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JP4242557B2 - 水系ポリマー塗料組成物の揮発性有機化合物を減少させる可塑剤としての界面活性剤の使用 - Google Patents

水系ポリマー塗料組成物の揮発性有機化合物を減少させる可塑剤としての界面活性剤の使用 Download PDF

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JP4242557B2 JP2000509774A JP2000509774A JP4242557B2 JP 4242557 B2 JP4242557 B2 JP 4242557B2 JP 2000509774 A JP2000509774 A JP 2000509774A JP 2000509774 A JP2000509774 A JP 2000509774A JP 4242557 B2 JP4242557 B2 JP 4242557B2
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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、塗料(又は被覆)組成物に於いて、従来の共溶媒の必要性を減少又は除去し、全体的な揮発性有機化合物(VOC)を減少させる、水系(water−based)ポリマー塗料組成物の可塑剤としての界面活性剤の使用に関する。
【0002】
発明の背景
立法上の及び市場の発展の両方は、種々の工業に於ける揮発性有機放出物を減少させるために進んでいる。増加する数の工業に於いて、水性(aqueous)塗料組成物は、揮発性有機放出物を顕著に減少させるための努力に於いて、溶剤型塗料組成物に取って代わりつつある。例えば、従来、有機溶媒で配合されていた、種々の塗料、インキ、シーラント及び接着剤は、現在は水性組成物として配合されている。塗料組成物からの放出物は一般的に、組成物中の揮発性有機化合物(VOC)に由来する。塗料組成物中のVOCの量は、1リットル当たりのグラム数(g/L)として表わされる。
【0003】
有機溶媒型組成物から水性組成物への動きは、環境上、安全上及び健康上の利点をもたらすが、水性塗料組成物は更に、溶媒型塗料組成物から期待される性能規格に合致するか又はそれを越えなくてはならない。塗膜又はフィルムは、環境温度(35〜160°F)で形成しなくてはならず、硬化した後もなお良好な性能特性を有していなくてはならない。例えば、塗料組成物は、良好な耐印刷性及び耐ブロッキング性を示さなくてはならず、そして良好な接着及び引張特性を生じなくてはならない。硬化したとき、大部分の応用では、塗膜が、水、湿分及び最終用途温度変動のような環境条件によって影響を受けないことが必要である。
【0004】
水性塗料組成物には、一般的にそれらの機能によって同定される10種〜20種以上の成分が含有されていてよい。例えば、樹脂又は樹脂群(ラテックス又はバインダーとも呼ばれる)に加えて、水性塗料組成物は、顔料、増量剤、沈降防止剤、分散剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤、脱泡剤及び消泡剤)、レオロジー改質剤、凝集溶媒、可塑剤、水、グリコール、触媒、殺生物剤、架橋剤及び着色剤を有していてよい。グリコールは、耐凍結融解性、湿潤エッジ特性のために及び低温凝集に於ける助剤として添加される成分である。これらの目的のために使用される代表的なグリコールには、エチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。グリコールは一般的に環境温度で蒸発するので、これらは水性塗料配合物に於いて見出されるVOCに寄与する。グリコールによるVOCへの典型的な寄与は、1リットル当たり100〜200gであろう。グリコールは、水性塗料メーカーが放出を減少させるための努力に於いて減少又は除去しようとしている、第一の成分の一つである。しかしながら得られる塗膜(又は被膜)は、低温凝集、耐凍結/融解性及び湿潤エッジの所望の特性に於いて欠点を有するであろう。
【0005】
共溶媒(凝集溶媒としても知られている)は、一般的に、硬質ラテックス粒子のフィルム形成(又は絡み合い(knitting−together) )に於いて助けるために、水性組成物中に使用されている。この硬度は、製造されたラテックス固体の出発フィルム形成温度又はガラス転移温度で測定することができる。乾燥が起きると、共溶媒は塗料から蒸発し、塗膜のガラス転移温度は出発樹脂のそれに近づく。共溶媒を添加することによって、塗膜が、乾燥の間により軟質のフィルム形成材料と同様に挙動し、次いで乾燥後により硬質の耐性のフィルムとして性能を発揮する。共溶媒の例には、脂肪族及び芳香族炭化水素並びにアルコール、ケトン及びグリコールエーテルのような酸化溶媒が含まれる。共溶媒の典型的な量は、塗料組成物1リットル当たり50〜300グラム又はそれ以上の範囲である。共溶媒をベースとする塗料組成物は、例えば、塗料ハンドブック(Paint Handbook)、1−12〜1−24(Harold B. Crawford及びBeatrice E. Eckes 編、1981年)(参照して本明細書に含める)に記載されている。塗料配合物中に存在する共溶媒は、VOC含有量に顕著に寄与し、塗料への臭いに寄与する傾向があるので、共溶媒は水性塗料に於いては一層望ましくなくなりつつある。しかしながら、多くの水性塗料系に於いて、共溶媒(群)を除くと、フィルム形成が欠けるか又は塗膜が劣った外観及び劣った耐性を有するような劣ったフィルム形成になる。ある場合には、共溶媒の幾らか又は全てを置き換えるために、可塑剤を水性塗料配合物に添加することができる。典型的に、可塑剤は、環境条件で顕著に蒸発しないで、塗膜中に残留する有機化合物である。典型的な可塑剤の例は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル及び安息香酸エステル群からの化学薬品であろう。これらはポリマーを軟化させ、そうしないと硬質で脆性のポリマーに柔軟性を与えるために使用される。しかしながら、可塑剤は、特に高レベルで、塗膜性能特性に有害な影響を与え得る。塗膜は軟質のままであるので、これは劣った耐ブロッキング及び印刷性、劣った耐汚染性及び粘着な感触を有するであろう。
【0006】
水性塗料を配合するために使用される上記の成分の多くは、これらの成分と共に存在する少量の揮発性化合物を有する。幾つかの例は、着色剤がその中に分散されている溶媒、触媒がその中に分散されている溶媒及びグリコール又は多くの市販の界面活性剤、殺生物剤、脱泡剤若しくはレオロジー改質剤中に存在する溶媒である。例えば、下記の例1〜6で使用される配合物について計算した低レベルのVOC(11g/L)は、特別の成分、即ち使用したコバルト触媒中に存在する溶媒から生じる。
【0007】
一般的に、塗料による基板の濡れ及び樹脂による顔料の濡れを改良するために、界面活性剤が塗料配合物中に使用される。これらはまた、種々の成分が添加され、貯蔵安定性を向上させることによって塗料の実用寿命を延長させることができるとき、塗料組成物の衝撃を防止することによって、配合寛容度を改良することもできる。典型的に、これらの目標を達成するために低レベルの界面活性剤が使用され、上記の特性の1個又はそれ以上を与えるために、界面活性剤の混合物を使用することができる。界面活性剤は一般的に、環境条件下では揮発性材料ではなく、乾燥工程の間に塗料中に残留する。しかしながら、典型的に使用される低濃度では、ポリマー硬度又は塗膜性能への影響は殆ど観察されない。水性塗料組成物中に多すぎる界面活性剤を使用する場合には、湿潤塗膜は過剰の発泡及び増粘剤による劣った増粘効率を示し、一方、硬化した塗膜は、感水性、劣った屋外耐久性並びに劣った耐ブロッキング、汚染及び印刷性での問題点を有するであろう。従って、界面活性剤は典型的に、全ての有害な影響を回避しながら、その有利な特性を達成するために必要な最低量で使用される。
【0008】
上記のように、湿潤塗膜又は最終用途性能特性に影響を与えることなく、水性塗料組成物からVOCを減少又は除去するためのニーズが存在する。本発明はこのニーズに応える。
【0009】
発明の要約
界面活性剤を、従来の共溶媒によって使用されるものと同様のレベルで使用し、界面活性剤が塗料中の可塑剤として機能し、そうして従来の共溶媒についての必要性を除き、共溶媒に付随するVOCを除くことができることが見出された。本発明の好ましい界面活性剤は、塗膜を可塑化し、低温度フィルム形成を助け、そして完成した塗膜に於ける特性の最終バランスに有害に寄与しないで、塗膜中の界面活性剤に付随する典型的な特性に寄与するために使用することができる。
【0010】
