで、アノード13及びトランジスタ21をパターニング形成するに際して、トランジスタ21のソース電極28とアノード13が接続されるように、レジストでマスクする。
【0039】
また、アノード13,13,…を形成するに際して、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)からなる透明導電層をゲート絶縁膜23一面に成膜するが、特にEB蒸着法(電子ビーム蒸着法)によって透明導電層を成膜する。EB蒸着法によって透明導電層を成膜すると、透明導電層の表面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となる。透明導電層の成膜後に透明導電層にマスクを施し、マスクに従って透明導電層をエッチング等によって形状加工し、マスクを除去すると、中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるアノード13,13,…がマトリクス状にパターニングされる。
アノード13の中心線平均粗さRaは、アノード13の表面の平均的凹凸の程度を示すものであり、アノード13の略面方向の所定の方向の直線軸をx軸とし、アノード13の略面の法線方向の軸をy軸としたとき、アノード13の表面の凹凸となる粗さ曲線f(x)は、以下の式(a)で表される。
y=f(x) …(a)
で表すことができる。
ここで、アノード13のx軸方向に、位置0から位置sまでの(x軸方向に基準長さsの)粗さ曲線f(x)を抜き取り、アノード13の表面が描く曲線から粗さ曲線f(x)までの偏差の2乗和が最小となる粗さ曲線f(x)の平均線となる。粗さ曲線f(x)の平均線に平行な直線であって、且つこの平行な直線と粗さ曲線f(x)とで囲まれる面積のうち、凸側と凹側との面積が等しくなる粗さ曲線f(x)の中心線となる。
粗さ曲線f(x)から粗さ曲線f(x)の中心線の方向に沿った位置0から位置sの中心線平均粗さRaは、以下の式(b)で表される。
【数1】

Figure 0004258239
【0040】
アノード13,13,…及びトランジスタ21,21,…の形成後、PVD法及びCVD法等といった成膜工程、フォトリソグラフィー法等といったマスク工程、エッチング法といった薄膜の形状加工工程を行うことによって、アノード13,13,…を囲繞するように網目状の保護絶縁膜18を形成する。保護絶縁膜18を形成することによって、保護絶縁膜18に囲繞された囲繞領域19,19,…が形成され、各囲繞領域19においてアノード13が露出している(図3(b))。
【0041】
次いで、透明基板12の表面12a側を即ちアノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面を洗浄する。洗浄としては、大気圧未満の減圧下における酸素プラズマ洗浄であっても良いし、紫外線/オゾン洗浄であっても良い。その後、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面、透明基板12の裏面、その他全体を純水で洗浄する。次いで、透明基板12に例えば窒素ガスといった不活性ガスを吹き付けて、透明基板12を乾燥させる。
【0042】
次いで、フッ素を含む官能基を有したシラン化合物、特にシラン化合物の中でも、フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物からなる膜を透明基板12の表面12a側一面にコーティングする。具体的には、フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物を含有した溶液(以下、シラザン系溶液という。)に透明基板12を浸漬し、その後透明基板12を引き上げることによって、透明基板12の表面12a側一面にシラザン系溶液を塗布する(ディップコート法)。
【0043】
ここで、「フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物」とは、Si−N−Si結合を有し、N又は/及びSiにフッ素を含む官能基が結合したものであり、例えば次の一般式(1)で表すオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
RfSi(NH)3/2 …(1)
一般式(1)においてRfは、フッ素を含む官能基である。
「フッ素を含む官能基」としては、フルオロアルキル基があり、例えば、次の一般式(2)〜(19)で表す官能基が挙げられる。
−(CH2a(CF2bCF3 …(2)
−(CH2a(CF2bCF(CF32 …(3)
−(CH2a(CF2bC(CF33 …(4)
−(CF2aCF3 …(5)
−(CF2aCF(CF32 …(6)
−(CF2aC(CF33 …(7)
−(CF2a(C(CF32bCF3 …(8)
−(CF2a(C(CF32bCF(CF32 …(9)
−(CF2a(C(CF32bC(CF33 …(10)
−(CF2a(C(CF32b(CF2cCF3 …(11)
−(CF2a(C(CF32b(CF2cCF(CF32 …(12)
−(CF2a(C(CF32b(CF2cC(CF33 …(13)
−(C(CF32aCF3 …(14)
−(C(CF32aCF(CF32 …(15)
−(C(CF32aC(CF33 …(16)
−(C(CF32a(CF2bCF3 …(17)
−(C(CF32a(CF2bCF(CF32 …(18)
−(C(CF32a(CF2bC(CF33 …(19)
一般式(2)〜(19)においてa,b,cはいずれも整数である。
【0044】
シラザン系溶液の溶媒としては、フッ素系溶剤が挙げられる。
【0045】
ここでは、シラザン化合物として、次の一般式(20)及び化学構造式(21)で表せるシラザンオリゴマー(KP−801M:信越化学工業株式会社製)を用いる。そして、上述のディップコート工程においては、このシラザンオリゴマーを溶質としてm−キシレンヘキサフロライド溶媒に溶かしたシラザン系溶液(濃度3wt%)に透明基板12を約一分間浸漬する。
81724Si(NH)3/2 …(20)
【化1】
Figure 0004258239
【0046】
次いで、透明基板12に例えば窒素ガスといった不活性ガスを吹き付けて、シラザン系溶液の溶媒を蒸発させることで、シラザン化合物がアノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に堆積した状態となる。
【0047】
次いで、透明基板12を10〜30分間放置すると、雰囲気中の水分によってシラザン化合物が加水分解・重合するとともに保護絶縁膜18と化学的に結合する。これにより、図3(c)に示すように、フッ素を含む官能基が結合した重合体からなる濡れ性可変層14’が、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18全体を覆うように一面に成膜される。濡れ性可変層14’に含まれる重合体は、次の一般式(22)で表される。
【化2】
Figure 0004258239
【0048】
一般式(22)において、Rfは上述したようにフッ素を含む官能基であって撥液性を示す官能基であり、Xはシラザン化合物と結合したアノード13の原子若しくは原子団、保護絶縁膜18の原子若しくは原子団、アノード13若しくは保護絶縁膜18の表面と結合したシラザン化合物の一部の原子若しくは原子団、又は、化学構造式(21)におけるNH基を置換した基を構成する原子若しくは原子団のいずれかであり、nは100以上の整数である。シラザン化合物が一般式(20)で表されるシラザンオリゴマーの場合には、RfはC81724となり、XがOとなる。シラザン化合物は活性が高く、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18にも吸着しやすいから、濡れ性可変層14’がアノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に化学吸着した状態で成膜される。従って、濡れ性可変層14’においては、シラザン化合物の単分子ユニットにおける主鎖であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基が、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に対して略垂直方向に配列するとともに隣接する単分子ユニットのSiが、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に沿った方向に対して加水分解により酸素をエーテル結合の状態で重合されている。つまり、シラザン化合物は、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面の面方向に重合されるとともに、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に形成された、単分子ユニットにおける主鎖であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基の上方に、更に単分子ユニットにおける主鎖Rf−Si−X−基又はRf−Si−基が積み重なるということが殆どなくなる。このため、濡れ性可変層14’の厚さは、実質的に単分子ユニットにおける主鎖(ここでは重合体としての側鎖に相当。)であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基の長さに等しくなる。またこの濡れ性可変層14’は、各単分子ユニットにおける主鎖の中のフッ素を含む官能基Rfが濡れ性可変層14’の表面側に配置するように重合されているから、表面では各官能基Rfの撥液性によって有機化合物含有液に対して撥液性を示す。
【0049】
次いで、透明基板12を放置した後に、透明基板12の表面12a側をm−キシレンヘキサフロイド液ですすぐことで、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に堆積した未反応のシラザン化合物を洗い流す。このとき、アノード13,13,…では、中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下と凹凸の差が大きく、一画素当たりのアノード13の表面積が十分大きいので、アノード13表面上の濡れ性可変層14’が塗布された実面積も大きい。
【0050】
次いで、図3(d)に示すように、透明基板12にフォトマスク基板40を対向させて更に後述するフォトマスク基板40の光触媒膜43に活性光線を照射することで生じる触媒作用により濡れ性可変層14’がパターン膜14となる。活性光線としては、可視光線、紫外線、赤外線等があるが、後述する光触媒膜43を励起するものである。
【0051】
ここで、フォトマスク基板40について説明する。フォトマスク基板40は活性光線を透過する透明基板41を有し、この透明基板41の一方の面41aには、囲繞領域19,19,…に対応するようにマトリクス状に配列された複数の開口部を有するマスク42が網目状に形成され、約0.2μm厚の光触媒膜43がマスク42全体を被覆するように一方の面41a上に成膜されている。つまり、マスク42は、保護絶縁膜18に対応するパターンに形成されている。マスク42によって囲繞される開口部の開口面積は、囲繞領域19の面積よりやや大きくなっている。
【0052】
マスク42は活性光線を反射したり、吸収したりし、活性光線を透過しない。光触媒膜43は、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)及び酸化鉄(Fe23)の中から選ばれる一種又は二種以上の物質で形成されている。ここでは、酸化チタンを光触媒膜43として用いる。酸化チタンは、アナターゼ型とルチル型があり本発明では何れも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンは励起波長が380nm以下であるからより好ましい。
【0053】
以上のようなフォトマスク基板40の上方に活性光線を照射する光源を配置し、透明基板41の裏面41bから面41aに向けて活性光線を照射する。マスク42では活性光線が遮蔽されるが、マスク42によって囲繞された開口部を通過してマスク42の無い部分では光触媒膜43に照射される。従って、濡れ性可変層14’のうちマスク42に重なる領域つまり保護絶縁膜18上の領域には、活性光線が入射しないが、それぞれの囲繞領域19に重なる領域には活性光線が入射する。
活性光線が光触媒膜43を透過する際に活性酸素種(・OH)が生成され、この活性酸素種が濡れ性可変層14’と化学反応を引き起こす。濡れ性可変層14’のうち囲繞領域19,19,…に重なった領域には、光触媒膜43を透過した活性酸素種が到達し、保護絶縁膜18に重なった領域には、マスク42によって活性光線が遮蔽されるから活性酸素種が届かない。このように光触媒の作用は、光触媒膜43に活性光線が入射することによって活性酸素種が発生し、発生した活性酸素種がフォトマスク基板40と濡れ性可変層14’との間の気相を拡散し、濡れ性可変層14’に到達した活性酸素によって濡れ性可変層14’の化学構造を変化させる。なお、マスク42によって囲繞される開口部の開口面積が囲繞領域19の面積よりもやや大きいため、それぞれの囲繞領域19よりもやや外側にも活性酸素種が到達する。
【0054】
濡れ性可変層14’のうちマスク42と重ならない領域は、光触媒の作用により生成された活性酸素種(・OH)により撥液性を示すRf基が脱離して、親水性を示す水酸基に置換され、一般式(23)に示すようになる。
【化3】
Figure 0004258239
