JP4257745B2 - 移動体の走行制御装置 - Google Patents
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Description
昇降台を制御する昇降台制御部から入力される昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている各モータの最大トルク値と、各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、移動体の質量と各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、昇降台の質量と、移動体の固定部の質量と、移動体の固定部の重心高さと、各車輪間の距離とを用いて、移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された加速区間の最大加速度、減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、生成手段にて生成した各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて各モータを位置制御もしくは速度制御するものである。
備えたものである。
昇降台を制御する昇降台制御部から入力される昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている各モータの最大トルク値と、各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、移動体の質量と各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、昇降台の質量と、移動体の固定部の質量と、移動体の固定部の重心高さと、各車輪間の距離とを用いて、移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された加速区間の最大加速度、減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、生成手段にて生成した各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて各モータを位置制御もしくは速度制御するので、スリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできるパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できるものである。
また、車輪を適切にトルク制限するため、車輪が過度にスリップすることを常に防止できる。
図1はこの発明の実施の形態1による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図、図2が図1に示した移動体の構成を示す図、図3は図1に示した移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャート、図4は図2に示した移動体の路面上における摩擦特性を示した図である。図において、移動体100は第1の車輪7および第2の車輪8と、これら第1の車輪7および第2の車輪8をそれぞれ駆動するための第1のモータ5および第2のモータ6と、これら第1のモータ5および第2のモータ6のそれぞれの制御を行う第1のサーボ3および第2のサーボ4と、移動体100上に載置され上下方向に昇降する昇降台101とを備えている。そして、この移動体100は所定の路面102上を、第1の車輪7および第2の車輪8を第1のモータ5および第2のモータ6にて駆動させて移動する。
kk=(τmax×2−fmax)/M ・・・(1)
gk=(τmax×2+fmin)/M ・・・(2)
尚、第1のモータ5および第2のモータ6の最大トルク値τmaxは各モータ5、6ののトルク特性情報であり、また、第1の車輪7および第2の車輪8の両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値fmaxおよび摩擦最小値fminおよび移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値Mは移動体100の構造上の固有値でありいずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1内部に記憶されているものである。
α=β×(Mc1×h1+Mc2×h)/L ・・・(3)
尚、昇降台101の質量Mc2、移動体100の固定部の質量Mc1、移動体100の固定部の重心高さh1、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lは、いずれも移動体100の構造上の固有値であり、いずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1の内部に記憶されている。また、振動の影響を考慮した補正係数βは経験則などから導き出されている数値であり、振動の影響を考慮に入れない場合などは補正係数βは1として考え、算出において加味しないことも可能である。
tkmax=(μ×N×M+μ×α×fmin+M×fmin/2−μ×α×τmax)/(M+μ×α) ・・・(4)
acmax=(τmax+tkmax−fmin)/M ・・・(5)
尚、第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値μは、路面102の摩擦特性情報として、移動体100の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力Nは移動体100の構造上の固有値としていずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1の内部に記憶されている。
tgmax=(μ×N×M−μ×α×fmax−M×fmax/2−μ×α×τmax)/(M+μ×α) ・・・(6)
dcmax=(τmax+tgmax+fmax)/M ・・・(7)
tkmax’=μ×(N−α×kk)+fmin/2 ・・・(8)
このように輪重の軽い側のトルク制限値tkmax’として求めなおし、加速区間の最大加速度をkkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmax’とする。
tgmax’=μ×(N−α×gk)−fmax/2 ・・・(9)
このように、輪重の軽い側のトルク制限値tgmax’として求めなおし、減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmax’とする。
図5はこの発明の実施の形態2による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャトを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一の符号を付して省略する。上記実施の形態1では、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で第1のモータ5、第2のモータ6がいずれも最大トルクを発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkの算出を行う例を示したが、本実施の形態2においてはこの最大加速度kkおよび最大限速度gkを算出せずに、過大なスリップを起こさないことのみを考慮した指令・トルク制限パラメータ算出を行う例について説明する。
図6はこの発明の実施の形態3による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャトを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。まず、指令・トルク制限パラメータ算出手段1ではまず図6のステップS1において、第1のモータ5および第2のモータ6がいずれも最大トルクが発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkを、第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値をfmax、第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最小値をfmin、移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値をM、第1のモータ5および第2のモータ6の各最大トルク値をτmaxとして上記実施の形態1と同様に式(1)、(2)にて算出する。次に図6のステップS2において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台位置情報hとから中間変数αを上記実施の形態1と同様に上記式(3)にて算出する。
図7はこの発明の実施の形態4による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャートを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。この実施の形態4では図示しない昇降台制御部からこれから行う動作(指令・トルク制限パラメータを算出しようとしている動作)における昇降台101の高さ位置情報として、加速区間での昇降台位置情報hkと、減速区間での昇降台位置情報hgとがそれぞれ入力される場合について説明する。
