JP4243506B2 - Semiconductor laser and optical module using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信装置に係り、特に光通信用モジュール、光通信システム、光ネットワークに適用して好適な、単一波長で発振する分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、幹線系のみならず加入者系の通信網の光化が急速に進んでいる。単一縦モード動作が実現可能な分布帰還(以下「DFB」という)型半導体レーザは、高速変調時にも動作が安定しており、基本送信デバイスとして盛んに実用化が進められている。
【0003】
安定な単一縦モード動作を再現良く実現するための素子として、位相シフト型の回折格子を用いた位相シフト型DFBレーザと利得回折格子を用いた利得結合型DFBレーザがある。位相シフト型DFBレーザでは、四分の一波長(λ/4)の位相シフトをレーザ共振器内部に導入したλ/4位相シフトDFB半導体レーザ(例えば非特許文献1参照)が主流の構造となっているが、λ/4位相シフト型回折格子を高い歩留まりで大量生産する基本技術は未だ確立されていない。そのため、λ/4位相シフトDFB半導体レーザは広く実用化されるには至っていないのが現状である。
【0004】
また、利得結合型DFBレーザとして、InGaAsP材料で構成される多重量子井戸構造に直接回折格子を切り刻んだ利得回折格子構造のものが一部実用化されている(例えば非特許文献2参照)。この構造は、比較的容易な手法でDFBレーザを歩留まり良く作製することができる特徴がある。
【0005】
一方、最近に至り、通信用半導体レーザの諸特性を向上させる方法として、従来用いられてきたInGaAsPに代わり、InGaAlAsを用いることが知られるようになった。InGaAlAsは材料固有の深い伝導体バンド構造を有するため、電子の閉じ込めが強く、量子サイズ効果がInGaAsPに比べ増大する。
【0006】
【非特許文献1】
光ファイバ通信会議及び展示会2002(Optical Fiber Communication Conference and Exhibit, 2002)第17−22号第417頁〜第418頁(Takiguchi, T 他“1.3μm uncooled InGaInAs-MQW DFB laser with λ/4-shifted grating”)(2002年3月)
【非特許文献2】
第14回IEEE国際半導体レーザ会議(Semiconductor Laser Conference, 1994, 14th IEEE International)第19−23号第51頁〜第52頁(Lu, H.他“High-power and high-speed performance of gain-coupled 1.3μm strained-layer MQW DFB lasers”)(1994年9月)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
InGaAlAs材料の前述の特性から、これを発光層に用いれば、高温まで高性能特性を保つ半導体レーザが実現される。しかしながら、InGaAlAs材料を利得結合DFBレーザに適用することは作製プロセスの観点から困難である。それは、化学的に不安定で酸化しやすいAlを含むInGaAlAs層を剥き出した状態での再成長が困難だからである。このような事情は、やはりAlを含むInAlAs材料でも同様である。
【0008】
本発明の目的は、Alを含む化合物半導体による発光層を有する、簡易な作製方法で実現可能な半導体レーザ並びにそれを用いた光モジュール及び機能集積型レーザを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、レーザの発光層となる活性層をInGaAlAs材料活性層とその上に積層したInGaAsP材料活性層による二層構造とし、前記InGaAsP活性層に利得回折格子を形成する構造を考案した。これにより、InGaAlAs活性層の高温度特性を有したまま、利得結合型分布帰還型レーザを実現することが可能となる。その結果、高温度特性の半導体レーザを高歩留まりで作製することが可能となる。
【0010】
なお、InGaAlAs活性層の高利得特性と利得回折格子の組み合わせにより、レーザの戻り光耐性が大きく向上する。このため、従来、分布帰還型レーザをモジュール化する際に必ず必要であった光アイソレータが不要になるため、光モジュールの小型化と一層の経済化を同時に実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光送信装置を図面に示した幾つかの発明の実施の形態を参照して更に詳細に説明する。
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明を用いて波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザを作製した例である。n型半導体基板101の上にInGaAlAs活性層105が形成されており、更にその上にInGaAsP活性層109が積層される。InGaAsP活性層109に回折格子111が形成され、表面が表面保護層131によって保護される。リッジ構造の上にp型電極132が、基板101の裏面にn型電極133が設けられている。基板101に垂直な前端面に低反射膜151が、後端面に高反射膜152が形成され、前端面から主たるレーザ光が出射し、後端面からモニタ用レーザ光が出射する。
【0012】
