JP4135886B2 - 同期噛合装置 - Google Patents
同期噛合装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4135886B2 JP4135886B2 JP2002258083A JP2002258083A JP4135886B2 JP 4135886 B2 JP4135886 B2 JP 4135886B2 JP 2002258083 A JP2002258083 A JP 2002258083A JP 2002258083 A JP2002258083 A JP 2002258083A JP 4135886 B2 JP4135886 B2 JP 4135886B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch hub
- cone
- ring
- axial
- sleeve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の伝動経路に介挿される同期噛合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期噛合装置は、回転軸上に互いに相対回転可能に支持されたクラッチハブ及びギヤと、該ギヤと一体回転するシンクロコーンと、前記クラッチハブ及びシンクロコーンの間に配設されたシンクロナイザーリングと、前記クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向移動自在に外挿されるスリーブと、前記クラッチハブと前記スリーブとの間に介挿されたインデックスキーとを備えている。
【0003】
斯かる同期噛合装置においては、スリーブを介して軸方向外方へ移動されるインデックスキーがシンクロナイザーリングを軸方向外方へ押動するように構成されており、軸方向外方へ押動されたシンクロナイザーリングがシンクロコーンとが摩擦係合して両者が同期回転してから、スリーブの内歯スプラインとシンクロコーンの外歯スプラインとが噛合するようになっている。
【0004】
ところで、同期噛合装置においては、装置自体の小型化と共に、同期クラッチ容量の増大が求められるが、これらは相反する事項であり、従来の同期噛合装置においてはこれら双方の課題を同時に解決し得るものは存在しない。
【0005】
即ち、シンクロナイザーリングの軸方向移動範囲を大きくすれば、同期クラッチ容量を増大させることができるが、その反面、装置自体は大型化する。
つまり、シンクロナイザーリングの軸方向移動範囲を大きくする為には、クラッチハブとシンクロコーンとの間の軸方向距離を長くしなければならず、これにより、装置自体が大型化する。
【0006】
又、シンクロナイザーリングとシンクロコーンとの間の摩擦面を複数設け、両者の間の実質的な摩擦面積の増大を図る為に、シンクロナイザーリングを複数のコーンリングによって構成してなる複数コーンリング型同期噛合装置が提案されているが、シンクロナイザーリングの軸方向移動範囲と装置自体の大型化との関係については全く考慮されていない。
【0007】
さらに、前記複数コーンリング型同期噛合装置において、シンクロナイザーリングとシンクロコーンとの間の前記複数摩擦面を有効活用する為に、クラッチハブと相対回転不能に連結されるコーンリング同士を連結部によって連結する構成が提案されている。
斯かる構成によれば、前記クラッチハブ側のコーンリング同士が軸方向に一体的に移動する為、前記複数摩擦面を介してシンクロナイザーリングとシンクロコーンとの摩擦係合を効率的に行うことができる。
しかしながら、前記連結部は、クラッチハブとシンクロコーンとの間に位置することになるから、該連結部を備えることにより、クラッチハブとシンクロコーンとの間の軸方向距離が長くなり、結果的に、装置自体の大型化を招くことになる。
さらに、従来の同期噛合装置においては、シンクロナイザーリングとシンクロコーンとの摩擦係合面に潤滑油を効率的に供給することについても全く考慮されていない。
さらに、前記クラッチハブに前記インデックスキー及び前記スリーブを組み付ける際には、前記付勢部材の保有弾性が所定値を上回るような圧縮量で該付勢部材を圧縮させながら行う必要があり、前記インデックスキー及び前記スリーブの組み付け作業に手間が掛かるという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、装置の大型化を抑えつつ、シンクロナイザーリングの軸方向移動範囲を有効に確保し、さらに、シンクロナイザーリングとシンクロコーンとの摩擦係合面に潤滑油を効率的に供給することができ、且つ、インデックスキー及びスリーブのクラッチハブへの組み付け作業の効率化を図り得る同期噛合装置の提供を、一の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