本発明は、ポリマー樹脂、水及び界面活性剤を含んでなる改良された水系ポリマー塗料組成物に関する。従来の水系ポリマー塗料組成物を越えた改良として、アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤が、この組成物から形成される塗膜を可塑化するために有効な量で存在する。本発明の水系ポリマー塗料組成物はまた、共溶媒を実質的に含有していない。本発明はまた、基板の塗布方法及び本発明の塗料配合物によって塗布された基板に関する。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、ポリマー樹脂、水及び界面活性剤を含んでなる改良された水系ポリマー塗料組成物に関する。アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤が、この組成物から形成される塗膜を可塑化するために有効な量で存在する。これは、塗料組成物中の共溶媒を減少又は除去し、VOCの量を減少させることによって、従来の水性塗料組成物を改良する。本発明の水系ポリマー塗料組成物はまた、共溶媒を実質的に含有していない。好ましくは、この塗料のVOCは、250g/L未満、更に好ましくは50g/L未満、更に好ましくは25g/L未満であり、最も好ましくはVOCは除去される。
【0012】
水性エマルジョンポリマー又はラテックスは、透明形及び顔料入り形の両方で公知である。これらの用途の例には、屋内及び屋外建築用塗料、一般的金属塗料、接着剤等が含まれる。例には、「塗料、ワニス及びラッカーの技術 (Technology of Paints, Varnishes and Lacquers)」、Robert E. 著、Krieger Publishing Co.、ニューヨーク州ハンテイングトン(Huntington, NY)、1974年刊、米国特許第5,002,998号及び同第5,185,397号並びに英国特許第2,206,591号(これらの全てを参照して本明細書に含める)に記載されている水性塗料組成物が含まれる。水系ポリマー塗料組成物には、一般的に約10〜約40体積%の固体が含有されている。
【0013】
合成ラテックスは公知であり、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル及び類似の物質からの乳化重合技術によって製造することができる。例えば、ラテックスは、スチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、アクリル酸、アクリロニトリル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のようなエチレン系不飽和モノマーの水性乳化重合によって生成させることができる。本発明で使用するために好ましいラテックスには、米国特許第5,539,073号並びに米国同時係属出願第08/861,431号、同第08/061,433号、同第60/047,324号、同第08/861,437号、同第08/861,436号(これらの全てを参照にして本明細書に含める)に記載されているものが含まれる。
【0014】
水系ポリマー塗料組成物には、当該技術分野で公知の顔料(有機又は無機)並びに/又は他の添加剤及び充填剤が含まれていてもよい。例えば、ラテックスペイント組成物には、ラテックスペイントで使用される顔料及び1種又はそれ以上の添加剤又は充填剤が含有されていてよい。このような添加剤又は充填材には、これらに限定されないが、シリコーン、フルオロカーボン、ウレタン若しくはセルロース系誘導体のようなレベリング、レオロジー及びフロー調節剤;増量剤;多官能性イソシアナート、多官能性カーボナート、多官能性エポキシド若しくは多官能性アクリラートのような硬化剤;米国特許第5,349,026号(参照して本明細書に含める)に記載されているもののような反応性凝集助剤;艶消剤;顔料湿潤及び分散剤及び界面活性剤;紫外(UV)吸収剤;UV光安定剤;ティンティング顔料;増量剤;脱泡及び消泡剤;沈降防止、だれ止め及び増粘剤(bodying agent);皮張り防止剤;色わかれ防止及び色むら防止剤;殺菌剤及び防かび剤;腐食防止剤;増粘剤(thickening agent) ;可塑剤;反応性可塑剤;乾燥剤;触媒;架橋剤又は凝集剤が含まれる。このような添加剤の具体的例は、(「原材料インデックス(Raw Materials Index)」(米国ペイント及び塗料協会(National Paint & Coatings Association)、1500 Rhode Island Avenue, NW、ワシントン・ディー・シー(Wasington, D.C.) 20005により刊行)(参照して本明細書に含める)に記載されている。
【0015】
前記のように、従来、その表面特性のために、低レベルの界面活性剤が水系ポリマー塗料組成物に使用されてきた。有利なことに、界面活性剤を、従来の共溶媒のものと同様のレベルで使用し、界面活性剤が塗料中の可塑剤として機能できることが見出された。これによって、従来の共溶媒についての必要性が除かれ、塗料組成物中のVOC、特に共溶媒に付随するVOCが顕著に減少するか又は好ましくは除かれる。更に、可塑剤に付随する耐ブロッキング性、劣った耐印刷性及び耐汚染性のような問題点が除かれる。
【0016】
全てのアニオン性又は非イオン性界面活性剤並びに混合物を、本発明の水系ポリマー塗料組成物で使用することができる。界面活性剤は、好ましくは、乾燥ポリマーの約3〜約10重量%範囲内の、この組成物から形成される塗膜を可塑化するために有効な量で存在する。好ましいアニオン性界面活性剤には、アルキル、アリール又はアルキルアリールスルホネート、サルフェート、ホスフェートのアルカリ金属又はアンモニウム塩が含まれる。更に好ましくは、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチルフェノールグリコール硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルジグリコール硫酸ナトリウム、トリ第三級ブチルフェノール及びペンタ−及びオクタ−グリコールスルホン酸アンモニウム、スルホコハク酸の二ナトリウムエトキシル化ノニルフェノール半エステル、n−オクチルデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウムのようなスルホコハク酸塩並びにこれらの混合物から選択される。AEROSOL18界面活性剤、即ち水中のn−オクチルデシルスルホコハク酸二ナトリウムの35%溶液及びAEROSOL OT−75界面活性剤、即ち水中のジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの75%溶液(両方とも、サイテック・インダストリーズ社(Cytec Industries, Inc.)から入手可能)が好ましいアニオン性界面活性剤である。
【0017】
好ましい非イオン性界面活性剤は、ポリエーテル非イオン性界面活性剤、更に好ましくは、米国特許第4,912,517号及び同第5,554,675号(これらの開示を参照して本明細書に含める)に開示されているもののような、アルキルポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル又はこれらの混合物である。好ましいアルキルフェノールポリグリコールエーテルには、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジイソプロピルフェノール、トリイソプロピルフェノール又はこれらの混合物のエトキシル化生成物が含まれる。好ましいアルキルポリグリコールエーテルには、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール又はこれらの混合物のエトキシル化生成物が含まれる。好ましい非イオン性界面活性剤には、ユニオン・カーバイド社(Union Carbide)から入手可能な、TERGITOL15−S−40及びTERGITOL NP−40界面活性剤が含まれる。TERGITOL15−S−40界面活性剤(CAS#68131−40−8)は、炭素数11〜15の線状第二級アルコールとエチレンオキシドとの混合物の反応生成物である。TERGITOL NP−40界面活性剤は、ノニルフェノールと約40モルのエチレンオキシドとの反応生成物である。
【0018】
最も好ましくは、アルキルポリグリコールエーテルは、式:
R−C≡C−R1
[式中、R及びR1 は、それぞれ、炭素数1〜15の直鎖及び分岐鎖アルキルから選択され、R及びR1 の少なくとも1個は、1〜3個のヒドロキシル基を含有し、各ヒドロキシル基のHは独立に、置換されていないか又は式:
(CH2 −CH2 −O)n H 又は (CH2 −CH(CH3)−O)m
(式中、n及びmは、それぞれ1〜約50の範囲であり、n及びmの合計は約60未満である)
の置換基で置換されている]
の化合物から選択される。これらの化合物は当該技術分野で公知であり、エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルス社(Air Products and Chemicals, Inc.)から、SURFYNOL(登録商標)104シリーズ、SURFYNOL(登録商標)400シリーズとしても知られているSURFYNOL(登録商標)420、440,465及び485を含む商品名SURFYNOL(登録商標)で市販されている。
【0019】
SURFYNOL(登録商標)104は、下記の式を有する。
【0020】