この領域が親液性領域14aである。親液性領域14aは、フッ素を含む官能基(上記Rf)が分解・脱離し、水酸基に置換されるために、有機化合物含有液に対して親液性を示し、後述するEL層15を構成する材料が含まれる液体をはじくことなくこの液体を親液性領域14aの表面に均一に成膜することが可能になる。このとき、アノード13,13,…では、中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下と凹凸の差が大きく、一画素当たりのアノード13の表面積が十分大きいので、アノード13表面上の濡れ性可変層14’が塗布された実面積も大きい。
【0055】
更に、親液性領域14aにおいては、珪素と酸素からなる重合体における主鎖がアノード13,13,…の表面に沿った状態で形成され、且つ、撥液性を示すフッ素を含む官能基が水酸基に置換されるため、膜厚も単分子ユニットにおける主鎖(ここでは重合体としての側鎖に相当。)であるHO−Si−X−基又はHO−Si−基の長さに等しく、1nm以下と非常に薄くすることができる。そのため、活性酸素種が生成された領域であるアノード13,13,…上では、パターン膜14の膜厚が非常に薄くなり、親液性領域14a自体が正孔等の電荷の注入、輸送に支障をきたすことはほとんどない。
そして、濡れ性可変層14’のうちマスク42と重なる領域には、活性酵素が到達しないから化学変化が起きず、EL層15を構成する材料が含まれる液体に対して依然撥液性を示す。この領域が、撥液性領域14bである。撥液性領域14bは、親液性領域14aと連続して形成されているとともに親液性領域14aよりもほぼフッ素を含む官能基Rfの分だけ厚い。
【0056】
以上のように濡れ性可変層14’を部分的に露光することによってパターン膜14を形成した後、それぞれの囲繞領域19内にEL層15をアノード13の中心線平均粗さRaの二倍以上の膜厚となるように成膜する。EL層15,15,…の成膜は、液滴吐出技術(インクジェット技術)を応用して行う。つまり、図4(e)に示すように、EL層15の構成材料を含有した有機化合物含有液を吐出することのできるノズル70を透明基板12に対向させて、駆動装置によって透明基板12に対して相対的にノズル70を水平面に沿って移動させつつ、ノズル70が囲繞領域19上に位置した時にノズル70から有機化合物含有液を液滴として一回又は複数回吐出する。これにより、有機化合物含有液の液滴が囲繞領域19内においてパターン膜14上に着弾する。なお、有機化合物含有液を赤、緑、青の色ごとに準備し、EL層15,15,…の色を塗り分けても良い。
【0057】
着弾した液滴が親液性領域14aで広がって膜になり、そしてその膜が固化することによって、EL層15が形成される。パターン膜14は囲繞領域19内において親液性領域14aとなっているため、着弾した液滴が濡れやすいとともに滲みやすく、有機化合物含有液が囲繞領域19内全体にいきわたる。
【0058】
特に、アノード13,13,…の中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下に粗く形成されているため、親液性領域14aの表面積が広くなって、親液性領域14aに液滴が濡れやすい。これは以下のように説明することができる。
【0059】
固体表面に対する液滴の濡れは、二つの因子によって決まる。一つは、固体を構成する物質とその表面を濡らす液滴との組み合わせによって決まる化学的因子であり、もう一つは、固体表面のミクロな凹凸構造の因子である。
平らな面における接触角θは、固体と液滴の表面張力、及び固体と液滴との界面張力の釣り合いによって決まり、次のYoungの式が成り立つ。
γs=γSL+γLCOSθ …(24)
ここで、γSは固体の表面張力、γLは液滴の表面張力、γSLは固体と液体との界面張力である。表面が平らでなく微細な凹凸構造を有している、マクロ的な面積に比べ実表面積は大きくなる。表面積がr倍大きくなったとすると式(24)中の固体の表面張力、固体と液体との界面張力のみにrを乗じる必要がある。
COSθf=r(γS−γSL)/γL …(25)
ここで、θfは粗い表面上での接触角である。rは常に1より大きな正の数であるから、COSθが正であるかつまりθ<90°であるか、COSθが負であるかつまりθ>90°であるかによって、COSθfは大きな正又は負の値となる。つまり、表面が粗くなることによって濡れる表面は、より濡れるようになり、はじく表面はよりはじくようになる。
以上により、親液性領域14aがより濡れるようになる。
【0060】
親液性領域14aは、0nmより長く1nm以下の厚さであり、アノード13の中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下と凹凸の差が大きいので、親液性領域14aの表面は凹凸があり、平滑でない状態となっている。したがってEL層15はパターン膜14の凹凸に噛み合うように成膜されるのでEL層15とパターン膜14との間で剥離が生じにくい。加えて、囲繞領域19よりやや外側にも活性光線が入射して囲繞領域19よりも広い親液性領域14aが形成されているから、EL層15となる液滴の親液性領域14aでの接触角が低くなるので有機化合物含有液が確実に囲繞領域19内全体にいきわたる。そのため、EL層15が均等な厚さで成膜されるとともに、EL層15とパターン膜14との間に剥離が生じにくくなり、不良の発生率を抑えることができる。さらに、それぞれの親液性領域14aの周囲は撥液性領域14bとなっているため、有機化合物含有液が撥液性領域14bに滲むことがない。そのため、隣り合う二つの画素の有機化合物含有液同士が混ざり合うことがない。したがって、常に均等な厚さでEL層15,15,…を成膜することができ、隣り合う二つの画素が互いに異なる発光色の有機化合物含有液の場合に色純度の高い発色ができる。
【0061】
なお、EL層15が積層構造である場合には、それぞれの層について有機化合物含有液を準備し、囲繞領域19内にそれぞれの有機化合物含有液を順にノズルで吐出することでそれぞれの層を積層していく。例えば、EL層15が正孔注入層、狭義の発光層からなる二層構造の場合には、正孔注入層の有機化合物含有液(正孔注入層を構成する有機化合物(例えば、導電性高分子であるPEDOT(ポリチオフェン))と、ドーパントであるPSS(ポリスチレンスルホン酸))が水系溶媒に分散した分散液)を各囲繞領域19内に吐出することで正孔注入層を成膜し、次いで、狭義の発光層の有機化合物含有液(ポリフルオレン系発光材料が例えばトルエン、キシレン、テトラリンといった有機溶媒に溶解した溶液)を各囲繞領域19内に吐出することでEL層15を成膜する。この場合でも、パターン膜14のうち各親液性領域14aでは、正孔注入層の有機化合物含有液がなじみ、撥液性領域14bでは正孔注入層の有機化合物含有液がはじかれる。
【0062】
次いで、窒素雰囲気中でホットプレートによる乾燥、又は、真空中でのシーズヒータによる乾燥を行って、残留した溶媒を除去する。次いで、蒸着やスパッタ法等のPVD法及びCVD法といった成膜方法によって、EL層15,15,…を被覆するようにしてカソード16を一面に成膜する(図4(e))。EL層15は囲繞領域19内全体にいきわたって形成されているから、カソード16が直接アノード13に接触することもなく、カソード16とアノード13がショートすることがない。カソード16の成膜後、封止樹脂、封止ガラスといった封止材でこれら有機EL素子11,11,…を封止するが、特にメタルキャップ、ガラス等の封止基板に紫外線硬化樹脂又は熱硬化性接着剤を塗布して、その封止基板をカソード16側に貼り合わせるのが望ましい。
【0063】
以上のように製造された有機EL表示パネル10では、画素回路が信号線51及び走査線52を介して入力した信号に従って有機EL素子11に電流を流す。有機EL素子11では、アノード13からEL層15へ正孔が注入され且つカソード16からEL層15へ電子が注入されることで、電流が流れる。そして、EL層15において正孔及び電子が輸送されて、EL層15にて正孔及び電子が再結合することによってEL層15で発光する。アノード13,13,…及び透明基板12が透明であるため、EL層15で発した光は透明基板12の裏面12bから出射し、裏面12bが表示面となる。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、シラザン化合物を加水分解・重合させることで濡れ性可変層14’を成膜し、珪素と酸素で構成された重合体としての主鎖がアノード13,13,…及び保護絶縁膜18の表面に沿った状態で全面に形成され、各囲繞領域19内において親液性領域14aの実質的な厚さが、濡れ性可変層14’の単分子ユニットにおける主鎖からフッ素を含む官能基Rfを除く厚さとなり非常に薄い。従って、アノード13とEL層15との間にパターン膜14が介在してもパターン膜14の絶縁性を無視することができ、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることが阻害されない。アノード13,13,…では、中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下と凹凸の差が大きいために濡れ性可変層14’が塗布された実面積も大きいので、必然的に濡れ性可変層14’とEL層15との接触面積が大きくなる。したがって濡れ性可変層14’からEL層15への正孔を注入する実面積も大きいので、より輝度(cd/m2)を向上することができる。
【0065】
また、濡れ性可変層14’を成膜する前に酸素プラズマ洗浄又は紫外線/オゾン洗浄を行い、その後更に純水で洗浄するから、撥液性を有する非常に薄い濡れ性可変層14’を簡単に成膜することができる。特に、純水で洗浄したため、保護絶縁膜18上に撥液性の濡れ性可変層14’を確実に成膜することができる。これは、純水で洗浄しなかった場合には保護絶縁膜18上に撥液性の濡れ性可変層14’を充分に成膜することができないこともあるので、純水洗浄によって保護絶縁膜18の表層に付着させた水分子でシラザン化合物の加水分解重合反応を起させている。
【0066】
また、本実施形態では、濡れ性可変層14’内に光触媒を含有させないで、フォトマスク基板40を通じて濡れ性可変層14’に活性酸素種を照射することで、濡れ性可変層14’を部分的に反応させている。濡れ性可変層14’のうち活性光線の照射された領域が親液性領域14aになり、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることは阻害されないとともに、パターン膜14がEL層15に化学的に影響を与えることもない。
【0067】
また、濡れ性可変層14’のうち活性光線の照射された領域が親液性領域14aになり、特に親液性領域14a内でもアノード13に重なっている部分は中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となっていることからより濡れやすいから、EL層15が囲繞領域19全体にいきわたって滲みやすい。これによりEL層15が囲繞領域19全体にいきわたって均一に成膜されているから、アノードとカソードの間でショートが生じない。また、EL層15とパターン膜14との間に剥離が生じにくいから、発光したEL層15にダークスポットが発生しにくい。
【0068】
なお、上述の説明では、EB蒸着法によってアノード13を形成することによって中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるように形成したが、以下の三通りの何れか方法によって中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるアノード13を形成しても良い。
【0069】
〔別の方法(1)〕
トランジスタ21,21,…をパターニングする時に、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)からなる透明導電層をゲート絶縁膜23一面に成膜するが、中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下であれば、その成膜方法EB蒸着法に限らず、イオンプレーティング法、スパッタ法、その他のPVD法、CVD法であっても良い。透明導電層の成膜後に透明導電層にマスクを施し、マスクに従って透明導電層を形状加工し、マスクを除去すると、アノード13,13,…がマトリクス状にパターニングされる(図3(a))。
【0070】
アノード13,13,…及びトランジスタ21,21,…の形成後、上述の場合と同様にアノード13,13,…を囲繞するように網目状の保護絶縁膜18を形成する(図3(b))。
【0071】
次いで、アノード13,13,…の露出した部分に対してソフトエッチングを施すことによって、配向性によるエッチングレートの差によりアノード13,13,…の表面は中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるように形成される。
そして、以上に説明した場合と同じようにパターン膜14、EL層15,15,…、カソード16を形成する。
この方法では、アノード13,13,…の形成方法が、EB蒸着法に限定されないため、アノード13,13,…の形成方法の自由度が増す。
【0072】
〔別の方法(2)〕
トランジスタ21,21,…をパターニングする時に、PVD法又はCVD法によって、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)からなる透明導電層をゲート絶縁膜23一面に成膜する。透明導電層の成膜後に透明導電層にマスクを施し、マスクに従って透明導電層を形状加工し、マスクを除去すると、アノード13,13,…がマトリクス状にパターニングされる(図3(a))。アノード13,13,…及びトランジスタ21,21,…の形成後、上述の場合と同様にアノード13,13,…を囲繞するように網目状の保護絶縁膜18を形成する(図3(b))。
【0073】
次いで、アノード13,13,…の露出した部分に向けてケイ砂等のブラスト材を吹き付けることによって(ブラスト法)、アノード13,13,…の表面は中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるように形成される。ブラスト材としてケイ砂を用いるブラスト法を特にサンドブラスト法という。次いで、アノード13,13,…の表面に付着したブラスト材を水洗等により洗い流す。