、回転軸上に互いに相対回転可能に支持されたクラッチハブ及びギヤと、前記ギヤと一体回転するシンクロコーンと、該クラッチハブ及びシンクロコーンの間に配設されたシンクロナイザーリングであって、径方向に重ね合わされたアウターコーンリング,ミドルコーンリング及びインナーコーンリングを少なくとも有するシンクロナイザーリングと、前記クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向移動自在に外挿されるスリーブと、前記クラッチハブと前記スリーブとの間に介挿されたインデックスキーであって、前記スリーブの軸方向移動に連動して前記シンクロナイザーリングを押動して前記シンクロコーンと摩擦係合させるインデックスキーと、前記インデックスキーを前記スリーブの内歯スプラインに向けて付勢するように、前記クラッチハブに内装されたスプリングとを備え、前記アウターコーンリング及びインナーコーンリングは、軸方向内端部に設けられた連結部によって一体的に移動するように連結されており、前記クラッチハブの軸方向端面には、前記スプリングが内装された部位から周方向に変位された位置に、前記連結部が軸方向にはまり込み可能な窪みが設けられており、前記窪みは、前記ギヤの軸方向内端部及び前記クラッチハブの軸方向端面の間に設けられた間隙と、前記シンクロコーンの軸方向内端部に設けられた切り欠きとを介して、前記回転軸の外表面に開口するように該回転軸に形成された潤滑油供給油路に連通されている同期噛合装置を提供する。
【0010】
さらに、本発明に係る同期噛合装置においては、前記クラッチハブは、前記回転軸がスプライン結合される状態で挿通される中央孔と、前記インデックスキーが配設されるように外周に設けられた切り欠きと、内端部が前記中央孔に開口し且つ外端部が前記切り欠きに開口する径方向孔であって、前記スプリングが内装される径方向孔とを有する。
前記径方向孔は、中央部及び外端部が第1直径を有し、且つ、内端部が前記第1直径よりも小径の第2直径を有するものとされ、前記径方向孔の内端部は、前記回転軸及び前記クラッチハブをスプライン結合させた際に該回転軸におけるスプラインの凸部と対向する位置において、前記クラッチハブの前記中央孔に開口される。前記径方向孔の内端部には、前記第1直径よりも小径で且つ前記第2直径よりも大径のボールが配設され、前記スプリングは、基端部が前記ボールと係合した状態で前記径方向孔に配設される。
【0011】
好ましくは、前記シンクロコーンは、前記シンクロナイザーリングと摩擦係合するテーパ状摩擦面部と、該摩擦面部の軸方向外端部から径方向外方へ延びる壁部と、該壁部の径方向外周縁に設けられ、前記スリーブの内歯スプラインと噛合する外歯スプラインとを備え、前記外歯スプラインのうちの少なくともチャンファ部は、前記壁部から前記クラッチハブに近接する方向へ突出されており、前記チャンファ部の径方向内方の空間に、前記シンクロナイザーリングの一部が臨むように構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る同期噛合装置の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係る同期噛合装置1の縦断側面図である。また、図2は図1とは周方向に異なる位置における前記同期噛合装置1の縦断側面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る同期噛合装置1は、クラッチハブ10と、スリーブ20と、インデックスキー30と、前記クラッチハブ10の軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2歯車40a,40bと、前記クラッチハブ10と前記第1及び第2歯車40a,40bとの間にそれぞれ配設された第1及び第2シンクロコーン50a,50bと、前記クラッチハブ10と前記第1及び第2シンクロコーン50a,50bとの間にそれぞれ配設された第1及び第2シンクロナイザーリング60a,60bと、スプリング80とを備えている。
【0014】
なお、本実施の形態においては、クラッチハブ10を挟んで軸方向両側にそれぞれギヤ40(40a,40b)、シンクロコーン50(50a,50b)及びシンクロナイザーリング60(60a,60b)を備えているが、当然ながら、クラッチハブ10の軸方向一方側にのみギヤ40、シンクロコーン50及びシンクロナイザーリング60を備えることも可能である。
【0015】
前記クラッチハブ10と第1及び第2ギヤ40a,40bとは、駆動軸又は従動軸の一方の軸100(以下、変速主軸又は回転軸という)上で、互いに相対回転自在とされている。
本実施の形態においては、前記クラッチハブ10は変速主軸100に相対回転不能且つ軸方向摺動不能に支持されており、一方、前記第1及び第2ギヤ40a,40bは回転軸100に相対回転自在に支持されている。