【化5】
Figure 0004242557
【0021】
SURFYNOL(登録商標)400シリーズは、下記の一般式:
【0022】
【化6】
Figure 0004242557
【0023】
[式中、R3 は(CH2 −CH2 −O)n H(但し、nは1〜30の範囲内の数字である)である]
を有し、SURFYNOL(登録商標)420は、1.3モルのエチレンオキシドを有し、SURFYNOL(登録商標)440は、3.5モルのエチレンオキシドを有し、SURFYNOL(登録商標)465は、10モルのエチレンオキシドを有し、そしてSURFYNOL(登録商標)485は、30モルのエチレンオキシドを有する。
【0024】
配合物で、ポリマー又は水系ポリマー組成物を含有する本発明の塗料配合物は、次いで、種々の表面、支持体又は物品、例えば、紙、プラスチック、スチール、アルミニウム、木材、石膏ボード、コンクリート、れんが、石造物又は亜鉛メッキしたシート(印刷されているか又は印刷されていない)に適用することができる。一般的に、塗布する表面、支持体又は物品の種類によって、使用する塗料配合物の種類が決定される。この塗料配合物は、当該技術分野で公知の手段を使用して適用することができる。例えば、塗料配合物は、スプレー塗り、刷毛塗り、ローラ塗り又は支持体を塗布するための全ての他の適用方法によって適用することができる。一般的に、塗膜は加熱によって乾燥させることができるが、好ましくは自然乾燥させる。有利なことに、本発明のポリマーを使用する塗膜は、熱的に又は環境的に硬化させることができる。別の面として、本発明は、本発明の塗料配合物で塗布した造形又は成形物品に関する。
【0025】
下記の例は、本発明を例示することを意図するが、限定することを意図しない。本発明の種々の塗料組成物の例では、前記していない下記の材料が使用される。
【0026】
TAMOL1124は、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas)によって販売されている分散剤である。
【0027】
ROPAQUE OP−62LOは、ローム・アンド・ハース社によって販売されている不透明のポリマーである。
【0028】
ACRYSOL RM−5は、ローム・アンド・ハース社によって販売されているレオロジー改質剤(増粘剤)である。
【0029】
COBALT HYDROCURE II(ネオデカン酸コバルト、45%固体)は、ムーニー・ケミカル社(Mooney Chemical, Inc.)、オハイオ州クリーブランド(Cleveland, Ohio)によって販売されているコバルト乾燥剤である。
【0030】
FOAMASTER AP及びVFは、ヘンケル社(Henkel Corporation) 、ペンシルベニア州アンブラー(Ambler, PA)によって販売されている脱泡剤である。
【0031】
TRITON CF−10は、ユニオン・カーバイド・ケミカルス・アンド・プラスチックス社(Union Carbide Chemicals and Plastics, Corp.)によって販売されている界面活性剤である。
【0032】
CELLOSIZE4400Hは、ユニオン・カーバイド社(Union Carbide)、ニュージャージー州バウンドブルック(Bound Brook, NJ)によって販売されているレオロジー改質剤である。
【0033】
DOWICIL75は、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company) 、ミシガン州ミッドランド(Midland, MI)によって販売されている防腐剤である。
【0034】
TI−PURE R−900、R−746及びR−760は、デュポン社(DuPont)、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington, DE)によって販売されている二酸化チタン顔料である。
【0035】
OMYACARB UFは、オーミャ社(Omya Inc.)、ベルモント州プロクター(Proctor, Vermont)によって販売されている炭酸カルシウム顔料である。
【0036】
RHEVOIS CR2は、アライド・コロイズ社(Allied Collids) 、バージニア州サフォーク(Suffolk, Virginia)によって販売されているレオロジー改質剤である。
【0037】
TAFIGEL PUR45は、キング・インダストリーズ社(King Industries)、コネチカット州ノーウォーク(Norwalk, CT)により配布されているレオロジー改質剤である。
【0038】
TREM LF−40は、ヘンケル社、ペンシルベニア州アンブラーによって販売されている重合性界面活性剤である。
HITENOL HS−20は、第一工業製薬株式会社から入手できる重合性界面活性剤である。
【0039】
POLYMIN−Gは、BASF社(BASF Corpolation) から入手できるポリ(アルキルエチレンイミン)である。
TERGITOL 15−S−40及びTERGITOL NP−40は、ユニオン・カーバイド・ケミカルス・アンド・プラスチックス社から入手できる界面活性剤である。
【0040】
AEROSOL18及びAEROSOL OT−75は、サイテック・インダストリーズ社から入手できるアニオン性界面活性剤である。
PROXEL GXLは、ゼネカ・バイオサイドス社(Zeneca Biocides)、デラウエア州ウィルミントンによって販売されている防腐剤である。
【0041】
DURAMITEは、ECCアメリカ社(ECC America)、ジョージア州アトランタ(Atlanta, GA)によって販売されている炭酸カルシウム顔料である。
NYTAL300は、RTバンデルビルト社(RT Vanderbilt)、コネチカット州ノーウォークによって販売されているタルク顔料である。
【0042】
本発明によって製造された塗料を評価するために、下記の方法を使用した。
定温・定湿室
フィルムを製造し、フィルム測定を、73.5±3.5°F(23±2℃)及び50±5%相対湿度の研究所試験のためのASTM規格条件で行った。
最低フィルム形成温度(MFFT)
最低フィルム形成温度(MFFT)は、湿潤ラテックスフィルムを、フィルムが乾燥の間に融着する温度範囲内に設定したMFFTバー上で4ミルのアプリケーターで流延し、30分後にMFFTバー上でフィルムを目視により観察し、そしてフィルムが融着したように見え、亀裂及びフィルム欠陥が無い温度を記録することによって決定する。
【0043】
引張
引張試験は、CTH室内で、一定速度の伸び機械を有する合体引張試験期(United Tensile Tester)で実施する。フィルムサンプルは、剥離紙上で7ミルのバードバー(bird bar)でサンプルを流延し、フィルムを所望の時間、記載した条件で乾燥させ、そして1インチ幅のダイで犬骨形状の薄いフィルムサンプルを切り取ることによって得る。このフィルムを、フィルム厚さについて測定し、引張試験機グリップに装着し、5ポンド力負荷セルを使用して1インチ/分のクロスヘッド速度で試験する。10個のサンプルを試験し、より大きい破断応力を有する5個のサンプルを、ASTMに従って報告した全ての引張値について平均する。
【0044】
ガラス転移
開始及び中間点温度は、示差走査熱量計(DSC)を使用し、窒素雰囲気中で、20℃/分の加熱速度で、フィルムサンプル上で決定した。引用した値は、最加熱曲線からである。
【0045】
塗料粘度
塗料粘度(クレーブス単位で)は、クレーブス−ストーマー粘度計を使用して、24時間後に測定した。
【0046】
光沢
光沢は、鏡面光沢度についてのASTM方法D523試験方法に従って、BYK−ガードナー(BYK−Gardner)によるミクロ−トリ−グロスメーターを使用して、24時間後にレネタ(Leneta)2B不透明紙上で流延した6ミル(湿潤)厚さのフィルム上で測定した。
【0047】
耐ブロッキング性
耐ブロッキング性は、フィルムを指定時間まで乾燥させた後1psi圧力を使用して、建築用塗料の耐ブロッキング性についてのASTM4946試験方法に従って、レネタ2B不透明紙上で6ミル(湿潤)のフィルムを使用して決定した。加熱耐ブロッキング性は、1psiの圧力下で30分間対面状態にした塗布した表面で、強制空気オーブン内で120°Fで決定した。この試験は数字で等級付けした。10の等級は100%合格を表わし、この場合塗布した表面がノイズ無しに離れて持ち上がり、9〜4の等級は、塗布した表面が分離するときノイズの程度を表わし、3〜1の等級は、2個の表面が分離するとき塗布した表面の破壊の程度を表わし、0の等級は100%不合格を表わし、この場合塗布した表面は完全に一緒に流れ、分離の際にフィルムの完全な破壊が起こる。
【0048】
耐印刷性
耐印刷性は、フィルムを指定時間まで乾燥させた後、4層のチーズクロスの上に置いた#6黒色ゴム栓の頂部に置いた4ポンド重りを使用して、建築用塗料の耐印刷性についてのASTM D2064−91試験方法に従って、レネタ2B不透明紙上で6ミル(湿潤)のフィルムを使用して決定した。加熱耐印刷性は、4ポンドの圧力下で30分間、折りたたんだチーズクロス(上記のようなもの)で、強制空気オーブン内で120°Fで決定した。この試験は、ASTM D2064−91に従って、数字で等級付けした。
【0049】
耐スクラブ性
耐スクラブ性は、建築用塗膜の耐スクラブ性についてのASTM D2486試験方法に従って決定した。塗膜を、スクラブ試験チャートフォームP121−10N上で7ミル湿潤で適用し、具体的時間乾燥させる。このパネルをGardcoスクラブ機、モデルD−10Vの中に置き、10gのASTM D2486及びD3450のための規格化スクラブ媒体(研磨タイプ)を、スクラブブラシの上に置き、パネルを5mLのDI水で濡らし、試験機カウンターをゼロにし、試験を機械の最高試験速度で行う。破損の前の各400サイクルの後で、ブラシを取り除き、10g以上のスクラブ媒体を剛毛の上に等しく添加し、ブラシを再装着し、5mLのDI水をパネルの上に置き、試験を継続する。この試験を破損まで行う。破損は、シムの幅を横断する連続線で完全に塗料フィルムを除去するためのサイクル数として定義される。
【0050】
湿潤接着試験
この手順は、湿潤スクラビング条件下で、熟成したアルキド支持体に対する塗膜接着を試験する。この手順は、1992年2月26〜28日、米国ルイジアナ州ニューオーリンズ(New Orleans)での第19回年次「水性高固体及び粉末塗料シンポジウム(water−Borne High−Solids and Powder Coating Symposium)」で発表された、M.J. Collins等の「VYNATE(登録商標)(ユニオン・カーバイド・ケミカルス・アンド・プラスチックス社)−半光沢屋内建築用塗料用のビニルエマルジョンビヒクル」に記載されている。
【0051】
市販の光沢アルキド塗料の10ミルのドローダウン(drawdown)を、「レネタ」スクラブパネルの上に作る(接着はアルキドの種類によって変化する−グリデン(Glidden)工業用エナメルを使用した)。このアルキドフィルムを環境条件下で1週間熟成させ、次いで110°Fで24時間ベークし、次いで環境条件下で更に少なくとも1週間熟成させる。次いで、試験塗料の7ミルのドローダウンを、熟成させたアルキドの上に作り、3日間自然乾燥させる。(この試験に合格するサンプルの間を識別するために、乾燥時間を短縮することができる。7日間が一般的な期間であり、場合によって5時間の乾燥時間が使用される。乾燥のために、一定の温度/湿度条件、72°F/50%が通常使用される)。次いで試験塗料をかみそりで碁盤目状に刻み、水中に30分間浸漬させる。塗料フィルムを膨れに付いて点検し、指の爪で引っ掻いて接着を測定する。未だ濡れている間に、パネルを「ガードナー」スクラブ機の上に置く。10mLの5%「LAVA(登録商標)」石鹸スラリーを添加し、ナイロン製スクラブブラシ(WG2000NB)を刻み目を入れた塗料フィルム領域の上に通過させる。塗料フィルムを濡らして保持するために必要なとき、水を添加する(溢れさせる)。初期剥離及び10%剥離のためのブラシ掛けサイクルの数を記録する。フィルムの完全な除去のためのサイクルの数もしばしば記録する。
【0052】
汚染試験
試験塗料を6ミル垂れ下がりバーで適用する。ドローダウン後、試験塗料(群)を、72°F±2及び50%±2の相対湿度で21日間硬化させる。塗料フィルムを、黒色靴用クリーム、ケチャップ、TOP JOB(登録商標)、クレヨン、グレープジュース、赤クールエイド(KOOL AID)(登録商標)及びPINE SOL(登録商標)に、合計5時間曝露する。塗料フィルムを、マスタード、コーヒー及びニグロシンに、合計30分間曝露する。塗料フィルムを、赤インキ及びブランクインキに合計5分間曝露する。塗料フィルムをヨウ素に30秒間曝露する。全ての汚染を、1 1/2インチの時計皿で具体的曝露時間カバーする。穏和な洗剤溶液中に浸した柔らかい布で汚染を除去する。1=汚染無し及び5=破壊されたフィルムの極度の汚染である1〜5の目盛りを使用して、汚染の程度を採点する。
【0053】
低温度凝集
低温度凝集は、ASTM D3793−89に従って決定した。
【0054】
実施例
下記のポリマー樹脂を、本発明の水系ポリマー塗料組成物で使用するために製造した。
【0055】
樹脂A
凝集器、窒素パージ及び表面上供給チューブを取り付けた5ガロンの樹脂ケトルに、4176.6gの水、57.55gの炭酸ナトリウム、22.65gのTREM LF−40(水中40%固体)、10.82gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、138.3gのメタクリル酸メチル、228.4gのスチレン、266.4gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び1.3gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、343.4gの脱塩水中に溶解した60.8gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。2597.7gの水、65.56gのTREM LF−40、57.2gのTERGITOL NP−40、849.5gのメタクリル酸メチル、1402.8gのスチレン、1636.6gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び7.8gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の100gラインフラッシュ(line flush) にかけた乳化モノマー混合物を、125分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、884.9gの脱イオン水中に溶解した34.3gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、1725.7gの水、121.0gのAEROSOL18(水中35%溶液)、48.2gのTERGITOL NP−40(70%)、2371.0gのスチレン、1654.7gのアクリル酸2−エチルヘキシル、378.2gのメタクリル酸アリル、189.1gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、40.2gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル及び189.1gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)からなる第二エマルジョン供給物を、71分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、117.4gの脱塩水、27.0gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム及び49.8gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、117.4gの脱塩水中に溶解した29.01gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、48.08%;DSC再加熱中間点ガラス転移15℃。
【0056】
樹脂B
凝集器、窒素パージ及び表面上供給チューブを取り付けた5ガロンの樹脂ケトルに、4176.6gの水、57.6gの炭酸ナトリウム、22.65gのTREM LF−40(水中40%固体)、10.82gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、138.3gのメタクリル酸メチル、228.4gのスチレン、266.4gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び1.3gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、343.4gの脱塩水中に溶解した60.8gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。2597.7gの水、65.56gのTREM LF−40、57.2gのTERGITOL NP−40、849.5gのメタクリル酸メチル、1402.8gのスチレン、1636.6gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び7.8gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の100gラインフラッシュにかけた乳化モノマー混合物を、125分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、884.9gの脱イオン水中に溶解した34.3gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、1617.9gの水、121.0gのAEROSOL18(水中35%溶液)、48.2gのTERGITOL NP−40(70%)、2276.4gのスチレン、1654.7gのアクリル酸2−エチルヘキシル、378.2gのメタクリル酸アリル、189.1gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、40.2gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、378.2gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)及び13.2gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホナート(水中50%)からなる第二エマルジョン供給物を、71分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、117.4gの脱塩水、27.0gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム及び49.8gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、117.4gの脱塩水中に溶解した29.01gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、47.25%;DSC再加熱中間点ガラス転移14℃。
