JP4254011B2 - 永久磁石界磁極型回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネット型ロ−タの界磁束を短絡部材による短絡する構造の永久磁石界磁極型同期機に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期機(いわゆるブラシレスDCモータを含む)としては、マグネット型ロ−タ構造をもつ永久磁石界磁極型回転電機が知られている。この同期機では、ロータの界磁極ベクトル(回転ベクトル)と電機子電流ベクトル(回転ベクトル)との間の相対回動角度(位相角)を、電機子電流ベクトルを調整することにより、トルクや発電電圧を調整するのが通常である。
【0003】
また、特開平11ー275789号公報は、埋め込み磁石式ロータの磁石挿入部近くのスリットに、遠心力により径外側に移動して界磁束を短絡する短絡鉄片を内蔵した界磁束短絡型回転電機を開示している。この界磁束短絡型回転電機では、回転数に応じた短絡鉄片の変位より高速回転時に界磁束を減少させることができるため、上記した従来の同期機のように電機子電流ベクトルの位相制御(いわゆる弱め界磁)を行う必要がないので電機子コイルにわざわざ界磁束減少のための弱め界磁電流を通電する必要がなく(トルク調整又は発電電圧調整のためにトルク又は発電に無効な励磁電流を流す必要がなく)、効率を向上でき、この同期機をバッテリ駆動する場合の交直双方向変換回路の半導体スイッチング素子の小型化及び発熱減少を実現することができる。また、この交直双方向変換回路が制御不能となる状態に相当する状態に陥った場合でも、電機子コイルの両端にたとえば開放起電圧といった過大な発電電圧が誘起されるのを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、短絡鉄片を用いる上記従来技術では、短絡鉄片を付勢するバネの弾性力と短絡鉄片の遠心力との微妙なバランスによって短絡鉄片の動作を制御しているため、ロータが速度変動あるいは急加減速しながら回転するときには磁束量が変動又は振動してしまい、ハンチングを起こしたり、必要なトルクや発電電圧を確保できないという問題があった。
【0005】
また、高速回転するロータに可動短絡鉄片を可動性を維持しつつ保持させるので、構造が複雑となることに起因して信頼性及び耐久性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、動作信頼性に優れ、効率低下や発熱増大を抑止可能な永久磁石界磁極型回転電機を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の永久磁石界磁極型回転電機は、電機子コイルが巻装されてハウジングに固定されたステータコアの内周面に面して周方向所定ピッチで極性交互に配設された永久磁石型界磁極を有するマグネット型ロ−タを備え、前記マグネット型ロータの少なくとも一端面に相対回動可能に近接配置され、前記永久磁石型界磁極に対する所定の相対回動位置にて前記永久磁石型界磁極の界磁束を短絡する短絡部材と、前記磁束短絡部材を前記マグネット型ロ−タに対して相対回動させる短絡部材角度調整部とを備える永久磁石界磁極型回転電機において、前記マグネット型ロータ(1)は、鉄心(102)と、前記鉄心(102)の内部に周方向所定ピッチで周方向極性交互に埋め込まれた偶数個の永久磁石(103)と、前記永久磁石(103)と前記鉄心(102)の外周面との間に位置して軸方向に貫設された磁性部材挿入穴(106)に挿入された軟磁性の磁性ピン(104 a 、104 b )とを有し、前記短絡部材(6)は、前記永久磁石(103)の2倍の周方向ピッチで径外方向に突出する前記永久磁石(103)の半数の突起部(202 a )を有する軟磁性の円盤状部材からなる短絡プレート(202)を有し、前記マグネット型ロータ(1)に対する短絡プレート(202)の突起部(202a)の相対角度位置を調整することにより、互いに周方向に隣接する磁性ピン(104a)及び磁性ピン(104 b )に対面する前記短絡プレート(202)の突起部(202a)の径方向断面における重なり面積を調節することにより、前記界磁束を短絡する量を増減することを特徴としている。