前記クラッチハブ10は回転軸100が挿通される中央孔11を有するリング状部材とされている。該クラッチハブ10は、中央孔の内周面に、回転軸100の外周面に設けられたスプライン101と係合する内歯スプライン12を有し、且つ、外周面に、前記スリーブ20と係合する外歯スプライン13を有している。
【0016】
前記スリーブ20は前記クラッチハブ10の外歯スプライン13に係合する内歯スプライン21を有するリング状部材とされており、前記クラッチハブ10に対して相対回転不能且つ軸方向摺動自在に外挿されている。
該スリーブ20における前記内歯スプライン21には、インデックスキー30の後述する凸部と係合する凹部22が設けられている。
【0017】
前記インデックスキー30は、前記クラッチハブ10に対して相対回転不能且つ軸方向移動自在となるように、前記クラッチハブ10と前記スリーブ20との間に介挿されている。
具体的には、該インデックスキー30は、前記クラッチハブ10の外周に形成された軸方向に沿った切り欠き14内に配設されている。
【0018】
図3に、本実施の形態に係る同期噛合装置の周方向展開断面図を示す。
又、図4及び図5に、それぞれ、該同期噛合装置の縦断正面図及び分解斜視図を示す。
詳しくは、図3〜図5に示すように、前記クラッチハブ10には、前記切り欠き14が複数個形成されている。
該複数の切り欠き14は、それぞれ、後述するシンクロナイザーリング60の係合突起63’,63''が係入されるようになっている。そして、該複数の切り欠き14のうちの所定の切り欠き14aに前記インデックスキー30が配設されるように構成されている。
該インデックスキー30は、径方向外方に突出した凸部31を有している。該凸部31は、前記スプリングの付勢力によって、前記スリーブ20の内歯スプライン21に形成された凹部22と係合する。
図4及び図5に示すように、本実施の形態においては、インデックスキー30は、径方向内方位置において回転方向両側に突出する突起30aを有する正面視凸形状とされている。
そして、該インデックスキーが係入される前記切り欠き14aには、該切り欠きの凸形状に対応した溝14a’が設けられている。
斯かる構成により、インデックスキー30を回転軸線方向からクラッチハブ10の切り欠き14aに組み込むと、該インデックスキー30が径方向外方へは抜けでないようになっている。
【0019】
前記第1及び第2歯車40a,40bは、それぞれ、駆動軸又は従動軸の他方の軸に作動的に連結されている。即ち、本実施の形態に係る同期噛合装置1は、前記スリーブ20を軸方向一方側又は他方側に移動させることによって、クラッチハブ10と第1及び第2歯車40a,40bとを選択的に連結させ得るようになっている。
なお、以下においては、クラッチハブ10の軸方向一方側に位置する第1歯車40a,第1シンクロコーン50a及び第1シンクロナイザーリング60aについてのみ説明するが、該説明は、クラッチハブの軸方向他方側に位置する第2歯車40b,第2シンクロコーン50b及び第2シンクロナイザーリング60bにも適用される。
【0020】
前記第1歯車40aは、外周面にチャンファが設けられた本体部41と、該本体部41からクラッチハブ10に近接する方向に延びたスプライン部42とを有している。
【0021】
前記第1シンクロコーン50aは、前記第1歯車40aのスプライン部42を介して該第1歯車40aに相対回転不能に連結され、且つ、該第1歯車40aとクラッチハブ10とによって軸方向摺動不能に固定されている。当然ながら、第1シンクロコーン50aは第1歯車40aと一体形成することもできる。
該第1シンクロコーン50aは、テーパ状外周摩擦面51と、該テーパ状外周摩擦面51の軸方向外端部から径方向外方へ延びる壁部52と、該壁部52の径方向外周縁に設けられたスプライン53とを有している。
【0022】
前記第1シンクロコーン50aのスプライン53は、前記スリーブ20の内歯スプライン21と噛合するように構成されており、且つ、少なくともチャンファ部54は前記壁部52から軸方向内方(クラッチハブに近接する方向)へ突出されている。
即ち、前記第1シンクロコーン50aは、前記スプライン53におけるチャンファ部54の径方向内方に、凹所55が形成されるように構成されている。
【0023】
詳細は後述するが、該凹所55には、前記第1シンクロナイザーリング60aが第1シンクロコーン50aと摩擦係合する軸方向外方位置に位置する際に、該第1シンクロナイザーリング60aの少なくとも一部が臨むように構成されている。
【0024】
前記第1シンクロナイザーリング60aは、クラッチハブ10に対し、周方向に関しては所定ピッチのみ相対回転可能とされ、且つ、軸方向に関しては相対移動可能とされている。
詳しくは、第1シンクロナイザーリング60aは、前記クラッチハブ10の前記切り欠き14に係入される係合突起63を有しており、該係合突起63によってクラッチハブ10に対して所定ピッチのみ相対回転し得るように構成されている。