【0057】
樹脂C
50ガロンの反応器に、41765.9gの水、575.5gの炭酸ナトリウム、226.6gのTREM LF−40(水中40%固体)、108.2gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、1382.8gのメタクリル酸メチル、2283.6gのスチレン、2664.2gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び12.7gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、3433.6gの脱塩水中に溶解した607.5gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。2597.7gの水、655.6gのTREM LF−40、572.1gのTERGITOL NP−40、8494.7gのメタクリル酸メチル、14027.8gのスチレン、16365.9gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び77.9gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の1000gラインフラッシュした乳化モノマー混合物を、125分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、8848.5gの脱イオン水中に溶解した343.4gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、15178.5gの水、1210.1gのAEROSOL18(水中35%溶液)、481.6gのTERGITOL NP−40(70%)、22764.2gのスチレン、16547.5gのアクリル酸2−エチルヘキシル、3782.2gのメタクリル酸アリル、1891.1gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、401.9gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3782.2gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)及び132.1gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホナート(水中50%)トリアクリレートからなり、続いて脱塩水の1000gラインフラッシュにかけた第二エマルジョン供給物を、71分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、1174.0gの脱塩水、269.6gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム及び497.5gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、1174.0gの脱塩水中に溶解した290.1gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、47.8%;DSC再加熱中間点ガラス転移20℃。
【0058】
樹脂D
50ガロンの反応器に、37589.3gの水、518gの炭酸ナトリウム、203.9gのTREM LF−40(水中40%固体)、97.4gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、1244.6gのメタクリル酸メチル、2055.3gのスチレン、2397.8gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び11.4gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、3090.2gの脱塩水中に溶解した546.7gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。23379.4gの水、590.0gのTREM LF−40、514.9gのTERGITOL NP−40、7645.2gのメタクリル酸メチル、12625.0gのスチレン、14729.3gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び70.14gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の900gラインフラッシュした乳化モノマー混合物を、95分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、7963.7gの脱イオン水中に溶解した309.0gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、13660.7gの水、1089.1gのAEROSOL18(水中35%溶液)、433.4gのTERGITOL NP−40(70%)、20487.8gのスチレン、14892.7gのアクリル酸2−エチルヘキシル、3404.0gのメタクリル酸アリル、1702.0gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、361.7gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3404.0gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)及び118.8gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホナート(水中50%)トリアクリレートからなり、続いて脱塩水の900gラインフラッシュにかけた第二エマルジョン供給物を、95分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、1056.6gの脱塩水、242.7gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム及び447.8gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、1056.6gの脱塩水中に溶解した261.1gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、45.5%;DSC再加熱中間点ガラス転移15℃。
【0059】
樹脂E
凝集器、窒素パージ及び表面上供給チューブを取り付けた5ガロンの樹脂ケトルに、4176.6gの水、57.6gの炭酸ナトリウム、22.65gのTREM LF−40(水中40%固体)、10.82gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、138.3gのメタクリル酸メチル、228.4gのスチレン、266.4gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び1.3gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、343.4gの脱塩水中に溶解した60.8gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。2597.7gの水、65.56gのTREM LF−40、57.2gのTERGITOL NP−40、849.5gのメタクリル酸メチル、1402.8gのスチレン、1636.6gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び7.8gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の100gラインフラッシュにかけた乳化モノマー混合物を、125分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、884.9gの脱イオン水中に溶解した34.3gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、1631.1gの水、121.0gのAEROSOL18(水中35%溶液)、48.2gのTERGITOL NP−40(70%)、2276.4gのスチレン、1654.7gのアクリル酸2−エチルヘキシル、378.2gのメタクリル酸アリル、189.1gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、40.2gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル及び378.2gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)からなる第二エマルジョン供給物を、71分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、117.4gの脱塩水、27.0gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、49.8gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、117.4gの脱塩水中に溶解した29.01gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、46.9%。
【0060】
樹脂F
50ガロンの反応器に、40364.1gの水、503.8gの炭酸ナトリウム、1151.61gのHITENOL HS−20(水中9.7%溶液)、133.2gのTERGITOL NP−40(水中70%固体)、431.9gのメタクリル酸メチル、714.4gのスチレン、833.1gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び4.0gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、125rpm で80℃にした。80℃に達した後、3005.0gの脱塩水中に溶解した531.7gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。23973.4gの水、237.4gのAEROSOL OT−75(水中75%溶液)、705.4gのTERGITOL NP−40、8212.4gのメタクリル酸メチル、13562.1gのスチレン、15823.9gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び7.52gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなり、続いて脱塩水の899.7gラインフラッシュにかけた乳化モノマー混合物を、95分間かけて供給した。エマルジョン供給を開始して5分後に、7744.6gの脱イオン水中に溶解した300.5gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、255分間かけて供給した。フラッシュした後、15334.5gの水、754.0gのAEROSOL18(水中35%溶液)、351.3gのTERGITOL NP−40(70%)、20347.6gのスチレン、14202.6gのアクリル酸2−エチルヘキシル、3244.3gのメタクリル酸アリル、1619.5gのメタクリル酸ジメチルアミノエチル、345.0gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル及び1622.2gのROHAMERE6852−0(水中50%溶液)からなる第二エマルジョン供給物を、95分間かけて反応器の中に供給した。最後の供給の後、温度を65℃に低下させ、1034.7gの脱塩水、236.0gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、435.4gの硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液の溶液を、反応器に装入した。次いで、1034.7gの脱塩水中に溶解した253.9gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の溶液を、加熱を続けながら40.6分間かけて添加した。エマルジョンを冷却し、反応器から取り出した。固体レベル、45.9%。
【0061】
樹脂G
凝縮器、窒素パージ及び表面下供給チューブを取り付けた3000mLの樹脂ケトルに、480gの水、1.296gのHITENOL HS−20、1.59gのTERGITOL 15−S−40(68%)、5.8gの炭酸ナトリウム、4.85gのメタクリル酸メチル、7.8gのスチレン、9.86gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び0.23gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、400rpm で80℃にした。80℃に達した後、34.84gの脱イオン水中に溶解した6.164gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。208gの水、2.752gのAEROSOL OT−75、8.408gのTERGITOL 15−S−40(68%)、92.16gのメタクリル酸メチル、148.50gのスチレン、187.37gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び4.37gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなるエマルジョンの、5.248g/分での供給を開始した。第一エマルジョン供給を開始して5分後に、89.78gの脱イオン水中に溶解した3.48gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、0.336g/分で供給した。第一エマルジョン供給が完了した後、64gの水を、モノマー供給ラインを通して52.48g/分で供給し、反応器を25分間この温度に保持した。保持した後、138gの水、8.74gのAEROSOL18、4.22gのTERGITOL 15−S−40(70%)、203.52gのスチレン、172.71gのアクリル酸2−エチルヘキシル、2.77gの3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、95.95gのメタクリル酸アセトアセチル及び4.80gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホナート(水中50%)からなる第二エマルジョン供給物を、8g/分で反応器の中に供給した。最後の供給の10分後、温度を65℃に低下させ、16gの水中の0.8gのイソアスコルビン酸の溶液及び1.6gの、水中の硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液を、反応器に装入した。次いで、16gの水中に溶解した1.04gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の開始剤溶液を、加熱を続けながら0.38g/分で供給した。エマルジョンを冷却し、次いで100メッシュの金網を通して濾過した。固体レベル、47.1%。
【0062】
樹脂H
凝縮器、窒素パージ及び表面下供給チューブを取り付けた3000mLの樹脂ケトルに、720.4gの水、39.2gのHITENOL HS−20、1.08gのTERGITOL 15−S−40(68%)、5.8gの炭酸ナトリウム、25.52gのメタクリル酸メチル、35.2gのスチレン、26.4gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び0.88gのトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。窒素パージを開始し、次いで反応器の内容物を、400rpm で80℃にした。80℃に達した後、34.84gの脱イオン水中に溶解した6.032gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤装入物を、反応器に添加した。158.4gの水、15.72gのAEROSOL OT−75、11.004gのTERGITOL 15−S−40(68%)、107.81gのメタクリル酸メチル、148.70gのスチレン、111.53gのアクリル酸2−エチルヘキシル及び3.72gのトリメチロールプロパントリアクリレートからなるエマルジョンの、5.248g/分での供給を開始した。第一エマルジョン供給を開始して5分後に、87.2gの脱イオン水中に溶解した3.41gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を、0.336g/分で供給した。第一エマルジョン供給が完了した後、60gの水を、モノマー供給ラインを通して52.48g/分で供給し、反応器を25分間この温度に保持した。保持した後、138.4gの水、9.72gのAEROSOL18、6.99gのTERGITOL 15−S−40(70%)、191.90gのスチレン、43.25gのメタクリル酸メチル、143.93gのアクリル酸2−エチルヘキシル、95.95gのメタクリル酸アセトアセチル及び9.448gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホナート(水中50%)からなる第二エマルジョン供給物を、5.248g/分で反応器の中に供給した。最後の供給の10分後、温度を65℃に低下させ、16gの水中の1.04gのイソアスコルビン酸の溶液及び1.6gの、水中の硫酸鉄(II)七水和物(EDTAとキレート化した)の0.5%溶液を、反応器に装入した。次いで、16gの水中に溶解した1.04gのt−ブチルヒドロペルオキシド(水中70%)の開始剤溶液を、加熱を続けながら0.38g/分で供給した。エマルジョンを35℃より低く冷却し、次いで100メッシュの金網を通して濾過した。固体レベル、47.1%。
【0063】
樹脂I
752.0gの樹脂Hに、56.1gの、水中のPOLYMIN−Gの50%溶液を撹拌しながら添加した。
【0064】
樹脂J
この樹脂ブレンドは、556.5gの樹脂Gをガラス樹脂ケトルに添加することによって製造した。撹拌しながら環境温度で、最初に199.5gの樹脂I、次いで10.5gの、水中の炭酸アンモニウムの0.3モル濃度溶液を添加した。
【0065】
例1
SURFYNOL(登録商標)104を、下記の表Iに示すように、樹脂固体の重量当たりの界面活性剤の重量基準で増加するパーセントレベルで、樹脂Aに添加した。SURFYNOL(登録商標)104は、室温で固体であり、ラテックスに添加する前に融解させるために、140°Fに加温させなくてはならなかった。最低フィルム形成温度(MFFT)及びガラス転移(Tg)の両方に於ける低下は、可塑化挙動の特徴である。
【0066】
【表1】
Figure 0004242557
【0067】
例2
SURFYNOL(登録商標)104又は420を、下記の表IIに示すように、樹脂固体の重量当たり3.4重量%の界面活性剤固体で、樹脂Bに添加した。生の樹脂に対する何れかのSURFYNOL(登録商標)を含有するサンプルの開始及び中間点Tg℃に於ける低下は、可塑化挙動の表示である。
【0068】
【表2】
Figure 0004242557
【0069】
例3
可塑化は、エマルジョンフィルムの引張特性を使用して示すこともできる。下記の表IIIに示すように、SURFYNOL(登録商標)104を樹脂Aに添加したとき(樹脂固体の重量当たり3.4重量%の界面活性剤固体)、伸びが増加すると共に、破断、仕事(work)及びモジュラスに於ける低下があった。これは、可塑化フィルムで観察される性能に於ける変化の典型である。
【0070】
【表3】
Figure 0004242557
【0071】
例4
この例では、低VOC光沢ラテックス塗料(<11g/L)を、界面活性剤有り及び無しで製造した。
ゼロ揮発性有機化合物(VOC)粉砕物(grind)製造
15ガロンの粉砕物(粉砕物1)を、下記のようにしてプレミール(Premier)分散機を使用して製造し、粉砕物の一部をそれぞれの特定した塗料をレットダウンするために使用した。
【0072】
材料 体積(ガロン)
水 48.00
TAMOL 1124 4.00
TRITON CF−10 2.00
FOAMASTER AP 2.00
DOWICIL75 1.00
十分に分散させ、次いで撹拌下に添加する。
TI−PURE R−900 200.00
【0073】
このバッチを、分散物がヘグマン(Hegman)ゲージ上で7を通過するまで、高速度で分散させ、次いで19ポンドの水を添加した。次いで、このバッチをフルフロ(Fulflo)フィルターを通して濾過し、貯蔵した。
【0074】
18顔料体積濃度(PVC)での水性ラテックス塗料の製造
下記の4種の塗料レットダウンを、ゼロVOC粉砕物(前記)及び示すエマルジョンを使用して製造した。
【0075】
Figure 0004242557
【0076】
【表4】
Figure 0004242557
【0077】
【表5】
Figure 0004242557
【0078】
【表6】
Figure 0004242557
【0079】
【表7】
Figure 0004242557
【0080】
【表8】
Figure 0004242557
【0081】
【表9】
Figure 0004242557
【0082】
【表10】
Figure 0004242557
【0083】
例5
この例では、界面活性剤を含有する及び含有しない低VOCサテンラテックス(satin latex) 塗料(<11g/L)を製造した。
炭酸カルシウム粉砕物の製造
材料 重量(g)
水 100
TAMOL1124 8.0
TRITON CF−10 4.0
FOAMASTER AP 30.0
DOWICIL75 10.0
高速度で5分間よく混合する。
OMYACARB UF 400.0
水 24.0
高速度で15分間分散させる。
水 50
【0084】
Figure 0004242557
【0085】
Figure 0004242557
【0086】
【表11】
Figure 0004242557
【0087】
【表12】
Figure 0004242557
【0088】
【表13】
Figure 0004242557
【0089】
【表14】
Figure 0004242557
【0090】
【表15】
Figure 0004242557
【0091】
【表16】
Figure 0004242557
【0092】
【表17】
Figure 0004242557
【0093】
例4及び5は、非常に低いVOC塗料(11g/L計算値)に、樹脂非揮発物含有量に対して3.6%又はそれ以上で、SURFYNOL(登録商標)104又は420を添加すると、塗料特性の下記のバランス、即ち、低温凝集合格(表V及びIX)、改良された耐スクラブ性(表V及びIX)及びブロッキング、印刷、湿潤接着又は汚染耐性に於ける顕著な損失を伴わない、より高い光沢(表V〜XI)になることを示している。
【0094】
例6
この例に於いては、SURFYNOL(登録商標)420を5.6%で含有する塗料組成物を、共溶媒ブレンド物であるイーストマン(Eastman)EB溶媒/イーストマンDB溶媒を含有することについて比較した。サンプル7に見出される共溶媒含有塗料(100g/LのVOCでイーストマンEB溶媒/イーストマンDB溶媒)を、サンプル8に於いて非常に低VOC塗料(25g/Lより少ないVOC)を製造するために、樹脂非揮発物含有量の5.6%でSURFYNOL(登録商標)420で置換することによって、塗料特性の下記のバランス、即ち、サンプル8は相対湿度の範囲に亘って低温凝集に合格し、一方、サンプル7は合格しない(表XIII)並びに同等の耐スクラブ性(表XIV)、耐ブロッキング性、耐印刷性及び湿潤接着(表XIV, XV 及びXVI)になった。
【0095】
粉砕物の製造
15ガロンの粉砕物を、下記のようにしてプレミール分散機を使用して製造し、粉砕物の一部をそれぞれの具体的な塗料をレットダウンするために使用した。
【0096】
材料 重量(g)
水中の炭酸アンモニウムの10%溶液 200
PROXEL GXL 2.6
TAMOL1124 10.4
TRITON CF−10 5.2
FOAMASTER AP 6.0
DURAMITE 320.0
NYTAL300 200.0
十分分散させる。
【0097】
プレミックス1の製造
イーストマンEB溶媒 15.0
イーストマンDB溶媒 15.0
FOAMASTER AP 6.7
FOAMASTER VF 3.2
AEROSOL OT−75 1.0
【0098】
プレミックス2の製造
SURFYNOL(登録商標)420 11.2
FOAMASTER AP 6.7
FOAMASTER VF 3.2
AEROSOL OT−75 1.0
【0099】
サテンラテックス塗料の製造
下記の二つの塗料レットダウンを、粉砕物(前記)及び示すエマルジョンを使用して製造した。
【0100】
Figure 0004242557
【0101】
Figure 0004242557
SURFYNOL(登録商標)420又は共溶媒を含有する樹脂Jでのサテン塗料配合物:
【0102】
【表18】
Figure 0004242557
【0103】
【表19】
Figure 0004242557
【0104】
【表20】
Figure 0004242557
【0105】
【表21】
Figure 0004242557
【0106】
【表22】
Figure 0004242557
【0107】
上記の例は、界面活性剤が塗料に於いて可塑剤として機能し、そうして従来の共溶媒についての必要性を除去し、共溶媒に付随するVOCを除去することを示している。好ましくは、本発明により、界面活性剤は、塗料を可塑化し、低温度フィルム形成を助け、そして完成塗料に於ける特性の最終的バランスに有害に寄与することなく、塗料中での界面活性剤について従来知られていなかった典型的な特性に寄与する機能を果たす。
以下に、本発明の態様を記載する。
態様1.水系ポリマー組成物に、乾燥ポリマーの3〜10重量%のアルキルポリグリコールエーテル非イオン界面活性剤を添加する工程を含んでなる水系ポリマー組成物の最低フィルム形成温度を低下させる方法。
態様2.アルキルポリグリコールエーテルが、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール又はこれらの混合物のエトキシル化生成物である態様1に記載の方法。
態様3.アルキルポリグリコールエーテルが、式:
R−C≡C−R 1
[式中、R及びR 1 は、それぞれ、炭素数1〜15の直鎖及び分岐鎖アルキルから選択され、R及びR 1 の少なくとも1個は、1〜3個のヒドロキシル基を含有し、各ヒドロキシル基のHは、独立に、式:
(CH 2 −CH 2 −O) n H 又は (CH 2 −CH(CH 3 ) −O) m
(式中、n及びmは、それぞれ1〜50の範囲であり、n及びmの合計は60未満である)
の置換基で置換されている]
の化合物から選択される態様1に記載の方法。
態様4.アルキルポリグリコールエーテルが、式( II )の少なくとも1個の化合物である態様3に記載の方法。
態様5.水系ポリマー組成物が250g/Lより少ないVOCを有する態様1に記載の方法。
態様6.水系ポリマー組成物が50g/Lより少ないVOCを有する態様5に記載の方法。
態様7.水系ポリマー組成物が溶媒、顔料、レベリング剤、レオロジー剤、流動調節剤、増量剤、反応性凝集助剤、艶消剤、顔料湿潤、分散剤、界面活性剤、紫外(UV)吸収剤、UV光安定剤、脱泡剤、消泡剤、沈降防止剤、だれ止め剤、増粘剤、皮張り防止剤、色わかれ防止剤、色むら防止剤、殺菌剤、防かび剤、腐食防止剤、増粘剤、可塑剤、反応性可塑剤、硬化剤、凝集剤及びこれらの混合物から選択される添加剤を更に含む態様1に記載の方法。
態様8.基板を、ポリマー樹脂、水及び、乾燥ポリマーの3〜10重量%のアルキルポリグリコールエーテル非イオン界面活性剤を含む水系ポリマー組成物(前記界面活性剤はポリマー樹脂の重合後に添加する)と共に準備し、そして
基板を前記水系ポリマー組成物で被覆する基板の被覆方法。
態様9.アルキルポリグリコールエーテルが、式:
R−C≡C−R 1
[式中、R及びR 1 は、それぞれ、炭素数1〜15の直鎖及び分岐鎖アルキルから選択され、R及びR 1 の少なくとも1個は、1〜3個のヒドロキシル基を含有し、各ヒドロキシル基のHは独立に、式:
(CH 2 −CH 2 −O) n H 又は (CH 2 −CH(CH 3 ) −O) m
(式中、n及びmは、それぞれ1〜50の範囲であり、n及びmの合計は60未満である)
の置換基で置換されている]
の化合物から選択される態様8に記載の方法。
態様10.アルキルポリグリコールエーテルが、式( II )の少なくとも1個の化合物を 含む態様9に記載の方法。
態様11.前記基板が、木材、木材副製品、石膏ボート、プラスチック、金属及び織物製品から選択される態様8に記載の方法。
態様12.水系ポリマー組成物に、乾燥ポリマーの3〜10重量%の非イオン界面活性剤を添加する工程を含んでなる水系ポリマー組成物の最低フィルム形成温度を低下させる方法であって、前記非イオン界面活性剤が、式:
R−C≡C−R 1
[式中、R及びR 1 は、それぞれ、炭素数1〜15の直鎖及び分岐鎖アルキルから選択され、R及びR 1 の少なくとも1個は、1〜3個のヒドロキシル基を含有し、各ヒドロキシル基のHは独立に、置換されていないか又は式:
(CH 2 −CH 2 −O) n H 又は (CH 2 −CH(CH 3 ) −O) m
(式中、n及びmは、それぞれ1〜50の範囲であり、n及びmの合計は60未満である)
の置換基で置換されている]
の化合物から選択される水系ポリマー組成物の最低フィルム形成温度を低下させる方法。
態様13.非イオン界面活性剤が
(i)式(I)の少なくとも1個の化合物
ii )式( II )(式中、m及びnの合計は1〜30の範囲である)
の少なくとも1個の化合物、並びに
iii )(i)及び( ii )の混合物
からなる群から選ばれる態様12に記載の方法。
態様14.水系ポリマー組成物が250g/Lより少ないVOCを有する態様12に記載の方法。
態様15.水系ポリマー組成物が50g/Lより少ないVOCを有する態様14に記載の方法。
態様16.水系ポリマー組成物が溶媒、顔料、レベリング剤、レオロジー剤、流動調節剤、増量剤、反応性凝集助剤、艶消剤、顔料湿潤、分散剤、界面活性剤、紫外(UV)吸収剤、UV光安定剤、脱泡剤、消泡剤、沈降防止剤、だれ止め剤、増粘剤、皮張り防止剤、色わかれ防止剤、色むら防止剤、殺菌剤、防かび剤、腐食防止剤、増粘剤、可塑剤、反応性可塑剤、硬化剤、凝集剤及びこれらの混合物から選択される添加剤を更に含む態様12に記載の方法。
態様17.ポリマー樹脂、水及び乾燥ポリマーの3〜10重量%の非イオン界面活性剤を含んでなる水系ポリマー組成物を製造する工程(前記非イオン界面活性剤は、式:
R−C≡C−R 1
[式中、R及びR 1 は、それぞれ、炭素数1〜15の直鎖及び分岐鎖アルキルから選択され、R及びR 1 の少なくとも1個は、1〜3個のヒドロキシル基を含有し、各ヒドロキシル基のHは、独立に、置換されていないか又は式:
(CH 2 −CH 2 −O) n H 又は (CH 2 −CH(CH 3 ) −O) m
(式中、n及びmは、それぞれ1〜50の範囲であり、n及びmの合計は60未満である)
の置換基で置換されている]
の化合物から選択される、そして前記水系ポリマー組成物で基板を被覆する工程を含んでなる基板の被覆方法。
態様18.非イオン界面活性剤が
(i)式:(I)の少なくとも1個の化合物、
ii )式( II )の少なくとも1個の化合物、並びに
iii )(i)及び( ii )の混合物
からなる群から選ばれる態様17に記載の方法。
態様19.前記基板が、木材、木材副製品、石膏ボード、プラスチック、金属及び織物製品から選択される態様17に記載の方法。

Claims (12)

  1. ポリマー樹脂、水、及び式(I):
    Figure 0004242557
    の化合物及び
    式( II ):
    Figure 0004242557
    [式中、m及びnの合計は1〜30の範囲である]
    の化合物から選択される界面活性剤を含んでなる耐スクラブ性水系ポリマー塗料組成物であって、
    (A)前記界面活性剤が、ポリマー樹脂の乳化重合後に、組成物から形成される塗膜を可塑化するのに有効な量の、乾燥ポリマーの3〜10重量%の範囲内の量で添加され、そして
    (B)塗料組成物が共溶媒を実質的に含まない
    耐スクラブ性水系ポリマー塗料組成物。
  2. 溶媒、顔料、レベリング剤、レオロジー剤、流動調節剤、増量剤、反応性凝集助剤、艶消剤、顔料湿潤、分散剤、界面活性剤、紫外(UV)吸収剤、UV光安定剤、脱泡剤、消泡剤、沈降防止剤、だれ止め剤、増粘剤、皮張り防止剤、色わかれ防止剤、色むら防止剤、殺菌剤、防かび剤、腐食防止剤、増粘剤、可塑剤、反応性可塑剤、硬化剤、凝集剤及びこれらの混合物から選択される添加剤を更に含む請求項1に記載の水系ポリマー塗料組成物。
  3. 250g/Lより少ないVOCを有する請求項1に記載の水系ポリマー塗料組成物。
  4. 50g/Lより少ないVOCを有する請求項3に記載の水系ポリマー塗料組成物。
  5. 請求項1に記載の組成物で塗布された基板。
  6. 前記基板が、木材、石膏ボード、プラスチック、金属及び織物製品から選択される請求項5に記載の基板。
  7. 前記基板を請求項1に記載の水系ポリマー塗料組成物で塗布する工程及び塗膜硬化させる工程を含んでなる基板の塗布方法。
  8. 前記基板が、木材、石膏ボード、プラスチック、金属及び織物製品から選択される請求項7に記載の方法。
  9. 水系ポリマー組成物に、乾燥ポリマーの3〜10重量%の、(i)式 (I):
    Figure 0004242557
    の化合物並びに
    ii )式( II ):
    Figure 0004242557
    (式中、m及びnの合計は1〜30の範囲である)
    の化合物、
    からなる群から選ばれる界面活性剤を添加する工程を含んでなる水系ポリマー組成物の最低フィルム形成温度を低下させる方法。
  10. 水系ポリマー組成物が溶媒、顔料、レベリング剤、レオロジー剤、流動調節剤、増量剤、反応性凝集助剤、艶消剤、顔料湿潤、分散剤、界面活性剤、紫外(UV)吸収剤、UV光安定剤、脱泡剤、消泡剤、沈降防止剤、だれ止め剤、増粘剤、皮張り防止剤、色わかれ防止剤、色むら防止剤、殺菌剤、防かび剤、腐食防止剤、増粘剤、可塑剤、反応性可塑剤、硬化剤、凝集剤及びこれらの混合物から選択される添加剤を更に含む請求項9に記載の方法。
  11. 水系ポリマー組成物が250g/Lより少ないVOCを有する請求項9に記載の方法。
  12. 水系ポリマー組成物が50g/Lより少ないVOCを有する請求項11に記載の方法。
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