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JP4258295B2 - 折り畳み型携帯端末 - Google Patents

折り畳み型携帯端末 Download PDF

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JP4258295B2
JP4258295B2 JP2003192811A JP2003192811A JP4258295B2 JP 4258295 B2 JP4258295 B2 JP 4258295B2 JP 2003192811 A JP2003192811 A JP 2003192811A JP 2003192811 A JP2003192811 A JP 2003192811A JP 4258295 B2 JP4258295 B2 JP 4258295B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力キーを有する第1の筐体と表示器を有する第2の筐体がヒンジ部によって折り畳み機能を有する折り畳み型携帯端末の防水構造に関するものである。
【0002】
具体的には、折り畳み型携帯端末として、携帯電話機または、パーソナル・ハンディホン・システム、パーソナル・デジタル・アシスタント、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等があげられる。
【0003】
そして特に、携帯電話機においては、入力キーを有する第1の筐体と表示器を有する第2の筐体の接合部分を軸として、第2の筐体が回転して展開される携帯電話機も折り畳み型携帯電話機に含まれる。
【0004】
以下、折り畳み型携帯端末として、折り畳み型携帯電話機を例示して説明する。
【0005】
【従来の技術】
携帯電話機は、携帯性を有し、あらゆる環境においても使用可能であることが求められる。特に携帯電話機などは雨の日に屋外で使用されることも多く、従来から防水構造を設けることが必要であった。
【0006】
従来、ストレート型携帯電話機の防水構造は、ストレート型携帯電話機の基板外周に外周パッキンを設け、基板全体を囲んでしまう構造であった。これによりストレート型携帯電話機内部の実装基板に対する水などによるショートなどの不具合を回避することができる。
【0007】
また近年、携帯電話機において、折り畳み型が普及してきており、ストレート型携帯電話機と同様、折り畳み型携帯電話機における防水構造も求められるようになってきている。
【0008】
通常、折り畳み型携帯電話機は、文字や数字、記号等の入力やいろいろなメニューを選ぶのに用いられるキーパッドが設けられた第1の筐体と、あらゆる情報を液晶ディスプレイなどを用いて表示する第2の筐体とから構成される。この第1の筐体と第2の筐体はヒンジ部によって連結し折り畳み可能に連結されている。
【0009】
そして前記第1の筐体は、一対のフロントケースとリアケースを有している。そしてこのフロントケースとリアケースの間にはキーパッドからの入力信号を処理する入力キー基板と、キーパッドにあわせて形成されたシートとが配置される構造になっている。
【0010】
前記第2の筐体は、一対のフロントケースとリアケースを有し、このフロントケースとリアケースの間には液晶ディスプレイと、その表示制御を行う表示器基板とが組み込まれるようになっている。
【0011】
また、電気的に前記入力キー基板と前記表示器基板を接続するために、入力キー基板はコネクタを介してフレキシブルプリント回路基板の一方端と接続されている。そして表示器基板はそのフレキシブルプリント回路基板の他方端とコネクタを介して接続されている。このフレキシブルプリント回路基板は第1の筐体と第2の筐体とを連結するヒンジ部を通るように配置されている。
【0012】
このような構造を持つ折り畳み型携帯電話機において、ヒンジ部は第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み可能に連結するため、どうしても多少の隙間がヒンジ部にできてしまい、このヒンジ部の隙間から水等が侵入し、ショート等の不具合が生じてしまう。
【0013】
このような問題を解決するための、折り畳み型携帯電話機においての防水構造に関する先行特許文献は、次のようなものがある。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−319771号公報