【0025】
好ましくは、前記係合突起63は、図3に示すように、前記複数の切り欠き14のうちインデックスキー30が配設される切り欠き14aに係入される幅狭の第1係合突起63’と、前記複数の切り欠き14のうちインデックスキー30が配設されない切り欠き14bに係入される幅広の第2係合突起63''とを有している。
【0026】
より好ましくは、前記第2係合突起63''は、前記シンクロナイザーリング60aがクラッチハブ10に対して周方向双方に該クラッチハブ10における外歯スプライン13の1/2ピッチだけ相対移動可能となるような寸法とされる。
斯かる構成により、前記第2係合突起63''が前記切り欠き14bの周壁に当接する際には、後述するシンクロナイザーリング60aのチャンファ62とスリーブ20のスプライン21とが相対するインデックスキー状態となり、且つ、前記第2係合突起63''が前記切り欠き14bの周方向略中央に位置する際には、前記チャンファ62とスリーブ20のスプライン21とが噛合可能な噛合可能状態となる。
【0027】
さらに、該第1シンクロナイザーリング60aは、外部操作に基づく前記スリーブ20の軸方向外方への移動に連動する前記インデックスキー30によって軸方向外方位置と軸方向内方位置との間で移動可能とされており、軸方向外方位置まで押動されると前記第1シンクロコーン50aと作動的に摩擦係合し、これにより、クラッチハブ10と第1シンクロコーン50aとを同期回転させるように構成されている。
【0028】
前述の通り、本実施の形態においては、前記第1シンクロナイザーリング60aが第1シンクロコーン50aと摩擦係合する軸方向外方位置に位置する際に、該第1シンクロナイザーリング60aの少なくとも一部が前記第1シンクロコーン50aの凹所55に臨むように構成されており、これにより、以下の効果を奏する。
【0029】
即ち、前記構成を備えることにより、第1シンクロコーン50a及びクラッチハブ10の軸方向端面距離を大きくすることなく、軸方向内方位置及び軸方向外方位置の間を移動するシンクロナイザーリングの軸方向移動範囲を大きくとることができる。従って、同期噛合装置1の軸方向及び径方向寸法を大きくすることなく、同期クラッチ容量の増大化を図ることができる。
【0030】
本実施の形態においては、前記第1シンクロナイザーリング60aと前記第1シンクロコーン50aとの実質的な摩擦面積の増大を図る為に、該第1シンクロナイザーリング60aは、複数のコーンリング71a〜73aを備えている。
より詳しくは、該第1シンクロナイザーリング60aは、径方向に重ね合わされたアウターコーンリング71,ミドルコーンリング72及びインナーコーンリング73を備えている。
【0031】
前記アウターコーンリング71は、前記第1シンクロコーン50aのテーパ状外周摩擦面51と向き合うテーパ状内周摩擦面71a’を有するリング状本体部71aと、該本体部71aの軸方向内端部から径方向内方へ延びる連結片71bと、前記本体部71aの径方向外周縁に設けられた前記チャンファ62と、前記本体部71aの径方向外周縁のうち,前記チャンファ62より軸方向内方に設けられた前記第1及び第2係合突起63’,63''とを有している。
【0032】
前記ミドルコーンリング72は、前記アウターコーンリング71のテーパ状内周摩擦面71a’と摩擦接触するテーパ状外周摩擦面72a’と、前記第1シンクロコーン50aのテーパ状外周摩擦面51と向き合うテーパ状内周摩擦面72a''とを有し、前記第1シンクロコーン50aに対して相対回転不能とされている。
具体的には、前記ミドルコーンリング72は、前記テーパ状外周摩擦面72a’及びテーパ状内周摩擦面72a''を有する本体部72aと、該本体部72aから軸方向外方へ延在された突起部72bとを備えており、該突起部72bが前記第1シンクロコーン50aの壁部52に形成された係合孔52’に係入されている。
【0033】
前記インナーコーンリング73は、前記ミドルコーンリング72のテーパ状内周摩擦面72a''と摩擦接触するテーパ状外周摩擦面73a’と、前記第1シンクロコーン50aのテーパ状外周摩擦面51と摩擦接触するテーパ状内周摩擦面73a''とを有し、前記アウターコーンリング71に相対回転不能に連結されている。
具体的には、前記インナーコーンリング73は、前記テーパ状外周摩擦面及73a’びテーパ状内周摩擦面73a''を有する本体部73aと、該本体部73aから軸方向内方に延在された延在部73bとを有している。
前記延在部73bは、前記アウターコーンリング71における連結片71bが係入される係合孔(図示略)を有している。
【0034】
即ち、前記アウターコーンリング71における連結片71b及び前記インナーコーンリング73における延在部73bが、両者を一体的に連結する連結部を構成している。