このような構造の本実施形態の半導体レーザの作製方法を次に説明する。図2に示すように、導電型がn型で(100)結晶面を有するInP半導体基板101上に有機金属気相成長法により、0.5μm厚のn型InPバッファ層102、0.05μm厚のn型InAlAsバッファ層103、0.05μm厚のn型InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層104、アンドープの7周期のInGaAlAs系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.2%圧縮歪InGaAlAs(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAlAs(組成波長1.00μm)障壁層]105、0.01μm厚のアンドープInAlAs電子漏れ防止層106、0.02μm厚のアンドープInGaAlAsP組成傾斜層107、0.03μm厚のアンドープのInGaAsP(組成波長1.05μm)中間ガイド層108、アンドープの3周期のInGaAsP系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.0%圧縮歪InGaAsP(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAsP(組成波長1.00μm)障壁層]109、0.01μm厚のp型第一InPクラッド層110を順次成長する。多重量子井戸活性層105,109の発光波長は、共に約1.31μmである。また、組成傾斜層107においては、電子漏れ防止層106と中間ガイド層108の間で組成が徐々に変化している。
【0013】
活性層近傍のバンド構造を図5に示す。図示のように、電子漏れ防止層106及び組成傾斜層107の導入により、InGaAlAs系多重量子井戸層(MQW)105への電子供給・閉じ込めを保ちつつ、InGaAsP系量子井戸活性層(MQW)109を導入することが可能となる。また、正孔に対する障壁は、少なく均一なキャリア注入を可能にする。
【0014】
次に、通常の干渉露光法によるフォトリソグラフィーとドライエッチングにより、InGaAsP量子井戸活性層109及びp型第一InPクラッド層110の一部を図3に示すように周期的にエッチング除去し、回折格子111を基板全面に形成する。回折格子111の周期は201nmである。回折格子の深さは約50nmとし、回折格子がInGaAsP量子井戸活性層109を貫通しInGaAsP中間ガイド層108に達するようにする。
【0015】
形成された回折格子111は、発光層である多重量子井戸活性層105の近傍層である多重量子井戸活性層109に放出された光を分布反射するための、光の進行方向に沿う周期的回折格子であり、かつこの周期的回折格子はレーザの発振波長において光学利得を有するInGaAsP材料を含み、更に屈折率及び光学利得が周期的に摂動を受ける利得回折格子である。
【0016】
続いて、周知のウェットエッチングにより、図4に示すように、ドライエッチングで自動形成されたエッチング表面のダメージ層の数nmを除去した後、0.05μm厚のp型第二InPクラッド層112、4nm厚のp型InGaAsP(組成波長1.3μm)エッチング停止層113、1.7μm厚のp型第三InPクラッド層114、0.03μm厚のp型InGaAsP(組成波長1.3μm)障壁緩和層115、0.2μm厚の高濃度p型InGaAs電極接触層116を順次再成長する。このとき、InGaAlAs層はウェハ表面に露出していないため、Al層の酸化の問題がなく、良好な再成長界面を得ることができる。
【0017】
以上の工程により、InGaAlAs系多重量子井戸層105の上部にInGaAsP系の利得回折格子111が形成された利得結合分布帰還型レーザの基本構造が作製された。本レーザの規格化光結合係数は約4.0である。
【0018】
続いて、本ウェハは、周知のリッジ導波路型レーザに加工され、図1に示したレーザダイオードチップが完成する。共振器長は200μmであり、前端面、後端面にはそれぞれ反射率1%の低反射膜151、反射率70%の高反射膜152を通常の手法により形成した。
【0019】
作製した1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザ素子は、室温、連続条件において閾値電流6mA、発振効率0.30W/Aであった。また、簡易な作製を反映して、85℃の高温においても閾値電流15mA、発振効率0.22W/Aと良好な発振特性を得た。
【0020】
発振閾値以下に順バイアスを印加した場合の、スペクトル形状は、利得結合型の回折格子を反映してストップバンドの長波長側に発振主モードが現われる典型的なものが得られた。この結果、−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。
【0021】
このように、本発明により、従来のInGaAlAs系量子井戸構造の高温高性能特性と利得回折格子構造の分布帰還型レーザの高歩留まりを両立することが可能となる。本構造は1.3μm帯のみならず1.55μm帯や他の波長帯の分布帰還型半導体レーザにも適用可能である。また、単体のレーザのみならず、後述するが、機能集積型の集積光素子にも本構造を適用することができる。
【0022】
なお、本実施形態では、活性層105をInGaAlAs系材料で構成した量子井戸構造としたが、これをInAlAs,InGaAlAsのいずれかを少なくとも含む半導体層としても良く、また、利得回折格子が形成される活性層109をInGaAsP系材料で構成した量子井戸構造としたが、これをレーザの発振波長において光学利得を有するInP,InGaAsP,InGaAs材料のいずれかを少なくとも含む半導体層とすることが可能であり、或いはInGaAsP又はInGaAsのいずれかを少なくとも含むバルク構造とすることが可能である。
<発明の実施の形態2>
図6は、本発明を用いて別構造を有する波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザを作製した例である。p型の基板を用いる点及び埋め込みヘテロ構造を採用している点が実施形態1との主だった相違点である。p型基板を用いることにより実施形態1の素子に比べ、正孔の活性層への注入効率が改善される。
【0023】
本構造の半導体レーザにおいては、p型半導体基板201の上にInGaAlAs活性層205が形成されており、更にその上にInGaAsP活性層209が積層される。InGaAsP活性層209に回折格子211が形成され、表面が表面保護層231によって保護される。活性層205,209をp型埋め込み層241、高抵抗埋め込み層242、n型埋め込み層243及び溝244によって囲むことにより、埋め込みヘテロ構造が構成される。構造の上部にn型電極132が、基板101の裏面にp型電極133が設けられている。基板101に垂直な前端面に低反射膜251が、後端面に高反射膜252が形成され、前端面から主たるレーザ光が出射し、後端面からモニタ用レーザ光が出射する。
【0024】
このような構造の本実施形態の半導体レーザの作製方法を次に説明する。図7に示すように、導電型がp型で(100)結晶面を有するInP半導体基板201上に有機金属気相成長法により1.5μm厚のp型InPバッファ層202、0.1μm厚のp型InAlAsバッファ層203、0.1μm厚のアンドープInGaAlAs下側ガイド層204、アンドープの7周期のInGaAlAs系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.2%圧縮歪InGaAlAs(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAlAs(組成波長1.00μm)障壁層]205、0.1μm厚のアンドープInGaAlAs中間ガイド層206、アンドープInGaAlAsP組成傾斜層207、0.05μm厚のアンドープのInGaAsP(組成波長1.05μm)中間ガイド層208、アンドープの3周期のInGaAsP系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.0%圧縮歪InGaAsP(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAsP(組成波長1.00μm)障壁層]209、0.01μm厚のn型第一InPクラッド層210を順次成長する。多重量子井戸活性層205,209の発光波長は、共に約1.31μmである。
【0025】
図10は活性層近傍のバンド構造図である。本実施形態の場合はp型基板を使用しているため、電子供給と電子のp型層への漏洩が未然に防止することができるバンド構造となっていることが特徴である。更に、組成傾斜層207の導入により、InGaAsP量子井戸活性層(MQW)209からInGaAlAs量子井戸活性層(MQW)205への電子に対する障壁が低減されている。
【0026】
次に、通常の干渉露光法によるフォトリソグラフィーとドライエッチングによりInGaAsP量子井戸活性層209及びn型第一InPクラッド層210の一部を図8に示すように周期的にエッチング除去し、回折格子211を基板全面に形成する。回折格子211の周期は201nmである。回折格子211の深さは約50nmとし、回折格子がInGaAsP量子井戸活性層209を貫通しInGaAsP中間ガイド層208に達するようにする。
【0027】
続いて、公知のウェットエッチングにより、ドライエッチングで自動形成されたエッチング表面のダメージ層数nmを除去した後、0.4μm厚のアンドープ第二InPクラッド層212、0.1μm厚のn型InGaAsP(組成波長1.3μm)キャップ層213を順次再成長する(図9)。
【0028】
以上の工程により、InGaAlAs系多重量子井戸層205の上部にInGaAsP系の利得回折格子211が形成された利得結合分布帰還型レーザの基本構造が作製された。本レーザの規格化光結合係数は約4.0である。
【0029】
続いて、本ウェハは公知の埋め込みヘテロ型レーザに加工され、図6に示したレーザダイオードチップが完成する。共振器長は200μmであり、前端面、後端面にはそれぞれ反射率1%の低反射膜251、70%の高反射膜252を公知の手法により形成した。
【0030】
作製した1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザ素子は室温、連続条件において閾値電流3mA、発振効率0.35W/Aであった。また、簡易な作製を反映して、85℃の高温においても、閾値電流9mA、発振効率0.25W/Aと良好な発振特性を得た。
【0031】
発振閾値以下に順バイアスを印加した場合のスペクトル形状は、利得結合型の回折格子を反映して、ストップバンドの長波長側に発振主モードが現われる典型的なものが得られた。この結果、−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。
【0032】
このように、本発明によれば、従来のInGaAlAs系量子井戸構造の高温高性能特性と利得回折格子構造の分布帰還型レーザの高歩留まり化を両立することが可能となる。本構造は1.3μm帯のみならず1.55μm帯や他の波長帯の分布帰還型半導体レーザにも適用可能である。また、単体のレーザのみならず、後述するが、機能集積型の集積光素子にも本構造を適用することができる。
<発明の実施の形態3>
図11は、実施形態1又は実施形態2の分布帰還型半導体レーザ501をヒートシンク502上に実装した後、光学レンズ503、後端面光出力モニタ用のフォトダイオード504、光ファイバ505とレーザ駆動用ドライバIC506とを一体化したモジュールの斜視図である。モジュールは筐体507に収容され、筐体507に光ファイバ505を接続するためのコネクタであるファイバスリーブ508と、ドライバIC506に供給する高周波信号を入力するための高周波コネクタ509が取り付けられている。
【0033】
作製したモジュールは−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。また、動作速度10Gbit/sで消光比8dB以上の明瞭なアイ開口を得た。
【0034】
本半導体レーザ501では、InGaAlAs活性層の高利得特性と利得回折格子の組み合わせ、規格化光結合係数を4.0と高く設定しているため、モジュール実装での課題であるファイバ端からの戻り光による発振特性の劣化が少ないことが特徴である。そのため、本モジュールでは戻り光防止用に通常用いられる高価な光アイソレータを用いなくても所定の戻り光耐性が得られるため、モジュールの経済化に非常に有効である。
<発明の実施の形態4>
図12は、本発明の利得結合型半導体レーザを用いた機能集積型レーザの実施形態である。本例では、電界吸収型光変調器と波長帯1.55μmで動作する利得結合型レーザをバットジョイント法によりモノリシック集積している。素子の作製手法は、まず、レーザ部の回折格子構造までを実施形態1に記した手法と同様の手法で作製する。
【0035】
図12において、702,703はそれぞれ、n型で(100)結晶面を有するInP半導体基板701上に形成したInGaAlAs系多重量子井戸層とInGaAsP系多重量子井戸層であり、発光波長は、共に約1560nmである。InGaAsP系多重量子井戸層703には、周期241nmの利得回折格子が形成されている。
【0036】
回折格子を形成の後、電界吸収型光変調器の光吸収層704を公知のバットジョイント接続法により形成し、その後、InPクラッド層705の再成長埋め込みを行ない、集積構造が作製される。
【0037】
この後、集積構造は、実施形態1と同様にリッジ導波路構造に加工された後、上部電極711,712、下部電極713が形成される。劈開工程を経て、前端面に無反射膜714、後端面に高反射膜715が成膜され、チップが完成する。本素子は、2.5〜40Gbit/sでのコンパクトな送信光源の心臓部品の役割を果たす。
<発明の実施の形態5>
本発明の利得結合型半導体レーザを用いた機能集積型レーザは、図13に示す周知の選択成長法によるバンドギャップエネルギー制御を用いた光変調器/レーザの集積プロセスによっても作製可能である。本実施形態では、レーザ部/変調器部の両者にInGaAlAs系材料を採用したことにより、両素子の特性向上が同時に図れる。
【0038】
図13において、802,803はそれぞれ、n型で(100)結晶面を有するInP半導体基板801上に形成したInGaAlAs系多重量子井戸層とInGaAsP系多重量子井戸層である。また、804は、同じくInGaAlAs系材料を採用した電界吸収型光変調器の光吸収層である。InGaAsP系多重量子井戸層803には、利得回折格子が形成される。回折格子を形成の後、InPクラッド層805の再成長埋め込みを行ない、集積構造が作製される。
【0039】
この後、集積構造は、実施形態1と同様にリッジ導波路構造に加工された後、上部電極811,812、下部電極813が形成される。劈開工程を経て、前端面に無反射膜814、後端面に高反射膜815が成膜され、チップが完成する。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、高温で高性能特性を有し、かつ高歩留まりで簡易に作製可能な利得回折格子構造の分布帰還型半導体レーザを実現することができる。この半導体レーザを用いることにより、広い温度範囲において動作が安定な光モジュール及び機能集積型レーザを実現することができる。更に、本発明を用いれば、素子性能、歩留まりが飛躍的に向上するだけでなく、この素子を適用した光通信システムの低価格化、大容量化、長距離化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光送信装置の第1の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図2】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第1の図。
【図3】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第2の図。
【図4】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第3の図。
【図5】図1の光送信装置のバンド構造を説明するための図。
【図6】本発明の光送信装置の第2の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図7】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第1の図。
【図8】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第2の図。
【図9】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第3の図。
【図10】図6の光送信装置のバンド構造を説明するための図。
【図11】本発明の光送信装置を用いた光モジュールによる第3の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図12】本発明の光送信装置を用いた機能集積型レーザによる第4の発明の実施の形態を説明するための断面図。
【図13】本発明の光送信装置を用いた機能集積型レーザによる第5の発明の実施の形態を説明するための断面図。
【符号の説明】
101…n型InP半導体基板、102…n型InPバッファ層、103…n型InAlAsバッファ層、104…n型InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層、105…InGaAlAs系多重量子井戸活性層、106…InAlAs電子漏れ防止層、107…InGaAlAsP組成傾斜層、108…InGaAsP中間ガイド層、109…InGaAsP系多重量子井戸活性層、110…p型第一InPクラッド層、111…回折格子、112…p型第二InPクラッド層、113…p型InGaAsPエッチング停止層、114…p型第三InPクラッド層、115…p型InGaAsP障壁緩和層、116…高濃度p型InGaAs電極接触層、131…表面保護層、132…p型電極、133…n型電極、151…低反射膜、152…高反射膜、201…p型InP半導体基板、202…p型InPバッファ層、203…p型InAlAsバッファ層、204…InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層、205…InGaAlAs系多重量子井戸活性層、206…InGaAlAs中間ガイド層、207…InGaAlAsP組成傾斜層、208…InGaAsP中間ガイド層、209…InGaAsP系多重量子井戸活性層、210…n型第一InPクラッド層、211…回折格子、212…第二InPクラッド層、213…n型InGaAsPキャップ層、231…表面保護層、232…n型電極、233…p型電極、241…p型埋め込み層、242…高抵抗埋め込み層、243…n型埋め込み層、251…低反射膜、252…高反射膜。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical transmission device, and more particularly to a distributed feedback semiconductor laser that oscillates at a single wavelength and is suitable for application to an optical communication module, an optical communication system, and an optical network.
[0002]
[Prior art]
At present, the optical communication not only of the trunk line but also of the subscriber network is progressing rapidly. Distributed feedback (hereinafter referred to as “DFB”) type semiconductor lasers capable of realizing a single longitudinal mode operation are stable in operation even at high-speed modulation, and are actively put into practical use as basic transmission devices.
[0003]
As elements for realizing a stable single longitudinal mode operation with good reproducibility, there are a phase shift type DFB laser using a phase shift type diffraction grating and a gain coupling type DFB laser using a gain diffraction grating. In the phase shift DFB laser, a λ / 4 phase shift DFB semiconductor laser (for example, see Non-Patent Document 1) in which a phase shift of a quarter wavelength (λ / 4) is introduced into the laser resonator has a mainstream structure. However, a basic technique for mass-producing λ / 4 phase shift type diffraction gratings with a high yield has not been established yet. Therefore, at present, the λ / 4 phase shift DFB semiconductor laser has not been widely put into practical use.
[0004]
Further, as a gain-coupled DFB laser, a part of a gain diffraction grating structure in which a diffraction grating is directly cut into a multiple quantum well structure made of an InGaAsP material has been partially put into practical use (for example, see Non-Patent Document 2). This structure has a feature that a DFB laser can be manufactured with a high yield by a relatively easy method.
[0005]
On the other hand, recently, it has become known to use InGaAlAs as a method for improving various characteristics of a semiconductor laser for communication in place of InGaAsP which has been conventionally used. Since InGaAlAs has a deep conductor band structure unique to the material, electron confinement is strong, and the quantum size effect is increased compared to InGaAsP.
[0006]
[Non-Patent Document 1]
Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2002 (Optical Fiber Communication Conference and Exhibit, 2002) No. 17-22, 417-418 (Takiguchi, T et al. “1.3 μm uncooled InGaInAs-MQW DFB laser with λ / 4-shifted grating ") (March 2002)
[Non-Patent Document 2]
14th IEEE International Semiconductor Laser Conference (1994, 14th IEEE International) 19-23 No. 51-52 (Lu, H. et al. “High-power and high-speed performance of gain-coupled” 1.3μm strained-layer MQW DFB lasers ”) (September 1994)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
From the above-described characteristics of the InGaAlAs material, if this is used for the light emitting layer, a semiconductor laser that maintains high performance characteristics up to a high temperature is realized. However, it is difficult to apply the InGaAlAs material to the gain-coupled DFB laser from the viewpoint of the manufacturing process. This is because it is difficult to re-grow in a state where the InGaAlAs layer containing Al that is chemically unstable and easily oxidized is exposed. Such a situation is also the same for InAlAs materials containing Al.
[0008]
An object of the present invention is to provide a semiconductor laser having a light emitting layer made of a compound semiconductor containing Al, which can be realized by a simple manufacturing method, an optical module using the semiconductor laser, and a function integrated laser.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the inventor of the present invention has a two-layer structure in which an active layer serving as a light emitting layer of a laser is composed of an InGaAlAs material active layer and an InGaAsP material active layer laminated thereon, and a gain diffraction grating is formed on the InGaAsP active layer. The structure which forms is devised. As a result, a gain-coupled distributed feedback laser can be realized while maintaining the high temperature characteristics of the InGaAlAs active layer. As a result, a semiconductor laser having high temperature characteristics can be manufactured with a high yield.
[0010]
Note that the combination of the high gain characteristic of the InGaAlAs active layer and the gain diffraction grating greatly improves the laser return light resistance. This eliminates the need for an optical isolator that has been conventionally required when a distributed feedback laser is modularized, so that the optical module can be made smaller and more economical.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The optical transmitter according to the present invention will be described below in more detail with reference to some embodiments of the invention shown in the drawings.
<Embodiment 1 of the Invention>
FIG. 1 shows an example in which a distributed feedback semiconductor laser having a wavelength band of 1.3 μm is manufactured using the present invention. An InGaAlAs
[0012]
A method for manufacturing the semiconductor laser of this embodiment having such a structure will now be described. As shown in FIG. 2, an n-type
[0013]
The band structure near the active layer is shown in FIG. As shown in the figure, by introducing an electron
[0014]
Next, a part of the InGaAsP quantum well
[0015]
The formed
[0016]
Subsequently, after removing several nm of the damaged layer on the etching surface automatically formed by dry etching by known wet etching, as shown in FIG. 4, the p-type second
[0017]
Through the above steps, a basic structure of a gain-coupled distributed feedback laser in which an InGaAsP-based
[0018]
Subsequently, this wafer is processed into a well-known ridge waveguide type laser, and the laser diode chip shown in FIG. 1 is completed. The resonator length is 200 μm, and a low-
[0019]
The manufactured 1.3 μm band distributed feedback semiconductor laser element had a threshold current of 6 mA and an oscillation efficiency of 0.30 W / A at room temperature and in continuous conditions. Reflecting simple fabrication, good oscillation characteristics such as a threshold current of 15 mA and an oscillation efficiency of 0.22 W / A were obtained even at a high temperature of 85 ° C.
[0020]
When a forward bias is applied below the oscillation threshold, a typical spectral shape in which an oscillation dominant mode appears on the long wavelength side of the stop band reflecting a gain-coupled diffraction grating is obtained. As a result, a stable single mode operation with a submode suppression ratio of 40 dB or more was realized with a high production yield of 95% or more in a wide temperature range of −40 ° C. to 85 ° C.
[0021]
Thus, according to the present invention, it is possible to achieve both the high-temperature high-performance characteristics of the conventional InGaAlAs quantum well structure and the high yield of the distributed feedback laser with the gain diffraction grating structure. This structure is applicable not only to the 1.3 μm band but also to the distributed feedback semiconductor laser in the 1.55 μm band and other wavelength bands. Further, as will be described later, this structure can be applied not only to a single laser but also to a function-integrated integrated optical device.
[0022]
In this embodiment, the
<
FIG. 6 shows an example in which a distributed feedback semiconductor laser having a wavelength of 1.3 μm and having a different structure is manufactured using the present invention. The main difference from the first embodiment is that a p-type substrate is used and a buried heterostructure is employed. By using the p-type substrate, the efficiency of hole injection into the active layer is improved as compared with the device of the first embodiment.
[0023]
In the semiconductor laser having this structure, an InGaAlAs
[0024]
A method for manufacturing the semiconductor laser of this embodiment having such a structure will now be described. As shown in FIG. 7, a p-type
[0025]
FIG. 10 is a band structure diagram in the vicinity of the active layer. In this embodiment, since a p-type substrate is used, a band structure that can prevent electron supply and leakage of electrons to the p-type layer is a feature. Furthermore, the introduction of the
[0026]
Next, a part of the InGaAsP quantum well
[0027]
Subsequently, after removing the damaged layer number nm on the etching surface automatically formed by dry etching by known wet etching, the undoped second
[0028]
Through the above steps, a basic structure of a gain-coupled distributed feedback laser in which an InGaAsP
[0029]
Subsequently, this wafer is processed into a known buried hetero laser, and the laser diode chip shown in FIG. 6 is completed. The resonator length is 200 μm, and a
[0030]
The manufactured 1.3 μm band distributed feedback semiconductor laser element had a threshold current of 3 mA and an oscillation efficiency of 0.35 W / A at room temperature and under continuous conditions. Reflecting the simple fabrication, good oscillation characteristics were obtained with a threshold current of 9 mA and an oscillation efficiency of 0.25 W / A even at a high temperature of 85 ° C.
[0031]
The spectrum shape when a forward bias is applied below the oscillation threshold reflects a gain-coupled diffraction grating, and a typical shape in which an oscillation main mode appears on the long wavelength side of the stop band was obtained. As a result, a stable single mode operation with a submode suppression ratio of 40 dB or more was realized with a high production yield of 95% or more in a wide temperature range of −40 ° C. to 85 ° C.
[0032]
As described above, according to the present invention, it is possible to achieve both high-temperature high-performance characteristics of a conventional InGaAlAs quantum well structure and high yield of a distributed feedback laser having a gain diffraction grating structure. This structure is applicable not only to the 1.3 μm band but also to the distributed feedback semiconductor laser in the 1.55 μm band and other wavelength bands. Further, as will be described later, this structure can be applied not only to a single laser but also to a function-integrated integrated optical device.
<Third Embodiment of the Invention>
FIG. 11 shows an
[0033]
The manufactured module realized a stable single mode operation with a submode suppression ratio of 40 dB or more in a wide temperature range of −40 ° C. to 85 ° C. with a high manufacturing yield of 95% or more. A clear eye opening with an extinction ratio of 8 dB or more was obtained at an operating speed of 10 Gbit / s.
[0034]
In this
<
FIG. 12 shows an embodiment of a function integrated laser using the gain coupled semiconductor laser of the present invention. In this example, an electroabsorption optical modulator and a gain-coupled laser operating in a wavelength band of 1.55 μm are monolithically integrated by the butt joint method. As a method for manufacturing the element, first, the diffraction grating structure of the laser part is manufactured by the same method as that described in the first embodiment.
[0035]
In FIG. 12, 702 and 703 are respectively an InGaAlAs multiquantum well layer and an InGaAsP multiquantum well layer formed on an
[0036]
After forming the diffraction grating, the
[0037]
Thereafter, the integrated structure is processed into a ridge waveguide structure as in the first embodiment, and then
<
A functionally integrated laser using the gain-coupled semiconductor laser of the present invention can also be manufactured by an optical modulator / laser integration process using band gap energy control by a known selective growth method shown in FIG. In this embodiment, the use of InGaAlAs-based materials for both the laser part and the modulator part makes it possible to simultaneously improve the characteristics of both elements.
[0038]
In FIG. 13,
[0039]
Thereafter, the integrated structure is processed into a ridge waveguide structure as in the first embodiment, and then
[0040]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to realize a distributed feedback semiconductor laser having a gain diffraction grating structure that has high-performance characteristics at a high temperature and can be easily manufactured at a high yield. By using this semiconductor laser, it is possible to realize an optical module and a function integrated laser that are stable in a wide temperature range. Furthermore, if the present invention is used, not only the device performance and the yield can be dramatically improved, but also it is possible to contribute to the reduction in cost, capacity, and distance of an optical communication system to which this device is applied.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view for explaining an embodiment of a first invention of an optical transmission apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a first diagram for explaining a manufacturing method of the optical transmission device in FIG. 1;
FIG. 3 is a second diagram for explaining a method for manufacturing the optical transmission device in FIG. 1;
4 is a third diagram for explaining a method for manufacturing the optical transmission device in FIG. 1; FIG.
5 is a diagram for explaining a band structure of the optical transmission device in FIG. 1; FIG.
FIG. 6 is a perspective view for explaining an embodiment of the second invention of the optical transmission apparatus of the present invention.