特許文献1における折り畳み型携帯電話機においての防水構造は、図10に示すものである。図10に示す折り畳み型携帯電話機は、キーパッドにあわせて形成されたシート37を内装しており、フレキシブルプリント回路基板38の表裏面に当接された一対のパッキン39,40が設けられている。一方のパッキン39はリアケース41に固定されている。またパッキン40は、シート37の端部に一体形成されているとともに、その先端部が薄肉状の舌片42となされている。
【0015】
このような防水構造を有する引用特許文献1中の折り畳み型携帯電話機は、ヒンジ部分に水等が付着してもフレキシブルプリント回路基板とコネクタとの接点の保護を行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の防水構造を有する折り畳み型携帯電話機の目的は、水滴、湿気等による水分が携帯電話機のヒンジ部から携帯電話機に浸入することを防ぐことである。つまり上記折り畳み型携帯電話機の解決課題は、ヒンジ部から侵入した水等がフレキシブルプリント回路基板上を通って入力キー基板へ到達することを防ぐことである。
【0017】
しかし携帯電話機が水没してしまったりして水を被った場合等、従来の防水構造では、ヒンジ部に設けられたパッキンは、フレキシブルプリント回路基板とパッキンの隙間に水が浸入することを十分防ぐことができない。またヒンジ部からの水の侵入は、パッキン以外のところからまわり込む侵入ルートもあるためその水の侵入を十分に防ぐことができない。
【0018】
またこのような場合、ヒンジ部からだけでなく、第1の筐体、第2の筐体それぞれのフロントケースとリアケースの接合部分からも、携帯電話機内に水が浸入し、ショートする等の支障をきたしていた。
【0019】
本発明では、折り畳み型携帯端末が水没等して大量の水を被った場合でも折り畳み型携帯端末のショート等を防ぐことができるより高い防水力を実現する防水構造を備えた折り畳み型携帯端末を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の折り畳み型携帯端末は、第1の筐体と第2の筐体とがヒンジ部を介して連結されている。そして前記第1の筐体はフロントケースとリアケースの一対によって構成されており、前記フロントケースと前記リアケースとの間に、キーパッド、入力キー基板が積層状に配置されている。
【0021】
そして前記第2の筐体はフロントケースとリアケースの一対によって構成されており、前記フロントケースと前記リアケースとの間に、ディスプレイと、表示器基板が配置されている。
【0022】
第1の筐体において、キーパッドと入力キー基板の間に配置されるシートは、キーパッドの形状にあわせて凸部が設けられており、キーパッドと一体形成されている。
【0023】
そして本発明では新たに入力キー基板の外周に周囲パッキンを備え、さらにフレキシブルプリント回路基板の表に設けられて、フレキシブルプリント回路基板に接触する面が凹凸に構成されているフロントフレキ部パッキンと、該フレキシブルプリント回路基板の裏に設けられて、フレキシブルプリント回路基板に接触する面が凹凸に構成されているリアフレキ部パッキンとを有している。
【0024】
周囲パッキン、フロントフレキ部パッキン、リアフレキ部パッキンを総称してケースパッキンと呼び、ケースパッキンは材料としてシリコンゴム等を用いて作成される。
【0025】
第2の筐体についても同様に、表示器基板の外周に周囲パッキンと、フレキシブルプリント回路基板の表に設けられて、フレキシブルプリント回路基板に接触する面が凹凸に構成されているフロントフレキ部パッキンと、該フレキシブルプリント回路基板の裏に設けられて、フレキシブルプリント回路基板に接触する面が凹凸に構成されているリアフレキ部パッキンとから構成されるケースパッキンを有している。
【0026】
第1の筐体において、周囲パッキンは、リアケースの背面に、入力キー基板の外周に合わせて形成された溝部に、固定できるようになっている。リアフレキ部パッキンも、フレキシブルプリント回路基板を挟み込めるように、リアケース背面のヒンジ部側に形成されたリア溝部に、固定できるようになっている。
【0027】