このように、前記連結部によって前記アウターコーンリング71及びインナーコーンリング73を軸方向相対移動不能とすることにより、第1シンクロナイザーリング60aと第1シンクロコーン50aとの間の複数の摩擦面を有効に活用でき、同期クラッチ容量を向上させることができる。
【0035】
本実施の形態に係る同期噛合装置1は下記構成を有することにより、前記連結部に起因する装置の大型化を防止している。
即ち、本実施の形態に係る同期噛合装置1においては、図1,図4及び図5に示すように、前記クラッチハブ10の軸方向端面に軸方向外方に開く窪み15が形成されており、前記連結部71b,73bは該窪み15内に軸方向にはまり込むようになっている。
詳しくは、前記連結部71b,73bの一部又は全部は、少なくとも、前記第1シンクロナイザーリング60aが前記第1シンクロコーン50aと摩擦係合しない位置(即ち、軸方向内方位置)に位置する際には、前記窪み15内にはまり込むようになっている。
【0036】
そして、図4に良く示されるように、該窪み15は、前記スプライン80の内装位置とは周方向に異なる位置に形成されている。
即ち、前記スプリング80は、前記インデックスキー30を前記スリーブ20の内歯スプライン21へ向けて押圧するように、前記クラッチハブ10に内装されている。
具体的には、前記クラッチハブ10には、径方向外周縁に開く径方向孔18が形成されており、前記スプリング80は該径方向孔18に収容されている。
そして、前記窪み15は前記径方向孔18とは周方向に異なる位置に形成されており、これにより、装置自体の可及的な小型化を図りつつ、同期クラッチ容量の拡大を図り得るようになっている。
本実施の形態においては、前記クラッチハブ10には、周方向に120゜ずつ等間隔に離間配置された3つの前記径方向孔18が形成されている。そして、前記窪み15は、一の径方向孔18と該一の径方向孔に隣接する他の径方向孔18との間に延びる正面視長円弧状とされている(図4参照)。
【0037】
前述の通り、本実施の形態に係る同期噛合装置1は、アウターコーンリング71及びインナーコーンリング73が連結部71b,73bによって相対移動不能に連結されており、これにより、同期クラッチ容量の拡大を図っている。
ところで、前記連結部71b,73bはクラッチハブ10と第1シンクロコーン50aとの間に位置することになるから、単に該連結部71b,73bを設けるだけでは、クラッチハブ10の軸方向端面と第1シンクロコーン50aにおける壁部52の軸方向端面とにより画される第1シンクロナイザーリング60aの収容空間を広げる必要がある。
【0038】
この点に関し、本実施の形態に係る同期噛合装置1においては、前述の通り、クラッチハブ10の軸方向端面に前記窪み15を設け、前記連結部71b,73bの少なくとも一部が該窪み15内に位置するように構成している。
従って、前記連結部71b,73bを設けることによる前記収容空間の拡大を可及的に抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、前記連結部71bは、図4に示すように、周方向に配設された3つ一組で前記窪み15内に位置されている。
そして、前記連結部73bは、前記3つの連結部71bのそれぞれの間に位置する2つ一組で前記窪み15内に位置されている。
【0039】
さらに、本実施の形態に係る同期噛合装置1においては、前記窪み15と前記径方向孔18とを周方向に沿って異なる位置に設けている。従って、クラッチハブ10の軸方向厚を可及的に狭めることができる。
即ち、前記窪み15及び径方向孔18がクラッチハブ10の周方向同一位置に形成されている場合には、クラッチハブ10の軸方向厚を厚くする必要があり、これにより、材料費の増加と共に、装置自体の大型化を招く。
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記窪み15及び径方向孔18の周方向位置を異ならせている。
従って、前記窪み15又は径方向孔18の双方を考慮に入れてクラッチハブ10の軸方向厚を設定する必要がなく、これにより、クラッチハブ10の軸方向厚を可及的に狭めることができる。
【0040】
好ましくは、前記回転軸100に外周面に開く潤滑油供給油路102を形成し、該潤滑油供給油路102と前記窪み15とを連通するように構成することができる。
斯かる構成により、前記窪み15を「油溜まり」として作用させることができ、第1シンクロナイザーリング60aと第1シンクロコーン50aとの間の摩擦面に有効に潤滑油を供給することができる。
【0041】
種々の構造により前記潤滑油供給油路102と前記窪み15との連通を行うことができるが、例えば、前記第1歯車のスプライン部42とクラッチハブ10の軸方向端面との間に前記潤滑油供給油路102に連通する間隙45を設けると共に、前記第1シンクロコーン50aの軸方向内端部に該間隙45と前記窪み15とを連通する切り欠き58を設けることによって前記油路102と前記窪み15とを連通させ得る。