そして、以上に説明した場合と同じようにパターン膜14、EL層15,15,…、カソード16を形成する。
以上のようなブラスト法は薬品を用いず行うことができるため、薬品の廃棄・処理するという問題がない。
【0074】
〔別の方法(3)〕
トランジスタ21,21,…をパターニングする時に、PVD法又はCVD法によって、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)からなる透明導電層をゲート絶縁膜23一面に成膜する。透明導電層の成膜後に透明導電層にマスクを施し、マスクに従って透明導電層を形状加工し、マスクを除去すると、アノード13,13,…がマトリクス状にパターニングされる(図3(a))。アノード13,13,…及びトランジスタ21,21,…の形成後、上述の場合と同様にアノード13,13,…を囲繞するように網目状の保護絶縁膜18を形成する(図3(b))。
【0075】
次いで、アノード13,13,…の露出した部分に、Al23、TiO2、SiO2等の無機物を10〜20Å(オングストローム)の膜厚でスパッタ法により成膜する。無機物層の膜厚が10〜20Åと非常に極薄であるため、その膜は所々で欠陥があって非連続となっている。そして、無機物層をマスクとしてウェットエッチング又はドライエッチングをアノード13,13,…に施すことにより、アノード13,13,…の表面は中心線平均粗さRaが0.5nm以上EL層15の厚さの半分以下となるように形成される。エッチング後に無機物層を除去しなくても良い。
そして、以上に説明した場合と同じようにパターン膜14、EL層15,15,…、カソード16を形成する。
この方法では、アノード13,13,…上に無機物層のマスクを施しているため、エッチング方法、エッチング条件の制限が緩くなり、アノード13,13,…に対してエッチングすることができる環境が厳しく制限されない。
【0076】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態の有機EL表示パネル1は自発光式であるため、ページプリンタといった画像形成装置の線走査機構に用いることができる。
また、上述の説明では、カソード16が全ての有機有機EL素子11,11,…について共通しているが、カソードとアノードの配置を代えて有機有機EL素子11各画素ごとにカソードを形成しても良い。
また、板状の透明基板12の代わりにシート状の透明なフィルム基板であっても良い。
【0077】
また、上述の説明では液滴吐出法によって複数のEL層15,15,…をパターニングしていた。しかしながら、パターン膜14では親液性領域14a,14a,…がマトリクス状にパターニングされているため、有機化合物含有液をパターン膜14に塗布して透明基板12を回転させること(スピンコート法)によって、複数のEL層15,15,…をマトリクス状にパターニングすることができる。また、パターン膜14の親液性と撥液性のパターニングを利用して、ディップコート法又はダイコート法によって複数のEL層15,15,…をマトリクス状にパターニングしても良い。更には、平版印刷法、凹版印刷法、凸版印刷法を用いて複数のEL層15,15,…をマトリクス状にパターニングしても良い。
【0078】
また、上述の説明ではディップコート法によって濡れ性可変層14’を成膜したが、スピンコート法、刷毛塗り法又は蒸着法によって濡れ性可変層14’を成膜しても良い。
【0079】
また、上述の説明では濡れ性可変層14’に光触媒が含まれていないが、光触媒を含有したシラザン系溶液を塗布することによって濡れ性可変層14’に光触媒を含有させても良い。この場合には、フォトマスク基板40に光触媒膜43を設けなくても良い。
【0080】
また、フッ素を含む官能基を有するシラン化合物として、シラザン化合物を挙げたが、シランカップリング剤(加水分解重合可能なフルオロアルキル基含有珪素化合物)といった他のシラン化合物やその他の撥液性を示す官能基でもよく、置換される官能基は水酸基以外の親液性の官能基であっても良い。
【0081】
また、保護絶縁膜18をパターニングした後であって濡れ性可変層14’を成膜する前に、図5に示すように保護絶縁膜18に重なるようにして網目状の仕切り壁20をパターニングしても良い。仕切り壁20の幅は、透明基板12に近づくにつれて大きく、保護絶縁膜18の幅より狭い。仕切り壁20は、絶縁性を有しており、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等といった樹脂で形成されている。
【0082】
【実施例】
以下に、実施例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
第一の実施例では、上記実施形態で説明したようにITOからなるアノード13,13,…をEB蒸着法で成膜した。アノード13,13,…の中心線平均粗さRaを、原子間力顕微鏡(AFM)で上記(b)式に沿ってカットオフ値12.5μとして測定したところ、10.5nmであった。この場合に、フォトマスク基板40を用いて露光する前に、濡れ性可変層14’のうちアノード13に重なった部分(撥液性を示す)に有機化合物含有液を滴下し、有機化合物含有液の接触角を測定した。更に、フォトマスク基板40を用いて露光した後にアノード13に重なった親液性領域14aに有機化合物を滴下し、有機化合物含有液の接触角を測定した。有機化合物含有液として、PEDOT及びPSSを水系溶媒に分散させた分散液にエタノールを添加したもの(有機化合物含有液No.1)と、有機化合物含有液No.1よりもエタノールの添加量を二倍にした(有機化合物含有液No.2)ものを用いた。有機化合物含有液No.1の重量比は、水:エタノール:PEDOT及びPSS=94.25wt%:5wt%:0.75wt%であり、有機化合物含有液No.2の重量比は、水:エタノール:PEDOT及びPSS=89.25wt%:10wt%:0.75wt%である。有機化合物含有液にエタノールを添加したのは、エタノールを添加しないと分散液の粘性が高くてインクジェットヘッドを用いた液滴吐出法で分散液を連続して塗布することができないためである。有機化合物含有液No.1のエタノール添加量は、液滴吐出法で実用することのできる下限であり、有機化合物含有液No.1より少ない添加量では液滴吐出法で連続して液滴を吐出することができない。
【0083】
第二の実施例では、アノード13,13,…をHDAP−IP法(イオンプレーティング法)で成膜し、アノード13,13,…の中心線平均粗さRaを0.8nmとした。第三の実施例では、アノード13,13,…をスパッタ法で成膜し、アノード13,13,…の中心線平均粗さRaを4.1nmとした。そして、実施例と同様にして、露光前の濡れ性可変層14’のうちアノード13に重なった部分(撥液性を示す)に有機化合物含有液を滴下し、有機化合物含有液の接触角を測定するとともに、露光後にアノード13に重なった親液性領域14aに有機化合物を滴下し、有機化合物含有液の接触角を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 0004258239
【0085】
表1からわかるように、露光後の接触角を比較すると、HDAP−IP法の場合、スパッタ法の場合、EB蒸着法の場合の順に接触角が小さくなり、EB蒸着法を用いてアノード13を成膜すると有機化合物含有液が親液性領域14aで最も濡れやすいことがわかる。
また、EB蒸着法の場合は、他の方法の場合に比較して、露光前では接触角が最も大きく、有機化合物含有液を最もはじきやすいことがわかる。更に、EB蒸着法の場合、他の方法の場合に比較して、露光前から露光後の間で接触角の変化率が最も大きいことがわかる。
いずれの場合も、親液性領域14aの接触角が25°以下となり有機化合物含有液の成膜に有効であることが確認された。特にEB蒸着法では特に中心線平均粗さRaが10nm以上になり、親液性領域14aの接触角が15°以下となり、著しく接触角の改善がみられた。また撥液性領域14bの接触角も110°を越えているため、精度の高いEL層15の成膜を行うことができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、第一電極の表面粗さRaが大きいため、第一電極上に形成された親液性膜、第一電極上に形成されるとともに活性光線に照射された部分が、より有機化合物含有液に対してなじみやすく、有機化合物含有液がより良く濡れる。そのため、有機化合物含有液が親液性膜又は露光された部分全体に滲み、EL層の成膜不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した有機EL表示パネルを示した平面図である。
【図2】図1に示された有機EL表示パネルの断面図である。
【図3】図1に示された有機EL表示パネルの製造工程を示した図面である。
【図4】図3の続きの製造工程を示した図面である。
【図5】図1に示された有機EL表示パネルとは別の有機EL表示パネルを示した断面図である。
【符号の説明】
10 有機EL表示パネル(有機ELパネル)
11 有機EL素子
12 透明基板(基板)
13 アノード(第一電極)
14’ 濡れ性可変層
14 パターン膜
14a 親液性領域(親液性膜)
14b 撥液性領域
15 EL層
16 カソード(第二電極)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing an organic EL (Electro Luminescence) element and a method for manufacturing an organic EL panel in which a plurality of organic EL elements are arranged on a substrate.
[0002]
[Prior art]
The organic EL element has a laminated structure in which an anode, an EL layer, and a cathode are laminated in this order. When a positive bias voltage is applied between the anode and the cathode, light is emitted from the EL layer. An organic EL display panel that displays images by arranging such organic EL elements as pixels in a matrix on a substrate and emitting each organic EL element with a predetermined gradation luminance is realized.
[0003]
Patent Document 1 describes a method for manufacturing an organic EL element. In the manufacturing method described in this document, after forming a photocatalyst containing layer on the anode, the photocatalyst containing layer is exposed in a pattern to form a pattern due to a difference in wettability, and the photocatalyst containing layer contains an organic compound. An EL layer is formed by wet application of the liquid, and a cathode is formed on the EL layer. In this method, wettability is improved in the exposed portion of the photocatalyst-containing layer, and wettability is low in the unexposed portion, so that an EL layer is formed in the exposed portion.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-237069 A
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, even if the photocatalyst-containing layer is exposed to improve the wettability of the exposed portion, it cannot be said that the wettability is still sufficiently high. Therefore, the organic compound-containing liquid may not bleed over the entire exposed portion, and the EL layer formed by drying the organic compound-containing liquid becomes thicker at the center of the exposed portion and thinner at the periphery. Deposition failure occurs.
Therefore, an object of the present invention is to make the organic compound-containing liquid easier to wet and to reliably form an EL layer.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 is, for example, as shown in FIGS.
An organic layer in which a first electrode (for example, anode 13), at least one EL layer (for example, EL layer 15), and a second electrode (for example, cathode 16) are stacked in this order on a substrate (for example, transparent substrate 17). In the manufacturing method of the organic EL element for manufacturing the EL element (for example, the organic EL element 11),
A first electrode forming step of forming the first electrode on the substrate having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer;
Forming a lyophilic film (for example, the lyophilic region 14a of the pattern film 14) on the first electrode, which is compatible with the organic compound-containing liquid containing the material of the EL layer, and the lyophilic film Forming the EL layer by applying the organic compound-containing liquid thereon;
It is characterized by including.
[0007]
According to a second aspect of the present invention, in the method for manufacturing an organic EL element according to the first aspect, in the first electrode forming step, the surface roughness Ra is 0.5 nm or more by an EB vapor deposition method. A step of forming the first electrode that is less than half the length.
[0008]
According to a third aspect of the present invention, in the method of manufacturing an organic EL element according to the first aspect, the first electrode forming step includes the step of forming the first electrode, and then the softening of the first electrode. Forming a surface roughness Ra of the first electrode to 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer by etching.
[0009]
According to a fourth aspect of the present invention, in the method of manufacturing an organic EL element according to the first aspect, the first electrode forming step includes the step of forming the first electrode, and then the step of forming the first electrode. Forming a surface roughness Ra of the first electrode to 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer by performing a blasting process.
[0010]
According to a fifth aspect of the present invention, in the method of manufacturing an organic EL element according to the first aspect, the first electrode forming step includes a step of forming the first electrode, and then on the first electrode. The method includes a step of forming an inorganic layer having a thickness of 10 to 20 mm and a step of etching the first electrode using the inorganic layer as a mask.
[0011]
The invention according to claim 6 is, for example, as shown in FIGS.
Organic EL panel for manufacturing an organic EL panel (for example, organic EL display panel 10) in which a plurality of organic EL elements (for example, organic EL elements 11, 11,...) Are arranged on a substrate (for example, transparent substrate 17). In the manufacturing method of
First electrode formation in which a plurality of first electrodes (for example, anodes 13, 13,...) Having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more and less than half of the thickness of the EL layer are formed on the substrate at intervals. Process,
Forming a wettability variable layer (for example, wettability variable layer 14 ′) that improves wettability to the organic compound-containing liquid by irradiation with actinic rays so as to cover the plurality of first electrodes together;
Irradiating a region of the wettability variable layer overlapping each first electrode with an actinic ray for modifying the wettability variable layer;
By applying an organic compound-containing liquid to a region of the wettability variable layer that overlaps each of the first electrodes, on each of the first electrodes, the thickness is at least twice the surface roughness Ra. Forming one or more EL layers;
It is characterized by including.
[0012]
A seventh aspect of the present invention is the method of manufacturing an organic EL panel according to the sixth aspect, wherein in the first electrode forming step, the surface roughness Ra is 0.5 nm or more by an EB vapor deposition method. Forming the plurality of first electrodes less than half of the length.
[0013]
The invention according to claim 8 is the method of manufacturing an organic EL panel according to claim 6, wherein the first electrode forming step includes a step of forming the plurality of first electrodes, and then the plurality of first electrodes. Forming a surface roughness Ra of the plurality of first electrodes to 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer by performing soft etching on one electrode.
[0014]
A ninth aspect of the present invention is the method of manufacturing an organic EL panel according to the sixth aspect, wherein the first electrode forming step includes a step of forming the plurality of first electrodes, and then the plurality of first electrodes. Forming a surface roughness Ra of the plurality of first electrodes to be not less than 0.5 nm and not more than half of the thickness of the EL layer by performing a blasting method on one electrode.
[0015]
According to a tenth aspect of the present invention, in the method for manufacturing an organic EL panel according to the sixth aspect, the first electrode forming step includes a step of forming the plurality of first electrodes, and then the plurality of first electrodes. A step of forming an inorganic layer having a thickness of 10 to 20 mm on one electrode and etching the plurality of first electrodes using the inorganic layer as a mask reduces the surface roughness Ra of the plurality of first electrodes to 0. And a step of forming the EL layer to be not more than half the thickness of the EL layer.
[0016]
In the invention according to claims 1 to 10, since the surface roughness Ra of the first electrode is 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer, the first electrode is formed on the first electrode and irradiated with actinic rays. The lyophilic film formed on the formed part or the first electrode has a contact angle of 25 ° or less, and is more easily adapted to the organic compound-containing liquid, and the organic compound-containing liquid is better wetted. For this reason, the organic compound-containing liquid oozes over the lyophilic film or the entire exposed portion, and the formation failure of the EL layer can be suppressed.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. However, the scope of the invention is not limited to the illustrated examples. Further, in the following description, “in plan view” means “seen in a direction perpendicular to the transparent substrate 12 (described later)”.
[0023]
FIG. 1 is a plan view of an organic EL display panel 10 manufactured by a manufacturing method to which the present invention is applied. FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the cutting line S1-S2 shown in FIG. It is.
[0024]
The organic EL display panel 10 has pixels arranged in a matrix in plan view, and performs matrix display by an active matrix driving method. In the organic EL display panel 10, one organic EL element 11 and one pixel circuit are provided for each pixel. The pixel circuit receives a signal from a peripheral driver (not shown) via the signal line 51 and the scanning line 52, and turns on / off a current flowing through the organic EL element 11 according to the input signal, and emits light from the organic EL element 11. By maintaining the current value during the period, the emission luminance of the organic EL element 11 is provided to be constant. Each pixel circuit is composed of at least one transistor, and a capacitor may be added as appropriate. In FIG. 1, for example, the pixel circuit is composed of two transistors 21 and 21. .
[0025]
The organic EL display panel 10 has a flat transparent substrate 12, and a plurality of scanning lines 52, 52,... Extending in the horizontal direction are formed on the surface 12 a of the transparent substrate 12. The scanning lines 52, 52,... Are arranged in parallel with each other at substantially equal intervals in plan view. The scanning lines 52, 52,... Have conductivity and are covered with a gate insulating film 23 formed on the entire surface 12 a of the transparent substrate 12. A plurality of signal lines 51, 51,... Extending in the vertical direction are formed on the gate insulating film 23, and the signal lines 51, 51,. They are orthogonal to each other. The signal lines 51, 51,... Are also arranged in parallel with each other at substantially equal intervals in plan view.
[0026]
A plurality of transistors 21, 21,... Are formed on the surface 12 a of the transparent substrate 12. Each transistor 21 includes a gate electrode 22, a gate insulating film 23, a semiconductor film 24, impurity semiconductor films 25 and 26, a drain electrode 27, and a source electrode 28, and is a MOS field effect thin film transistor in which these are stacked. is there. The gate insulating film 23 is formed on the entire surface 12a of the transparent substrate 12, and is a layer common to all the transistors 21, 21,.
[0027]
.. Are covered with a protective insulating film 18. In plan view, the protective insulating film 18 is formed in a mesh shape so as to overlap the signal lines 51, 51,... And the scanning lines 52, 52,. When the protective insulating film 18 is formed in a mesh shape in a plan view, a plurality of surrounding regions 19, 19,... Surrounded by the protective insulating film 18 are arranged in a matrix on the transparent substrate 12. It is formed. The protective insulating film 18 is made of silicon oxide (SiO 2 ) And silicon nitride (SiN).
[0028]
Next, the organic EL element 11 will be described. The organic EL element 11 has a laminated structure in which an anode 13 as a first electrode, an EL layer 15 made of an organic compound, and a cathode 16 as a second electrode are laminated in this order from the transparent substrate 12 side. The anode 13 is transmissive to visible light and conductive, and has a relatively high work function. The anode 13 is formed of, for example, indium oxide, zinc oxide, tin oxide, or a mixture containing at least one of them (for example, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped indium oxide).
[0029]
In plan view, the anodes 13, 13,... Are disposed in regions surrounded by the signal lines 51, 51,... And the scanning lines 52, 52,. They are arranged on the gate insulating film 23 so as to form a matrix.
[0030]
In plan view, the anodes 13, 13,... Respectively correspond to the surrounding areas 19, 19,. In plan view, the area of the surrounding region 19 is smaller than the area of the anode 13, and the surrounding region 19 is disposed in the anode 13, and the outer peripheral portion of the anode 13 overlaps the protective insulating film 18. In this example, the anode 13 is connected to the source electrode 28 of the transistor 21, but the anode 13 may be connected to another transistor or capacitor depending on the circuit configuration of the pixel circuit.
[0031]
On the anodes 13, 13,..., The pattern film 14 is formed in common for all the organic EL elements 11, 11,..., And each of the anodes 13, 13,. The center line average roughness Ra is 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer 15 (that is, if the thickness of the EL layer 15 is t [nm], 0.5 ≦ center line average roughness Ra ≦ t / 2). When the center line average roughness Ra exceeds half of the total thickness of the EL layer 15, the thickness of the EL layer 15 at the convex portion of the anode 13 becomes extremely thinner than the thickness of the EL layer 15 at the concave portion of the anode 13. As a result, the electric field concentrates and the anode 13 and the cathode 16 may be short-circuited. The pattern film 14 is formed on the entire surface of the transparent substrate 12, and covers the protective insulating film 18 together with the anodes 13, 13,. The pattern film 14 conforms to the organic compound-containing liquid in a region overlapping with the anodes 13, 13,..., And wets the organic compound-containing liquid at a contact angle of 40 ° or less (hereinafter “lyophilic”). ... and the lyophilic regions 14a, 14a,..., And the region overlapping the protective insulating film 18, the organic compound-containing solution is wetted at a contact angle of 50 ° or less (hereinafter referred to as the organic compound-containing solution). , And “showing liquid repellency”). That is, in the pattern film 14, the liquid repellent region 14b is formed in a mesh shape in plan view, and the lyophilic regions 14a, 14a,... Are arranged in a matrix so as to be surrounded by the liquid repellent region 14b. Is formed. In plan view, the area of the lyophilic region 14a is larger than the area of the surrounding region 19, and the entire surrounding region 19 is included in the lyophilic region 14a.
[0032]
The lyophilic region 14a of the pattern film 14 is very thin, and its thickness is greater than 0.0 nm and less than 1 nm. The organic compound-containing liquid is a liquid containing an organic compound constituting the EL layer 15 or a precursor thereof, and even if the organic compound constituting the EL layer 15 or a precursor thereof is dissolved in a solvent as a solute. Alternatively, a dispersion liquid in which the organic compound constituting the EL layer 15 or a precursor thereof is dispersed in a liquid may be used. At this time, the organic compound-containing liquid may be oleophilic like an organic material or hydrophilic like water.
[0033]
In a plan view, the EL layers 15, 15,... Are arranged in a matrix and are formed on the lyophilic regions 14a, 14a,.
[0034]
Each EL layer 15 is a layer formed of a light emitting material that is an organic compound, and generates light by emitting excitons by recombining holes injected from the anode 13 and electrons injected from the cathode 16. It is a layer to do. Further, each EL layer 15 may be appropriately mixed with an electron transporting substance, may be appropriately mixed with a hole transporting substance, or may be mixed with an electron transporting substance and a hole transporting substance. Substances may be mixed as appropriate.
[0035]
Each EL layer 15 has a three-layer structure that becomes a hole transport layer, a light-emitting layer in a narrow sense, and an electron transport layer in order from the anode 13, or a two-layer structure that becomes a hole transport layer and a light-emitting layer in a narrow sense in order from the anode 13. Or a single layer structure composed of a light-emitting layer in a narrow sense, or a laminated structure in which an electron or hole injection layer is interposed between appropriate layers in these layer structures. The EL layer 15 is formed by applying an organic compound-containing liquid (that is, a wet application method). The thickness of the EL layer 15 is at least twice the center line average roughness Ra of the anode 13.
[0036]
The cathode 16 is continuously formed on the entire surface of the transparent substrate 12 so as to cover all the EL layers 15, 15. The cathode 16 includes at least a material having a low work function, and is specifically formed of a simple substance made of magnesium, calcium, lithium, barium, or a rare earth, or an alloy containing at least one of these simple substances. Further, the cathode 16 may have a laminated structure, for example, a laminated structure in which a film formed of a low work function material as described above is coated with a high work function and low resistivity material such as aluminum or chromium. But it ’s okay. The cathode 16 desirably has a light blocking property with respect to visible light, and further desirably has a high reflectivity with respect to visible light emitted from the EL layer 15. That is, the cathode 16 acts as a mirror surface that reflects visible light, so that the light use efficiency can be improved.
[0037]
As described above, the pattern film 14 and the cathode 16 are layers common to all the organic EL elements 11, 11,..., And the anode 13 and the EL layer 15 are formed independently for each organic EL element 11. ing.
[0038]
Next, a method for manufacturing the organic EL display panel 10 will be described with reference to FIGS.
First, the signal lines 51, 51,... And the scanning lines 52 are appropriately formed by performing a thin film shape processing process such as a film forming process such as a sputtering method, a PVD method and a CVD method, a mask process such as a photolithography method, and an etching method. , 52,... Are patterned and the anode 13 and the transistors 21, 21 are patterned on the surface 12a of the transparent substrate 12 for each pixel (FIG. 3A). Here, when the anode 13 and the transistor 21 are formed by patterning, they are masked with a resist so that the source electrode 28 of the transistor 21 and the anode 13 are connected.
[0039]
In forming the anodes 13, 13,..., Indium oxide, zinc oxide, tin oxide, or a mixture containing at least one of them (for example, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped indium oxide). A transparent conductive layer is formed on the entire surface of the gate insulating film 23. In particular, the transparent conductive layer is formed by EB vapor deposition (electron beam vapor deposition). When the transparent conductive layer is formed by the EB vapor deposition method, the center line average roughness Ra of the surface of the transparent conductive layer becomes 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer 15. After forming the transparent conductive layer, the transparent conductive layer is masked, and the transparent conductive layer is shaped according to the mask by etching or the like. When the mask is removed, the center line average roughness Ra is 0.5 nm or more. Are patterned in a matrix.
The center line average roughness Ra of the anode 13 indicates the degree of average unevenness on the surface of the anode 13, and a linear axis in a predetermined direction in the substantially plane direction of the anode 13 is an x-axis, and the approximate surface of the anode 13. The roughness curve f (x) that is the unevenness of the surface of the anode 13 is expressed by the following equation (a), where y is the axis in the normal direction.
y = f (x) (a)
Can be expressed as
Here, a roughness curve f (x) from position 0 to position s (reference length s in the x-axis direction) in the x-axis direction of the anode 13 is extracted, and the roughness curve is derived from the curve drawn by the surface of the anode 13. This is the average line of the roughness curve f (x) that minimizes the square sum of the deviations up to f (x). Of the area that is parallel to the average line of the roughness curve f (x) and is surrounded by the parallel straight line and the roughness curve f (x), the areas of the convex side and the concave side are equal. It becomes the center line of the roughness curve f (x).
The center line average roughness Ra from position 0 to position s along the direction of the center line of the roughness curve f (x) from the roughness curve f (x) is expressed by the following formula (b).
[Expression 1]
Figure 0004258239
[0040]
After the anodes 13, 13,... And the transistors 21, 21,... Are formed, a film forming process such as a PVD method and a CVD method, a mask process such as a photolithography method, and a thin film shape processing process such as an etching method are performed. A network-like protective insulating film 18 is formed so as to surround 13, 13,. By forming the protective insulating film 18, the surrounding regions 19, 19,... Surrounded by the protective insulating film 18 are formed, and the anode 13 is exposed in each surrounding region 19 (FIG. 3B).
[0041]
Next, the surface 12a side of the transparent substrate 12, that is, the surfaces of the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18 is cleaned. The cleaning may be oxygen plasma cleaning under reduced pressure below atmospheric pressure, or ultraviolet / ozone cleaning. Thereafter, the surfaces of the anodes 13,... And the protective insulating film 18, the back surface of the transparent substrate 12, and the others are washed with pure water. Next, an inert gas such as nitrogen gas is sprayed on the transparent substrate 12 to dry the transparent substrate 12.
[0042]
Next, a film composed of a silane compound having a fluorine-containing functional group, particularly a silazane compound having a fluorine-containing functional group among silane compounds, is coated on the surface 12 a side of the transparent substrate 12. Specifically, the surface of the transparent substrate 12 is obtained by immersing the transparent substrate 12 in a solution containing a silazane compound having a functional group containing fluorine (hereinafter referred to as a silazane-based solution) and then pulling up the transparent substrate 12. A silazane solution is applied to the entire surface of the 12a side (dip coating method).
[0043]
Here, the “silazane compound having a functional group containing fluorine” is a compound having a Si—N—Si bond, and a functional group containing fluorine bonded to N or / and Si. The oligomer or polymer represented by Formula (1) is mentioned.
RfSi (NH) 3/2 ... (1)
In the general formula (1), Rf is a functional group containing fluorine.
The “functional group containing fluorine” includes a fluoroalkyl group, and examples thereof include functional groups represented by the following general formulas (2) to (19).
-(CH 2 ) a (CF 2 ) b CF Three ... (2)
-(CH 2 ) a (CF 2 ) b CF (CF Three ) 2 ... (3)
-(CH 2 ) a (CF 2 ) b C (CF Three ) Three ... (4)
-(CF 2 ) a CF Three ... (5)
-(CF 2 ) a CF (CF Three ) 2 ... (6)
-(CF 2 ) a C (CF Three ) Three ... (7)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b CF Three (8)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b CF (CF Three ) 2 ... (9)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b C (CF Three ) Three (10)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b (CF 2 ) c CF Three ... (11)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b (CF 2 ) c CF (CF Three ) 2 (12)
-(CF 2 ) a (C (CF Three ) 2 ) b (CF 2 ) c C (CF Three ) Three ... (13)
-(C (CF Three ) 2 ) a CF Three ... (14)
-(C (CF Three ) 2 ) a CF (CF Three ) 2 ... (15)
-(C (CF Three ) 2 ) a C (CF Three ) Three ... (16)
-(C (CF Three ) 2 ) a (CF 2 ) b CF Three ... (17)
-(C (CF Three ) 2 ) a (CF 2 ) b CF (CF Three ) 2 ... (18)
-(C (CF Three ) 2 ) a (CF 2 ) b C (CF Three ) Three ... (19)
In general formulas (2) to (19), a, b, and c are all integers.
[0044]
Examples of the solvent for the silazane solution include a fluorine solvent.
[0045]
Here, as the silazane compound, a silazane oligomer (KP-801M: manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) represented by the following general formula (20) and chemical structural formula (21) is used. In the above dip coating step, the transparent substrate 12 is immersed for about 1 minute in a silazane-based solution (concentration: 3 wt%) in which the silazane oligomer is dissolved in an m-xylene hexafluoride solvent.
C 8 F 17 C 2 H Four Si (NH) 3/2 ... (20)
[Chemical 1]
Figure 0004258239
[0046]
Next, an inert gas such as nitrogen gas is blown onto the transparent substrate 12 to evaporate the solvent of the silazane solution, whereby the silazane compound is deposited on the surfaces of the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18. .
[0047]
Next, when the transparent substrate 12 is left for 10 to 30 minutes, the silazane compound is hydrolyzed and polymerized by moisture in the atmosphere and chemically bonded to the protective insulating film 18. As a result, as shown in FIG. 3C, the wettability variable layer 14 ′ made of a polymer to which a functional group containing fluorine is bonded covers the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18 as a whole. A film is formed. The polymer contained in the wettability variable layer 14 ′ is represented by the following general formula (22).
[Chemical formula 2]
Figure 0004258239
[0048]
In the general formula (22), Rf is a functional group containing fluorine as described above and exhibiting liquid repellency, X is an atom or atomic group of the anode 13 bonded to the silazane compound, and the protective insulating film 18. Atom or atomic group, a part of the atom or atomic group of the silazane compound bonded to the surface of the anode 13 or the protective insulating film 18, or an atom or atom constituting a group substituted by the NH group in the chemical structural formula (21) N is an integer of 100 or more. When the silazane compound is a silazane oligomer represented by the general formula (20), Rf is C 8 F 17 C 2 H Four And X becomes O. Since the silazane compound has high activity and is easily adsorbed to the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18, the wettability variable layer 14 ′ is chemically adsorbed on the surfaces of the anodes 13, 13,. Is formed. Therefore, in the wettability variable layer 14 ′, the Rf—Si—X— group or the Rf—Si— group, which is the main chain in the monomolecular unit of the silazane compound, is formed on the surfaces of the anodes 13, 13,. , Which are arranged in a substantially vertical direction with respect to each other and polymerize oxygen in an ether-bonded state by hydrolysis in the direction along the surfaces of the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18. Has been. That is, the silazane compound is polymerized in the surface direction of the surfaces of the anodes 13, 13,... And the protective insulating film 18, and in the monomolecular unit formed on the surfaces of the anodes 13, 13,. The main chain Rf-Si-X- group or Rf-Si- group in the single molecular unit is hardly stacked above the main chain Rf-Si-X- group or Rf-Si- group. For this reason, the thickness of the wettability variable layer 14 ′ is substantially equal to the Rf—Si—X— group or Rf—Si— which is the main chain (here, corresponds to a side chain as a polymer) in a monomolecular unit. Equal to the base length. Further, the wettability variable layer 14 ′ is polymerized so that the functional group Rf containing fluorine in the main chain in each monomolecular unit is arranged on the surface side of the wettability variable layer 14 ′. The liquid repellency of the functional group Rf exhibits liquid repellency with respect to the organic compound-containing liquid.
[0049]
Next, after leaving the transparent substrate 12 to stand, the surface 12a side of the transparent substrate 12 is rinsed with an m-xylene hexafloid liquid, so that the unreacted silazane compound deposited on the surfaces of the anodes 13, 13,. Rinse away. At this time, in the anodes 13, 13,..., The center line average roughness Ra is 0.5 nm or more and less than half of the thickness of the EL layer 15, and the difference in unevenness is large, and the surface area of the anode 13 per pixel is sufficiently large. The actual area where the wettability variable layer 14 ′ on the surface of the anode 13 is applied is also large.
[0050]
Next, as shown in FIG. 3 (d), the wettability is variable by the catalytic action generated by irradiating the photocatalyst film 43 of the photomask substrate 40, which will be described later, with the photomask substrate 40 facing the transparent substrate 12 and irradiating actinic rays. The layer 14 ′ becomes the pattern film 14. Active light includes visible light, ultraviolet light, infrared light, and the like, and excites a photocatalytic film 43 described later.
[0051]
Here, the photomask substrate 40 will be described. The photomask substrate 40 has a transparent substrate 41 that transmits actinic rays, and a plurality of openings arranged in a matrix so as to correspond to the surrounding regions 19, 19,... On one surface 41 a of the transparent substrate 41. A mask 42 having a portion is formed in a mesh shape, and a photocatalytic film 43 having a thickness of about 0.2 μm is formed on one surface 41 a so as to cover the entire mask 42. That is, the mask 42 is formed in a pattern corresponding to the protective insulating film 18. The opening area of the opening surrounded by the mask 42 is slightly larger than the area of the surrounding region 19.
[0052]
The mask 42 reflects or absorbs actinic rays and does not transmit actinic rays. The photocatalytic film 43 is made of titanium oxide (TiO 2 ), Zinc oxide (ZnO), tin oxide (SnO) 2 ), Strontium titanate (SrTiO) Three ), Tungsten oxide (WO Three ), Bismuth oxide (Bi 2 O Three ) And iron oxide (Fe 2 O Three 1) or two or more kinds of substances selected from among the above. Here, titanium oxide is used as the photocatalytic film 43. Titanium oxide includes anatase type and rutile type, and both can be used in the present invention, but anatase type titanium oxide is more preferable because the excitation wavelength is 380 nm or less.
[0053]
A light source for irradiating actinic rays is disposed above the photomask substrate 40 as described above, and actinic rays are emitted from the back surface 41b of the transparent substrate 41 toward the surface 41a. The mask 42 shields actinic rays, but passes through the opening surrounded by the mask 42 and irradiates the photocatalyst film 43 in a portion without the mask 42. Therefore, actinic rays do not enter the region of the wettability variable layer 14 ′ that overlaps the mask 42, that is, the region on the protective insulating film 18, but actinic rays enter the regions that overlap the surrounding regions 19.
When active light passes through the photocatalytic film 43, active oxygen species (.OH) are generated, and this active oxygen species causes a chemical reaction with the wettability variable layer 14 '. In the wettability variable layer 14 ′, active oxygen species that have passed through the photocatalyst film 43 reach a region that overlaps the surrounding regions 19, 19,..., And a region that overlaps the protective insulating film 18 is activated by the mask 42. Reactive oxygen species do not reach because the light is shielded. As described above, the action of the photocatalyst is that active oxygen species are generated when an actinic ray is incident on the photocatalyst film 43, and the generated active oxygen species passes through the gas phase between the photomask substrate 40 and the wettability variable layer 14 ′. The chemical structure of the wettability variable layer 14 ′ is changed by the active oxygen that has diffused and reached the wettability variable layer 14 ′. Since the opening area of the opening surrounded by the mask 42 is slightly larger than the area of the surrounding region 19, the active oxygen species reach slightly outside the surrounding region 19.
[0054]
In the wettability variable layer 14 ′, the region that does not overlap with the mask 42 is replaced with a hydrophilic hydroxyl group by elimination of the Rf group exhibiting liquid repellency by the active oxygen species (.OH) generated by the action of the photocatalyst. As shown in the general formula (23).
[Chemical 3]
Figure 0004258239
This region is the lyophilic region 14a. The lyophilic region 14a is lyophilic with respect to the organic compound-containing liquid because the functional group containing fluorine (above Rf) is decomposed / eliminated and substituted with a hydroxyl group, and constitutes an EL layer 15 described later. This liquid can be uniformly formed on the surface of the lyophilic region 14a without repelling the liquid containing the material to be treated. At this time, in the anodes 13, 13,..., The center line average roughness Ra is 0.5 nm or more and less than half of the thickness of the EL layer 15, and the difference in unevenness is large, and the surface area of the anode 13 per pixel is sufficiently large. The actual area where the wettability variable layer 14 ′ on the surface of the anode 13 is applied is also large.
[0055]
Further, in the lyophilic region 14a, the main chain of the polymer composed of silicon and oxygen is formed in a state along the surface of the anodes 13, 13,. Since it is substituted with a hydroxyl group, the film thickness is also equal to the length of the HO—Si—X— group or HO—Si— group, which is the main chain in this single molecular unit (corresponding to a side chain as a polymer here), It can be very thin as 1 nm or less. Therefore, on the anodes 13, 13,... Where the active oxygen species are generated, the pattern film 14 becomes very thin, and the lyophilic region 14a itself is used for injection and transport of charges such as holes. There is almost no hindrance.
In the wettability variable layer 14 ′, the active enzyme does not reach the region overlapping with the mask 42, so that no chemical change occurs and the liquid containing the material constituting the EL layer 15 is still liquid repellent. . This region is the liquid repellent region 14b. The lyophobic region 14b is formed continuously with the lyophilic region 14a and is thicker than the lyophilic region 14a by the functional group Rf containing substantially fluorine.
[0056]
After the pattern film 14 is formed by partially exposing the wettability variable layer 14 ′ as described above, the EL layer 15 is placed in each surrounding region 19 at least twice the center line average roughness Ra of the anode 13. The film is formed so as to have a film thickness of. The EL layers 15, 15,... Are formed by applying a droplet discharge technique (inkjet technique). That is, as shown in FIG. 4E, the nozzle 70 that can discharge the organic compound-containing liquid containing the constituent material of the EL layer 15 is opposed to the transparent substrate 12, and the driving device applies the transparent substrate 12 to the transparent substrate 12. The nozzle 70 is moved relatively along the horizontal plane, and when the nozzle 70 is positioned on the surrounding area 19, the organic compound-containing liquid is discharged from the nozzle 70 as a droplet once or a plurality of times. As a result, the droplet of the organic compound-containing liquid lands on the pattern film 14 in the surrounding area 19. Note that the organic compound-containing liquid may be prepared for each of red, green, and blue colors, and the colors of the EL layers 15, 15,.
[0057]
The landed droplet spreads in the lyophilic region 14a to form a film, and the film is solidified, whereby the EL layer 15 is formed. Since the pattern film 14 is a lyophilic region 14 a in the surrounding region 19, the landed droplets are likely to get wet and spread easily, and the organic compound-containing liquid spreads throughout the surrounding region 19.
[0058]
In particular, since the center line average roughness Ra of the anodes 13, 13,... Is 0.5 nm or more and less than half the thickness of the EL layer 15, the surface area of the lyophilic region 14a is increased, and Liquid droplets are likely to get wet in the liquid region 14a. This can be explained as follows.
[0059]
Droplet wetting on a solid surface depends on two factors. One is a chemical factor determined by a combination of a substance constituting the solid and a droplet that wets the surface, and the other is a factor of a micro uneven structure on the surface of the solid.
The contact angle θ on the flat surface is determined by the balance between the surface tension of the solid and the droplet and the interfacial tension between the solid and the droplet, and the following Young's equation is established.
γ s = Γ SL + Γ L COSθ (24)
Where γ S Is the surface tension of the solid, γ L Is the surface tension of the droplet, γ SL Is the interfacial tension between the solid and the liquid. The actual surface area is larger than the macroscopic area where the surface is not flat and has a fine uneven structure. If the surface area is increased by r times, it is necessary to multiply r only by the surface tension of the solid and the interfacial tension between the solid and the liquid in formula (24).
COSθ f = R (γ S −γ SL ) / Γ L ... (25)
Where θ f Is the contact angle on a rough surface. Since r is always a positive number greater than 1, COSθ depends on whether COSθ is positive, that is, θ <90 °, or whether COSθ is negative, that is, θ> 90 °. f Is a large positive or negative value. In other words, a surface that gets wet as the surface becomes rougher becomes wetter, and a surface that repels becomes more repellent.
As a result, the lyophilic region 14a becomes more wet.
[0060]
The lyophilic region 14a has a thickness longer than 0 nm and 1 nm or less, and has a large unevenness difference between the center line average roughness Ra of the anode 13 and 0.5 nm or less of the thickness of the EL layer 15. The surface of the liquid region 14a has irregularities and is not smooth. Therefore, since the EL layer 15 is formed so as to mesh with the unevenness of the pattern film 14, peeling between the EL layer 15 and the pattern film 14 hardly occurs. In addition, since the actinic ray is incident slightly outside the surrounding area 19 to form a lyophilic area 14a wider than the surrounding area 19, a droplet that becomes the EL layer 15 in the lyophilic area 14a. Since the contact angle is lowered, the organic compound-containing liquid surely spreads throughout the surrounding area 19. Therefore, the EL layer 15 is formed with a uniform thickness, and peeling between the EL layer 15 and the pattern film 14 is difficult to occur, and the occurrence rate of defects can be suppressed. Furthermore, since the periphery of each lyophilic region 14a is a liquid repellent region 14b, the organic compound-containing liquid does not bleed into the liquid repellent region 14b. Therefore, the organic compound-containing liquids of two adjacent pixels do not mix with each other. Therefore, the EL layers 15, 15,... Can always be formed with a uniform thickness, and color development with high color purity can be achieved when two adjacent pixels are organic compound-containing liquids having different emission colors.
[0061]
In addition, when the EL layer 15 has a laminated structure, an organic compound-containing liquid is prepared for each layer, and each organic compound-containing liquid is sequentially ejected into the surrounding area 19 with a nozzle to laminate each layer. I will do it. For example, in the case where the EL layer 15 has a two-layer structure including a hole injection layer and a light-emitting layer in a narrow sense, an organic compound-containing liquid for the hole injection layer (an organic compound constituting the hole injection layer (for example, a conductive high A hole injection layer is formed by discharging a dispersion liquid in which PEDOT (polythiophene) which is a molecule and PSS (polystyrene sulfonic acid) which is a dopant are dispersed in an aqueous solvent into each surrounding region 19, The EL layer 15 is formed by discharging an organic compound-containing liquid in a narrow light-emitting layer (a solution in which a polyfluorene-based light-emitting material is dissolved in an organic solvent such as toluene, xylene, or tetralin) into each surrounding region 19. Even in this case, the organic compound-containing liquid in the hole injection layer is familiar in each lyophilic region 14a of the pattern film 14, and the organic compound-containing liquid in the hole injection layer is repelled in the liquid repellent region 14b.
[0062]
Next, the remaining solvent is removed by drying with a hot plate in a nitrogen atmosphere or drying with a sheathed heater in vacuum. Next, the cathode 16 is formed on one surface so as to cover the EL layers 15, 15,... By a film formation method such as a PVD method and a CVD method such as vapor deposition and sputtering (FIG. 4E). Since the EL layer 15 is formed over the entire surrounding region 19, the cathode 16 does not directly contact the anode 13, and the cathode 16 and the anode 13 do not short-circuit. After the cathode 16 is formed, the organic EL elements 11, 11,... Are sealed with a sealing material such as sealing resin and sealing glass. It is desirable to apply a curable adhesive and attach the sealing substrate to the cathode 16 side.
[0063]
In the organic EL display panel 10 manufactured as described above, a current flows through the organic EL element 11 in accordance with a signal input by the pixel circuit via the signal line 51 and the scanning line 52. In the organic EL element 11, current flows when holes are injected from the anode 13 into the EL layer 15 and electrons are injected from the cathode 16 into the EL layer 15. Then, holes and electrons are transported in the EL layer 15, and the holes and electrons are recombined in the EL layer 15, whereby the EL layer 15 emits light. Since the anodes 13, 13,... And the transparent substrate 12 are transparent, the light emitted from the EL layer 15 is emitted from the back surface 12b of the transparent substrate 12, and the back surface 12b becomes the display surface.
[0064]
As described above, in the present embodiment, the wettability variable layer 14 ′ is formed by hydrolyzing and polymerizing the silazane compound, and the main chain as a polymer composed of silicon and oxygen is the anodes 13 and 13. ,... And the protective insulating film 18 are formed on the entire surface along the surface, and the substantial thickness of the lyophilic region 14a in each surrounding region 19 is the main molecular unit in the wettable variable layer 14 ′. The thickness is very thin, excluding the functional group Rf containing fluorine from the chain. Therefore, even if the pattern film 14 is interposed between the anode 13 and the EL layer 15, the insulation of the pattern film 14 can be ignored, and injection of holes from the anode 13 to the EL layer 15 is not hindered. . In the anodes 13, 13,..., The center line average roughness Ra is 0.5 nm or more and less than half of the thickness of the EL layer 15, and the difference in unevenness is large. Therefore, the actual area where the wettability variable layer 14 ′ is applied is also large. Therefore, the contact area between the wettability variable layer 14 ′ and the EL layer 15 is inevitably increased. Therefore, since the actual area for injecting holes from the wettability variable layer 14 ′ to the EL layer 15 is also large, the luminance (cd / m 2 ) Can be improved.
[0065]
Further, since oxygen plasma cleaning or ultraviolet / ozone cleaning is performed before the wettability variable layer 14 ′ is formed, and further cleaning with pure water is performed, a very thin wettability variable layer 14 ′ having liquid repellency can be easily obtained. It can be formed into a film. In particular, since the substrate is washed with pure water, the liquid-repellent wettability variable layer 14 ′ can be reliably formed on the protective insulating film 18. This is because the liquid-repellent wettability variable layer 14 ′ may not be sufficiently formed on the protective insulating film 18 when it is not cleaned with pure water. Hydrolysis polymerization reaction of the silazane compound is caused by water molecules attached to 18 surface layers.
[0066]
Further, in the present embodiment, the wettability variable layer 14 ′ is partially contained by irradiating the wettability variable layer 14 ′ with the active oxygen species through the photomask substrate 40 without containing the photocatalyst in the wettability variable layer 14 ′. To react. In the wettability variable layer 14 ′, the region irradiated with actinic rays becomes the lyophilic region 14 a, and injection of holes from the anode 13 to the EL layer 15 is not hindered, and the pattern film 14 becomes the EL layer 15. There is no chemical effect.
[0067]
Further, the region irradiated with actinic rays in the wettability variable layer 14 ′ becomes the lyophilic region 14a, and the centerline average roughness Ra of the portion overlapping the anode 13 in the lyophilic region 14a is particularly 0. Since the thickness is 0.5 nm or more and less than half of the thickness of the EL layer 15, the EL layer 15 is easily wetted, so that the EL layer 15 spreads over the entire surrounding region 19. As a result, the EL layer 15 is formed uniformly over the entire surrounding region 19, so that no short circuit occurs between the anode and the cathode. Further, since peeling does not easily occur between the EL layer 15 and the pattern film 14, dark spots are not easily generated in the emitted EL layer 15.
[0068]
In the above description, the anode 13 is formed by the EB vapor deposition method so that the center line average roughness Ra is 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer 15. The anode 13 having a center line average roughness Ra of 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer 15 may be formed by any one of the methods.
[0069]
[Another method (1)]
When patterning the transistors 21, 21,..., A transparent conductive material made of indium oxide, zinc oxide, tin oxide, or a mixture containing at least one of them (for example, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped indium oxide). The layer is formed on the entire surface of the gate insulating film 23. If the center line average roughness Ra is not less than 0.5 nm and not more than half of the thickness of the EL layer 15, the film formation method is not limited to the EB vapor deposition method. It may be a plating method, a sputtering method, other PVD methods, or a CVD method. After the transparent conductive layer is formed, a mask is applied to the transparent conductive layer, the shape of the transparent conductive layer is processed according to the mask, and the mask is removed, whereby the anodes 13, 13,... Are patterned in a matrix (FIG. 3A). .
[0070]
After forming the anodes 13, 13,... And the transistors 21, 21,..., A mesh-like protective insulating film 18 is formed so as to surround the anodes 13, 13,. ).
[0071]
Next, by performing soft etching on the exposed portions of the anodes 13, 13,..., The center line average roughness Ra of the surfaces of the anodes 13, 13,. The EL layer 15 is formed to be less than half the thickness.
Then, the pattern film 14, the EL layers 15, 15,..., And the cathode 16 are formed in the same manner as described above.
In this method, the formation method of the anodes 13, 13,... Is not limited to the EB vapor deposition method, so the degree of freedom of the formation method of the anodes 13, 13,.
[0072]
[Another method (2)]
When patterning the transistors 21, 21,..., Indium oxide, zinc oxide, tin oxide or a mixture containing at least one of them (for example, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped) by PVD or CVD. A transparent conductive layer made of indium oxide) is formed over the gate insulating film 23. After the transparent conductive layer is formed, a mask is applied to the transparent conductive layer, the shape of the transparent conductive layer is processed according to the mask, and the mask is removed, whereby the anodes 13, 13,... Are patterned in a matrix (FIG. 3A). . After forming the anodes 13, 13,... And the transistors 21, 21,..., A mesh-like protective insulating film 18 is formed so as to surround the anodes 13, 13,. ).
[0073]
Then, a blasting material such as silica sand is blown toward the exposed portions of the anodes 13, 13,... (Blasting method), so that the center line average roughness Ra of the surfaces of the anodes 13, 13,. The EL layer 15 is formed to be less than half the thickness. A blasting method using silica sand as a blasting material is particularly called a sandblasting method. Next, the blast material adhering to the surfaces of the anodes 13, 13,.
Then, the pattern film 14, the EL layers 15, 15,..., And the cathode 16 are formed in the same manner as described above.
Since the blasting method as described above can be performed without using chemicals, there is no problem of disposal / treatment of chemicals.
[0074]
[Another method (3)]
When patterning the transistors 21, 21,..., Indium oxide, zinc oxide, tin oxide or a mixture containing at least one of them (for example, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped) by PVD or CVD. A transparent conductive layer made of indium oxide) is formed over the gate insulating film 23. After the transparent conductive layer is formed, a mask is applied to the transparent conductive layer, the shape of the transparent conductive layer is processed according to the mask, and the mask is removed, whereby the anodes 13, 13,... Are patterned in a matrix (FIG. 3A). . After forming the anodes 13, 13,... And the transistors 21, 21,..., A mesh-like protective insulating film 18 is formed so as to surround the anodes 13, 13,. ).
[0075]
Next, the exposed portions of the anodes 13, 13,. 2 O Three TiO 2 , SiO 2 An inorganic material such as 10 to 20 Å (angstrom) is formed by sputtering. Since the film thickness of the inorganic layer is very thin, 10 to 20 mm, the film has defects in some places and is not continuous. Then, wet etching or dry etching is performed on the anodes 13, 13,... Using the inorganic layer as a mask, and the surface of the anodes 13, 13,... Has a center line average roughness Ra of 0.5 nm or more. It is formed so as to be less than half of that. The inorganic layer may not be removed after the etching.
Then, the pattern film 14, the EL layers 15, 15,..., And the cathode 16 are formed in the same manner as described above.
In this method, since the mask of the inorganic layer is provided on the anodes 13, 13,..., The restrictions on the etching method and etching conditions are relaxed, and the environment in which the anodes 13, 13,. Not limited.
[0076]
The present invention is not limited to the above embodiment, and various improvements and design changes may be made without departing from the spirit of the present invention.
For example, since the organic EL display panel 1 of the above embodiment is a self-luminous type, it can be used for a line scanning mechanism of an image forming apparatus such as a page printer.
In the above description, the cathode 16 is common to all the organic organic EL elements 11, 11,..., But the cathode and the anode are changed to form a cathode for each pixel of the organic organic EL element 11. Also good.
Further, instead of the plate-like transparent substrate 12, a sheet-like transparent film substrate may be used.
[0077]
In the above description, the plurality of EL layers 15, 15,... Are patterned by the droplet discharge method. However, since the lyophilic regions 14a, 14a,... Are patterned in a matrix in the pattern film 14, the organic compound-containing liquid is applied to the pattern film 14 and the transparent substrate 12 is rotated (spin coating method). The plurality of EL layers 15, 15,... Can be patterned in a matrix. Further, by utilizing the lyophilic and liquid repellent patterning of the pattern film 14, the plurality of EL layers 15, 15,... May be patterned in a matrix by a dip coating method or a die coating method. Furthermore, the plurality of EL layers 15, 15,... May be patterned in a matrix using a planographic printing method, an intaglio printing method, or a relief printing method.
[0078]
In the above description, the wettability variable layer 14 ′ is formed by the dip coating method. However, the wettability variable layer 14 ′ may be formed by the spin coating method, the brush coating method, or the vapor deposition method.
[0079]
In the above description, the wettability variable layer 14 ′ does not contain a photocatalyst, but the wettability variable layer 14 ′ may contain a photocatalyst by applying a silazane-based solution containing a photocatalyst. In this case, the photocatalyst film 43 may not be provided on the photomask substrate 40.