そしてフロントケース背面は、リアケース背面に設けられた溝部にあった凸部と、フロントフレキ部パッキンを固定できるフロント溝部を有する。前記フロントケースを、前記周囲パッキンと前記リアフレキ部パッキンを、装着完了したリアケースと嵌めこんだ場合、リアケース背面の凸部によって周囲パッキンを押圧し、フロントフレキ部パッキンを固定して、フレキシブルプリント回路基板を挟み込む構成になっている。
【0028】
第2の筐体においても同様に、周囲パッキンは、リアケースの背面に、表示器基板の外周に合わせて形成された溝部に、固定できるようになっている。リアフレキ部パッキンも、フレキシブルプリント回路基板を挟み込めるように、リアケース背面のヒンジ部側に形成されたリア溝部に、固定できるようになっている。
【0029】
そしてフロントケース背面は、リアケース背面に設けられた溝部にあった凸部と、フロントフレキ部パッキンを固定できるフロント溝部を有する。前記フロントケースを、前記周囲パッキンと前記リアフレキ部パッキンを装着完了したリアケースと嵌めこんだ場合、リアケース背面の凸部によって周囲パッキンを圧縮し、フロントフレキ部パッキンを固定してフレキシブルプリント回路基板を挟み込む構成になっている。
【0030】
係る構成によれば、折り畳み型携帯端末が水没等をしてしまった場合、折り畳み型携帯端末のヒンジ部から水が第1の筐体、第2の筐体内に浸入してもフロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンによって入力キー基板、表示器基板を水から保護することができる。そしてフロントケースとリアケースの接合部からの水の浸入した場合においても、入力キー基板、表示器基板の外周の周囲パッキンによって入力キー基板、表示器基板を水から保護することができる。
【0031】
そしてフロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンを、連結部によって結合して作成してもよい。フロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンを結合させることによって部品点数を削減でき、生産工程を簡略化することができる。
【0032】
また第1の筐体、第2の筐体において、フロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンを、連結部によって結合し、さらに前記周囲パッキンと前記リアフレキ部パッキンをリアフレキ部パッキン方向に幅広くなっている補助部によって一体形成したケースパッキンを、シリコンゴム等を用いて作成してもよい。ケースパッキンを一体形成することによって、折り畳み型携帯端末における部品点数を削減することができる。
【0033】
また上記目的をより確実に達成するために、フロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンのフレキシブルプリント回路基板を挟み込む面を凹凸に加工しても良い。フロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンの挟み込み面を凹凸に加工することによって、小さい圧力においても高い密閉力を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態として折り畳み型携帯電話機について、図面を参照して詳細に説明する。図11は実施形態に係る折り畳み型携帯電話機であって、開いた状態を示す斜視図である。
【0035】
折り畳み型携帯電話機は、第1の筐体A1と第2の筐体A2からなり、これらがヒンジ部A3によって連結されて折り畳み自在に組み合わされて構成されている。
【0036】
前記第1の筐体A1は、図1に示すように、一対のフロントケース1とリアケース2を有し、これらは、例えば材料として合成樹脂等を用いて成形されている。フロントケース1はキーパッド4を組み込むためのキー窓3が設けられている。第1の筐体内部材としては、フロントケース側から、キーパッド4、入力キー基板5が配置されている。
【0037】
そしてキーパッド4は、キーパッド4の凹凸にあわせて形成されたシートと一体形成されて、フロントケース1のキー窓3から外部に露出するように形成されており、文字や記号、数字等の入力や機能選択に用いられる。シートは、キー窓3とキーパッド4が組み合わされた状態でも隙間ができてしまい、水等が浸入してしまうので、それを防ぐためにキーパッド4と一体形成されて設けられている。
【0038】