【0042】
好ましくは、前記径方向孔18は、内端部がクラッチハブ10の前記中央孔に開口し、且つ、外端部がクラッチハブ10の前記切り欠き14aに開口すると共に、中央部及び外端部が第1直径を有し、且つ、内端部が該第1直径よりも小径の第2直径を有するものとし得る。
そして、該径方向孔18の内端部には、前記第1直径よりも小径で且つ前記第2直径よりも大径のボール81を配設して、前記スプリング80を、基端部が該ボール81と係合するように、該径方向孔18に配設し得る。
該径方向孔18の内端部は、クラッチハブ10を回転軸100にスプライン結合させた際に、該回転軸100における前記スプライン101の凸部と対向する位置において、前記クラッチハブ10の中央孔に開口している。
【0043】
斯かる構成によれば、インデックスキー30及びスリーブ20のクラッチハブ10への組み付け作業の効率化を図ることができる。
即ち、前記スプリング80は、常時、前記インデックスキー30を前記スリーブ20の内歯スプライン21に向けて押圧している。従って、前記スプリング80の保有弾性が所定値を上回るような圧縮量で該スプリング80を圧縮させた状態で、クラッチハブ10にインデックスキー30及びスリーブ20を外挿させる必要がある。
【0044】
これに対し、本実施の形態においては、まず、前記ボール81及びスプリング80が内装されたクラッチハブ10に、インデックスキー30及びスリーブ20を外挿して組立体を形成してから、該組立体を回転軸100に支持させることで、前記スプリング80の所定の圧縮状態を得ることができる。従って、インデックスキー30及びスリーブ20のクラッチハブ10への組み付け作業を容易に行うことができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る同期噛合装置によれば、インデックスキーをスリーブに向けて付勢するスプリングがクラッチハブに内装されると共に、シンクロナイザーリングが複数のコーンリングによって構成された複数コーンリング型同期噛合装置において、アウターコーンリング及びインナーコーンリングの軸方向内端部を連結する連結部を設ける共に、クラッチハブの軸方向端面のうち前記スプリングが内装された部位とは周方向に変位された位置に前記連結部が軸方向にはまり込む窪みを設けたので、装置自体の大型化を抑えつつ、シンクロナイザーリングの軸方向移動範囲を可及的に広げることができる。さらに、前記ギヤの軸方向内端部及び前記クラッチハブの軸方向端面の間に設けられた間隙と、前記シンクロコーンの軸方向内端部に設けられた切り欠きとを介して、前記回転軸の外表面に開口するように該回転軸に形成された潤滑油供給油路を前記窪みに連通させたので、前記窪みを「油溜まり」として作用させることができ、シンクロナイザーリングとシンクロコーンとの間の摩擦面に効果的に潤滑油を供給することができる。
【0046】
さらに、スプリングが内装される径方向孔を、中央部及び外端部が第1直径を有し、且つ、内端部が前記第1直径よりも小径の第2直径を有するものとし、前記径方向孔の内端部を、前記回転軸及び前記クラッチハブがスプライン結合される際に該回転軸におけるスプラインの凸部と対向する位置において、前記クラッチハブの前記中央孔に開口させ、前記径方向孔の内端部に、前記第1直径よりも小径で且つ前記第2直径よりも大径のボールを配設して、前記スプリングを、基端部が前記ボールと係合した状態で前記径方向孔に配設したので、ボール及びスプリングが内装されたクラッチハブに、インデックスキー及びスリーブを外挿して組立体を形成してから、該組立体を回転軸に支持させることで、スプリングの所定圧縮状態を得ることができる。従って、インデックスキー及びスリーブのクラッチハブへの組み付け作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態に係る同期噛合装置の縦断側面図であり、クラッチハブに形成された窪みを通過する断面を示しいている。
【図2】 図2は、図1とは周方向に異なる位置における前記同期噛合装置の縦断側面図であり、クラッチハブに形成されたスプリング内装用の径方向孔を通過する断面を示している。
【図3】 図3は、図1及び図2に示す同期噛合装置の周方向展開断面図である。
【図4】 図4は、図1〜図3に示す同期噛合装置の縦断正面図である。
【図5】 図5は、図1〜図4に示す同期噛合装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 同期噛合装置
10 クラッチハブ
15 窪み
18 スプリング内装用径方向孔
20 スリーブ
21 内歯スプライン
30 インデックスキー
40a 第1歯車
40b 第2歯車
45 間隙
50a 第1シンクロコーン