【0008】
すなわち、本構成によれば、マグネット型ロ−タの永久磁石による界磁束を短絡して、マグネット型ロ−タの周面に生じる界磁極の強度を減少する短絡部材を、マグネット型ロ−タに対して相対回動させる構造を採用するので、短絡部材に作用する遠心力とバネとの力のバランスで界磁束短絡を行う従来の界磁束短絡型回転電機に比較して、次の作用効果を奏することができる。
【0009】
・短絡部材の回動により、界磁束量を自由に調節することができるので、出力(トルク又は発電電力)調節が容易となる。
【0010】
・この出力調節は上記した電機子電流の位相調節を必要としないので、電機子コイルや交直双方向変換回路や配線に流れる電流量を低減することができ、損失、発熱の低減と交直双方向変換回路の素子の小型化及び冷却負担の軽減を図ることができる。
【0011】
・高速回転時の動作不良時でも、電機子コイルが過大な誘導電圧を発生するのを抑止可能となり、回路やバッテリや平滑コンデンサなどの必要絶縁耐圧を低減することができる。
【0012】
・短絡部材を回動させて短絡を行うので、信頼性に優れ、従来の短絡部材のように短絡量が変動(振動)することがない。
【0013】
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の永久磁石界磁極型回転電機において更に、前記磁束短絡部材は、前記マグネット型ロ−タの回転軸と相対回転可能に同軸配置される回転軸を有し、前記短絡部材角度調整部は、前記両回転軸の各端部に軸方向互いに近接して固定された一対のサンギヤと、同一の支軸にそれぞれ回転自在に支承されて前記両サンギヤに個別に噛合する一対のプラネタリギヤと、前記両プラネタリギヤと個別に噛合する一対のリングギヤと、前記ハウジングに固定されて前記両リングギヤの一方を回動させるリングギヤ回動機構とを有することを特徴としている。
【0014】
本構成によれば、短絡部材角度調整部を遊星減速ギヤ機構で構成することにより、リングギヤ(インターナルギヤ)の回動によりギヤ機構を通じて短絡部材をマグネット型ロ−タに対して相対回動させることができ、動作信頼性及び動作安定性を改善することができる。すなわち、短絡部材に作用する遠心力とバネの弾性付勢力とのバランスを用いないので、回転数急変時や大きな外力などが加えられた場合でも、界磁束短絡量が変動したり、振動したりすることがないので、動作安定性に優れる。
【0015】
なお、遊星減速ギヤ機構自体はマグネット型ロ−タのトルク増大機構として既存のものを用いることができ、この既存の遊星減速ギヤ機構に部品追加するだけで短絡部材角度調整部を構成することができる。つまり、従来の遊星減速ギヤ機構付き回転電機の部分的変更により請求項1記載の作用効果を実現することができる。
【0016】
請求項3記載の構成によれば請求項2記載の永久磁石界磁極型回転電機において更に、高速回転時に前記短絡部材角度調整部を駆動して前記短絡部材を回動することにより有効界磁束を減少させる制御部を有することを特徴としている。
【0017】
本構成によれば、高速回転時に永久磁石型界磁極の過剰な界磁束を短絡で消化するので、請求項1に記載するように電機子電流の無駄な追加による不具合をなくし、かつ、高速回転時に突発的に交直双方向変換回路の動作不良に相当する事態が生じても、電機子コイルに過大な誘導電圧が誘起されることがなく、それによる上記悪影響を防止することができる。
【0018】
請求項4記載の構成によれば請求項3記載の永久磁石界磁極型回転電機において更に、前記電機子コイルは、交直双方向変換回路を通じてバッテリ及び平滑コンデンサと電力授受し、前記制御部は、前記電機子コイルの誘起電圧が所定しきい値以下となるように前記短絡部材角度調整部を介して前記短絡部材を回動させることを特徴としている。
【0019】
本構成によれば、電機子コイルの誘導電圧の大きさが所定の回路耐圧以下となるように、短絡部材による界磁束量制御を行うので、突発的に交直双方向変換回路の動作不良に相当する事態が生じても、電機子コイルに過大な誘導電圧が誘起されることがなく、それによる上記悪影響を防止することができる。なお、この制御は常時行ってもよく、不具合発生時に行ってもよい
請求項5記載の構成によれば請求項4記載の永久磁石界磁極型回転電機において更に、前記制御部は、前記交直双方向変換回路の動作不良に相当する状態を検出し、前記動作不良検出時に前記短絡部材角度調整部を介して前記界磁束の短絡量を最大とすることを特徴としている。
【0020】
本構成によれば、動作不良すなわち不具合発生時に界磁束短絡量を最大化するので、動作不良によりもはや正常なトルク又は発電を行えない状況において、好ましくないトルクや発電が生じるのを最大限に抑止することができる。
【0021】
請求項6記載の構成によれば請求項1乃至5のいずれか記載の永久磁石界磁極型回転電機において更に、前記マグネット型ロ−タは、積層電磁鋼板内に埋設された永久磁石と、前記積層電磁鋼板を軸方向に貫通して前記短絡部材とともに前記界磁束を短絡する軸方向貫通部材を有することを特徴としている。
【0022】
本構成によれば、積層電磁鋼板内部の界磁束をこの軸方向貫通部材により良好にマグネット型ロ−タの端面に隣接する短絡部材にまで導出することができ、短絡可能な界磁束量を増大することができる。
【0023】
【発明を実施するための形態】
本発明の好適な態様を以下の実施例を参照して以下に説明する。
【0024】
【実施例】
実施例の界磁束短絡型回転電機を用いた車両用回転電機の一例を、図1を参照して以下に説明する。
【0025】
(構成)
1はマグネット型ロ−タ(回転子)、2は固定子、3はモータハウジング、4はギヤハウジング、5は入出力軸、6は短絡部材である。
【0026】
固定子2は、積層電磁鋼板からなる鉄心(ステータコア)301に電機子巻線(ステ−タコイル)302を巻装してなり、モータハウジング3の内周面に固定されている。
【0027】
マグネット型ロ−タ1は、固定子2の径内側に挿入され、モータハウジング3に回転自在に支持されている。マグネット型ロ−タ1は、中空のシャフト101と、積層電磁鋼板からなる鉄心102と、鉄心102の内部に埋め込まれた永久磁石103と磁性ピン104とにより構成されている。
【0028】
マグネット型ロ−タ1のAーA矢視断面を図2に示す。
【0029】
鉄心102の外周部には8つの磁石挿入穴105と8つ磁性部材挿入穴106とがそれぞれ周方向一定ピッチで軸方向に貫設されている。各磁石挿入穴105は、図2に示すように鉄心102の外周面から所定深さに位置して略周方向へ直線的に形成された周方向開口部と、この磁石挿入穴部の両端から略径外方向へ外周面近傍まで形成された径方向開口部とからなる。周方向に隣接する2つの磁石挿入穴105の上記径方向開口部は互いに所定の周方向小間隔を隔てて配置されている。各磁性部材挿入穴106は、円形の径方向断面を有して磁石挿入穴105の上記周方向開口部と鉄心102の外周面との間に位置して軸方向に貫設されている。磁石挿入穴105と磁性部材挿入穴106とは連通していてもよい。
【0030】
各磁石挿入穴105の周方向開口部には、厚さ方向(回転子挿入状態で径方向)に着磁された8つの永久磁石103が周方向極性交互に挿入されている。永久磁石103は、互いに磁極面の極性が反対な永久磁石103a、103bからなる。
【0031】
各磁性部材挿入穴106には、8つの磁性ピン104が個別に挿入されている。磁性ピン104は軟磁性材料からなり、この実施例では、永久磁石103aに近接する磁性ピン104を磁性ピン104aと呼び、永久磁石103bに近接する磁性ピン104を磁性ピン104bと呼ぶものとする。
【0032】
短絡部材6は、シャフト201と短絡プレ−ト202とにより構成されている。
【0033】
短絡プレ−ト202は、マグネット型ロ−タ1のリヤ側の端面に近接して配置された軟磁性の円盤状部材であって、シャフト201に固定されている。短絡プレ−ト202は、図3、図4に示すように、周方向90度ピッチで径外方向へ突出する4つの突部202aを有している。
【0034】
シャフト201は、マグネット型ロ−タ1のシャフト101内に収容されており、シャフト101の内周面に軸受403、404を介して回転自在に支承され、更にシャフト101の後端部は軸受402を介してモータハウジング3の端壁部に回転自在に支承されている。シャフト201の前端部はシャフト101から前方のギヤハウジング4内に突出している。シャフト101の前端部は軸受401によりモータハウジング3に支承されている。これによりシャフト101、201は径方向に同軸配置されることになる。
【0035】
ギヤハウジング4には、遊星減速ギヤ機構が収容されている。シャフト101、201の前端部にはサンギヤ502、503が軸方向に近接して固着され、サンギヤ502はプラネタリギヤ504を介してリングギヤ506に、サンギヤ503はプラネタリギヤ505を介してリングギヤ507に噛合している。プラネタリギヤ504、505は軸受509、510を介して共通のシャフト(支軸)508に回転自由に支承されている。シャフト508はシャフト(入出力軸)5の後端径大部に固定され、シャフト5は軸受405を介してギヤハウジング4に回転自在に支承されている。リングギヤ506は、ギヤハウジング4の内周面に固定され、リングギヤ507は軸受511を介してギヤハウジング4の内周面に回動自在に支承されている。リングギヤ507の前側面は、ギヤハウジング4に設けられた回転型アクチュエータ700の出力軸に設けられたウォームギヤ701と噛合するギヤ部512を有している。ギヤハウジング4の内部には潤滑油が適量注入されており、潤滑油を外部に漏らさないためにオイルシール901、902が配設されている。
【0036】
801はマグネット型ロータ1の位置をセンシングする回転位置センサであり、802は短絡部材6の位置をセンシングする回転位置センサである。
【0037】
(動作)
本実施例の界磁束短絡型回転電機の動作を以下に説明する。
【0038】
マグネット型ロータ1の鉄心102の永久磁石103aから発生した磁束がステータ2の鉄心301を経由して永久磁石103bに戻る第1の磁気回路が形成される。この第1の磁気回路の界磁束とステータ2の電機子コイル302に流れる電機子電流との電磁相互作用により、トルクが生じる。
【0039】
通常の永久磁石界磁極型回転電機(マグネット型同期機)では、マグネット型ロ−タ1の回転角度位置を基準として電機子電流をトルク電流成分と磁束制御電流成分と分けて制御している。例えば、低回転数域では磁束制御電流成分をゼロとし、トルク電流成分と永久磁石103が発生する界磁束とでトルクを発生し、トルク量はトルク電流成分を調整して行う。また、高回転数域では、永久磁石103の界磁束により電機子コイル302に発生する誘起電圧が大きくなって電機子電流が流れにくくなるため、磁束制御電流成分により永久磁石103の界磁束を弱める(弱め界磁制御)。
【0040】
このように高回転数域では磁束制御電流(以後、弱め界磁電流とよぶ)が必要となるため、その分だけ、銅損が増加し、回転機の効率を低下する(図6参照)これに対し、この実施例の永久磁石界磁極型回転電機では、それぞれ軟磁性の磁性ピン104a、短絡プレ−ト202の突起部202a、磁性ピン104bにより第2の磁気回路(界磁束短絡磁気回路)を構成し、これにより上記第1の磁気回路がマグネット型ロ−タ1の外周面に形成する界磁極の強さ(すなわち電機子コイル302と鎖交する有効界磁束の大きさ)を調整する。つまり、この第2の磁気回路の磁束(短絡磁束)を増加させれば第1の磁気回路の有効界磁束を減少して電機子コイル302の誘起電圧を低下させることができ、第2の磁気回路の短絡磁束を減らせば第1の磁気回路の有効界磁束を増加して電機子コイル302の誘起電圧を増大することができる(図5参照)。図3は短絡界磁束量最小状態の場合を示し、図4は短絡界磁束量最大状態を示す。
【0041】
第2の磁気回路の磁束(短絡磁束)の増減は、マグネット型ロータ部1に対して短絡プレ−ト202の突起部202aの相対角度位置を調整し、磁性ピン104a、104bに対面する短絡プレ−ト202の突起部202aの径方向断面における重なり面積を調節してなされる。マグネット型ロ−タ1に対する短絡プレ−ト202の突起部202aの相対回動角度位置は、上述したようにリングギヤ507を回動させることにより行う。
【0042】
すなわち、本実施例の界磁束短絡型回転電機では、マグネット型ロータ1と短絡プレ−ト6の相対回動角度を調節するのみにより、電機子コイル302と鎖交する有効界磁束を調節することができるので、高回転数域においても弱め界磁を行う必要がないという効果が生じる。このため、一般にトルク電流成分と弱め界磁電流成分との和で構成される電機子電流の電流量を弱め界磁電流分だけ低減することができ、電機子コイル302へ三相交流電圧を印加する駆動回路(たとえば交直双方向変換回路)の半導体スイッチング素子を小型化することができ、更に電機子電流低減により抵抗損失及び発熱を低減することができる(図7参照)。
【0043】
なお、上記した本実施例では、マグネット型ロータ1と短絡部材6との間の相対位置を回転位置センサ801、802を用いて検出したが、回転型アクチュエータ700もしくはリングギヤ507の角度位置が分かる場合は、どちらか一方のロータ部のみとして他のロータ部の角度位置は計算から求めても良い。
【0044】
(車両走行トルクを発生する回転電機への適用)
次に、上述の回転機を電気自動車(ハイブリッド電気自動車を含む)用走行モータとして用いる場合について図8に示す回路図を参照して説明する。
【0045】
1cは実施例で説明した永久磁石界磁極型回転電機、2cは永久磁石界磁極型回転電機1cとバッテリ3cとの間の電力授受を制御する直交変換用の三相インバータ回路(交直双方向変換回路)、6a、6bは各々マグネット型ロータ(図示せず)および短絡プレ−ト(図示せず)の角度位置を検出する回転位置センサ、4cは回転位置センサ6a、6bからのロータ位置および外部からのトルク指令に基づいて三相インバータ回路2cを制御するコントローラ、5cはバッテリ3cと並列接続された平滑コンデンサ、7cは短絡プレ−ト回動用の回転型アクチュエータである。
【0046】
図9にこの回転電機の制御動作を示す。
【0047】
高速走行時にコントローラ4cが行う三相インバータ回路2cの制御が不調であることを検出し(S100)、しかもバッテリ3が満充電などで電流吸収が困難であることを検出したら(S102)、回転型アクチュエータ7cを所定相対角度だけ回動させて永久磁石界磁極型回転電機1cのマグネット型ロータと短絡プレ−トとの相対角度を、マグネット型ロータの短絡磁束量が最大となる相対角度になるように調整し(S104)、発電電圧を低下させる。これにより、三相インバータ回路4cや平滑コンデンサ5cの必要耐圧を低減させることができる。なお、この制御は、制御部4cで行うことができる。また、上記説明では、動作不調時に短絡界磁束最大としたが、回転数から算出した電機子コイルの誘導電圧が所定のしきい値以下となる範囲に短絡界磁束量すなわち短絡部材の回動量を設定してもよい。更に、図10に示すように、検出した回転数に基づいてそれに応じて回転数が増大するほど短絡界磁束を増大する制御を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の永久磁石界磁極型回転電機の模式軸方向断面図である。
【図2】 図1の永久磁石界磁極型回転電機のA−A線矢視模式径方向断面図である。
【図3】 図1の永久磁石界磁極型回転電機の短絡界磁束最小状態におけるマグネット型ロ−タと短絡部材との位置関係を示す模式径方向断面図である。
【図4】 図1の永久磁石界磁極型回転電機の短絡界磁束最大状態におけるマグネット型ロ−タと短絡部材との位置関係を示す模式径方向断面図である。
【図5】 図1の永久磁石界磁極型回転電機における回転数と電機子コイル電圧と短絡界磁束量との関係を示す図である。
【図6】 短絡部材による界磁束短絡がない従来の同期機における回転数とトルクと効率との関係を示す特性図である。
【図7】 図1の永久磁石界磁極型回転電機における回転数とトルクと効率との関係を示す特性図である。
【図8】 図1の永久磁石界磁極型回転電機を車両走行モータとして用いる回路を示すブロック回路図である。
【図9】 図1の永久磁石界磁極型回転電機の一制御動作例を示すフローチャートである。
【図10】 図1の永久磁石界磁極型回転電機の他の制御動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:マグネット型ロ−タ
2:ステータ
104:磁性ピン(軸方向貫通部材)
201:シャフト(短絡部材)
202:短絡プレート(短絡部材)
700:回転アクチュエータ(短絡部材角度調整部)
Claims (6)
- 電機子コイルが巻装されてハウジングに固定されたステータコアの内周面に面して周方向所定ピッチで極性交互に配設された永久磁石型界磁極を有するマグネット型ロ−タを備え、
前記マグネット型ロータの少なくとも一端面に相対回動可能に近接配置され、前記永久磁石型界磁極に対する所定の相対回動位置にて前記永久磁石型界磁極の界磁束を短絡する短絡部材と、
前記磁束短絡部材を前記マグネット型ロ−タに対して相対回動させる短絡部材角度調整部と、
を備える永久磁石界磁極型回転電機において、
前記マグネット型ロータ(1)は、鉄心(102)と、前記鉄心(102)の内部に周方向所定ピッチで周方向極性交互に埋め込まれた偶数個の永久磁石(103)と、前記永久磁石(103)と前記鉄心(102)の外周面との間に位置して軸方向に貫設された磁性部材挿入穴(106)に挿入された軟磁性の磁性ピン(104 a 、104 b )とを有し、
前記短絡部材(6)は、前記永久磁石(103)の2倍の周方向ピッチで径外方向に突出する前記永久磁石(103)の半数の突起部(202 a )を有する軟磁性の円盤状部材からなる短絡プレート(202)を有し、
前記マグネット型ロータ(1)に対する短絡プレート(202)の突起部(202a)の相対角度位置を調整することにより、互いに周方向に隣接する磁性ピン(104a)及び磁性ピン(104 b )に対面する前記短絡プレート(202)の突起部(202a)の径方向断面における重なり面積を調節することにより、前記界磁束を短絡する量を増減することを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。 - 請求項1記載の永久磁石界磁極型回転電機において、
前記磁束短絡部材は、前記マグネット型ロ−タの回転軸と相対回転可能に同軸配置される回転軸を有し、
前記短絡部材角度調整部は、前記両回転軸の各端部に軸方向互いに近接して固定された一対のサンギヤと、
同一の支軸にそれぞれ回転自在に支承されて前記両サンギヤに個別に噛合する一対のプラネタリギヤと、
前記両プラネタリギヤと個別に噛合する一対のリングギヤと、
前記ハウジングに固定されて前記両リングギヤの一方を回動させるリングギヤ回動機構と、
を有することを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。 - 請求項2記載の永久磁石界磁極型回転電機において、
高速回転時に前記短絡部材角度調整部を駆動して前記短絡部材を有効界磁束を減少させる制御部を有することを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。 - 請求項3記載の永久磁石界磁極型回転電機において、
前記電機子コイルは、交直双方向変換回路を通じてバッテリ及び平滑コンデンサと電力授受し、
前記制御部は、前記電機子コイルの誘起電圧が所定しきい値以下となるように前記短絡部材角度調整部を介して前記短絡部材を回動させることを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。 - 請求項4記載の永久磁石界磁極型回転電機において、
前記制御部は、前記交直双方向変換回路の動作不良に相当する状態を検出し、前記動作不良検出時に前記短絡部材角度調整部を介して前記界磁束の短絡量を最大とすることを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。 - 請求項1乃至5のいずれか記載の永久磁石界磁極型回転電機において、
前記マグネット型ロ−タは、積層電磁鋼板内に埋設された永久磁石と、
前記積層電磁鋼板を軸方向に貫通して前記短絡部材とともに前記界磁束を短絡する軸方向貫通部材を有することを特徴とする永久磁石界磁極型回転電機。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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