入力キー基板5は、キーパッド側の面にドームキー6が設けられている。ドームキー6は、キーパッド4が押された圧力によってドームキー6のスイッチを開閉する構造になっており、入力キー基板5は、キーパッド4からの入力信号を、ドームキー6を介して、実装されている電子回路などあらゆる部品で処理する。
【0039】
そして本発明に係るケースパッキン7が、入力キー基板5を囲う位置に配置されている。
【0040】
第1の筐体A1はこれら第1の筐体内部材をフロントケース1とリアケース2で覆い、ねじ等の固定手段を用いて固定されている。
【0041】
前記第2の筐体A2は、図1に示すように、第1の筐体A1と同様に、一対のフロントケース8とリアケース9を有し、合成樹脂などを用いて成形されている。フロントケース8にはディスプレイ11を組み込むディスプレイ窓10が設けられている。
【0042】
フロントケース8とリアケース9内の部材としては、フロントケース側から、ディスプレイ11、表示器基板12が配置されている。ディスプレイ11としては例えば、液晶ディスプレイ等が用いられ、フロントケース8のディスプレイ窓10から外部に露出するように形成されている。ここでディスプレイ11とディスプレイ窓10の間にはどうしても隙間ができてしまうため、両面テープ等をその隙間に貼り付け、水等の浸入を防いでいる。
【0043】
そして本発明に係るケースパッキン13が、表示器基板12を囲う位置に配置されている。
【0044】
第2の筐体A2は、これら第2の筐体内部材をフロントケース8とリアケース9で覆い、ねじ等の固定手段を用いて固定されている。
【0045】
ここで請求項1中に示すプリント基板は、入力キー基板5、表示器基板12を示す。
【0046】
電気的に前記入力キー基板5と前記表示器基板12を接続するために、図2に示すように、入力キー基板はコネクタ14を介してフレキシブルプリント回路基板15の一方端と接続されている。
【0047】
前記フレキシブルプリント回路基板15の他方端は表示器基板12とコネクタ16を介して接続されている。これらのコネクタ14、16は通常、入力キー基板5、表示器基板12のフロントケース側に設けられている。そして前記フレキシブルプリント回路基板15は、前記第1の筐体A1と前記第2の筐体A2とを連結するヒンジ部A3内を一周して通るように配置されている。
【0048】
そしてフレキシブルプリント回路基板は、ヒンジ部からの水等の浸入を防ぐために、フロントフレキ部パッキン20,27とリアフレキ部パッキン21,28によって挟み込まれている。
【0049】
そして図3に示すケースパッキン7は、フロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21が連結部22によって接合され、さらにリアフレキ部パッキン21が、徐々にリアフレキ部パッキン方向に幅が広がっている補助部19に周囲パッキン17と一体形成されて構成されている。ケースパッキンを構成する周囲パッキン、フロントフレキ部パッキン、リアフレキ部パッキンが一体形成されていることは、防水力を高める効果を有する。
【0050】
ここで請求項1中での第1のフレキ部パッキンはリアフレキ部パッキン21,28を示し、第2のフレキ部パッキンはフロントフレキ部パッキン20,27を示す。
【0051】
周囲パッキン17は、1辺が数ミリ程度の四角形の断面をしている棒状のシリコンゴムがコの字型に形成されたものである。ここでコの字型周囲パッキン17の大きさは入力キー基板5、表示器基板12の大きさにあわせてそれぞれの外周を囲う大きさである。
【0052】
そしてフロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21は直方体に形成されて、それぞれのフレキシブルプリント回路基板15を挟み込む面20f、21fが、凹凸状に加工されている。
【0053】
第1領域18を拡大した図を図4に示す。連結部22はフロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21の1辺を連結部22によって接合しているが、一辺の一部だけ接合しており、フレキシブルプリント回路基板15を通すフレキきりかき部23が形成されている。
【0054】
ケースパッキン13もケースパッキン7と同様の構造を有している。
【0055】
ケースパッキン7、13を折り畳み型携帯電話機に装着した状態は、図5に示すとおりである。図5は第1の筐体A1、第2の筐体A2のフロントケース1、8をはずした状態での部分展開図である。
【0056】
フレキシブルプリント回路基板15はフロントフレキ部パッキン挟み込み面20f,27fとリアフレキ部パッキン挟み込み面21f,28fによって挟み込まれるように配置される。
【0057】
ここでフレキきりかき部23,29にフレキシブルプリント回路基板15が通されている。入力キー基板5と表示器基板12はそれぞれ、ケースパッキン7,13によって囲まれている。
【0058】
また第2領域25も第1領域18と同様の構造になっている。
【0059】
フレキシブルプリント回路基板15をフレキ部パッキン18で挟み込んだ断面図は図6に示すとおりである。同図(a)がフレキシブルプリント回路基板15をフロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21で挟み込む前の図であり、同図(b)がフレキシブルプリント回路基板15をフロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21で挟みこんだ図である。
【0060】
フロントフレキ部パッキン挟み込み面20fとリアフレキ部パッキン挟み込み面21fは、凹凸状に形成されており、挟み込んだ状態で、凹凸面がかみ合う構造になっている。加圧下において、フロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21は、変形可能なシリコンゴムでできているので、ヒンジ部A3からの水の浸入を防げることに加え、挟み込まれているフレキシブルプリント回路基板15は傷つくことはない。
【0061】
第1の筐体のリアケース2についての三面図を図8に示す。同図(a)はリアケース正面2Fであり、同図(b)はリアケース側面2Sであり、同図(c)はリアケース背面2Rである。
【0062】
リアケース背面2Rに、入力キー基板5の外周に合わせてコの字型に形成された溝部33と、コの字型の溝部33を繋ぐようにヒンジ部側に形成されたリア溝部34が形成されている。溝部33には周囲パッキン17を嵌めこんで固定できるようになっており、リア溝部34にはリアフレキ部パッキン21を嵌めこんで固定できるようになっている。
【0063】
第1の筐体のフロントケース1についての三面図を図7に示す。同図(a)はフロントケース正面1Fであり、同図(b)はフロントケース側面1Sであり、同図(c)はフロントケース背面2Rである。
【0064】
そしてフロントケース背面1Rは、リアケース背面2Rに設けられた溝部33にあった凸部31と、フロントフレキ部パッキン20を嵌めこんで固定できるフロント溝部32を有する。
【0065】
前記周囲パッキン17と前記リアフレキ部パッキン21を装着完了したリアケース2と、前記フロントケース1とを組み合わせた場合、フロントケース背面1Rの凸部31によって周囲パッキン17を押圧する。さらにフロントフレキ部パッキン20を固定して、フレキシブルプリント回路基板15をフロントフレキ部パッキン20とリアフレキ部パッキン21挟み込み、第1の筐体A1を密閉可能とする。
【0066】
第2の筐体A2のリアケースも、第1の筐体A1と同様に、リアケース背面に、表示器基板12の外周に合わせて溝部が形成されている。溝部には周囲パッキンを嵌めこんで固定できるようになっている。リアフレキ部パッキンも、リアケースの背面に、フレキシブルプリント回路基板を挟み込めるように、嵌めこんで固定できるようになっている。
【0067】
そしてフロントケース背面は、リアケース背面に設けられた溝にあった凸部と、フロントフレキ部パッキンを固定できる溝を有する。
【0068】
第1の筐体A1、第2の筐体A2に、ケースパッキン7,13を配置して、防水構造を設けた本発明に係る折り畳み型携帯電話機Aは、従来の折り畳み型携帯電話機の防水構造と対比すると以下のような点で相違する。
【0069】
従来の折り畳み型携帯電話機における防水構造では、第1の筐体A1と第2の筐体A2を連結するヒンジ部A3からの水滴等、湿気等のごく少量の水分が携帯電話機に浸入することを防ぐことを主目的としている。
【0070】
したがって例えば、図9に示すように、フレキシブルプリント回路基板15の裏面にパッキン35,36を設けたりなどして、ヒンジ部A3からの水等の浸入を防いでいた。また材料としては、柔軟性のある防水材が用いられ、特にシリコンゴムやウレタンなどが用いられていた。
【0071】