54 チャンファ部
55 凹所
50b 第2シンクロコーン
58 切り欠き
60a 第1シンクロナイザーリング
60b 第2シンクロナイザーリング
71 アウターコーンリング
72 ミドルコーンリング
73 インナーコーンリング
80 スプリング
81 ボール
Claims (2)
- 回転軸上に互いに相対回転可能に支持されたクラッチハブ及びギヤと、
前記ギヤと一体回転するシンクロコーンと、
該クラッチハブ及びシンクロコーンの間に配設されたシンクロナイザーリングであって、径方向に重ね合わされたアウターコーンリング,ミドルコーンリング及びインナーコーンリングを少なくとも有するシンクロナイザーリングと、
前記クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向移動自在に外挿されるスリーブと、
前記クラッチハブと前記スリーブとの間に介挿されたインデックスキーであって、前記スリーブの軸方向移動に連動して前記シンクロナイザーリングを押動して前記シンクロコーンと摩擦係合させるインデックスキーと、
前記インデックスキーを前記スリーブの内歯スプラインに向けて付勢するように、前記クラッチハブに内装されたスプリングとを備え、
前記アウターコーンリング及びインナーコーンリングは、軸方向内端部に設けられた連結部によって一体的に移動するように連結されており、
前記クラッチハブの軸方向端面には、前記スプリングが内装された部位から周方向に変位された位置に、前記連結部が軸方向にはまり込み可能な窪みが設けられており、
前記窪みは、前記ギヤの軸方向内端部及び前記クラッチハブの軸方向端面の間に設けられた間隙と、前記シンクロコーンの軸方向内端部に設けられた切り欠きとを介して、前記回転軸の外表面に開口するように該回転軸に形成された潤滑油供給油路に連通されており、
前記クラッチハブは、前記回転軸がスプライン結合される状態で挿通される中央孔と、前記インデックスキーが配設されるように外周に設けられた切り欠きと、内端部が前記中央孔に開口し且つ外端部が前記切り欠きに開口する径方向孔であって、前記スプリングが内装される径方向孔とを有し、
前記径方向孔は、中央部及び外端部が第1直径を有し、且つ、内端部が前記第1直径よりも小径の第2直径を有し、
前記径方向孔の内端部は、前記回転軸及び前記クラッチハブをスプライン結合させた際に該回転軸におけるスプラインの凸部と対向する位置において、前記クラッチハブの前記中央孔に開口されており、
前記径方向孔の内端部には、前記第1直径よりも小径で且つ前記第2直径よりも大径のボールが配設され、
前記スプリングは、基端部が前記ボールと係合した状態で前記径方向孔に配設されていることを特徴とする同期噛合装置。 - 前記シンクロコーンは、前記シンクロナイザーリングと摩擦係合するテーパ状摩擦面部と、該摩擦面部の軸方向外端部から径方向外方へ延びる壁部と、該壁部の径方向外周縁に設けられ、前記スリーブの内歯スプラインと噛合する外歯スプラインとを備え、
前記外歯スプラインのうちの少なくともチャンファ部は、前記壁部から前記クラッチハブに近接する方向へ突出されており、
前記チャンファ部の径方向内方の空間に、前記シンクロナイザーリングの一部が臨むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同期噛合装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258083A JP4135886B2 (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 同期噛合装置 |
PCT/JP2003/004270 WO2003085289A1 (fr) | 2002-04-04 | 2003-04-03 | Transmission mobile d'un vehicule de travail |
US10/509,744 US7124867B2 (en) | 2002-04-04 | 2003-04-03 | Traveling transmission of working vehicle |
EP03745896A EP1491798B1 (en) | 2002-04-04 | 2003-04-03 | Traveling transmission of working vehicle |
DE60322861T DE60322861D1 (de) | 2002-04-04 | 2003-04-03 | Fahrgetriebe für arbeitsfahrzeug |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258083A JP4135886B2 (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 同期噛合装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004092863A JP2004092863A (ja) | 2004-03-25 |