7 is a first diagram for explaining a method for manufacturing the optical transmission device in FIG. 6; FIG.
8 is a second diagram for explaining a method for manufacturing the optical transmission device in FIG. 6. FIG.
9 is a third diagram for explaining a method for manufacturing the optical transmission device in FIG. 6. FIG.
10 is a diagram for explaining a band structure of the optical transmission device in FIG. 6;
FIG. 11 is a perspective view for explaining an embodiment of a third invention by an optical module using the optical transmitter of the present invention.
FIG. 12 is a cross-sectional view for explaining an embodiment of a fourth invention by a function integrated laser using the optical transmitter of the present invention.
FIG. 13 is a cross-sectional view for explaining an embodiment of a fifth invention by a function integrated laser using the optical transmitter of the present invention.
[Explanation of symbols]
101 ... n-type InP semiconductor substrate, 102 ... n-type InP buffer layer, 103 ... n-type InAlAs buffer layer, 104 ... n-type InGaAlAs lower graded guide layer, 105 ... InGaAlAs-based multiple quantum well active layer, 106 ... InAlAs Electron leakage prevention layer, 107 ... InGaAlAsP composition gradient layer, 108 ... InGaAsP intermediate guide layer, 109 ... InGaAsP-based multiple quantum well active layer, 110 ... p-type first InP cladding layer, 111 ... diffraction grating, 112 ... p-type second InP clad layer, 113 ... p-type InGaAsP etching stop layer, 114 ... p-type third InP clad layer, 115 ... p-type InGaAsP barrier relaxation layer, 116 ... high-concentration p-type InGaAs electrode contact layer, 131 ... surface protective layer, 132 ... p-type electrode, 133 ... n-type electrode, 151 ... low reflection film, 152 ... high reflection film, 201 ... p-type InP semiconductor substrate, 202 ... p-type InP buffer layer, 203 ... p-type I AlAs buffer layer, 204... InGaAlAs lower graded guide layer, 205. InGaAlAs-based multiple quantum well active layer, 206. InGaAlAs intermediate guide layer, 207. InGaAlAsP composition gradient layer, 208. InGaAsP intermediate guide layer, 209. Multiple quantum well active layer, 210 ... n-type first InP clad layer, 211 ... diffraction grating, 212 ... second InP clad layer, 213 ... n-type InGaAsP cap layer, 231 ... surface protective layer, 232 ... n-type electrode, 233 ... p-type electrode, 241 ... p-type buried layer, 242 ... high-resistance buried layer, 243 ... n-type buried layer, 251 ... low reflection film, 252 ... high reflection film.
Claims (3)
前記バッファ層、前記発光層、前記周期的回折格子及び前記クラッド層は、前記半導体基板の上にこの順に形成されており、
前記発光層は、InAlAs,InGaAlAsのいずれかの材料で構成されたアンドープの活性層を含む多重量子井戸構造で構成され、
前記周期的回折格子は、レーザの発振波長において光学利得を有するInP,InGaAsP,InGaAsのいずれかの材料で構成されたアンドープの活性層を含み、かつ屈折率及び光学利得が周期的に摂動を受ける利得回折格子であり、
前記利得回折格子の活性層とは組成波長の異なるアンドープの膜を、前記利得回折格子の活性層の下に備え、
前記アンドープの膜と前記発光層の最終層との間に、隣接する異なる組成の2つの層の間で、組成が徐々に変化する組成傾斜層が設けられていることを特徴とする半導体レーザ。Progress of light for distributed reflection of light emitted to a first conductivity type InP semiconductor substrate, a first conductivity type buffer layer, a light emitting layer, and a semiconductor layer disposed in the vicinity of the light emitting layer At least a periodic diffraction grating along the direction, and a cladding layer of a second conductivity type,
The buffer layer, the light emitting layer, the periodic diffraction grating, and the cladding layer are formed in this order on the semiconductor substrate,
The EML, InAlAs, is composed of an undoped active layer comprised of any material of InGaAlAs in including a multiple quantum well structure,
The periodic diffraction grating includes an undoped active layer made of any one of InP, InGaAsP, and InGaAs having an optical gain at a laser oscillation wavelength, and the refractive index and the optical gain are periodically perturbed. A gain diffraction grating,
Different undoped film compositions wavelength from the active layer of the gain grating, provided under the active layer of the gain grating,
A semiconductor laser, wherein a composition gradient layer in which the composition gradually changes between two adjacent layers having different compositions is provided between the undoped film and the final layer of the light emitting layer .
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