αk=β×(Mc1×h1+Mc2×hk)/L ・・・(10)
αg=β×(Mc1×h1+Mc2×hg)/L ・・・(11)
tkmax=((μ×N×M+μ×αk×fmin+M×fmin/2−μ×αk×τmax)/(M+μ×αk) ・・・(12)
acmax=(τmax+tkmax−fmin)/M ・・・(13)
tgmax=(μ×N×M−μ×αg×fmax−M×fmax/2−μ×αg×τmax)/(M+μ×αg) ・・・(14)
dcmax=(τmax+tgmax+fmax)/M ・・・(15)
tkmax’=μ×(N−αk×kk)+fmin/2 ・・・(16)
このように輪重の軽い側のトルク制限値tkmax’を求めなおし、加速区間の最大加速度をkkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmax’とする。
tgmax’=μ×(N−αg×gk)−fmax/2 ・・・(17)
このように、輪重の軽い側のトルク制限値tgmax’を求めなおし、減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmaxとする。
図8はこの発明の実施の形態5による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。上記実施の形態1とは異なる点は、昇降台101の高さ位置情報以外に、昇降台で搬送する対象物の質量(搬送質量)と、指定された指定速度とが指令・トルク制限パラメータ算出手段1にそれぞれ入力される。よって、指令・トルク制限パラメータ算出手段1での算出において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値Mとの値が、入力された昇降台で搬送する対象物の質量(搬送質量)を考慮した値にて算出されて入力される。また、第1の車輪7および第2の車輪8の両輪の摩擦抵抗の和の最大値fmaxは指定速度に応じて適切な値が設定される。
図9はこの発明の実施の形態6による移動体の走行制御装置の構成を示すブロックである。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。移動体100が搭載している昇降台101の高さ位置情報と、移動体100の指令曲線のパラメータと、路面102の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いてトルク制限のパラメータを算出するパラメータ算出手段としてのトルク制限パラメータ算出手段9を備え、移動体100の指令曲線のパラメータと、トルク制限パラメータ算出手段9で算出したトルク制限のパラメータに基づいて上記各モータ5、6への指令値としての位置指令値と、トルク制限値を生成し第1および第2のサーボ3、4にそれぞれ送信する生成手段としての指令値・トルク制限値生成手段20を備えている。尚、移動体100の指令曲線のパラメータは最終的に指令値・トルク制限値生成手段20から指令値として各サーボ3、4に送信する必要があるため、本実施の形態においては移動体100の指令曲線のパラメータは指令値・トルク制限値生成手段20内部に記憶させる。
tkmax=μ×(N−α×ak)+fmin/2 ・・・(18)
tgmax=μ×(N−α×dk)−fmax/2 ・・・(19)
次に、指令値・トルク制限値生成手段2では内部に記憶されている加速区間の最大加速度ak、減速区間の最大減速度dkと指定された指定速度とから第1のサーボ3および第2のサーボ4に出力する位置指令を生成する。
図10はこの発明の実施の形態7による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。移動体100が搭載している昇降台101の高さの位置情報、移動体100の加速度に関する加速度情報と、路面の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いてトルク制限値を生成する生成手段としてのトルク制限値生成手段11と、トルク制限値生成手段11にて生成されたその内部に記憶してあるパラメータを用いて指令値を生成する指令値生成手段12とを備えている。そしてこの実施の形態7においては、右方向をプラス(正方向)と、左方向をマイナス(負方向)と既定して説明する。
αd=β×(Mc1×h1+Mc2×hd)/L ・・・(20)
t2max=μ×(N−αd×ad)+fmin/2 ・・・(21)
そして、第1のサーボ3のトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。
t1max=μ×(N−αd×|ad|)−fmax/2 ・・・(21)
そして、第2のサーボ4のトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。
この発明の実施の形態8による移動体および移動体の走行制御装置の構成は上記実施の形態7と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態8では昇降台の高さ位置情報として昇降台の現在の位置指令hdを用い、移動体の加速度情報として現在の加速度指令adを用いる。まず、トルク制限値生成手段11では、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台101の現在の位置指令値hdとから、中間変数αdを上記実施の形態7と同様に上記式(20)にて算出する。次に、現在の加速度指令adから判断して加速区間もしくは等速区間にある場合は輪重の軽いほうのトルク制限値tkmaxを下記式(22)より算出する。
tkmax=μ×(N−αd×ad)+fmin/2 ・・・(22)
そして、輪重の重いほうのモータのトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、右側の第2の車輪8の第2のモータ6のトルク制限値をtkmaxとし、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値を本来のトルク制限値τmaxとする。
tgmax=μ×(N−αd×|ad|)−fmax/2 ・・・(23)
そして、輪重の重いほうのトルク制限値はモータ本来のトルク制限値であるτmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値をtgmaxとし、右側の第2の車輪8の第2のモータ5のトルク制限値をτmaxとする。トルク制限値生成手段11では定められた周期毎に第1のサーボ3及び第2のサーボ4のトルク制限値を定期的に算出し、算出したトルク制限値を第1のサーボ3及び第2のサーボ4に送信する。そして、第1のサーボ3及び第2のサーボ4ではトルク制限値生成手段11から送られてきたトルク制限値に基づいて発生トルクの制限を行う。
2,20 指令値・トルク制限値生成手段、3 第1のサーボ、4 第2のサーボ、
5 第1のモータ、6 第2のモータ、7 第1の車輪、8 第2の車輪、
9 トルク制限パラメータ算出手段、10 移動体の走行制御装置、
11 トルク制限値生成手段、12 指令値生成手段、100 移動体、
101 昇降台。
Claims (1)
- 高さ位置を変更することができるように設置された昇降台と、移動方向の前後にそれぞれ形成された車輪と、上記各車輪をそれぞれ駆動する各モータとを備えた移動体であって、上記移動体を所定の路面上に上記各車輪を上記各モータにて駆動させて移動する走行の制御を行う上記移動体の走行制御装置において、
上記昇降台を制御する昇降台制御部から入力される上記昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている上記各モータの最大トルク値と、上記各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、上記各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、上記移動体の質量と上記各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、上記昇降台の質量と、上記移動体の固定部の質量と、上記移動体の固定部の重心高さと、上記各車輪間の距離とを用いて、上記移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された上記加速区間の最大加速度、上記減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする上記各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、上記生成手段にて生成した上記各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて上記各モータを位置制御もしくは速度制御することを特徴とする移動体の走行制御装置。
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