しかし携帯電話機が水を被ってしまったりした場合は、大量の水がヒンジ部から侵入する可能性があり、そのようなとき、従来の防水構造ではヒンジ部からの水の浸入を完全に防ぐことができない。またこのような場合、ヒンジ部からだけでなく、第1の筐体A1、第2の筐体A2それぞれのフロントケース1,8とリアケース2,9の接合部分からも、携帯電話機内に水が浸入してしまい、その水を防ぐことができない。
【0072】
本発明では、周囲パッキン17,24とフロントフレキ部パッキン20,27、リアフレキ部パッキン21,28、連結部22,29、フレキ挿通部23,30から構成されるケースパッキン7,13が設けられているため、折り畳み型携帯電話機Aが水没等して大量の水等を被った場合でも入力キー基板5、表示器基板12を水等から保護することができる。
【0073】
次に、以上述べた本発明の折り畳み型携帯電話機の実施形態の変形例、その他の技術的な拡張事項等を以下に列挙する。
【0074】
(1) 上記実施形態では、携帯電話機を例にとって説明したが、本発明は、
パーソナル・ハンディホン・システム、パーソナル・デジタル・アシスタント、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等、各種の携帯端末に適用できるものであり、実施形態の携帯電話機に限定されるものではない。
【0075】
(2) 上記実施形態では、ケースパッキンは、周囲パッキンとフロントフレキ部パッキン及びリアフレキ部パッキンから構成され、これが一体形成されているが、ケースパッキンは、周囲パッキンとフロントフレキ部パッキン及びリアフレキ部パッキンがすべて一体形成されていなくてもよい。
【0076】
(3) 上記実施形態では、リアケース背面にケースパッキンを組み込み配置する溝を形成し、フロントケース背面にはリアケース背面に設けられた溝部にあった凸部が形成されているが、これはフロントケース背面にケースパッキンを組み込み配置する溝部を形成し、リアケース背面にフロントケース背面に設けられた溝にあった凸部を形成してもよい。
【0077】
(4) 上記実施形態では、入力キー基板と表示器基板、フロントケース側上には、フレキシブルプリント回路基板と接続するためのコネクタが搭載されていたが、これはリアケース側上でもよい。
【0078】
(5) 上記実施形態では、ケースパッキンは、周囲パッキンとリアフレキ部パッキンが補助部によって接合されているが、リアフレキ部パッキンではなくてフロントフレキ部パッキンでもよい。
【0079】
(6) 上記実施形態では、フロントフレキ部パッキンとリアフレキ部パッキンは、フレキシブルプリント回路基板を挟み込む面が凹凸に加工されているが、ここでいう凹凸とは、はめ込んだときの形状が波型の含むものとする。
【0080】
次に、以上述べた折り畳み型携帯端末の実施形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0081】
(付記1) 第1の筐体と該第1の筐体に対して折り畳み可能な第2の筐体がフレキシブルプリント回路基板によって連結された折り畳み型携帯端末であって、
第1の筐体および又は、第2の筐体は、ケースパッキンを備え、
該ケースパッキンは、
プリント基板を囲む周囲パッキンと、
該周囲パッキンと接続される第1のフレキ部パッキンと、
前記フレキシブルプリント回路基板と挟み込んだ状態で、該第1のフレキ部パッキンと嵌合する第2のフレキ部パッキンと、
を有していることを特徴とする折り畳み型携帯端末。
【0082】
(付記2) 前記第1のフレキ部パッキンにおける前記フレキシブルプリント回路基板と接する面は、
凹凸形状であることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み型携帯端末。
【0083】
(付記3) 前記第1の筐体は入力キー基板を有し、
前記第2の筐体は表示器基板を有することを特徴とする付記1に記載の折り畳み型携帯端末。
【0084】
(付記4) 前記周囲パッキンと、該第1のフレキ部パッキン及び前記第2のフレキ部パッキンが、一体形成されていることを特徴とする付記1記載の折り畳み型携帯端末。
【0085】
(付記5) プリント基板を囲む周囲パッキンと、
該周囲パッキンと接続される第1のフレキ部パッキンと、
第1の筐体と第1の筐体に対して折り畳み可能な第2の筐体とを連結するフレキシブルプリント回路基板を挟み込んだ状態で、該第1のフレキ部パッキンと嵌合する第2のフレキ部パッキンを、
有することを特徴とするケースパッキン。
【0086】
以上説明したように、本発明の実施の形態などについて折り畳み型携帯電話機について説明したが、本発明は、携帯話機以外の例えば、パーソナル・ハンディホン・システム、パーソナル・デジタル・アシスタント、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等を包含するものである。
【0087】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係わる折り畳み型携帯電話機によれば、携帯電話機が大量の水を被った場合でも、第1の筐体と第2の筐体を連結するヒンジ部や、第1の筐体、第2の筐体のフロントケースとリアケースの接合部分からの水の浸入を防ぐことができる。
【0088】
また第1の筐体、第2の筐体、それぞれのフロントケース、リアケース周囲のパッキンと、第1の筐体、第2の筐体のヒンジ部パッキンを一体形成することにより部品の点数を削減することができ、さらにそれによって製品生産のスピードアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り畳み型携帯電話機を示す分解斜視図
【図2】ヒンジ部近傍を示す断面図
【図3】ケースパッキンの斜視図
【図4】第1領域18の詳細図
【図5】ヒンジ部近傍の展開図
【図6】フレキ部パッキンの断面図
【図7】フロントケース三面図
【図8】リアケース三面図
【図9】従来技術におけるヒンジ部近傍展開図
【図10】先行技術文献1における従来技術を示す断面図
【図11】実施形態に係る折り畳み型携帯電話機を示す斜視図
【符号の説明】
1…フロントケース
2…リアケース
3…キー窓
4…キーパッド
5…入力キー基板
6…ドームキー
7…ケースパッキン
8…フロントケース
9…リアケース
10…表示窓
11…ディスプレイ
12…表示器基板
13…ケースパッキン
14…コネクタ
15…フレキシブルプリント回路基板
16…コネクタ
17…周囲パッキン
18…第1領域
19…補助部
20…フロントフレキ部パッキン
21…リアフレキ部パッキン
22…連結部
23…フレキきりかき部
24…周囲パッキン
25…第2領域
26…補助部
27…フロントフレキ部パッキン
28…リアフレキ部パッキン
29…連結部
30…フレキきりかき部
31…凸部
32…フロント溝部
33…溝部
34…リア溝部
35…パッキン
36…パッキン
37…シート
38…フレキシブルプリント回路基板
39…パッキン
40…パッキン
41…リアケース
42…舌片
A …折り畳み型携帯端末
A1…第1の筐体
A2…第2の筐体
A3…ヒンジ部

Claims (3)

  1. 第1の筐体と該第1の筐体に対して折り畳み可能な第2の筐体がフレキシブルプリント回路基板によって連結された折り畳み型携帯端末であって、
    第1の筐体および又は、第2の筐体は、ケースパッキンを備え、
    該ケースパッキンは、
    プリント基板を囲む周囲パッキンと、
    該周囲パッキンと接続される第1のフレキ部パッキンと、
    該第1のフレキ部パッキンに連結し、前記フレキシブルプリント回路基板と挟み込んだ状態で、該第1のフレキ部パッキンと嵌合する第2のフレキ部パッキンとを有し、
    前記第1のフレキ部パッキン及び前記第2のフレキ部パッキンが形成された前記ケースパッキンの幅が、当該ケースパッキンのその他の幅より幅広であることを特徴とする折り畳み型携帯端末。
  2. 前記第1のフレキ部パッキンにおける前記フレキシブルプリント回路基板と接する面は、凹凸形状であることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み型携帯端末。
  3. 防水構造を有する折り畳み型携帯端末用のケースパッキンであって、
    プリント基板を囲む周囲パッキンと、
    該周囲パッキンと接続される第1のフレキ部パッキンと、
    該第1のフレキ部パッキンに連結し、フレキシブルプリント回路基板と挟み込んだ状態で、該第1のフレキ部パッキンと嵌合する第2のフレキ部パッキンとを有し、
    前記第1のフレキ部パッキン及び前記第2のフレキ部パッキンが形成された前記ケースパッキンの幅が、当該ケースパッキンのその他の幅より幅広であることを特徴とするケースパッキン。
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