[0080]
Moreover, although the silazane compound was mentioned as a silane compound which has a functional group containing a fluorine, other silane compounds, such as a silane coupling agent (hydroalkyl-polymerizable silicon compound containing hydrolytic polymerization), and other liquid repellency are shown. It may be a functional group, and the substituted functional group may be a lyophilic functional group other than a hydroxyl group.
[0081]
Further, after the protective insulating film 18 is patterned and before the wettability variable layer 14 ′ is formed, the mesh-like partition wall 20 is patterned so as to overlap the protective insulating film 18 as shown in FIG. May be. The width of the partition wall 20 increases as it approaches the transparent substrate 12 and is narrower than the width of the protective insulating film 18. The partition wall 20 has insulating properties and is formed of a resin such as a polyimide resin, a novolac resin, or an acrylic resin.
[0082]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
In the first example, as described in the above embodiment, the anodes 13, 13,... Made of ITO were formed by EB vapor deposition. The center line average roughness Ra of the anodes 13, 13,... Was measured with an atomic force microscope (AFM) as a cut-off value of 12.5 μ along the formula (b), and found to be 10.5 nm. In this case, before the exposure using the photomask substrate 40, the organic compound-containing liquid is dropped on the wettability variable layer 14 ′ that overlaps the anode 13 (showing liquid repellency). The contact angle of was measured. Further, after exposure using the photomask substrate 40, an organic compound was dropped onto the lyophilic region 14a overlapping the anode 13, and the contact angle of the organic compound-containing liquid was measured. As the organic compound-containing liquid, a solution obtained by adding ethanol to a dispersion liquid in which PEDOT and PSS are dispersed in an aqueous solvent (organic compound-containing liquid No. 1), and organic compound-containing liquid No. What added the addition amount of ethanol to 2 times (organic compound containing liquid No. 2) rather than 1 was used. Organic compound-containing liquid No. The weight ratio of water: ethanol: PEDOT and PSS = 94.25 wt%: 5 wt%: 0.75 wt%. The weight ratio of 2 is water: ethanol: PEDOT and PSS = 89.25 wt%: 10 wt%: 0.75 wt%. The reason why ethanol is added to the organic compound-containing liquid is that unless the ethanol is added, the viscosity of the dispersion is high, and the dispersion cannot be continuously applied by a droplet discharge method using an inkjet head. Organic compound-containing liquid No. 1 is the lower limit that can be put to practical use by the droplet discharge method. If the addition amount is less than 1, droplets cannot be discharged continuously by the droplet discharge method.
[0083]
In the second embodiment, the anodes 13, 13,... Were formed by the HDAP-IP method (ion plating method), and the center line average roughness Ra of the anodes 13, 13,. In the third embodiment, the anodes 13, 13,... Were formed by sputtering, and the center line average roughness Ra of the anodes 13, 13,. Then, in the same manner as in the example, the organic compound-containing liquid is dropped on the portion of the wettability variable layer 14 ′ before exposure that overlaps the anode 13 (showing liquid repellency), and the contact angle of the organic compound-containing liquid is set. In addition to the measurement, an organic compound was dropped onto the lyophilic region 14a that overlapped the anode 13 after exposure, and the contact angle of the organic compound-containing liquid was measured.
The measurement results are shown in Table 1.
[0084]
[Table 1]
Figure 0004258239
[0085]
As can be seen from Table 1, when the contact angle after exposure is compared, in the case of the HDAP-IP method, in the case of the sputtering method, the contact angle becomes smaller in the order of the EB vapor deposition method. It can be seen that the organic compound-containing liquid is most easily wetted in the lyophilic region 14a when the film is formed.
In addition, in the case of the EB vapor deposition method, it can be seen that the contact angle is the largest before exposure and the organic compound-containing liquid is most easily repelled as compared with other methods. Furthermore, in the case of the EB vapor deposition method, it can be seen that the change rate of the contact angle is the largest between before exposure and after exposure as compared with other methods.
In any case, it was confirmed that the contact angle of the lyophilic region 14a was 25 ° or less, which was effective for the film formation of the organic compound-containing liquid. Particularly, in the EB vapor deposition method, the center line average roughness Ra is 10 nm or more, the contact angle of the lyophilic region 14a is 15 ° or less, and the contact angle is remarkably improved. Further, since the contact angle of the liquid repellent region 14b exceeds 110 °, the EL layer 15 can be formed with high accuracy.
[0086]
【The invention's effect】
According to the present invention, since the surface roughness Ra of the first electrode is large, the lyophilic film formed on the first electrode, the portion formed on the first electrode and irradiated with active light is more It is easy to become familiar with the organic compound-containing liquid, and the organic compound-containing liquid wets better. For this reason, the organic compound-containing liquid oozes over the lyophilic film or the entire exposed portion, and the formation failure of the EL layer can be suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing an organic EL display panel to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the organic EL display panel shown in FIG.
3 is a view showing a manufacturing process of the organic EL display panel shown in FIG. 1;
4 is a drawing showing manufacturing steps subsequent to FIG. 3. FIG.
5 is a cross-sectional view showing an organic EL display panel different from the organic EL display panel shown in FIG.
[Explanation of symbols]
10 Organic EL display panel (Organic EL panel)
11 Organic EL device
12 Transparent substrate (substrate)
13 Anode (first electrode)
14 'wettability variable layer
14 Pattern film
14a lyophilic region (lyophilic membrane)
14b Liquid repellent area
15 EL layer
16 Cathode (second electrode)

Claims (10)

基板上に第一電極、少なくとも一層以上のEL層、第二電極の順に積層してなる有機EL素子を製造する有機EL素子の製造方法において、
表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下となる前記第一電極を前記基板上に形成する第一電極形成工程と、
前記EL層の材料を含有した有機化合物含有液に対してなじむ親液性膜を前記第一電極上に形成する工程と、
前記親液性膜上に前記有機化合物含有液を塗布することによって前記EL層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
In the method for producing an organic EL element, an organic EL element is produced by laminating a first electrode, at least one EL layer, and a second electrode in this order on a substrate.
A first electrode forming step of forming the first electrode on the substrate having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer;
Forming a lyophilic film on the first electrode that is compatible with the organic compound-containing liquid containing the material of the EL layer;
Forming the EL layer by applying the organic compound-containing liquid on the lyophilic film;
The manufacturing method of the organic EL element characterized by including.
前記第一電極形成工程には、EB蒸着法によって表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下の前記第一電極を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
The first electrode forming step includes a step of forming the first electrode having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more and half or less of a thickness of the EL layer by an EB vapor deposition method. The manufacturing method of the organic EL element of description.
前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極にソフトエッチングを施すことによって前記第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
In the first electrode forming step, the step of forming the first electrode, and then performing soft etching on the first electrode, the surface roughness Ra of the first electrode is 0.5 nm or more of the EL layer. The method of forming the organic EL element according to claim 1, comprising a step of forming the half of the thickness or less.
前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極に対してブラスト法を行うことによって前記第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
The first electrode forming step includes a step of forming the first electrode, and then performing a blasting method on the first electrode, whereby the surface roughness Ra of the first electrode is 0.5 nm or more. The method for forming an organic EL element according to claim 1, further comprising: forming the layer to be half or less of the thickness of the layer.
前記第一電極形成工程には、前記第一電極を形成する工程と、その後に該第一電極上に膜厚10〜20Åの無機物層を成膜する工程と、前記無機物層をマスクとして前記第一電極にエッチングを施す工程と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
The first electrode forming step includes a step of forming the first electrode, a step of forming a 10 to 20 mm thick inorganic layer on the first electrode, and a step of forming the first electrode using the inorganic layer as a mask. The method of manufacturing an organic EL element according to claim 1, further comprising: etching one electrode.
複数の有機EL素子が基板上に配列されてなる有機ELパネルを製造する有機ELパネルの製造方法において、
表面粗さRaが0.5nm以上となる複数の第一電極を前記基板上に間隔を空けて形成する第一電極形成工程と、
活性光線の被照射によって有機化合物含有液に対する濡れ性が向上する濡れ性可変層を、前記複数の第一電極をまとめて被覆するように形成する工程と、
前記濡れ性可変層のうちそれぞれの前記第一電極に重なった領域に、前記濡れ性可変層を変性するための活性光線を照射する工程と、
前記濡れ性可変層のうちそれぞれの前記第一電極に重なった領域に有機化合物含有液を塗布することでそれぞれの前記第一電極上に、前記表面粗さRaの二倍以上の厚さで少なくとも一層以上のEL層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
In an organic EL panel manufacturing method for manufacturing an organic EL panel in which a plurality of organic EL elements are arranged on a substrate,
A first electrode forming step of forming a plurality of first electrodes having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more on the substrate at an interval;
Forming a wettability variable layer that improves wettability with respect to the organic compound-containing liquid by irradiation with actinic rays so as to cover the plurality of first electrodes together;
Irradiating a region of the wettability variable layer overlapping each first electrode with an actinic ray for modifying the wettability variable layer;
By applying an organic compound-containing liquid to a region of the wettability variable layer that overlaps each of the first electrodes, on each of the first electrodes, the thickness is at least twice the surface roughness Ra. Forming one or more EL layers;
The manufacturing method of the organic electroluminescent panel characterized by including.
前記第一電極形成工程には、EB蒸着法によって表面粗さRaが0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下の前記複数の第一電極を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。
The first electrode forming step includes a step of forming the plurality of first electrodes having a surface roughness Ra of 0.5 nm or more and half or less of a thickness of the EL layer by an EB vapor deposition method. Item 7. A method for producing an organic EL panel according to Item 6.
前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極にソフトエッチングを施すことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。
In the first electrode forming step, the surface roughness Ra of the plurality of first electrodes is set to 0. 0 by forming the plurality of first electrodes and then performing soft etching on the plurality of first electrodes. The method for forming the organic EL panel according to claim 6, further comprising: forming a thickness of 5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer.
前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極に対してブラスト法を行うことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。
In the first electrode forming step, the surface roughness Ra of the plurality of first electrodes is determined by performing a blasting process on the plurality of first electrodes after the step of forming the plurality of first electrodes. The method for forming an organic EL panel according to claim 6, further comprising: forming a thickness of 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer.
前記第一電極形成工程には、前記複数の第一電極を形成する工程と、その後に前記複数の第一電極上に膜厚10〜20Åの無機物層を成膜する工程と、前記無機物層をマスクとして前記複数の第一電極にエッチングを施すことによって前記複数の第一電極の表面粗さRaを0.5nm以上前記EL層の厚さの半分以下に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。
The first electrode forming step includes a step of forming the plurality of first electrodes, a step of forming a 10 to 20 mm thick inorganic layer on the plurality of first electrodes, and a step of forming the inorganic layer. And etching the plurality of first electrodes as a mask to form a surface roughness Ra of the plurality of first electrodes to 0.5 nm or more and half or less of the thickness of the EL layer. The manufacturing method of the organic electroluminescent panel of Claim 6.
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