JP4135886B2 true JP4135886B2 (ja) | 2008-08-20 |
Family
ID=32062842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002258083A Expired - Fee Related JP4135886B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-09-03 | 同期噛合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4135886B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4745953B2 (ja) * | 2006-12-15 | 2011-08-10 | アイシン・エーアイ株式会社 | マルチコーン型同期装置 |
JP4927001B2 (ja) * | 2008-02-21 | 2012-05-09 | アイシン・エーアイ株式会社 | 変速機のシンクロメッシュ機構 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002258083A patent/JP4135886B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004092863A (ja) | 2004-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20030066645A (ko) | 변속기용 동기장치 | |
JP2012233566A (ja) | 手動変速機の同期噛合機構 | |
JP6183999B2 (ja) | 変速機用同期装置 | |
JP4135886B2 (ja) | 同期噛合装置 | |
JP4121821B2 (ja) | シンクロ装置 | |
JP5020903B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
KR101014025B1 (ko) | 수동 변속기의 더블 콘형 동기 치합 장치 | |
JP4927001B2 (ja) | 変速機のシンクロメッシュ機構 | |
JP4513158B2 (ja) | 摩擦ローラ式変速機 | |
JPS6252241A (ja) | 歯車変速機の同期装置 | |
JPH0716108Y2 (ja) | 複数コーン型同期装置 | |
JP5078927B2 (ja) | ダブルコーン式シンクロメッシュ装置 | |
JP3961358B2 (ja) | 同期噛合装置 | |
JP2009236202A (ja) | 変速機用同期装置 | |
JP2015178847A (ja) | 自動変速機 | |
JP2506071Y2 (ja) | 変速機の同期噛合装置 | |
JP3072816B2 (ja) | 変速機の同期噛合装置 | |
JPH11101269A (ja) | 手動変速機の同期装置 | |
JP2000234630A (ja) | 変速機のシンクロナイザリング | |
JPH0716105Y2 (ja) | 変速機の同期噛合装置 | |
JPH067213Y2 (ja) | 歯車変速機の異音防止装置 | |
JPH089461Y2 (ja) | 同期噛合装置 | |
JP2004125030A (ja) | 変速機 | |
KR100412898B1 (ko) | 동기치합식 수동변속기의 변속단 기어 구조 | |
JP2004060810A (ja) | 歯車変速装置の同期機構及びシンクロナイザリング |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20040514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070216 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070404 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071026 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071204 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080530 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |