JP4255077B2 - 光増幅器および光源 - Google Patents
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Description
1)両ファイバの軟化温度の差(石英系光ファイバの軟化温度1400度、非石英系光ファイバの軟化温度500度)により従来の融着接続が適用できないこと、
2)非石英系光ファイバに適した光コネクタ作製技術がないため、光コネクタ接続技術が適用できないこと等の理由により、両者を接続するのにも大きな課題があった。このため、Zr系フッ化物光ファイバ、In系フッ化物光ファイバに関してはガラス組成に依存なく、また、カルコゲナイド系ガラス光ファイバ、テルライトガラス光ファイバと石英系光ファイバとを確実にかつ低損失、低反射で接続する汎用的な接続技術が求められていた。
0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0≦Na2 O≦35(モル%)、
0≦ZnO≦35(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持つことを特徴とする。
1.5<Bi2 O3 ≦15(モル%)
の範囲にある。
0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0≦Li2 O≦25(モル%)、
0≦ZnO≦25(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持つことを特徴とする。
0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0≦M2 O≦35(モル%)、
0≦ZnO≦35(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持ち、さらに、前記MはNa、Li、K、Rb、Csからなる群から選択される少なくとも2種以上の一価金属であることを特徴とする。
1.5<Bi2 O3 ≦15(モル%)
である。
0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0<Li2 O≦25(モル%)、
0<Na2 O≦15(モル%)、
0≦ZnO≦25(モル%)、および
60≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持つことを特徴とする。
前記材料ガラス組成は、
0<Bi2 O3 ≦10(モル%)、
0<Li2 O≦30(モル%)、
0≦ZnO≦4(モル%)、および
70≦TeO2 ≦90(モル%)
0<Al2 O3 ≦3(モル%)
であることを特徴とする。
前記材料ガラス組成は、
0<Bi2 O3 ≦15(モル%)、
0<Na2 O≦30(モル%)、
0≦ZnO≦35(モル%)、および
60≦TeO2 ≦90(モル%)
0<Al2 O3 ≦4(モル%)
であることを特徴とする。
4<Bi2 O3 <7
である。
前記コアガラスは、
0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
好ましくは1.5<Bi2 O3 ≦15(モル%)、
0<Na2 O<15(モル%)、
5≦ZnO≦35(モル%)、および
60≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持つテルライトガラスであり、また
前記クラッドガラスは、
第1の組成:5<Na2 O<35(モル%)、0≦ZnO<10(モル%)、および55<TeO2 <85(モル%)と、
第2の組成:5<Na2 O<35(モル%)、10<ZnO≦20(モル%)、および55<TeO2 <85(モル%)と、
第3の組成:0≦Na2 O<25(モル%)、20<ZnO≦30(モル%)、および55<TeO2 <75(モル%)からなる群から選択される一つの組成を持つテルライトガラスからなることを特徴とする。
(20) レーザ装置は、光共振器と、励起光源とを持つレーザ装置であって、前記光共振器に備わる光増幅媒体の少なくとも一つは、(12)ないし(19)のいずれか一つに記載の光増幅媒体からなることを特徴とする。
(23) 光増幅器は、光増幅媒体と、該光増幅媒体を励起する励起光および信号光を前記増幅媒体に入力する入力手段とを備えた光増幅器であって、前記光増幅媒体は、(12)ないし(19)のいずれか一つに記載の光増幅媒体からなることを特徴とする。
(29) 光増幅器は、エルビウムが添加された光ファイバを増幅媒体として含む光増幅部が複数個直列に配置されてなる光増幅器であって、前記複数の光増幅部の第2段以降の少なくとも一つには、光ファイバ素材としてテルライトガラス光ファイバが用いられ、このテルライトガラス光ファイバからなる光増幅部の前段の光増幅部には、エルビウム添加濃度および光ファイバ長積が前記テルライトガラス光ファイバより小さいエルビウム添加光ファイバが用いられていることを特徴とする。
(43) 光増幅器は、エルビウムが添加された光ファイバを光増幅媒体として含む光増幅部が複数個直列に配置されてなる光増幅器であって、前記光増幅媒体を構成する非石英系ガラス光ファイバである第1の光ファイバと該第1の光ファイバとはコアの屈折率の異なるガラスからなる第2の光ファイバの端部をそれぞれ、第1および第2の筐体に保持し、第1の筐体と第2の筐体が前記第1の光ファイバと第2の光ファイバとの光軸が一致するように調芯された状態で、第1の筐体と第2の筐体の接続端面を接続する場合に、前記第1の光ファイバと第2の光ファイバの光軸が前記接続端面の垂直軸に対して、それぞれ異なる角度で傾斜しており、また、前記第1の光ファイバの光軸の接続端面の垂直軸に対する傾き角度θ 1 と前記第2の光ファイバの光軸の接続端面の垂直軸に対する傾き角度θ 2 の関係が、第1の光ファイバのコアの屈折率をn 1 、第2の光ファイバのコアの屈折率をn 2 としたとき、
のスネルの公式を満たす状態で接続されており、前記第1の光ファイバが光ファイバ素材としてテルライトガラス光ファイバが用いられ、このテルライトガラス光ファイバからなる光増幅部の前段の光増幅部には、エルビウム添加濃度および光ファイバ長積が前記テルライトガラス光ファイバのEr添加濃度および光ファイバ長積より小さいエルビウム添加光ファイバが用いられており、
前記第2の光ファイバが石英系ガラス光ファイバであり、かつ前記角度θ 1 が8度以上であることを特徴とする。
(44) (43)に記載の光増幅器において、前記テルライトガラスが、TeO 2 −ZnO−M 2 O−Bi 2 O 3 、またはTeO 2 −ZnO−M 2 O−Bi 2 O 3 −Al 2 O 3 (式中、Mは1種類以上のアルカリ金属元素である)またはTeO 2 −WO 3 −La 2 O 3 −Bi 2 O 3 −Al 2 O 3 からなる組成を有することを特徴とする。
(45) (43)または(44)に記載の光増幅器において、前記第1の筐体と第2の筐体の接続端面が光学接着剤を介して接続されていることを特徴とする。
(46) (43)ないし(45)のいづれか一つに記載の光増幅器において、前記第1の筐体と第2の筐体の接続面が密着した状態で接続されていることを特徴とする。
第一の組成(A):0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0≦Na2 O≦35(モル%)、
0≦ZnO≦35(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)、または
第二の組成(B):1.5<Bi2 O3 ≦15(モル%)、
0≦Na2 O≦35(モル%)、
0≦ZnO≦35(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)、
第三の組成(C):0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0≦LiO≦25(モル%)、
0≦ZnO≦25(モル%)、および
55≦TeO2 ≦90(モル%)
からなる組成を持つ。
A1 :0<Bi2 O3 ≦20(モル%)、
0<Na2 O<15(モル%)、
5≦ZnO≦35(モル%)、および
60≦TeO2 ≦90(モル%)
の組成領域のテルライトガラスであり、
クラッドガラスが、
B1 :5<Na2 O<35(モル%)、
0≦ZnO<10(モル%)、
55<TeO2 <85(モル%);または
C1 :5<Na2 O<35(モル%)、
10<ZnO≦20(モル%)、
55<TeO2 <85(モル%);または
D1 :0≦Na2 O<25(モル%)、
20<ZnO≦30(モル%)、および
55<TeO2 <75(モル%)
の組成領域のテルライトガラスからなる光ファイバまたは導波路を希土類のホストとする。ガラス安定化をもたらす上記B1 〜D1 の組成領域を図17に示す。
溶融後にTeO2 (75mol%)−ZnO(20mol%)−Na2 O(5mol%)、TeO2 (77mol%)−ZnO(15.5mol%)−Na2 O(6mol%)−Bi2 O3 (1.5mol%)、TeO2 (73.5mol%)−ZnO(15.5mol%)−Na2 O(6mol%)−Bi2 O3 (5mol%)となるようにTeO2 、ZnO、Na2 NO3 、Bi2 O3 の原料を調合したものを20gるつぼに充填し、電気炉内で酸素雰囲気下、800℃で2時間溶融した。その後、200℃に予加熱したプレート上にキャストし、得られたガラスを250℃で4時間アニールした。このガラスの一部を破砕し、一片30mgのバルクガラスとめのう乳鉢で粉々にしたパウダー30mgの2種類のサンプルを銀製金メッキのシール容器に充填し、アルゴンガス雰囲気中、昇温速度10℃/分でDSC測定を行った。バルクガラスではTx−Tgの値はBi2 O3 =0のガラスでは119.2℃、Bi2 O3 =1.5mol%では121.6℃であるのに対し、Bi2 O3 =5mol%の場合では167.5℃となり、特に前記Bの範囲の組成では40℃以上熱安定性が向上していた。次に、パウダー状の試料の場合では、Tx−Tgの値はBi2 O3 =0のガラスでは80.2℃、Bi2 O3 =1.5mol%では76.3℃であるのに対し、Bi2 O3 =5mol%の場合では110.2℃となり、バルクで測定した場合よりTx−Tgの値が小さくなるが、そのガラスの熱安定性がより精密に測定でき、どちらの測定においてもBi2 O3 =5mol%添加することによって熱安定性が飛躍的に向上していたことがわかった。
コアガラスおよびクラッドガラスとして上記AまたはBで示したガラス組成のものを用いる。これらの組成物を、白金ルツボ、または金ルツボを用いて酸素雰囲気で溶融し、吸引成形(サクション・キャスティング)法によりプリフォームを作製した。また、同じく上記Aのガラス組成を用いて、ジャケット管を回転成形(ローテーショナル・キャスティング)法で作製した。これらプリフォーム、ジャケット管を用いてファイバ線引きした結果、最低損失が0.1dB/m以下、カットオフ波長が0.5μmから2.5μm、コア・クラッド間の比屈折率差が0.2%から6%のテルライトガラス光ファイバを作製することができた。
コアガラスとして上記A1 で示したガラス組成のものを、またクラッドガラスとして上記B1 、C1 またはD1 で示したガラス組成のものを用いたこと以外は、参考実施例2と同様にしてテルライトガラス光ファイバを作成した。その結果、最低損失が0.1dB/m以下、カットオフ波長が0.5μmから2.5μm、コア・クラッド間の比屈折率差が0.2%から6%のテルライトガラス光ファイバを作製することができた。
TeO2 (68.6モル%)−Na2 O(7.6モル%)−ZnO(19.0モル%)−Bi2 O3 (4.8モル%)ガラスをコア材としてErを1000ppm添加し、TeO2 (71モル%)−Na2 O(8モル%)−ZnO(21モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.3μm、コア・クラッド間屈折率差2%の光ファイバを形成し、これを光増幅媒体とした。この光増幅媒体を用い、1.5μmから1.7μmの波長帯の光増幅器を作製し、増幅実験を行った。励起波長として0.98μmを選び、1.5μmから1.7μm帯の信号光源としてDFBレーザを用いた。
図19に示す光増幅器を用い、1.5μm帯の光増幅実験を行った。励起波長は0.98μmであった。その結果、1.53μm以上の波長域で雑音指数が7dB以下で増幅することができた。
Erの代りにErおよびYbを共添加したガラスをコアとした以外は参考実施例3と同様な光ファイバを作製し、光増幅媒体とした。
増幅用ファイバとしてEr1000ppmをコアに添加したファイバ4mを用いて1.5μm帯の増幅特性を測定した。コアガラス組成をTeO2 (68.6モル%)−ZnO(19モル%)−Na2 O(7.6モル%)−Bi2 O3 (4.8モル%)としてこれにP2 O5 を5重量%を添加し、クラッドガラス組成をTeO2 (71モル%)−Na2 O(8モル%)−ZnO(21モル%)とした。コア・クラッド間屈折率差は2.5%であり、カットオフ波長を0.96μmとした。0.98μmの光(光源は半導体レーザ)を励起光として1.5μm帯の小信号利得を測定したところ、リンを添加しないものに比較し利得効率は5倍増加して2dB/mWに達した。また、入力信号レベルを−10dBmとして飽和領域での利得スペクトルを測定したところ、1530nmから1620nmまで90mm幅で利得がフラットになった(励起強度は200mWであった)。また、雑音指数はリンを添加しない場合は7dBであったが、リンを添加することにより4dBに低下した。このようにコアガラスとしてリンを添加することにより、利得係数および雑音指数が大幅に改善した。
TeO2 (68.6モル%)−ZnO(19モル%)−Na2 O(7.6モル%)−Bi2 O3 (4.8モル%)をコアガラスとしてこれにOH基を5000ppm、Erを1000ppm添加したところ、利得係数はOH基を添加しないときと比較して3倍増加することが確認できた。
図23は前記テルライトガラス光ファイバを用いた光増幅媒体を構成に含むレーザ装置の他の参考実施例の概略的構成を示す図である。この参考実施例では、参考実施例8で用いた増幅用ファイバ113,115を直列に波長可変バンドパスフィルタ117(バンド幅3nm)を介して接続し、1480nmで透過率が99%、1500nmから1630nmで反射率が100%のミラー116を設け、また、他端に1500nmから1630nmで透過率20%のミラー118を設けてレーザ発振を行った。その結果、信号波長1500nmから1630nmの広い範囲でレーザ発振を確認することができ、1.5μmで使用できる広帯域チューナブルレーザとして使用できることがわかった。
本参考実施例では、参考実施例4で用いた光ファイバを使い、スーパールミネッセントレーザの動作を実施した。励起光源として1.48μmのレーザダイオードを用い、該テルライトガラス光ファイバの一端に入射した。光ファイバの他端を光ファイバ端面でのフレネル反射を抑えるため、角度10°で斜カットし、出射スペクトルを測定したところ、1.46μmから1.64μmの幅広い発光スペクトルが観測され、ブロードバンドのスーパールミネッセントレーザ装置として使用できることがわかった。
図19に示す光増幅器の構成において、光アイソレータの後に、利得を等化するためのフィルタ(チャープド・ファイバ・ブラッグ・グレーティング、プログラマブルフィルタ、ファブリーペローエタロン型フィルタ、マッハツエンダー型フィルタ等)を挿入して光増幅特性を測定した。−30dBmの信号強度の光を入射し、1.48μmで(200mW)励起したとき、フィルタを挿入しないと1530〜1580nmにかけて利得の山が観測されたが、フィルタを挿入し、その損失を調整することによりその利得の山を打ち消すことができ、1530nmから1610nmの波長域にかけてのWDM信号に対し、利得偏差0.2dB以下で動作できることが確認できた。
Aの領域のガラスをコア、およびクラッドとしてコアにCe,Pr,Gd,Nd,Eu,Sm,Tb,Tm,Dy,Ho,YbまたはErを添加し導波路レーザおよび導波路型光増幅器として動作させた。その結果、それぞれ0.3μm、1.3μm、0.31μm、1.07μm、0.61μm、0.59μm、0.54μm、1.48μm、3.0μm、1.49μm、1μm、1.55μm帯で動作する広帯域レーザ発振および広帯域光増幅が確認できた。
TeO2 (70モル%)−ZnO(18モル%)−Na2 O(6モル%)−Bi2 O3 (6モル%)ガラスをコア材にしてErを2000ppm添加し、TeO2 (68モル%)−ZnO(22モル%)−Na2 O(7モル%)−Bi2 O3 (3モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.1μm、コア・クラッド間比屈折率差1.8%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。1.3μmにおけるファイバ損失は40dB/kmであった。この光ファイバを4m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。励起波長は前方が0.98μm、後方が1.48μmの双方向励起を採用した。信号光源として1.5μmから1.7μm帯の波長可変レーザを使用した。増幅実験の結果、1500〜1630nmの110nm帯域で、5dB以上の小信号利得が得られた。このとき、1530nm以上の波長で雑音指数は5dB以下であった。
参考実施例13と同様の光ファイバを15m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。信号光源として1.5μmから1.7μm帯の波長可変レーザを使用した。増幅実験の結果、特に1580〜1630nmの50nm帯域で、35dB以上の小信号利得が得られた。このとき、雑音指数は5dBであった。
参考実施例13と同様の光ファイバを15m用いてレーザを構成した。キャビティは、全反射ミラーと1625nmで3%の反射率をもつファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて構成した。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。入射励起強度が300mWのとき、これまで石英系ガラス光ファイバやフッ化物ガラス光ファイバで得ることのできなかった1625nmにおいて150mWの高出力が得られた。
TeO2 (68モル%)−ZnO(13モル%)−Na2 O(4モル%)−Bi2 O3 (15モル%)ガラスをコア材にしてErを3wt%添加し、TeO2 (69モル%)−ZnO(21モル%)−Na2 O(8モル%)−Bi2 O3 (2モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.4μm、コア・クラッド間比屈折率差5%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。この光ファイバを3cm用いて小型の光増幅器を構成し、増幅実験を行った。
TeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 の4元系ガラスをBi2 O3 =5mol%に固定し、その他の組成を変えて50個作製し、参考実施例1のバルクガラスの場合と同様にDSCにより熱特性が測定した。その結果を図24に示す。この図に示すように、Aの領域でTx−Tgが120℃以上の安定なガラスが得られた。さらにBの領域では、結晶化の発熱ピークが現れない飛躍的に安定なガラスが得られた。このような熱的に安定なガラスを用いて光ファイバを作製すれば、ファイバ損失が低いだけでなく、歩留り率の高い光ファイバを大量に生産することができ、低価格化を実現することができる。そこで、Bの領域から選んだTeO2 (80モル%)−ZnO(5mol%)−Li2 O(10mol%)−Bi2 O3 (5mol%)ガラスをコア材としてErを2000ppm添加し、TeO2 (75mol%)−ZnO(5mol%)−Li2 O(15mol%)−Bi2 O3 (5mol%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.1μm、コア・クラッド間比屈折率差2.5%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。1.2μmにおけるファイバ損失は20dB/kmであった。この光ファイバを3m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。
参考実施例17に記載の光ファイバを15m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。信号光源として1.5μmから1.7μm帯の波長可変レーザを使用した。増幅実験の結果、特に1580〜1630nmの50nm帯域で、20dB以上の小信号利得が得られた。このとき、雑音指数は5dB以下であった。
参考実施例17に記載の光ファイバを15m用いてレーザを構成した。キャビティは、全反射ミラーと1625nmで3%の反射率をもつファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて構成した。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。入射励起強度が300mWのとき、これまで石英系ガラス光ファイバやフッ化物ガラス光ファイバで得ることのできなった1625nmにおいて150mWの高出力が得られた。
TeO2 (68mol%)−ZnO(13mol%)−Na2 O(4mol%)−Bi2 O3 (15mol%)ガラスをコア材にしてErを3wt%添加し、TeO2 (69mol%)−ZnO(21mol%)−Na2 O(8mol%)−Bi2 O3 (2mol%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.4μm、コア・クラッド間比屈折率差5%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。この光ファイバを3cm用いて小型の光増幅器を構成し、増幅実験を行った。
溶融後にTeO2 (73.5mol%)−ZnO(20mol%)−Na2 O(5mol%)−Bi2 O3 (1.5mol%)、TeO2 (73mol%)−ZnO(20mol%)−Na2 O(5mol%)−Bi2 O3 (2mol%)となるようにTeO2 、ZnO、Na2 CO3 、Bi2 O3 の原料を調合したものを90gるつぼに充填し、電気炉内で酸素雰囲気した、800℃で2時間溶融した。その後、250℃に予加熱した円筒中空鋳型内に融液をキャストし、直ちに蓋を融液注入口にした後、この鋳型を2000rpmで回転させながら水平に寝かせ3分間保った。その後室温まで徐冷した。得られたテルライトガラスは外形15mmφ、内径5mmφ、長さ130mmで下部に底を有する円筒状の管であった。得られた2本のガラス管全体を顕微鏡を用いて詳細に検討したところ、Bi2 O3 を1.5mol%添加したものは外壁近くに多数の結晶化が見られたのに対し、Bi2 O3 を2mol%添加した物はこのような結晶化は見られなかった。この2つのガラスの一部を粉砕し、めのう乳鉢で粉々にしたパウダー30mgの2種類のサンプルを銀製金メッキのシール容器に充填し、アルゴンガス雰囲気中、昇温速度10℃/分でDSC測定を行った。図25に測定結果を示す。
図26に(74)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4モル%)Bi2 O3 ガラス、および(73)TeO2 −(15)ZnO−(6)Na2 O−(3)Bi2 O3 −(3モル%)Al2 O3 ガラスおよび(79)TeO2 −(3)ZnO−(12)Li2 O−(3)Bi2 O3 −(3モル%)Al2 O3 ガラス中のErの1.5μm発光スペクトルを示す。図から明らかなようにAl2 O3 を含有したガラスの発光スペクトルの1.6μm付近の強度はAl2 O3 を含有しないものに比べ強く、また、1.53μmと1.56μmとの間の谷の深さも浅くなっている。
Al2 O3 の利得特性に対する添加効果をTeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 系ガラスに対して確認した。すなわち、(80)TeO2 −(3)ZnO−(12)Li2 O−(5モル%)Bi2 O3 ガラスおよび(79)TeO2 −(3)ZnO−(12)Li2 O−(3)Bi2 O3 −(3モル%)Al2 O3 ガラス中のErの1.5μm帯の発光スペクトルを比較したところ参考実施例22の場合と同様、Al2 O3 を含有したガラスでは1.6μm帯の発光強度が含有しないものに比べ強くなり、また1.53μmと1.56μmの間にできている谷がなくなっていた。
しかし、必要以上に濃度を大きくすることは、安定してファイバ化できる上記組成条件を無視することになるので好ましくない。
本参考実施例では、TeO2 −ZnO2 −M2 O−Bi2 O3 (Mはアルカリ元素で2種類以上を含む)系ガラスに対するAl2 O3 の利得特性への添加効果を確認した。すなわち、Mとして2種類以上のアルカリ元素を含む場合も、参考実施例22〜23と同様、Al2 O3 を添加することにより、1.56μmと1.60μmとの利得偏差を10dB以下にすることができ、また、利得等化器を用いてEDFAを構成し、1.53μmから1.60μmの70nmにわたり、利得偏差1dB以下のEDFAを実現すること、また1.53μm〜1.56μmの利得を均一にすることができた。
以上の参考実施例では、TeO2 −ZnO−R2 O−Bi2 O3 (Rはアルカリ元素)系ガラスに対するAl2 O3 の利得特性に対する添加効果を述べた。しかし、Al2 O3 の添加効果はこれらのガラス系に対してのみ有効であるのみならず、TeO2 、Al2 O3 以外の組成によらず、TeO2 −WO3 系などの他のテルライトガラス系(例えば、TeO2 −WO3 −La2 O3 −Bi2 O3 系ガラスに対しても広帯域・利得平坦型EDFAを実現するために有効であることを確認した。
TeO2 −ZnO−Li2 O−Na2 O−Bi2 O3 の5元系ガラスにおいて、TeO2 =75モル%、Bi2 O3 =5モル%に固定した場合と、TeO2 =80モル%、Bi2 O3 =5モル%に固定した場合で、その他の組成を変えて100個のガラスを作成した。これらのガラスの一をめのう乳鉢で粉々にしたパウダー30mgのサンプルを金メッキされた銀製シール容器に充填し、アルゴンガス雰囲気中、昇温速度10℃/分でDSC測定を行った。その結果、図27および図28に見られるB領域でTx−Tgが120℃以上の安定なガラスが得られた。このような熱的に安定なガラスを用いて光ファイバを大量に生産することができ、低価格化を実現することができる。そこで、図27のA(ファイバ最適領域)の領域から選んだTeO2 (75モル%)−ZnO(5モル%)−Li2 O(12モル%)−Na2 O(3モル%)−Bi2 O3 (5モル%)ガラスをコア材料にしてErを2000ppm添加し、TeO2 (75モル%)−ZnO(2モル%)−Li2 O(15モル%)−Na2 O(3モル%)−Bi2 O3 (5モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.1μm、コア・クラッド間比屈折率差1.6%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。1.2μmにおけるファイバ損失は0.015dB/mであった。この光ファイバを3m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。
参考実施例27と同様の光ファイバを15m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。信号光源として1.5μmから1.7μm帯の波長可変DFBレーザを使用した。増幅実験の結果、特に1560〜1630nmの70nm帯域で、20dB以上の小信号利得が得られた。このとき、雑音指数は5dB以下であった。
参考実施例27と同様の光ファイバを15m用いてレーザを構成した。キャビティは全反射ミラーと1625nmで3%の反射率を持つファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて構成した。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。入射励起強度が300mWのとき、これまで石英系ガラス光ファイバやフッ化物ガラス光ファイバで得ることのできなかった1625nmにおける150mWの高出力が得られた。
TeO2 −ZnO−Li2 O−Al2 O3 −Bi2 O3 の5元系ガラスにおいて、Al2 O3 =2モル%、Li2 O=12モルに固定し、その他の組成を変えて50個のガラスを作製した。これらのガラスの一部をめのう乳鉢で粉々にしたパウダー30mgのサンプルを銀製金メッキのシール容器に充填し、アルゴンガス雰囲気中、昇温速度10℃/分でDSC測定を行った。その結果、図29に見られるAの領域でTx−Tgが120℃以上の安定なガラスが得られた。このような熱的に安定なガラスを用いて光ファイバを作製すれば、0.1dB/m以下の低損失化が実現できる。また、Al2 O3 の添加の効果から、誘導放出断面積が広がることにより、EDFAの増幅帯域を広げることができる。そこで、図29の領域から選んだTeO2 (82モル%)−ZnO(1モル%)−Li2 O(12モル%−Al2 O3 (2モル%)−Bi2 O3 (3モル%)ガラスをコア材にしてErを2000ppm添加し、TeO2 (75モル%)−ZnO(3モル%)−Li2 O(18モル%)−Bi2 O3 (4モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.1μm、コア・クラッド間比屈折率差1.6%の光ファイバを形成し、これを増幅媒体とした。1.2μmにおけるファイバ損失は0.07dB/mであった。この光ファイバを3m用いて光増幅器を構成し、増幅実験を行った。
参考実施例30と同様の光ファイバを4m用いて波長可変リングレーザを構成した。フィルタは1.5μmから1.7μm帯の波長可変フィルタを用いた。励起波長は前方後方とも1.48μmの双方向励起を採用した。入射励起強度が300mWのとき、これまで石英系ガラス光ファイバやフッ化物ガラス光ファイバで得ることのできなかった1500〜1635nmの135nm帯域において5mW以上の広帯域レーザ特性を観測した。
TeO2 (79.5−xモル%)−ZnO(14.5モル%)−Na2 O(6モル%)−Bi2 O3 (xモル%)(x=4、4.2、5.4、6.8、7)ガラスをコア材にしてErを500ppm添加し、TeO2 (75モル%)−ZnO(19モル%)−Na2 O(5モル%)−Bi2 O3 (2.5モル%)ガラスをクラッド材とし、カットオフ波長1.1μm、コア・クラッド間比屈折率差1.3〜2.2%の光ファイバをそれぞれ長さ800mのものを5本作製した。x=4および7モル%の光ファイバでは散乱点(結晶などの異物により、光が散乱され、損失が著しく増大する点)の間隔が15m以下であり、散乱点を含まない部分の1.2μmにおけるファイバ損失は0.07dB/mであった。一方、x=4.2、5.4、6.8モル%の光ファイバでは散乱点の間隔が100m以上であり、散乱点を含まない部分の1.2μmにおけるファイバ損失は0.02dB/km以下であった。EDFAを構成する上で光ファイバ長は10m前後必要である。x=4および7モル%の光ファイバでは800mの光ファイバから10mの光ファイバが20本以下しか採れなかったのに対し、x=4.2、5.4、6.8モル%の光ファイバでは800mから10mの光ファイバが70本以上採れ、飛躍的に歩留まり率が向上した。
図30は、テルライトガラス光ファイバを用いた光増幅媒体を構成に含む光増幅器の一構成例を示す図である。図に示した光増幅器では、光信号は左側から入射して右側に出射する構成になっている。入射信号光は、光アイソレータ201aを通過した後、光カップラ203により励起光源202からの励起光と合波される。励起光と合波された信号光は、分散媒質204を透過し、増幅用光ファイバ205に入射されて増幅される。光ファイバ205にて増幅された信号光は、光アイソレータ201bを通過し出力される。
本参考実施例では、図30における増幅用光ファイバ205として、コア中にPr(プラセオジム)が500ppm添加され、カットオフ波長が1.0μm、Δnが1.4%であり、ファイバ長を15mとしたテルライトガラス光ファイバを用いた。また、励起光源2として、Nd(ネオジム)添加YLFレーザを用いた。さらに、分散媒質4として、チャープト・ファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いた。
本参考実施例では、増幅用光ファイバ205として、TeO2 −ZnO−M2 O−Bi2 O3 系ガラス(ここで、Mは1種類以上のアルカリ元素)を母材とし、コアにEr,Pr、Tm(1.48μmまたは1.65μm帯増幅用)、またはNd(1.06μmまたは1.33μm帯増幅用)を添加して構成した光ファイバを用いた。分散媒質204として、石英系ガラス光ファイバまたはチャープト・ファイバ・ブラッグ・グレーティングを用い、上記光ファイバの波長分散、特に、各希土類元素の増幅波長での波長分散を補償して、高速光パルスの増幅を行ったところ、分散媒質204のないときに起こっていた光パルス波形のひずみは抑えられ、高速光通信システム中で使用できることが確認できた。
本参考実施例では、増幅用光ファイバ205として、上記TeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90,0≦ZnO≦35,0≦Na2 O≦35,0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)のガラスを母材とし、コアにEr,Pr,TmまたはNdを添加して構成した光ファイバを用いた。また、分散媒質204として、石英系ガラス光ファイバまたはチャープト・ファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて、各増幅波長での波長分散を補償して、高速光パルスの増幅を行ったところ、分散媒質204のないときに起こっていた光パルス波形のひずみは抑えられ、高速光通信システム中で使用できることが確認できた。
本参考実施例では、増幅用光ファイバ205として、上記TeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90,0≦ZnO≦25,0≦Li2 O≦25,0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)のガラスを母材とし、コアにEr,Pr,TmまたはNdを添加して構成した光ファイバを用いた。分散媒質204として、光ファイバまたはチャープト・ファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて、各増幅波長での波長分散を補償して、高速光パルスの増幅を行ったところ、分散媒質204のないときに起こっていた光パルス波形のひずみは抑えられ、高速光通信システム中で使用できることが確認できた。
本参考実施例は、前記参考実施例37におけるガラス系を母材とし、希土類元素も遷移金属元素も添加せずに構成したテルライトガラス単一モード光ファイバ(カットオフ波長1.3μm、Δn1.4%、長さ1km)を用いて、ラマン増幅を行った。励起波長は1.48μmであり、1.5μm帯の光増幅を行った。
本参考実施例では、Cr,Ni,またはTiを、前記参考実施例35,36の組成のテルライトガラス光ファイバのコアに添加して構成した増幅用光ファイバ205を用いて、それぞれ、1.5μm帯,1.5μm帯,1μm帯の光増幅を行った。分散媒質204としてスタンダード石英単一モード光ファイバを前記増幅用光ファイバ205の後段に接続し、高速光パルスの増幅を行ったところ、光パルスの波形ひずみ無しに光増幅をすることができた。
本参考実施例では、TeO2 −ZnO−M2 O−Bi2 O系ガラス(ここで、Mは1種類以上のアルカリ元素)を母材とし、コアにErの添加された平面型光導波路を図30の光ファイバ205の代わりに用いて、増幅媒体とした。分散媒質204として、光ファイバやファイバ・ブラッグ・グレーティングを用いて該光導波路の分散を補正した。その結果、分散媒質204を用いない場合に比べ、パルス波形のひずみを小さくなるように1.5μm帯の光増幅をすることができた。
図31は、本発明に係る光増幅器の一構成例を示す図である。図中、201a,201b,201cは光アイソレータであり、202a,202bは励起光を導入するための光カップラであり、203a,203bは励起光源であり、204,205は増幅用光ファイバである。
本実施例では、増幅用光ファイバ204として、Er濃度100ppmファイバ長3.5mのZrF4 系フッ化物ガラス光ファイバ(カットオフ波長1.2μm,Er濃度ファイバ長積3500m・ppm)を用い、励起光源203として、発振波長1.48μmの半導体レーザを用いた。また、増幅用光ファイバ205として、上記TeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90,0≦ZnO≦25,0≦Li2 O≦25,0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)のガラスを母材とし、Er添加濃度が500ppmで、長さ12m、カットオフ波長が1.3μm(Er濃度ファイバ長積6000m・ppm)のテルライトガラス光ファイバを用いた。さらに、励起光源203bとして発振波長1.48μmの半導体レーザを用いた。
本実施例では、増幅用光ファイバ204,205とも上記TeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90,0≦ZnO≦35,0≦Na2 O≦35,0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)のガラスを母材とし、Er添加濃度が500ppmで、カットオフ波長が1.3μmであるテルライトガラス光ファイバを用いた。増幅用光ファイバ4ではファイバ長を3mとし、増幅用光ファイバ205ではファイバ長を12mとした。励起光源203aとしては、発振波長0.98μmの半導体レーザを用い、光源203bとしては、発振波長1.48μmの半導体レーザを用いた。
本実施例では、増幅用光ファイバ4としては、実施例41〜43のものを用い、増幅用光ファイバ205として、TeO2 −ZnO−M2 O−Bi2 O3 −Al2 O3 (Mは1種類以上のアルカリ元素)系ガラスを母材としたEr添加テルライトガラス光ファイバ(Er濃度500ppm、長さ14m)を使用した。この場合も、増幅用光ファイバ4を用いることにより、用いないときよりも低雑音な増幅帯域の拡大を確認することができた。
本実施例では、増幅用光ファイバ204として、Erが添加されたフツリン酸系ガラス光ファイバ,リン酸系ガラス光ファイバ,カルコゲナイト系ガラス光ファイバを用いた。増幅用光ファイバ204のEr濃度ファイバ長積が、増幅用光ファイバ205のテルライトガラス光ファイバより小さいとき、低雑音な増幅帯域の拡大を確認することができた。つまり、増幅用光ファイバ204の素材は、本発明の効果を発現させるためには、大きな問題にはならず、Er濃度ファイバ長積が重要なパラメータとなる。
1)光増幅媒体を構成する非石英系ガラス光ファイバと石英系ガラス光ファイバとの光軸が同一直線上になく、両者の光軸の関係がスネルの公式を満足する関係にあること、
2)従来技術必要とされた反射防止用の誘電体膜を必要としないこと、
3)光増幅媒体を構成する非石英系ガラス光ファイバの光軸の光ファイバ保持筐体・接続端面の垂直軸に対する傾き角度と石英系ガラス光ファイバの光軸の光ファイバ保持筐体・接続端面の垂直軸に対する傾き角度が異なることによって従来のものと大きく異なる。
図34および35を用いてこの実施例を説明する。図34は接続部の上面図、図35は接続部の断面図である。参照符号301はEr添加テルライトガラス光ファイバ(ガラス組成はTeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 、コア屈折率は2.1、モードフィールド半径は5μm、Er添加濃度は4000ppm、ファイバの被覆はUV樹脂)、2は石英系ガラス光ファイバ(コア屈折率は 1.5、モードフィールド半径は5μm、被覆はUV樹脂)、307aおよび307bはそれぞれ光ファイバ301および302の端部を保持するV溝型光ファイバ保持筐体であり、各光ファイバ301および302は、V溝基板8により位置決めされ、接着剤310と光ファイバ固定板309によりV溝型光ファイバ保持筐体307aおよび307bに固定した。ただし、V溝型光ファイバ保持筐体307a,307b、V溝基板308、光ファイバ固定板309の材質はパイレックス(登録商標)ガラス製のものを使用した。さらに、311aおよび311bは、それぞれV溝型光ファイバ保持筐体307aおよび307bの接続端面、305は光学接着剤(本実施例ではエポキシ系のUV接着剤を使用した。屈折率1.5である。)を示し、Er添加テルライトガラス光ファイバ301および石英系ガラス光ファイバ302は、各々の接続端面311a,311bの垂直軸に対してθ1 =18[deg]、θ2 =25[deg]で保持した。この接続により、Er添加テルライトガラス光ファイバ301と石英系ガラス光ファイバ302間を接続損失0.2dBで接続できた。ただし、接続損失は、Er添加テルライトガラス光ファイバ301のErイオンの吸収の無い、1.3μmで測定した。次に市販の反射減衰量測定器を使用し、波長1.3μmでの反射減衰量を測定した。Er添加テルライトガラス光ファイバ301および石英系ガラス光ファイバ302側より測定した反射減衰量は、いずれもこの装置の測定限界である60dBを越える高性能な特性を示した。また、Er添加テルライト光ファイバ1および石英系ガラス光ファイバ302の、それぞれの接続端面311aおよび311bの垂直軸に対する角度を、{θ1 =8[deg]、θ2 =11.2[deg]}および{θ1 =14[deg]、θ2 =20[deg]}にした場合においても、Er添加テルライトガラス光ファイバ301と石英系ガラス光ファイバ302間の接続損失0.2dB(測定波長1.3μm)、Er添加テルライトガラス光ファイバ301および石英系ガラス光ファイバ302側より測定した反射減衰量は、それぞれ測定限界の60dB以上であった。
次に、図36および図37を用いてこの実施例を説明する。図36は接続部の上面図、図37は接続部の断面図である。参照符号301はEr添加テルライトガラス光ファイバ(ガラス組成はTeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 、コア屈折率は2.1、モードフィールド半径は5μm、Er添加濃度は4000ppm、ファイバの被覆はUV樹脂)、302は石英系ガラス光ファイバ(コア屈折率は〜1.5、モードフィールド半径は5μm、被覆はUV樹脂)であり、実施例45と同様に、光ファイバ301および302の端部をそれぞれV溝型光ファイバ保持筐体307aおよび307bで保持した。ただし、本実施例では、V溝型光ファイバ保持筐体307aおよび307bのそれぞれの接続端面311aおよび311b間に光学接着剤を介さずに、完全に密着させて接続し、V溝型光ファイバ保持筐体307aと307bの固定はその両脇間を接着剤306により固定(把持固定)した。Er添加テルライトガラス光ファイバ301および石英系ガラス光ファイバ302の、それぞれの接続端面311aおよび311bの垂直軸に対する角度はθ1 =18[deg]およびθ2 =25[deg]である。本実施例46でも、Er添加テルライトガラス光ファイバ301と石英系ガラス光ファイバ302間の接続損失は0.2dB(測定波長1.3μm)であり、Er添加テルライトガラス光ファイバ301および石英系ガラス光ファイバ302側より測定した反射減衰量は、それぞれ60dB以上であった。また、実施例45と同様に、Er添加テルライトガラス光ファイバと石英系ガラス光ファイバを低損失・低反射(反射減衰量60dB以上)で接続するのには、Er添加テルライトガラス光ファイバを、接続端面の垂直軸に対して8[deg]以上の角度が要求されることが実験的に判明した。
次に、図38ないし図41を用いて実施例48および49を説明する。図38および図40はそれぞれ接続部の上面であり、図39および図41はそれぞれ接続部の断面図である。これらの図において、参照符号301はEr添加テルライトガラス光ファイバ(ガラス組成はTeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 、コア屈折率は2.1、モードフィールド半径は5μm、Er添加濃度は4000ppm、ファイバの被覆はUV樹脂)であり、本実施例48および49では光ファイバ保持筐体としてガラスフェルール312a,312bを適用した。接続端面313a,313bは各々のガラスフェルール312a,312bを斜め研磨することにより実現した。
各種の非石英系ガラス光ファイバを本発明に従って石英系ガラス光ファイバと接続した。
1.テルライトガラス光ファイバ(表2では非石英系光ファイバAと表示)
ガラス組成:TeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 、
コア屈折率:2.1
2.Zr系フッ化物ガラス光ファイバ(表2では非石英系光ファイバBと表示)
ガラス組成:ZrF4 −BaF2 −LaF3 −YF3 −AlF3 −
LiF−NaF、
コア屈折率:1.55、モードフィールド半径:4μm、
被覆:UV樹脂
3.In系フッ化物ガラス光ファイバ(表3では非石英系光ファイバCと表示)
ガラス組成:InF3 −GaF3 −ZnF2 −PbF2 −BaF2 −
SrF2 −YF3 −NaF、
コア屈折率:1.65、モードフィルード半径:4.5μm
被覆:UV樹脂
4.カルコゲナイド系ガラス光ファイバ
(表3では非石英系光ファイバDと表示)
ガラス組成:As−S、コア屈折率:2.4、
モードフィールド半径:3μm、被覆:UV樹脂を用いた。
なお、上記非石英系ガラス光ファイバA,B,C,Dでは、希土類元素としてEr(添加濃度1000ppm)、Pr(添加濃度500ppm)、Tm(添加濃度2000ppm)、Ho(添加濃度1000ppm)、Yb(添加濃度500ppm)、Tb(添加濃度2000ppm)、Nd(添加濃度1000ppm)、Eu(添加濃度2000ppm)の1種または2種以上を添加したものと、添加しないものについて行った。また、接続する石英系ガラス光ファイバ(コア屈折率は1.5)のモードフィールド半径は、上記各々の非石英系ガラス光ファイバと同一とし、接続の形態は実施例46ないし49の何れかを適用した。なお、実施例45および実施例46の接続形態の適用時使用した接続端面13−1と13−2間用の光学接着剤5の屈折率は1.5である。接続損失および反射減衰量は希土類元素の添加の有無および添加希土類元素の種類に関係なかった。
本発明では、Er添加テルライトガラス光ファイバまたは光導波路をASE(Amplifier Spontaneous Emission)光源として利用した場合について述べる。通常、Er添加テルライトガラス光ファイバを励起するとファイバより図46の実線で表したスペクトルのASEが得られ、これを1.5から1.6μmの光源として利用することができる。この実線のスペクトルのままでも光源として利用可能である。しかし、スペクトルの波長依存性がなくなってフラットになれば、応用範囲が広がる。
本実施例では、図47の構成で光増幅特性の評価を行った。本構成は図44の構成を基本とするもので、光カップラ401aの信号入力端に光サーキュレータ409を結合させ、Er添加テルライト光ファイバの後段に励起用光カップラ401bを結合させた。励起光は0.98μmまたは1.48μmの波長のものを用い、0.98μmの前方から入射、1.48μmを後方から入射するなどした。また、前方、後方励起光とも1.48μm光を用いた光増幅も行った。
112,112′ 光カップラ
113,115 増幅用光ファイバ
114 光アイソレータ
116 ミラー
117 フィルタ
118 ミラー
201 光アイソレータ
202 励起光源
203 光カップラ
204 分散媒質
205 光ファイバ
301 非石英系ガラス光ファイバ
302 石英系ガラス光ファイバ
303 光ファイバ保持筐体
304 接続端面
305 光学接着材
401 光カップラ
402 光ファイバ
403 光カップラ
404 光減衰器
405 光減衰器
406 反射体
408 反射体
409 光サーキュレータ
Claims (4)
- エルビウムが添加された光ファイバを光増幅媒体として含む光増幅部が複数個直列に配置されてなる光増幅器であって、
前記光増幅媒体を構成する非石英系ガラス光ファイバである第1の光ファイバと該第1の光ファイバとはコアの屈折率の異なるガラスからなる第2の光ファイバの端部をそれぞれ、第1および第2の筐体に保持し、第1の筐体と第2の筐体が前記第1の光ファイバと第2の光ファイバとの光軸が一致するように調芯された状態で、第1の筐体と第2の筐体の接続端面を接続する場合に、前記第1の光ファイバと第2の光ファイバの光軸が前記接続端面の垂直軸に対して、それぞれ異なる角度で傾斜しており、また、前記第1の光ファイバの光軸の接続端面の垂直軸に対する傾き角度θ 1 と前記第2の光ファイバの光軸の接続端面の垂直軸に対する傾き角度θ 2 の関係が、第1の光ファイバのコアの屈折率をn 1 、第2の光ファイバのコアの屈折率をn 2 としたとき、
のスネルの公式を満たす状態で接続されており、
前記第1の光ファイバが光ファイバ素材としてテルライトガラス光ファイバが用いられ、このテルライトガラス光ファイバからなる光増幅部の前段の光増幅部には、エルビウム添加濃度および光ファイバ長積が前記テルライトガラス光ファイバのEr添加濃度および光ファイバ長積より小さいエルビウム添加光ファイバが用いられており、
前記第2の光ファイバが石英系ガラス光ファイバであり、かつ前記角度θ 1 が8度以上であることを特徴とする光増幅器。
- 前記テルライトガラスが、TeO2−ZnO−M2O−Bi2O3、またはTeO2−ZnO−M2O−Bi2O3−Al2O3(式中、Mは1種類以上のアルカリ金属元素である)またはTeO2−WO3−La2O3−Bi2O3−Al2O3からなる組成を有することを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
- 前記第1の筐体と第2の筐体の接続端面が光学接着剤を介して接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光増幅器。
- 前記第1の筐体と第2の筐体の接続面が密着した状態で接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いづれかに記載の光増幅器。
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